JP4182170B2 - 突入電流抑制回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源と負荷との間の電流通路に設けられ、電源スイッチがオンされたときの過大な突入電流を抑制する突入電流抑制回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばDCDCコンバータなどの電源から負荷に電力供給できるように、図4を参照して、電源20、回路の開閉を行う電源スイッチ(リレーなどでもよい)21、過電流制限用のヒューズ22、負荷23が直列に接続された回路24がある。この回路24において、負荷23がランプ、電動モータ、コンデンサ等のように非常に小さなインピーダンスの負荷である場合、その負荷23へ電力供給するため電源スイッチ21をオンすると、そのオン時においては、図5に示すように、定常時の電流よりも過大な突入電流が一時的に流れるおそれがある。例えば、コンデンサの場合、コンデンサへの電流チャージの際突入電流が流れ、ランプの場合、フィラメントの温度が上昇する前に突入電流が流れる。この突入電流は機器の寿命を短くしたり、ヒューズを溶断したりするという不具合発生の問題がある。
【0003】
このため、電源スイッチ21をオンした時の一時的な過大な突入電流を抑制するものとして、従来においては、図6を参照して、電源20と負荷23との間に比較的高い抵抗値の突入電流抑制用の抵抗素子25を接続したもの(特許文献1参照)や、図7を参照して、電源20と負荷23との間に負特性サーミスタ26を接続したもの(特許文献2参照)が提案されていた。
【0004】
【特許文献1】
特許第3269377号公報(第2頁、第3頁、図1)
【特許文献2】
実公平1−2545号公報(全頁、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の前者の場合、抵抗素子25を負荷23に直列に接続するものであるから、負荷23への電流供給が安定したときの定常電流に対してもその抵抗素子25により電圧降下や電力の無駄な消費が生じるという問題がある。また、上記従来の後者の場合、電流が流れることによる発熱によって抵抗値が低下する負特性サーミスタ26により、突入電流に対しては大きな抵抗値で負荷23への過大な突入電流を抑制でき、定常電流が流れるときには発熱により負特性サーミスタ26の抵抗値が低下していることによって電圧降下や電力の無駄が生じないように図っている。しかしながら、この場合、負特性サーミスタ26の発熱を利用してその抵抗値を低下させることを利用しているため、負特性サーミスタ26の素子温度により流し続けることのできる定常電流が制限される。したがって、このように定常電流が制限され、大きな定常電流を流すことができないため、電力消費の大きな負荷23に対して利用を図ることが制限されるものであった。
【0006】
これらの問題点を解決するため改善を図ったものとして、図8に示す回路が提案されている。図8を参照して、電源20と負荷23との間に電流制限用の抵抗素子25を接続するとともに、この抵抗素子25と並列に電磁リレー27のa接点のスイッチ回路を接続させ、この電磁リレー27の励磁コイルを作動させる制御回路28を設けている。この回路では、電源スイッチ21をオン状態に切り換えた時点から定常電流が負荷23に安定して供給されるようになる所定時間経過するまでの間、電磁リレー27をオフ状態のままにして、電源20からの電流Iが抵抗素子25を介して負荷23に供給されるようにしている。このため、電源スイッチ21をオンした時点において過大な突入電流が流れる場合、抵抗素子25により制限された状態で負荷23に電流が供給される。その後、安定した定常電流が供給されるようになると抵抗素子25による電圧降下が抑制されるように、この抵抗素子25と並列に接続されている電磁リレー27のスイッチ回路がオンされる。そして、この導電性の高いスイッチ回路を通して負荷に電流が供給される。
【0007】
しかしながら、この場合においては、電磁リレー27やその電磁リレー27を制御するための制御回路28などを別途設ける必要がある。したがって、部品点数が増えるなどのコスト高となったり、上記の制御回路などを基板等に配置させる面積が大きくなる為電子部品の小型化が困難となるなどの問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、電源から負荷へ電力供給する際に過大な突入電流が負荷に流れないようにするという解決すべき課題に対して、安価でかつ簡便な方法を用いて実現することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る突入電流抑制回路は、電源から負荷への開閉自在な電流通路に設けられ、かつ前記負荷への突入電流を抑制する突入電流抑制回路において、前記電流通路の導通と遮断との各動作を行う第1の半導体素子と負特性サーミスタとを前記電流通路に並列に設け、かつ、直列接続された第1バイアス抵抗及び第2バイアス抵抗を前記負荷に対して並列になるように、前記第1バイアス抵抗の一端が前記第1の半導体素子と前記負荷との間に位置する前記電源から前記負荷への前記電流通路に接続され、前記第1バイアス抵抗の他端は前記第2バイアス抵抗の一端に接続され、前記第2バイアス抵抗の他端は前記電源と前記負荷との共通するアース側の電流通路に接続されており、前記第1バイアス抵抗と前記第2バイアス抵抗とで分圧される電圧に基づいて前記第1の半導体素子を制御する第2の半導体素子を設けていることを特徴とする。
【0010】
ここで、突入電流とは、電源と負荷とが接続される回路を開閉自在なスイッチング手段でオン状態に切り換えたときに、通常よりも過大な値で一時的に回路を流れる電流のことである。また、電源は例えばDCDCコンバータや、電池などの直流電源である。
【0011】
本発明によれば、電源スイッチをオンした時点から負特性サーミスタが自己発熱により所定の抵抗値に低下するまでの間は、負特性サーミスタの抵抗値は比較的大きく、またそれにより第1バイアス抵抗及び第2バイアス抵抗の電圧、すなわち負荷電圧は小さい。そのため、第1バイアス抵抗及び第2バイアス抵抗で分圧された電圧では第2の半導体素子をオン動作させるほどの制御電流は流れないので、第2の半導体素子はオフ状態であり、従って第2の半導体でオンオフの制御が行われる第1の半導体素子もオフ状態のままとなっている。この初期状態のときは、負特性サーミスタの抵抗値が比較的大であるから、電源スイッチをオンしたときの一時的な過大な突入電流は負特性サーミスタによって抑制される。このように突入電流が抑制されることにより、ヒューズが突入電流で溶断したり、負荷の寿命を縮めてしまうような不具合が解消される。
【0012】
また、負特性サーミスタの抵抗値が所定の抵抗値以下となり、負荷電圧が上昇すると、第1バイアス抵抗及び第2バイアス抵抗の分圧電圧も上昇し、その分圧による制御電流が所定以上になることで第2の半導体素子がオン状態に切り換わる。第2の半導体素子がオン状態に切り換わることで、第2の半導体においてオンオフ制御される第1の半導体もオン状態に切り換わり、この第1の半導体を通して電源からの電流が負荷へ供給されるようになる。
【0013】
このように電流を負荷へ供給している状態の第1の半導体の抵抗値がこの第1の半導体がオンに切り換わったときの負特性サーミスタの抵抗値よりも著しく小さく設定されていることにより、負特性サーミスタを流れる電流が極めて少なくなり、定常電流が流れる状態における負特性サーミスタでの電力ロスも抑制される。また、そのように負特性サーミスタを流れる電流が少なくなることにより、負特性サーミスタでの発熱も抑制される。
【0014】
本発明は、好ましくは、前記第2の半導体素子と、前記電源及び前記負荷のアース側電流通路との間に第3バイアス抵抗を設けている。
【0015】
本発明は、好ましくは、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子としてバイポーラトランジスタを用いており、前記第1バイアス抵抗の一端は前記第1の半導体素子のコレクタおよび前記負荷に接線される。この場合、負荷への供給可能な電流値を比較的大きなものにできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は、本発明に係る実施形態の突入電流抑制回路を含む回路図である。
【0017】
図1を参照して、この突入電流抑制回路1は、例えばDCDCコンバータや電池などの直流電源である電源2と負荷3とが接続される回路中に設けられるものである。この回路は、電源2と負荷3とが接続される回路中に人為操作可能な電源スイッチ4、ヒューズ5、負荷3、および、突入電流抑制回路1とを含む構成となっている。負荷3は、例えば、ランプ、電動モータ、コンデンサ等であって、少なくとも電力供給開始時にはそのインピーダンスが小さい負荷である。なお、図1においては、コンデンサと抵抗とが並列に接続された負荷3を示しているが、このような負荷に限定されるものではない。
【0018】
突入電流抑制回路1は、電源2から負荷3への電流通路6のうち、ヒューズ5と負荷3との間に設けられている。この突入電流抑制回路1は、pnp型のバイポーラトランジスタから成る第1の半導体素子としてのトランジスタ7と、負特性サーミスタ(NTCサーミスタ)8と、npn型のバイポーラトランジスタから成る第2の半導体素子としてのトランジスタ9と、第1バイアス抵抗10と、第2バイアス抵抗11と、第3バイアス抵抗12とを備えている。
【0019】
トランジスタ7のエミッタは回路としてヒューズ5に接続されることで、ひいいてはこのヒューズ5および電源スイッチ4を介して電源2に接続されている。トランジスタ7のコレクタは負荷3に接続されている。負特性サーミスタ8は、その両端がそれぞれトランジスタ7のエミッタとコレクタとに接続されることで、トランジスタ7に並列に接続されたものとなっている。第1バイアス抵抗10と第2バイアス抵抗11とが直列に接続された状態で負荷3と並列に接続されている。すなわち、第1バイアス抵抗10の一端は、トランジスタ7のコレクタおよび負荷3に接続されている。第1バイアス抵抗10の他端は第2バイアス抵抗11の一端に接続されている。第2バイアス抵抗11の他端は、電源2と負荷3との共通するアース側の電流通路6に接続されている。トランジスタ9のベースは、第1バイアス抵抗10と第2バイアス抵抗11との接続箇所に接続されている。トランジスタ9のコレクタはトランジスタ7のベースに接続されている。トランジスタ9のエミッタは第3バイアス抵抗12を介してアース側の電流通路6に接続されている。
【0020】
この実施の形態の構成により、負荷3へ電流供給するため電源スイッチ4をオフ状態からオン状態に切り換えた近時においては、負特性サーミスタ8は発熱による温度上昇がほとんどなくその抵抗値(RN)は比較的大きい。このため、電源2からの電流(I)はこの負特性サーミスタ8で電圧降下して負荷3及び第1バイアス抵抗10へ流れることになり、トランジスタ7のエミッタ−コレクタ間にはほとんど流れない。
【0021】
したがって、電源スイッチ4をオンした直後はトランジスタ7を介した負荷3への電流供給が抑制され、負特性サーミスタ8を通して負荷3へ電流供給される。このとき、負特性サーミスタ8によって比較的大きく電圧降下するので、負荷3に過大な突入電流が供給されないようになっている。電源スイッチ4をオンしてからの電流供給により、負特性サーミスタ8は発熱することで温度上昇しその抵抗値が低下していく。この負特性サーミスタ8の抵抗値の低下に伴い、負特性サーミスタ8の端子間電圧が低下するので、負荷3の両端間の電圧が上昇する。この負荷3の両端間の電圧上昇に伴い、第1バイアス抵抗10および第2バイアス抵抗11のそれぞれの両端間電圧が上昇する。これによりトランジスタ9のベース−エミッタ間電圧が上昇して、このトランジスタ9のベース電流(Ib9)が増加する。
【0022】
そのベース電流(Ib9)が所定以上の電流値となると、トランジスタ9のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、トランジスタ7にオン動作可能なベース電流(Ib7)が流れることになる。これにより、トランジスタ7のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、電源2からの供給電流(I)がほとんど電圧降下することなくトランジスタ7を通して負荷3に供給されるようになる。
【0023】
なお、トランジスタ7を通して負荷3へ電流供給する状態に切り換わるタイミングは、負荷3のインピーダンスに応じた突入電流が流れるときでなく、その突入電流が流れる状態から定常電流に近くなった状態になっているときに設定される。また、トランジスタ7が導通状態になっているときには、負特性サーミスタ8を流れる電流もきわめて少ないものとなるため、負特性サーミスタ8の発熱が抑制され、電力ロスが削減できる。
【0024】
次に、本発明に係る別の実施の形態について、図2に基づいて説明する。なお、図1に示した実施の形態と同様の構造については説明を省略するとともに、同一符号を付す。
【0025】
図1に示した実施の形態では、電源2の正極側に突入電流抑制用の負特性サーミスタ8を設けた回路を示したが、図2で示される実施の形態では、電源2の負極側に突入電流抑制用の負特性サーミスタ8を設けている。そして、この負特性サーミスタ8と並列に接続される第1の半導体素子としてのnpn型のバイポーラトランジスタから成るトランジスタ13のベースに第2の半導体素子としてのpnp型のバイポーラトランイジスタから成るトランジスタ14のコレクタが接続されている。直列接続された第1バイアス抵抗15および第2バイアス抵抗16を負荷3と並列に接続し、トランジスタ14のベースが第1バイアス抵抗15と第2バイアス抵抗16の接続箇所に接続されている。トランジスタ14のエミッタは電源2の正極側の電流通路6と第3バイアス抵抗17を介して接続されている。
【0026】
この実施の形態の構成により、負荷3へ電流供給するため電源スイッチ4をオフ状態からオン状態に切り換えた近時においては、負特性サーミスタ8は発熱による温度上昇がほとんどなくその抵抗値(RN)は比較的大きい。このため、電源2からの電流(I)はこの負特性サーミスタ8で電圧降下して負荷3、第1バイアス抵抗15及び第2バイアス抵抗16へ流れることになり、トランジスタ13のエミッタ−コレクタ間にはほとんど流れない。
【0027】
したがって、電源スイッチ4をオンした直後はトランジスタ14を介した負荷3への電流供給が抑制され、負特性サーミスタ8を通して負荷3へ電流供給される。このとき、負特性サーミスタ8によって比較的大きく電圧降下するので、負荷3に過大な突入電流が供給されないようになっている。
【0028】
電源スイッチ4をオンしてからの電流供給により、負特性サーミスタ8は発熱することで温度上昇しその抵抗値が低下していく。この負特性サーミスタ8の抵抗値の低下に伴い、負特性サーミスタ8の端子間電圧が低下するので、負荷3の両端間の電圧が上昇する。
【0029】
この負荷3の両端間の電圧上昇に伴い第1バイアス抵抗15および第2バイアス抵抗16のそれぞれの両端間電圧が上昇する。これによりトランジスタ14のベース−エミッタ間電圧が上昇してこのトランジスタ14のベース電流(Ib14)が増加する。
【0030】
そのベース電流(Ib14)が所定以上の電流値となると、トランジスタ14のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、トランジスタ13にオン動作可能なベース電流(Ib13)が流れることになる。これにより、トランジスタ13のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、電源2からの供給電流(I)がほとんど電圧降下することなくトランジスタ13を通して負荷3に供給されるようになる。
【0031】
なお、トランジスタ13を通して負荷3へ電流供給する状態に切り換わるタイミングは、負荷3のインピーダンスに応じた突入電流が流れるときでなく、その突入電流が流れる状態から定常電流に近くなった状態になっているときに設定される。また、トランジスタ7が導通状態になっているときには、負特性サーミスタ8を流れる電流もきわめて少ないものとなるため、負特性サーミスタ8の発熱が抑制される。
【0032】
次に、本発明に係るさらに別の実施の形態について、図3に基づいて説明する。なお、図1に示した実施の形態と同様の構造については説明を省略するとともに、同一符号を付す。
【0033】
図3で示される実施の形態と、図1に示される実施の形態との構成上の相違点は、図1で示される実施形態では第2バイアス抵抗として温度特性を特に考慮していない抵抗素子を用いていたのに対して、図3で示される実施形態では、第2バイアス抵抗18に正特性サーミスタを用いている点であり、他は同様構成である。
【0034】
この実施の形態の構成により、負荷3へ電流供給するため電源スイッチ4をオフ状態からオン状態に切り換えた近時においては、負特性サーミスタ8は発熱による温度上昇がほとんどなくその抵抗値(RN)は比較的大きい。このため、電源2からの電流(I)はこの負特性サーミスタ8で電圧降下して負荷3及び第1バイアス抵抗10へ流れることになり、トランジスタ7のエミッタ−コレクタ間にはほとんど流れない。
【0035】
したがって、電源スイッチ4をオンした直後はトランジスタ7を介した負荷3への電流供給が抑制され、負特性サーミスタ8を通して負荷3へ電流供給される。このとき、負特性サーミスタ8によって比較的大きく電圧降下するので、負荷3に過大な突入電流が供給されないようになっている。
【0036】
電源スイッチ4をオンしてからの電流供給により、負特性サーミスタ8は発熱することで温度上昇しその抵抗値が低下していく。この負特性サーミスタ8の抵抗値の低下に伴い、負特性サーミスタ8の端子間電圧が低下するので、負荷3の両端間の電圧が上昇する。
【0037】
この負荷3の両端間の電圧上昇に伴い第1バイアス抵抗10および第2バイアス抵抗18のそれぞれの両端間電圧が上昇する。なお、第2バイアス抵抗18については正特性サーミスタを用いていることからその自己発熱による温度上昇に伴いその抵抗値が増すことによってもその両端間電圧は上昇する。これによりトランジスタ9のベース−エミッタ間電圧が上昇してこのトランジスタ9のベース電流(Ib9)が増加する。
【0038】
そのベース電流(Ib9)が所定以上の電流値となると、トランジスタ9のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、トランジスタ7にオン動作可能なベース電流(Ib7)が流れることになる。これにより、トランジスタ7のエミッタ−コレクタ間が導通状態に切り換わり、電源2からの供給電流(I)がほとんど電圧降下することなくトランジスタ7を通して負荷3に供給されるようになる。
【0039】
なお、トランジスタ7を通して負荷3へ電流供給する状態に切り換わるタイミングは、負荷3のインピーダンスに応じた突入電流が流れるときでなく、その突入電流が流れる状態から定常電流に近くなった状態になっているときに設定される。また、トランジスタ7が導通状態になっているときには、負特性サーミスタ8を流れる電流もきわめて少ないものとなるため、負特性サーミスタ8の発熱が抑制される。
【0040】
本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々な変形が可能である。
【0041】
(1) 本発明に係る突入電流抑制回路に用いられている半導体素子としては、バイポーラ型トランジスタに限定されるものではなく、FETなど各種の半導体素子を採用できる。
【0042】
(2)本発明に係る突入電流抑制回路はユニット化されて単一の回路部品に構成されてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電源スイッチをオンした時点から負特性サーミスタが自己発熱により所定の抵抗値に低下するまでの間は、負特性サーミスタの抵抗値は比較的大きく、電源スイッチをオンしたときの一時的な過大な突入電流は負特性サーミスタによって抑制される。また、負特性サーミスタの抵抗値が所定の抵抗値以下となり、負荷電圧が上昇すると、第2の半導体においてオンオフ制御される第1の半導体もオン状態に切り換わり、この第1の半導体を通して電源からの電流が負荷へ供給され , 負特性サーミスタを流れる電流が極めて少なくなり、定常電流が流れる状態における負特性サーミスタでの電力ロスも抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る突入電流抑制回路を含む回路図
【図2】本発明の別の実施形態に係る突入電流抑制回路を含む回路図
【図3】本発明のさらに別の実施形態に係る突入電流抑制回路を含む回路図
【図4】負荷に電力供給する回路において電流抑制回路の無い回路を示す回路図
【図5】図4に示す回路において電源投入後の突入電流などを示す図
【図6】従来の突入電流抑制回路の一例を示す回路図
【図7】従来の突入電流抑制回路の他の例を示す回路図
【図8】従来の突入電流抑制回路のさらに他の例を示す回路図
【符号の説明】
1 突入電流抑制回路
2 電源
3 負荷
6 電流通路
7 第1の半導体素子(トランジスタ)
8 負特性サーミスタ
9 第2の半導体素子(トランジスタ)
10 第1バイアス抵抗
11 第2バイアス抵抗
Claims (3)
- 電源から負荷への開閉自在な電流通路に設けられ、かつ前記負荷への突入電流を抑制する突入電流抑制回路において、
前記電流通路の導通と遮断との各動作を行う第1の半導体素子と負特性サーミスタとを前記電流通路に並列に設け、かつ、直列接続された第1バイアス抵抗及び第2バイアス抵抗を前記負荷に対して並列になるように、前記第1バイアス抵抗の一端が前記第1の半導体素子と前記負荷との間に位置する前記電源から前記負荷への前記電流通路に接続され、前記第1バイアス抵抗の他端は前記第2バイアス抵抗の一端に接続され、前記第2バイアス抵抗の他端は前記電源と前記負荷との共通するアース側の電流通路に接続されており、前記第1バイアス抵抗と前記第2バイアス抵抗とで分圧される電圧に基づいて前記第1の半導体素子を制御する第2の半導体素子を設けている、ことを特徴とする突入電流抑制回路。 - 請求項1に記載の突入電流抑制回路において、
前記第2の半導体素子と、前記電源及び前記負荷のアース側電流通路との間に第3バイアス抵抗を設けている、ことを特徴とする突入電流抑制回路。 - 請求項1または2に記載の突入電流抑制回路において、
前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子としてバイポーラトランジスタを用いており、前記第1バイアス抵抗の一端は前記第1の半導体素子のコレクタおよび前記負荷に接線される、ことを特徴とする突入電流抑制回路。
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