JP4182969B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、枠部材の裏面側に透明部材および補強部材が配設された遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、外郭をなす外枠に対し、着脱および開閉可能に中枠が組付けられると共に、該中枠に形成した遊技盤保持部に、所要の遊技領域を画成した遊技盤が保持されている。前記遊技盤には、図柄を変動表示し得る図柄表示装置や、該図柄表示装置の変動開始条件としての始動入賞具が配設されて、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞具に入球することにより、図柄表示装置の図柄を変動表示して所要の遊技演出を行なうよう構成される。また、前記中枠の前面側には、前記遊技盤と対応する位置に窓部を開設した前枠(本願では枠部材)が開閉可能に枢支されており、前枠の裏面側に、窓部に臨むようガラスユニット(本願では透明部材)を取り付けることで、遊技盤の遊技領域をパチンコ機の前側から視認し得るようになっている。
ここで、前記前枠は、パチンコ機の前面側に位置することから、所望の装飾を容易に施し得る合成樹脂により形成されるのが一般的である。一方、前記前枠に配設される前記ガラスユニットは、複数枚(一般的には2枚)のガラス板を合成樹脂製の支持枠で一体的に組付けるよう構成された重量物であることから、該前枠の剛性を高める必要がある。そこで、例えば特許文献1には、L字状やコ字状に折曲形成した補強板を、前記前枠の外周縁部に沿うよう配置すると共に、各補強板を連結固定することで、前枠の剛性を向上させる技術が開示されている。
特開2003−181084号公報
ところで、近年は、前記図柄表示装置を大型化して、遊技演出の多様化を図る傾向が高まっている。前記図柄表示装置を大型化すると、これに伴って遊技盤が大型化すると共に、該遊技盤を透視保護するガラスユニットの大型化も必要となる。この場合に、前記ガラスユニットが配設される前枠自体の大きさは予め定まっているため、ガラスユニットを大型化すると、当該ガラスユニットを前枠の外周縁部近傍まで延在させる必要が生じ、前記補強板の接合部位にガラスユニットが干渉することにより、ガラスユニットの大型化が阻害される問題がある。これに対し、前記ガラスユニットに干渉しないよう前記補強板の厚み寸法を小さくすると、重量物であるガラスユニットを支持する前枠の剛性の低下を招来する問題がある。
また、前記遊技盤の大型化により、前記前枠に占める窓部の割合が大きくなるため、前枠の剛性の低下を招来する。この場合には、前記前枠に対して裏面全体を覆う大きさの板状のベース板を配設して前枠の剛性を向上することが考えられる。ここで、大型のベース板を設けることにより前枠の重量が増大することから、該ベース板を薄くして軽量化することが望まれるが、ベース板を薄くすることで、剛性の低下を招来することともなる。この場合には、前述した補強板をベース板に更に取り付けることで、必要な剛性を確保することが考えられる。このとき、図7に示すように、ベース板60におけるガラスユニット35に対向する面とは反対の面に補強板62を固定するようにすれば、該ベース板60と補強板62との接合部位にガラスユニット35が干渉するのを防止できるから、該ガラスユニット35の大型化も実現することが可能となる。ここで、ベース板60と補強板62との固定作業に関しては、一般的には作業性の観点から大型のベース板60を横倒しした状態で補強板62を固定する。すなわち、図8(a)に示すように、前記補強板62の固定部位が前記ベース板60の裏側に隠れる状態で作業する必要があり、両部材60,62の位置合わせが困難で作業性に劣る難点がある。一方、図8(b)に示すように、前記ベース板60および補強板62を補強板62側から固定する場合には、小型の補強板62を移動して作業することができるから、作業性の低下を招来することはない。しかしながら、補強板62における折曲部位がベース板60より下方に突出することから、対応した加工装置が必要となる欠点が指摘される。
そこで、本発明は、透明部材に干渉することなく枠部材を強固に補強し得ると共に、簡単に組付け可能な補強部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するために、本願の請求項1に係る遊技機は、
機前面側に設けられ、前後に開口する窓部(19a)を開設した枠部材(13)と、前記枠部材(13)の裏面側に配設される金属製の補強部材(20)と、前記枠部材(13)の裏面側に配設されて前記窓部(19a)に臨む透明部材(35)とを備える遊技機であって、
前記補強部材(20)は、
前記枠部材(13)に固定されると共に前記窓部(19a)に対応する開口部(21a)が開設されて、該開口部(21a)の開口端縁および上下の端縁に、前記透明部材(35)から離間する方向へ突出する補強リブ(21b)が形成された板状の第1部材(21)と、
前記第1部材(21)に固定される第2部材(30)とからなり、
前記第1部材(21)は、前記枠部材(13)を開閉可能に支持するヒンジ手段(40,44)が配設される縁部に沿って上下方向の全長に亘って延在し、前記透明部材(35)に対向する面側の縁部に透明部材(35)から離間する方向に段差状に退避した段差部(25)が形成されて、該段差部(25)は、前記第1部材(21)の縁部に沿って一定の幅寸法で設けられる第1領域(25a)と、該第1部材(21)の上下の端部に設けられて第1領域(25a)に較べて左右の幅寸法を大きく設定された第2領域(25b)とを有し、
前記第2部材(30)は、前記段差部(25)に固定されて該段差部(25)における第1領域(25a)に略合致する基部(31a)および第2領域(25b)に略合致する上下の幅広部(31b)を有する第1固定片(31)と、前記段差部(25)に固定された前記第1固定片(31)における前記第1部材(21)の開口部(21a)から離間する縁部に連設されて第1部材(21)から離間する方向に折曲した第1折曲片(33)とを有し、前記第1固定片(31)の基部(31a)および幅広部(31b)を前記段差部(25)の第1領域(25a)および第2領域(25b)に整合させた状態で第1固定片(31)が段差部(25)に固定され、
前記第1固定片(31)の厚み寸法は、前記第1部材(21)の厚み寸法以上に設定されると共に
前記段差部(25)の深さ寸法は、前記第1固定片(31)の厚み寸法に略合致するよう設定されて、該段差部(25)に第1固定片(31)を固定した際に、前記第1部材(21)および第1固定片(31)の透明部材(35)に対向する面が略同一面上に位置するよう構成され、
前記第1部材(21)における前記段差部(25)が形成された縁部とは反対側の縁部には、該縁部に沿って上下方向に延在して第1部材(21)に固定される第2固定片(48)と、該第2固定片(48)における第1部材(21)の開口部(21a)に近接する端縁に連設されて第1部材(21)から離間する方向に折曲した第2折曲片(49)と、該第2折曲片(49)における第1部材(21)から離間する端部に、第1部材(21)の開口部(21a)から離間する方向に突出するよう折曲され、施錠手段(18)の係合フックとの係合により枠部材(13)を閉成状態で保持する施錠片(49a)とを備えた金属製の施錠金具(47)が設けられたことを特徴とする。
このように、ベースとなる第1部材の厚み寸法以上の厚み寸法に設定した第2部材の第1固定片を、該第1部材に固定して補強部材を構成することで、枠部材の部位に応じて補強部材の剛性を変更することができる。すなわち、枠部材の全体的な剛性は第1部材により確保すると共に、枠部材においてより高い剛性が要求される部位については第2部材を設けて補強することができるから、枠部材の効果的な補強をなし得ると共に、軽量化を図り得る。具体的には、前記枠部材を開閉可能に支持するヒンジ手段が配設される縁部側に段差部を形成して第2部材を設けたことで、枠部材において最も荷重が掛かる部位を補強することができる。また、第1部材に形成した段差部の深さ寸法を、前記第1固定片の厚み寸法と略合致するよう設定し、該段差部に第1固定片を固定した際に、第1部材および固定片の透明部材に対向する面が略同一面上に位置するようにしたことで、第1固定片の透明部材に対向する面が第1部材の透明部材に対向する面から突出しないから、当該第1固定片に透明部材が干渉することはない。すなわち、第2部材の第1固定片と重なる位置まで透明部材を大型化することが可能となる。また、第1部材および第1固定片の透明部材に対向する面が略同一面上に位置することで、前記透明部材の前側を第1部材および第1固定片に当接させ得るから、第1部材と第2部材の第1固定片との間に異物が挿入された場合であっても、該異物の遊技機内部への侵入を透明部材で阻止でき、不正行為をより確実に防止し得る利点がある。
また、前記第2部材を段差部に位置合わせすることで、該第2部材を第1部材に固定することができる。すなわち、第1部材と第2部材との固定作業に際しては、第1部材に較べて小型の第2部材を移動させて両部材の位置合わせを行ない得るから、作業性の向上を図り得る。また、第2部材の固定作業は、前記第1部材を横倒しして第2部材の第1折曲片を上方へ突出させた状態で行ない得るから、従来の加工装置をそのまま使用することができ、コストの増大を抑制できる。更に、前記第2部材を折曲形成したことで、第1部材における第2部材の配設部位の剛性をより向上することができる。なお、前記第1部材と第2部材の第1固定片との間に異物が挿入された場合であっても、該異物の遊技機内部への侵入を前記段差部で阻止し得るから、不正行為防止を図り得る利点がある。また、前記第1折曲片を、前記第1固定片における前記第1部材の開口部から離間する縁部側に連接するよう形成したことで、該第1固定片と前後に重なるよう前記透明部材を大きくすることができる。
請求項2に係る遊技機は、前記第1部材(21)には、前記開口部(21a)の下方位置に前記透明部材(35)の下端部を支持する第1支持部材(22)が配設されると共に、該開口部(21a)の上方位置に透明部材(35)の上端部側を支持する第2支持部材(23)が配設されて、該第1および第2支持部材(22,23)の左右両端部に、当該第1支持部材(22)に透明部材(35)を載置支持した状態で透明部材(35)の上部および下部を固定する位置および固定解除する位置に回転操作可能な回転式固定具(24)が夫々配設され、
前記ヒンジ手段(40,44)は、前記第1部材(21)における前記段差部(25)の第1領域(25a)に、前記枠部材(13)の上部を枢支する上支持部(40)が固定されると共に、前記第2部材(30)における前記第1固定片(31)の下端部を折曲して枠部材(13)の下部を枢支する下支持部(44)が形成されることを要旨とする。
請求項3に係る遊技機は、前記第1および第2支持部材(22,23)は、前記段差部(25)に固定された前記第2部材(30)の第1固定片(31)と重なり合うと共に、該第1および第2支持部材(22,23)における裏面と前記透明部材(35)の裏面が略同一面上に位置するよう構成され、
前記段差部(25)の枠部材(13)側への突出寸法は、前記補強リブ(21b)の枠部材(13)側への突出寸法より小さく設定されることを要旨とする。
本発明に係る遊技機によれば、透明部材に干渉することなく枠部材を強固に補強し得ると共に、補強部材の組付けを簡単に行ない得る。
次に本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技機として、パチンコ球を遊技媒体として使用する一般的なパチンコ機を例にして説明する。なお、以下の説明において左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を正面から見た状態において指称するものとする。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて外郭をなす外枠11の開口前面側に、遊技盤17を保持した中枠12が開閉可能に組付けられる。この中枠12の前面側には、前記遊技盤17を透視保護するガラスユニット(透明部材)35を設けた前枠(枠部材)13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球皿14を開閉可能に組付けるよう構成される。なお、前記前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球皿15が一体的に設けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿15も開閉するよう構成されている。また、前記中枠12における下球皿14の右側には、回動操作することで前記上球皿15に貯留したパチンコ球を前記遊技盤17の盤面に向けて打ち出させるハンドル部材16が配設されており、該ハンドル部材16を回動操作することにより所要の遊技を行ない得るようになっている。
実施例に係る前枠13は、所要の意匠形状に形成されてパチンコ機10の前面を装飾する合成樹脂製の本体枠19の裏面側に、金属製の補強部材20を配設して所要の剛性を確保するよう構成される。そして、前記補強部材20の裏面側に前記ガラスユニット35を配置するようになっている。なお、実施例に係るガラスユニット35は、2枚のガラス板36を前後方向に所要間隔だけ離間させた状態で保持枠37により保持されて、単一部材として取扱い得るよう構成されている(図2または図5参照)。また、前記ガラスユニット35は、保持枠37の左縁部37a(図2または図5右側の縁部)が後述する第1折曲片33に近接し、保持枠37の右縁部37b(図2または図5左側の縁部)が後述する第2折曲片49に近接する大きさに形成されている。なお、前記本体枠19には、前記遊技盤17に対応する位置に前後に開口する窓部19a(図1参照)が開設されており、該窓部19aの下方に前側に膨出するよう前記上球皿15を一体形成してある。
前記補強部材20は、図3に示すように、前記本体枠19に略整合するよう形成された金属製ベース部材(第1部材)21と、該ベース部材21に固定される補強板金(第2部材)30とから構成され、ベース部材21を本体枠19の裏側からネジ止め固定するようになっている。なお、前記補強板金30は、前記前枠13を開閉自在に枢支するヒンジ手段40,44(後述)を配設した縁部側に設けられている。前記ベース部材21には、前記本体枠19の窓部19aに対応する位置に、該窓部19aに略整合する開口寸法に設定された開口部21aが開設されており、パチンコ機10の前側から遊技盤17を目視し得るよう構成される。なお、前記ベース部材21における前記開口部21aの開口端縁や上下の端縁には、前方に突出する補強リブ21bが設けられて、該ベース部材21の剛性の向上を図っている。
また、前記ベース部材21の裏面側における前記開口部21aの下方位置には、前記ガラスユニット35の下端部を支持する第1支持部材22が配設されると共に、該開口部21aの上方位置には、ガラスユニット35の上端部側を支持する第2支持部材23が配設される(図2参照)。前記第1および第2支持部材22,23の左右端部近傍には、回転式固定具24が夫々配設されており、第1支持部材22にガラスユニット35を載置支持した状態で各回転式固定具24を回転操作することにより、ガラスユニット35の下部および上部を固定するようになっている。すなわち、前記ガラスユニット35をベース部材21の裏面側に固定することで、前記窓部19aにガラスユニット35が臨むと共に、当該ガラスユニット35における保持枠37の前面がベース部材21の裏面に当接するよう構成されている。なお、前記ガラスユニット35の固定解除は、前記各回転式固定具24を固定時とは反対方向に回転操作することにより行なわれる。
図3に示すように、前記ベース部材21の左縁部(図3においては右縁部)には、本体枠19側に段差状に退避した段差部25が、該縁部の全長に亘って延在するよう形成される。なお、前記段差部25は、前記ガラスユニット35から離間する方向(すなわち本体枠19側)に位置している(図6参照)。ここで、前記段差部25は、前記ベース部材21の左端部に沿って一定の幅寸法で設けられる第1領域25aと、該ベース部材21の上下の端部に夫々設けられて第1領域25aに較べて左右の幅寸法を大きく設定した第2領域25b,25bとを有し、該第1領域25aおよび各第2領域25bの夫々に、前後方向に貫通する第1の固定孔26が複数穿設されている。なお、前記段差部25の前方への突出寸法は、前記補強リブ21bの前方への突出寸法より小さく設定されている(図6参照)。
前記補強板金30は、図3〜図5に示すように、前記ベース部材21の段差部25に当接する第1固定片(固定片)31と、該第1固定片31の端縁に連設されてベース部材21から離間する方向に延在する第1折曲片(折曲片)33とを一体的に折曲形成している。なお、実施例では、前記第1固定片31と第1折曲片33とが略直交するようになっている。前記第1固定片31は、前記段差部25における第1領域25aの幅寸法に略合致する基部31aと、段差部25における各第2領域25bの幅寸法に略合致する上下の幅広部31b,31bとを有し、該第1固定片31を段差部25に当接させた際には、基部31aおよび各幅広部31bの夫々が対応する第1領域25aおよび各第2領域25bに整合するようになっている。すなわち、前記第1固定片31を段差部25に整合させた状態では、前記上下の幅広部31b,31bが前記第2領域25bの段差部位に係合して、補強板金30の上下方向への移動を規制するようになっている。
なお、前記第1固定片31(基部31aおよび幅広部31b)には、前記段差部25に整合させた状態で前記各第1の固定孔26と前後に整列する位置に第2の固定孔32を穿設してある(図3には幅広部31bの上下の端部に穿設した第2の固定孔32のみを図示してある)。そして、前記ベース部材21の第1の固定孔26と、前記第1固定片31の第2の固定孔32とを整列させた状態で、リベット等の固定部材50を介して両部材21,31を着脱不能に固定するようになっている。なお、前記第1折曲片33は、前記第1固定片31における前記開口部21aから離間する縁部に連設するよう構成されて、該第1折曲片33がベース部材21から後方へ突出する状態で、その左縁部に沿って延在するようになっている。
また、実施例では、図6に示すように、前記第1固定片31の厚み寸法T1を、前記ベース部材21の厚み寸法T2以上に設定する(実施例では厚み寸法T1を厚み寸法T2の2倍程度に設定してある)と共に、ベース部材21の裏面から段差部25までの深さ寸法Dは、前記第1固定片31の厚み寸法T1に略合致するよう設定されている。すなわち、前記第1固定片31を段差部25に固定した際に、ベース部材21および第1固定片31の裏面(ガラスユニット35に対向する面)が略同一面上に位置するよう構成されている。これにより、前記ガラスユニット35は、前記第1固定片31と前後に重なる大きさに形成され、ベース部材21と補強板金30との継目部分をガラスユニット35で覆うようになっている(図5または図6参照)。ここで、前記第1固定片31の裏面が前記ベース部材21の裏面と略同一面上に位置しているため、該ベース部材21の裏面側に固定した前記ガラスユニット35における保持枠37の前面が第1固定片31の裏面にも当接する。
また、前記前枠13に設けられるヒンジ手段としては、前記段差部25の上端部における前記本体枠19側に設けられて前枠13の上部を枢支する上支持部40と、前記第1固定片31の下端部に折曲形成されて前枠13の下部を枢支する下支持部44とから構成される。前記上支持部40は、前記ベース部材21(段差部25)の前面に当接する固定部41と、該固定部41の上下の端縁から前方へ突出する受部42,42とからなる略コ字状に形成されて、該受部42,42に上下方向に移動可能な支持ピン43が設けられている。前記支持ピン43は、バネ等の付勢手段(図示せず)の付勢力により常には上側の受部42から上方に突出するよう構成され、前記中枠12の左上端部に設けた上部連結金具12a(図1参照)の軸孔(図示せず)に挿入し得るようになっている。一方、前記下支持部44は、前記第1固定片31の下端部から前方へ突出するよう折曲形成されて、該下支持部44に上下に貫通する軸孔45を穿設してある。前記下支持部44の軸孔45には、前記中枠12の左下部位置に形成した下部連結金具12b(図1参照)の支軸(図示せず)を挿通するようになっている。すなわち、前記支持ピン43を前記上部連結金具12aの軸孔に挿入すると共に、前記下支持部44の軸孔45に下部連結金具12bの支軸を挿入することで、前枠13が開閉し得るよう組付けられる。
更に、前記ベース部材21の裏面側には、その右縁部(図2〜図5においては左縁部)に沿って施錠金具47が配設されている。前記施錠金具47は、前記ベース部材21に当接する第2固定片48と、該第2固定片48の一端縁に連設してベース部材21から離間する方向に延在する第2折曲片49とからL字状に形成され、前述した補強板金30の固定と同様に、リベット等の固定部材50を介してベース部材21と第2固定片48を着脱不能に固定している。なお、前記施錠金具47(第2固定片48および第2折曲片49)の厚み寸法は、前記ベース部材21の厚み寸法以上に設定されて、該ベース部材21の右縁部を補強する機能を備えている。ここで、前記第2折曲片49は、前記第2固定片48における前記ベース部材21の開口部21aに近接する縁部に連設されて後方に突出すると共に、該第2折曲片49の後端部に、ベース部材21の右縁部(図2〜図5における左縁部)側へ突出する施錠片49a,49a,49aを折曲形成してある。すなわち、前記中枠12に設けた施錠手段18(図1参照)の係合フック(図示せず)が施錠片49a,49a,49aに係合することで、前枠13を閉成状態で保持し得るようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
遊技盤17を大型化して遊技演出の多様化を図る場合には、該遊技盤17を前面側から視認し得るよう本体枠19(前枠13)の窓部19aを大きくする必要があり、該窓部19aに臨むガラスユニット35も大型化して重量が大きくなる。一方、前記本体枠19(前枠13)における窓部19aの割合が大きくなることで本体枠19(前枠13)の剛性は低下するため、重量物となるガラスユニット35を設けると本体枠19(前枠13)に変形等の不具合を生じ易くなる。実施例では、前記本体枠19の裏面側に、該本体枠19に略整合する大きさに形成した金属製のベース部材21を配設したから、本体枠19に開設する窓部19aの割合が大きくなった場合でも、当該本体枠19に要求される剛性を確保することができる。また、前記ベース部材21の外周縁部および開口縁部の夫々に補強リブ21bを夫々形成したことで、ベース部材21の全体的な剛性の向上に寄与し得る。
なお、前記本体枠19自体の厚みを大きくしたり、本体枠19に合成樹脂製の補強部材を別途配設したりすることでも該本体枠19の剛性を向上させることはできるが、この場合には、当該本体枠19の大型化や重量化を招来する問題が新たに生ずる。従って、実施例のように、合成樹脂材に較べてより高い剛性を発揮し得る金属製のベース部材21を本体枠19に設けることで、合成樹脂製部材により本体枠19を補強して同程度の剛性を確保する場合と較べて、本体枠19の薄型化および軽量化に寄与し得る利点がある。
また、前記ベース部材21に補強板金30を別途固定するよう構成したから、該ベース部材21の剛性の向上を図り得る。すなわち、本体枠19(前枠13)の全体的な剛性はベース部材21により確保すると共に、本体枠19(前枠13)においてより高い剛性が要求される部位については補強板金30により補強することができるから、本体枠19(前枠13)の部位に応じた効果的な補強をなし得る。実施例では、本体枠19(前枠13)を開閉可能に支持するヒンジ手段40,44を配設した左縁部側に前記補強板金30を設けるよう構成したことで、本体枠19(前枠13)において最も荷重が掛かり、より高い剛性が要求される部位が効果的に補強される。また、ヒンジ手段40,44が設けられるベース部材21の左縁部に要求される剛性を、該ベース部材21自体の厚み寸法を大きくすることで確保する場合には、当該ベース部材21が不必要に大型化して本体枠19(前枠13)の重量化を招来する。これに対して、実施例のように、前記本体枠19(前枠13)の部位に応じてベース部材21に補強板金30を配設するようにしたから、ベース部材21の薄型化・軽量化を図り得る。
なお、前記補強板金30(第1固定片31)の厚み寸法T1を、前記ベース部材21の厚み寸法T2以上に設定したことで、ベース部材21の厚み寸法T2を最大限薄くして軽量化を図りつつ、本体枠19(前枠13)の部位に応じて必要な剛性を確保することができる。また、実施例では、前記ベース部材21に形成した段差部25に単一の補強板金30を配設して補強するよう構成してあるから、該段差部25に複数の補強部材を配設して補強する構成と較べて、ベース部材21の剛性をより向上させ得る利点がある。更に、前記補強板金30を、ベース部材21に固定される第1固定片31に対して略直角に折曲された第1折曲片33を形成したことで、ベース部材21における補強板金30の配設部位の剛性をより向上することができる。
前記ベース部材21に段差部25を形成して、該段差部25に補強板金30の第1固定片31を整合させることで、ベース部材21の第1の固定孔26と、該第1固定片31の第2の固定孔32とが整列するよう構成したから、該補強板金30の固定作業を容易に行なうことができる。このとき、前記第1固定片31の上下の端部に左右方向の幅寸法が大きな幅広部31b,31bを設け、該第1固定片31を段差部25に整合させた際に幅広部31bが第1固定片31の上下方向の位置規制を行なうよう構成したから、ベース部材21の第1の固定孔26と、第1固定片31の第2の固定片32とを容易に整列させることができる。また、ベース部材21と補強板金30との固定作業に際しては、ベース部材21に較べて小型の補強板金30を移動させて両部材21,30の位置合わせを行ない得るから、作業性の向上を図り得る。また、補強板金30の固定作業は、前記ベース部材21を横倒しして補強板金30の第1折曲片33を上方へ突出させた状態で行ない得るから、従来の加工装置をそのまま使用することができ、コストの増大を抑制できる。
ベース部材21に形成した段差部25の深さ寸法Dを、補強板金30の第1固定片31の厚み寸法T1と略合致するよう設定したことで、該段差部25に第1固定片31を固定した際に、ベース部材21および第1固定片31のガラスユニット35に対向する面が略同一面上に位置して、第1固定片31のガラスユニット35に対向する面がベース部材21のガラスユニット35に対向する面から突出するのを防止できる。すなわち、前記ベース部材21に配設したガラスユニット35が前記第1固定片31に干渉することはないから、該第1固定片31と重なる位置までガラスユニット35を大型化することが可能となる。換言すれば、ガラスユニット35を大型化することで、前記本体枠19に形成する窓部19a(ベース部材21に開設する開口部21a)をより大きくすることが可能となる。また、前記ベース部材21および第1固定片31が略同一面上に位置するようにしたことで、段差部25がベース部材21の前方へ突出するのを最小限に抑制できる。
更に、前記第1折曲片33を、前記第1固定片31における前記ベース部材21の開口部21aから離間する縁部側に連接するよう形成したことで、該第1固定片31と前後に重なるよう前記ガラスユニット35を大きくすることができる。なお、前記ベース部材21と補強板金30の第1固定片31との間に異物が挿入された場合であっても、該異物の遊技機内部への侵入を前記段差部25で阻止し得るから、不正行為防止を図り得る利点がある。また、実施例では、前記補強板金30(第1固定片31)とベース部材21との接合部位を前記ガラスユニット35で覆うと共に、該ガラスユニット35の前面がベース部材21の裏面および第1固定片31の裏面に当接するよう構成してあるから、仮に前記ベース部材21と補強板金30の第1固定片31との間に挿入された異物が内側に侵入した場合であっても、当該ガラスユニット35(保持枠37)により異物の侵入を阻止でき、より確実に不正行為を防止し得る。
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、第1部材の縁部の全長に亘って段差部を形成し、該段差部に単一の第2部材が延在するよう構成したが、これに限られるものではなく、第1部材における縁部の離間する位置に複数の段差部を形成して、該各段差部に対応して第2部材を設けるよう構成してもよい。また、実施例では前記第1部材の左縁部に段差部を形成した場合を示したが、これに限られるものではなく、第1部材の右縁部や、上下の縁部に段差部を形成することもできる。更に、第1部材の一縁部に段差部を形成する構成に限られるものではなく、第1部材の複数の縁部に段差部を形成するようにしてもよい。すなわち、第1部材の剛性を向上させる必要性が高い部位に応じて段差部を形成し、該段差部に第2部材を設けるようにすればよい。例えば、第1部材の下縁部に段差部を形成する場合には、重量物である透明部材を支持部材で支持する場合に、該第1部材に変形等の不具合を生ずるのを効果的に抑制し得る利点がある。
また、実施例では、前記第2部材に設けられる固定片の厚み寸法を、前記第1部材の厚み寸法以上に設定すると共に、前記段差部の深さ寸法を固定片の厚み寸法に略合致するよう設定したが、該段差部の深さ寸法を固定片の厚み寸法以上に設定すれば、前記透明部材が固定片に干渉するのを防止できるから、実施例と同様に、透明部材の大型化を図り得る利点がある。
実施例では、施錠金具の第2折曲片を、第1部材に固定する第2固定片における第1部材の開口部に近接する縁部に形成するよう構成したが、該第2折曲片を第2固定片における第1部材の開口部から離間する縁部に形成するようにしてもよい。この場合に、該施錠金具の配設位置に第2の段差部を形成し、該第2の段差部の深さ寸法を第2固定片の厚み寸法以上に設定すれば、透明部材を第1部材における施錠金具側の端部に近接するより大型のものを採用することが可能となる。なお、この場合には、実施例に係る段差部と補強板金の固定片との関係と同様に、前記第2の段差部の深さ寸法を前記第2固定片の厚み寸法に略合致するよう設定して、該第2の段差部に第2固定片を固定した際に、第1部材および第2固定片の透明部材に対向する面が略同一面上に位置するよう構成することがより好ましい。
また、枠部材を開閉可能に枢支するヒンジ手段の構成に関しては、実施例のものに限定されるものではなく、必要に応じて任意の構成のヒンジ手段を採用することができる。すなわち、実施例では、枠部材の上側を枢支するヒンジ手段(上支持部)を補強部材と別体として設けると共に、枠部材の下側を枢支するヒンジ手段(下支持部)を補強部材と一体に形成するようにしたが、枠部材の上側を枢支するヒンジ手段(上支持部)を補強部材と一体的に形成するようにしてもよく、また枠部材の下側を枢支するヒンジ手段(下支持部)を補強部材とは別体として設けるようにしてもよい。
なお、前記透明部材の形状・構成は、実施例に示したものに限定されず、枠部材の窓部を覆い得るよう構成すれば、任意の形状・構成で形成することができる。
実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、機前面側に設けられ、前後に開口する窓部を開設した枠部材と、前記枠部材の裏面側に配設される金属製の補強部材と、前記枠部材の裏面側に配設されて前記窓部に臨む透明部材とを備える遊技機であれば、スロットマシン機やアレンジボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。
なお、本発明に係る遊技機に関しては、以下に示す具体的構成に限定することが可能である。
(A) 請求項1〜4の何れかに記載の遊技機に関し、前記第1部材(21)の外周縁部および前記開口部(21a)を開口した開口縁部の夫々に補強リブ(21b)を形成する。
このように、前記第1部材の外周縁部および開口縁部の夫々に補強リブを形成することで、第1部材の全体的な剛性の向上に寄与し得る。
本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係るパチンコ機を、前枠を開放した状態で示す斜視図である。 実施例に係る補強部材を裏面側から視た状態で示す斜視図である。 実施例に係る補強部材を示す背面図である。 実施例に係るガラスユニットを取り付けた補強部材の背面図であって、各隅部近傍を拡大して示す。 実施例に係る段差部に補強金具を取り付けた状態を示す横断平面図である。 従来技術に係るベース板に補強板を取り付けた状態を示す横断平面図である。 従来技術に係るベース板に補強板を示す横断平面図であって、(a)は補強板に対してベース板を位置合わせして取り付ける状態を示し、(b)はベース板に対して補強板を位置合わせして取り付ける状態を示す。
符号の説明
13 前枠(枠部材),18 施錠手段,19a 窓部,20 補強部材
21 ベース部材(第1部材),21a 開口部,21b 補強リブ
22 第1支持部材,23 第2支持部材,24 回転式固定具,25 段差部
25a 第1領域,25b 第2領域,30 補強金具,31 第1固定片(固定片)
31a 基部,31b 幅広部,33 第1折曲片(折曲片)
35 ガラスユニット(透明部材),40 上支持部(ヒンジ手段)
44 下支持部(ヒンジ手段),47 施錠金具,48 第2固定片
49 第2折曲片,49a 施錠片
1 固定片の厚み寸法,T2 ベース部材の厚み寸法,D 段差部の深さ寸法


Claims (3)

  1. 機前面側に開閉可能に設けられ、前後に開口する窓部を開設した枠部材と、前記枠部材の裏面側に配設される金属製の補強部材と、前記枠部材の裏面側に配設されて前記窓部に臨む透明部材とを備える遊技機であって、
    前記補強部材は、
    前記枠部材に固定されると共に前記窓部に対応する開口部が開設されて、該開口部の開口端縁および上下の端縁に、前記透明部材から離間する方向へ突出する補強リブが形成された板状の第1部材と、
    前記第1部材に固定される第2部材とからなり、
    前記第1部材は、前記枠部材を開閉可能に支持するヒンジ手段が配設される縁部に沿って上下方向の全長に亘って延在し、前記透明部材に対向する面側の縁部に透明部材から離間する方向に段差状に退避した段差部が形成されて、該段差部は、前記第1部材の縁部に沿って一定の幅寸法で設けられる第1領域と、該第1部材の上下の端部に設けられて第1領域に較べて左右の幅寸法を大きく設定された第2領域とを有し、
    前記第2部材は、前記段差部に固定されて該段差部における第1領域に略合致する基部および第2領域に略合致する上下の幅広部を有する第1固定片と、前記段差部に固定された前記第1固定片における前記第1部材の開口部から離間する縁部に連設されて第1部材から離間する方向に折曲した第1折曲片とを有し、前記第1固定片の基部および幅広部を前記段差部の第1領域および第2領域に整合させた状態で第1固定片が段差部に固定され、
    前記第1固定片の厚み寸法は、前記第1部材の厚み寸法以上に設定されると共に
    前記段差部の深さ寸法は、前記第1固定片の厚み寸法に略合致するよう設定されて、該段差部に第1固定片を固定した際に、前記第1部材および第1固定片の透明部材に対向する面が略同一面上に位置するよう構成され、
    前記第1部材における前記段差部が形成された縁部とは反対側の縁部には、該縁部に沿って上下方向に延在して第1部材に固定される第2固定片と、該第2固定片における第1部材の開口部に近接する端縁に連設されて第1部材から離間する方向に折曲した第2折曲片と、該第2折曲片における第1部材から離間する端部に、第1部材の開口部から離間する方向に突出するよう折曲され、施錠手段の係合フックとの係合により枠部材を閉成状態で保持する施錠片とを備えた金属製の施錠金具が設けられた
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1部材には、前記開口部の下方位置に前記透明部材の下端部を支持する第1支持部材が配設されると共に、該開口部の上方位置に透明部材の上端部側を支持する第2支持部材が配設されて、該第1および第2支持部材の左右両端部に、当該第1支持部材に透明部材を載置支持した状態で透明部材の上部および下部を固定する位置および固定解除する位置に回転操作可能な回転式固定具が夫々配設され、
    前記ヒンジ手段は、前記第1部材における前記段差部の第1領域に、前記枠部材の上部を枢支する上支持部が固定されると共に、前記第2部材における前記第1固定片の下端部を折曲して枠部材の下部を枢支する下支持部が形成される請求項1記載の遊技機。
  3. 前記第1および第2支持部材は、前記段差部に固定された前記第2部材の第1固定片と重なり合うと共に、該第1および第2支持部材における裏面と前記透明部材の裏面が略同一面上に位置するよう構成され、
    前記段差部の枠部材側への突出寸法は、前記補強リブの枠部材側への突出寸法より小さく設定される請求項2記載の遊技機。
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