JP4182799B2 - コンベア輸送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台のベルトコンベアを連接し、セメントやコークスなどの粉粒物を輸送するコンベア輸送システムに係り、特に予定輸送量だけ輸送するための輸送量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のコンベア輸送システムは、例えば、図2に示す構成にされる。Aコンベア〜Eコンベアを連接し、先頭のAコンベア位置で取り込まれる輸送物をA→B→C→D→Eの順に輸送し、最終のEコンベアから輸送先Fに搬入する。各コンベアA〜Eの運転/停止制御は、コンベアE〜Aの順で運転を開始することで輸送物がコンベア上で渋滞するのを防止し、予定輸送量の輸送検出でコンベアA〜Eの順で運転を停止することで、輸送物がコンベア上に残留するのを防止する。
【0003】
ここで、輸送量検出装置には、コンベアスケールCSが通常よく用いられる(例えば、特許文献1、または特許文献2参照)。このコンベアスケールCSは、図3に例示するように、コンベア1の下部に取り付けたロードセル2によってその位置を搬送される輸送物の重量W(単位:kg)を検出し、コンベア1に係合させた速度検出器3によってコンベアの輸送速度V(単位:m/s)を検出し、CS演算部4では両者の掛け算で瞬時輸送量(単位:kg・m/s)を求め、この瞬時輸送量の時間積分で輸送量(単位:kg・m)に比例した数のパルス信号を得る。例えば、輸送量が1000kg・mに達したときに1パルスを出力する。このコンベアスケールCSを利用する場合、予定輸送量に対応する数値をカウンタにプリセットしておき、コンベアスケールCSからの出力パルスでカウンタをカウントダウンさせ、この値が0に達したときに予定輸送量に達したことのタイミング信号を得ることができる。予定輸送量の制御には、カウンタの0タイミングでコンベアの停止指令を発生する。
【0004】
なお、速度検出器3をパルスピックアップ構成とする場合、輸送速度Vに比例した数のパルスを発生する(単位:パルス数/秒)。そして、CS演算部4では単位時間当たりのパルス数を計数することで輸送速度Vを求める。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−291632号
【0006】
【特許文献2】
特開平7−101552号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記のコンベア輸送システムにおいて、コンベアスケールCSは起点となるAコンベア位置に設置されない場合が多い。これは、システムの機構的な制約で、起点となるAコンベアにコンベアスケールCSの取付けができないシステムの場合である。また、輸送物の下流になる終点のEコンベア側にコンベアスケールCSを取り付ける方が、Cコンベアなどの中間のコンベアで「荷こぼれ」が発生した場合にも予定輸送量の正確な検出を可能とするシステムの場合もある。
【0008】
上記のように、コンベアスケールCSを起点となるAコンベアより下流側のコンベアに取り付けたシステムの場合、前記のように、コンベアスケールCSから出力されるパルスでカウンタをカウントダウンすることで予定輸送量に達したことを検出する方法では、実際の目的輸送量との間に大きなズレが発生する。
【0009】
例えば、図4に示すように、コンベアスケールCSをCコンベアに設けた場合、コンベアスケールCSによって予定輸送量が検出されたタイミングで、Aコンベア→Eコンベアの順に停止させると、AコンベアおよびBコンベア上の輸送物が終点まで輸送されてしまい、この場合は輸送先Fでは予定輸送量を超過して搬入される。
【0010】
この場合、予定輸送量PK(単位:kg・m)とし、AコンベアとBコンベアの載荷量に対応させた定数K1(単位:kg・m)とし、この定数K1を見越した下記の演算、
【0011】
【数2】
(PK−K1)−コンベアスケールCSの発生パルス数=0
が成立する0タイミングでコンベア停止指令を発生すると、AコンベアとBコンベアの載荷量を含めた予定輸送量PKの輸送ができる。
【0012】
しかし、AコンベアとBコンベアの実際の載荷量が定数K1から外れていると、予定した輸送量の不足または超過となってしまう。
【0013】
本発明の目的は、連接コンベアの中間位置にコンベアスケールCSを設置したシステム構成で、輸送量を正確に検出した輸送ができるコンベア輸送システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、コンベアスケールを設置するコンベアよりも上流側のコンベアの載荷量を含めて予定輸送量に近づいたことを0タイミング検出し、この検出時に、上流側コンベアの載荷量をコンベアスケールを設置したコンベアでの瞬時輸送量の平均値と輸送速度およびコンベア機長から予測し、この予測値を基に0タイミング検出後に必要なコンベアの残り運転時間を求め、この残り運転時間後にコンベアの停止指令を得ること、または残り運転時間0を検出したときにコンベアの停止指令を得るようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【0016】
(1)連接した複数台のコンベアによって輸送物を予定輸送量だけ輸送し、中間コンベアにはその位置での輸送物の重量を検出するロードセルと、輸送速度を検出する速度検出器と、前記重量と輸送速度の検出値から算出される瞬時輸送量を基に求める輸送量が予定輸送量に達したことを検出してコンベア停止指令を得る輸送量検出制御手段とを備えたコンベア輸送システムであって、
前記輸送量検出制御手段は、
前記予定輸送量PKから、上流側コンベアの載荷量として設定する定数K1および該定数K1の正負誤差分としての載荷量余裕定数K2を差し引いた値が、前記瞬時輸送量を時間積分して求める輸送量に達したことを検出する0タイミング検出部と、
前記瞬時輸送量とコンベア機長とコンベアの輸送速度とから前記上流側コンベアの載荷量を予測する載荷量演算部と、
前記0タイミングの検出後に、前記載荷量演算部による載荷量の予測を繰り返し、この予測時刻t1,t2,…,tN毎に下記式、
【0017】
【数3】
K−QN−ΣQ=0
ただし、
Kは0タイミング検出時に設定する上流側コンベアの載荷量定数、
QNは予測時刻t1〜tNでそれぞれ求められた載荷量予測値、
ΣQは予測時刻t1〜tNでそれぞれ求められた輸送量の合計値、
の演算を行い、該演算式が成立したときにコンベア停止指令を得る演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
(2)前記重量と輸送速度から求める瞬時輸送量を移動平均演算した平均輸送量を前記載荷量演算部での瞬時輸送量とする移動平均演算部を備えたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す輸送量検出制御装置のブロック構成図である。コンベア輸送システムは、図4と同様に、A〜Eコンベアが連接されて輸送物を輸送先Fまで予定量だけ輸送し、Cコンベア位置にコンベアスケールCSを設置したコンベア輸送システムの場合である。
【0021】
コンベアスケールCSは、従来と同様に、ロードセル2はその位置を搬送される輸送物の重量W(単位:kg)を検出し、速度検出器3はコンベアの輸送速度V(単位:m/s)を単位時間当たりのパルス数として検出する。CS演算部4は、これら重量と速度の積で求める瞬時輸送量(単位:kg・m/s)を時間積分して輸送量(単位:kg・m)に比例した数のパルス信号を得る。例えば、輸送量が1000kg・mに達する毎に1パルスを発生する。
【0022】
輸送量検出制御装置5は、ソフトウェア構成する以下のシーケンス処理手段S1〜S5によって予定輸送量を輸送できるタイミングを検出し、この検出でコンベア停止指令を出す。
【0023】
0タイミング検出部S1は、輸送開始後、予定輸送量PK(単位:kg・m)と、AコンベアとBコンベアの載荷量として予測設定する定数K1(単位:kg・m)、さらに載荷量余裕定数K2(単位:kg・m)を使って、下記の減算式の成立で0タイミングを求める。
【0024】
【数4】
(PK−K1−K2)−CS演算部4の発生パルス数=0
この0タイミングでは、AコンベアとBコンベアの載荷量定数K1の他、載荷量余裕定数K2を含めることで現在までの輸送量が予定輸送量PK近くに達したことを検出する。
【0025】
ここで、0タイミングでコンベア運転を停止制御に入ると、A,Bコンベア上の実際の載荷量と定数K1との差分(正または負)によって輸送量の不足または超過を招く。この不足または超過のいずれの場合にも差分を補正できるよう、載荷量余裕定数K2を含ませた0タイミングの検出を行う。
【0026】
移動平均演算部S2は、ロードセル2で検出する重量と速度検出器3で検出する輸送速度から瞬時輸送量(単位:kg・m/s)を求め、その移動平均演算を実行しておき、0タイミング検出時点での平均輸送量Q(kg・m/s)を求める。この平均輸送量Qは、Cコンベア上に載荷される輸送物の平均輸送量になるが、A,Bコンベア上に載荷される輸送物の平均輸送量を予測したものにもなる。なお、移動平均演算は、求める瞬時輸送量の値を一定周期でサンプリングし、現在からNサンプル過去までのサンプル値をNで除算することの繰り返しなる。
【0027】
A,B載荷量演算部S3は、平均輸送量QとA,Bコンベアの機長LA,LB(既定値)およびコンベアの輸送速度V(単位時間当たりのパルスピックアップ3のパルス計数値)より、下記式により0タイミング検出時のA,Bコンベアの載荷量予測値QA,QB(単位:kg・m)を求める。
【0028】
【数5】
QA=Q×LA/V
QB=Q×LB/V
なお、厳密な載荷量演算には、CコンベアのコンベアスケールCS位置までの機長LCを使ったCコンベア上の載荷量QC(=Q×LC/V)も含ませるのが好ましい。
【0029】
残り運転時間演算部S4は、0タイミング検出部S1の検出に供した定数K1,K2と、A,Bコンベアの載荷量予測値QA,QBとの差分を求め、これを平均輸送量Qで除算することでコンベア停止制御までの残り運転時間T(単位:秒)を求める。
【0030】
【数6】
T=((K1+K2)−(QA+QB))/Q
タイマ計時部S5は、残り運転時間Tを設定したタイマ処理により、該時間Tに達したときにコンベア停止指令を出す。
【0031】
したがって、コンベア停止指令は、0タイミング検出部S1の検出時点からT時間後に出され、A,Bコンベアの載荷分を正確に検出して輸送量の不足/超過を無くしたコンベア停止制御ができる。
【0032】
なお、実施形態では、0タイミング検出時に1回だけ移動平均演算を行って平均輸送量Qを求め、これを基に残り運転時間Tを求める場合を示すが、0タイミング検出後に、処理S2,S3を時刻t1,t2,…,tN毎に下記式、
【0033】
【数7】
K−QN−ΣQ=0
ただし、
K=(K1+K2)、QN=(QAN+QBN)
ΣQは時刻t1〜tNでそれぞれ求められた輸送量q 1 〜q N の合計値、
QAN,QBNは時刻t1〜tNでそれぞれ求められたA,Bコンベアの載荷量予測値。
の演算を繰り返し、この式が成立したときにコンベア停止指令を得ることもできる。この場合、A,Bコンベアの載荷量がそのコンベア位置によって変化している場合にも、それら変化分を補正した高い精度の輸送ができる。
【0034】
また、実施形態では、CコンベアにコンベアスケールCSを設置する場合を示すが、これをBコンベア、DコンベアやEコンベアに設置する場合も同様の演算処理で済む。
【0035】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、コンベアスケールを設置するコンベアよりも上流側のコンベアの載荷量を含めて予定輸送量に近づいたことを0タイミング検出し、この検出時に、上流側コンベアの載荷量をコンベアスケールを設置したコンベアでの瞬時輸送量の平均値と輸送速度およびコンベア機長から予測し、この予測値を基に0タイミング検出後に必要なコンベアの残り運転時間を求め、この残り運転時間後にコンベアの停止指令を得ること、または残り運転時間0を検出したときにコンベアの停止指令を得るようにしたため、中間位置にコンベアスケールCSを設置したシステムにおける輸送量を正確に検出し、予定輸送量の正確な輸送ができる。
【0036】
なお、CS演算要素としては、通常のシーケンサがもつ処理機能を利用することができ、特別な制御手段を用いる事なく容易に実現される。また、連接コンベアの途中にダンパなどの装置が含まれる場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す輸送量検出制御装置のブロック構成図。
【図2】コンベア輸送システムの例。
【図3】コンベアスケールCSの例。
【図4】コンベアスケールCSを中間コンベアに設けた例。
【符号の説明】
1…コンベア
2…ロードセル
3…速度検出器
4…CS演算部
5…輸送量検出制御装置
A〜E…コンベア
CS…コンベアスケール
Claims (2)
- 連接した複数台のコンベアによって輸送物を予定輸送量だけ輸送し、中間コンベアにはその位置での輸送物の重量を検出するロードセルと、輸送速度を検出する速度検出器と、前記重量と輸送速度の検出値から算出される瞬時輸送量を基に求める輸送量が予定輸送量に達したことを検出してコンベア停止指令を得る輸送量検出制御手段とを備えたコンベア輸送システムであって、
前記輸送量検出制御手段は、
前記予定輸送量PKから、上流側コンベアの載荷量として設定する定数K1および該定数K1の正負誤差分としての載荷量余裕定数K2を差し引いた値が、前記瞬時輸送量を時間積分して求める輸送量に達したことを検出する0タイミング検出部と、
前記瞬時輸送量とコンベア機長とコンベアの輸送速度とから前記上流側コンベアの載荷量を予測する載荷量演算部と、
前記0タイミングの検出後に、前記載荷量演算部による載荷量の予測を繰り返し、この予測時刻t1,t2,…,tN毎に下記式、
Kは0タイミング検出時に設定する上流側コンベアの載荷量定数、
QNは予測時刻t1〜tNでそれぞれ求められた載荷量予測値、
ΣQは予測時刻t1〜tNでそれぞれ求められた輸送量の合計値、
の演算を行い、該演算式が成立したときにコンベア停止指令を得る演算手段とを備えたことを特徴とするコンベア輸送システム。 - 前記重量と輸送速度から求める瞬時輸送量を移動平均演算した平均輸送量を前記載荷量演算部での瞬時輸送量とする移動平均演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンベア輸送システム。
Priority Applications (1)
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JP2003116790A JP4182799B2 (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | コンベア輸送システム |
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JP2004323134A JP2004323134A (ja) | 2004-11-18 |
JP4182799B2 true JP4182799B2 (ja) | 2008-11-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017026355A (ja) * | 2015-07-16 | 2017-02-02 | Ihi運搬機械株式会社 | ベルトコンベヤのベルト速度検出方法及び検出装置 |
-
2003
- 2003-04-22 JP JP2003116790A patent/JP4182799B2/ja not_active Expired - Fee Related
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