JP2005101003A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時の充放電特性に優れ、且つ高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液二次電池を与える非水電解液を提供する。
【解決手段】非水電解液二次電池用電解液であって、(A)環状カルボン酸エステル、(B)炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルおよび(C)炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルからなる非水溶媒、ならびにその非水溶媒に溶解させた溶質からなる非水電解液。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池用電解液に関する。
近年、パソコンおよび携帯電話等の電子機器の小型軽量化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として高エネルギー密度を有する二次電池が要求されている。中でもリチウムを活物質とする非水電解液二次電池は、高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大きい。従来、この電池には、負極に金属リチウム、正極に二硫化モリブデン、二酸化マンガン、五酸化バナジウムなどが用いられ、3V級の電池が実現されている。
しかしながら、負極に金属リチウムを用いた場合、充電時に樹枝状(デンドライト状)リチウムの析出が起こり、充放電の繰り返しとともに極板上に堆積した樹枝状リチウムが、極板から遊離して電解液中を浮遊したり、正極と接触して微少短絡を起こしたりするという問題がある。その結果、電池の充放電効率が低下し、サイクル寿命が短くなる。また、樹枝状リチウムは表面積が大きく、反応活性が高いため、安全面に問題を有している。
この問題を解決すべく、最近は金属リチウムにかえて負極に炭素材料を用い、正極にLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウムに対して4V級の電位を示すリチウム含有遷移金属酸化物を用いたリチウムイオン二次電池の研究が精力的にすすめられ、すでに商品化されている。この電池では、負極においてリチウムが炭素材料中にイオンとして吸蔵された状態で存在する。そのため、従来の金属リチウムを用いた負極でみられた樹枝状リチウムは析出せず、安全面で極めて高い信頼性を確保することが可能である。
以上のように非水電解液二次電池、特にリチウムイオン二次電池では、正極、負極の特性が重要である。しかし、良好な電池特性を得るためには、リチウムイオンの移送を担う非水電解液の特性も重要である。この非水電解液を構成する非水溶媒としては、通常、溶質の溶解性の高い高誘電率溶媒と低粘性溶媒とを組み合わせた混合溶媒が用いられている。
この理由は以下の通りである。
高誘電率溶媒は粘度が高く、イオン移送が非常に遅い。そこで、粘度を下げてイオンの移送能力を高めるために、低粘性溶媒を高誘電率溶媒と併用している。例えば高誘電率溶媒であるエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステルと低粘性溶媒であるジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステルとの混合溶媒からなる電解液は、高い導電率が得られることから、従来より汎用されている。エチレンカーボネートは、凝固点が38℃付近と高いため、これを単独で用いると、溶質との混合による凝固点降下を見込んでも0℃程度までしか凝固点が下がらない。そのため、上記のようにエチレンカーボネートを低粘性でかつ低凝固点の溶媒と混合することにより、低温特性を確保している。しかし、混合溶媒においても、エチレンカーボネートの低温特性への影響は少なからず残り、十分な低温特性が確保できていないのが現状である。
そこで、環状カルボン酸エステルであるラクトン系溶媒を用いた電解液が提案されている(特許文献1)。ラクトン系溶媒は、凝固点が−45℃と低く、かつ高誘電率を有していることから、リチウムイオン二次電池には非常に好ましい溶媒である。
ところが、ラクトン系溶媒であるγ−ブチロラクトンなどは、負極上で還元分解されやすく、電池内で大量の分解ガスが発生するという問題がある。そこで、γ−ブチロラクトンの負極上での還元分解を抑制するために、γ−ブチロラクトンを含む電解液に、負極上で被膜を形成する添加剤として知られるビニレンカーボネートを添加した電池が検討されている。しかし、その電池を高温条件下に一定時間放置した場合、充放電特性が著しく低下する現象が認められている。これは、熱により負極上でのビニレンカーボネートの分解が促進されて、負極上に過剰の被膜が形成されるためと考えられる。すなわち、過剰の被膜が妨げとなって、負極へのリチウムイオンの挿入、脱離がスムーズに行われなくなるため、高温条件下に一定時間放置した後の電池の充放電特性が著しく低下するものと考えられる。
特開平11−097062号公報
本発明は、このような問題を解決し、特に低温時の充放電特性に優れ、且つ電池を高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液二次電池を与える非水電解液を提供するものである。
上記課題を解決すべく、本願発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ラクトン系溶媒に代表される環状カルボン酸エステル(A)および炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)からなる電解液に、さらに炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)を含有させることで、低温時の充放電特性に優れ、且つ電池を高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液が得られることを見い出した。
上記非水電解液が優れた電池特性を示す理由を以下に示す。
炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)は、不飽和結合部が非常に重合しやすいため、負極上で連鎖的に重合反応を起こし、迅速に負極上に緻密で強固な被膜を形成する。この負極上に形成された被膜がリチウムイオン周囲の溶媒分子の負極への接触を阻止する物理的バリアーとなる結果、負極での環状カルボン酸エステルの還元分解が抑制される。
ところが、環状カルボン酸エステル(A)に炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)を含有させた電解液を用いて作製した電池を高温条件下に一定時間放置した場合、上述のように熱により負極上での環状炭酸エステル(B)の分解が促進されて負極上に過剰の被膜が形成される。その結果、負極へのリチウムイオンの挿入、脱離がスムーズに行われなくなり、電池の充放電特性が著しく低下するという問題がおこる。
そこで、さらに不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)を電解液に含有させることにより、高温条件下での環状炭酸エステル(B)の過剰の重合反応を抑制することができる。エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)も、ビニレンカーボネート等の炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステル(B)と同様に負極上で還元分解されて分解生成物による被膜を形成する。ただし、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートは、炭素−炭素不飽和結合を有しないため、不飽和結合の重合反応で被膜を形成するビニレンカーボネート等に比べて被膜の形成が非常に遅い。
ビニレンカーボネートの連鎖的な重合反応の途中において、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートが重合中間体に結合した場合、その部位の反応が非常に遅くなり、高温条件下でのビニレンカーボネートの過剰な重合反応が抑制される。その結果、高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を有する電池が実現できる。
本発明は、非水電解液二次電池用電解液であって、前記非水電解液が、(A)環状カルボン酸エステル、(B)炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルおよび(C)炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルからなる非水溶媒ならびに前記非水溶媒に溶解させた溶質からなる非水電解液に関する。
環状カルボン酸エステル(A)は、γ−ブチロラクトンおよび式(1):
Figure 2005101003
(R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアセチル基)で表されるγ−ブチロラクトンの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
γ−ブチロラクトンの誘導体は、γ−バレロラクトンであることが好ましい。 炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)は、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
前記非水電解液においては、環状カルボン酸エステル(A)が、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンからなる群より選択される少なくとも一種であり、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)が、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であり、炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)が、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることが特に好ましい。
また、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)には、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとを併用することが特に好ましい。
前記非水溶媒は、さらに鎖状炭酸エステル(D)を含有することができる。
鎖状炭酸エステル(D)は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
前記非水溶媒は、さらにグライム(E)を含有することができる。
グライム(E)は、ジグライム、トリグライムおよびテトラグライムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明は、正極がリチウム含有遷移金属酸化物からなり、負極が黒鉛からなる非水電解液二次電池用電解液として好適である。
前記リチウム含有遷移金属酸化物は、化学式:
Lia(Co1-x-yMgxybc
(Mは、Mn、Ni、Y、Yb、Ca、Al、Ti、Cu、Zn、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されることが好ましい。
前記溶質には、LiPF6とLiBF4とを併用することが好ましい。
前記非水溶媒は、さらにフェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を少なくとも1種含有することができる。
前記ベンゼン誘導体は、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルおよびラクトン基を有するベンゼン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の非水電解液二次電池用電解液は、環状カルボン酸エステル(A)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)および炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)からなる非水溶媒および前記非水溶媒に溶解させた溶質からなることから、環状炭酸エステル(B)が負極上に緻密で強固な被膜を形成するため、環状カルボン酸エステル(A)の負極上での還元分解が抑制される。また、電池を高温条件下に一定時間放置した場合、環状炭酸エステル(B)が負極上で過剰に被膜を形成するが、環状炭酸エステル(C)が、この過剰の被膜形成を抑制する。その結果、低温時の充放電特性に優れ、且つ電池を高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液二次電池が実現できる。
本発明は、非水電解液二次電池用電解液に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に低温環境下における充放電特性の改良を目的とした非水電解液の溶媒の改良に関する。
本発明の非水電解液は、高誘電率を有し、低温環境下でのイオン移送能力に優れた環状カルボン酸エステル(A)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)および炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)からなる非水溶媒ならびに溶質を含有する。
環状カルボン酸エステル(A)としては、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アンゲリカラクトン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−オクタノラクトン、γ−メチル−γ−デカノラクトン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する環状炭酸エステル(B)としては、ビニレンカーボネート(VC):
Figure 2005101003
を始めとして、3−メチルビニレンカーボネート、3,4−ジメチルビニレンカーボネート、3−エチルビニレンカーボネート、3,4−ジエチルビニレンカーボネート、3−プロピルビニレンカーボネート、3,4−ジプロピルビニレンカーボネート、3−フェニルビニレンカーボネート、3,4−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート(DVEC)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。特に、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとを併用すると、ビニルエチレンカーボネートが高温におけるビニレンカーボネートの反応活性を抑制するため、電池の高温保存特性が向上する点で好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
前記非水溶媒における環状カルボン酸エステル(A)の含有量は、10〜97体積%であることが好ましい。
前記非水溶媒における炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)の含有量は、0.5〜20体積%であることが好ましい。
前記非水溶媒における炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)の含有量は、40体積%以下であることが好ましく、0.1〜30体積%がさらに好ましく、0.1〜20体積%が最も好ましい。
前記非水溶媒は、さらに、鎖状炭酸エステル(D)を含有することができる。非水溶媒が鎖状炭酸エステル(D)を含有する場合、非水溶媒の粘度が低下し、低温時の電池の充放電特性をさらに向上させることができる。鎖状炭酸エステル(D)としては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記非水溶媒における鎖状炭酸エステルの含有量は、50体積%以下であることが好ましく、0.1〜30体積%がさらに好ましく、0.1〜20体積%が最も好ましい。
前記非水溶媒は、さらにグライム(E)を含有することができる。グライム(E)としては、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記非水溶媒におけるグライム(E)の含有量は、20体積%以下であることが好ましい。
また、過充電時に分解して電極上に被膜を形成し、電池を不活性化する従来からよく知られているベンゼン誘導体(F)を本発明にかかる非水溶媒に添加することも効果的である。ベンゼン誘導体(F)には、フェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を用いることが好ましい。
前記環状化合物基としては、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。
ベンゼン誘導体(F)の具体例としては、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ラクトン基を有するベンゼン誘導体、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記非水溶媒におけるベンゼン誘導体(F)の含有量は、10体積%以下であることが好ましい。
前記非水溶媒に溶解させる溶質は、本発明では特に限定されず、非水電解液二次電池で通常用いられているいずれの溶質でも使用できる。具体的には、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiB[C63(CF32−3,5]4、LiPFa(Cb2b+16-a(aは1から5の整数、bは1以上の整数である)、LiPFc(Cd2d+1SO26-c(cは1から5の整数、dは1以上の整数である)、LiBFe(Cf2f+14-e(eは1から3の整数、fは1以上の整数である)、LiBFg(Ch2h+1SO24-g(gは1から3の整数、hは1以上の整数である)等が使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、LiPF6とLiBF4とを併用することが特に好ましい。LiPF6は、電気特性に優れる一方で、フッ酸を生成するため化学的に不安定である。特に、本発明にかかる電解液の成分である環状カルボン酸エステル(A)は、フッ酸により分解しやすいため、例えば電池のサイクル特性が阻害されるおそれがある。一方、LiBF4のみを使用した場合には、LiBF4の解離度が低い、あるいは負極に黒鉛を用いる場合に表面に形成される保護被膜が弱くなるなどの理由により、やはり電池のサイクル特性が阻害される。それに対し、LiBF4をLiPF6と併用すると、電池のサイクル特性が向上する。このLiBF4の添加効果は少量でも得ることができる。LiPF6の量は全溶質量の2モル%以上であることが好ましい。一方、LiBF4の量は、全溶質量の10モル%以上であることが好ましい。
前記非水電解液における溶質濃度は、0.8モル/リットル〜2.5モル/リットルが好ましい。
前記非水電解液を用いた電池の正極、負極としては、通常この種の非水電解液二次電池で用いられるものを使用できる。
正極材料は、電池容量を向上させ、エネルギー密度を高める点から、リチウムと一種以上の遷移金属を含有する複合酸化物(リチウム含有遷移金属酸化物)を主体とすることが好ましい。例えばLixMO2(式中、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態により異なり、通常0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を主体とする活物質が適している。このLixMO2において、遷移金属MはCo、NiおよびMnの少なくとも一種であることが好ましい。その他、リチウム含有遷移金属酸化物としては、LixMn24を用いてもよい。
特に、正極材料に化学式:
Lia(Co1-x-yMgxybc(Mは、Mn、Ni、Y、Yb、Ca、Al、Ti、Cu、Zn、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いることが好ましく、活物質の電子伝導性を向上させることができる。しかしこの場合、活物質の反応性も高くなるため、従来の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルを非水溶媒の主成分とする電解液と組み合わせて用いると、非水溶媒と活物質とが反応しやすいという欠点を有する。それに対し、本発明の電解液を用いると、電池のサイクル特性が向上する。この理由について詳細は不明であるが、本発明によれば正極表面にも安定な被膜が形成され、電解液の分解が抑制されるためではないかと考えられる。
前記リチウム含有遷移金属酸化物Lia(Co1-x-yMgxybcは、例えば、リチウム塩と、マグネシウム塩と、Mで表される金属の塩と、コバルト塩とを酸化雰囲気下で高温で焼成することにより、得ることができる。正極活物質を合成するための原料としては、以下のものを用いることができる。
リチウム塩としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
マグネシウム塩としては、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硫化マグネシウム、水酸化マグネシウムを用いることができる。
同様にMで表される金属の塩も既存のものが適宜使用できる。
コバルト塩としては、酸化コバルト、水酸化コバルト等を用いることができる。
また、共沈法により、マグネシウムや金属Mを含有する水酸化コバルトを作製した後、その水酸化コバルトとリチウム塩とを混合し、焼成することによっても前記リチウム含有遷移金属酸化物を得ることができる。
負極材料としては、金属リチウム、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な材料等を用いることができる。リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な材料としては、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭素等の炭素材料やポリアセチレン、ポリピロール、ポリアセン等のポリマー、Li4/3Ti5/34、TiS2等のリチウム含有遷移金属酸化物あるいは遷移金属硫化物が挙げられる。これらのうちでは、特に炭素材料が適しており、例えば、(002)面の面間隔が0.340nm以下であるようなグラファイトを用いる場合、電池のエネルギー密度が向上する。
正極材料は、例えば結着剤および導電剤と混練され、極板に加工される。また、負極材料は、例えば結着剤と混練され、極板に加工される。前記結着剤および導電剤には、従来公知のものをいずれも使用可能である。
本発明の非水電解液を用いる電池の形状等には、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、大型等があり、正極、負極の態様をそれに応じて変更すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
《実施例1》
図1に本実施例で用いた円筒型非水電解液二次電池(直径18mm、総高65mm)の右半分断面正面図を示す。この電池は以下のように作製した。
セパレータ1を介して、帯状正極板2と負極板3とを複数回渦巻状に捲回して、極板群を構成した。正極板2と負極板3にはそれぞれアルミニウム製正極リード4およびニッケル製負極リード5を溶接した。極板群の下にポリエチレン樹脂製底部絶縁板6を装着し、内面をニッケルメッキした鉄製電池ケース7内に収容し、負極リード5の他端を電池ケース7の内定面にスポット溶接した。極板群の上面にポリエチレン樹脂製上部絶縁板8を載置してから電池ケース7の開口部の所定位置に溝入れし、所定量の非水電解液を電池ケース7内に注入し、極板群に含浸させた。ポリプロピレン樹脂製ガスケット9を周縁部に装着させたステンレス鋼製の封口板10を準備し、その下面に正極リード4の他端をスポット溶接した。その後、電池ケース7の開口部に封口板10装着し、電池ケース7の上縁部をガスケット9にかしめて開口部を封口し、電池を完成した。
正極板2は以下のように作製した。
Li2CO3とCo34とを混合し、900℃で10時間焼成してLiCoO2を合成した。100重量部のLiCoO2に、導電剤としてアセチレンブラック3重量部、結着剤としてポリ四フッ化エチレン7重量部を混合し、1重量%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部を加え、攪拌・混合してペースト状正極合剤を得た。そして、厚さ30μmのアルミニウム箔製集電体の両面に前記ペースト状正極合剤を塗布し、乾燥後、圧延ローラーを用いて圧延を行い、所定寸法に裁断して正極板2とした。
負極板3は以下のように作製した。
平均粒径が約20μmになるように粉砕・分級した鱗片状黒鉛100重量部と、結着剤のスチレン/ブタジエンゴム3重量部とを混合した後、1重量%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部を加え、攪拌・混合してペースト状負極合剤を得た。そして、厚さ20μmの銅箔製集電体の両面に前記ペースト状負極合剤を塗布し、乾燥後、圧延ローラーを用いて圧延を行い、所定寸法に裁断して負極板3とした。
上述のように作製した帯状の正極板2、負極板3および厚さ25μmの微多孔性ポリエチレン樹脂製セパレータ1を用いて上記極板群を構成した。
表1に示した組成の各種非水電解液を用いて、本発明の実施例1の電池1A〜22Aを作製した。表1において、電池5A〜8Aのエチルメチルカーボネート/γ−ブチロラクトン(EMC/GBL)比は、体積比で1:1とし、実施例の電池9A〜12Aのジメチルカーボネート/γ−ブチロラクトン(DMC/GBL)比は、体積混合比で1:1とした。また、電池1A〜22Aの非水溶媒におけるビニレンカーボネート(VC)の含有量は2体積%、プロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量はそれぞれ1体積%とした。各非水電解液における溶質濃度は1.25mol/lとした。
Figure 2005101003
《比較例1》
表2に示した組成の各種非水電解液を用いたこと以外、実施例1と同様に比較の電池1B〜12Bを作製した。表2において、電池3B、4Bのエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(EC/EMC)比は、体積混合比で1:3とした。また、電池7B、8Bの非水溶媒におけるビニレンカーボネート(VC)の含有量は2体積%、電池9B〜12Bの非水溶媒におけるプロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量はそれぞれ1体積%とした。各非水電解液における溶質濃度は1.25mol/lとした。
Figure 2005101003
[電池の評価1]
(i)ガス量
実施例1の電池1A〜22Aおよび比較例1の電池1B〜12Bを環境温度20℃で、充放電電流300mA、充電終止電位4.1V、放電終止電位3.0Vの定電流充放電を行い、3サイクル後の電池内のガス発生量を測定した。結果を表3に示す。
(ii)低温環境下での容量維持率
電池の低温環境下における放電特性を比較した。この試験において、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃と−20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。20℃における放電容量に対する−20℃における放電容量の割合を百分率(%)で求め、低温環境下での容量維持率とした。結果を表3に示す。
(iii)高温保存後の容量維持率
85℃の環境下に充電状態の電池を72時間放置した後の放電特性を比較した。この試験において、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。電池を85℃に放置する前と後の20℃における放電容量を測定し、放置する前に対する放置後の放電容量の割合を百分率(%)で求め、高温保存後の容量維持率とした。結果を表3に示す。
Figure 2005101003
表3に示すように、比較の電池5B、6Bでは、GBLが負極で分解された結果、大量の分解ガスが観測された。比較の電池9B〜12Bにおいても大量の分解ガスが観測されており、このことから、PCやECによる負極上への被膜形成の速度は非常に遅いため、負極でのGBLの分解が十分に抑制できていないことがわかる。それに比べて、本発明の実施例の電池1A〜22Aでは、VCが負極上に分解生成物による被膜を迅速に形成するため、負極でのGBLおよびラクトン系溶媒の分解が十分に抑制され、ガス量が大幅に減少していると考えられる。
比較の電池1B、2Bでは、ECが低温で凍結するため、−20℃では全く放電ができなかった。ECにEMCを含有させた比較の電池3B、4Bにおいても、−20℃で電解液が凍結はしなかったものの、低温環境下での容量維持率は35%程度と低かった。それに比べて実施例の電池1A〜22Aでは、GBLおよびラクトン系溶媒の凝固点が非常に低いことから、非常に優れた低温環境下での容量維持率が得られた。
比較の電池7B、8Bでは、高温条件下に一定時間放置した場合、熱により負極上でのVCの重合反応が促進され、負極上に過剰の被膜が形成され、負極でのリチウムイオンの挿入・脱離がスムーズに行われなくなったと考えられ、高温保存後の容量維持率が非常に低くなった。それに比べて実施例の電池1A〜4Aおよび13A〜22Aでは、ECやPCが高温条件下でのVCの重合反応を抑制するため、高温保存後の容量維持率が非常に優れていた。さらに、実施例の電池5A〜12Aのように非水電解液にEMCやDMC等の鎖状炭酸エステルを含有させることで、非水電解液の粘度を低下させることができ、低温環境下での容量維持率がより向上することが判明した。
以上の結果から、環状カルボン酸エステル(A)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)および炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)からなる非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を用いることにより、低温時の充放電特性に優れ、且つ高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液二次電池を実現できることが判明した。
《実施例2》
ビニレンカーボネート(VC)は、負極上で非常に迅速に重合反応を起こすため、その電解液への添加量が多すぎる場合、負極上で被膜が過剰に生成し、低温特性が低下するおそれがある。そこで、非水溶媒におけるVCの含有量について検討した。
非水溶媒におけるVCの含有量を表4に示すように変化させたこと以外、実施例の電池2Aと同様の電池1C〜7Cを作製した。すなわち、環状カルボン酸エステル(A)としてはγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)としてはプロピレンカーボネート(PC)、溶質としてはLiBF4を用い、非水溶媒におけるPCの含有量は1体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1.25mol/lとした。
得られた電池1C〜7Cの低温環境下での容量維持率を実施例1と同様に評価した。結果を表5に示す。
Figure 2005101003
Figure 2005101003
表5に示すように、非水溶媒におけるVCの含有量が0.1体積%では、GBLの還元分解を抑制する十分な被膜が形成されず、常温であっても充放電反応が十分にできなかった。また、VCの含有量が30体積%の場合、負極上でVCの還元分解による被膜が過剰に生成されるため、低温時の容量維持率は低下した。このことから、VCの含有量は、電池が良好な低温特性を示した0.5〜20体積%、さらには1〜10体積%が適当であると言える。
《実施例3》
次に、非水溶媒におけるプロピレンカーボネート(PC)またはエチレンカーボネート(EC)の含有量について検討した。
非水溶媒におけるPCまたはECの含有量を表6に示すように変化させたこと以外、実施例の電池2Aまたは4Aと同様の電池1D〜18Dを作製した。すなわち、環状カルボン酸エステル(A)としてはγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルとしてはビニレンカーボネート(VC)、溶質としてはLiBF4を用い、非水溶媒におけるVCの含有量は2体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1.25mol/lとした。
得られた電池1D〜18Dの低温環境下での容量維持率および高温保存後の容量維持率を実施例1と同様に評価した。結果を表7に示す。
Figure 2005101003
Figure 2005101003
表7に示すように、非水溶媒におけるPCまたはECの含有量が0.1体積%であっても、低温環境下での容量維持率は比較的良好な値が得られた。ところがPCの含有量が50体積%の場合、高温保存後の容量維持率が大きく低下した。これは、VCの量に対するPCの量が相対的に多くなったためにVCが負極表面に形成する被膜が不十分となり、PCが負極表面で分解されたためと考えられる。また、ECの含有量が50体積%の場合、低温特性がかなり低下する。これは、電解液の低温での伝導度が低下したため、容量維持率が低下したものと考えられる。これらの結果より、非水溶媒におけるPCまたはECの含有量が0.1〜40体積%では比較的満足し得る特性が得られるが、好ましくは0.1〜30体積%、特に好ましくは0.1〜20体積%であることがわかる。
《実施例4》
次に、非水溶媒における鎖状炭酸エステル(D)の含有量について検討した。 表8に示す組成の非水電解液を用いたこと以外、実施例1と同様の電池1E〜7Eを作製した。ここでは、環状カルボン酸エステル(A)としてγ−ブチロラクトン(GBL)、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)としてビニレンカーボネート(VC)、炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)としてエチレンカーボネート(EC)、鎖状炭酸エステル(D)としてジエチルカーボネート(DEC)、溶質としてLiBF4を用いた。また、非水溶媒におけるVCの含有量は2体積%、ECの含有量は20体積%、非水電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。非水溶媒におけるDECの含有量を1〜60体積%の範囲で変化させ、それに伴い、GBLの含有量も変化させた。
得られた電池1E〜7Eの低温環境下での容量維持率および高温保存後の容量維持率を実施例1と同様に評価した。結果を表9に示す。
Figure 2005101003
Figure 2005101003
表9において、DECの含有量が1〜20体積%の範囲では、DECの含有量が増え、GBLの含有量が減るに従って、低温環境下での容量維持率が上昇する傾向が見られた。しかし、DECの含有量が30〜60体積%の範囲では、逆に低温環境下での容量維持率は低下した。
高温保存後の容量維持率は、DECの含有量が1〜30体積%の範囲では、DECの含有量が増え、GBLの含有量が減るに従って、上昇する傾向が見られた。しかし、DECの含有量が50〜60体積%の範囲では、DECの含有量が増え、GBLの含有量が減るに従って、高温保存後の容量維持率が低下する傾向が見られた。これは、電解液がDECを過剰に含むと、保存時に何等かの副反応がおこり、特性が劣化したものと考えられる。なお、非水溶媒におけるDECの含有量が0.1体積%未満では、電池特性の向上はほとんど見られなかった。よって、非水溶媒におけるDECの含有量は50体積%以下であることが好ましく、0.1〜30体積%がさらに好ましく、0.1〜20体積%が最も好ましいと言える。
《実施例5》
次に、非水電解液の溶質としてLiPF6とLiBF4とを併用する場合について検討した。
非水溶媒には、表10に示すように、γ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したものを用いた。電解液におけるLiPF6とLiBF4との合計の溶質濃度が1mol/lとなるように、LiPF6とLiBF4との混合モル比率を変化させた。その他は、実施例1と同様にして電池1F〜5Fを作製した。なお、電池5Fは、実施例4の電池5Eと同じ構成である。
Figure 2005101003
[電池の評価2]
得られた電池1F〜5Fについて測定した特性は次の通りである。結果を表11に示す。
(i)高温保存後の容量維持率
高温保存後の容量維持率は、実施例1と同様に測定した。
(ii)サイクル寿命
電池の充放電サイクルを繰り返し、3サイクル目の容量を100%として容量が50%になった時点のサイクル数をサイクル寿命とみなした。
なお、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。
(iii)サイクル後のガス発生量
上記評価(ii)においてサイクル寿命を迎えた電池の電池内ガス発生量を測定した。
Figure 2005101003
表11より、高温保存後の容量維持率は、LiPF6の混合比率が高いほど高くなった。サイクル寿命は、LiPF6とLiBF4の混合モル比率が1:1の場合に最も長くなった。サイクル後のガス発生量は、LiPF6とLiBF4が9:1の場合に最も少なかった。
《実施例6》
次に、非水電解液が、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)としてビニレンカーボネート(VC)のみを含有する場合と、さらにビニルエチレンカーボネート(VEC)を含有する場合について検討を行った。
ここでは、表12に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、VCと、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはGBLと、VC+VECと、ECと、DECとを、体積比67:(2+1):20:10で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。その他は、実施例1と同様にして電池1G〜2G(2Gは実施例4の電池5Eと同じ)を作製した。
Figure 2005101003
得られた電池1G〜2Gのサイクル後のガス発生量を、実施例5と同様に測定した。結果を表13に示す。
Figure 2005101003
表13に示すように、非水電解液がVECを含まない場合は、ガス発生量が3.0mlであったのに対し、非水電解液がVECを含む場合は、ガス発生量が1.9mlであった。このことから、VCとVECとを併用することが、サイクル後のガス発生量を減少させる上で効果的であることがわかる。
《実施例7》
次に、過充電添加剤(ベンゼン誘導体)として、非水電解液にシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)またはジフェニルエーテル(DPE)を含ませた場合の効果を調べた。
ここでは、表14に示す組成の電解液を用いた。すなわち、非水溶媒にはγ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)と、CHB、BPまたはDPEとを、体積比65:2:20:10:3で混合したもの、またはGBLと、VCと、ECと、DECとを、体積比68:2:20:10で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。その他は、実施例1と同様にして電池1H〜4H(4Hは実施例4の電池5Eと同じ)を作製した。
Figure 2005101003
[電池の評価3]
得られた電池1H〜4Hについて測定した特性は次の通りである。
(i)シャットダウン温度
電池の充放電サイクルを3サイクル繰り返した後、電流値:1500mAの条件で過充電を行い、シャットダウン(セパレータが目詰まりを起して電流が流れなくなる現象のこと)が起こる電池の表面温度を測定した。
なお、充電は、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流1050mAで2時間30分間定電流・定電圧充電を行った。放電は、この充電状態の電池を環境温度20℃で、放電電流1500mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。結果を表15に示す。
Figure 2005101003
表15に示すように、非水電解液が過充電添加剤を含まない場合はシャットダウンの起こる温度が80℃であったが、非水電解液がCHBを含む場合はシャットダウンの起こる温度が70℃であり、非水電解液がビフェニルを含む場合はシャットダウンの起こる温度が71℃であり、非水電解液がジフェニルエーテルを含む場合はシャットダウンの起こる温度が73℃であった。このことから、非水電解液が過充電添加剤を含む方が、より安全な電池特性が得られることが判った。
《実施例8》
次に、正極活物質としてLi1Co0.95Mg0.052、Li1Co0.90Ni0.05Mg0.052、Li1Co0.90Al0.05Mg0.052、Li1Co0.90Mn0.05Mg0.052またはLiCoO2を用いた電池5種を作製し、それらの特性を比較した。
Li1Co0.95Mg0.052の合成方法は下記の通りである。
0.95mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウムを含む水溶液を反応槽に連続供給し、水のpHが10〜13になるように反応槽に水酸化ナトリウムを滴下して、活物質の前駆体を合成した。その結果、Co0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を得た。
この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.95:0.05になるように混合し、混合物を600℃で10時間仮焼成し、粉砕した。次いで、粉砕された焼成物を900℃で再度10時間焼成し、粉砕、分級し、化学式Li1Co0.95Mg0.052で表される正極活物質を得た。この活物質を用いた他は、実施例1と同様にして電池1I、2Iを作製した。
Li1Co0.90Ni0.05Mg0.052の場合は、前駆体としてCo0.90Mg0.05Ni0.05(OH)2からなる水酸化物を合成し、この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.90:0.05:0.05になるように混合したこと以外、Li1Co0.95Mg0.052と同様の方法で合成した。得られた活物質を用いた他は、実施例1と同様にして電池3I、4Iを作製した。
Li1Co0.90Al0.05Mg0.052の場合は、前駆体としてCo0.90Mg0.05A10.05(OH)2からなる水酸化物を合成し、この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比が、1:0.90:0.05:0.05になるように混合したこと以外、Li1Co0.95Mg0.052と同様の方法で合成した。得られた活物質を用いた他は、実施例1と同様にして電池5I、6Iを作製した。
Li1Co0.90Mn0.05Mg0.052の場合は、前駆体としてCo0.90Mg0.05Mn0.05(OH)2からなる水酸化物を合成し、この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとマンガンとのモル比が、1:0.90:0.05:0.05になるように混合したこと以外、Li1Co0.95Mg0.052と同様の方法で合成した。得られた活物質を用いた他は、実施例1と同様にして電池7I、8Iを作製した。
さらにLiCoO2を用いて電池9I、10Iを作製した。
ここでは、表16に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、ビニレンカーボネート(VC)と、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはECと、DECとを、体積比25:75で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。
Figure 2005101003
得られた電池1I〜10I(9Iは実施例4の電池5Eと同じ)の低温環境下における容量維持率を実施例1の評価(ii)と同様に、また、サイクル寿命を実施例5の評価(ii)と同様に評価した。結果を表17に示す。
Figure 2005101003
表17に示すように、低温環境下における放電特性は、正極にLiCoO2を用いた場合に比べて他のMgなどを含む活物質を正極に用いた場合の方が優れていた。また、サイクル寿命特性は、どの正極を用いた電池においても、本発明にかかるGBLとVCとECとDECとからなる電解液を用いた場合の方が、ECとDECとからなる電解液を用いた場合に比べて優れていた。
《実施例9》
次に、非水電解液が、グライムを含有する場合について検討を行った。
ここでは、表18に示す組成の非水電解液を用いた。すなわち、非水溶媒には、γ−ブチロラクトン(GBL)と、VCと、エチレンカーボネート(EC)と、グライムとを、体積比68:2:20:10で混合したもの、またはGBLと、VCと、ECとを、体積比78:2:20で混合したものを用いた。溶質としてはLiBF4を用い、電解液におけるLiBF4の濃度は1mol/lとした。グライムとしては、ジグライム、トリグライムまたはテトラグライムを用いた。その他は、実施例1と同様にして電池1J〜4Jを作製した。
Figure 2005101003
得られた電池1J〜4Jの高温保存後の容量維持率を実施例1と同様に測定した。結果を表19に示す。
Figure 2005101003
表19に示すように、非水電解液がグライムを含まない場合は保存後の容量維持率が76%であった。一方、非水電解液がジグライムを含む場合は保存後の容量維持率が80%であり、非水電解液がトリグライムを含む場合は保存後の容量維持率が81%であり、非水電解液がテトラグライムを含む場合は保存後の容量維持率が83%であり、いずれも特性が向上した。
なお、本実施例では、環状カルボン酸エステル(A)、炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステル(B)および炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)として、一部の化合物を用いた場合についてのみ記載したが、その他の各化合物を用いた場合にも同様の効果が得られている。従って、本発明は、ここに記載の実施例1〜9に限定されるものではない。
本発明は、低温時の充放電特性に優れ、且つ高温条件下に一定時間放置した後も良好な充放電特性を示す非水電解液二次電池を実現するものであり、特に、正極がリチウム含有遷移金属酸化物からなり、負極が黒鉛からなる非水電解液二次電池用電解液として好適である。
本発明の実施例で用いた円筒型リチウムイオン二次電池の右半分断面正面図である。
符号の説明
1 セパレータ
2 正極版
3 負極板
4 正極リード
5 負極リード
6 底部絶縁板
7 電池ケース
8 上部絶縁板
9 ガスケット
10 封口板

Claims (8)

  1. 非水電解液二次電池用電解液であって、
    (A)環状カルボン酸エステル、(B)炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステルおよび(C)炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルからなる非水溶媒、ならびに前記非水溶媒に溶解させた溶質からなる非水電解液。
  2. 環状カルボン酸エステル(A)が、γ−ブチロラクトンおよび式(1):
    Figure 2005101003
    (R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアセチル基)で表されるγ−ブチロラクトンの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の非水電解液。
  3. 炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)が、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の非水電解液。
  4. 炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル(C)が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の非水電解液。
  5. 炭素−炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する環状炭酸エステル(B)が、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとの2種の混合物である請求項1記載の非水電解液。
  6. 前記非水溶媒が、さらに鎖状炭酸エステル(D)を含有し、前記鎖状炭酸エステル(D)が、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の非水電解液。
  7. 前記溶質が、LiPF6とLiBF4との混合物である請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液。
  8. 前記非水溶媒が、さらにフェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液。
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