JP4180475B2 - 衣料用処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は衣料用処理剤組成物に関する。
皮膚や角質等の身体の最外層に位置する部分は、体内の成分や水分の損失、蒸散を防ぐ等の機能を恒常的に保つことが重要である。しかしながら、このような機能は、種々の内的要因あるいは外的刺激等により、その機能が低下し、皮膚に炎症を生じたり、肌荒れや皮膚の老化を助長したり、又、種々の皮膚疾患を引き起こす原因となる。また、近年アレルゲン等の刺激に対して非常に敏感に反応するアトピー性皮膚炎が増加する傾向にある。このため、皮膚や角質に常に接触する衣料にスキンケア効果を付与する研究が行われている。
特許文献1にはセラミド等の物質を含有する繊維処理剤が開示されている。特許文献2にはセリシンを含有する柔軟剤組成物が開示されている。特許文献3にはアスコルビン酸誘導体を含有する機能化繊維材料が開示されている。また、スキンケア効果を有する薬剤を繊維に吸着させる研究も行われている。特許文献4には自然保湿因子成分を衣類に固着させる繊維処理剤が開示されている。特許文献5にはスキンケア剤含有繊維の技術が開示されている。特許文献6には保湿剤と第4級アンモニウム塩を含有してなる繊維処理剤が開示されている。特許文献7にはヒアルロン酸等を繊維に固着させる技術が開示されている。しかしながら、保湿成分を繊維上に固着させる技術においては、繊維上に保湿成分が強固に保持されるため皮膚に対する効果が低いという問題があり、保湿成分を吸着させる技術においては、未だ十分な吸着量を得ることができず、満足できる効果を得ることができない。
一方、多糖類をアルキルポリオキシアルキレン基や陽イオン基で変成した化合物はすでに知られている。特許文献8にはアルキルグリセリルエーテル基を有する多糖類が開示されている。特許文献9、特許文献10及び特許文献11にはアルキルポリオキシアルキレン基や陽イオン基若しくはスルホアルキル基で変成した化合物が増粘剤として有効であることが開示されている。特許文献12には(A)炭素数10〜43のアルキル基等、(B)カルボキシメチル基、及び(C)炭素数1〜6のアルキレンアンモニウム基が置換した多糖誘導体が衣料用糊剤として有効であることが記載されている。しかしながら、これらは化粧品用途や、増粘剤もしくは分散剤として用いる技術であり、皮膚保湿成分の衣料への吸着を促進させる点や、それによって高いスキンケア効果を衣料に付与できる点について何ら示唆するものではない。さらに、特許文献13にはトイレタリー製品に有効な増粘剤が開示されている。また、該特許文献にはステロール類やセラミド類等の油性成分が配合可能であることが記載されている。しかしながら、特定の比率の多糖成分と皮膚保湿剤を含有する組成物が衣料への吸着性を向上させる点、及びそれによって高いスキンケア効果を衣料に付与できることについて何ら示唆されていない。
特開2001−146680号公報 特開2001−192970号公報 特開2002−61073号公報 特開2001−200478号公報 特開2002−146674号公報 特開2002−69848号公報 特開平9−158046号公報 特開平9−110901号公報 特開平10−292001号公報 特開平10−330401号公報 特開平11−106401号公報 特開2000−178303号公報 国際公開第00/73351号パンフレット
本発明の課題は、皮膚保湿成分の衣料への吸着性を促進させ、それによって高いスキンケア効果を衣料に付与できる衣料用処理剤組成物を提供することにある。
本発明は、(a)皮膚保湿成分と、(b)多糖類のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(b1)
−R1−(OA)a−B−R2 (b1)
[式中、R1はヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、Aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、aは8〜300の数を示し、a個のAは同一又は異なっていてもよい。Bは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R2はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。]
で表される基(以下基(b1)という)で置換されている多糖誘導体(基(b1)中のヒドロキシ基の水素原子は更に基(b1)で置換されていてもよい)とを、(a)成分/(b)成分=1/100〜9/1の質量比で含有する衣料用処理剤組成物、並びに(a)成分を、この衣料用処理剤組成物で処理した衣料から放出させる方法を提供する。
本発明の衣料用処理剤組成物は、衣料に皮膚保湿成分を吸着させ、優れたスキンケア効果を衣料に付与することができる。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、皮膚保湿成分である。ここで、皮膚保湿成分は、「新しい化粧品素材の効能・効果・作用(上)」、株式会社シーエムシー、1998年第一刷発行、207頁〜330頁に記載の化合物から選択することができる。本発明における皮膚保湿成分として、好ましくは分子量100〜3000、より好ましくは500〜1500のアミノ基含有皮膚保湿成分、好ましくは分子量100〜3000、より好ましくは200〜1500の非イオン性皮膚保湿成分、好ましくは分子量50〜1000万、より好ましくは5万〜500万の糖系高分子化合物が挙げられる。より具体的には下記(I)〜(IX)群から選ばれる化合物が保湿効果の点から好適である。
(I)一般式(a1)で表されるアミン化合物
Figure 0004180475
〔式中、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、少なくとも一方には、窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基が置換されている。Dは−O−又は−OCO−から選ばれる基であり、R5はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。〕
(II)一般式(a2)で表されるアミド化合物
Figure 0004180475
〔式中、R6及びR8は同一又は異なって、ヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数1〜40の炭化水素基であり、少なくとも一方はヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数12〜40の炭化水素基である。R7はヒドロキシ基又はアルキルオキシ基で置換されていても良い炭素数1〜5の炭化水素基である。Eは−O−又は−OCO−から選ばれる基であり、bは0又は1の数である。〕
(III)セラミド類から選ばれる化合物
(IV)イソステアリル基、イソステアロイル基、オレイル基、オレオイル基及びコレステリル基から選ばれる1種以上の基と、エーテル基、エステル基、アミド基、ヒドロキシ基及びカルボキシル基から選ばれる1種以上の基を有する化合物
(V)(IV)の化合物以外のステロール類、トレハロース、セラキルアルコール、エリトリトール、ペンタエリスリトール及びグルコースからなる群から選ばれる化合物
(VI)水溶性多糖類、ムコ多糖類及びオリゴ糖からなる群から選ばれる化合物
(VII)融点が0℃以下の油脂
(VIII)ワセリン又は融点が40〜90℃のロウからなる群から選ばれる化合物
(IX)炭素数2〜24の飽和又は不飽和脂肪酸
(I)群の化合物において、より具体的には一般式(a1−1)で表される化合物及び一般式(a1−2)で表される化合物が好適である。
Figure 0004180475
〔式中、R3aは、水素原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、R5aは、環構造を有していてもよく、かつヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数6〜40の炭化水素基を示す。〕
Figure 0004180475
〔式中、R3bは、水素原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、R5bは、環構造を有していてもよく、かつヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数6〜40の炭化水素基を示す。〕
一般式(a1−1)及び(a1−2)において、R3a及びR3bとしては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシペンチル、2,3−ジヒドロキシプロピル−2,3,4−トリヒドロキシブチル、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルから選ばれる炭化水素基が好適である。
また、R5a及びR5bとしては、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコシル、ドトリアコンチル、エイコシル、メチル分岐イソステアリル、メチル分岐イソパルミチル、2−エチルヘキシル、7−ヘキサデセニル、2−ヘプチルウンデシル、5,7,7−トリメチル−2−オクタデセニル、9,12−オクタデカジエニル、4,8,12−トリメチルトリデシル、4−メチル−3−ペンテニル、シクロヘキシル、フェニル、トコフェリル、ベンジル、コレステリル、12−ヒドロキシオクタデシル、12−ヒドロキシドデシル、9−ヒドロキシノニル、9,10−ジヒドロキシオクタデシル、4−ドデシロキシフェニル、4−(9−ヒドロキシノニルオキシ)フェニル、9−(4−ブトキシフェニルオキシ)ノニル、4−(ドデシルアミノカルボニル)フェニル、11−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ウンデシル、11−(フェニルジメチルシリル)ウンデシル、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)オクタデシル、12−ヒドロキシ−9−オクタデセニル、12−メトキシオクタデシル、10−(2−エチルヘキシルオキシ)デシル、11−カルボキシウンデシル、11−ブトキシカルボニルウンデシル、11−(2−エチルヘキサノイルアミノ)ウンデシル、11−(ブチルジメチルシリル)ウンデシル、トコフェリル、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)オクタデシルから選ばれる基が好適である。
なお、(I)群の化合物は、特開平6−271443号公報、特開平6−271444号公報、特開平6−271449号公報、特開平6−271450号公報等に記載の方法により製造することができる。
(II)群の化合物において、一般式(a2)中、R6及びR8としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ヘンエイコシル、ドコシル、ノナコシル、トリアコンチル、イソステアリル、イソヘプタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルヘプチル、8−ヘプタデシル、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、2−ヘプチルウンデシル、9−オクタデセニル、1−ヒドロキシノニル、1−ヒドロキシペンタデシル、2−ヒドロキシペンタデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、11−ヒドロキシヘプタデシル及び11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル等が挙げられる。
6としては、ヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル若しくはアルケニル基が好ましく、例えばノニル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、ヘンエイコシル、ノナコシル、イソヘプタデシル、1−エチルヘプチル、8−ヘプタデシル、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、1−ヒドロキシノニル、1−ヒドロキシペンタデシル、2−ヒドロキシペンタデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、11−ヒドロキシヘプタデシル及び11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニルが好適である。R6として特に好ましい炭化水素基は炭素数11〜21の直鎖及び分岐鎖のアルキル基であり、例えばウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、ヘンエイコシル及びメチル分岐イソヘプタデシル基である。
8としては、炭素数8〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル若しくはアルケニル基が好ましく、具体的にはオクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコシル、トリアコンチル、イソステアリル、2−エチルヘキシル、2−ヘプチルウンデシル及び9−オクタデセニルが好適である。
7は、ヒドロキシ基又はアルキルオキシ基で置換されていても良い炭素数1〜5の炭化水素基であり、好ましくはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メトキシプロピル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシエチル基である。
Eは−O−又は−OCO−から選ばれる基であり、−O−が好ましい。bは0又は1の数である。
なお、(II)群の化合物は、特開平8−319263号公報、特開平8−319233号公報、特開平9−110667号公報等に記載の方法により製造することができる。
(III)群の化合物は天然セラミド及び/又は合成セラミドであり、具体的には下記13種類の化合物を挙げることができる。
セラミド1:C17H31COOC29H58CONHCH(CH2OH)CH(OH)C15H29
セラミド2:C23H47CONHCH(CH2OH)CH(OH)C15H29
セラミド3:C23H47CONHCH(CH2OH)CH(OH)CH(OH)C14H29
セラミド4:C24H49CH(OH)CONHCH(CH2OH)CH(OH)C15H29
セラミド5:C22H45CH(OH)CONHCH(CH2OH)CH(OH)C15H29
セラミド6:C22H45CH(OH)CONHCH(CH2OH)CH(OH)CH(OH)C14H29
セラミド7:HOC2H4OCH2NHCO(CH2)6CH(CH3)C3H6CH(CH3)(CH2)6CONHCH2OC2H4OH
セラミド8:HOC2H4OCH2NHCO(CH2)18CONHCH2OC2H4OH
セラミド9:CH3OC3H6NHCO(CH2)6CH(CH3)C3H6CH(CH3)(CH2)6CONHC3H6OCH3
セラミド10:CH3OC3H6NHCO(CH2)18CONHC3H6OCH3
セラミド11:CH3OC3H6NHCO(CH2)8CONHC3H6OCH3
セラミド12:CH3(CH2)11OC3H6NHCO(CH2)8CONHC3H6O(CH2)11CH3
セラミド13:CH3CH2CH2CH2CH(C2H5)CH2NHCO(CH2)8CONHCH2CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3
(IV)群の化合物としては、一般式(a3)で表される化合物及び一般式(a4)で表される化合物から選ばれる1種以上が好適である。
(R9c−G (a3)
9−I−R9 (a4)
〔式中、R9はイソステアリル基、イソステアロイル基、オレイル基、オレオイル基及びコレステリル基から選ばれる基であり、Gはヒドロキシ基又はカルボキシル基を2〜5個有する総炭素数2〜10の化合物G’からエステル結合でR9と結合しているヒドロキシ基及び/又はカルボキシル基を除いた基である。cは1〜3の数である。Iは−O−及び−N(R10)−から選ばれる基であり、R10は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。なお、分子中に複数個のR9が存在する場合には、複数個のR9は同一でも異なっていてもよい。〕
化合物G’として、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン(平均重合度1〜3)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、メチルグルコシド、サッカロース、キシリトール、ソルビトール、マンイトール、ソルビタンから選ばれる多価ヒドロキシ化合物、あるいはコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸(多価ヒドロキシ化合物として扱ってもよい)、クエン酸から選ばれる多価カルボン酸が挙げられる。
一般式(a3)で表される化合物は、式 R9−J1
(ここで、J1はR9がイソステアロイル基又はオレオイル基の場合にはOH、OR11、−J2であり、R9がイソステアリル基、オレイル基又はコレステリル基の場合にはOHである。R11はメチル基又はエチル基であり、J2はハロゲン原子である。)
で表される化合物と化合物G’との縮合反応により得ることができる。また、式R9−J1で表される化合物は、化合物G’とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシドールから選ばれる化合物に由来する基を介して結合してもよい。この場合において、これらの付加モル数は1〜10、好ましくは1〜5である。
一般式(a3)で表される最も好ましい化合物は、イソステアリルグリセリルエーテル、コレステリルグリセリルエーテル、オレイルグリセリルエーテル、ペンタエリスリトールイソステアリルグリセリルエーテル、オレイルモノクエン酸エステル、コレステリルモノコハク酸エステル、コレステリルジコハク酸エステル、イソステアリルモノコハク酸エステル、イソステアリン酸モノ、ジ、トリグリセライド、オレイン酸モノ、ジ、トリグリセライド、オレイン酸ポリグリセリンエステル(平均重合度1〜10)、オレイン酸ソルビタンエステルから選ばれる1種以上であり、ペンタエリスリトールイソステアリルグリセリルエーテル、コレステリルモノコハク酸エステル、及びオレイン酸ポリグリセリンエステル(平均重合度1〜10)、オレイン酸ソルビタンエステルが最も好ましい。
一般式(a4)で表される化合物の好ましい具体例としては、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリルアミドであり、特にイソステアリン酸コレステリルが最も好ましい。
(V)群の化合物としては、(IV)群の化合物以外のステロール類が好ましく、具体的にはコレステロール、カンベステロール、ステグマスタノール、ステグマステロール、パリステロール、クリオナステロール、γ−シトステロール、ステグマステノール、サルガステロール、アペネステロール、エスゴスタノール、シトステロール、コルビステロール、コンドリラステロール、ポリフェラステロール、ハリクロナステロール、ネオスボンゴステロール、フコステロール、アプトスタノール、エルゴスタジエノール、エルゴステロール、22−ジヒドロエルゴステロール、ブラシカステロール、24−メチレンコレステロール、5−ジヒドロエルゴステロール、デヒドロエルゴステロール、フンギステロール、コレスタノール、コプロスタノール、ジモステロール、7−ヘトコレステロール、ラトステロール、22−デヒドロコレステロール、β−シトステロール、コレスタトリエン−3β−オール、コプロスタノール、コレスタノール、7−デヒドロコレステロール、24−デヒドリコレスタジオン−3β−オール、エキレニン、エキリン、エストロン、17β−エストラジオール、アンドロスト−4−エン−3β−17β−ジオール、デヒドロエビアンドステロン等を挙げることができ、特にコレステロールが好ましい。
(VI)群の化合物において、水溶性多糖類としては、L−フコース、D−ガラクトース、D−ガラクツロン酸、D−グルクロン酸、L−ラムノース、D−リボース、D−リブロン酸等を挙げることができる。ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、キチン、キトサン等を挙げることができる。オリゴ糖としてはマルトース、キシロビオース、イソマントース、ラクトース、スクロース、ラフィノース、マルトトリオース、キシロトリオース、マルトテトラオース、キシロテトラオース、マルトペンタオース、キシロペンタオース、マルトヘキサオース、キシロヘキサオース、マルトヘプタオース、キシロヘプタオース等を挙げることができる。本発明において(VI)群の化合物としてはヒアルロン酸が最も好ましい。
(VII)群の化合物としては、「油脂化学便覧」(丸善(株)発行改訂3版(平成4年1月15日発行)日本油化学協会編集)、99頁〜102頁に記載の油脂を用いることができ、本発明では特にヨウ素価が50〜110(Ig/100g)の化合物が好適である。具体的には菜種油、ひまわり油、ツバキ油、オリーブ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、コーンオイル、グレープシードオイル、月見草油、亜麻仁油、しそ油、ボリジ油、ブラックカラント油から選ばれる植物油脂が好適である。
(VIII)群の化合物としては「油脂化学便覧」(丸善(株)発行改訂3版(平成4年1月15日発行)日本油化学協会編集)、104頁表2・4に記載のロウ化合物およびワセリンが好適であり、特に保湿効果の点からワセリンが好ましい。
(IX)群の化合物としては、炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、炭素数14〜22の脂肪酸が特に好ましい。特にγ−リノレン酸、イソステアリン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸が好ましい。
本発明の(a)成分としては、特に(I)、(II)、(III)、(IV)、(VIII)、(IX)群から選ばれる化合物が好適であり、(I)、(II)、(III)、(VIII)、(IX)群から選ばれる化合物が最も好ましい。
[(b)成分]
本発明の(b)成分は多糖類のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、基(b1)で置換されている多糖誘導体である。尚、基(b1)中のヒドロキシ基の水素原子は更に基(b1)で置換されていてもよい。
本発明の(b)成分は、多糖類としてセルロース類を用いた場合を例に挙げれば、その繰返し単位は、一般式(1)で表される。
Figure 0004180475
〔式中、R12,R13及びR14は同一又は異なって、(i):水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等、(ii):ポリオキシアルキレン基を含む基、(iii):ヒドロキシ基で置換されていてもよいスルホアルキル基、(iv):ヒドロキシ基で置換されていてもよいカルボキシアルキル基、(v):ヒドロキシ基で置換されていてもよいカチオン性基から選ばれる基を示し、Q1,Q2及びQ3は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、d,e及びfは、同一又は異なって0〜10の数を示す。Q1O基、Q2O基、Q3O基、R12、R13、R14、d、e及びfは、繰り返し単位内で又は繰り返し単位間で同一でも異なってもよく、また上記置換基(ii)〜(v)中のヒドロキシ基は更に他の置換基(ii)〜(v)で置換されていてもよい。但し、多糖類のヒドロキシ基の水素原子の少なくとも1つが基(b1)で置換されるように、R12,R13及びR14は上記基から選択される。〕
基(b1)におけるAとしては、炭素数2又は3のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、トリメチレン、2−ヒドロキシトリメチレン、1−ヒドロキシメチルエチレン、1−オキソエチレン、1−オキソトリメチレン、1−メチル−2−オキソエチレン等が挙げられ、エチレン、プロピレン又はトリメチレンが好ましい。aで表される(−OA−)の平均付加モル数は、皮膚保湿成分の吸着性の点から8〜120、特に10〜60が好ましく、a個のAは同一でも異なってもよい。Bはエーテル結合(−O−)又はオキシカルボニル基(−COO−又は−OCO−)であるが、エーテル結合が好ましい。
基(b1)におけるR2としては、炭素数5〜25、特に6〜20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が好ましく、また、安定性の点から、アルキル基、特に直鎖アルキル基が好ましい。具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基等が好ましい。
本発明の(b)成分における、基(b1)による置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0、更に0.0005〜0.5、特に0.001〜0.1の範囲が好ましい。
本発明の(b)成分は、多糖類のヒドロキシ基の水素原子が基(b1)に加え、更に以下に示す基(b2)、(b3)及び(b4)から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。また、基(b1)〜(b4)中のヒドロキシ基の水素原子は、更に基(b1)〜(b4)で置換されていてもよい。
基(b2):ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩
基(b2)としては、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、なかでも安定面や製造面より3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。これら基(b2)は、その全てあるいは一部がNa,K,Ca,Mg等の1族又は2族元素、アミン類、アンモニウム等の有機カチオン等との塩となっていてもよい。これら基(b2)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜1.0、更に0〜0.8、特に0〜0.5の範囲が好ましい、
基(b3):ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数2〜6のカルボキシアルキル基又はその塩
基(b3)としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基等が挙げられ、なかでも安定面や製造面より、カルボキシメチル基が好ましい。これら基(b3)は、その全てあるいは一部がNa,K,Ca,Mg等の1族又は2族元素、アミン、アンモニウム等の有機カチオン等との塩となっていてもよい。これら基(b3)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜1.0、更に0〜0.8、特に0〜0.5の範囲が好ましい。
基(b4):一般式
Figure 0004180475
〔式中、R15はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R16、R17及びR18は同一又は異なって、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、X-はヒドロキシイオン、ハロゲンイオン又は有機酸イオンを示す。〕
で表されるカチオン性基
基(b4)におけるR15としては、炭素数2又は3のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、トリメチレン、2−ヒドロキシトリメチレン、1−ヒドロキシメチルエチレン等が好ましい。
基(b4)におけるR16、R17及びR18としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられ、中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
基(b4)におけるX-で表されるハロゲンイオンとしては塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が、有機酸イオンとしては、CH3COO-、CH3CH2COO-、CH3(CH22COO-等が挙げられる。X-としては、ヒドロキシイオン、塩素イオン及び臭素イオンが好ましい。
これら基(b4)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜0.5、特に0〜0.3の範囲が好ましい。
本発明の(b)成分は、例えば多糖類を、一般式(b1−1)
19−(OA)a−B−R2 (b1−1)
〔式中、R19は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルキル基、又はカルボキシ基若しくは炭素数2〜6のカルボキシアルキル基若しくはそれらの誘導体を示し、a,A,B及びR2は前記と同じ意味を示す。〕
で表される構造を有するポリオキシアルキレン化剤と反応させることにより、又は更に以下の(b2−1)、(b3−1)及び(b4−1)から選ばれる1以上の化合物と反応させることにより、製造することができる。
(b2−1):ビニルスルホン酸、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のハロアルカンスルホン酸、炭素数2〜6のエポキシ基を有するスルホン酸及びそれらの塩から選ばれるスルホン化剤
(b3−1):ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数2〜6のハロゲン化カルボン酸及びその塩から選ばれるカルボキシ化剤
(b4−1):一般式
Figure 0004180475
〔式中、R20は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルキル基を示し、R16、R17、R18及びX-は前記と同じ意味を示す。〕
で表される構造を有するカチオン化剤
すなわち、本発明の(b)成分は、一般式(b1−1)で表される構造を有するポリオキシアルキレン化剤との反応以外に、任意に多糖類のヒドロキシ基の水素原子を全てポリオキシアルキレン化〔基(b1)の導入〕することにより、又は当該水素原子を部分的にポリオキシアルキレン化〔基(b1)の導入〕し、必要に応じてスルホン化〔基(b2)の導入〕、カルボキシ化〔基(b3)の導入〕及びカチオン化〔基(b4)の導入〕することにより得られる。これらポリオキシアルキレン化反応、スルホン化反応、カルボキシ化反応及びカチオン化反応はどの順序で行ってもよく、また2〜4の反応を同時に行うこともできるが、ポリオキシアルキレン化反応、カチオン化反応、カルボキシ化反応、スルホン化反応の順で反応を行うのが好ましい。
(b)成分の製造に用いられる多糖類としては、セルロース、グァーガム、スターチ、ブルラン、デキストラン、フルクタン、マンナン、寒天、カラギーナン、キチン、キトサン、ペクチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等の多糖:これらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げられる。これらの置換基は、構成単糖残基中に単独で又は複数の組合せで置換することができ、これら多糖の誘導体の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルグァーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグァーガム、メテルスターチ、エチルセルロース、エチルグァーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグァーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグァーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグァーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。これら多糖類のうち、セルロース、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。また、上記多糖の誘導体の置換基は、ヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシ基に更に置換して、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することで、構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であり、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10.0、特に0.5〜5.0が好ましい。また、これら多糖類の重量平均分子量は、1万〜1000万、10万〜500万、特に30万〜200万の範囲が好ましい。
なお、本発明の(b)成分は、国際公開第00/73351号パンフレットに記載の方法で製造することができる。
[衣料用処理剤組成物]
本発明の衣料用処理剤組成物は、該組成物を使用する方法によって任意の形態を採用することができる。具体的には、(1)対象衣料を該組成物に浸漬させた後、脱水/乾燥を行う方法(以下、方法1という)、(2)該組成物を噴霧装置を具備する容器に充填し、対象衣料に直接噴霧した後、乾燥するか又はアイロンがけをする方法(以下、方法2という)、(3)該組成物を不織布等の可撓性吸収体に担持させた物品を対象衣料と共に回転式加熱乾燥装置に入れて加熱処理を行う方法(以下、方法3という)等を挙げることができる。
方法1において、浸漬とは対象衣料が本発明の組成物に完全に浸される状態をいう。このような方法に供させる組成物としては、(a)成分及び(b)成分を水に溶解又は分散させた水溶液の形態が好ましく、(a)成分の含有量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましく5.0〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%、最も好ましくは10〜25質量%であり、(b)成分の含有量は、好ましくは0.01〜20.0質量%、より好ましく0.01〜10.0質量%、特に好ましくは0.1〜5.0質量%であり、水の含有量は好ましくは40〜99質量%、より好ましく50〜95質量%、特に好ましくは65〜90質量%である。また(a)成分の吸着を効率的に行わせる目的から、(a)成分/(b)成分の質量比は、好ましくは1/50〜9/1、より好ましくは1/10〜9/1、特に好ましくは1/3〜8/1、最も好ましくは1/1〜8/1である。本発明の組成物のpHは貯蔵安定性の点から、好ましくは2.0〜9.0、より好ましくは2.0〜7.0であり、このようなpHに調整する方法としては通常の硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸、コハク酸等の酸と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ剤を用いることができる。
水溶液の形態の場合、(a)成分は水不溶性の化合物が多いため、(a)成分を分散、可溶化、又は乳化させる目的、及び貯蔵安定性の点から本発明の効果を損なわない程度に界面活性剤を併用することが好ましい。
方法1に用いることができる界面活性剤(以下(c)成分という)としては、アルキル基の炭素数8〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数8〜36のアルキル硫酸エステル塩、オキシエチレン基の平均付加モル数が1〜4、アルキル基の炭素数8〜36のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数12〜22のアルキル基を有するアルキルエーテルカルボン酸塩、炭素数12〜22のアルキル基を有するアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、オキシアルキレン基の平均付加モル数が4〜20、アルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、アルキル基の炭素数が8〜16、平均縮合度が1〜5のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜16の脂肪酸ソルビタンエステルから選ばれる非イオン界面活性剤、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数が12〜22のアルキル基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム型陽イオン界面活性剤、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン型又はカルボベタイン型両性界面活性剤を挙げることができる。
方法1に供される本発明の組成物では貯蔵安定性の点から陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が好ましく、特に一般式(c1)又は一般式(c2)で表される陽イオン界面活性剤、及び一般式(c3)で表される非イオン界面活性剤から選ばれる化合物が好適である。
Figure 0004180475
[式中、R22及びR24はそれぞれ独立に、炭素数10〜22、好ましくは14〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、K及びLはそれぞれ独立に、−COO−、−CONR28−、−OCO−又は−NR28CO−である。ここでR28は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくは水素原子を示す。また、R23及びR25はそれぞれ独立に、炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R26は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、もしくはR22−K−R23−である。R27は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。m及びnはそれぞれ独立に、0又は1の数、好ましくは1の数である。Z-は、無機又は有機の陰イオンであり、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオンである。]
29−M−[(R30O)p−H]q (c3)
[式中、R29は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R30は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。また、pは2〜60、好ましくは5〜40、特に好ましくは20〜40の数である。MはO又は−CON−であり、MがOの場合はqは1であり、Mが−CON−の場合はqは2である。]
方法1に供される本発明の組成物中の(c)成分の含有量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
方法1に供される本発明の組成物には貯蔵安定性改善する目的、及び(a)成分を組成物中に安定に溶解、分散もしくは可溶化させる目的から、水溶性の有機溶剤(以下(d)成分という)を用いることが好ましい。具体的に好ましい有機溶剤としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオールが好適であり、特にグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールが好ましい。このような有機溶剤は本発明の組成物中に好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。
方法1に供される本発明の組成物には、貯蔵安定性の点から、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、及びこれらのアルキレンオキシド付加物(以下(e)成分という)を組成物中0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%配合することが好ましい。エステル化合物としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステルが好ましい。また、これら化合物にアルキレンオキシドを付加させる場合にはエチレンオキシドが好適であり、平均付加モル数は10〜200、好ましくは20〜150である。
方法1に供される本発明の組成物の製造方法としては、先ず、(b)成分と水溶性ポリオールと水(又は(b)成分と水溶性ポリオール水溶液)を混合して組成物(1a)を得、さらに(a)成分を含む疎水性化合物を混合して組成物(1)を製造する。その場合、組成物(1a)中の(b)成分の含有量は1〜10質量%、水溶性ポリオールの含有量は10〜90質量%であることが好ましい。また、水溶性ポリオールと水の質量比は10/90〜90/10であるのが好ましい。ここで水溶性ポリオールと水とを先に混合して水溶性ポリオール水溶液を調製した後、該水溶液を(b)成分と好ましくは攪拌しながら混合して組成物(1a)を製造するのがより好ましい。
組成物(1a)と混合する疎水性化合物の量は組成物(1a)に含有される(b)成分1質量部に対し、0.01〜90質量部、さらに0.1〜80質量部、特に1〜70質量部であることが好ましい。
混合方法は特に限定されないが、適当な混合機械力下に、組成物(1a)に疎水性化合物を一括添加するか徐々に連続的に添加、もしくは所定量を何回かに分けて添加しても良い。この時、滴下速度または分割添加の回数は特に限定されないが、良好な混合状態が得られるように適宜調製することが好ましい。所定量の疎水性化合物が全て混合され、本発明の組成物(1)が得られる。
また、本発明の別の態様では組成物(1)は次のようにして調製することができる。すなわち、(b)成分と、(a)成分を含む疎水性化合物とを混合し、組成物(1b)を調製する。組成物(1b)中の疎水性化合物の量は組成物(1b)に含有される(b)成分1質量部に対し、0.01〜90質量部、さらに0.1〜80質量部、特に1〜70質量部であることが好ましい。
次に組成物(1b)と水溶性ポリオール水溶液とを攪拌しながら混合して上記組成物(1)を製造する。この場合、水溶性ポリオールの組成物(1)中の含有量は(b)成分1質量部に対して2〜50質量部、さらに2〜40質量部、特に4〜35質量部であるのが好ましい。
混合方法は特に限定されないが、適当な混合機械力下に、(b)成分と疎水性化合物を一括添加するか徐々に連続的に添加、もしくは所定量を何回かに分けて添加しても良い。この時、滴下速度または分割添加の回数は特に限定されないが、良好な混合状態が得られるように適宜調製することが好ましい。所定量の疎水性化合物が全て混合され、組成物(1b)が得られ、更に組成物(1b)と水溶性ポリオール水溶液とを攪拌しながら混合すると組成物(1)が得られる。
組成物(1)をついで水と混合して目的の乳化物を得る。水との混合方法は特に限定されず、組成物(1)の粘度と混合する水の量に応じて適当な機械力下にて混合される。混合される水の量は組成物(1)/水の質量比が1/99〜99/1、さらに1/99〜65/35、特に1/99〜50/50の範囲であることが好ましい。
方法1は、上記本発明の組成物を衣料の洗濯工程におけるすすぎの段階で用いることが好適であり、方法1に供される本発明の組成物をすすぎ水に対して、好ましくは0.02〜0.15質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%、特に好ましくは0.05〜0.1質量%用い、処理する衣料に対して、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.03〜1.2質量%、特に好ましくは0.07〜1質量%用いる。浸漬時間は、好ましくは1〜10分、より好ましくは1〜5分、特に好ましくは2〜4分であり、浸漬中は攪拌を加えてもよい。また、浸漬水の温度は、好ましくは0〜50℃、特に好ましくは5〜40℃である。対象衣料を浸漬した後は、脱水し自然乾燥、又は回転式加熱乾燥機を用いて乾燥することができる。
方法2に供させる本発明の組成物としては、(a)成分を好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜25質量%、(b)成分を好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.01〜30質量%、特に好ましくは0.01〜10質量%含有する水溶液の形態が好適である。また(a)成分の吸着を効率的に行わせる目的から、(a)成分/(b)成分の質量比は、好ましくは1/100〜8/1、より好ましくは1/50〜8/1が好適である。本発明の組成物のpHは貯蔵安定性の点から、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7が好適であり、このようなpHに調整する方法としては、上記方法1と同様である。
また、(a)成分の貯蔵安定性、及び水に分散、可溶化又は乳化させる目的から上記(c)成分を併用することができるが、このような界面活性剤を多量に用いると噴霧した組成物の大部分は衣料に残るため、衣料の感触を変化させたり、逆に皮膚に対して刺激を与える場合があるため好ましくない。このため、方法2に供される本発明の組成物中の(c)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
方法2に供される本発明の組成物には方法1と同様に貯蔵安定性改善する目的から、(d)成分を用いることが好ましく、特にエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオールが好ましく、とりわけエタノール、プロパノール、グリセリン、ジプロピレングリコールが好ましい。このような有機溶剤の含有量は組成物中、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。
方法2に供される本発明の組成物の製造方法は方法1と同様である。
方法2においては、本発明の組成物を噴霧装置を具備する容器に充填する。噴霧装置としてはトリガー式が好ましく、特に実開平4−37554号公報の第1図に示されているような液垂れや噴霧の均一性に優れる蓄圧式トリガーを用いることが良好である。
方法2に用いる好ましいトリガー式噴霧装置は、1回のストロークで0.2g〜3.0g、好ましくは0.2〜2.0g、特に好ましくは0.25〜1.8g、最も好ましくは0.3〜1.0g噴出するものが良好であり、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になる容器が好ましい。また、(a)成分を衣料100cm2当たり、好ましくは0.01〜4g、より好ましくは0.05〜3g、特に好ましくは0.1〜2gになるように均一に衣料にスプレーし、乾燥させることが好適である。
方法2は、洗濯工程の脱水が終了した濡れた状態の衣料に、本発明の組成物を噴霧した後、自然乾燥又は回転式加熱乾燥機による乾燥を行うことができる。
方法3は、(a)成分及び(b)成分を含有する本発明の組成物を不織布等の可撓性吸収体に担持させた物品を対象衣料と共に回転式加熱乾燥装置に入れて加熱処理を行う方法である。このような方法に供される本発明の組成物は、(a)成分を好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%、(b)成分を好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜25質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%含有する。また(a)成分の吸着を効率的に行わせる目的から、(a)成分/(b)成分の質量比は、好ましくは1/100〜8/1、より好ましくは1/50〜8/1である。また、融点が30〜100℃の有機結合剤(以下(f)成分という)を好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜80質量%含有する。
方法3において、配合することが出来る好ましい(f)成分として、(1)炭素数12〜28の脂肪酸又は脂肪族アルコール、(2)植物油、動物油から選ばれる油脂を水素化触媒を用いて水素化又は部分水素化した硬化油脂又は半硬化油脂、もしくはこれらのアルキレンオキシド付加物、(3)アルキレン基の炭素数が2又は3の平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリエチレングリコールを標準として求める)が1000〜15,000のポリアルキレングリコール、(4)アルキル基の炭素数が10〜18であり、オキシエチレン基の平均付加モル数が20〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数12〜18の脂肪酸とオキシアルキレン基の平均付加モル数20〜200のポリオキシアルキレンとのエステル化合物、(5)炭素数3〜8のヒドロキシ基を3〜6個有する多価アルコールと炭素数12〜20の脂肪酸とのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)、又はこれらのアルキレンオキシド付加物、(6)分子中に炭素数12〜36の炭化水素基を1又は2個、と残りが炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である第3級アミン化合物を挙げることができる。本発明では特に(4)の化合物及び(5)の化合物が好適であり、(5)の化合物が最も好ましい。
可撓性吸収体としては、紙、織物、不織布、スポンジを挙げることができ、特に空隙率が70〜90%の可撓性吸収体が好ましい。ここで、空隙率は下式で求めることができる。
空隙率=[1−W/(T*ε)]×100
〔式中、Wは可撓性吸収体の質量であり、Tは可撓性吸収体の体積であり、εは可撓性吸収体を構成する材料の比重を示す。〕
本発明では特に、効率的に(a)成分を吸着させる目的から不織布が最も好適である。不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等の乾式不織布の他にスパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ及び/又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、メルトブローン又はスパンレースから選ばれる1種以上が好ましい。また、不織布は坪量10〜150g/m2、より好ましくは10〜100g/m2、特に好ましくは15〜80g/m2のものが好適である。
不織布の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルから選ばれる疎水性繊維、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、セルロースから選ばれる親水性繊維を用いることができる。本発明では疎水性繊維及び親水性繊維を併用することができるが、疎水性繊維の割合が50質量%以上であることが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルから選ばれる1種以上の繊維を50質量%以上含有する不織布が好適である。
不織布を構成する繊維は1〜20dtex、好ましくは1〜10dtexが好適であり、繊維長は38〜102mmが好適である。
本発明に用いられる可撓性吸収体はブロック状でもよくシート状でも良いが、しわ除去効果の点からシート状のものが良好である。シートの厚さとしては、好ましくは平均20μm〜1000μm、特に好ましくは50μm〜500μmであり、回転式加熱乾燥機の大きさにもよるが、縦;10〜30cm、横;10〜50cm程度の大きさのものが適当である。
方法3に供される物品は上記可撓性吸収体に上述の本発明の組成物を担持させる。可撓性吸収体がシート状のものを用いる場合において、本発明の組成物の担持量は、好ましくは3〜80g/m2、より好ましくは5〜60g/m2、特に好ましくは10〜45g/m2である。また、可撓性吸収体の空隙率に対して10〜60%、好ましくは20〜50%の容積になるように担持させることが好ましい。担持方法としては、リバースロールコーター法、グラビアロールコーター法、オポジットナイフコーター法、インバースナイフコーター法、キスロールコーター法、スプレーコート法、エアナイフコーター法、デイィップロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、ハケ塗り法等の湿式コーティング法を用いて担持させることができ、特にグラビアロールコーター法が製造の容易性の点から好ましい。
方法3においては、対象衣料、及び上記物品を回転式加熱乾燥機に投入し加熱処理する。対象衣料に対する上記物品の比率は、上記物品中の本発明の組成物の質量が衣料製品の質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.03〜3質量%になる比率である。また、衣料製品の量は回転式加熱乾燥機の乾燥室の体積に対して少ないほど良く、30g/m3以下になるように投入することが好ましい。また、このような回転式加熱乾燥機処理において、温度は30〜120℃、好ましくは40〜100℃であり、処理時間は、好ましくは5〜40分、より好ましくは10〜30分程度が好適である。
方法1〜方法3に供される本発明の組成物には、通常繊維処理剤に配合されるシリコーン、香料(特に好ましくは特開平8−11387号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ)あるいは色素等の成分を配合しても差し支えない。
実施例に用いる配合成分を以下にまとめて示す。
<配合成分>
・(a)成分
(a−1):特開平6−271443号公報の製造例1に記載の方法で得られた1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−トコフェリルオキシ−2−プロパノール
(a−2):特開平8−319263号公報の実施例における化合物(1h)(一般式(a2)において、R6:C1531、R7:−C24OCH3、E:O、R8:C1633、b:1の化合物)
(a−3):上記セラミド4
(a−4):コレステリルヘミアルケニルコハク酸エステル
(a−5):コレステロール
(a−6):ヒアルロン酸ナトリウム
(a−7):ひまわり油
(a−8):ワセリン
(a−9):オレイン酸ジグリセライド
・(b)成分
(b−1):下記合成例1で製造したポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体
(b−2):下記合成例2で製造したポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体
・(c)成分
(c1−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−ステアロイルオキシエチル−N−メチルアミン
(c2−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
(c3−1):ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・(d)成分
(d−1):エタノール
(d−2):グリセリン
・(e)成分
(e−1):硬化ひまし油にエチレンオキシドを40モル付加させた化合物
・(f)成分
(f−1):ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト(花王(株)製レオド−ルTW−S106)
(f−2):ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト(花王(株)製レオド−ルTW−S120)
(f−3):ソルビタンモノステアレ−ト(花王(株)製レオド−ルSP−S10)
合成例1:(b−1)の合成
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(NATROZOL 250G,ハーキュレス社製)160g、含水80%イソプロピルアルコール1280g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。この溶液に、次式(b1−1−1)
Figure 0004180475
で表される化合物31.8gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール700gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(b−1)152gを得た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のポリオキシアルキレン基を含む置換基(b1)の置換度は0.014であった。
合成例2:(b−2)の合成
重量平均分子量50万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP−4400H,ユニオンカーバイド社製)80g、含水80%イソプロピルアルコール640g、48%水酸化ナトリウム水溶液5.34gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。この溶液に、上記式(b1−1−1)で表される化合物12.78gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール500gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(b−2)73gを得た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のポリオキシアルキレン基を含む置換基(b1)の置換度は0.004であった。
実施例1
表1に示す(a)〜(e)成分を用い、表1に示す組成の衣料用処理剤組成物を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その吸着量を測定した。結果を表1に示す。
<吸着量測定方法>
20℃,4度硬水3900g中に各組成物を、(a)成分が15質量%となる割合で添加し1分間攪拌する(ミニ洗濯機使用)。その後、木綿メリヤス約16g×8枚(トータルで約130g)を加え5分間処理する。処理終了後脱水(3分)を行い一晩乾燥(風乾)させる。乾燥後、処理布から1gづつ切り取りヘキサン5mL(本発明品4の場合はイソプロピルアルコール(IPA)5ml)および内部標準を添加した後、バス式ソニケーターにて15分処理を行う。抽出液(ヘキサンまたはIPA)を用いキャピラリーGCにて定量を行う。
カラム:DB−1HT 15m
条件: 100℃→10℃/min→340℃→340℃保持36min
Figure 0004180475
*:20℃におけるpH、1/10規定硫酸水溶液及び1/10規定水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。
実施例2
実施例1と同様の衣料用処理剤組成物(本発明品1〜9及び比較品1)を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その性能を下記方法で評価した。その結果、本発明品で処理したものはいずれも、比較品1で処理したものに比べ皮膚の状態が良好であった。
<衣料への処理方法及び性能評価法>
木綿金巾#2003(谷頭商店製)を2槽式洗濯機(東芝(株)製2槽式洗濯機VH−360S1)で市販洗剤を用いて洗浄し(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。このものを25cm×25cmに裁断し、試験布を得る。この試験布10枚を全自動洗濯機(松下電器(株)製NA−F50K1)で市販洗剤を用いて再度洗濯する(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水量30L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水40秒)。最後のためすすぎの段階で、各組成物を30mL添加し、5分攪拌後脱水し、その後各試験布を広げ、平干しにして室内で自然乾燥させる。
この試験布1枚を4cm×4cmに切り抜き、入浴後に30代男性の左上腕内側に絆創膏で貼付ける。次の日の入浴前に該布を取り除き、入浴後、同じ場所に再び貼付ける。この操作を、それぞれ10人の30代男性に20日間続ける。終了後、皮膚表面の状態を目視で観察する。
実施例3
表2に示す(a)〜(e)成分を用い、表2に示す組成の衣料用処理剤組成物を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その性能を下記方法で評価した。その結果、本発明品で処理したものはいずれも、比較品2で処理したものに比べ皮膚の状態が良好であった。これは、(a)成分と(b)成分を併用することにより、繊維から(a)成分の保湿物質が皮膚へ効率よく転移したことによると推定される。
<衣料への処理方法及び性能評価法>
木綿金巾#2003(谷頭商店製)を2槽式洗濯機(東芝(株)製2槽式洗濯機VH−360S1)で市販洗剤を用いて洗浄し(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。このものを25cm×25cmに裁断し、試験布を得る。この試験布10枚を全自動洗濯機(松下電器(株)製NA−F50K1)で市販洗剤を用いて再度洗濯する(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水量30L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水40秒)。脱水終了後の試験布10枚にスプレーバイアル(マルエム社製No.6)を用いて各組成物を試験布に対して同質量になるように試験布全体に均一にスプレーする。その後各試験布を広げ、平干しにして室内で自然乾燥させる。
これらの試験布を実施例1と同様の方法で30代男性に貼り付ける操作を行い、操作終了後の皮膚表面の状態を目視で観察する。
Figure 0004180475
*:20℃におけるpH、1/10規定硫酸水溶液及び1/10規定水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。
実施例4
表3に示す(a)、(b)及び(f)成分を用い、表3に示す組成の衣料用処理剤組成物を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その性能を下記方法で評価した。その結果、本発明品で処理したものはいずれも、未処理のものと比べ皮膚の状態が良好であった。
<衣料への処理方法及び性能評価法>
各組成物を約70℃で溶融混合して、しわ除去剤を調製し、空隙率85%、坪量20g/m2、厚さ約200μmのポリエステル不織布にグラビアロールコーター法を用いて担持させる。この際、担持量は30g/m2になるよう調節する。こうして得られたシートを縦20cm、横30cmに裁断し試験用サンプルシートとする。
一般に市販されている男性用肌着(商品名:グンゼYG)を予め全自動洗濯機(松下電器産業(株)製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて10回繰り返し洗濯し、吊り干し乾燥したものを用意する。
家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業(株)製 NH−D502型)を用いて、吊り干し乾燥後の肌着を5枚と、試験用サンプルシート1枚を投入してから20分間乾燥機を運転する。この条件では、(a)成分の質量は衣料製品の質量に対して約0.3%となり、また衣料製品の量は乾燥室の体積に対して8g/m3になる。乾燥機で処理した肌着を乾燥機から取り出し室温で1時間放置する。
別の吊り干し乾燥後の肌着を5枚用い、試験用サンプルシートを入れない以外は同様の方法で、未処理品を得る。
これら肌着を4cm×4cmに裁断し、実施例1と同様の方法で30代男性に貼り付ける操作を行い、操作終了後の皮膚表面の状態を目視で観察する。
Figure 0004180475

Claims (4)

  1. (a)皮膚保湿成分と、(b)多糖類のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(b1)
    −R−(OA)−B−R (b1)
    [式中、Rはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、Aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、aは8〜300の数を示し、a個のAは同一又は異なっていてもよい。Bは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。]
    で表される基(以下基(b1)という)で置換されている多糖誘導体(基(b1)中のヒドロキシ基の水素原子は更に基(b1)で置換されていてもよい)とを、(a)成分/(b)成分=1/1〜8/1の質量比で含有する組成物であって、衣料の洗濯工程におけるすすぎの段階で用いられる衣料用処理剤組成物。
  2. (a)成分が、下記(I)〜(IX)群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1記載の衣料用処理剤組成物。
    (I)一般式(a1)で表されるアミン化合物
    Figure 0004180475

    〔式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、少なくとも一方には、窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基が置換されている。Dは−O−又は−OCO−から選ばれる基であり、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。〕
    (II)一般式(a2)で表されるアミド化合物
    Figure 0004180475
    〔式中、R及びRは同一又は異なって、ヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数1〜40の炭化水素基であり、少なくとも一方はヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数12〜40の炭化水素基である。Rはヒドロキシ基又はアルキルオキシ基で置換されていても良い炭素数1〜5の炭化水素基である。Eは−O−又は−OCO−から選ばれる基であり、bは0又は1の数である。〕
    (III)セラミド類から選ばれる化合物
    (IV)イソステアリル基、イソステアロイル基、オレイル基、オレオイル基及びコレステリル基から選ばれる1種以上の基と、エーテル基、エステル基、アミド基、ヒドロキシ基及びカルボキシル基から選ばれる1種以上の基を有する化合物
    (V)(IV)の化合物以外のステロール類、トレハロース、セラキルアルコール、エリトリトール、ペンタエリスリトール及びグルコースからなる群から選ばれる化合物
    (VI)水溶性多糖類、ムコ多糖類及びオリゴ糖からなる群から選ばれる化合物
    (VII)融点が0℃以下の油脂
    (VIII)ワセリン又は融点が40〜90℃のロウからなる群から選ばれる化合物
    (IX)炭素数2〜24の飽和又は不飽和脂肪酸
  3. 請求項1又は2記載の衣料用処理剤組成物を、衣料の洗濯工程におけるすすぎの段階で用いる、衣料の処理方法。
  4. (a)成分を、請求項1又は2記載の衣料用処理剤組成物で処理した衣料から放出させる方法。
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