JP4181912B2 - チルトテレスコステアリングコラム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のチルトテレスコステアリングコラム装置に係り、特にその跳ね上げ式のものにあって、テレスコが所定位置より伸びた位置にあるときにのみ、ステアリングホイールを跳ね上げ可能な跳ね上げ制限機構を有するチルトテレスコステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
チルトテレスコステアリングコラム装置は、運転乗員が最適運転姿勢を確保するために、ステアリングホイールを運転乗員の手前で前後方向へ移動調節可能にするとともに、ステアリングホイールの傾斜角度を変更調節することができるようにしたものである。
【0003】
また、近時にあってはステアリングホイールの跳ね上げ角度を大きくして乗降性をさらに向上させるものが提案されている。
【0004】
しかしながら、ステアリングコラムを大きく跳ね上げた場合には、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーが、車体の運転席前方に配置されたインスツルメントパネルに干渉してしまう恐れがある。
【0005】
そこで、従来の手動式の跳ね上げ機構やテレスコピック機構を備えたステアリング装置において、ステアリングホイールを跳ね上げた際に、ステアリングコラムカバーがインスツルメントパネルに干渉せず、かつ安全性の高いステアリング装置の提供を目的としたものとして、本件出願人が先に出願した特願2002−278455号に示すように、シフトレバーがパーキング位置にあって、しかも、テレスコが所定位置よりも伸びた位置にあるときにのみ、ステアリングホイールを跳ね上げることが可能な跳ね上げ制限機構を設けたものがある。
【0006】
この跳ね上げ制限機構は、固定側ブラケットにテレスコジャケットと平行に延伸する所定長さのテレスコピンを設け、このテレスコピンの自由端部が可動側ブラケットを揺動可能に支持するヒンジブラケット側に向かって進退可能に構成する一方、このテレスコピンの自由端部に当接するロックプレートをヒンジブラケットに回転可能に設け、このロックプレートが車両の非走行状態を検出して作動するソレノイド等の電磁アクチュエータで回転することで干渉するようにしている。
【0007】
ロックプレートは、テレスコが所定位置より伸びた位置にある時に、テレスコピンの自由端部に当接してヒンジブラケットが固定側ブラケットに向けて収縮できないようにするとともに、テレスコが所定位置より縮んだ位置にある時に、テレスコピンの側面に当接してロックプレートの回動を阻止することで、ロックプレートが可動側ブラケットのチルトプレートに当接して可動側ブラケットの跳ね上がりを阻止する。
【0008】
そして、テレスコが所定位置より伸びた位置にある時に、チルト操作レバーを介して可動側ブラケットを跳ね上げ操作すると、可動側ブラケットの一側にチルトヒンジを中心として回転可能に支持されたチルトプレートが共に回転して前記ロックプレートに当接することなく可動側ブラケットが跳ね上げられる。また、ロックプレートは電磁アクチュエータによっても回動される。すなわち、電磁アクチュエータの作動によりロックプレートはチルトプレートと当接して可動側ブラケットの跳ね上がりを阻止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に記載のものでは、チルト操作レバーを操作して可動側ブラケットを跳ね上がることができる状態、すなわち、テレスコが所定位置より伸びた状態にあり、かつ、車両の非走行状態を検出して電磁アクチュエータが作動している状態では、ロックプレートがテレスコピンの自由端部に当接する位置にあることになる。
【0010】
そのため、可動側ブラケットが通常のチルト位置にあるにもかかわらずテレスコを所定位置より縮めることができなくなるため、従来は、電磁アクチュエータを車両が非走行状態にあり、かつ、チルト操作レバーが操作された際に作動するようにし、もしくは、テレスコ操作レバーが操作された場合に電磁アクチュエータの通電を解除するなど電気的制御が必要となるという不具合が生じた。
【0011】
そこで、この発明は跳ね上げ制限機構付きチルトテレスコステアリングコラム装置にあって、テレスコ位置による跳ね上げ制限と、車両の走行状態による跳ね上げ制限をそれぞれ独立させることで、制御の簡素化と作動の確実性を向上することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るチルトテレスコステアリングコラム装置は、請求項1によれば、固定側ブラケットにテレスコジャケットが伸縮可能に設けられ、テレスコジャケットの自由端部側にヒンジブラケットが固定され、ヒンジブラケットにチルトヒンジを介して可動側ブラケットが回転可能に設けられており、固定側ブラケットに対するテレスコジャケットの軸線方向の伸縮位置およびヒンジブラケットに対する可動側ブラケットの上下方向の角度位置をそれぞれ調節可能にするとともに、その位置でロック及びロック解除可能なロック機構を備え、かつ、前記可動側ブラケットをチルト調節範囲よりも大きく跳ね上げ可能なチルトテレスコステアリングコラムにおいて、
固定側ブラケットに一端が固定されるとともに、他端の自由端部がテレスコジャケットと平行に延設されたテレスコピンと、可動側ブラケットに固定されるとともに、チルトヒンジを中心として可動側ブラケットと一体で回転可能なチルトプレートと、ヒンジブラケットに回動可能に支持されるとともに、前記チルトプレートと係合する方向に付勢されたテレスコストッパーとを備え、
テレスコストッパーは、その一端がチルトプレートの移動軌跡上に位置するとき、他端はテレスコピンの移動軌跡から外れた位置にあるとともに、一端がチルトプレートの移動軌跡から外れた位置にあるとき、他端はテレスコピンの移動軌跡上に位置するように構成されており、
テレスコジャケットが所定位置より縮んだ位置にあるとき、テレスコピンがテレスコストッパーの他端に当接して、テレスコストッパーの一端がチルトプレートの移動軌跡上から移動するのを阻止し、
可動側ブラケットがチルト調節範囲よりも大きく跳ね上げた位置にあるとき、チルトプレートがテレスコストッパーの一端に当接して、テレスコストッパーの他端がテレスコピンの移動軌跡上から移動するのを阻止することを特徴とする。
【0013】
これにより、テレスコ位置による跳ね上げの制限と、チルトプレートの位置によるテレスコの位置規制とを、チルトピン、テレスコストッパー及びチルトプレートで行うことが可能となり、機械的な作動によるものとしたことで作動の確実性、信頼性を向上できる。
【0014】
また、テレスコ位置と跳ね上げ位置の制限構造と、車両の走行状態と跳ね上げ位置の制限構造がそれぞれ独立しているため、制御の簡素化を図ることができ、コストの低減を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面に基づき説明すると、図1及び図3はステアリングホイール側の可動側ブラケット1がチルトヒンジ2を介してヒンジブラケット3に上下方向へ回転可能に支持されるとともに、ヒンジブラケット3にはテレスコジャケット4が結合され、テレスコジャケット4は固定側ブラケット5に伸縮可能に結合された構成の、チルトテレスコステアリングコラム装置の要部の一部破断面とした側面図である。
【0016】
固定側ブラケット5には、テレスコピン6がテレスコジャケット4の軸線と平行に所定の長さでヒンジブラケット3に向けて固定され、このテレスコピン6の自由端部はヒンジブラケット3をほぼ貫通して形成された孔7に挿入されている。ヒンジブラケット3はアルミダイカスト等の鋳造部品からなり、その一側面には凹部8が形成されている。この凹部8を跨いで前記孔7は形成されている。
【0017】
凹部8内にテレスコストッパー9が軸10で揺動可能に支持され、かつ、リターンばね11で付勢して部分9aが常に孔7から外れる方向に付勢されると共に、下記する部分9bがチルトプレート12と係合する方向に付勢されるようにしている。テレスコストッパー9は上部側に孔7を塞ぐ部分9aと、下部側に凹部8から突出してチルトプレート12と係合する部分9bとを有する。チルトプレート12はチルトヒンジ2に回転可能に支持されると共に、ピン18で可動側ブラケット1に固定された略V字型のプレートからなり、その上端部は一端面が前記部分9bと係合すると共に、その一端面が所定幅を有して凹部8を塞ぐように回転することができ、また、その下端部にはばね係止部13が形成されている。
【0018】
チルトプレート12の回転を阻止するためのチルトストッパー14が、ヒンジブラケット3に軸15で回転可能に支持されていて、このチルトストッパー14の上端部はチルトプレート12の上端部と係合するとともに、下端部はヒンジブラケット3に固定された電磁アクチュエータ16の作動ロッド17に連結されている。作動ロッド17は、シフトレバーがパーキング位置にシフトされたときに電磁アクチュエータ16に通電されることで引かれる一方、通電が解除されると電磁アクチュエータ16から押し出されるものである。
【0019】
一方、可動側ブラケット1の下部中央にはロックポール20が軸21で上下方向へ回転可能に支持されている。このロックポール20は上面側に歯部22を形成してあり、下面側にフック部23がヒンジブラケット3側へ傾斜して形成されると共に、噛み合い解除面24及び圧接操作面25とが連続して形成され、かつ、歯部22のヒンジブラケット3側の端面が形成する自由端部側に、斜め下方へ延伸して跳ね上げ保持面26が形成されている。
【0020】
また、このロックポール20を回転操作するためのチルト操作レバー27が、図5に示すように、可動側ブラケット1の下部側に一体形成された支持部28に軸29で略水平方向へ回転可能に支持されている。支持部28とロックポール20を挟んだ位置において可動側ブラケット1の下部側に一体形成されたガイド部30は、チルト操作レバー27の中間部を略水平位置で摺動して回転可能に保持する。なお、チルト操作レバー27のばね係止部31と前記ばね係止部13との間にはコイルスプリングからなるばね32が弾装され、チルト操作レバー27は常にヒンジブラケット3側へ回転附勢されている。
【0021】
チルト操作レバー27は下方へL字型に曲げた摺接面33を有し、この摺接面33が圧接操作面25に当接して、ロックツース部材34の歯部35とロックポール20の歯部22とを噛み合いさせると共に、ばね32の付勢力によりその状態が保持される。
【0022】
そして、可動側ブラケット1が跳ね上げ位置にある場合には、チルト操作レバー27の摺接面33が圧接操作面25から連続する跳ね上げ保持面26に当接し、これにより、ロックポール20はロックツース部材34の歯部35と噛み合う位置よりもチルトヒンジ2側に回動することになる。
【0023】
フック部23はロックツース部材34の歯部35とロックポール20の歯部22との噛み合いを解除操作する際、及び、跳ね上げロックを解除する際に、チルト操作レバー27が当接してロックポール20のロック解除方向への回転を促すことができるように設けられている。
【0024】
ロックツース部材34はボルト36にてヒンジブラケット3に適宜固定されている。ロックツース部材34にはチルトヒンジ2を中心とする所定半径の円弧面に形成された鋸歯状の歯部35が形成されている。歯部35は前記ロックポール20の歯部22と噛み合うことができる。このロックツース部材34の自由端部側にゴム等の緩衝材からなるストッパー37が取り付けられている。
【0025】
次に、上記構成のチルトテレスコステアリングコラム装置の作用を説明すると、図1は所要のチルト位置設定をした状態を示し、車両が走行可能状態、ここではシフトレバーがパーキング位置以外のレンジにシフトされている場合を示し、電磁アクチュエータ16が作動しておらず、作動ロッド17が内蔵されたばねで押し出され、チルトストッパー14はその上端部がヒンジブラケット3の上端部の移動軌跡上の下側に位置するように回転している。
【0026】
この状態で、チルト操作レバーを、図5に仮想線で示す、ロック解除方向に操作した場合には、歯部22,35の噛み合いが外れることで、図外の跳ね上げスプリングの付勢力により、可動側ブラケット1がチルトヒンジ2を中心に上方に回動するが、可動側ブラケット1と一体で回動するチルトプレート12の上端部の下端面がチルトストッパー14の上端部に係合し、チルトストッパー14の回動が阻止される。この阻止される位置は、可動側ブラケット1のチルト調節範囲の上端と一致している。
【0027】
そのため、この状態では、可動側ブラケット1がチルト調節範囲よりも大きな角度の跳ね上げ位置に回動されるのを阻止している。
【0028】
また、この状態では、テレスコストッパー9がばね10に付勢されて部分9aが孔7から外れた位置、すなわち、テレスコピン6の移動軌跡から外れた位置に回動しているため、テレスコピン6の自由端部を孔7に挿入することが可能であり、図外のテレスコ操作レバーをロック解除方向に操作することで、設定されたテレスコ調節範囲内で固定側ブラケット5に対してテレスコジャケット4を伸縮させることができる。
【0029】
そして、跳ね上げを可能にするためには、車両を非走行状態、ここではシフトレバーをパーキング位置にシフトすることにより、電磁アクチュエータ16が作動して作動ロッド17が引かれ、チルトストッパー14はその上端部がヒンジブラケット3の側面から離れるように回転し、チルトストッパー14の上端部とヒンジブラケット3との間にチルトプレート12が進入できる状態が形成される。このとき、リターンばね11で常に回転付勢されているテレスコストッパー9の部分9bは、チルトストッパー14の上端部の下方にあって、ヒンジブラケット3から飛び出ており、それによって孔7は部分9aによって塞がれてはいない。
【0030】
ここで、固定側ブラケット5に対してテレスコジャケット4が所定位置より縮んだ状態にある場合では、図1に示すように、テレスコピン6がテレスコストッパー9の部分9aの側部を通過して孔7に侵入している。この状態でチルト操作レバー27を操作して歯部22,35の噛み合いを解除した場合には、チルトプレート12は、チルトストッパー14の上端部に係合することがなく、チルトヒンジ2を中心として回動しようとする。しかし、チルトプレート12の上端部の下端面はテレスコストッパー9の部分9bに係合しており、テレスコストッパー9はチルトプレート12に押されることで軸10を中心として回動しようとするが、テレスコストッパー9の部分9aがテレスコピン6の側面に係合してその回動が阻止される。
【0031】
この阻止される位置は、可動側ブラケット1のチルト調節範囲と一致している。
【0032】
そのため、この状態では、可動側ブラケット1がチルト調節範囲よりも大きな角度の跳ね上げ位置に回動されるのを阻止されている。
【0033】
ついで、テレスコジャケット4を所定位置より引き出してヒンジグラケット3及び可動側ブラケット1を、図3に示すように、運転乗員の手前に位置させた場合には、テレスコピン6はヒンジブラケット3の孔7から抜け出てその自由端部がチルトストッパー9の部分9aと係合する位置から外れる。この時、テレスコストッパー9はリターンばね11で常に図2中時計回りに回転付勢されているので、テレスコストッパー9の部分9aがその孔7を塞ぐことなく、テレスコピン6の移動軌跡から外れた位置を保持する。
【0034】
そこで、チルト操作レバー27をばね32の力に抗してフック部23側へ引くと、チルト操作レバー27は、図5に仮想線で示すように軸29を中心として回転し、その摺接面33がロックポール20の圧接操作面25から噛み合い解除面24に移動する一方、摺接面33の反対側側部がフック部23に衝突するから、ロックポール20は軸21を中心として下方側ヘ回転する。これにより、ロックポール20の歯部22とロックツース部材34の歯部35との噛み合いが外れる。
【0035】
そのため、可動側ブラケット1はチルトヒンジ2中心として上方へ回転させることができるようになる。そこで、可動側ブラケット1とヒンジブラケット3との間に設けられた図外のコイルスプリング等のばねにより可動側ブラケット1は歯部22,35の噛み合いが外れた瞬間に上方へ回動する。
【0036】
この時、チルトプレート12は、テレスコストッパー9の部分9bに係合するが、テレスコストッパー9の部分9aがテレスコピン6に係合していないので回動することができ、テレスコストッパー9がチルトプレート12に押されてリターンばね11に抗して軸10を中心に、図4に示すように、図中反時計方向に回動し、テレスコストッパー9の部分9bがチルトプレート12と係合する位置から外れる。
【0037】
これにより、可動側ブラケット1は、図3に示すように、チルト調節範囲よりも大きな角度の跳ね上げ位置へ回動する。また、テレスコストッパー9は、部分9aが孔7を塞ぐ、テレスコピン6の移動軌跡上に移動する。
【0038】
一方、チルト操作レバー27を放せばばね32のばね力によりチルト操作レバー27の摺接面33がロックポール20の圧接操作面25から跳ね上げ保持面26を押圧するように移動し、ロックポール20は軸21を中心としてチルトヒンジ2側に回転し、その歯部22の端面はロックツース部材34のストッパー37と対面し、摺接面33が跳ね上げ操作面26に摺接してロックポールの動きを固定し、歯部22の端面とストッパー37が当接する状態の跳ね上げロックがなされる。
【0039】
そして、可動側ブラケット1が跳ね上がることにより、チルトプレート12の上端部が、図4に示すように、テレスコストッパー9の部分9bを押し下げた状態に保持する。そのため、リターンばね11のばね力に抗してテレスコストッパー9は回転してその部分9aが孔7を塞いだ状態に保持されるので、テレスコピン6の自由端部は部分9aで規制され、ヒンジブラケット3内に進入できなくなる。すなわち、ヒンジブラケット3を固定側ブラケット5側へ移動させることができないテレスコロックがなされる。
【0040】
また、運転乗員が乗降の際の手がかりとしてステアリングホイールを持ち、それを押し下げるような力を加えると、歯部22の端面がストッパー37に全面的に当接することによって、その荷重を受け止め、可動側ブラケット1がチルトヒンジ2を中心として下方へ回転するのを阻止する跳ね上げロックがなされる。
【0041】
尚、図示は省略したが、可動側ブラケット1の跳ね上げを検出する跳ね上げ検出スイッチが設けられており、跳ね上げを検出した際には、シフトレバー装置のシフトロック機構を作動させることで、シフトレバーをパーキング位置から他のレンジ、すなわち、車両を非走行状態から走行状態へ移行することができないようになっている。
【0042】
一方、跳ね上げ状態を解除するときは、図3において、チルト操作レバー27をフック部23側へ引くと、仮想線で示すように、摺接面33と対面する側のチルト操作レバー27の側部がフック部23に衝突し、これによりロックポール20は軸21を中心として下方側へ回転し、その歯部22がロックツース部材34の下面側へ移動して歯部22と歯部35の噛み合いができるようになる。そこで、所望する角度のチルト設定を行う。可動側ブラケット1の所望の傾斜角度を設定した後、チルト操作レバー27を放すと、ばね32の力で摺接面33は圧接操作面25に摺接し、歯部35が歯部22と噛み合い、チルトロックがなされる。
【0043】
このとき、可動側ブラケット1の回転により、チルトプレート12が共に回転するから、チルトプレート12の上端部はテレスコストッパー9の部分9bから離れるために、リターンばね11で回転付勢されているテレスコストッパー9が回転し、図2に示すように、その上部が孔7を塞ぐのを解くから、テレスコピン6の自由端部はヒンジブラケット2内に進入することができる。これによって、テレスコロックが解除される。
【0044】
また、シフトレバーをパーキング位置から他にシフトさせると、電磁アクチュエータ16が非作動状態となり、内蔵するばねの力が作動ロッド17を押し出すので、チルトストッパー14が回転し、その上端部がヒンジブラケット3の側面に当接する。したがって、この状態において可動側ブラケット1を跳ね上げさせようとしても、チルトプレート12の上端部がチルトストッパー14に当接してその回転を阻止するから、跳ね上げ操作はできなくなる。
【0045】
尚、跳ね上げ検出スイッチが跳ね上げを検出している間は、電磁アクチュエータを非作動としてもよい。この場合、電磁アクチュエータの作動時間を短くして耐久性を向上できる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によれば、テレスコ位置による跳ね上げ規制と、チルトプレートの位置によるテレスコ位置規制を機械的な作動によるものとしたことで、構成の簡素化が図れるとともに、作動の確実性と信頼性を向上できる。
【0047】
また、テレスコ位置と跳ね上げ位置の制限構造と、車両の走行状態と跳ね上げ位置の制限構造が、それぞれ独立しているため、制御の簡素化を図ることができ、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るチルトテレスコステアリングコラム装置の要部を示す側面図である。
【図2】図1の右側面図で、この発明に係るチルトテレスコステアリングコラム装置の要部正面図である。
【図3】この発明に係るチルトテレスコステアリングコラム装置の跳ね上げ状態を示す側面図である
【図4】図3の右側面図で、この発明に係るチルトテレスコステアリングコラム装置の要部正面図である。
【図5】この発明に係るチルトステアリングコラム装置の一部省略した要部底面図である。
【符号の説明】
1…可動側ブラケット
2…チルトヒンジ
3…ヒンジブラケット
4…テレスコジャケット
5…固定側ブラケット
6…テレスコピン
7…孔
8…凹部
9…テレスコストッパー
10…軸
11…リターンばね
12…チルトプレート
13…ばね係止部
14…チルトストッパー
16…電磁アクチュエータ
17…作動ロッド
18…ピン
20…ロックポール
21…軸
22…歯部
23…フック部
24…噛み合い操作面
25…圧接操作面
26…跳ね上げ保持面
27…チルト操作レバー
28…支持部
29…軸
30…ガイド部
31…ばね係止部
32…ばね
33…摺接面
34…ボルト
35…歯部
36…ストッパー
Claims (2)
- 固定側ブラケットにテレスコジャケットが伸縮可能に設けられ、テレスコジャケットの自由端部側にヒンジブラケットが固定され、ヒンジブラケットにチルトヒンジを介して可動側ブラケットが回転可能に設けられており、固定側ブラケットに対するテレスコジャケットの軸線方向の伸縮位置およびヒンジブラケットに対する可動側ブラケットの上下方向の角度位置をそれぞれ調節可能にするとともに、その位置でロック及びロック解除可能なロック機構を備え、かつ、前記可動側ブラケットをチルト調節範囲よりも大きく跳ね上げ可能なチルトテレスコステアリングコラムにおいて、
固定側ブラケットに一端が固定されるとともに、他端の自由端部がテレスコジャケットと平行に延設されたテレスコピンと、可動側ブラケットに固定されるとともに、チルトヒンジを中心として可動側ブラケットと一体で回転可能なチルトプレートと、ヒンジブラケットに回動可能に支持されるとともに、前記チルトプレートと係合する方向に付勢されたテレスコストッパーとを備え、
テレスコストッパーは、その一端がチルトプレートの移動軌跡上に位置するとき、他端はテレスコピンの移動軌跡から外れた位置にあるとともに、一端がチルトプレートの移動軌跡から外れた位置にあるとき、他端はテレスコピンの移動軌跡上に位置するように構成されており、
テレスコジャケットが所定位置より縮んだ位置にあるとき、テレスコピンがテレスコストッパーの他端に当接して、テレスコストッパーの一端がチルトプレートの移動軌跡上から移動するのを阻止し、
可動側ブラケットがチルト調節範囲よりも大きく跳ね上げた位置にあるとき、チルトプレートがテレスコストッパーの一端に当接して、テレスコストッパーの他端がテレスコピンの移動軌跡上から移動するのを阻止することを特徴とするチルトテレスコステアリングコラム装置。 - 前記ヒンジブラケットに回動可能に支持されるとともに、一端が前記チルトプレートと係合する方向に付勢されたチルトストッパーを備え、
チルトストッパーの他端には、車両の非走行状態を検出して作動可能な電磁アクチュエータが接続されて回動可能に設けられており、
非走行状態を検出した電磁アクチュエータの作動により、チルトストッパーが回動して、チルトストッパーがチルトプレートの係合位置から外れることを特徴とする請求項1に記載のチルトテレスコステアリングコラム装置。
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JP2004314907A (ja) | 2004-11-11 |
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