JP4180225B2 - 机の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記又はコンピュータ操作等のような各種のデスクワークを行う事務等に使用される机のうち、机天板と、この机天板を支持する左右一対の脚体とから成る机の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
一般に、この種の机は、基本的に、前記左右の脚体の相互間を、机天板にて連結するか、これに加えて横方向に延びるステー部材にて連結して補強するものであった。さらに、前記左右の脚体の内面に連結した横長の配線受け樋が机天板の後縁と平行状になるように配置し、前記配線受け樋の上面には、机天板の後縁との間の隙間を塞ぐように軟質ゴムからなる蓋片が取付けられたものが公知であった。
【0003】
この構成によれば、前記両脚体と、この両脚体間を連結するステー部材及び配線受け樋との連結を、金属板にて中空状に形成した脚体の側面板に対してボルトにてステー部材を締結するという構成にしているから、この連結部分における剛性を向上するには、中空の脚体を形成する金属板の板厚、該ステー部材及び配線受け樋を形成する金属板の板厚を相当に厚くしなければならないか、或いは、この脚体とステー部材及び配線受け樋との間に補強部材を設けるようにしなければならないという問題があった。
【0004】
また、前記机天板の後縁と左右両側縁との後角部において、机天板の上方に配置する収納箱体のための支柱を立設するときには、その下方に脚体の上端が位置するので、前記机天板の後縁部と平行状で配線受け樋の上面を塞ぐ蓋片を設けることができなくなるという問題もあった。
【0005】
本発明は、これらの問題を解消することを技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明の机の構造は、机天板と、この机天板を支持する左右一対の脚体と、この両脚体を互いに連結するステー部材とから成る机において、前記両脚体の上端に、上面に前記机天板を載置するようにした連結体を連結し、該連結体に、前記ステー部材に対する取付け部を設ける一方、前記両脚体の間であって前記一対の連結体に固定した横長の配線受け樋における上部側の前縁部と、前記机天板の後縁部との隙間を、前記連結体の箇所で狭く、当該左右の連結体の間で大きくなるように、机天板の後縁部を形成したものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の机の構造において、前記配線受け樋の上部側には、前記机天板の後縁部との隙間の一部を塞ぐための直線状のカバー体を着脱可能もしくは回動可能に設けたものである。
【0008】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の机の構造において、前記両連結体の上面に、机天板の下面との間に介挿する天板支持板を取付けたものである。
【0009】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の机の構造において、前記机天板上に配置する収納箱体を支持するための支柱の下端を、前記机天板の後角部に当接するように配置し、前記支柱の下端を前記天板支持板に着脱自在可能に連結したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施の形態を説明する。図1は机天板1の左右両端を脚体2、2にて支持してなる机を示し、断面矩形筒状の横長のステー部材4の両端は、前記両脚体2の上端の各々に後述する机天板支持体18及びボルトにて固定した連結体11に接続される。合成樹脂製の押出材からなる配線受け樋5は前記机天板1の後面に沿って延びるように配設されている。
【0011】
前記両脚体2は、床面上を机に対して前後方向に延びる下アーム部材6と、この下アーム部材6の上面から立設する金属板製中空状の脚柱7と、同じく前記下アーム部材6の上面から前記脚柱7の後面に沿って立設する金属板製中空状の補助脚柱8とによって構成されている。
【0012】
前記補助脚柱8の断面形状は、略正方形であるが、前記脚柱7の断面形状は、図4及び図5に示すように、その外側面板を机の前後方向に略真っ直ぐな平面に、その内側面板を後方に向かって湾曲しながら内向きに傾斜した湾曲傾斜面にするというように一つの湾曲辺と二つの直線辺とを有する略三角形に形成されている。また、これら各脚柱7,8は、前記下アーム部材6の上面に対してボルト9,10の締結にて着脱自在に連結されている。なお、脚柱7及び補助脚柱8を一体的に作っても良い。
【0013】
前記連結体11は、平面視において略正方形に形成された金属製等からなるブロック体であり、その一つの角部の補助脚取付け部12を前記補助脚柱8の上端面に対してボルト13の締結にて着脱自在に取付けられる。
【0014】
また、前記連結体11の各側面のうち前記補助脚取付け部12を有する一つの角部を挟んで互いに直角をなす二つの側面には、前記脚柱7の上端に対して机天板支持体18と共にボルト15の締結にて着脱自在に取付けられる脚取付け部14が一体的に設けられ、他方の脚取付け部14に、前記配線受け樋5の一端部を、ボルト15′の締結にて着脱自在に連結する。
【0015】
更にまた、前記連結体11の各側面のうち前記補助脚取付け部12を有する一つの角部と対角をなす他の一つの角部に隣接して互いに直角をなす二つの側面には、前記横長のステー部材4の取付け部であるところの棒片16を横向きに一体的に突出して、これに前記ステー部材4の一端を被嵌したのちボルト17を締結することにより、ステー部材4を着脱自在に連結する。
【0016】
しかして、連結体11は、平面視において、前記補助脚取付け部12から、2つの棒片16、16の挟む対の角部を通る対角線に対して対称形に形成されている。
【0017】
そして、前記両連結体11の上面には、机の前後方向に延びる机天板支持板18を配設して、この机天板支持板18を、前記連結体11に着脱自在に取付けて、この両机天板支持板18の上面に、前記机天板1を載せるように構成する。
【0018】
なお、本実施の形態の場合、前記机天板支持板18の取付けは、連結体11の脚柱7に対する取付け用ボルト15、及び配線受け樋5の連結体11に対する取付け用ボルト15′を利用して行うように構成され、且つ、この机天板支持板18は、前記脚柱7に対しても、複数の凹所18a及び上孔18bを介してボルト20の締結にて着脱自在に取付けられている(図6参照)。従って、脚体2に対する連結体11、配線受け樋5、机天板支持体18及びステー部材4の取付けはすべて上方からのボルト締め作業で行える。
【0019】
前記机天板支持板18に、机天板1の下面に沿って前方に延びる上アーム部材19を下からのビスにて固着することにより、この上アーム部材19によっても机天板1を支持するように構成されている。前記机天板1における左右両側のうち前記脚柱7及び補助脚柱8に該当する部分には、これらを露出するようにした側方切欠部1aが設けられ(図4参照)、この側方切欠部1aには、この切欠部1a内のうち前記脚柱7の上端における連結体11、机机天板支持板18及び前記補助脚柱8の上端における連結体11を一体的に覆い隠すようにしたキャップ体22が着脱自在に設けられている。
【0020】
また、机天板1の後縁部は、図1(b)の実線、図3及び図5の二点鎖線で示すように、前記左右両側の連結体11と配線受け樋5の左右両側端部との取付け箇所で、当該配線受け樋5の上部側5aとの間隔が狭く、それより内側の左右連結体11、11の間で、前記上部側の前縁部5aとの間隔が寸法L1と広くなるように、切欠き形成する。即ち、机天板1の後縁部のうち左右両側端部を除き、後端切欠き部1bを形成する。
【0021】
前記配線受け樋5は、図7に示すように、前記机天板1の後縁部の下方において、前記後端切欠き部1bより前方に位置する受け樋部5bを有する一方、配線受け樋5の上部側の前縁部5aには、前記後端切欠き部1bとの隙間のうち寸法L2を残してこれを塞ぐようにした直線状のカバー体23の基部係合部23aと、前記後端切欠き部1bに設けた断面半円弧状の係合支持部24とが着脱自在、且つ上下回動可能に連結され、カバー体23を上方に回動したとき(図7参照)、前記机天板1の後縁部との隙間が広くなり、机天板5上のOA機器からの配線を前記受け樋部5b上に簡単に落とし込むことができるように構成されている。なお、後述するように、支柱25を取付けする水平フランジ27の上面箇所は長さの短い端カバー体21を、前記前縁部5aに対して着脱自在且つ回動可能に設けている。
【0022】
さらに、前記連結体11の上面に机天板支持体18及び机天板1を取付けした状態にて、図1(a)、図2、図 8及び図 9に示すように、机天板1の上方後部側に左右一対の支柱25、25を介して収納箱体26を立設配置するため、支柱25の基部の相互に直角方向に延びる一対の水平フランジ27を机天板1の後角部に当接させた状態で、机天板支持体18の上面に載置し、 4本のボルト28にて固定するものである。このとき、各支柱25の横断面は前記机天板1の後角部に当接するL字状部25aと机天板1の上面側に位置する四分の一の凹円弧部25bとからなるように形成され、凹円弧部25bの下端縁が机天板1上面に載置されるように切欠き形成されている(図 9参照)。
【0023】
前記キャップ体22は、合成樹脂材等にて形成されており、図10〜図12に示すごとく、下面側には、前記机天板支持体18における孔18bに嵌まるピン30や補助脚取付け部12の上面に突出する角部29に嵌合する凹所31などが一体的に形成されている。さらに、前記キャップ体22の後部寄り部位には、上面及び左右両側に開放されるコード挿通溝33が凹み形成されており、このコード挿通溝33の上面は図12(a)に示す上補助キャップ32の一対の係合爪34aを、コード挿通溝33内面に設けた係止溝33aに着脱自在係止させる。他方、縦補助キャップ35の内面に形成された一対の上係合爪36a,36aを前記係止溝33aに着脱自在係止させる一方、一つの下係合爪36bを下係止溝33bに着脱自在に係止させる。この縦補助キャップ35は脚体2の外側面に対するものである。この構成により、この種の机を横に並べたとき、前記上補助キャップ32及び縦補助キャップ35を除去したから、一方の机天板1の後端下方の配線受け樋15の端部から机天板支持体18の後部を通した配線コードを、コード挿通溝33を介して隣接する脚体2上の前記と同じ構造のコード挿通溝33に挿通させた後、端カバー体21と上補助キャップ32を夫々の箇所に被せると、机の上面後部がすっきりとする。
【0024】
上記のように構成することにより、両脚体2の上端に使用した連結体11は、脚体2における脚柱7に対して、強固に取付けられることになる。そして、この連結体11に対してステー部材4及び配線受け樋5を取付けることで、このステー部材4及び配線受け樋5を、両脚体2に対し前記連結体11を介して強固に連結することができるから、前記連結部分における剛性を、従来のように、脚柱の板厚さを厚くしたり、或いは、別の補強部材を使用したりすることなく、大幅にアップすることができる。
【0025】
この場合において、前記連結体11には、一つの角部を挟んで直角をなす二つの側面の各々に脚取付け部14が、他の角部を挟んで直角をなす二つの側面に各々にステー部材4の取付け部であるところの棒片16が設けられる等、平面視で前記両角部を結ぶ対角線に対して対称形状にすることにより、図示において机の左右に位置する両連結体11を、左右入れ換えて使用することができるというように、同じ形状の共通部品にすることができる。
【0026】
また、前記机天板1を、前記連結体11の上面に机の前方向に延びるように取付けた机天板支持板18にて支持したことにより、前記机天板1を、その手前側の部分まで確実に支持することができる。
【0027】
更にまた、前記机天板支持板18を、前記連結体11と、脚体2との両方に取付けたことにより、この机天板支持板18の取付け強度、及び連結体11の脚体2に対する取付け強度を向上することができる。
【0028】
そして、前記両脚体2、2の間であって前記一対の連結体11,11に固定した横長の配線受け樋5における上部側の前縁部5aと、前記机天板1の後縁部との隙間を、前記連結体11の箇所で狭く、当該左右の連結体11,11の間で大きくなるように、後方切欠き部1bを設けて机天板の後縁部を形成したものである。したがって、当該机天板1の後縁部の幅方向中途部で、配線受け樋5からの配線コードの出し入れが簡単にできる一方、机天板1の後縁の左右両側角部では、配線受け樋5における上部側の前縁部5aとの隙間を狭くする箇所で脚体の上端及び連結体11と強固に固定できると共に、机天板1の後縁の左右両側角部を脚体の上端うちのなるべく後端寄りに配置した状態で、机天板1上への支柱の立設隙間も確保できるという効果を奏する。
【0029】
なお、図13(b)及び図14に示すように、机天板1′を平面視L字状に形成したときには、前記L字状のコーナ部の脚体2′は角柱状に形成してその上端に前記と同じ連結体11と、平面視正方形の机天板支持体37とをボルトにて固定して机天板1′の下面をボルト連結すれば良い。その他の構成は前記実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
【発明の作用・効果】
請求項1に記載の発明の机の構造は、机天板と、この机天板を支持する左右一対の脚体と、この両脚体を互いに連結するステー部材とから成る机において、前記両脚体の上端に、上面に前記机天板を載置するようにした連結体を連結し、該連結体に、前記ステー部材に対する取付け部を設ける一方、前記両脚体の間であって前記一対の連結体に固定した横長の配線受け樋における上部側の前縁部と、前記机天板の後縁部との隙間を、前記連結体の箇所で狭く、当該左右の連結体の間で大きくなるように、机天板の後縁部を形成したものである。
【0031】
したがって、連結部分における剛性を、従来のように、脚柱の板厚さを厚くしたり、或いは、別の補強部材を使用したりすることなく、ステー部材及び配線受け樋を、両脚体に対し前記連結体を介して強固に連結することができる。また、机天板の後端縁をなるべく後方に寄せながら、配線受け樋との間の隙間を確保して、配線コードの挿通も可能とし、さらに、机天板の後縁部の幅方向中途部の隙間の大きい箇所で、配線受け樋からの配線コードの出し入れが簡単にできる一方、机天板の後縁の左右両側角部では、配線受け樋における上部側の前縁部との隙間を狭くする箇所で脚体の上端及び連結体と強固に固定できると共に、机天板の後縁の左右両側角部を脚体の上端うちのなるべく後端寄りに配置した状態で、机天板上への支柱の立設隙間も確保できるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の机の構造において、前記配線受け樋の上部側には、前記机天板の後縁部との隙間の一部を塞ぐための直線状のカバー体を着脱可能もしくは回動可能に設けたものであるから、このカバー体を開けると、配線受け樋と机天板との間の配線コードの出し入れが容易となり、その後、カバー体を閉じて机天板との隙間を可及的に少なくできるという効果を奏する。
【0033】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の机の構造において、前記両連結体の上面に、机天板の下面との間に介挿する天板支持板を取付けたものであるから、前記机天板支持板を、前記連結体と、脚体との両方に取付けたことにより、この机天板支持板の取付け強度、及び連結体の脚体に対する取付け強度を一層向上させることができる。
【0034】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の机の構造において、前記机天板上に配置する収納箱体を支持するための支柱の下端を、前記机天板の後角部に当接するように配置し、前記支柱の下端を前記天板支持板に着脱自在可能に連結したものであるから、脚体に机天板を取付けした状態にて支柱の基部を机天板支持体に強固に取付けできると共に、当該支柱の立設の作業も容易にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態による事務用机の正面図、(b)は平面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】机天板とキャップを除去した状態の平面図である。
【図4】要部の分解斜視図である。
【図5】図1において机天板を除いた状態の要部拡大平面図である。
【図6】図5のVI−VI視拡大断面図である。
【図7】図5のVII −VII 視断面図である。
【図8】支柱を立設したときの机天板を除去した状態での平面図である。
【図9】図8のIX−IX視拡大断面図である。
【図10】キャップの斜視図である。
【図11】脚体上にキャップを被嵌した連結部を示す一部切欠き側面図である。
【図12】(a)は上補助キャップの斜視図、(b)は縦補助キャップの斜視図である。
【図13】(a)別実施形態の正面図、(b)は平面図である。
【図14】前記別実施形態におけるコーナ部の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 机天板
1b 後方切欠き部
2 脚体
4 横長のステー部材
5 配線受け樋
7 脚柱
8 補助脚柱
11 連結体
14 脚取付け部
16 ステー部材に対する取付け部
18 天板支持板
21 端カバー体
22 キャップ
23 カバー体

Claims (4)

  1. 机天板と、この机天板を支持する左右一対の脚体と、この両脚体を互いに連結するステー部材とから成る机において、
    前記両脚体の上端に、上面に前記机天板を載置するようにした連結体を連結し、該連結体に、前記ステー部材に対する取付け部を設ける一方、前記両脚体の間であって前記一対の連結体に固定した横長の配線受け樋における上部側の前縁部と、前記机天板の後縁部との隙間を、前記連結体の箇所で狭く、当該左右の連結体の間で大きくなるように、机天板の後縁部を形成したことを特徴とする机の構造。
  2. 前記配線受け樋の上部側には、前記机天板の後縁部との隙間の一部を塞ぐための直線状のカバー体を着脱可能もしくは回動可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の机の構造。
  3. 前記両連結体の上面に、机天板の下面との間に介挿する天板支持板を取付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の机の構造。
  4. 前記机天板上に配置する収納箱体を支持するための支柱の下端を、前記机天板の後角部に当接するように配置し、前記支柱の下端を前記天板支持板に着脱自在可能に連結したことを特徴とする請求項3に記載の机の構造。
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