以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図19は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機1は、図1に示すように、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に装着された前枠3とを備えている。なお、外枠2、前枠3により遊技機本体が構成されている。
前枠3は左右一端側が上下一対の前枠用ヒンジ4により外枠2に縦軸廻りに開閉自在に枢支され、左右他端側が前枠用施錠手段5(図7参照)により外枠2に閉状態で施錠されている。前枠3の上部には遊技盤6が着脱自在に装着され、その遊技盤6の前側にガラス扉(開閉扉)7が、ガラス扉7の下側に前面板8が夫々配置されている。
ガラス扉7、前面板8は、左右一端側がガラス扉用ヒンジ9、前面板用ヒンジ10により前枠3に開閉自在に枢支され、左右他端側が閉状態でガラス扉用施錠手段11(図7参照)、前面板用施錠手段(図示省略)により前枠3に施錠されている。各ヒンジ4,9,10は同一側で略同一軸心上に配置されている。
前枠用施錠手段5は前枠3を閉じたときに、ガラス扉用施錠手段11はガラス扉7を閉じたときに夫々施錠し、共通の施錠操作手段12のキー操作により解除するようになっている。前面板用施錠手段は前面板8を閉じたときに施錠し、ガラス扉7を開放して手動操作したときに施錠を解除するようになっている。
前面板8の前側には、発射用の遊技球を貯留する球供給皿13と、余剰球を貯留する球受け皿14とが上下に配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段(図示省略)の発射ハンドル15が設けられている。
遊技盤6の前面には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール16が略円弧状に配置されると共に、そのガイドレール16の内側の遊技領域17に画像表示手段18、普通図柄始動手段19、特別図柄始動手段20、可変入賞手段21、普通入賞手段22等の各種の遊技部品が配置されている。画像表示手段18はその画像表示部23に遊技画像24a〜24c等を変動表示可能である。
ガラス扉7は図2〜図7に示すように、遊技盤6の遊技領域17に対応する窓孔25を有する扉主体28と、この扉主体28の裏側に係合手段29及び締結手段30を介して着脱自在に装着されたガラス板ユニット31と、ガラス扉7の少なくとも左右両側部及び下部を補強する第1〜第3補強部材32a〜32cとを備え、窓孔25内のガラス板ユニット31を介して遊技領域17を前面から透視するようになっている。なお、ガラス板ユニット31は扉主体28の裏面に略全周が押圧した状態で装着可能であり、その装着状態では扉主体28を裏側から補強するように構成されている。
ガラス板ユニット31は図8、図9に示すように、前後2枚のガラス板34と、このガラス板34を外周側で保持する保持部材35とを備え、内部に密閉空間38ができるようにガラス板34と保持部材35とが接着等で固定されている。保持部材35は2枚のガラス板34間の間隔を保持する間隔保持部36と、この間隔保持部36の前後両側で各ガラス板34の外周を取り囲む周壁部37とを一体に有する。保持部材35の前側の周壁部37は前側のガラス板34の前面よりも若干突出しており、その前端縁の全周が扉主体28の裏面に当接する当接部39となっている。
なお、ガラス板ユニット31は左右一対の上下方向の側縁40a,40bと、この側縁40a,40bの下端間に円弧縁を介して連続する左右方向の下縁40cと、側縁40a,40bの上端間を接続する上向き円弧状又は略台形状の上縁40dとを有し、窓孔25の形状が異なる複数種類のガラス扉7に共通に使用できるように、扉主体28に形成可能な最大の窓孔25よりも大きく構成され、扉主体28に装着したときに保持部材35が窓孔25の外側に位置するようになっている。
扉主体28は図2〜図7に示すように、外周形状が前枠3の前面板8よりも上側の部分に対応する矩形状であって、左右一対の側枠部42a,42b、下枠部42c及び上枠部42dが一体に形成された合成樹脂製の扉枠43と、この扉枠43の前面に装着された化粧カバー44とを有し、上下一対のガラス扉用ヒンジ9を介して前枠3に枢着されている。
扉枠43の側枠部42aの裏面には第1補強部材32aが、側枠部42bの裏面には第2補強部材32bが夫々上下方向に装着され、下枠部42cの裏面には第3補強部材32cが左右方向に装着されており、これらの第1〜第3補強部材32a〜32cにより、扉枠43の各枠部42a〜42cを裏側から補強するようになっている。また扉枠43の上枠部42dの左右両側にスピーカユニット45が、またスピーカユニット45の周辺を含む周方向の略全周又は周方向の複数箇所に発光表示手段(図示省略)が夫々組み込まれている。
扉枠43の内側は窓孔25よりも若干大きい開口となっている。化粧カバー44は周方向に複数個に分割されており、その個々の化粧カバー44は内部のスピーカユニット45、発光表示手段等を覆い、また内周側には扉枠43の内周縁近傍に嵌合して窓孔25を形成する内周壁44aを有する。扉主体28にはガラス扉用ヒンジ9と反対側の側枠部42bの下部に施錠操作手段12が設けられ、この施錠操作手段12にキーを挿入して正方向に回動操作したときに前枠用施錠手段5が、逆方向に回動操作したときにガラス扉用施錠手段11が夫々施錠を解除するようになっている。
上枠部42dは上側が左右方向の直線状、下側が窓孔25の開口縁に沿ってアーチ状又は円弧状であって、他の側枠部42a,42b、下枠部42cよりも上下幅、前後幅が大である上に、その内部にスピーカユニット45、発光表示手段等が装着され、更に裏面にはそれらを覆う裏カバー46が装着されている。このため扉主体28の上枠部42dは十分な強度があり、その裏面には第1〜第3補強部材32a〜32cに相当する補強部材は設けられていない。
扉枠43の側枠部42a,42b、下枠部42c及び上枠部42dには、図4〜図7に示すように、その外周縁の略全長に前後両側又は片側へと屈曲する補強縁47a〜47dが一体に形成されており、また側枠部42a,42b及び下枠部42cの裏側にはその補強縁47a〜47dに近接して第1〜第3補強部材32a〜32cが上下方向、左右方向に夫々固定されている。
第1〜第3補強部材32a〜32cは帯板状の板金材を所定形状に屈曲形成したものである。第3補強部材32cには第1補強部材32aの板厚Ta(図10参照)よりも厚い板厚Tc(図12参照)の板金材が、第2補強部材32bには第3補強部材32cの板厚Tcよりも厚い板厚Tb(図12参照)の板金材が夫々用いられている。従って、第2補強部材32bの板厚Tbは第1補強部材32aの板厚Taよりも厚くなっており、第1〜第3補強部材32a〜32cの板厚はTa<Tc<Tbの関係にある。
第1〜第3補強部材32a〜32cは補強縁47a〜47cの内側近傍で扉枠43の裏面に形成された凹部48a〜48c内に配置され、長手方向に所定間隔をおいて配置された複数個のネジ49a〜49cにより裏側から扉枠43に固定されている。各凹部48a〜48cは補強部材32a〜32cの厚さに応じて深さが異なっており、扉枠43の裏面が面一状になっている。従って、ガラス板ユニット31の外周部は扉枠43の裏面に密着している。
例えば第1補強部材32aは図3、図4、図13に示すように、第1補強部材32aを貫通して側枠部42aの取り付けボス51aに螺合するネジ49a、或いは図11に示すように第1補強部材32a等を貫通して側枠部42aの前面の取り付けボス51aに螺合するネジ49a等により固定されている。第2補強部材32bは図3、図4に示すように、側枠部42bに螺合するネジ49bにより固定されている。第3補強部材32cは図3、図12に示すように、下枠部42cの前面の取り付けボス50cに螺合するネジ49cにより固定されている。
第1〜第3補強部材32a〜32cの少なくともガラス板ユニット31が当接する部分は、扉枠43の第1〜第3補強部材32a〜32c以外のガラス板ユニット31が当接する部分と略面一状になっており、それらにガラス板ユニット31の保持部材35の当接部39が裏側から当接している。
第1補強部材32a、第2補強部材32bは、図3、図4に示すように扉枠43の各側枠部42a,42bの上下方向の略全長にわたって上下方向に配置され、上下両端部を含む複数箇所でネジ49a,49bにより扉枠43の裏面に固定されている。第1補強部材32aは図4、図6に示すように、補強縁47aの内側近傍で裏側へと屈曲する屈曲縁52aと、屈曲縁52aの後端から左右方向の外側へと屈曲する嵌合縁53aとが上下方向の略全長にわたって設けられている。嵌合縁53aは図6に示すようにガラス扉7を閉じたときに前枠3の嵌合溝54に嵌合して両者間の隙間を封じるためのものであり、その嵌合溝54はガラス扉用ヒンジ9の外側で前枠3に装着された補強板55の前端内側に形成されている。
第1補強部材32aの上下両端部には、図4、図10、図11に示すようにその前面に上下一対のガラス扉用ヒンジ9の可動ヒンジブラケット56が適宜固定手段、例えばリベット60により固定されている。即ち、上側のガラス扉用ヒンジ9は図10に示すように、前枠3に固定され且つヒンジ孔57を有する固定ヒンジブラケット58と、第1補強部材32aの上端部に固定され且つ固定ヒンジブラケット58の下側に配置された可動ヒンジブラケット56と、可動ヒンジブラケット56に保持され且つ固定ヒンジブラケット58のヒンジ孔57に挿脱自在に挿入されたヒンジ軸59とを有する。ヒンジ軸59は可動ヒンジブラケット56に上下摺動自在に保持され、バネ61により上方に付勢されている。ヒンジ軸59は下端側に摘まみ部59aを有し、その摘まみ部59aは裏側から操作可能に第1補強部材32aの口部62aを介して裏側に突出している。
下側のガラス扉用ヒンジ9は図11に示すように、前枠3に固定された固定ヒンジブラケット58と、この固定ヒンジブラケット58から上向きに突出するヒンジ軸59と、第1補強部材32aの下端部に固定され且つ固定ヒンジブラケット58の上側に配置された可動ヒンジブラケット56とを有し、可動ヒンジブラケット56にヒンジ軸59が嵌合するヒンジ孔57が設けられている。
第2補強部材32bは図4、図7、図12に示すように、補強縁47bの内側近傍で裏側へと屈曲する屈曲縁52bを上下方向の略全長に備えると共に、この屈曲縁52bから裏側に突出して内側に屈曲する平面視L字状の受け具62が上下両端部、中間部等の所要箇所に曲げ加工により一体に設けられている。
第2補強部材32bの扉枠43の隅部に対応する下部には、図4に示すように屈曲縁52b側が切り欠き部64bとなった迂回部63bを有し、その切り欠き部64bに位置すべく第2補強部材32bに施錠操作手段12が装着されている。施錠操作手段12は図12、図16に示すように、シリンダ状の本体部65と、一対の係合爪66a,66bを有し且つ本体部65の前後方向の操作軸67の後端に固定された係合操作部66とを備え、本体部65の前側からキーを挿入して回動操作したときに、一対の係合操作部66が前後方向の操作軸67廻りに正逆回動するようになっている
本体部65はその後端側の取り付け部65aが取り付け板68を介して第2補強部材32bに固定されている。本体部65は側枠部42bの筒部69から化粧カバー44の筒部44bに嵌合し、化粧カバー44の前面のキー挿入口70に対応している。取り付け板68は側枠部42bに形成された突部71に裏側から当接している。
第3補強部材32cは第1補強部材32aと第2補強部材32bとの下端部間を左右に連結するもので、図4、図5、図12〜図15に示すように、扉枠43の下枠部42cの左右方向の略全長にわたって配置され、左右方向の複数箇所でネジ49c等により扉枠43の裏面に固定されている。この第3補強部材32cにはガラス板ユニット31を下側から受ける受け部72cと、補強縁47cの内側近傍に位置する屈曲縁52cとが上下両側から裏側へと屈曲して設けられている。受け部72cは第3補強部材32cの左右方向の中央とその左右両側とに設けられており、その上面でガラス板ユニット31を下側から受けるようになっている。屈曲縁52cは下枠部42cの補強縁47cに近接して第3補強部材32cの下端の略全長に設けられている。
なお、第3補強部材32cと受け部72cとの屈曲部分には図14、図15に示すように、その屈曲部分の剛性を確保すべく両者に跨がって補強部73cが設けられている。この補強部73cは第3補強部材32cと受け部72cとの屈曲部分を横切る方向にV字状、その他の凹部を形成することにより構成されている。
第3補強部材32cには図3、図4、図14に示すように、受け部72cよりも上側に突出する取り付け部74cが各受け部72c間と左右両端部とに設けられ、その各取り付け部74cがネジ49cにより扉枠43の裏面に固定されている。左右両端の取り付け部74cの内、第1補強部材32a側の取り付け部74cには第1補強部材32aの下端部の内側に並ぶ連結部75aが、第2補強部材32b側の取り付け部74cには第2補強部材32bの下端部の裏側に重なる連結部75bが夫々上向きに突出して設けられている。
第3補強部材32cの連結部75aは連結板76を介して第1補強部材32aの下端部に連結されている。連結板76は左右に並ぶ連結部75aと第1補強部材32aとに跨がって裏側から重なり、ネジ49a,49cにより第1補強部材32a、連結部75aを介して扉枠43に固定されている。第3補強部材32cの連結部75bは第2補強部材32bと重ねてネジ49bにより扉枠43に共締めにより固定されている。
第1〜第3補強部材32a〜32cはガラス板ユニット31の保持部材35の当接部39が裏側から当接する当接部分を有する。即ち、図3に示すように、第1補強部材32aはその裏面側の内縁部が、第2補強部材32bは迂回部63bの裏面側の内縁部が夫々当接部分となり、第3補強部材32cは連結部75bを含む取り付け部74cの受け部72cよりも上側の裏面側が当接部分となっている。
従って、この実施形態では、ガラス板ユニット31は第1補強部材32aに対しては上下方向の寸法の半分以上が、第2補強部材32bに対しては上下方向の寸法の半分未満が夫々当接している。なお、迂回部63bの上端から第2補強部材32bの上部側までの上側では扉枠43の裏面が当接部分となり、この当接部分にガラス板ユニット31の保持部材35の略全周が裏側から当接している。
前枠用施錠手段5とガラス扉用施錠手段11は図7、図12、図16、図17に示すように共通の施錠操作手段12により解除操作可能に並べて設けられている。前枠用施錠手段5は、外枠2の内側に固定された上下一対の受け具78と、この前枠3に設けられ且つ前枠3を閉じたときに各受け具78に係脱自在に係合する掛け具79と、上下の掛け具79を連動連結する連動部材80とを有し、掛け具79は受け具78に係脱すべく前枠3の凹部内の支持板81に支軸82廻りに回動自在に枢支されている。
ガラス扉用施錠手段11は、ガラス扉7の裏側に固定された上下方向に複数個の受け具62と、前枠3の凹部内に連動部材80と並べて配置され且つ支持板81により上下動自在に支持された施錠板83と、各受け具62に対応して施錠板83に設けられ且つガラス扉7を閉じたときに各受け具62に係脱自在に係合する掛け具84とを有する。
前枠用施錠手段5とガラス扉用施錠手段11はその連動部材80、施錠板83を上下逆向きに操作したときに施錠を解除するようになっており、その連動部材80、施錠板83間に、両者を施錠方向に付勢するバネ85が設けられている。連動部材80、施錠板83は施錠操作手段12の内側近傍を迂回する屈曲部80a,83aを有し、その屈曲部80a,83aに連動爪80b,83bが設けられている。連動爪80b,83bはガラス扉7を閉じたときに係合操作部66の一対の係合爪66a,66b間に係合可能に位置するようになっている。
係合手段29は図3〜図5、図14に示すように、ガラス板ユニット31の保持部材35から下方に突出する係合突起86aと、第3補強部材32cの受け部72cに形成され且つ係合突起86aが上側から係脱自在に係合する係合孔86bとを備え、左右方向に所定の間隔をおいて2個設けられている。なお、係合手段29は3個の受け部72cの内、左右の受け部72cに対応して設けられているが、中央の受け部72cに対応して設けてもよい。
締結手段30は図3、図4、図18、図19に示すように、ガラス板ユニット31の保持部材35から外側に突出する突出部87と、この突出部87を裏側から扉枠43側へと押圧する締結部材88と、この締結部材88を扉枠43の裏側で押圧・解除自在に枢支する支軸89とを備え、ガラス板ユニット31の上部側の左右両側に設けられている。締結部材88は摘まみ部88aを有し、また図外の保持手段により解除位置Aと締結位置Bとに保持可能になっている。
扉主体28とガラス板ユニット31との間には、図18、図19に示すように、ガラス板ユニット31を位置決めする位置決め手段90が設けられ、また扉主体28の裏面にはガラス板ユニット31を位置決め手段90へと案内する案内部材91が設けられている。位置決め手段90は突出部87の前面に形成された位置決め凹部92aと、扉枠43の裏面に形成され且つ位置決め凹部92aに前後方向に嵌脱自在に嵌合する位置決め突部92bとから構成されている。案内部材91は突出部87を介してガラス板ユニット31を案内するもので、突出部87を左右方向の外側と上側とから案内するように扉枠43の裏側に鉤状等に形成されている。なお、位置決め手段90、案内部材91は左右に一対設けられている。
このような構成のガラス扉7では、次のような利点がある。ガラス板ユニット31を装着する際には、先ずガラス板ユニット31の下部を扉主体28の第3補強部材32cに係合する。この場合、ガラス板ユニット31の下部側の左右の係合突起86aを第3補強部材32cの左右の受け部72cに形成された係合孔86bに上側から挿入すればよい。そして、係合突起86aを係合孔86bに挿入すれば、ガラス板ユニット31の下部が左右方向の3個の受け部72c上に載り、この受け部72cによりガラス板ユニット31が下側から支持された状態となる。
次に係合手段29を支点としてガラス板ユニット31の上部側を扉主体28の裏面に当接させた後、このガラス板ユニット31の上部を左右の締結手段30により締結して、ガラス板ユニット31を扉主体28の裏面に押圧させる。このとき仮にガラス板ユニット31が左右又は上側に若干位置ずれした状態にあっても、ガラス板ユニット31の上部側が扉主体28の裏面に接近したときに左右の案内部材91が突出部87を介してガラス板ユニット31を案内でき、突出部87の位置決め凹部92aと扉枠43の位置決め突部92bとが嵌合するので、位置決め手段90によりガラス板ユニット31を適正位置に位置決めすることができる。
締結手段30によりガラス板ユニット31を締結する際には、締結部材88の摘まみ部88aを操作して解除位置Aにある締結部材88を支軸89廻りに突出部87側に廻せば、その締結部材88が突出部87の裏側に乗り上げてガラス板ユニット31を扉主体28側へと押圧して締結することができる。
このガラス扉7では、扉主体28は少なくともその左右の側枠部42a,42bに沿って上下方向に配置された左右一対の第1補強部材32a及び第2補強部材32bと、その下枠部42cに沿って左右方向に配置され且つ左右両端が第1補強部材32a及び第2補強部材32bの下端部に連結された第3補強部材32cとを別々に備え、またガラス板ユニット31はその左右の側縁40a,40bが扉主体28の第1補強部材32a及び第2補強部材32bに、その下縁40cが扉主体28の第3補強部材32cに夫々当接して扉主体28の裏面に押圧する構造となっているので、扉主体28の窓孔25を大きく取った場合でも、ガラス板ユニット31により扉主体28を補強することができ、扉主体28に使用する第1〜第3補強部材32a〜32cの無駄を抑えつつガラス扉7の強度を容易に確保することができる。
即ち、扉主体28は左右の第1補強部材32a及び第2補強部材32bと、この第1補強部材32a及び第2補強部材32bの下端部に連結された第3補強部材32cとを別々に備えているので、従来の一体構造の補強板等に比較して第1〜第3補強部材32a〜32cに帯板状の板金材等を使用することが可能であり、材料の無駄を削減できる。
一方、ガラス板ユニット31の側縁40a,40bを扉主体28の第1補強部材32a及び第2補強部材32bに、下縁40cを扉主体28の第3補強部材32cに夫々当接させて、ガラス板ユニット31が扉主体28の裏面に押圧する構造であるため、このガラス板ユニット31により扉主体28を補強することができ、扉主体28の強度を容易に確保できる。またガラス板ユニット31で扉主体28を補強するため、従来のように扉主体28の裏側の全面に一体構造の補強板を装着する必要がなく、帯板状の板金材の第1〜第3補強部材32a〜32c程度で扉主体28を補強すればよいので、第1〜第3補強部材32a〜32cの使用量を削減でき製作コストを低減することができる。
第3補強部材32cとガラス板ユニット31の下部との間に、ガラス板ユニット31が上側から着脱自在に係合する係合手段29があり、扉主体28の上部側に、係合手段29を支点としてガラス板ユニット31の上部側を扉主体28側に締結する締結手段30があるので、扉主体28に対するガラス板ユニット31の装着が容易である上に、ガラス板ユニット31を扉主体28の裏面に容易に固定することができる。
しかも締結手段30でガラス板ユニット31を締結したときにガラス板ユニット31の略全周縁が第1〜第3補強部材32a〜32cを含む扉主体28の裏面に当接するようになっているため、締結状態での扉主体28とガラス板ユニット31との当接面方向の相対移動を防止でき、ガラス板ユニット31による扉主体28の補強効果を増大させることができる。
また第3補強部材32cには裏側へと屈曲し且つ係合手段29の係合状態でガラス板ユニット31を下側から受ける左右一対の受け部72cがあり、この各受け部72cに対応して係合手段29が左右に一対あるため、ガラス扉7の捩れ方向の歪みを容易に防止できる。特にガラス板ユニット31の上部側を位置決め手段90により扉主体28に対して位置決めしているので、締結手段30はガラス板ユニット31の上部側を扉主体28側に押圧する程度のもので、扉主体28とガラス板ユニット31との捩れ方向の歪みを防止できる。
しかも各係合手段29はガラス板ユニット31から下方に突出する係合突起86aと、受け部72cに形成され且つ係合突起86aが係合する係合孔86bとを備えているので、扉主体28とガラス板ユニット31との間に係合手段29を簡単に設けることができる。
扉主体28を補強する第1補強部材32aと第2補強部材32bとの内、施錠操作手段12側の第2補強部材32bの板厚Tbをガラス扉用ヒンジ9側の第1補強部材32aの板厚Taよりも厚くし、この第2補強部材32bにガラス扉用施錠手段11の受け具62を折り曲げ加工により一体に設けているので、受け具62の剛性を十分に確保できると共に、受け具62を溶接等で第2補強部材32bに固定する場合に比較して製作が容易であり、第2補強部材32bの製作コストを削減できる。
また第2補強部材32bに比較して第1補強部材32aの板厚Taが薄いので、第1補強部材32aに第2補強部材32bと同じ厚さの板金材を使用する場合に比較して材料の無駄を防止することができる。即ち、扉主体28の第1補強部材32a側はその上下のガラス扉用ヒンジ9を介して前枠3側に連結されており、ガラス扉7を前枠3に装着した状態では前枠3により扉主体28の捩れ等に抗することができる。従って、第1補強部材32aに薄手の板金材を使用することにより、材料の無駄を抑えながらも所定の強度を容易に確保することができる。なお、第1補強部材32aは屈曲縁52aと嵌合縁53aとを有するため、この屈曲縁52a、嵌合縁53aにより、第1補強部材32a自体の剛性も容易に確保することができる。
第3補強部材32cは受け部72cを有し、この受け部72cでガラス板ユニット31の荷重を下側から受けているが、第3補強部材32cの板厚Tcは第1補強部材32aの板厚Taよりも厚くしているので、ガラス板ユニット31の荷重を確実に支持することができる。また第3補強部材32cの板厚Tcを薄くしても受け部72cの長さを容易に確保することができるので、掛け具84の幅を確保し難い第2補強部材32bと同じ板厚Tbにする必要がなく、この点でも材料の無駄を防止することができる。
第3補強部材32cは受け部72cよりも上側に突出する取り付け部74cを左右方向に複数個備え、この取り付け部74cの裏面にガラス板ユニット31が当接するようにしているので、受け部72cの下側で第3補強部材32cの裏側にガラス板ユニット31が当接する構造に比較して、第3補強部材32cの上側部分に長く受け部72cを設けることが可能であり、この受け部72cにより第3補強部材32cの強度を向上させることができる。
更に第1〜第3補強部材32a〜32cのガラス板ユニット31が当接する部分は、扉主体28の第1〜第3補強部材32a〜32c以外のガラス板ユニット31が当接する部分と略面一であり、ガラス板ユニット31の略全周が第1〜第3補強部材32a〜32cを含む扉主体28の裏面に当接する。このためガラス板ユニット31側の保持部材35等に凹凸構造を設ける必要がなく、ガラス板ユニット31側の構造も単純化することができる。
図20、図21は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態の第3補強部材32cはガラス扉用ヒンジ9側の端部に、第1補強部材32aの裏側に重なる連結部75aを有し、その連結部75aがネジ49aにより第1補強部材32a、可動ヒンジブラケット56と共締めにより扉枠43に固定されている。連結部75aの下側には、この連結部75aとの間のスリット93を介して屈曲縁52cがガラス扉用ヒンジ9側の端部まで伸びている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように第3補強部材32cのガラス扉用ヒンジ9側は、その端部の連結部75aを第1補強部材32aの下端部に重ねてネジ49aにより直接固定してもよい。
図22は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、ガラス板ユニット31の左右の第1補強部材32a、第2補強部材32bに対する当接範囲Cが略同程度となるようにしている。ガラス板ユニット31の当接範囲Cは左右ともガラス板ユニット31の上下方向の寸法の半分以上となっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態の場合にはガラス扉用ヒンジ9側の第1補強部材32aに対するガラス板ユニット31の当接範囲が上下方向に長くなっており、施錠操作手段12側の第2補強部材32bに対しては下側の一部が当接するようになっているが、このように左右ともガラス板ユニット31の上下方向の寸法の半分以上を当接させることによって、ガラス板ユニット31により扉主体28を更に補強でき、ガラス扉7の強度を向上させることができる。
なお、この実施形態では、ガラス板ユニット31は左右の第1、第2補強部材32a,32bに対して上下方向の寸法の半分以上が当接しているが、少なくとも一方に対して上下方向の寸法の半分以上が当接すれば十分である。
図23〜図26は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、扉主体28の扉枠43にガラス板ユニット31用の嵌合部96が設けられ、その嵌合部96にガラス板ユニット31が裏側から着脱自在に嵌合され、締結手段30により固定されている。嵌合部96は扉枠43の各枠部42a〜42dから前側に屈曲する嵌合壁97a〜97dと、嵌合壁97a〜97dの前端から窓孔25の内側に屈曲する受け壁98a〜98dとを周方向の略全周に備えている。第1、第2補強部材32a,32bの内端側には嵌合壁97a〜97dに沿って屈曲する屈曲部99a,99bを有し、この屈曲部99a,99bに接触するように左右の嵌合壁97a,97b間にガラス板ユニット31が嵌合し、そのガラス板ユニット31の保持部材35の前端が受け壁98a〜98dに当接している。
第3補強部材32cには嵌合壁97cに沿って前側に屈曲する受け部721cと、この受け部721cと略同じ高さで裏側に屈曲する受け部722cとを有し、これら受け部721c,722cにより嵌合部96内のガラス板ユニット31を受けるようになっている。また第3補強部材32cとガラス板ユニット31との間には、ガラス板ユニット31の下部を第3補強部材32cに係合させる係合手段29が設けられている。係合手段29はガラス板ユニット31の保持部材35側の係合突起86aと、受け部722c側の係合孔86bとにより構成されている。
扉枠43には、その一部、例えばガラス板ユニット31の上側に、嵌合部96に嵌合するガラス板ユニット31を取り外すときに、ガラス板ユニット31に指を掛けるための指掛け部100が嵌合壁97dから上側に凹入状に設けられている。また指掛け部100には化粧カバー44内の構成部材との干渉を防止するように保護カバー101が設けられている。嵌合壁97dの内周には、ガラス板ユニット31を嵌合部96内に押し込むときに保持部材35を案内する案内部102が前後方向に設けられている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
ガラス板ユニット31を装着する場合には、係合手段29を介してガラス板ユニット31を第3補強部材32cに係合させた後、ガラス板ユニット31の上部を案内部102に沿って押し込めばよく、これによって容易にガラス板ユニット31を扉枠43の嵌合部96内に嵌合することができる。嵌合後のガラス板ユニット31は締結手段30により固定する。
このように扉枠43に嵌合部96を設けて、その嵌合部96にガラス板ユニット31が嵌合するようにしても、ガラス板ユニット31により扉枠43、扉主体28を内周側から補強することができる。第1、第2補強部材32a,32bは屈曲部99a,99bを有するため、その剛性が更に向上する。またガラス板ユニット31は第3補強部材32cを介して下端側が左右に連結された第1補強部材32aと第2補強部材32bとの屈曲部99a,99bに当接しているので、嵌合部96内にガラス板ユニット31を圧入状に押し込むように構成しても、扉枠43に掛かる負担を軽減することができる。なお、第1、第2補強部材32a,32bの屈曲部99a,99bは省略してもよい。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、透明板にガラス板34を用いた場合を例示し、透明板ユニット31をガラス板ユニット31とし、開閉扉をガラス扉7としているが、透明板にはガラス板34以外のもの、例えば透明な合成樹脂板を使用してもよい。
また実施形態では、左右の側枠部42a,42bに第1補強部材32a、第2補強部材32bを、下枠部42cに第3補強部材32cを夫々備えた扉主体28を例示しているが、上枠部42dにも補強部材を設けてもよい。第1〜第3補強部材32a〜32cを相互に連結するに当たっては、前後に重ねて扉枠43に固定する他、一方に他方を係合又は挿入して連結してもよい。
ガラス板ユニット31が当接する部分の扉主体28の裏面は略面一状であることが望ましいが、第1〜第3補強部材32a〜32cの裏面と、第1〜第3補強部材32a〜32c以外の部分の裏面(扉枠43の裏面)とは、第1〜第3補強部材32a〜32cの裏面を第1〜第3補強部材32a〜32c以外の部分の裏面よりも後方に突出させるか、又は逆にする等、前後方向に所定の高低差を持たせてもよい。ガラス板ユニット31の略全周が扉主体28の裏面に当接することが望ましいが、保持部材35に周方向に所定の間隔をおいて複数の当接部39を設け、その当接部39が扉主体28の扉枠43、第1〜第3補強部材32a〜32cの裏面に当接するようにしてもよい。
係合手段29は左右方向の中央部に1個設けてもよいし、左右方向に所定の間隔をおいて3個以上設けてもよい。また係合手段29は係合突起86aを第3補強部材32cに、係合孔86bをガラス板ユニット31の保持部材35に設けてもよい。締結手段30はガラス板ユニット31の上部を扉主体28側に締め付け得る構造であればよい。ガラス板ユニット31が嵌合する嵌合部96は、扉枠43の裏側に突出させて設けてもよい。パチンコ機1以外の各種の弾球遊技機においても同様に実施可能である。