JP4182530B2 - ダブル穴明け装置及びダブル穴明け方法 - Google Patents
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Description
即ち、請求項2に記載のダブル穴明け装置は、前記アウターチューブを回転規制状態に支持するチューブ支持固定部と、前記インナーチューブを回転させるチューブ回転駆動部と、前記チューブ支持固定部及び前記チューブ回転駆動部を前後へ送り移動させる送り移動部とからなるドリル駆動部を備えている構成となす。
即ち、請求項5に記載のダブル穴明け方法は、被加工対象物に前後方向の円形直状穴を明ける第一工程と、この第一工程で明けられた円形直状穴に前記案内部材の先部を嵌挿させた後に前記インナーチューブを回転させつつ該インナーチューブ及び前記アウターチューブを前方へ送り移動させる第二工程とをこの順に実行するものである。
即ち、請求項1に記載したものによれば、案内部材が予め被加工対象物に明けられた円形直状穴に案内されるため、ドリルヘッドの使用により、被加工対象物にダブル穴を簡易且つ正確に加工することができるのである。
図2にも示すように、ドリルヘッド100は、径大部101及び径小部102を具備し且つ、径大部101の前面にチップ103を固定されると共に切屑導入口104を形成され且つ、径大部101の外周箇所にガイドパッド105を固定され且つ、径小部102の後端部に雄ネジ102aを形成され且つ、径大部101及び径小部102の中心部に切屑排出孔a1を形成されたものとなされている。
即ち、図3に示すように、チューブ案内手段703は前後向きの筒状となされた本体フレーム705の内方空間a3の後側に、アウターチューブ200を内挿されるチューブ受け筒部材706を設けたものとなされており、またクーラント供給手段704は、本体フレーム705の内方空間a3の前側にブッシュ707を固定すると共に、チューブ受け筒部材706の内周箇所に環状液密状態生成部708を形成し、且つ、ブッシュ707及びこれを包囲した筒状ケーシング709の環状前端面の全周箇所に環状溝a4を形成すると共にこの環状溝a4内にパッキン部材710を嵌着し、アウターチューブ200がチューブ受け筒部材706の内方に嵌挿され且つブッシュ707の前面がワークwの後端面w1に押圧された状態の下で本体フレーム705の内方空間a3が密閉状態になるものとなし、且つ、本体フレーム705の側壁部に、本体フレーム705の外方からこれの内方空間a3内にクーラントを流入させるためのクーラント供給口711を形成したものとなされている。
このさい、ブッシュ707はドリルヘッド100と案内部材400とが密状態で前後移動し得るように案内するダブル穴状の透孔a5を有したものとなされる。
即ち、図4に示すように、チューブ案内手段703は前後向きの筒状となされた本体フレーム705の内方空間a3の後側に、先端に既存のドリルヘッド100Aの固定された既存のドリルチューブ300A(寸法が適合すれば先のインナーチューブ300であってもよい。)を内挿されるチューブ受け筒部材706を設けたものとなされており、またクーラント供給手段704は、本体フレーム705の内方空間a3の前側にブッシュ707aを固定すると共に、チューブ受け筒部材706の内周箇所に環状液密状態生成部708を形成し、且つ、ブッシュ707aの前部外周面に外嵌固定された環状前張出ケーシング部材709aの環状前端面の内孔周面箇所に環状凹み部a6を形成すると共にこの環状凹み部a6内にパッキン部材710aを嵌着し、既存のドリルチューブ300A(寸法が適合すれば先のインナーチューブ300であってもよい。)がチューブ受け筒部材706の内方に嵌挿され且つ環状前張出ケーシング部材709aの前端面がワークwの後端面w1に押圧された状態の下で本体フレーム705の内方空間a3が密閉状態になるものとなし、且つ、本体フレーム705の側壁部に、本体フレーム705の外方からこれの内方空間a3内にクーラントを流入させるためのクーラント供給口711を形成したものとなされている。
このさい、ブッシュ707aは既存のドリルヘッド100Aが密状態で前後移動され得るように図4Bに示すような断面形状が円形となされた透孔a7を有したものとなされる。
例えばワークwが凡そ2m以上である場合であり、この場合は、一つの円形直状穴h1を明ける第一工程と、別の円形直状穴h2を明ける第二工程からなる。
先ず第一工程について詳述する。
ワークwの外周部を旋盤により円筒形状に切削する。
次にワークwの前端部をなす図5中の外周面箇所b1を被加工対象支持部600の駆動側支持部601のチャック部605に爪部材605aを介して同心状に把持させると共にワークwの後寄り箇所の外周面個所b1を付加支持部602に回転可能に支持させて、ワークwを水平状に保持させる。このさい、ワークwの外周面箇所b1が円形に切削されているため、チャック部605上のワークwは簡易迅速に駆動軸604と同心状の水平姿勢に位置される。
上記したようにワークwとドリルヘッド100Aとが互いに逆向きへ回転されることにより形成された円形直状穴h1は、ワークwの撓みによる影響を受け難いものとなって正確に加工される。
基礎台701上に図4に示す交換装着部702Bに代えて図3に示す交換装着部702Aを固定すると共に、チューブ回転駆動部502に既存のドリルチューブ300Aに代えてインナーチューブ300の後端部を雌ネジ300aを介して結合させ、被加工対象支持部600の駆動軸604の回転中心線とドリルヘッド100の回転中心線とを合致させる。そして、被加工対象支持部600には第一工程の加工を終了した後のワークwの前端部である外周面箇所b2を爪部材605aを介してチャック部605上に駆動軸604と同心状に把持させると共に、ワークwの後寄り箇所の外周面個所b2を付加支持部602に回転可能に支持させ、ワークwを前後方向の水平状に保持させる。
このさい、ワークwの外周面箇所b2が円筒形状に切削されているため、チャック部605上のワークwは簡易迅速に駆動軸604と同心状の水平姿勢になされる。
これにより、先ず案内部材400の前端部が第一工程で既に加工されている円形直状穴h1の後端開口内に挿し込まれ、その後、ドリルヘッド100の前端面のチップ103がワークwの後端面w1に適当圧力で押し当てられる。この押し当て力によりドリルヘッド100はワークwの切削を開始するのであり、時間の経過に伴ってその切削量が漸次に増大し、ドリルヘッド100は切削量に関連して前進する。
ダブル穴Dhの加工中には、チューブ案内・クーラント供給部700の本体フレーム705の内方空間a3内に流入したクーラントはブッシュ707の内孔及び2つの円形直状穴h1、h2を通じてドリルヘッド100や案内部材400の周辺に供給され、その後は、チップ103の切削により生じた切屑と一緒にインナーチューブ300内を後方へ流動し、前記クーラント供給装置に環流する。
この第二工程の加工が終了したワークwは、2つの円形直状穴h1、h2の直径が図5に示すように同一となされるときはダブル穴Dhを含む断面形状が上下左右対称になされたものとなる。なお、図5中、p10は円形直状穴h1の中心線を示し、p20は円形直状穴h2の中心線を示している。
例えばワークwが凡そ2m未満である場合であり、この場合も、一つの円形直状穴h1を明ける第一工程と、別の円形直状穴h2を明ける第二工程からなる。
即ち、ワークwの外周部を旋盤により円筒形状に切削する。このさい、切削後の外周面の直径は最終仕上がり寸法となす。これにより図6に示す外周面箇所b3が形成される。そして、円形直状穴h1の加工中には、被加工対象支持部600のチャック部605の回転を回転規制部材606で規制し、ワークwを固定状態に保持させる。このさい、爪部材605aの位置調整や付加支持部602の位置調整を行うことにより、図6に示すように、ワークwの中心線p2をドリルヘッド100の回転中心線に対し上下方向へ予め特定された特定距離dLだけ偏芯させることによりドリルヘッド100の回転中心をワークw断面上における加工予定の円形直状穴h1の中心線p10に合致させておく。そしてワークwの固定状態の下でドリルヘッド100を回転させることにより円形直状穴h1を加工する。
上記以外の点は先の場合の第一工程に準じて実施する。
即ち、被加工対象支持部600の回転規制部材606によるチャック部605の回転規制状態を解除し、駆動軸604を回転させてチャック部605を例えば180度回転させる。これにより円形直状穴h1は図6Bに示すようにこれから加工予定の円形直状穴h2の上側に位置した状態となる。この状態において、チャック部605の爪部材605aを必要に応じ変位させ且つ付加支持部602のワーク把持部を位置調整することによりワークwをその水平姿勢を維持させつつ上下方向へ移動させ、この工程で加工される予定の別の円形直状穴h2の中心線p20をドリルヘッド100の回転中心線に合致させる。この後、被加工対象支持部600のチャック部605の爪部材605aや回転規制部材607を締結してワークwを固定させる。なお、この工程で形成されるダブル穴Dhがワークw断面上に上下左右対称状に位置される場合には、第一工程におけるワークwの中心線p2が駆動軸604の回転中心線に合致していることを条件としてワークwの上下位置を変更する必要がなくなる。
h1 円形直状穴
h2
w 被加工対象物
100 ドリルヘッド
100A ドリルヘッド
200 アウターチューブ
300 インナーチューブ
300A ドリルチューブ
400 案内部材
501 チューブ支持固定部
502 チューブ回転駆動部
503 送り移動部
500 ドリル駆動部
600 被加工対象支持部
Claims (6)
- 平行な2つの円形直状穴を部分的に重複させた形態のダブル穴を被加工対象物に明けるさいに使用されるものであって、アウターチューブを備えると共に、このアウターチューブの内方にインナーチューブが回転可能に挿通されており、前記アウターチューブの前端外周部には前記2つの円形直状穴のうち予め形成された一方の円形直状穴に内挿される案内部材が前方への張出状に固定され、一方、前記インナーチューブの先端箇所にはドリルヘッドが延長状に固定され且つ該ドリルヘッドの前端面が前記アウターチューブの前端よりも前方でしかも前記案内部材の長さ途中に位置されていることを特徴とするダブル穴明け装置。
- 前記アウターチューブを回転規制状態に支持するチューブ支持固定部と、前記インナーチューブを回転させるチューブ回転駆動部と、前記チューブ支持固定部及び前記チューブ回転駆動部を前後へ送り移動させる送り移動部とからなるドリル駆動部を備えていることを特徴とする請求項1記載のダブル穴明け装置。
- 前記被加工対象物を前後方向線回りへ回転駆動可能に支持する被加工対象支持部を備えていることを特徴とする請求項2記載のダブル穴明け装置。
- 請求項1〜3の何れかに記載のダブル穴明け装置を使用して被加工対象物にダブル穴を明けることを特徴とするダブル穴明け方法。
- 被加工対象物に前後方向の円形直状穴を明ける第一工程と、この第一工程で明けられた円形直状穴に前記案内部材の先部を嵌挿させた後に前記インナーチューブを回転させつつ該インナーチューブ及び前記アウターチューブを前方へ送り移動させる第二工程とをこの順に実行することを特徴とする請求項4記載のダブル穴明け方法。
- 請求項3に記載したダブル穴明け装置を使用して、平行な2つの円形直状穴を部分的に重複させた形態のダブル穴を被加工対象物に明けるさい、前記被加工対象支持部に被加工対象物を支持させると共に前記チューブ回転駆動部にドリルチューブを結合させ、次に該ドリルチューブ及びこれの前端に固定されたドリルヘッドや、前記被加工対象物を互いに逆向きに且つ前後方向線回りへ回転させつつ、前記送り移動部により前記ドリルヘッドを前方へ押し移動させて被加工対象物に前後方向の円形直状穴を明けるように実施する第一工程と、前記チューブ支持固定部に前記アウターチューブを結合させると共に前記チューブ回転駆動部に前記ドリルチューブに代えて前記インナーチューブを結合させ、一方では前記被加工対象支持部に前記被加工対象物を前後方向と交差する方向へ特定距離だけ偏芯させた状態に且つ回転規制状態に支持させておき、前記送り移動部の作動により前記案内部材の前端部を第一工程で明けられた前記円形直状穴部に嵌挿させ、この後、前記送り移動部及び前記チューブ回転駆動部の作動により前記インナーチューブを回転させつつ前記アウターチューブ及び前記インナーチューブを前方へ送り移動させて被加工対象物に別の円形直状穴を明けるように実施する第二工程をこの順に実行することを特徴とするダブル穴明け方法。
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