JP4181813B2 - 真空蒸着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空雰囲気で蒸着材料を蒸発させると共に被蒸着体に蒸発物質を蒸着させるようにした真空蒸着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
真空蒸着装置は、真空チャンバー内に蒸着材料と被蒸着体とを配置し、真空チャンバー内を減圧した状態で、蒸着材料を加熱して蒸発させ、この蒸発させた物質を被蒸着体の表面に堆積させることによって蒸着を行なうようにしたものである。そして蒸発源の蒸着材料から蒸発した物質は蒸発源から法線方向に直進的に放出されるが、放出空間は真空に保たれているため蒸発物質は直進し、蒸発源と対向して配置される被蒸着体の表面に付着して蒸着される。
【0003】
しかしこのように蒸発物質は蒸発源から法線方向に直進的に放出されるので、被蒸着体へ向かって進行しない蒸発物質が多く、このように被蒸着体へ向かって進行しない蒸発物質は被蒸着体の表面に付着しないものであり、蒸着の歩留まりが低くなると共に被蒸着体の表面への蒸着速度が遅くなるという問題がある。そこで、特開平4−45259号公報や特開平9−272703号公報などに開示されているように、真空チャンバー内に配置した蒸発源の蒸着材料と被蒸着体が対向する空間を筒状体で囲むと共に筒状体を蒸着材料が再蒸発される温度で加熱し、蒸発源から蒸発した物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面に蒸着させるようにした真空蒸着装置が提案されている。
【0004】
図5はその一例を示すものであり、真空チャンバー1内に上下に開口する筒状体4が配設してあり、筒状体4にはヒーター16が巻いてあって筒状体5を加熱できるようにしてある。この筒状体4の下端の開口部17に面して蒸着材料2が配置してあり、ヒーター18で加熱して蒸着材料2を蒸発させることができるようにしてある。筒状体4の上端の開口部9の上方には被蒸着体3が配置してあり、この開口部9はシャッター12によって開閉できるようにしてある。
【0005】
このものにあって、真空チャンバー1内を減圧すると共に蒸着材料2を加熱して蒸発させ、そしてシャッター12を開くと、蒸着材料2から蒸発した物質が筒状体4内を飛翔して通過し、筒状体4の上端の開口部9を通って被蒸着体3の表面に付着し、被蒸着体3に蒸着材料2の蒸発物質を堆積させて蒸着を行なうことができるものである。そしてこのものでは、蒸着材料2と被蒸着体3が対向する空間が筒状体4で囲まれているので、蒸着材料2から発生する蒸発物質を筒状体4内に囲った状態で、この蒸発物質を筒状体4の内面で反射させながら被蒸着体3の方向へ進ませることができ、蒸着材料2から発生する蒸発物質の多くを被蒸着体3の表面に到達させることができるものであり、被蒸着体3に付着せずに逃げる量を少なくして歩留まり高く蒸着を行なうことができるものである。また筒状体4はヒーター16で加熱されており、蒸発物質が筒状体4の内面に付着しても再加熱されて再蒸発し、この再蒸発した物質は被蒸着体3に到達して蒸着層を形成するものであり、筒状体4に蒸発物質が堆積して歩留まりが低下することを防ぐことができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように加熱された筒状体4を用い、この筒状体4の開口部9に被蒸着体3を臨ませるように配置して蒸着を行なうにあたって、被蒸着体3には筒状体4の開口部9から直接作用する熱や、筒状体4からの輻射熱が作用し、被蒸着体3は温度上昇が生じ易い。そしてこのように被蒸着体3の温度が蒸着材料2の蒸発温度や、蒸着材料2の分解温度より高くなると、被蒸着体3への蒸着の歩留まりが大きく低下するおそれがあるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、蒸着の歩留まりが低下することなく被蒸着体への蒸着を行なうことができる真空蒸着方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る真空蒸着方法は、真空チャンバー1内に蒸着材料2及び被蒸着体3を配置すると共に蒸着材料2と被蒸着体3との間に蒸着材料2が蒸発される温度で内面が加熱された筒状体4を配置し、蒸着材料2を加熱して蒸発させ、蒸発させた物質を筒状体4内を通して被蒸着体3の表面に到達させることによって、被蒸着体3の表面に蒸着を行なうにあたって、被蒸着体3の蒸着面と反対側の表面に放熱部材5を付設することを特徴とするものである。
また、搬送レール8に沿って被蒸着体3を搬送して被蒸着体3を筒状体4の開口部9に面する位置と開口部9から外れる位置との間で移動させ、筒状体4の開口部9に面する位置に被蒸着体3を位置させたときに蒸着を行なうようにするにあたって、筒状体4の開口部9から外れる位置で被蒸着体3を保持する部分の搬送レール8に冷却機構10を備えることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1において、被蒸着体3と放熱部材5の間に可撓性と熱伝導性の高い密着部材6を介在させることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、放熱部材5として被蒸着体3と反対側の面に凹凸7を有するものを用いることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、搬送レール8に被蒸着体3の外側の位置において覆い11を設けることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、筒状体4の開口部9をシャッター12で開閉自在にしたことを特徴とするものである。
【0014】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、筒状体4の外周を熱反射壁13で囲うことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1は本発明を説明する参考例を示すものであり、真空チャンバー1の側面にはゲートバルブ22を介して真空ポンプ23が接続してある。真空チャンバー1内には筒状体4が配置してある。筒状体4は上面が開口部9となった角筒や円筒などで形成されるものであり、その外周にはシーズヒーターなどのヒーター21を巻いて、筒状体4を加熱することができるようにしてある。この開口部9の上にはシャッター12が設けてある。シャッター12は端部の回動軸32を中心にして水平回動自在にしてあり、シャッター12を水平回動させることによって、開口部9を開閉することができるようにしてある。
【0017】
筒状体4にはその底部に形成した一対の開口にそれぞれ坩堝24,24がはめ込んで取り付けてあり、坩堝24に蒸着材料2が充填してある。図1の参考例では、蒸着材料2としてホスト蒸着材料2aとゲスト蒸着材料2bを用い、個別に坩堝24,24に充填するようにしてある。坩堝24には蒸着材料2を加熱するヒーター25が内蔵してあり、この加熱温度は熱電対などで形成される温度センサー27で検知することができるようにしてある。また筒状体4の側壁には側面開口部26が形成してあり、この側面開口部26内に面するように膜厚計28が取り付けてある。膜厚計28は水晶振動子膜厚計などで形成されるものであり、表面に蒸着して付着される膜の膜厚を自動計測することができるものである。図1の実施の形態は、ホスト蒸着材料2aとゲスト蒸着材料2bを同時に蒸発させ、ホスト蒸着材料2aに微量のゲスト蒸着材料2bをドーピングした状態で共蒸着することができるようにしたものであり、膜厚計28でこのドーピング比率を検出すると共に各坩堝24,24のヒーター25,25による加熱温度を制御することができるようにしてある。
【0018】
また、筒状体4の上方にはシャッター12より上側において搬送レール8が水平に配置して設けてある。搬送レール8は図1(b)((a)を上から見た図)に示すように、筒状体4の一方の側方から筒状体4の近縁を横切って筒状体4の他方の側方へ至る一対のレール体8a,8aから形成してあり、この一対のレール体8a,8aに架け渡して搬送治具33が設けてある。搬送治具33はレール体8a,8aの間の位置において蒸着用開口部34を設けて枠状に形成されるものであり、筒状体4の一方の側方から筒状体4の開口部9の上方を横切って筒状体4の他方の側方へ至る範囲で、搬送レール8に沿ってレール体8a,8a上を移動させることができるようにしてある。ガラス板などで形成される被蒸着体3は、下面を蒸着用開口部34に臨ませた状態でこの搬送治具33の上に載置されるものであり、搬送治具33を筒状体4の側方位置から筒状体4の開口部9の直上位置に移動させたときに蒸着を行なうようにしてある。
【0019】
そして、被蒸着体3の上面には、図2(a)に示すように放熱部材5が載置するなどして付設してある。放熱部材5は被蒸着体3より熱伝導率が高く、また被蒸着体3より熱容量が小さいもので形成されるものである。例えば被蒸着体3がガラス材の場合、ガラス材は熱伝導率が0.76W/m・K、定圧比熱が0.84J/g・Kであるので、熱伝導率が16W/m・K、定圧比熱が0.46J/g・Kのステンレス鋼や、熱伝導率が386W/m・K、定圧比熱が0.38J/g・Kの銅など、金属で放熱部材5を形成することができるものである。
【0020】
このとき、被蒸着体3の表面に放熱部材5を密着させて伝熱効率を高めるために、被蒸着体3と放熱部材5の間に密着部材6を介在させるのが好ましい。この密着部材6としては被蒸着体3や放熱部材5より可撓性が高く、且つ被蒸着体3より熱伝導性が高いものが用いられるものである。このような密着部材6としては、例えば可撓性黒鉛シート(市販品として東洋炭素社製「パーマ・フォイルPF−38S」などを例示できる)や、金属粒入り繊維布などを用いることができ、被蒸着体3の上面に密着部材6を載置すると共にこの上に放熱部材5を載置することによって、被蒸着体3に密着部材6を介して放熱部材5を載置することができるものである。また密着部材6として導電性ペーストを用い、放熱部材5の被蒸着体3の側の面に塗布して硬化させ、層構成にして使用するようにしてもよい。
【0021】
しかして、上記のように形成される真空蒸着装置を用いて、ガラス基板などの被蒸着体3に蒸着材料2を蒸着するにあたっては、まず、筒状体4の上面の開口部9をシャッター12で閉じた状態で、真空ポンプ23を作動させて真空チャンバー1内を真空状態に減圧すると共にヒーター21を発熱させて筒状体4を加熱しておく。筒状体4の加熱温度は、蒸着材料2の蒸発物質が筒状体4の内面に付着しても再度蒸発し、筒状体4の内面に堆積しない温度に設定されるものである。またシャッター12を閉じた状態で、ヒーター25を加熱して坩堝24内の蒸着材料2を蒸発させるようにしてある。
【0022】
そして、上面に放熱部材5を付設した被蒸着体3を搬送治具33の上に載置し、シャッター12を回動して筒状体4の開口部9を開いた後に、搬送治具33を筒状体4の側方位置から筒状体4の開口部9の直上位置に移動させて、被蒸着体3を開口部9の直上に位置させるものであり、蒸着材料2の蒸発物質は筒状体4内を飛翔した後、開口部9を通過して、被蒸着体3の蒸着用開口部34内に臨む下面に到達し、蒸着材料2を被蒸着体3の下面に堆積させて蒸着させることができるものである。
【0023】
ここで、上記のように被蒸着体3を筒状体4の開口部9の直上に位置させると、被蒸着体3に筒状体4の開口部9から熱が直接作用し、また被蒸着体3を筒状体4の側方位置に待機させているときにも筒状体4からの輻射熱が作用し、被蒸着体3は温度上昇が生じ易いが、被蒸着体3の上面には放熱部材5が付設してあるので、この熱は放熱部材5から放熱され、被蒸着体3が高温に加熱されることを防ぐことができる。従って、被蒸着体3の温度が蒸着材料2の蒸発温度や、蒸着材料2の分解温度より高くなることを防いで、被蒸着体3への蒸着の歩留まりが低下することを防止することができるものである。
【0024】
被蒸着体3の蒸着面と反対側の表面に付設される放熱部材5としては、図2(a)のような平板状のものの他、図2(b)のような被蒸着体3と反対側の上面にフィン形状の凹凸7を設けたものを用いることもできる。このように放熱部材5に凹凸7を設けることによって、表面積を大きくして放熱効果を高めることができ、また上方への風の流れをつくって吸収熱を逃すこともでき、被蒸着体3が高温に加熱されることを一層効率良く防ぐことができるものである。
【0025】
図3は本発明の実施の形態を示すものであり、筒状体4の上方にシャッター12より上側において搬送レール8が水平に配置して設けてある。搬送レール8は筒状体4の一方の側方から筒状体4の開口部9上を横切って筒状体4の他方の側方へ至るように配置してあり、搬送レール8の開口部9の直上部分には蒸着用開口部35が形成してある。この搬送レール体8の上面には搬送治具33が設けてある。搬送治具33は蒸着用開口部34を設けて枠状に形成されるものであり、筒状体4の一方の側方から筒状体4の開口部9の上方を横切って筒状体4の他方の側方へ至る範囲で、搬送レール8の上を移動させることができるようにしてある。ガラス板などで形成される被蒸着体3は、下面を蒸着用開口部34に臨ませた状態でこの搬送治具33の上に載置されるものであり、搬送治具33を筒状体4の側方位置から筒状体4の開口部9の直上位置に移動させたときに蒸着を行なうようにしてある。
【0026】
この搬送レール8にあって、筒状体4の一方の側方や他方の側方に突出している部分は待機ステージ8a,8bとなるものであり、各待機ステージ8a,8bの下面には冷却機構10が設けてある。冷却機構10は例えば循環水冷管等の水冷ジャケットなどを具備して形成されるものである。また搬送レール8の長手方向の両端、すなわち各待機ステージ8a,8bの端縁に立ち上がり片37,37が立設してあり、立ち上がり片37,37の上端間に覆い11が架け渡して設けてある。この覆い11は図3(a)のように搬送レール8の上面の全面を平行に覆うように配置されるものであり、搬送レール8と覆い11の間は両側端縁において図3(b)((a)を側面から見た図)のように開口している。その他の構成は図1のものと同じである。
【0027】
そしてこのものにあって、上面に放熱部材5を付設した被蒸着体3を搬送治具33の上に載置し、搬送治具33を待機ステージ8a(あるいは8b)から筒状体4の開口部9の直上の蒸着用開口部35の位置に移動させて、被蒸着体3を開口部9の直上に位置させると、蒸着材料2の蒸発物質は筒状体4の開口部9から蒸着用開口部35,34を通して被蒸着体3の下面に到達し、蒸着材料2を被蒸着体3の下面に堆積させて蒸着させることができるものである。
【0028】
ここで、被蒸着体3は筒状体4の開口部9の直上に位置して蒸着を受けているときだけでなく、搬送レール8の待機ステージ8a(あるいは8b)で待機しているときも、筒状体4からの輻射熱で被蒸着体3は加熱作用を受けるおそれがある。そこで、図3の実施の形態では、搬送レール8の待機ステージ8a,8bに冷却機構10を設け、待機ステージ8a,8bで待機している被蒸着体3を冷却機構10で冷却することができるようにしてあり、被蒸着体3が高温に加熱されることを防ぐようにしてある。また、被蒸着体3を搬送レール8の待機ステージ8a,8bに待機させているときに、筒状体4の開放状態になっている開口部9から熱が放射されると、この熱が真空チャンバー1の天井面で反射されて被蒸着体3に作用し、被蒸着体3が加熱されるおそれがある。そこで、図3の実施の形態では、搬送レール8を覆うように覆い11を設け、待機ステージ8a,8bに待機している被蒸着体3に真空チャンバー1の天井面で反射された熱が作用することを防止し、被蒸着体3が高温に加熱されることを防ぐようにしてある。
【0029】
図4は本発明の他の実施の形態を示すものであり、筒状体4の側面の外周を全周に亘って熱反射壁13で囲うようにしてある。熱反射壁13はステンレス材などで内面側を鏡面状に形成してあり、外面側に断熱材などを設けてある。またこの熱反射壁13は筒状体4の外面との間に一定厚みの空間を介して囲むようにしてあり、筒状体4が角筒状に形成される場合には相似形の角筒状に、筒状体4が円筒状に形成される場合には相似形の円筒状に形成されるものである。その他の構成は図1や図3のものと同じである。
【0030】
筒状体4はヒーター21を設けて加熱されるように形成してあるために、筒状体4は側面などの外面からも放熱しており、この放熱によって被蒸着体3が加熱されるおそれがある。そこで図4の実施の形態では、筒状体4の外周を熱反射壁13で囲うことによって、筒状体4の側面などの外面から出る熱を熱反射壁13で反射させ、この熱が真空チャンバー1内で放熱されて被蒸着体3に作用することを防止し、被蒸着体3が高温に加熱されることを防ぐようにしてある。
【0031】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る真空蒸着方法は、真空チャンバー内に蒸着材料及び被蒸着体を配置すると共に蒸着材料と被蒸着体との間に蒸着材料が蒸発される温度で内面が加熱された筒状体を配置し、蒸着材料を加熱して蒸発させ、蒸発させた物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面に到達させることによって、被蒸着体の表面に蒸着を行なうにあたって、被蒸着体の蒸着面と反対側の表面に放熱部材を付設するようにしたので、被蒸着体に筒状体の熱が作用しても、この熱を放熱部材で放熱して被蒸着体が高温に加熱されることを防ぐことができるものであり、被蒸着体の温度が蒸着材料の蒸発温度や分解温度より高くなることを防いで、被蒸着体への蒸着の歩留まりが低下することを防止することができるものである。
また、搬送レールに沿って被蒸着体を搬送して被蒸着体を筒状体の開口部に面する位置と開口部から外れる位置との間で移動させ、筒状体の開口部に面する位置に被蒸着体を位置させたときに蒸着を行なうようにするにあたって、筒状体の開口部から外れる位置で被蒸着体を保持する部分の搬送レールに冷却機構を備えるようにしたので、被蒸着体を筒状体の開口部から外れる位置において搬送レール上に待機させているときに、冷却機構で被蒸着体を冷却することができ、筒状体からの熱で待機中の被蒸着体が高温に加熱されることを防止することができるものである。
【0032】
また請求項2の発明は、請求項1において、被蒸着体と放熱部材の間に可撓性と熱伝導性の高い密着部材を介在させるようにしたので、被蒸着体の熱を密着部材を介して放熱部材に効率高く伝熱して放熱することができ、被蒸着体の熱の放熱効果を高く得ることができるものである。
【0033】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、放熱部材として被蒸着体と反対側の面に凹凸を有するものを用いるようにしたので、放熱部材の表面積を大きくして放熱効果を高めることができ、被蒸着体が加熱されることを防止する効果を高く得ることができるものである。
【0035】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、搬送レールに被蒸着体の外側の位置において覆いを設けるようにしたので、筒状体からの熱が真空チャンバーで反射されて搬送レール上の被蒸着体に作用することを、覆いによって防ぐことができるものであり、被蒸着体が高温に加熱されることを防止できるものである。
【0036】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、筒状体の開口部をシャッターで開閉自在にしたので、蒸着を行なわないときには筒状体の開口部をシャッターで閉じることができ、筒状体の開口部から放射される熱で被蒸着体が加熱されることを防ぐことができるものである。
【0037】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、筒状体の外周を熱反射壁で囲うようにしたので、筒状体の外面から出る熱を熱反射壁で反射して、この熱が真空チャンバー内に放熱されることを防ぐことができるものであり、この熱で被蒸着体が高温に加熱されることを防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するための参考例を示すものであり、(a)は正面断面図、(b)は一部の平面図である。
【図2】 被蒸着体と放熱部材の実施の形態を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面断面図、(b)は一部の側面断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は一部の正面断面図、(b)は一部の平面図である。
【図5】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー
2 蒸着材料
3 被蒸着体
4 筒状体
5 放熱部材
6 密着部材
7 凹凸
8 搬送レール
9 開口部
10 冷却機構
11 覆い
12 シャッター
13 熱反射壁
Claims (6)
- 真空チャンバー内に蒸着材料及び被蒸着体を配置すると共に蒸着材料と被蒸着体との間に蒸着材料が蒸発される温度で内面が加熱された筒状体を配置し、蒸着材料を加熱して蒸発させ、蒸発させた物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面に到達させることによって、被蒸着体の表面に蒸着を行なうにあたって、被蒸着体の蒸着面と反対側の表面に放熱部材を付設し、被蒸着体を搬送して被蒸着体を筒状体の開口部に面する位置と開口部から外れる位置との間で移動させる搬送レールに、筒状体の開口部から外れる位置で被蒸着体を保持する部分において冷却機構を備え、搬送レールに沿って被蒸着体を搬送して、筒状体の開口部に面する位置に被蒸着体を位置させたときに蒸着を行なうことを特徴とする真空蒸着方法。
- 被蒸着体と放熱部材の間に可撓性と熱伝導性の高い密着部材を介在させることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着方法。
- 放熱部材として被蒸着体と反対側の面に凹凸を有するものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空蒸着方法。
- 搬送レールに被蒸着体の外側の位置において覆いを設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空蒸着方法。
- 筒状体の開口部をシャッターで開閉自在にしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着方法。
- 筒状体の外周を熱反射壁で囲うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の真空蒸着方法。
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