JP4179243B2 - 波形発生装置及びプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、楽音信号を生成するのに用いて好適な波形発生装置及びプログラムに関する。特に、基本波形を変形して複雑な波形形状の波形を簡単且つ制御性豊かに発生することのできるようにした波形発生装置及びプログラムに関する。
従来から楽音信号を生成する装置として、例えば可聴周波数領域の周波数変調演算(FM演算)によって所望の倍音構成を持つ楽音信号を合成する所謂FM方式の楽音合成装置(FM音源とも呼ぶ)等が知られている。従来知られているように、FM方式の楽音合成装置では基本的に搬送波信号と変調波信号とをそれぞれ発生し、搬送波信号を変調波信号により変調することによって、所望のスペクトル構成を持つ楽音信号を生成するようにしている。一般的に、こうしたFM方式の楽音合成装置においては、例えば正弦波等の基本波形を発生することが可能なオペレータと呼ばれる波形発生装置を具えている。このオペレータ(波形発生装置)では楽音の音高に対応する所望の周波数で変化する位相情報に応じて、予め記憶された複数サンプル点からなる所定の基本波形(サンプルデータ)を波形テーブルから読み出すなどして発生させ、該発生させた基本波形を搬送波信号や変調波信号などとして周波数変調演算(FM演算)に使用している。
ところで、上記したようなFM方式の楽音合成装置などにおいて、多様な音色を実現する楽音信号を生成するためには、搬送波信号や変調波信号の波形形状を複雑なものにするとよい。そこで、波形テーブルからの基本波形の読み出しを制御することが従来から行われている。こうしたものの一例を挙げると、例えば下記に示す特許文献1に記載の楽音合成装置がある。この特許文献1に記載の楽音合成装置では、所定位相区間において位相値を単にシフトするあるいは下位ビットを無視するなどして変更しながら正弦波テーブル(波形テーブルに該当する)から予め記憶済みの正弦波(基本波形に該当する)のサンプルデータを読み出すことによって該正弦波の波形形状を変化させた上で、該波形形状変更後の波形を周波数変調演算に用いることでより複雑な楽音信号を生成することができるようにしている。
特公平6−44193号公報
しかし、基本波形の読み出し制御として、上述したように所定位相区間において位相値を単にシフトするあるいは下位ビットを無視するなどの制御を行いながら正弦波テーブルから正弦波を読み出すだけでは、元の正弦波の波形形状を大きく変化させることは難しい。したがって、そのようにして生成された波形を用いて、多様な音色を実現する、より複雑な楽音信号を生成することは非常に難しいことであった、という問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、基本波形に比べて大きな変化のある複雑な波形形状をした波形を簡単且つ制御性豊かに発生することのできるようにした波形発生装置及びプログラムを提供しようとするものである。
本発明に係る波形発生装置は、複数サンプル点からなる所定の基本波形のサンプルデータを、入力される位相情報に応じて、発生する波形発生手段と、発生すべき波形の周波数を設定するものであって所定時間間隔で累算される周波数情報を、補正前の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期と補正後の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期とが等しくなるように、少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータと前記基本波形のサンプルデータの長さ従い、補正する手段と、前記補正された周波数情報を所定時間間隔で正又は負方向に累算することに基づき、該補正された周波数情報に応じた正又は負の傾きで変化する位相情報を発生する位相情報発生手段と、前記位相情報発生手段で発生する前記位相情報の1周期において前記少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返される区間を持つよう、前記位相情報発生手段で累算する前記周波数情報の正負符号を切り換える制御手段とを備え、前記位相情報発生手段で発生された前記位相情報を前記波形発生手段に入力することで、該位相情報の変化に応じて前記基本波形を変形した波形が該波形発生手段から発生されることを特徴とする。
本発明によると、少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータに従って、周波数情報に応じたレートで変化する位相情報を、前記特定された少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返されるようにして発生する。前記位相情報の発生のために累算される周波数情報は、補正前の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期と補正後の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期とが等しくなるように、前記少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータと前記基本波形のサンプルデータの長さ従い補正したものである。また、前記位相情報の1周期において、前記少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返される区間を持つよう、位相情報発生手段で累算する前記周波数情報の正負符号を切り換えることで、発生する位相情報の傾きを正又は負に反転する。こうして発生した位相情報を、複数サンプル点からなる所定の基本波形のサンプルデータを発生する波形発生手段に対して入力することにより、該位相情報の変化に応じて前記基本波形を変形した波形が発生される。特定された少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返されるようにして位相情報を発生制御して所定の基本波形のサンプルデータを発生する場合に、前記周波数情報を補正せずに位相情報を発生するようにすると、前記繰り返しなく発生される位相情報に応じて発生された波形の1周期に比べて、繰り返しがある分だけ発生される波形の1周期は長くなる。これに対して、本発明のように、補正前の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期と補正後の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期とが等しくなるように、周波数情報を前記少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータと前記基本波形のサンプルデータの長さ従い補正することで、位相情報の変化レートを繰り返しがある分だけ上げて、発生波形の1周期が変化しないようにすることができる。このようにすると、ユーザは少なくとも2つのサンプル点の位置を任意に設定するだけで、発生波形のピッチを変えることなく複雑な波形形状をした波形を簡単且つ制御性豊かに発生させることができるようになる。
本発明は装置の発明として構成し実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
この発明によれば、パラメータとして新たに少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータを与え、波形を発生する際には前記少なくとも2つのサンプル点間においては正及び逆方向に繰り返されるようにして位相情報の発生を制御する。こうすると、基本波形に比べて大きな変化のある複雑な波形形状をした波形を簡単且つ制御性豊かに発生することができることから、該発生した波形を用いて多様な音色を実現する、より複雑な楽音信号を簡単に生成することができるようになる、という効果を得る。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
まず、本発明に係る波形発生装置を適用した周波数変調演算型(FM方式)の楽音合成装置について、図1及び図2を用いて簡単に説明する。図1は、この発明に係る波形発生装置を適用した周波数変調演算型(FM方式)の楽音合成装置の全体構成の一実施例を示すブロック図である。図2は、図1に示したオペレータ(波形発生装置)の基本構成の一実施例を示すブロック図である。ただし、従来知られているように、FM方式の楽音合成装置では波形発生装置としてハード的には演算ユニットであるオペレータを1個具備しておけばよく、この1個のオペレータを2タイムスロットで時分割使用することにより図1に示すような2個のオペレータ(後述するモジュレータOM又はキャリアOC)として機能させるようにしている。そこで、図2では代表的なオペレータを1つだけ図示し、これを用いてオペレータ(モジュレータOM又はキャリアOC)について簡単に説明する。
図1に示すように、本実施例に示すFM方式の楽音合成装置は1音につき2個のオペレータ(モジュレータOM及びキャリアOC)を使用してFM演算を行い、所望のスペクトル構成を持つ楽音信号を合成する。この楽音合成装置は、楽音信号の基本となるキャリア波形信号(搬送波信号)を発生するキャリア波形発生器(キャリアOC)と、前記キャリア波形信号を所望の楽音信号に変調するためのモジュレーション波形信号(変調波信号)を発生するモジュレーション波形発生器(モジュレータOM)とからなる。これらの各波形発生器では、FB(フィードバック)パラメータ、波形パラメータ、ピッチパラメータ、エンベロープパラメータなどの各種パラメータをそれぞれ入力できるようになっており、これらの各パラメータに従って最終的にキャリアOCから出力される楽音信号の波形形状を制御することのできるようにしている。詳しくは後述するが、この実施例に示す楽音合成装置においては、波形パラメータとして少なくともループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)とここでは呼んでいる適宜の相対値(例えば相対アドレス値など)をそれぞれのオペレータに対して与え、各オペレータでは前記ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)に基づくアドレス範囲において、波形テーブル(後述のウェーブテーブルWT)から所望の基本波形(正弦波など)を往復で繰り返し読み出すように制御する。こうすることにより、ユーザは上記ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)を基本波形のスタートアドレス(SA)及びエンドアドレス(EA)以外の中間点のいずれかに設定するだけで、多様な音色を実現する、より複雑な波形形状をした楽音信号を簡単に生成することができるようになる。なお、上記ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)以外の波形パラメータに含まれるその他のパラメータや、FB(フィードバック)パラメータ、ピッチパラメータ、エンベロープパラメータについては公知であることから、ここでの説明を省略する。
図2に示すように、各オペレータ(モジュレータOM又はキャリアOC)はそれぞれセレクタS1、フェーズジェネレータPG、アドレスジェネレータAG、ウェーブテーブルWT、エンベロープジェネレータEG、加算器K1、乗算器J1を少なくとも含んで構成される。セレクタS1はFBパラメータが「0」つまり該オペレータの出力波形を自己フィードバックしないよう設定されている場合には、セレクタS1の入力端子からの自己フィードバック信号を出力しない一方で、FBパラメータが「1」つまり該オペレータの出力波形を自己フィードバックするよう設定されている場合には、セレクタS1の入力端子からの自己フィードバック信号を出力する。すなわち、図1に示すように、モジュレータOMは自身の出力波形を入力側にフィードバックすることにより前記出力波形で更なる変調を行う所謂自己フィードバック機能を具えており、同じ周波数での変調であるが出力波形をフィードバックすることによって、より複雑な波形の変調波信号を作り出すことができるようにしている。そこで、FBパラメータを設定することによって、こうした自己フィードバック機能を動作させるか否かを制御する。ただし、図1から理解できるように、こうした自己フィードバック機能を有しているのはモジュレータOMのみであってキャリアOCは上記機能を有していないことから、キャリアOCでは自己フィードバック信号を出力することがない。そこで、キャリアOCでは、前記FBパラメータをモジュレータOMからの出力波形を入力するか否かを決定するためのパラメータとして用いる。
フェーズジェネレータPGは、演奏操作子(例えば鍵盤など)のユーザ操作に応じて入力される例えば音高及びオクターブ情報などのピッチパラメータに応じて、該当するピッチ周波数ナンバを発生する。ピッチ周波数ナンバは、押下された鍵などの操作された演奏操作子毎に予め割り当てられている音高に、又はMIDI等の演奏データに含まれるキーコードに対応した発生すべき波形の音高周波数(ピッチ)を決定する数値データからなる周波数情報である。詳しくは後述するが(図3及び図4参照)、フェーズジェネレータPGでは波形パラメータとしてループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が設定されている場合に、該ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)に応じて前記発生したピッチ周波数ナンバを補正する。このようにしてフェーズジェネレータPGから発生されたピッチ周波数ナンバは、加算器K1によりセレクタS1からの出力と加算されてアドレスジェネレータAGに対して与えられる。
アドレスジェネレータAGは位相角(0〜2π)に対応する位相情報を発生する回路であり、前記フェーズジェネレータPGから与えられたピッチ周波数ナンバを累算(加算又は減算であってもよい)することに応じて波形読み出しアドレス信号を発生する。この波形読み出しアドレス信号は、ウェーブテーブルWTに記憶された基本波形を読み出すためのアドレス情報である。ウェーブテーブルWTは基本波形を多数記憶したテーブルであり、該テーブルには基本波形(サンプルデータ)として正弦波、三角波、のこぎり波などの1周期分の各波形データが複数のサンプル点毎に記憶されている。ウェーブテーブルWTにおいて、当該基本波形の最初のサンプルデータを記憶した絶対アドレスがスタートアドレス(SA)であり、その基本波形の最後のサンプルデータを記憶した絶対アドレスがエンドアドレス(EA)である。
この実施例に示す楽音合成装置においては波形パラメータとして、スタートアドレス(SA)に向かってアドレスを遡って(つまりアドレス値が減少する負の方向に)基本波形の読み出しを開始する相対値(例えば相対アドレス値など)であるループポイントアドレス(LP)、アドレスを遡っての読み出しを折り返して再度エンドアドレス(EA)に向かって(つまりアドレス値が増加する正の方向に)基本波形の読み出しを開始する相対値(例えば相対アドレス値など)であるリターンポイントアドレス(RP)をそれぞれ適宜に設定することができ、これを各オペレータに与えることができるようになっている。各オペレータにおいてウェーブテーブルWTから所望の基本波形(サンプルデータ)を読み出す際には、上記ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)を参照して、スタートアドレス(SA)からループポイントアドレス(LP)まで順次に基本波形の読み出しを行うと(1回目の読み出し)、次にループポイントアドレス(LP)からリターンポイントアドレス(RP)までアドレスを遡るようにして基本波形の読み出しを行い(2回目の読み出し)、さらにリターンポイントアドレス(RP)まで戻ったら再度エンドアドレス(EA)まで順次に基本波形の読み出しを行う(3回目の読み出し)ようにして基本波形の読み出しを制御する。したがって、ループポイントアドレス(LP)からリターンポイントアドレス(RP)までのアドレス範囲においては、該当する基本波形が3回繰り返して読み出されることになる(それ以外の範囲では1回の読み出しのみ)。こうしたウェーブテーブルWTからの基本波形の読み出しは、上記アドレスジェネレータAGから出力される波形読み出しアドレス信号に基づくアドレス進行に従って制御される。このアドレスジェネレータAGから出力される波形読み出しアドレス信号については、後述する(図5及び図6参照)。
エンベロープジェネレータEGは入力されたエンベロープパラメータに応じたエンベロープ信号を出力し、これをウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すことに伴い生成された波形に対して乗算することにより最終的に出力する信号のエンベロープを決定する。図1に示した周波数変調演算型の楽音合成装置では、上記のようにしてオペレータから出力される信号を搬送波信号や変調波信号などとして用いる。
次に、上述したオペレータに含まれるフェーズジェネレータPG及びアドレスジェネレータAGの詳細について説明する。まず、フェーズジェネレータPGについて、図3及び図4を用いて説明する。図3は、フェーズジェネレータPGの具体的な実施例を示す回路図である。図4は、フェーズジェネレータPGから出力されるピッチ周波数ナンバを時間経過にあわせて累算したAG出力波形(ただし、スタートアドレス(SA)によるオフセットは省略)を表した図である。ここで、図4(a)は基本波形の繰り返し読み出しがない場合(つまり、ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が設定されておらず、後述するピッチ周波数ナンバの補正がなされない場合)のAG出力波形図であり、図4(b)は基本波形の繰り返し読み出しがある場合(つまり、ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が設定されており、後述するピッチ周波数ナンバの補正がなされた場合)のAG出力波形図である。
図3に示すように、フェーズジェネレータPGは、シフタB、補正係数算出器E、乗算器J2を少なくとも含む回路により構成される。シフタBはピッチパラメータとして入力された音高に対応した音高周波数(ピッチ)に比例するピッチ周波数ナンバ(FUNM)を、同様にピッチパラメータとして入力されたオクターブ情報OCTに従いオクターブシフトするためのものである。例えば、シフタBはピッチ周波数ナンバ(FNUM)をオクターブ情報OCTが指示するビット数だけシフトし、ピッチ周波数ナンバ(FNUM1)として出力する。したがって、オクターブシフトされない場合には、入力された音高に対応したピッチ周波数ナンバ(FUNM)とシフタBからの出力であるオクターブシフト後のピッチ周波数ナンバ(FNUM1)とは等しいものとなる。シフタBからの出力は乗算器J2に与えられて、補正係数算出部Eから出力される補正係数と乗算される。補正係数算出部Eは波形パラメータとして入力されたループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)に基づき補正係数を算出して、これを乗算器J2に与えることによりシフタBから出力されたピッチ周波数ナンバ(FNUM1)を補正する。該補正係数は、以下に示す数1によって算出する。
Figure 0004179243
ここで、「L」はウェーブテーブルWTにおいて1周期分の所望の基本波形を記憶しているアドレス範囲であり(つまり、スタートアドレスからエンドアドレスまでのアドレス長)、「LP」はループポイントアドレス、「RP」はリターンポイントアドレスである。
補正係数算出器Eからの出力である前記補正係数と、シフタBからの出力であるシフト後のピッチ周波数ナンバ(FNUM1)とは乗算器J2に与えられて、乗算器J2により互いに掛け合わされることによって補正後のピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を算出し、これをアドレスジェネレータAGに対して出力する。詳しくは後述するが、リターンポイントアドレス(RP)及びループポイントアドレス(LP)間において、ウェーブテーブルWT内の基本波形のサンプル値データを補正前のピッチ周波数ナンバ(FNUM1)に従って繰り返し読み出した場合にはその分だけ生成される波形のピッチが変わってしまうことが生ずるので(後述の図6において一点鎖線で示した波形図参照)、ここで予め基本波形を繰り返し読み出しする範囲に応じて予めピッチ周波数ナンバ(FNUM1)を補正しておくことにより、ウェーブテーブルWTから基本波形を繰り返し読み出して生成される波形のピッチが変わらないようにしている(後述の図6において実線で示した波形図参照)。
図4(a)に示すように、波形パラメータとしてループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が与えられていない場合、つまり波形の繰り返し読み出しが「なし」の場合には、後述するアドレスジェネレータAGにおいて所定の規則的時間間隔(Δt)毎にピッチ周波数ナンバ(FNUM1)が順次に加算され、各時間におけるピッチ周波数ナンバ累算値が算出される。ループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が与えられていない場合には、補正係数算出器Eによる補正係数は「1」と算出されることから、ピッチ周波数ナンバ(FNUM1)が補正されることなくそのまま累算に用いられる。図4(a)に示す実施例では、1周期分の基本波形のアドレス長(L)に達するまでの時間、つまり1周期波形をウェーブテーブルWTから読み出すのにかかる時間は「t12」であり、この時間は基本波形をウェーブテーブルWTから読み出す際のピッチに相当する。
一方、図4(b)に示すように、波形パラメータとしてループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が与えられている場合、つまり波形の繰り返し読み出しが「あり」の場合においても、上記と同様にして所定の規則的時間間隔(Δt)毎にピッチ周波数ナンバが順次に加算されることによって各時間におけるピッチ周波数ナンバ累算値が算出されることは同じであるが、この場合には補正係数算出記Eによる補正係数は「1以上」と算出されることから補正後のピッチ周波数ナンバ(FNUM2)が累算に用いられる。図4(b)に示した実施例においては、ループポイントアドレス(LP)として1周期波形のアドレス長(L)に対する相対アドレス値「4L/6」、リターンポイントアドレス(RP)として1周期波形のアドレス長(L)に対する相対アドレス値「L/6」がそれぞれ設定されていることから、上記数1に従い補正係数は「2」と算出される。そこで、補正前のピッチ周波数ナンバ(FNUM1)の2倍に補正されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)が順次に累算されることになり、図4(a)の場合と比較して2倍の速さで1周期波形のアドレス長に達する。すなわち、1周期波形のアドレス長に達するまでの時間は「t6」となり、この時間がピッチに相当することから上記の場合と比べ基本波形をウェーブテーブルWTから読み出す際のピッチがここでは一時的に変更されることになる。
次に、アドレスジェネレータAGについて、図5及び図6を用いて説明する。図5は、アドレスジェネレータAGの具体的な実施例を示す回路図である。図6は、アドレスジェネレータAGから出力されるAG出力波形を表す図である。ただし、この図6では説明を理解し易くするために、基本波形の繰り返し読み出しを行った際にピッチ周波数ナンバに対する「補正なし」の場合を一点鎖線で、「補正あり」の場合を実線でそれぞれ示し、上述したフェーズジェネレータPGにおけるピッチ周波数ナンバ補正の有無による出力信号の違いについて説明する。
上記フェーズジェネレータPGから出力された補正後のピッチ周波数ナンバ(FNUM2)はアドレスジェネレータAGに与えられ、アドレスジェネレータAGではウェーブテーブルWTから基本波形のサンプルデータを読み出すための波形読み出しアドレス信号(OUT)を出力する。ここでは説明を理解し易くするために、便宜的にアドレスジェネレータAGを機能別に分けて説明する。すなわち、アドレスジェネレータAGを機能的に大きく分けるとすると、ピッチ周波数ナンバを累算することにより波形読み出しアドレスを生成する機能Xと、ループポイントアドレス(LP)とリターンポイントアドレス(RP)とに基づき基本波形を該当するアドレス範囲において繰り返し読み出しする制御を行う機能Yとに分けることができ、これらの各機能をそれぞれ実現するための回路を有している。前記機能Xを実現する回路は、セレクタS2及びS3、遅延回路D、ゲート回路G、加算器K2、減算器Mとを少なくとも含んで構成されている。他方、前記機能Yを実現する回路は、反転器P、セレクタS2、比較回路H1及びH2、遅延回路D1及びD2、EXOR回路O1及びO2、OR回路N1及びN2、カウンタCN、デコーダQを少なくとも含んで構成されている。勿論、前記機能X及び機能Yを実現するそれぞれの回路は上記したものに限られないことは言うまでもない。
まず、前記機能Xを実現する回路について説明する。フェーズジェネレータPGから出力された補正後のピッチ周波数ナンバ(FNUM2)は、セレクタS2に与えられる。セレクタS2では、後述するデコーダQからの入力信号が「0」である場合には与えられたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)をそのまま出力し、後述するデコーダQからの入力信号が「1」である場合には与えられたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の正負が反転器Pにより反転されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を加算器K2に対して出力する。上記デコーダQの動作(前記入力信号「0」又は「1」のセット)については後述することから、ここでの説明を省略する。加算器K2は、セレクタS2からの出力(ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)又は正負が逆転されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)のいずれか)と、遅延回路Dと減算器M及びセレクタS3とゲート回路Gとからなる循環回路からの出力とを加算して、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の累算値を算出する。ここで、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)は、押下された鍵に割り当てられている音高に、又はMIDI等の演奏データに含まれるキーコードに対応した音高周波数(ピッチ)に比例する補正後の数値データであり、単位時間当りの位相増分値に相当する。そのため、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を規則的時間間隔(Δt)毎に繰り返し演算した累算値は時間的に変化する位相情報であり、これはウェーブテーブルWTにおいて1周期分の基本波形を記憶した記憶領域内の相対的なアドレスに対応する。こうして加算器K2で算出されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の累算値は、循環回路の遅延回路D及び減算器M、比較回路H1、H2に対してそれぞれ与えられる。
遅延回路D、減算器M及びセレクタS3、ゲート回路Gとからなる循環回路では、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を累算するために、1サンプリング周期ずつピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の累算値を遅延して加算器K2に対して与える。すなわち、遅延回路Dは加算器K2から出力された1サンプリング周期である時間(Δt)だけ遅延された時間に算出されたピッチ周波数ナンバ累算値を、セレクタS3の入力端子の一方に与える。セレクタS3のもう一方の入力端子には、減算器Mから出力されたデータのうち最上位ビット(MSB)以外の値が与えられる。この減算器Mは、加算器K2から出力されたピッチ周波数ナンバ累算値からアドレス長(L)を減算するものである。セレクタS3では、こうした減算器Mから出力されたデータの最上位ビット(MSB)が「1」である場合には最上位ビット(MSB)以外をゲート回路Gに出力し、前記最上位ビット(MSB)が「0」である場合には遅延回路Dからの出力であるピッチ周波数ナンバ累算値をゲート回路Gへと出力する。こうすると、ピッチ周波数ナンバ累算値がオーバーフローした場合には最小値から再び累算を行うようになることから、アドレスジェネレータAGから出力される波形読み出しアドレス信号としては繰り返し周期の波形が出力される。ゲート回路Gでは、キーオンに伴い発生されるパルス信号であるキーオンパルス(KONP)が新たに入力されるまで、該ピッチ周波数ナンバ累算値を加算器K2に与える。キーオンパルス(KONP)が新たに入力された場合には該ピッチ周波数ナンバ累算値を加算器K2に与えないことによって、キーオンされた鍵に対応付けられた音高のピッチ周波数ナンバに基づき新たに最初からピッチ周波数ナンバの累算を開始する。加算器K2では、新たに入力されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)とゲート回路Gからのピッチ周波数ナンバ累算値とを加算する。
次に、前記機能Yを実現する回路について説明する。リターンポイントアドレス(RP)とループポイントアドレス(LP)とがそれぞれ比較回路H1、H2の入力端子に各々加えられる。また、比較回路H1、H2のもう一方の入力端子には加算器K2からの出力であるピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が加えられる。リターンポイントアドレス(RP)とピッチ周波数ナンバ累算値とを比較する比較回路H1の出力は、遅延回路D1及びEXOR回路O1を介して、OR回路N1の一方の端子に加えられる。一方、ループポイントアドレス(LP)とピッチ周波数ナンバ累算値とを比較する比較回路H2の出力は、遅延回路D2及びEXOR回路O2を介して、OR回路N1のもう一方の端子に加えられる。そして、OR回路N1の出力はカウンタCNに与えられ、カウンタCNでは前記OR回路N1からの出力に応じてカウントを行った結果であるカウンタ値をデコーダQに送る。上記図4に示したようにリターンポイントアドレス(RP)とループポイントアドレス(LP)が与えられている場合においては、デコーダQはカウンタCNからのカウンタ値が「2」又は「3」である場合には「1」を、それら以外である場合には「0」をセレクタS2に対して出力する。こうしたデコーダQからセレクタS2に対して出力される「0」又は「1」を決定するカウンタ値は一例であって、リターンポイントアドレス(RP)とループポイントアドレス(LP)の与え方、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の大きさ、あるいはそれらの関係等によって上記カウンタ値は異なる値であってよいことは言うまでもない。
なお、上記カウンタCNは、上記した減算器Mから出力されたデータの最上位ビット(MSB)と、キーオンに伴い発生されるパルス信号であるキーオンパルス(KONP)とを入力とするOR回路N2からの出力に従って、カウンタCNのカウント値を「0」にリセットする。
まず、キーオンに伴いキーオンパルス(KONP)がOR回路N2に入力されると、OR回路N2によりカウンタCNに対してリセット信号が加えられることからカウント値が「0」となり、これに応じてデコーダQの出力信号も「0」となる。すると、セレクタS2は入力されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を選択することとなり、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の加算が開始される。すなわち、OR回路N2に対してキーオンに伴い発生されるパルス信号であるキーオンパルス(KONP)が新たに入力された場合には、その時点からは新たに入力された正負の逆転されていないピッチ周波数ナンバ(FNUM2)に従い累算を開始する。ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)がリターンポイントアドレス(RP)に到達した場合には(1回目の到達)、EXOR回路O1が「1」、EXOR回路O2が「0」となることから、OR回路N1が「1」となってカウンタCNはカウント値を「0」から「1」へとカウントする。デコーダQはカウント値「1」に応じて「0」を出力するので、セレクタS2はピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)に対してピッチ周波数ナンバ(FNUM2)の加算を続けるように、ピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を選択する。ここで、ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)がリターンポイントアドレス(RP)に1回目の到達をした以降においては、比較回路H1により常に「1」が出力されることとなり、それに伴いEXOR回路O1はOR回路N1の一方の端子に対して常に「0」を出力することになる。
ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)がループポイントアドレス(LP)に到達した場合には(1回目の到達)、デコーダQの出力信号は「0」から「1」へと変更される。すなわち、1回目のループポイントアドレス(LP)に到達した場合にはEXOR回路O2が「1」となり、また上記したようにEXOR回路O1からは常に「0」が出力されることから、OR回路N1が「1」となってカウンタCNはカウント値を「1」から「2」へとカウントする。デコーダQは、カウント値「2」に応じて「1」を出力する。そこで、セレクタS2は反転器Pにより正負が反転されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を選択することになる。したがって、ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が1回目のループポイントアドレス(LP)に到達した以降においては、ピッチ周波数ナンバ累算値は減算されていく。そして、新たにピッチ周波数ナンバ(FNUM2)が入力されて、ピッチ周波数ナンバ累算値の1回目の減算が開始された場合に、この実施例においては上記したようにEXOR回路O1からは「0」が出力されており、またEXOR回路O2は「1」のままであることから、OR回路N1が「1」となってカウンタCNはカウント値を「2」から「3」へとカウントする。また、減算されていったピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が再度リターンポイントアドレス(RP)に到達するまで(2回目の到達)、該カウント値「3」は変わらない。デコーダQは、該カウント値「3」に応じて「1」を出力する。したがって、カウント値「3」の間、つまり1回目の減算が開始されてからピッチ周波数ナンバ累算値が再度リターンポイントアドレス(RP)に到達するまで(2回目の到達)、ピッチ周波数ナンバ累算値は減算されることになる。
こうして減算されていったピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が再度リターンポイントアドレス(RP)に到達すると(2回目の到達)、デコーダQの出力信号は「1」から「0」へと変更される。すなわち、2回目のリターンポイントアドレス(RP)に到達した場合、EXOR回路O1が上記「0」から「1」となり、EXOR回路O2は「0」のままであることから、OR回路N1が「1」となってカウンタCNはカウント値を「3」から「4」へとカウントする。デコーダQは、カウント値「4」に応じて「0」を出力する。そこで、セレクタS2はピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を選択することになる。したがって、減算されていったピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が再度リターンポイントアドレス(RP)に到達した以降ではピッチ周波数ナンバ累算値に対して正負が逆転されていないピッチ周波数ナンバ(FNUM2)が再度加算されていく。そして、新たにピッチ周波数ナンバ(FNUM2)が入力されて、再度ピッチ周波数ナンバ累算値の1回目の加算が開始された場合に、この実施例においてはEXOR回路O1は「1」のまま、EXOR回路O2は「0」のままであることから、OR回路N2が「1」となってカウンタCNはカウント値を「4」から「5」へとカウントする。ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が再度ループポイントアドレス(LP)に到達するまで(2回目の到達)、該カウント値「5」は変わらない。デコーダQは該カウント値「5」に応じて「0」を出力することから、カウント値「5」の間はピッチ周波数ナンバ累算値が加算されることになる。
次に、ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が再度ループポイントアドレス(LP)に到達した場合には(2回目の到達)、1回目の到達時と異なりデコーダQの出力信号は「0」から「1」へと変更されずに「0」のままである。すなわち、2回目のループポイントアドレス(LP)に到達した場合、EXOR回路O1が「0」であり、EXOR回路O2が「1」となることから、OR回路N1が「1」となってカウンタCNはカウント値を「5」から「6」へとカウントする。デコーダQは、カウント値「6」に応じて「0」を出力する。すなわち、1回目の到達時と異なり2回目の到達時においては、セレクタS2は反転器Pにより正負が反転されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を選択しない。したがって、ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)が2回目のループポイントアドレス(LP)に到達した以降においては、ピッチ周波数ナンバ累算値に対して正負が逆転されていないピッチ周波数ナンバ(FNUM2)がそのまま加算されていく。そして、上記した減算器Mからデータの最上位ビット(MSB)として「1」が与えられた場合には、カウンタCNのカウント値を「0」にリセットする。
上述したように、入力されたピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を規則的時間間隔毎に順次に加算することに応じて生成されるピッチ周波数ナンバ累算値は、1周期分の基本波形を記憶した記憶領域内の相対的なアドレスに対応する。ウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すためには、このピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)を絶対アドレス信号へと変換する必要がある。そこで、加算器K3では絶対アドレスであるスタートアドレス(SA)を加算することにより、ピッチ周波数ナンバ累算値(相対アドレス信号)を絶対アドレス信号に変換する。この加算器K3から出力される絶対アドレス信号に応じてウェーブテーブルWTをアクセスすることにより、ウェーブテーブルWTに記憶された所定の基本波形(例えば正弦波など)のサンプルデータが応答してウェーブテーブルWTから読み出しされる。
このようにして、アドレスジェネレータAGではピッチ周波数ナンバ(FNUM2)を規則的時間間隔で繰り返し演算し累算することにより、波形読み出しアドレス信号を発生する。図6に示すように、波形パラメータとしてループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)が与えられている場合、まず時刻「t0」においてスタートアドレス(SA)からサンプル値データの読み出しが開始される。所定の規則的時間間隔毎にピッチ周波数ナンバ(FNUM2)に相当するアドレス分だけ増加されていくが、該アドレス値がループポイントアドレス(LP)に到達した時刻「t4」からは所定の規則的時間間隔毎にピッチ周波数ナンバ(FNUM2)に相当するアドレス分だけ減算されていく。そして、該アドレス値がリターンポイントアドレス(RP)に到達した時刻「t7」からは再度所定の規則的時間間隔毎にピッチ周波数ナンバ(FNUM2)に相当するアドレス分ずつアドレス長(L)に達するまで増加される。こうして、1周期波形を読み出す分の絶対アドレスからなる波形読み出しアドレス信号が生成される。この場合には1周期波形のアドレス長(L)に達するまでの時刻が「t12」となり、入力された補正前のピッチ周波数ナンバ(FNUM1)をそのままアドレスとした場合(図4(a)参照)と同様のピッチで読み出しすることになる。すなわち、フェーズジェネレータPGにおいてピッチ周波数ナンバの補正を予め行っておくことにより、波形の繰り返し読み出しを行って生成される波形におけるピッチの同一性を保つようにしている。
以上のようにして、アドレスジェネレータAGから出力された例えば図6に示したような波形読み出しアドレスに従いウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すと、図7に示すような波形形状の波形を生成することができる。図7は、図6に示したAG出力波形に基づきウェーブテーブルから正弦波を読み出した場合に生成される波形の一例を表す図である。この図7から理解できるように、上述したようにして、ループポイントアドレス(LP)とリターンポイントアドレス(RP)間において、基本波形を繰り返し読み出しするように波形読み出し制御を行うことにより、出力される波形のピッチを変えることなく波形形状のみを変えることができる。したがって、ユーザは元の基本波形の波形形状を大きく変化させて基本波形を読み出すことが前記ループポイントアドレス(LP)とリターンポイントアドレス(RP)を適宜に設定することによりできるようになり、該読み出した波形を周波数変調演算に用いることによって、多様な音色を実現する、より複雑な波形形状をした楽音信号を生成することが簡単にできるようになる。このようにして、図1に示したモジュレータOMではピッチ周波数ナンバ累算値に従ってウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すことによって変調波信号を発生する。他方、キャリアOCではピッチ周波数ナンバ累算値に従ってウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すことによって搬送波信号を発生し、前記モジュレータOMから出力された変調波信号と該発生した搬送波信号とを加算することにより、変調された楽音信号を出力することができる。
上述した実施例では波形パラメータとして与えられたループポイントアドレス(LP)からリターンポイントアドレス(RP)までのアドレス範囲において該当する基本波形を1回ループするようにして繰り返し読み出すようにしたが、この繰り返し読み出しを行うループ回数を波形パラメータとして与えることができるようにしてもよい。こうした場合には、ピッチ周波数ナンバを補正する際にループポイントアドレス(LP)及びリターンポイントアドレス(RP)だけでなく前記ループ回数を考慮して補正係数を算出し、これにより一時的にピッチを変更しておくようにする。
また、上述した実施例ではループポイントアドレス(LP)とリターンポイントアドレス(RP)の二点の相対アドレス値を波形パラメータとして与え、これらの間において基本波形を繰り返し読み出すようにしたがこれに限らない。例えば、波形パラメータとして三点の相対アドレス値(例えばA1<A2<A3)を与え、アドレスA1からアドレスA3へと進んだ後に、アドレスA3からアドレスA2へと逆方向に進み、再度アドレスA2からアドレスA3へと進むようにして、基本波形を繰り返し読み出すようにしてもよい。あるいは波形パラメータとして四点の相対アドレス値(例えばA1<A2<A3<A4)を与え、アドレスA1からアドレスA4へと進んだ後に、アドレスA4からアドレスA2へと逆方向に進み、次にアドレスA2からアドレスA3へと進んだ後に、アドレスA3からアドレスA2(又はアドレスA1)へと逆方向に進み、再度アドレスA2(又はアドレスA1)からアドレスA4へと進むようにして、基本波形を繰り返し読み出すようにしてもよい。こうすることにより、ウェーブテーブルWTから基本波形を読み出すだけで、より複雑な波形形状をした波形を発生させることができるようになる。勿論、こうした場合においても、繰り返しを考慮して補正係数を算出し、これにより一時的にピッチを変更しておくことは言うまでもない。
勿論、上記のようにした場合には、図5に示したアドレスジェネレータAGにおける基本波形を該当するアドレス範囲において繰り返し読み出しする制御を行う機能Yを実現する回路は上記各態様にあわせて変更することが必要であることは言うまでもない。
なお、上述の実施例においては最も単純な1項の周波数変調演算を2タイムスロットを使用して1個のオペレータ(演算ユニット)を時分割で行うものを示したがこれに限らず、複数のオペレータを用意しておき、各オペレータの接続態様を選択的に切り替えることによって、FM演算のアルゴリズムを選択し、所望の音色の楽音の合成を行うようにしてあってもよい。
なお、上述した実施例に示したオペレータの基本構成(図2参照)や、フェーズジェネレータPG又はアドレスジェネレータAGの回路構成(図3又は図5参照)は一例であってこれに限らないことは言うまでもない。
なお、記憶装置に予め記憶している基本波形のサンプル値データはPCM、DPCM、ADPCMなどの、どのような波形サンプルデータ方式のものであってもよいことは言うまでもない。
なお、上述した実施例においては発生した波形を周波数変調演算型(FM方式)の楽音合成装置に用いる例を示したがこれに限らず、振幅変調演算型(AM方式)の楽音合成装置における搬送波信号や変調波信号などとして用いてもよい。
この発明に係る波形発生装置を適用した周波数変調演算型の楽音合成装置の全体構成の一実施例を示すブロック図である。 オペレータ(波形発生装置)の基本構成の一実施例を示すブロック図である。 フェーズジェネレータの具体的な実施例を示す回路図である。 フェーズジェネレータから出力されるピッチ周波数ナンバを時間経過にあわせて累算したAG出力波形を表した図であり、図4(a)は繰り返し読み出しがない場合、図4(b)は繰り返し読み出しがある場合である。 アドレスジェネレータの具体的な実施例を示す回路図である。 アドレスジェネレータから出力されるAG出力波形を表す図である。 図6に示したAG出力波形に基づきウェーブテーブルから正弦波を読み出した場合に生成される波形の一例を表す図である。
符号の説明
OM…オペレータ(モジュレータ)、OC…オペレータ(キャリア)、S1(S2、S3)…セレクタ、PG…フェーズジェネレータ、AG…アドレスジェネレータ、EG…エンベロープジェネレータ、WT…ウェーブテーブル、K1(K2、K3)…加算器、J1(J2)…乗算器、B…シフタ、E…補正係数算出器、H1(H2)…比較回路、N1(N2)…OR回路、O1(O2)…EXOR回路、CN…カウンタ、Q…デコーダ、D(D1、D2)…遅延回路、G…ゲート回路、P…反転器、M…減算器

Claims (5)

  1. 複数サンプル点からなる所定の基本波形のサンプルデータを、入力される位相情報に応じて、発生する波形発生手段と、
    発生すべき波形の周波数を設定するものであって所定時間間隔で累算される周波数情報を、補正前の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期と補正後の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期とが等しくなるように、少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータと前記基本波形のサンプルデータの長さ従い、補正する手段と、
    前記補正された周波数情報を所定時間間隔で正又は負方向に累算することに基づき、該補正された周波数情報に応じた正又は負の傾きで変化する位相情報を発生する位相情報発生手段と、
    前記位相情報発生手段で発生する前記位相情報の1周期において前記少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返される区間を持つよう、前記位相情報発生手段で累算する前記周波数情報の正負符号を切り換える制御手段と
    を備え、前記位相情報発生手段で発生された前記位相情報を前記波形発生手段に入力することで、該位相情報の変化に応じて前記基本波形を変形した波形が該波形発生手段から発生されることを特徴とする波形発生装置。
  2. 前記パラメータに従い前記少なくとも2つのサンプル点の位置が変更可能である請求項1に記載の波形発生装置。
  3. 前記正及び逆方向に繰り返す回数を変更可能である請求項1又は2に記載の波形発生装置。
  4. 請求項1に記載の波形発生装置を、変調波又は搬送波の少なくとも一方の波形を発生するための手段として使用することを特徴とする変調演算型の楽音合成装置。
  5. コンピュータに、
    複数サンプル点からなる所定の基本波形のサンプルデータを、入力される位相情報に応じて、発生する手順と、
    発生すべき波形の周波数を設定するものであって所定時間間隔で累算される周波数情報を、補正前の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期と補正後の周波数情報に基づき累算した位相情報の1周期とが等しくなるように、少なくとも2つのサンプル点を特定するパラメータと前記基本波形のサンプルデータの長さ従い、補正する手順と、
    前記補正された周波数情報を所定時間間隔で正又は負方向に累算することに基づき、該補正された周波数情報に応じた正又は負の傾きで変化する位相情報を発生する手順と、
    前記発生する位相情報の1周期において前記少なくとも2つのサンプル点の間で正及び逆方向に繰り返される区間を持つよう、前記累算される前記周波数情報の正負符号を切り換える手順と
    を実行させるためのプログラム。
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