JP4179574B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿、特に、穂先側の竿体を竿元側の竿体内部に収納可能な釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の並継形式の釣竿は、複数の筒状の竿体が穂先側の竿体から順次竿元側の竿体内に挿入可能になっている。釣りを行う際には各竿体を順次穂先側に引き出して嵌合固定して1本の竿体として使用する。一方、収納時には穂先側の竿体を順次竿元側の竿体内に収納してコンパクトな状態とする。
【0003】
また、従来の並継形式の釣竿には竿全体の長さを変化させて釣りを行えるように工夫したものがある。このように工夫された釣竿の元竿は、穂先側端部内周面に他の部分よりやや小径に形成され元上竿の竿元側端部を嵌合固定可能な第1嵌合固定部と、竿元側端部内に配置され元上竿の竿元側端部内を嵌合固定可能な第2嵌合固定部とを有している。この第2嵌合固定部は、元竿の竿元側端部内に配置される合成樹脂製の筒状部材であって、その内径が元上竿の竿元側端部外径にほぼ一致するように形成されている。
【0004】
このような従来の釣竿では、元竿の穂先側に連結される元上竿が穂先側に引き出された状態(以下「延伸状態」という)と、元上竿が元竿内に収納された状態(以下「収納状態」という)とで、元上竿は第1嵌合固定部と第2嵌合固定部とにそれぞれ固定される。このように元竿と元上竿とは「延伸状態」、「収納状態」のいずれの状態においても互いに嵌合固定可能であり、状況に応じて竿全体の長さを変化させて釣りを行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の竿全体の長さを変化させて釣りを行えるように工夫した釣竿のように、元竿の第1嵌合固定部及び第2嵌合固定部の両方に元上竿の竿元側端部外周面を十分に嵌合固定可能とするためには、これら第1嵌合固定部、第2嵌合固定部の内径及び元上竿端部外周面の外径を高精度に形成する必要がある。このため、このような嵌合部分の成形には多くの時間と手間とを費やす必要があった。
【0006】
本発明の課題は、簡易な構造で振出形式の竿体同士を互いに嵌合固定可能な釣竿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣竿は、竿元側の外周面上に、周方向においてほぼ180度に対向して形成された1対の開口部を有する外部竿体と、外部竿体の穂先側に延伸して連結された延伸状態と外部竿体内に収納された収納状態とを取り得る内部竿体と、1対の開口部に嵌め込まれるとともに前記外周面に締着され、前記開口部から前記外部竿体内部の竿体収納部側に突出し、収納状態での内部竿体を抑止可能な弾性部材とを備えている。
【0008】
このような釣竿では、外部竿体に設けられた開口部より弾性部材が締着されている。ここで内部竿体を外部竿体の内部に挿入して「収納状態」とするとき、開口部から外部竿体内部に突出した弾性部材が内部竿体の竿元側端部を挟持して内部竿体を抑止する。したがって簡易な構造により内部竿体と外部竿体との嵌合固定を容易に行うことができる。
【0009】
発明2に係る釣竿は、発明1の釣竿において、外部竿体の竿元側端部に装着され、内部竿体の後端部を収納可能な凹部を有する尻栓をさらに備えている。
この場合は、内部竿体を外部竿体内に収納して内部竿体の竿元側端部を尻栓の凹部に収納させる。ここでは弾性部材が内部竿体の竿元側端部を挟持して内部竿体の軸方向への移動を規制するとともに、尻栓の凹部が内部竿体の幅方向への振れを抑えることができる。
【0010】
発明3に係る釣竿は、発明1又は2の釣竿において、弾性部材は樹脂製の環状部材である。この場合、弾性部材として、たとえばゴム製のOリング等を用いることにより、内部竿体と外部竿体との嵌合固定を容易に行うことができる。
発明4に係る釣竿は、発明1又は2の釣竿において、弾性部材は内側への付勢力を有するバネ部材である。この場合、内部竿体を挟持可能なバネ部材を用いることにより、内部竿体と外部竿体との嵌合固定を容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用した釣竿は、振出式の中通し竿であり、図1に示すように、元竿1と、元竿1の穂先側に元竿1内に収納可能に連結された元上竿2と、元上竿2内にさらに収納可能な複数の穂先側竿体ユニット3とを有している。元竿1には、リールRが装着可能なリールシート4が設けられており、リールシート4より竿元側の元竿1外周面上には周方向に対向するように1対の開口部5a、5bが形成されている。この1対の開口部5a、5bには環状のゴムリング6が締着されている。そして元竿1の竿尻部には尻栓7が取り付けられている。元上竿2の穂先側の外周面には、リールRからの釣り糸Lを竿体内部に挿入する釣糸導入孔8が形成されている。穂先側竿体ユニット3は、複数の竿体が順次挿入して収納可能になっており、穂先側先端にはトップガイド9が設けられている。そして、リールRから導かれた釣り糸Lは、釣糸導入孔8から元竿1及び元上竿2内に導入され、トップガイド9から外部へ導かれる。
【0012】
元竿1は、図1に示すように、穂先側にいくほど小径になるように形成された先細り形状の円筒部材である。元竿1の内部には竿体収納部10を有しており、他の竿体を収納可能である。この元竿1の穂先側端部は他の部分より肉厚かつ内径がやや小径になるように形成されており(図示せず)、元上竿2の竿元側端部と振出形式に嵌合可能な嵌合雌部となっている。また、図2に示すように、元竿1の竿元側端部内周面にはネジ山1aが形成され、このネジ山1aに尻栓7が着脱自在に螺合されている。さらに図2から図4に示すように、元竿1の外周面には、周方向においてほぼ180度に対向して1対の開口部5a、5bが形成されている。開口部5a、5bは、元竿1の外周面の同一円周上に設けられ、それぞれ元竿1内部の竿体収納部10と外部とを連通している。なお、開口部5a、5bは、この開口部5a、5bの対向距離A(図4参照)が後述する元上竿2の竿元側端部の外径よりやや小さくなるように形成されている。
【0013】
元上竿2は、図2に示すように、元竿1と同様に先細り円筒部材であって、内部には他の竿体が収納可能な竿体収納部20を有している。この元上竿2の竿元側端部は他の部分よりやや大径に形成された嵌合雄部2aとなっている。嵌合雄部2aの外径は、元竿1の穂先側端部内周の図示しない嵌合雌部の内径に合致している。また嵌合雄部2aの内周面にはネジ山2bが形成され、このネジ山2bには元上尻栓21が着脱自在に螺合している。
【0014】
穂先側竿体ユニット3は、図1に示すように、トップガイド9を有する最も先端の第1竿体31と、第1竿体31を支持するとともに内部に収納可能な第2竿体32と、第2竿体32を内部に収納可能でかつ元上竿2に挿入可能な第3竿体33とを有している。穂先側竿体ユニット3を構成する3本の竿体31、32、33は振出形式で連結されている。また、これらの竿体の内部には、釣り糸Lを挿通可能な釣糸挿通通路(図示せず)が形成されている。
【0015】
ゴムリング6は、図3に示すように、弾性ゴムからなるリング状部材であって、1対の開口部5a、5bにそれぞれ嵌め込まれ、元竿1の竿元側端部の外周面に配置される。ゴムリング6は、図4に示すように、自らの弾性力によって変形し、開口部5a、5bより元竿1内部の竿体収納部10へ突出する。
尻栓7は、図3に示すように、元竿1の竿尻部を閉塞する部材であって、略円柱状の本体部11と、本体部11の穂先側に本体部11より小径で、かつネジ山が形成された突出部12とを有している。本体部11及び突出部12は、合成樹脂等で一体的に形成されており、本体部11の外径は元竿1の竿元側端部の外径とほぼ一致している。そして、突出部12の外径は元竿1の竿元側端部の内径と合致するように形成されており、この突出部12を元竿1のネジ山1aに螺合させることにより、尻栓7は元竿1の竿尻部を閉塞する。また突出部12の穂先側には軸方向に凹入する収納部13が形成されている。収納部13の内径は、元上竿2の竿元側端部の元上尻栓21の外径よりやや大径となっており、元上尻栓21が収納部13内部に収納可能になっている。
【0016】
この釣竿を使用するときは、図2(a)に示すように、まず元上竿2を元竿1から穂先側に引き出し、嵌合雄部2aを元竿1の穂先側端部の嵌合雌部(図示せず)に固定し、さらに穂先側竿体ユニット3(図1参照)を元上竿2から引き出して固定して使用する。この延伸状態から、穂先側竿体ユニット3を伸ばした状態で元上竿2を元竿1内部の竿体収納部10に挿入し、図2(b)に示す収納状態とした場合も使用可能である。
【0017】
この収納状態では、開口部5a、5bから内部に突出したゴムリング6が元上竿2の竿元側端部の嵌合雄部2aを弾性力により挟持することにより、元上竿2を抑止することができる。また、尻栓7の収納部13に元上尻栓21を収納させることにより、元上竿2の幅方向への振れを抑えることができる。
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、弾性部材はゴムリング6であったが、たとえば金属製の屈曲したバネ部材16でもよい。バネ部材16は、図5に示すように、一端に装着用の開口16aを有する略C字状の屈曲部材である。バネ部材16は、開口部5a、5bから元竿1内部に凹むように屈曲しており、元上竿2の竿元側端部外周に沿った形状となっている。したがって、バネ部材16が元上竿2の竿元側端部を挟持することにより、元上竿2の抑止を行うことができる。
【0018】
(b) 前記実施形態では、振出式の中通し竿を採用したが、内部竿体が外部竿体に収納可能な釣竿であれば、本発明を適用できる。
(c) 前記実施形態において、弾性部材としてゴムリング6やバネ部材16を用いたが、これらに限定されるものではない。
(d) 前記実施形態において、尻栓7には収納部13が形成されていたが、これに限定されるものではない。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、外部竿体の開口部より弾性部材を締着して内部竿体を挟持することにより、簡易な構造で外部竿体と内部竿体とを互いに嵌合固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】前記釣竿の竿元側端部の延伸状態及び収納状態における断面図。
【図3】前記竿元側端部周辺の斜視図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】他の実施形態における図4に相当する図。
【符号の説明】
1 元竿
2 元上竿
5a、5b 開口部
6 ゴムリング
7 尻栓
13 収納部
16 バネ部材
Claims (4)
- 竿元側の外周面上に、周方向においてほぼ180度に対向して形成された1対の開口部を有する外部竿体と、
前記外部竿体の穂先側に延伸して連結された延伸状態と前記外部竿体内に収納された収納状態とを取り得る内部竿体と、
前記1対の開口部に嵌め込まれるとともに前記外周面に締着され、前記開口部から前記外部竿体内部の竿体収納部側に突出し、前記収納状態での前記内部竿体を抑止可能な弾性部材と、
を備えた釣竿。 - 前記外部竿体の竿元側端部に装着され、前記内部竿体の後端部を収納可能な凹部を有する尻栓をさらに備えている、請求項1に記載の釣竿。
- 前記弾性部材は樹脂製の環状部材である、請求項1又は2に記載の釣竿。
- 前記弾性部材は内側への付勢力を有するバネ部材である、請求項1又は2に記載の釣竿。
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1999
- 1999-05-19 JP JP13877799A patent/JP4179574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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