JP4184180B2 - 導電性フレキシブルホース - Google Patents

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Description

本発明は、とくに粉体または塵芥などを空送する場合に発生する静電気の帯電を効果的に除去し、且つホース焼却時に有毒ガスが発生しない導電性フレキシブルホースに関する。
従来の導電配合のホースの材料には塩化ビニルが一般的に使われていた。しかし、塩化ビニル系の樹脂は廃棄物を焼却処分する際に、塩素を含有しているために有毒なガスを発生する可能性があり、分別や処理に特殊な手間と費用がかかり、かつ、環境に負荷を与えるという問題がある。そこで塩素を含まない熱可塑性樹脂を塩化ビニルの代替に使用することがある。塩素を含まない熱可塑性樹脂は塩化ビニルに比べて、廃棄物の処理に手間と費用がかからず、環境への負荷も小さい。しかし、従来の塩素を含まない熱可塑性樹脂も可塑剤を含有するため、ホースとして使用する時、その表面のべたつき性やホース内面を流れる流体への可塑剤の移行が問題になっていた。
従来の帯電防止機能を付与したホースとしては、導電樹脂ないし炭素繊維やカーボンブラックの導電剤を混合配合したものがある(特許文献1)。
また、銅線、ステンレスからなるアース線で、内面軟質層と外面軟質層の間に編組し、帯電防止機能を付与しているものもある(特許文献2)。
特開昭56−11026号公報(特許請求の範囲) 特開昭61−59089号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記従来の導電性ホースの欠点を解消したものであり、焼却処分が可能で有毒ガスが発生せず、しかもホースの帯電位を劇的に減少させることができる導電性ホースを提供することを目的とする。
さらにまた、本発明の他の目的は、ホースに可塑剤をとくに含有させる必要がないため、ホース内外面に可塑剤のブリードアウトがなくホース内部の搬送流体を汚染することなく、さらにホース外面のベトツキもない導電性フレキシブルホースを提供することにある。
上記目的は、下記の発明によって達成される。
すなわち、本発明は、軟質樹脂からなる肉部と硬質樹脂からなるリング状または螺旋状の硬質樹脂の芯材が、共押出しまたは溶融接着によって一体化された導電性フレキシブルホースにおいて、軟質樹脂および硬質樹脂が(a)炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂からなり、前記軟質樹脂にのみ、(b)ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーを重量比が(a):(b)=100:(10〜50)の割合で含有する導電性フレキシブルホースである。
また本発明において、軟質樹脂の(a)炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂が、可塑剤を含まず、かつ、tan δのピーク温度が−20℃以上40℃以下で、数平均分子量が30000〜300000の水素添加芳香族ビニルモノマー−ジエンモノマー共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部含有する組成物である場合が好ましい。
また本発明において、硬質樹脂が、ポリオレフィン樹脂である場合が好ましい。
さらに本発明において、導電性カーボン繊維を有する非金属繊維が、ホース長手方向に連続的に内蔵されてなる場合が好ましい。
サーマルリサイクルによって、有毒ガスを発生せずに完全に燃焼分解し、かつ、ホースの帯電位を劇的に減少させることのできる導電性ホースを得ることができる。さらにまた、本発明では、可塑剤をとくに含有させる必要がないため、ホース内外面に可塑剤のブリードアウトがなく、ホース内部の内容物(搬送流体など)を汚染することなく、さらにホース外面のベトツキのない導電性フレキシブルホースを得ることができる。ホース内部の内容物へ可塑剤の移行がないということは、食品などの粉体または塵芥を空送する場合、発ガン性の疑いのある可塑剤などの移行の恐れがなく、食品分野などでの活躍が期待される。
次に、本発明を図面により説明する。
図1の左図は本発明のホースの一例を示す側面図であり、図1の右図は、図1の左図右上部の部分拡大図である。導電性フレキシブルホース6は軟質樹脂からなる肉部1と硬質樹脂からなる螺旋状の芯材2が共押し出し、または、溶融接着によって一体化されて形成されている。この軟質樹脂および硬質樹脂は(a)炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂からなっており、前記の軟質樹脂に、(b)ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーを重量比が(a):(b)=100:(10〜50)の割合で含有している。この(b)を配合することにより、導電性(帯電防止性)が向上するのみならず、軟質樹脂と硬質樹脂との溶融接着性も向上し、さらに成形安定性も良好となる。この(b)の配合量が10重量部より少ないと、ホースとしての帯電防止効果が低いし、また50重量部より多いと安定して成形することができない。この(b)の配合量は更に好適には15〜30重量部である。
また、本発明のホースは図1の形状に限定されるものではなく、例えば、図2に示される形状も考えられる。図2は本発明のホースを示す図であり、図2の右図は側面図、左図はホース長さ方向に切断した断面図を表している。導電性フレキシブルホース6は軟質樹脂からなる肉部1と硬質樹脂からなる螺旋状の芯材2が共押し出し、または、溶融接着によって一体化されて形成されており、内面は平滑、外面は蛇腹形状である。図1〜2は本発明のホースの一例を示すものであり、本発明はそれらに限定されるものではない。
また、軟質樹脂からなる肉部にのみ(b)を配合することが、帯電防止性、軟質樹脂と硬質樹脂との溶融接着性、成形安定性、コスト面の点から最適である。
また、軟質樹脂には可塑剤を含有しないことが、ホース内部の流体へのブリードアウトがないことから望ましい。ここで可塑剤としては、軟質樹脂の種類により適宜選択して使用されるものであるが、たとえば軟質樹脂が水素添加ビニル−ジエン共重合体エラストーである場合は、パラフィン系プロセスオイル等が例示される。
本発明において肉部に使用される軟質樹脂としては、炭素原子と水素原子、またはこれらの原子と酸素原子から構成された軟質のあらゆる熱可塑性樹脂が使用可能であるが、代表的にはオレフィン系エラストマー、芳香族ビニル系エラストマー、水素添加芳香族ビニル−ジエン共重合体系エラストマーなどが挙げられる。特に弾性、柔軟性、汎用性の点から水素添加芳香族ビニル−ジエン共重合体系エラストマーが最適である。軟質樹脂としては硬度シェアA(JIS K7215 タイプA デュロメーター硬さ)20〜95の範囲のものが好適に用いられる。
本発明の水素添加ビニル芳香族モノマー−ジエンモノマー共重合体(I){以下、水素添加共重合体(I)と称する}とは、ビニル芳香族モノマー(A)とジエンモノマーとを共重合し、ランダム共重合体もしくはブロック共重合体とし、その共役ジエン部分の二重結合を水添したものである。
ビニル芳香族モノマー(A)は、具体例にはスチレン、αーメチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどであり、とりわけスチレンの使用が好ましい。
また、このビニル芳香族モノマー(A)の水素添加共重合体(I)中の割合は、5〜50重量%の範囲にあるのが好ましい。この割合が5重量%より小さいと機械的性質が不十分となり、逆に割合が50重量%を越えると粘度が著しく高くなるために加工が困難となることがある。
ジエンモノマーとしてはイソプレン、ブタジエン単独もしくはイソプレンとブタジエンを併用して用いることができる。
本発明において、水素添加共重合体(I)は、動的粘弾性測定により得られるtanδ(損失正接)の主分散のピークの温度が−20℃以上40℃以下であることが必要である。−20℃よりも低い温度領域にtanδの主分散のピークが存在する場合には、傷付き易くなる。40℃を超える場合は、室温での柔軟性が不足する。
水素添加共重合体(I)のtanδ(損失正接)の主分散のピークの温度を−20℃以上40℃以下にするためには、ジエンモノマーの結合様式をブタジエンの場合は1,2−結合を、イソプレンの場合には3,4−結合(以下、これらを総称してビニル結合と称する)をそれぞれ40%以上にすることにより達成できる。イソプレンを用いた場合にはビニル結合量を40%〜70%、ブタジエンを用いた場合にはビニル結合量を55%〜90%とするのが良い。ビニル結合含有量が40%より少ない場合には、ポリオレフィン樹脂(II)との相溶性が悪くなり、傷付き易くなる。
本発明において用いられる水素添加共重合体(I)の数平均分子量は、30000〜300000の範囲にあることが必要である。数平均分子量が30000より小さいと機械的性質が低下して好ましくない。また、数平均分子量が300000を越えると、加工性が悪くなり好ましくない。
水添ジエン共重合体の水添率は要求される物性のレベルにより任意に決定しうるが、耐熱性および耐候性を重視する場合、水添率を50%以上、好ましくは70%以上にするのがよい。
本発明の水素添加共重合体(I)としては、クラレ製「ハイブラー」、ジェイエスアール製「ダイナロン」などが挙げられる。
本発明に使用される軟質樹脂としては、上記した水素添加共重合体(I)にポリオレフィン樹脂(II)を配合した組成物が、柔軟性、硬質樹脂との熱融着性が優れることから好適である。ここで、ポリオレフィン樹脂(II)としては、いわゆるポリプロピレンすなわちプロピレンからなるホモポリマー、プロピレンとエチレンなどとのコポリマーを好適に使用できるが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂を使用することもできる。
水素添加共重合体(I)とポリオレフィン樹脂(II)の配合割合は、水素添加共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部が好ましい。ポリプロピレン樹脂(II)が25重量部未満の場合は、ポリプロピレンなどの硬質樹脂との熱融着性が不足するし、また、900重量部より多い場合は、柔軟性が不足する。ポリオレフィン樹脂(II)のより好適な配合量は50〜500重量部である
本発明において(b)ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーとしては、特開2001−278985号公報に記載されているポリマーが挙げられる。例えば、ブロックポリマーとしては、オレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとがエステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものが挙げられる。ブロックポリマーを構成するポリオレフィンのブロックとしては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー両末端に有するポリオレフィンが好適である。さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー片末端に有するポリオレフィンも使用できる。このうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィンが好ましい。
また、(b)成分のブロックポリマーを構成する親水性ポリマーとしては、ポリエーテル、ポリエーテル含有親水性ポリマー、カチオン性ポリマー、およびアニオン性ポリマーが使用できる。より詳細には、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、およびこれらの変性物、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、同セグメントを有するポリエーテルアミドイミド、同セグメントを有するポリエーテルエステル、同セグメントを有するポリエーテルアミド、および同セグメントを有するポリエーテルウレタン、非イオン性分子鎖で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ジオールまたはポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーなどが挙げられる。
具体的には、ポリプロピレンと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリプロピレンとポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)とを触媒存在下でエステル化することによって得られるブロックポリマーが好適なものとして挙げられる。このようなブロックポリマーとしては、三洋化成工業から上市されている商品名「ペレスタット300」などが挙げられる。
本発明において芯材2に使用される硬質樹脂は、炭素原子と水素原子、またはこれらの原子と酸素原子から構成された硬質の熱可塑性樹脂が使用可能であり、代表的にはポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどがあげられるが、硬度、耐候性、汎用性などからポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体が好適であり、さらに、ポリプロピレンが最適である。硬質樹脂としては、硬度Rスケール(JIS K7202 Rスケール ロックウェル硬さ)70〜130の範囲のものが好適に用いられる。
図3の左図は本発明の第5発明のホースの一例を示す側面図であり、図3の右図は、図3左図の右上部の部分拡大図であり、軟質樹脂からなる肉部1と硬質樹脂からなる芯材2によって形成されており、硬質樹脂芯材上部に同一ピッチに螺旋巻回がなされている非金属繊維5(導電性繊維3と非導電性繊維4の複合繊維)が内蔵されている導電性フレキシブルホース6である。
導電性カーボン繊維を有する非金属繊維は、ホース長手方向に対し、直線状、または、螺旋状に内蔵されていることが最適である。
ここで、ホースに内蔵される非金属繊維とは、導電性カーボンフィラメントの繊維の単数または複数本からなる繊維、またはこれらの導電性カーボンフィラメント繊維と非導電性繊維との複合繊維が挙げられるが、後者の複合繊維が、強度、伸度、コストの点で好適である。ここで非導電性繊維としては、フィラメント繊維が好適である。複合繊維を使用する場合、導電性カーボン繊維には3〜50重量%が好適である。非導電性繊維としては、各種合成繊維、天然繊維が挙げられるが、炭素原子と水素原子、またはこれらの原子と酸素原子から構成された合成繊維が好ましく、代表的にはポリエステル繊維、ビニロン、ポリプロピレン繊維などが挙げられる。このうち、強度、伸度の点からポリエステル繊維が好適である。カーボン繊維と非導電性繊維はそれぞれ110dtex〜30000dtexであることが好適である。
また、導電性カーボン繊維は10〜10Ωであることが好適であり、非導電性繊維は1010〜1015Ωであることが好適である。
本発明において、鋼線、銅線などの通電性のある金属線をホースに内蔵させる態様も、ホースの帯電位をさらに減少させることができ、またホースとしての耐熱性も向上するため好適である。しかし、金属線を内蔵させたホースは、焼却した時にその金属線が残ってしまい、分別処理しなければならないので、焼却処分が可能な導電性カーボン繊維を有する非金属繊維をホースに内蔵させる態様が、処理にかかるコストの点から最適である。
本発明において,軟質樹脂または硬質樹脂にポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーを配合する場合、ドライブレンド、ペレット配合時に練り込むなどの手段が考えられるが、特にペレット配合時に練りこむのが分散性の点から好適である。
ホースの製造方法としては、例えば軟質樹脂からなる肉部と、硬質樹脂からなる螺旋状の芯材を同時に溶融共押出して成形した溶融状態の帯状素材を、管成形機の複数本の回転軸上に巻き付ける方法が挙げられる。
導電性カーボン繊維を有する非金属繊維を内蔵する場合は、硬質樹脂芯材の上部にある半溶融状の軟質樹脂層(最表面)へ、一定の荷重をかけて、導電性カーボン繊維を有する非金属繊維を螺旋状に位置させ接着固定してホース壁に内蔵し、ホースを成形する方法があげられる。非金属繊維は、ホース壁内のあらゆる部分に螺旋状に位置させ内蔵させることが可能であるが、非金属繊維を容易に取り出し接地アースする場合の利便性を考えると、硬質樹脂芯材の上部にある軟質樹脂層(最表面)に内蔵させることが好ましい。また非金属繊維は、上記のとおり螺旋状に内蔵されることが好適であるが、ホースの長手方向に対し直線状(蛇行していてもよい)に内蔵することができる。
導電性カーボン繊維を有する非金属繊維を内蔵する方法としては、さらに半溶融状の軟質樹脂テープの重なり部分に非金属繊維を接着固定し、ホース壁に内蔵させる方法もあげられる。
またホースの他の製造方法としては、軟質樹脂と硬質樹脂芯材とを別々に溶融押出して、軟質樹脂の中央上部に硬質樹脂芯材を重ねて溶融接着し、軟質樹脂テープが前の周に巻き付けた硬質樹脂芯材を被覆するように位置させて、ホースを成形する方法も挙げられる。
このようにして得られたホースは、優れた帯電防止機能を有し、さらに燃焼時に有毒ガスが発生せず、さらにまた耐圧性、耐負圧性、耐摩耗性、可撓性も良好であるため、例えば原子力発電所、食品、土木建築、農業などで粉体または塵芥の空送用ホースとして有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
軟質樹脂(a)として{商品名「ハイブラー7125」クラレ社製のスチレン含有量20%、水素添加スチレン−ビニル−ポリイソプレン−スチレントリブロック共重合体(tanδ−5℃)100部に対して、商品名「ナックフレックスDFDJ1137」(日本ユニカー社製のポリエチレン樹脂)を67部配合したセプトンコンパウンドKC−294C(硬度シェアーA72)(クラレプラスチックス社製)}を使用し、さらにポリオレフイン系ブロックポリマー(b)として「ペレスタット300」(商品名、三洋化成工業社製;ポリプロピレンを主体としたポリオレフインと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリオレフインとポリエチレングリコールを主体としたポリアルキレングリコールとを触媒存在下でエステルすることによって得られるブロックポリマー)を使用し、これらの重量比が(a):(b)=100:20の混合物を肉部として使用し、螺旋状の芯材となる硬質樹脂として、剛性率2000MPa/cm、硬度Rスケール115のポリプロピレン(PP)を使用し、これらを溶融共押出しにより、図1に示すようなホースを得た。また、ホースを製造する場合の成形安定性は良好であり、さらに得られたホースの軟質樹脂と硬質樹脂との溶融接着性も良好であった。
軟質樹脂として(a)として実施例1で用いたセプトンコンパウンドKC−294C(クラレプラスチックス社製)を使用し、ポリオレフイン系ブロックポリマー(b)として「ペレスタット300」(三洋化成社製)を使用し、これらの重量比が(a):(b)=100:20の混合物を肉部として使用し、螺旋状の芯材となる硬質樹脂として、剛性率2000MPa/cm、硬度Rスケール115のポリプロピレン(PP)を使用し、これらを同時に溶融共押出しし、軟質樹脂と硬質樹脂が複合された溶融状態の帯状(テープ状)素材(軟質樹脂シートの中央内部に芯材が内蔵)を、管成形機の複数本の回転軸上に巻き付け、内径50mm、外径60mm、硬質樹脂芯径4.0mmのホースとし、半溶融時に硬質樹脂芯材の頂点上にある軟質樹脂層(最表面)(テープ厚み5mm)上部へ、一定の荷重をかけて非金属繊維5{導電性カーボン繊維3(クラレ社製クラカーボ)(150dtex、10Ω、繊維全体の重量に対するカーボン繊維の配合量10重量%)とポリエステル繊維4(550dtex、1013Ω)を150ターン/mで撚糸された導電繊維}を位置させて接着固定しホース壁に内蔵し、図3に示すようなホースを得た。また、ホースを製造する場合の成形安定性は良好であり、さらに得られたホースの軟質樹脂と硬質樹脂との溶融接着性も良好であった。
比較例1
肉部として、(a)通常の可塑剤を含む硬度シェアーA60の塩化ビニル系樹脂(クラレプラスチックス社製)に(b)導電性可塑剤「商品名;サンソサイザーC−1100」(新日本理化社製)を、その重量比が(a):(b)=100:90となるように配合したものを使用し、螺旋状の芯材となる硬質樹脂として、硬度Rスケール118の硬質塩化ビニル系樹脂を使用し、これらを同時に溶融押出し、軟質樹脂と硬質樹脂が複合された溶融状態の帯状(テープ状)素材(軟質樹脂シートの中央内部に芯材が内蔵)を、管成形機の複数本の回転軸上に巻き付け、内径50mm、外径60mm、硬質樹脂芯径4.0mmとし、実施例1と同様にして、図1に示すようなホースを得た。
比較例2
肉部として、(a)硬度シェアA60の軟質塩化ビニル系樹脂(クラレプラスチックス社製)を使用し、螺旋状芯材となる硬質樹脂として、硬度Rスケール118の硬質塩化ビニル樹脂を使用し、これらを同時に溶融押出し、軟質樹脂と硬質樹脂が複合された、溶融状態の帯状(テープ状)素材(軟質樹脂シートの中央内部に芯材が内蔵)を、管成形機の複数本の回転軸上に巻き付け、内径50mm、外径60mm、硬質樹脂芯径4.0mmのホースとし、半溶融時に硬質樹脂芯材の頂点上にある軟質樹脂層(最表面)(テープ厚み5mm)上部へ、一定の荷重をかけて金属線(銅線)7を位置させて接着固定しホースに内蔵し、図4に示すようなホースを得た。
比較例3
肉部として、(a)セプトンコンパウンドKC−294C(クラレプラスチックス社製)と(b)ペレスタット300(三洋化成社製)とを重量比(a):(b)=100:7.5の割合で配合したものを使用し、螺旋状の芯材となる硬質樹脂として、剛性率2000MPa/cm、硬度Rスケール115のポリプロピレン(PP)を使用し、これらを同時に溶融共押出しし、軟質樹脂と硬質樹脂が複合された溶融状態の帯状(テープ状)素材(軟質樹脂シートの中央内部に芯材が内蔵)を、管成形機の複数本の回転軸上に巻き付け、内径50mm、外径60mm、硬質樹脂芯径4.0mmの図1に示すようなホースを得た。
比較例4
肉部となる帯状の熱可塑性軟質樹脂として、(a)可塑剤を含まないセプトンコンパウンドKC−294C(クラレプラスチックス社製)と(b)ペレスタット300(三洋化成社製)とを重量比(a):(b)=100:70の割合で配合したものを使用し、螺旋状の芯材となる硬質樹脂として、剛性率2000MPa/cm、硬度Rスケール115のポリプロピレン(PP)を使用し、これらを同時に溶融押出ししてホースを得ようとしたが、(b)のポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックの配合割合が多すぎるために、吐出が安定せず、成形不可能であった。
上記の実施例1〜2および比較例1〜3で得られたホースを切断し、それぞれ長さ3mの試料とし、環境温度25℃、環境相対湿度50%において流量22.4kg/minで硬質塩化ビニル樹脂パウダー(粉体)を空送しながら、各試料における発生最高電位を測定結果として帯電防止効果を比較した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0004184180
次に、上記の実施例1〜2および比較例1〜3で得られたホースを切断し、それぞれ長さ0.5mの試料とし、環境温度25℃、環境相対湿度50%においてホース内部に乾燥でんぷん粉を入れ、ホース両端を封印した。各試料を30日間保持し、乾燥でんぷんへのホース成分からの移行物質(可塑剤)を液クロを用いて測定し、その結果を比較した。また、ホース外表面への可塑剤の移行をみるため、そのべたつき性、汚れ易さを測定した。
測定結果を表2に示す。
Figure 0004184180
表1は、実施例1〜2および比較例1〜2との間では、その帯電防止効果に大差はなく、導電剤配合の塩化ビニル系樹脂と、炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂にポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーを配合した軟質樹脂とは、その体積固有抵抗値がほぼ同等であることを表している。しかし、比較例3は、炭素原子を及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂に対してポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーの割合が少ないために、帯電防止効果は低かった。
表2は、比較例1の導電性可塑剤配合の塩化ビニル系樹脂ホースおよび比較例2の通常の可塑剤配合の塩化ビニル系樹脂ホースは、その可塑剤がホース内容物に移行し、また、実施例1〜2のホースは、内容物に移行する物質がないことを表している。
可塑剤はホース外表面にもブリードアウトし、それがべたつきやホース表面の汚れ易さの原因である。測定結果は、可塑剤を含まないホースはべたつきが無く、汚れ難いことを表している。
また、上記のホースを焼却したところ、比較例1〜2のホースは有毒ガスが発生したが、実施例1〜2のホースは有毒ガスの発生がなく、また焼却後の灰分が少なく、焼却処分の手間もほとんどかからなかった。
食品などの粉体または塵芥を空送する場合、ホース内部の内容物へ発ガン性の疑いのある可塑剤の移行がないので、食品分野にとくに有用である。
本発明の一例を示す導電性フレキシブルホースの一部断面を含む側面図である。 本発明の他の例を示す導電性フレキシブルホースの一部断面を含む側面図である。 本発明の他の例を示す導電性繊維が内蔵されている導電性フレキシブルホースの一部断面を含む側面図である。 比較例2の金属線(銅線)が内蔵されているホースの一部断面を含む側面図である。
符号の説明
1 肉部
2 芯材
3 導電性繊維
4 非導電性繊維
5 非金属繊維
6 導電性フレキシブルホース
7 金属線(銅線)

Claims (4)

  1. 軟質樹脂からなる肉部と硬質樹脂からなるリング状または螺旋状の硬質樹脂の芯材が、共押出しまたは溶融接着によって一体化された導電性フレキシブルホースにおいて、軟質樹脂および硬質樹脂が(a)炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂からなり、前記軟質樹脂にのみ、(b)ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーを重量比が(a):(b)=100:(10〜50)の割合で含有する導電性フレキシブルホース。
  2. 軟質樹脂の(a)炭素原子及び水素原子から構成される熱可塑性樹脂が、可塑剤を含まず、かつ、tan δのピーク温度が−20℃以上40℃以下で、数平均分子量が30000〜300000の水素添加芳香族ビニルモノマー−ジエンモノマー共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部含有する組成物である請求項に記載の導電性フレキシブルホース。
  3. 硬質樹脂が、ポリオレフィン樹脂である請求項1または2に記載の導電性フレキシブルホース。
  4. 導電性カーボン繊維を有する非金属繊維が、ホース長手方向に連続的に内蔵されてなる請求項1〜のいずれかに記載の導電性フレキシブルホース。
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