JP4180361B2 - モータ付き電動ヒンジ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、携帯電話機、電子手帳、ノート型パソコンなどに取り付けられている可動対象物(蓋部や蓋等)の開閉動作に利用されるモータ付き電動ヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、大韓民国登録実用新案第20−0174766号公報がある。この公報に記載された携帯電話機には、モータ付き電動ヒンジ装置が開示され、このヒンジ装置は、テンキーが配列された本体と画面が設けられた蓋部(可動対象物)とのヒンジ連結部分に収容されて、携帯電話機の蓋部の電動開閉を可能にするものである。このヒンジ装置は、携帯電話機のヒンジ部分に収容させる必要性があるから小型のモータが利用され、小型モータゆえにトルクを増大させることが必要であり、トルク不足を補うためにギアドモータが採用されている。また、蓋部の電動開閉と手動開閉とを可能にするため、ギアドモータの出力軸の端部には突起部が設けられ、蓋部側には、この突起部を嵌め込むための凹部が設けられている。従って、電動開閉時には突起部と凹部との嵌合力によって蓋部が開閉し、手動開閉時には、突起部から凹部が外れることで、自由に蓋部が開閉する。
【0003】
【特許文献1】
大韓民国登録実用新案第20−0174766号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3079820号公報
【特許文献3】
特開平11−112630号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のモータ付き電動ヒンジ装置には、次のような課題が存在している。すなわち、突起部と凹部の嵌合力を強く設定すると、蓋部の電動開閉時に凹凸嵌合が外れにくくなるが、蓋部を手動開閉し難くなる。さらに、蓋部の電動開閉時に利用者が無理にその開閉を止めてしまうと、ギア機構が損傷する虞がある。これに対し、突起部と凹部の嵌合力を弱く設定すると、蓋部の電動開閉時に利用者が無理にその開閉動作を止めてしまったような場合でもギア機構に損傷を与え難くなるが、蓋部の電動開閉時に凹凸嵌合が外れてしまう場合がある。このように、電動ヒンジ装置は、ギア機構に対する損傷回避と手動時における蓋部の開け閉めのし易さとが両立するような配慮が必要であり、蓋部の手動開閉と電動開閉との2種類の開閉動作を考慮すると、小型化し難いといった問題点があった。
【0005】
本発明は、特に、可動対象物の手動回動と電動回動との2種類の回動動作を考慮しつつ、小型化に適するよう構成したモータ付き電動ヒンジ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置は、ギア機構部が設けられたモータによって可動対象物を回動させる電動ヒンジ装置において、ギア機構部と連動する出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、可動対象物に連結させる第1の回動部材と、出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、第1の回動部材に対して凹凸係合をもって連結した第2の回動部材と、出力軸と一体的に連れ回ると共に、第2の回動部材に対し摩擦係合をもって連結した第3の回動部材と、第3の回動部材を、第2の回動部材に向けて出力軸のスラスト方向に付勢して、第3の回動部材を第2の回動部材に圧着させ、第2の回動部材を第1の回動部材に圧着させる付勢手段と、モータ停止時において第2の回動部材に対するロックを行うロック手段とを備え、摩擦係合は、凹凸係合よりも保持力が弱いことを特徴とする。
【0007】
このモータ付き電動ヒンジ装置では、モータ自体のトルク不足を考慮してギア機構部が設けられており、このギア機構部に対する損傷回避や手動時における可動対象物の回動のし易さを配慮している。可動対象物を電動で回動させるにあたって、モータをオンにすると、出力軸の回動に伴って第3の回動部材が回動を開始する。このとき、付勢手段により、第3の回動部材と第2の回動部材との摩擦保持状態が維持されているので、第2の回動部材が第3の回動部材に追従して回動する。更に、付勢手段により、第2の回動部材と第1の回動部材との凹凸保持状態が維持されているので、第1の回動部材が第2の回動部材に追従して回動する。更に、第1の回動部材が回動することで可動対象物がそれに追従して回動する。このようにして、出力軸の回動力が第3の回動部材から順次第1の回動部材まで伝わることになる。また、可動対象物の電動回動の途中で利用者が無理にその回動を止めてしまったような場合でも、凹凸係合部分よりも保持力が弱い摩擦係合部分で滑りが発生し、これによって、第3の回動部分が第2の回動部材に対して空転し続け、第3の回動部材に連動している出力軸も空転することで、ギア機構部に無理な負荷が加わることがなく、ギア機構部が損傷するといった事態が回避される。これに対し、利用者が、可動対象物を手動によって回動させる場合、モータがオフ状態に維持され、第2の回動部材は、ロック手段によって制止させられているので、可動対象物の手動回動時において、凹凸係合が解除されることになり、その結果、手動によって可動対象物を自由に回動させることができる。従って、このような電動ヒンジ装置は、小型のモータのトルク不足を補いつつ、可動対象物の手動回動と電動回動との2種類の回動動作に配慮がなされており、小型化の促進に極めて効果的であり、特に、全長を短くする場合に適している。
【0008】
また、ロック手段は、一端がギア機構部側で固定されてスラスト方向に延在する片持ち支持状態の板バネ部と、第2の回動部材の外周に形成されると共に、板バネ部の遊端側に設けられた爪部が差し入れられる落ち込み部と、第3の回動部材の外周に形成されると共に、板バネ部を出力軸のラジアル方向に押圧して爪部を落ち込み部から外すロック解除用突起部とを備えると好適である。
【0009】
このようなロック手段を採用した場合、モータをオンすると、出力軸の回動に合わせて第3の回動部材と一緒にロック解除用の突起部が回動する。このとき、突起部が板バネ部をラジアル方向に押圧すると、板バネ部が撓みながら、爪部はラジアル方向に移動し、爪部が第2の回動部材の落ち込み部から外れてロックが解除され、第2の回動部材は自由に回動できる状態になる。その結果、摩擦係合力をもって、第2の回動部材は第3の回動部材に追従して回動することになる。そして、第2の回動部材の回動が開始されると、落ち込み部も回動方向に移動する。そのとき、突起部による押圧が解除された板バネ部が弾性復帰しても、爪部は落ち込み部内に入ることがなく、第2の回動部材の周面に当接し続け、第1及び第2の回動部材の回動状態は維持される。その後、移動し続ける落ち込み部内に爪部が入り込んだ時点で、第1及び第2の回動部材の回動は強制的に停止させられ、第2の回動部材はロック状態となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置は、携帯電話機、電子手帳、ノート型パソコンなどに取り付けられている可動対象物(蓋等)の開閉動作に利用され、スペースの狭い場所での適用に耐えるものである。図1に示すように、折りたたみ式携帯電話機1は、テンキー等の操作ボタン5が配列された本体2と、液晶画面3が嵌め込まれた蓋部(可動対象物)4と、電波を送受信するアンテナ5とから主として構成され、本体2と蓋部4とを軸を介してヒンジ結合させることによって蓋部4を開閉自在にしている。さらに、この携帯電話機1は、手動及び電動の何れの使用態様でも蓋部4の開閉を行うことができる電動開閉式タイプであり、片手で蓋部4を開閉することができ、それを達成するため、ヒンジ部分Sには電動ヒンジ装置10が収容されている。
【0012】
図2に示すように、この電動ヒンジ装置10は、折りたたみ式携帯電話機1のヒンジ部分Sに組み込むことができる程度(例えば、胴回りの直径が7mm程度)の小型のモータ11を駆動源として備えており、このモータ11は、コアードモータからなると共に、円筒形状の金属製モータケース(胴部)12を有している。さらに、このモータケース12の内壁面には、N,S極をもった永久磁石からなる固定子が固定され、モータケース12の内部には、鉄芯にコイルが巻かれた回転子が収容されている。この回転子の中心には、軸受で支持された駆動軸13が固定され、モータケース12内において、駆動軸13の後端には整流子が固定され、この整流子には一対のブラシが摺動接触している。
【0013】
この駆動軸13は、モータケース12から突出して、ギア機構部14内の減速歯車列に連結されている。このギア機構部14は、モータケース12と略同径のギアケース16を有し、このギアケース16内には、所望の減速を達成させるための種々のギアが収容されている。なお、ギアケース16には、携帯電話機1の本体2側へのネジ止めを可能にするブラケット17が設けられている。
【0014】
このギア機構部13の前端からは出力軸18が突出する。図3及び図4に示すように、出力軸18の先端は、周囲にスプライン部20aが形成された第1の回動部材20の中心孔20e内に差し込まれている。この第1の回動部材20は、出力軸18に対してフリー回動自在に取り付けられ、スプライン部20aは、蓋部4のアーム4aに設けられたボス部4b(図1参照)内に嵌め込まれている。このようなスプライン結合により、蓋部(可動対象物)4と第1の回動部材20とが一体的に連動することになる。
【0015】
この第1の回動部材20に隣接する第2の回動部材21は、出力軸18に対してフリー回動自在に取り付けられている。この出力軸18は、第2の回動部材21の中心孔21e内に差し込まれ、第2の回動部材21は、第1の回動部材20に対して凹凸係合をもって連結されている。例えば、第1の回動部材20の合わせ面20bには、180度の位相角をもって配置した凹部20cが2個形成され、各凹部20cに嵌り込むように、第2の回動部材21の合わせ面21bには、180度の位相角をもって配置した凸部21cが2個形成されている。よって、凹部20cと凸部21cとの協働により凹凸係合部位Aが形成され、第2の回動部材21が制止させられている状態で、第1の回動部材20を正転及び逆転させると、いずれの回動時においても180度毎に凹凸係合が達成される。なお、凹部20c及び凸部21cの個数や位相角度は、携帯電話機1などの機器の仕様によって適宜変更される。
【0016】
さらに、第2の回動部材21に隣接する第3の回動部材22は、出力軸18と一体的に連れ回る。この第3の回動部材22の中心孔22e内には、出力軸18が差し込まれ、この出力軸18には、回り止め用のピン23が直径方向に打ち込まれている。そして、このピン23を第3の回動部材22のスリット22a内に入り込ませることで、第3の回動部材22と出力軸18との一体的な連れ回りが達成され、第3の回動部材22のスラスト方向の移動をも可能にする。また、第3の回動部材22は、第2の回動部材21に対し摩擦係合をもって連結されている。
【0017】
例えば、この第2の回動部材21は、後述する螺旋バネ30による押圧力によって、その合わせ面21dに摩擦が発生し易い樹脂又は金属等の材質が利用され、第3の回動部材22も、同様に、その合わせ面22dに摩擦が起き易い材質が利用される。よって、合わせ面21dと合わせ面22dとの協働によって摩擦係合部位Bが形成され、第3の回動部材22が出力軸18と一緒に回動すると、摩擦力を介して第2の回動部材21が回動することになる。なお、摩擦力を増加させるために、合わせ面21d,22dの表面を粗くすると、耐久性の点において不利であるから、通常の場合、その表面積とバネ加重を調整して、摩擦保持力を変化させる。
【0018】
さらに、前述した凹凸係合及び摩擦係合の各保持力を発生させるため、螺旋バネからなる付勢手段30が利用される。この螺旋バネ30は、第3の回動部材22に隣接して出力軸18の周囲に巻回され、第2及び第3の回動部材21,22を第1の回動部材20に向けて一方向に付勢する。第3の回動部材22を、第2の回動部材21に向けて出力軸18のスラスト方向(軸線方向)に付勢することで、第3の回動部材22は第2の回動部材21に圧着され、第2の回動部材21は第1の回動部材20に圧着される。このような一方向の付勢力を発生させるため、螺旋バネ30の一端を第3の回動部材22に当接させ、螺旋バネ30の他端をバネ台座35に当接させる。
【0019】
なお、このバネ台座35の中心孔35eには出力軸18が差し込まれ、この出力軸18に嵌め込まれた後側のCリング31により、出力軸18に対するバネ台座31の抜け止めが達成される。また、第1の回動部材20も螺旋バネ30によって付勢された状態になっているので、出力軸18に嵌め込まれた前側のCリング32によって、出力軸18に対する第1の回動部材20の抜け止めがなされる。但し、第1のCリング31と第1の回動部材20の端面との間には、摩擦低減のためのワッシャ33を装着する。
【0020】
さらに、この電動ヒンジ装置10は、モータ11の停止時において第2の回動部材21に対するロックを行い、モータ11の駆動時において第2の回動部材21に対するロック解除を行うためのロック手段40を備えている。図2及び図4に示すように、ロック手段40は、L字状に折り曲げられたストッパ部材41を有し、このストッパ部材41の一端には、ギアケース16の前端面に当接させてギア機構部14側で固定される取り付け片42が設けられている。この取り付け片42には、出力軸18の挿入を可能にする開口部42aと、ネジ43によってギアケース16へのネジ止めを可能にするネジ挿入孔42bとが形成されている。
【0021】
さらに、ストッパ部材41には、取り付け片42から出力軸18のスラスト方向に延在する片持ち支持状態の板バネ部44が設けられ、この板バネ部44の遊端には、ラジアル方向に折り曲げられた爪部44aが形成されている。この爪部44aは、第2の回動部材21の外周に形成された凹状の落ち込み部46内に挿入され、対をなす落ち込み部46は、180度の位相角(この角度は機器の仕様に合わせて適宜変更される)をもって配置され、第2の回動部材21が180度回動する毎に、爪部44aは落ち込み部46内に入り込む。
【0022】
さらに、このような爪部44aを落ち込み部46から外すためのロック解除用突起部47が第3の回動部材22の外周に形成されている。第3の回動部材22が回動すると、この突起部47のカム動作によって、板バネ部44は出力軸18のラジアル方向に押圧され、板バネ部44が撓みながら、爪部44aが落ち込み部46から外れる(図5参照)。このとき、第2の回動部材21は自由に回動できる状態になり、第2の回動部材21は、モータ11により回動し続けている第3の回動部材22に対し摩擦係合力をもって従動することになる。よって、第2の回動部材21の回動が開始されると、落ち込み部46も回動方向に移動することになる。
【0023】
そのとき、第3の回動部材22と一緒に連れ回っている突起部47が板バネ部47から外れ、押圧が解除された板バネ部44が弾性復帰しても、爪部44aは落ち込み部46内に入り込むことがなく、爪部44aは第2の回動部材21の周面に当接し続け、ロックの解除状態は維持され続けることになる(図6参照)。そして、爪部44aが落ち込み部46内に入り込むまで、第1及び第2の回動部材20,21の回動状態は維持され、爪部44aが落ち込み部46内に入った時点で、第1及び第2の回動部材20,21の回動は強制的に停止させられる。
【0024】
次に、前述の構成に基づいて、電動ヒンジ装置10の動作について簡単に説明する。
【0025】
先ず、携帯電話機1の蓋部4を電動によって片手で開きたい場合、本体2の側面に設けられた蓋開閉スイッチ(図示せず)をONにして、モータ11を作動させると、出力軸18の正転に伴って第3の回動部材22が正転を開始する。そして、摩擦係合部位Bにおいて、第3の回動部材22が滑りながら回動すると、突起部47のカム動作によって、板バネ部44は出力軸18のラジアル方向に押圧され、板バネ部44が撓みながら、爪部44aが落ち込み部46から外れる(図5参照)。
【0026】
このとき、ロック状態が解除され、第2の回動部材21は、第3の回動部材22に対し螺旋バネ30の付勢力により摩擦係合部位Bで摩擦保持状態となり、第3の回動部材22に追従して回動する。また、第1の回動部材20は、第2の回動部材21に対し螺旋バネ30によって凹凸係合部位Aで凹凸保持状態が維持されているので、第1の回動部材20は第2の回動部材21に追従して回動し、第1の回動部材20が回動することで蓋部4はそれに追従して回動する。このようにして、ロック状態が解除されると、出力軸18の回動力が第3の回動部材22から順次第1の回動部材20まで伝わり、蓋部4の開動作が始まる。そして、蓋部4が完全に開いた状態で、図示しない光センサの検出により、爪部44aが落ち込み部46に入り込んだ時点を見計らって、モータ11の駆動を自動停止させる。
【0027】
これに対し、蓋部4を電動によって片手で閉じたい場合、本体2の側面に設けられた蓋開閉スイッチ(図示せず)をONにして、モータ11を作動させると、出力軸18が逆転し、第3の回動部材22が逆転を開始する。そして、ロック解除用突起部47のカム動作によって、板バネ部44は出力軸18のラジアル方向に押圧され、板バネ部44が撓みながら、爪部44aが落ち込み部46から外れる。一旦ロックが解除されると、出力軸18の回動力が第3の回動部材22から順次第1の回動部材20まで伝わり、蓋部4の閉動作が始まる。そして、蓋部4が完全に閉じた状態で、図示しない光センサの検出により、爪部44aが落ち込み部46に入り込んだ時点を見計らって、モータ11の駆動を自動停止させる。
【0028】
また、蓋部4の電動開閉の途中で利用者が無理にその開閉動作を止めてしまったような場合には、凹凸係合部位Aよりも保持力が弱い摩擦係合部位Bで滑りが発生し、これによって、第3の回動部材22が空転を開始する。その結果、出力軸18が空転することになるので、ギア機構部14に無理な負荷が加わることがなく、ギア機構部14内のギア列が損傷するといった事態が回避される。
【0029】
これに対し、蓋部4を手動によって開閉させる場合、モータ11はオフ状態に維持され、爪部44aが落ち込み部46に入り込んでロック状態(図2参照)になっているので、第2の回動部材21は制止させられる。よって、蓋部4の手動開閉時においては、凹凸係合部位Aの嵌合が解除されることになり、手動によって蓋部4を自由に開閉させることができる。また、蓋部4を完全に開けた瞬間又は閉めた瞬間、螺旋バネ30の付勢力によって、凹部20c内に凸部21cが引き込まれるので、蓋部4の最大開度位置で適切なクリック感が得られる。このように、前述した電動ヒンジ装置10では、ギア機構部14により小型のモータ11のトルク不足を補いつつ、蓋部4の手動開閉と電動開閉との2種類の開閉動作に対して適切な配慮がなされており、小型化を促進する上で極めて有効な構造になっている。
【0030】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、図7に示すような両駆動形式の電動ヒンジ装置50を可能にする。この電動ヒンジ装置50において、モータ11Aに装着されたギア機構部14Aはスペーサ53に固定され、ギア機構部14Aから突出する駆動軸51には、主動歯車52が固定されている。また、スペーサ53を貫通してその両端から突出する出力軸18Aには、主動歯車52に噛合する従動歯車54が固定されている。そして、出力軸18Aの一端側には、第1のヒンジ機構56が取り付けられ、出力軸18Aの他端側には、第2のヒンジ機構57が取り付けられ、第1のヒンジ機構56と第2のヒンジ機構57とは鏡面対称の位置関係をもって出力軸18Aの両側に取り付けられている。なお、第1及び第2のヒンジ機構56,57は、前述した片駆動形式の電動ヒンジ装置10と主たる構成部分及び機能が同一であるから、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0031】
【発明の効果】
本発明によるモータ付き電動ヒンジ装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。
すなわち、ギア機構部が設けられたモータによって可動対象物を回動させる電動ヒンジ装置において、ギア機構部と連動する出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、可動対象物に連結させる第1の回動部材と、出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、第1の回動部材に対して凹凸係合Aをもって連結した第2の回動部材と、出力軸と一体的に連れ回ると共に、第2の回動部材に対し摩擦係合Bをもって連結した第3の回動部材と、第3の回動部材を、第2の回動部材に向けて出力軸のスラスト方向に付勢して、第3の回動部材を第2の回動部材に圧着させ、第2の回動部材を第1の回動部材に圧着させる付勢手段と、モータ停止時において第2の回動部材に対するロックを行うロック手段とを備え、摩擦係合は、凹凸係合よりも保持力が弱いことにより、可動対象物の手動回動と電動回動との2種類の回動動作を考慮しつつ、小型化を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置を適用した折りたたみ式の携帯電話機を示す正面図である。
【図2】本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置の分解斜視図である。
【図5】突起部のカム動作によって、爪部が落ち込み部から外されたロック解除状態を示す断面図である。
【図6】ロック解除維持状態を示す断面図である。
【図7】本発明に係るモータ付き電動ヒンジ装置の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
4…蓋部(可動対象物)、10,50…モータ付き電動ヒンジ装置、11,11A…モータ、14,14A…ギア機構部、18,18A…出力軸、20…第1の回動部材、21…第2の回動部材、22…第3の回動部材、30…螺旋バネ(付勢手段)、40…ロック手段、44…板バネ部、44a…爪部、46…落ち込み部、47…ロック解除用突起部、A…凹凸係合部位、B…摩擦係合部位。
Claims (2)
- ギア機構部が設けられたモータによって可動対象物を回動させる電動ヒンジ装置において、
前記ギア機構部と連動する出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、前記可動対象物に連結させる第1の回動部材と、
前記出力軸に対し回動自在に取り付けられると共に、前記第1の回動部材に対して凹凸係合をもって連結した第2の回動部材と、
前記出力軸と一体的に連れ回ると共に、前記第2の回動部材に対し摩擦係合をもって連結した第3の回動部材と、
前記第3の回動部材を、前記第2の回動部材に向けて前記出力軸のスラスト方向に付勢して、前記第3の回動部材を前記第2の回動部材に圧着させ、前記第2の回動部材を前記第1の回動部材に圧着させる付勢手段と、
モータ停止時において前記第2の回動部材に対するロックを行うロック手段とを備え、
前記摩擦係合は、前記凹凸係合よりも保持力が弱いことを特徴とするモータ付き電動ヒンジ装置。 - 前記ロック手段は、
一端が前記ギア機構部側で固定されて前記スラスト方向に延在する片持ち支持状態の板バネ部と、
前記第2の回動部材の外周に形成されると共に、前記板バネ部の遊端側に設けられた爪部が差し入れられる落ち込み部と、
前記第3の回動部材の外周に形成されると共に、前記板バネ部を前記出力軸のラジアル方向に押圧して前記爪部を前記落ち込み部から外すロック解除用突起部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ付き電動ヒンジ装置。
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