JPH0766267B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

Info

Publication number
JPH0766267B2
JPH0766267B2 JP59151183A JP15118384A JPH0766267B2 JP H0766267 B2 JPH0766267 B2 JP H0766267B2 JP 59151183 A JP59151183 A JP 59151183A JP 15118384 A JP15118384 A JP 15118384A JP H0766267 B2 JPH0766267 B2 JP H0766267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tone
waveform
signal
musical
tone color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59151183A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6129895A (ja
Inventor
秀雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP59151183A priority Critical patent/JPH0766267B2/ja
Publication of JPS6129895A publication Critical patent/JPS6129895A/ja
Publication of JPH0766267B2 publication Critical patent/JPH0766267B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は波形メモリ読出し方式の楽音発生装置に関
し、詳しくは楽音の発音開始から終了に至るまでの全波
形もしくはその一部の複数周期波形を記憶した波形メモ
リを読み出して高品質の楽音信号を発生する楽音発生装
置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、楽音の発音開始から終了に至るまでの全波形もし
くはその一部の複数周期波形を波形メモリに記憶させて
おき、この波形メモリを読み出すことにより、自然楽器
に極めて近似した高品質の楽音を発生し得るようにした
楽音発生装置がある(特開昭52−121313号)。
ところが、この楽音発生装置は、波形メモリに記憶した
全波形もしくは一部波形を読み出してそのまま直接楽音
信号として発生するものであるため、発生される楽音の
音色変化が一様で音楽的におもしろ味が無いという欠点
がある。そこで、発生すべき楽音の音高や音域に応じて
音色を変えるキースケーリング制御や演奏用鍵の操作状
態(操作速度、操作強さ)に応じて音色を変えるタッチ
レスポンス制御、さらには各種操作子の操作状態に応じ
て音色を変える操作子制御を行おうとすると、これらの
制御内容別に複数の波形メモリを設け、このうち1つを
選択して読み出さなければならず、構成が複雑化すると
同時に、波形メモリの容量が膨大なものになってしまう
欠点が生じていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明は、上述のように高品質の楽音信号を発生する
楽音発生装置において、キースケーリング制御などの音
色変化制御を行おうとする場合に構成が複雑化するとい
う問題点と、波形メモリの容量が膨大になるという問題
点を解決しようとするものであり、簡単で小容量の波形
メモリの構成でキースケーリング制御などの音色変化を
付与することができる楽音発生装置を提供することを目
的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る楽音発生装置は、発生すべき楽音の音高
に対応してアドレス信号を発生するアドレス信号発生手
段と、楽音の発音開始から発音終了に至る一部又は全部
の楽音波形に関する連続的な又は飛び飛びの複数周期分
の波形データであってその音色が時間的に変化する複数
周期波形データを記憶した波形メモリを含み、前記アド
レス信号に従って該波形メモリから波形データを読み出
し、これに基き楽音信号を発生する波形発生手段と、前
記波形発生手段の出力信号をフィードバックするもので
あって、音色変化パラメータに応じてフィードバック量
を制御する演算手段を有するフィードバック手段と、フ
ィードバックされた信号に応じて前記波形メモリの読み
出しに用いる前記アドレス信号を変調する変調手段とを
具えたものである。
更に、この発明に係る楽音発生装置は、発生すべき楽音
の基本的音色を選択指定するための音色選択手段を具備
していてよい。その場合は、前記波形発生手段は、楽音
の発音開始から発音終了に至る一部又は全部の楽音波形
に関する連続的な又は飛び飛びの複数周期分の波形デー
タであってその音色が時間的に変化する複数周期波形デ
ータを複数の音色に夫々対応して記憶した波形メモリを
含み、前記音色選択手段によって選択指定された基本的
音色に対応する複数周期波形データを前記アドレス信号
に従って該波形メモリから読み出し、これに基き楽音信
号を発生する。この場合は、前記フィードバック量が零
であれば前記選択指定された基本的音色に対応する前記
複数周期波形データの読み出しに基づく楽音が無変調で
再生されるが、前記フィードバック量が零でなければそ
のフィードバック量に応じた周数変調によって前記楽音
の前記基本的音色の変更制御がされることを特徴として
いる。
〔作用〕
波形発生手段の出力信号がフィードバックされ、フィー
ドバックされた信号に応じてアドレス信号が変調される
ので、アドレス変調すなわち位相変調された状態で波形
メモリの記憶波形データが読み出される。ここで、フィ
ードバック手段におけるフィードバック量は可変制御で
きるものであるから、波形発生手段から発生される楽音
信号の波形は、波形メモリに記憶された波形にそっくり
対応するもの(フィードバック量0のとき)から、それ
を基にして複雑に変化させたものまで、多様なバリエー
ションの波形として発生されることになる。従って、高
品質の波形を容易に得ることができるとともに、この高
品質の波形の音色変化をきわめて容易に実現することが
できる。
フィードバック手段におけるフィードバック量を、例え
ばキースケーリングあるいは鍵タッチあるいは操作子の
操作等所望の音色変化パラメータに従って制御すること
により、変調度が制御され、これにより所望の変色変化
の付与された楽音信号が得られる。
前述の通り、波形メモリには、楽音の発音開始から終了
に至るまでの全波形又はその一部の複数周期(この複数
周期は連続していてもよいし、飛び飛びであってもよ
い)の波形データが予め記憶されているので、この波形
メモリの記憶波形データを変調せずにそのまま読み出し
た場合は、固有の音色特性を持つ高品質の楽音信号が得
られる。この発明よれば、フィードバック量を可変制御
することにより、この高品質の楽音信号における固有の
音色特性が、キースケーリングあるいは鍵タッチあるい
は操作子の操作等の音色変化パラメータに応じて微妙に
可変制御される。前述のフィードバック量は微妙な音色
変化に見合うだけの量である。
この発明によれば、複数周期分の波形データを波形メモ
リに記憶しておき、そこから読み出した波形データに基
き高品質の楽音信号を発生する場合において、各音色変
化パラメータに対応して個別に波形データを記憶してお
く必要がないので、波形メモリの容量を膨大化させると
いう問題が生じず、構成を簡素化することができる。ま
た、発生された波形信号を波形メモリのアドレス入力側
に単にフィードバックするだけの構成によって所望の音
色変化を実現するので、この点でも構成を簡素化するこ
とができる。
〔実施例〕
第2図は、この発明を適用した電子楽器の一実施例を示
す全体ブロック図であり、そこに示されたトーンジェネ
レータ10の内部構成の一実施例が第1図に示されてい
る。この発明の特徴は、主として第1図によく示されて
いる。
まず第2図を参照してこの実施例に係わる電子楽器の全
体構成につき説明すると、この電子楽器には複数の時分
割発音チャンネルが設けられ、この時分割発音チャンネ
ルに対し鍵盤での1ないし複数の各押圧鍵を割り当てる
ことによって同時に複数の押圧鍵に対応した楽音が発音
できるようになっている。第2図において、1は発生す
べき楽音の音高指定を行う複数の演奏用鍵を備えた鍵
盤、2は鍵盤1における押圧鍵を検出し、各押圧鍵に対
応したキーコードKCを複数の時分割発音チャンネル(以
下、単に発音チャンネルという)のいずれかにそれぞれ
割り当て、この割当てチャンネルに同期したタイミング
で時分割出力するキーアサイナである。この場合、キー
アサイナ2は押圧鍵に対応したキーコードKCを割り当て
ると同時に、当該押圧鍵が離されるまでの間論理“1"を
継続するキーオン信号KONを割当てチャンネルに同期し
て出力すると共に、新たな押圧鍵のキーコードKCをいず
れかの発音チャンネルに割り当てた場合にはこのことを
示す短いパルス幅のキーオンパルスKONP(“1"信号)を
当該割当てチャンネルに同期したタイミングで出力す
る。
3はキーアサイナ2から出力されるキーコードKCに基づ
き押圧鍵の音高に対応した周波数のノートクロック信号
NCKを各発音チャンネル別に時分割で出力するノートク
ロック発生器、4は前記ノートクロック信号NCKを選択
的に通過させるゲート、5はゲート4を介して入力され
るノートクロック信号NCKを各発音チャンネルごとにそ
れぞれカウントして後述するトーンジェネレータ10内の
波形メモリのアドレス信号ADを形成するアドレスカウン
タである。このアドレスカウンタ5は複数の発音チャン
ネルにそれぞれ対応した複数のカウントチャンネルを有
しており、各発音チャンネルに対応したタイミングでノ
ートクロック発生器3から入力されるノートクロック信
号NCKをそれぞれ対応するカウントチャンネルでカウン
トし、各カウントチャンネルのカウント値を波形メモリ
のアドレス信号ADとして時分割出力する。
この場合、各カウントチャンネルはそれぞれ対応する発
音チャンネルに新たな押圧鍵が割り当てられた時、キー
アサイナ2から出力されるキーオンパルスKONPによって
以前のカウント値がリセットされ、このリセット値から
新たなカウント動作を開始する。
6はアドレスカウンタ5から出力される各発音チャンネ
ルのアドレス信号ADが波形メモリの最終アドレス値に達
したか否かを検出するエンドアドレス検出回路であり、
アドレス信号ADが波形メモリの最終アドレス値に達した
場合にはこのアドレス信号ADの発音チャンネルの時分割
タイミングでゲート4に対してインヒビット信号をイン
バータ8を介して供給し、アドレスカウンタ5における
最終アドレス値に達したカウントチャンネルのカウント
動作を停止させる。
9はピアノやバイオリンなどの所望の音色を選択する音
色選択回路であり、選択音色を表わす音色選択情報TCを
出力する。
10は、楽音の発音開始から終了に至るまでの全波形に関
する波形情報を音色選択回路9で選択可能な各音色ごと
に記憶した波形メモリを備え、この波形メモリの波形情
報をアドレスカウンタ5から与えられるアドレス信号AD
によって読み出すことにより、押圧鍵の音高に対応した
楽音信号Gを発生するトーンジェネレータであり、前述
したように同時発音数に対応した複数の発音チャンネル
を有している。この発音チャンネルは、波形メモリを含
む回路を時分割的に使用することによって構成されてい
る。
11は鍵盤1における鍵の操作速度あるいは操作強さを検
出し、このことを表わすタッチ情報TSを出力するタッチ
検出回路、12はタッチ検出回路11から出力されるタッチ
情報TSと音色選択回路9から出力される音色選択情報TC
に基づき、選択音色に適合した特性のタッチデータTDを
タッチ情報TSに従って出力するタッチデータ発生回路で
あり、ここでは2系列のタッチデータTD1,TD2を出力す
る。
13はキーアサイナ2から出力されるキーオン信号KONに
よって動作を開始し、各発音チャンネルで形成される楽
音信号Gの音色や振幅をその立上りから立下りまでの間
時間変化させるためのエンベロープ信号ENVを発生する
エンベロープ信号発生回路であり、ここから発生される
エンベロープ信号ENVは音色選択情報TCで示される選択
音色毎に波形形状が異なり、しかも1つの選択音色につ
き2系列のエンベロープ信号ENV1,ENV2として出力され
る。
14はキーアサイナ2から出力されるキーコードKCと音色
選択回路9から出力される音色選択情報TCに基づき、各
発音チャンネルで形成される楽音信号Gの音色や振幅を
押圧鍵の音域と選択音色に応じて制御するためのキース
ケーリング情報KSを出力するキースケーリング制御回路
であり、ここでも前記の回路12および13と同様に2系列
のキースケーリング情報KS1,KS2が出力される。
15は楽音の明るさなどの制御のために音色および音量な
どその他楽音要素を制御するための複数の操作子を備
え、これら操作子の操作状態に応じた操作子情報OPDを
出力する操作子回路であり、ここでも2系列の操作子情
報OPD1,OPD2が出力される。
16はトーンジェネレータ10で形成された各発音チャンネ
ルのディジタル楽音信号Gをアナログの楽音信号に変換
し、サウンドシステム17から楽音として発音させるDA変
換器である。
なお、タッチデータ発生回路12、エンベロープ信号発生
回路13およびキースケーリング制御回路14は、各発音チ
ャンネル別に楽音信号Gの音色や振幅を制御するため、
2系列のタッチデータTD1,TD2、キースケーリング情報K
S1,KS2およびエンベロープ信号ENV1,ENV2を各発音チャ
ンネルに対した時分割タイミングに同期して出力する。
ここで、タッチデータ発生回路12が出力するタッチデー
タTD1,TD2およびエンベロープ信号発生回路13が出力す
るエンベロープ信号ENV1,ENV2およびキースケーリング
制御回路14が出力するキースケーリング情報KS1,KS2
一例をそれぞれ第3図(a),(b),(c)に示す。
なお、この場合各回路12〜14のデータ出力特性は音色選
択情報TCが示す音色に応じて異なる。
第1図に示すように、トーンジェネレータ10は波形発生
手段としての波形メモリ20を含んでいる。この例では、
波形メモリ20は、楽音の発音開始から終了に至るまでの
全波形に関する波形データをパルスコード変調方式(PC
M)で記憶しているものとし、そのような波形データの
1組を音色選択回路9で選択可能な各音色毎に夫々別々
に記憶しているものとする。波形メモリ20から読み出す
べき1組の波形データが音色選択情報TCに応じて指定さ
れ、指定された1組の波形データ(発音開始から終了に
至るまでの全波形の波形データ)がアドレスカウンタ5
から与えられたアドレス信号ADに従って1サンプル点毎
に順次読み出される。
アドレス信号ADはそのまま波形メモリ20のサンプル点ア
ドレス入力に与えられるのでなく、加算器21を経由して
与えられる。加算器21の他の入力にはフィードバックル
ープ22を経由してきた波形メモリ20の読み出し出力が与
えられる、このフィードバックループ22には乗算器22a
が設けられており、波形メモリ20の読み出し出力信号に
係数E1を乗算し、この係数E1によって該読み出し出力信
号のフィードバック量を制御するようになっている。
係数発生回路23は、各種の音色変化パラメータに基き前
記係数E1を発生するためのものであり、音色変化パラメ
ータとして第2図の各回路12〜15から出力されたタッチ
データTD1、エンベロープ信号ENV1、キースケーリング
情報KS1および操作子情報OPD1が夫々入力される。この
係数発生回路23は、加算等の演算回路又は係数メモリ又
はそれらの組合せから成るのであり、入力された各種音
色変化パラメータTD1,ENV1,KS1,OPD1の関数として前記
係数E1を発生する。
一方、波形メモリ20の読み出し出力信号は乗算器25に与
えられ、振幅制御用の係数E2が乗算される。この係数E2
は、第2図の各回路12〜15から与えられたデータ類TD2,
ENV2,KS2,OPD2に基き係数発生回路24から発生される。
係数発生回路24は上述の係数発生回路23と同様の構成で
あり、入力されたデータ類TD2〜OPD2の関数として係数E
2を発生する。
トーンジェネレータ10を構成するこれらの各回路20〜25
は全て時分割で動作し、各発音チャンネルに割当てられ
た楽音信号Gを時分割的に形成する。なお、或るサンプ
ル点の波形データを波形メモリ20から読み出すサンプル
タイミングにおいて、同じサンプル点の波形データをフ
ィードバックした信号が直ちに加算器21に入力されるこ
とのないように、フィードバックループ22には適宜の時
間遅れ要素が設定されるものとする。
1つの発音チャンネルに関して第1図の動作を説明する
と、波形メモリ20から読み出された或るサンプル点の波
形データは乗算器22aにおいて係数E1に応じたフィード
バック量でその値が制御され、次のサンプル点のアドレ
ス信号ADが加算器21に与えられるとき該加算器21に入力
される。これによりアドレス信号ADの値が変更され、変
更されたアドレス信号(つまり加算器21の出力)に従っ
て波形メモリ20から波形データが読み出される。
こうして、波形メモリ20を読み出すためのアドレス信号
が該波形メモリ20それ自体の読み出し出力信号によって
変調され、位相変調若しくは周波数変調と同等の効果が
得られる。この変調により、波形メモリ20から読み出さ
れる波形データに対応する波形は該波形メモリ20に元々
記憶されている波形とは異なるものとなり、音色変化が
実現される。この音色変化の度合は、変調度に応じて定
まる。この変調度はフィードバックループ22のフィード
バック量に対応しており、係数E1によって制御される。
このようなフィードバックループ22を介したアドレス信
号ADの変調は、変調された信号(波形メモリ読み出し出
力)によって更に変調をかけることになるため、複雑な
変調となる。一般的には、変調度が零のときは波形メモ
リ20に記憶した波形をそのまま実現する波形データが読
み出されるが、変調度を深くする(係数E1を大きくす
る)ほど高調波成分をより多く含む波形を実現する波形
データが読み出される。
例えばキースケーリング情報KS1,KS2が第3図(c)の
ような特性で発生し、係数E1,E2もこれに対応する特性
で発生する場合は、KS1に対応する係数E1は発生すべき
楽音の音高が高くなるほど大きな値をとるので、高音域
ほど変調度が深くなり、高音になるに従い高調波成分が
増加するような音色のキースケーリング制御が実現され
る。一方、KS2に対応する係数E2は発生すべき楽音の音
高が高くなるほどその値が小さくなるので、高音になる
に従い音量が減少するような音量のキースケーリング制
御が実現される。一般に聴感上の音量レベルは高音ほど
高レベルで聴き取られるため、上述のような音量のキー
スケーリング制御によってどの音域でも聴感上同一レベ
ルに聴き取られるようにすることができる。
また、タッチデータTD1,TD2が第3図(a)のような特
性で発生し、係数E1,E2もこれに対応する特性で発生す
る場合には、TD1に対応する係数E1は鍵タッチが強くな
るほどその値がノンリニアに増加する。従って、鍵タッ
チが強くなるほど変調度がノンリニアに深くなり、これ
に応じた音色変化が実現される。
更に、エンベロープ信号ENV1,ENV2が第3図(b)のよ
うな特性で発生し、係数E1,E2もこれに対応する特性で
発生する場合には、ENV1に対応する係数E1は同図に示す
ようなアタック、ディケイ等の特性を持つものとなる。
従って、楽音の立上りや立下りに対応して変調度が制御
され、これに応じた音色変化が実現される。なお、振幅
制御用のエンベロープ信号ENV2が同図に示すように押鍵
中は終始一定レベルを保持している理由は、波形メモリ
20から読み出される波形データが予めエンベロープ付与
済みの楽音波形に対応するものであるからである。
操作子情報OPD1,OPD2に関しても前述と同様にそれに対
応する係数E1,E2が発生され、その値に応じた音色変化
制御及び音量制御がなされる。
なお、アドレス変調用の加算器21は減算その他の演算器
であってもよく、また、フィードバックループ22の乗算
器22aもその他の演算器を用いてもよい。
また、第2図に破線で示すように、エンベロープ信号発
生回路13に対しキーコードKC、タッチ情報TS、操作子情
報OPD1,OPD2を入力し、第3図(b)に示した各エンベ
ロープ信号ENV1,ENV2の立上り時間や立下り(減衰)時
間や各部のレベルを押圧鍵の音域、操作速度または操作
強さおよび操作子回路15における操作子の操作状態に応
じて適宜変えるようにすれば、さらに複雑に変化する音
色の楽音が得られる。
また、第4図に示すようにフィードバックループ22にデ
ィジタルフィルタ26を挿入するようにしてもよい。フィ
ルタ制御係数E3は前述の各係数E1,E2と同様に、キース
ケーリング情報やタッチデータ、エンベロープ信号ある
いは操作子情報に基き発生するものとする。このディジ
タルフィルタ26により、アドレス入力側にフィードバッ
クされる波形メモリ読み出し出力信号の波形が制御され
(例えば滑らかにされ)、これにより変調波成分の制御
を行うことができる。図では乗算器22aの前段にディジ
タルフィルタ26が設けられているが、これは後段であっ
てもよい。
また、第1図又は第4図の例において、更に音色変化を
つけるために、乗算器25の出力側にディジタルフィルタ
を設け、楽音信号Gにフィルタ制御を施すようにしても
よい。
なお、以上説明した実施例では、波形メモリが楽音の立
上り(発音開始)から立下り(発音終了)までの全波形
を記憶しているものとして説明したが、波形メモリには
楽音の立上り部分の全波形とその後の一部波形について
のみ記憶させるようにしてもよい。また、波形メモリに
は記憶すべき波形の各サンプル点における波形情報を全
て記憶させるのではなく、飛び飛びのサンプル点の波形
情報だけを記憶させ、中間のサンプル点の波形情報は補
間演算によって算出するようにしてもよい。また、波形
メモリに記憶する複数周期波形は、連続する複数周期ば
かりでなく、飛び飛びの複数周期から成るものであって
もよい。例えば、楽音の立上りから立下りまでを複数フ
レームに分割し、各フレーム毎に代表的な1周期または
2周期分の波形の波形情報のみを記憶させ、この波形情
報を順次切換えながら繰り返し読み出すようにしてもよ
く、さらに必要に応じてこの波形切換え時に前の波形と
次の新たな波形とを補間演算して滑らかに変化する波形
情報を形成するようにしてもよい。また、特開昭58−14
2396号公報に開示されているように、波形メモリに複数
周期分の楽音波形の波形情報だけを記憶させ、この波形
情報を繰返し読み出すようにしてもよい。このようにす
れば、波形メモリの容量をさらに小さくすることができ
る。
また、波形メモリに記憶する波形データの符号化方式は
前述のPCM方式に限らず、差分PCM方式、デルタ変調方式
(DM方式)、適応型PCM方式(ADPCM方式)、適応型デル
タ変調方式(ADM方式)など、その他適宜の方式を用い
てもよい。その場合、波形発生手段においては、波形メ
モリのみならず、その符号化方式に応じて波形メモリ読
み出し出力を復調する(PCM化された信号を得る)ため
の復調回路をも具備するものとする。
一方、実施例において、係数発生回路はキースケーリン
グ情報、エンベロープ信号、タッチデータ、操作子情報
の全てに応答するものとしたが、このうち一部について
のみ応答するものでもよい。逆に、これらのキースケー
リング情報などに加えてさらに音色選択情報に対しても
応答するものでもよい。また、第3図に示した特性カー
ブはあくまでも一例にすぎず、音色種類その他の因子に
応じて適宜のカーブに設定することができる。
さらに、実施例では、波形メモリの波形情報を読み出す
ためのアドレス信号は、ノートクロック信号をカウント
して形成するようにしたが、押圧鍵の音高に対応した周
波数情報を累算あるいは加減算することによって形成す
るものでもよい。また、波形メモリの構造によっては、
アドレス信号をディジタル2進コードとせずにノートク
ロック信号のままでもよい。更に、波形メモリにおいて
各音高毎に別々に波形データを記憶している場合は、ア
ドレス信号をどの音高でも共通の変化レートで発生する
こともある。
さらに、実施例では、楽音の立上りから立下りまでの全
期間に亘ってこの発明を適用して楽音を発生するように
したが、楽音の立上りから立下りまでの全期間のうち一
部期間(例えばアタック部のみあるいはアタック部以降
の持続部のみ)をこの発明を適用して楽音を発生するよ
うにしてもよい。
さらに、この発明は、複音電子楽器に限らず、単音電子
楽器の楽音発生にも使用することができ、さらにまた音
階音に対応した楽音の発生に限らず、リズム音の発生に
も使用できるものである。
〔発明の効果〕
以上の通りこの発明によれば、波形メモリから読み出し
た波形データに対応する信号をフィードバックして該波
形メモリの読み出しアドレスを変調するようにしたの
で、波形メモリに記憶する高品質な波形が一種であって
も、この記憶波形にもとづきそれと同様に高品質な波形
を多様な音色変化(鍵タッチ又は押圧鍵の音高又はその
他音色変化因子に応じた音色変化)で実現することがで
きるようになり、そのような高品質の音色変化が比較的
小規模かつ低コストな構成で実現できるようになる、と
いう優れた効果を奏する。
特に、この発明によれば、波形メモリに記憶する波形デ
ータは、楽音の発音開始から発音終了に至る一部又は全
部の楽音波形に関する複数周期分の波形データであって
その音色が時間的に変化する複数周期波形データであ
り、これが周波数変調における搬送波となる。従って、
周波波数変調における搬送波そのものが、その波形が時
間的に変化してゆく高品質な波形であるため、自己フィ
ードバックによる周波数変調によって得られる楽音波形
信号に極めて豊富な倍音構成をもたせることが容易にで
きる、という従来になかった優れた効果を奏するもので
ある。
さらに、複数の音色のそれぞれに対応してその基本音色
を持つと共にその音色が時間的に変化する高品質な上記
複数周期波形データを記憶した場合は、フィードバック
量が零であれば選択指定された基本的音色に対応する該
複数周期波形データの読み出しに基づく高品質な楽音を
無変調で即座に再生することができるという優れた利点
を持つと共に、前記フィードバック量が零でなければそ
のフィードバック量に応じた周波数変調によって前記高
品質な楽音の前記基本的音色の変更制御がなされるの
で、楽音の音色制御に非常に適しているという優れた効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はこの発明に係る楽音発生装置の一実
施例を示すもので、第1図は第2図のトーンジェネレー
タの内部構成を示すブロック図、第2図はこの発明を適
用した電子楽器の全体構成を示すブロック図、第3図は
第2図の実施例におけるタッチデータ、エンベロープ信
号、キースケーリング情報の一例を夫々示すグラフ、第
4図はこの発明の別の実施例を示すもので、第1図のト
ーンジェネレータの変更箇所を示すブロック図、であ
る。 1……鍵盤、10……トーンジェネレータ、12……タッチ
データ発生回路、13……エンベロープ信号発生回路、14
……キースケーリング制御回路、15……操作子回路、20
……波形メモリ、21……アドレス変調用の加算器、22…
…フィードバックループ、22a……フィードバック量制
御用の乗算器、23,24……係数発生回路、25……振幅制
御用の乗算器、26……ディジタルフィルタ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発生すべき楽音の音高に対応してアドレス
    信号を発生するアドレス信号発生手段と、 楽音の発音開始から発音終了に至る一部又は全部の楽音
    波形に関する連続的な又は飛び飛びの複数周期分の波形
    データであってその音色が時間的に変化する複数周期波
    形データを記憶した波形メモリを含み、前記アドレス信
    号に従って該波形メモリから波形データを読み出し、こ
    れに基き楽音信号を発生する波形発生手段と、 前記波形発生手段の出力信号をフィードバックするもの
    であって、音色変化パラメータに応じてフィードバック
    量を制御する演算手段を有するフィードバック手段と、 フィードバックされた信号に応じて前記波形メモリの読
    み出しに用いる前記アドレス信号を変調する変調手段
    と、 を具えた楽音発生装置。
  2. 【請求項2】前記音色変化パラメータは、発生すべき楽
    音の音高又は音域に応じて異なる値をとる係数信号から
    成るものである特許請求の範囲第1項記載の楽音発生装
    置。
  3. 【請求項3】前記音色変化パラメータは、発生すべき楽
    音の音高を指定するための鍵に加えられたタッチの度合
    を示す鍵タッチ信号に応じて異なる値をとる係数信号か
    ら成るものである特許請求の範囲第1項記載の楽音発生
    装置。
  4. 【請求項4】前記音色変化パラメータは、操作子の操作
    内容に応じて異なる値をとる係数信号から成るものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の楽音発生装置。
  5. 【請求項5】前記フィードバック手段は、フィードバッ
    クループ内にフィルタを含むものである特許請求の範囲
    第1項記載の楽音発生装置。
  6. 【請求項6】発生すべき楽音の音高に対応してアドレス
    信号を発生するアドレス信号発生手段と、 発生すべき楽音の基本的音色を選択指定するための音色
    選択手段と、 楽音の発音開始から発音終了に至る一部又は全部の音色
    波形に関する連続的な又は飛び飛びの複数周期分の波形
    データであってその音色が時間的に変化する複数周期波
    形データを複数の音色に夫々対応して記憶した波形メモ
    リを含み、前記音色選択手段によって選択指定された基
    本的音色に対応する複数周期波形データを前記アドレス
    信号に従って該波形メモリから読み出し、これに基き楽
    音信号を発生する波形発生手段と、 前記波形発生手段の出力信号をフィードバックするもの
    であって、音色変化パラメータに応じてフィードバック
    量を制御する演算手段を有するフィードバック手段と、 フィードバックされた信号に応じて前記波形メモリの読
    み出しに用いる前記アドレス信号を変調する変調手段と を具え、前記フィードバック量が零であれば前記選択指
    定された基本的音色に対応する前記複数周期波形データ
    の読み出しに基づく楽音が無変調で再生されるが、前記
    フィードバック量が零でなければそのフィードバック量
    に応じた周波数変調によって前記楽音の前記基本的音色
    の変更制御がなされるこことを特徴とする楽音発生装
    置。
JP59151183A 1984-07-23 1984-07-23 楽音発生装置 Expired - Lifetime JPH0766267B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59151183A JPH0766267B2 (ja) 1984-07-23 1984-07-23 楽音発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59151183A JPH0766267B2 (ja) 1984-07-23 1984-07-23 楽音発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6129895A JPS6129895A (ja) 1986-02-10
JPH0766267B2 true JPH0766267B2 (ja) 1995-07-19

Family

ID=15513097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59151183A Expired - Lifetime JPH0766267B2 (ja) 1984-07-23 1984-07-23 楽音発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0766267B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11031242B2 (en) 2018-11-07 2021-06-08 Asm Ip Holding B.V. Methods for depositing a boron doped silicon germanium film
USD975665S1 (en) 2019-05-17 2023-01-17 Asm Ip Holding B.V. Susceptor shaft
US11557474B2 (en) 2019-07-29 2023-01-17 Asm Ip Holding B.V. Methods for selective deposition utilizing n-type dopants and/or alternative dopants to achieve high dopant incorporation
US11594600B2 (en) 2019-11-05 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Structures with doped semiconductor layers and methods and systems for forming same
US11594450B2 (en) 2019-08-22 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Method for forming a structure with a hole
USD979506S1 (en) 2019-08-22 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Insulator
US11848200B2 (en) 2017-05-08 2023-12-19 Asm Ip Holding B.V. Methods for selectively forming a silicon nitride film on a substrate and related semiconductor device structures
US11851755B2 (en) 2016-12-15 2023-12-26 Asm Ip Holding B.V. Sequential infiltration synthesis apparatus and a method of forming a patterned structure
US11967488B2 (en) 2013-02-01 2024-04-23 Asm Ip Holding B.V. Method for treatment of deposition reactor
US11972944B2 (en) 2022-10-21 2024-04-30 Asm Ip Holding B.V. Method for depositing a gap-fill layer by plasma-assisted deposition

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2581047B2 (ja) * 1986-10-24 1997-02-12 ヤマハ株式会社 楽音信号発生方法
JP2707776B2 (ja) * 1989-01-19 1998-02-04 ヤマハ株式会社 電子楽器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51130211A (en) * 1975-05-06 1976-11-12 Ikuo Tagusari Musical sound synthesizer
JPS52107823A (en) * 1976-03-05 1977-09-09 Nippon Gakki Seizo Kk Electronic musical instrument
JPS557733A (en) * 1978-06-30 1980-01-19 Nippon Musical Instruments Mfg Synthesizing musical sound
JPS58100191A (ja) * 1981-12-10 1983-06-14 ヤマハ株式会社 電子楽器
JPS59123887A (ja) * 1982-12-29 1984-07-17 松下電器産業株式会社 楽音発生装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11967488B2 (en) 2013-02-01 2024-04-23 Asm Ip Holding B.V. Method for treatment of deposition reactor
US11851755B2 (en) 2016-12-15 2023-12-26 Asm Ip Holding B.V. Sequential infiltration synthesis apparatus and a method of forming a patterned structure
US11848200B2 (en) 2017-05-08 2023-12-19 Asm Ip Holding B.V. Methods for selectively forming a silicon nitride film on a substrate and related semiconductor device structures
US11031242B2 (en) 2018-11-07 2021-06-08 Asm Ip Holding B.V. Methods for depositing a boron doped silicon germanium film
USD975665S1 (en) 2019-05-17 2023-01-17 Asm Ip Holding B.V. Susceptor shaft
US11557474B2 (en) 2019-07-29 2023-01-17 Asm Ip Holding B.V. Methods for selective deposition utilizing n-type dopants and/or alternative dopants to achieve high dopant incorporation
US11594450B2 (en) 2019-08-22 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Method for forming a structure with a hole
USD979506S1 (en) 2019-08-22 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Insulator
US11594600B2 (en) 2019-11-05 2023-02-28 Asm Ip Holding B.V. Structures with doped semiconductor layers and methods and systems for forming same
US11972944B2 (en) 2022-10-21 2024-04-30 Asm Ip Holding B.V. Method for depositing a gap-fill layer by plasma-assisted deposition
US11970766B2 (en) 2023-01-17 2024-04-30 Asm Ip Holding B.V. Sequential infiltration synthesis apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6129895A (ja) 1986-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH079588B2 (ja) 楽音発生装置
JPH0766267B2 (ja) 楽音発生装置
US4200021A (en) Electronic musical instruments which form musical tones by repeatedly generating musical tone waveform elements
US4939973A (en) Tone signal generation device having waveshape changing means
US4890527A (en) Mixing type tone signal generation device employing two channels generating tones based upon different parameter
US5241129A (en) Electronic musical instrument having physical model tone generator
US5298676A (en) Tone parameter control apparatus
JP2559209B2 (ja) 楽音信号発生装置
JP2915452B2 (ja) 楽音発生装置
US6207885B1 (en) System and method for rendition control
JP2707818B2 (ja) 電子楽器
JPH0766268B2 (ja) 楽音発生装置
JPS61110199A (ja) 楽音信号発生装置
JPH02181797A (ja) 楽音信号合成装置
JPH0122632B2 (ja)
JPH0644191B2 (ja) 楽音信号発生装置
JPH0727384B2 (ja) 楽音信号発生装置
JPS6023358B2 (ja) 電子楽器
JPH0413193A (ja) 楽音発生装置
US5426261A (en) Musical tone control waveform signal generating apparatus utilizing waveform data parameters in time-division intervals
JP2970438B2 (ja) 波形メモリ型楽音発生装置
JP2621234B2 (ja) 電子楽器の制御信号発生装置
JP2684791B2 (ja) 楽音制御用波形信号発生装置
JPS6352399B2 (ja)
JPH0631963B2 (ja) 電子楽器