JP4179187B2 - 天井埋込型機器用の露出取付カバー - Google Patents

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Description

本発明は、天井に設けた埋込孔に埋込配設される天井埋込型の機器を天井に露出取り付けするための露出取付カバーに関するものである。
従来、この種の天井埋込型機器として、人体から放射される熱線を検出することにより人の存否を判断し、負荷を自動的に入・切させるようにした熱線式自動スイッチが提供されている(特許文献1参照)。この熱線式自動スイッチは、円板状に形成されたケース本体とケース本体の上面に取り付けられるボディとでケースが構成され、熱線センサや負荷を入・切する回路、並びに電線を接続する端子部などが納装されたボディを埋込孔に埋め込む形でケース本体を埋込孔周辺の天井面に当接させて埋込配設され、天井裏に配設された電線が埋込孔から挿入されたボディの端子部に結線される。
ところで、上述のような天井埋込型機器に接続する電線が露出配線されている場合、従来では、天井に固定された露出配線用のボックス(特許文献2参照)にケースを固定していたが、ケースの高さ寸法よりも上記ボックスの深さ寸法が小さいと取り付けることができないという問題があった。
特開平10−209840号公報 実開平7−27234号公報
そこで従来、図9に示すように下面が開口する有底円筒形に形成され、天井埋込型機器である熱線式自動スイッチA’のケース50の上部が下面開口から内部に挿入された状態で固定される露出取付カバー60を露出配線用のボックスに取り付けることが行われていた。この露出取付カバー60には、内周面の下面開口近傍より一対の取付ばね61が突出させてあり、これらの取付ばね61が係止離脱自在に係止する係止部51が熱線式自動スイッチA’のケース50の側面に設けられていた。すなわち、取付ばね61は両端が下方に傾斜した略丁字形に形成され、図9及び図10に示すようにケース50を水平面内で回転させたときに長手方向を水平方向に一致させた突条からなる係止部51に弾性的に係止するように構成されている。
しかしながら、上記従来の露出取付カバー60では熱線式自動スイッチA’のケース50に係止部51を設けなければならず、熱線式自動スイッチA’(天井埋込型機器)の設計変更が必要になっていた。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、天井埋込型機器の設計変更を不要とした天井埋込型機器用の露出取付カバーを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、平板状のケース本体並びにケース本体の上面に取り付けられるボディからなるケースと、ケース本体の上面に固定され、天井に設けた埋込孔に挿入された状態でケース本体との間に天井板を狭持することによりケースを天井に埋込配設する取付具とを備え、取付具は、ケース本体を貫通する引き締めねじと引き締めねじに螺合した挟み片とを有し、引き締めねじの回転によって上下に移動させた挟み片で天井板を狭持する天井埋込型機器を天井に露出取り付けするためのものであって、下面が開口する有底筒状に形成され、下面開口から前記機器のケースが挿入されるカバー本体と、カバー本体の内部に設けられ、ケース本体と挟み片との間に狭持される被狭持部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、天井に埋込配設する際に使用する取付具を用いて天井埋込型機器を取り付けることができ、埋込型機器の設計変更が不要となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、取付具の挟み片が被狭持部から脱落するのを防止する脱落防止手段がカバー本体に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、天井埋込型機器の脱落が防止できる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、ケース本体に貫設された孔に嵌合する突起がカバー本体に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、突起を孔に嵌合することでカバー本体をケース本体に容易に位置決めすることができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、ケース本体の周部に設けられた段部に係合する係合部がカバー本体に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、段部に係合部を係合することでカバー本体をケース本体に容易に位置決めすることができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、カバー本体並びに被狭持部が合成樹脂成型品で構成され、成型時にカバー本体の底面に形成される貫通孔を塞ぐ蓋を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、貫通孔を通してカバー本体内に埃などの異物が侵入するのを防ぐことができる。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、ボディ上面に電線が結線される端子部が設けられるとともにボディ上面に着脱自在に取り付けられて端子部を保護する端子カバーを前記機器に備え、カバー本体の下面開口から底面までの深さ寸法を、端子カバーを含むケースの高さ寸法よりも大きくしたことを特徴とする。
この発明によれば、端子カバーを取り付けた状態でもカバー本体内にケースを収納することができる。
本発明によれば、天井に埋込配設する際に使用する取付具を用いて天井埋込型機器を取り付けることができ、埋込型機器の設計変更が不要となるという効果がある。
以下、天井埋込型機器として従来例で説明した熱線式自動スイッチを例示して本発明に係る露出取付カバーの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、天井埋込型機器は熱線式自動スイッチに限定されるものではなく、例えば、照度センサで周囲照度を検出し、周囲照度に応じて照明負荷を点灯、消灯するような機器や、リモコン送信機から送信されるワイヤレス信号を受信して負荷を入・切するようなリモコン受信機、あるいは熱や煙などを検出して火災を感知する火災感知器などについても、本発明に係る露出取付カバーを用いて露出配設が可能である。
ここで、本発明に係る露出取付カバーの実施形態を説明するために、天井埋込型機器である熱線式自動スイッチAについて、図1及び図2を参照して簡単に説明する。この熱線式自動スイッチAは従来周知であって、円板状に形成されたケース本体21と、ケース本体21の上面に取り付けられる箱形のボディ22とでケース20が構成される。このケース20は、ケース20に結合される一対の取付具30を用いたり、配線器具用の埋込ボックスに螺合するボックスねじを用いたりして天井に固定される。取付具30は、ケース本体21の上面に固定される水平断面略コ字形の柱体31を備え、柱体31には上下方向の引き締めねじ32が回動自在に保持されている。尚、引き締めねじ32の頭部はケース本体21に貫設された長孔状の透孔23を通してケース本体21の下面側に露出させてる。また、引き締めねじ32には挟み片33が螺合しており、引き締めねじ32の回転によって挟み片33を上下に移動させることができるようにしてある。柱体31の上部側壁には引き入れ切欠31aが形成されており、引き締めねじ32を回転させて挟み片33を上方に移動させると、挟み片33が最終的に引き入れ切欠31aに挿入されるようにしてある。
而して、取付具30をケース本体21に固定した状態で、挟み片33を下方に移動させるように引き締めねじ32を回転させると、挟み片33が引き入れ切欠31aから出てケース本体21の直径方向の外向きに突出し、挟み片33とケース本体21との距離を小さくするようになっている。したがって、挟み片33を引き入れ切欠31aに挿入しておき、天井板に設けた埋込孔に取付具30を挿入し、かつケース本体21を天井面に当接させた状態で、引き締めねじ32を回転させて挟み片33を下方に引き下げると、ケース本体21と挟み片33とにより埋込孔の周部で天井板を挟持することになり、ケース20を天井に固定することができるのである。一方、配線器具用のスイッチボックスのような埋込ボックスを天井に設置しているときには、ケース本体21の周部に設けたボックス孔に挿通されるボックスねじを埋込ボックスに螺合させれば、天井にケース20を固定することができる。
(実施形態1)
本実施形態の露出取付カバー1は、図1〜図3に示すように熱可塑性樹脂により有底円筒形に形成されたカバー本体2を備える。カバー本体2の内周面における軸対称な位置には、内側に突出する一対の被狭持部3が突設されている。この被狭持部3は平面視略矩形であって、下面がカバー本体2の開口端面と面一となり、内部が上方に開口した中空に形成されるとともに、補強用に複数の突条3aがカバー本体2の上下方向に沿って形成されている。また、被狭持部3の下面には、後述するようにケース本体21の透孔23の大径部23aに嵌合する半円筒形の突起4が突設されている。さらに、カバー本体2の底面(上面)には熱線式自動スイッチAに結線される電線Cを挿通する矩形の電線挿通孔5が中央に開口するとともに、後述する露出ボックスBに取り付けるための取付ねじ6を挿通する複数のねじ挿通孔7が電線挿通孔5の周囲に貫設されている。尚、カバー本体2の底面における被狭持部3と対向する位置には、カバー本体2の樹脂成型時に被狭持部3を形成するためのキャビティによる貫通孔8が開口している。
次に、本実施形態の露出取付カバー1を用いて熱線式自動スイッチAを露出配設する手順を説明する。
図1に示すように露出配線用の露出ボックスBは扁平な有底円筒形に形成されて天井に固定されており、その周面に連結された電線管Eを通して電線Cが内部に引き込まれている。露出ボックスBの内周面には取付ねじ6が螺合するねじ孔41を設けた複数のボス部40が突設されており、カバー本体2の底面に貫設された複数のねじ挿通孔7に挿通した取付ねじ6をボス部40のねじ孔41に螺合することで露出ボックスBの下面(開口面)に露出取付カバー1が固定される。このとき、露出ボックスB内の電線Cはカバー本体2の底面に開口する電線挿通孔5を通してカバー本体2内に導入され、熱線式自動スイッチAのボディ22上面に露設されている端子部(図示せず)に結線される。
続いて、挟み片33を引き入れ切欠31aに挿入した状態で一対の取付具30並びにボディ22を下面開口からカバー本体2内に挿入し、被狭持部3の下面に突設した突起4をケース本体21の透孔23の大径部23aに嵌合するようにしてケース本体21をカバー本体2の下面に当接させる(図4参照)。そして、この状態で引き締めねじ32を回転させると、引き入れ切欠31aから出た挟み片33が下方に移動して被狭持部3の上面に当接するから、ケース本体21と挟み片33とにより被狭持部3を挟持することになり、ケース20を露出取付カバー1に固定することができるのである(図2参照)。ここで、挟み片33が被狭持部3の上面に当接するようにカバー本体2に対してケース20を位置決めする必要があるが、本実施形態では被狭持部3の下面に突設した突起4をケース本体21の透孔23の大径部23aに嵌合させることで容易に位置決めを行うことができ、しかも、位置決め用の大径部23aは本来ケース本体21に設けられているものであるから、設計変更も不要である。
このように本実施形態の露出取付カバー1では、熱線式自動スイッチAが本来備えている天井固定用の取付具30によりケース20を取り付けて固定することが可能であるから、天井埋込型の熱線式自動スイッチAに露出配設用の部品等を追加する必要がなく、熱線式自動スイッチAの設計変更が不要となる。尚、カバー本体2の深さ寸法(高さ寸法)をケース20の高さ寸法よりも十分に大きくしておき、図2に示すように電線Cを屈曲させた状態でケース20の上方にできるスペースに収納すれば、結露等による水滴が電線Cを伝って熱線式自動スイッチAの端子部にまで達するのを防ぐことができる。また、屈曲させた電線Cによって熱線式自動スイッチAのケース20に力がはたらいても突起4と大径部23aとの嵌合によりケース20がカバー本体2に対して移動するのを防ぐことができる。
ここで、図2に示すように露出ボックスBの径がカバー本体2の径よりも小さく、カバー本体2の底面に開口した貫通孔8が露出ボックスBによって塞がれない場合、この貫通孔8を通して埃などの異物がカバー本体2内に侵入するのを防止するため、図5に示すように合成樹脂製の蓋9で貫通孔8を塞ぐことが望ましい。蓋9は貫通孔8とほぼ同形状であって周部には複数の圧入用リブ9aが突設されており、貫通孔8内に圧入してカバー本体2に取り付けられる。尚、カバー本体2の底面における電線挿通孔5の周縁に蓋9を一体成型し、必要に応じてカバー本体2から蓋9を切り取るようにすれば、蓋9を別途用意するよりもコストダウンが図れるとともに蓋9の紛失も防止できる。
ところで、電線Cが配線された天井裏の高さ方向のスペースが少なく、熱線式自動スイッチAのケース20が天井裏に収納できない場合にも、図6に示すように本発明に係る露出取付カバー1を用いて熱線式自動スイッチAを天井に露出配設することができる。この場合、カバー本体2は底面に貫設したねじ挿通孔7に挿通した固定ねじ(図示せず)により天井板Sに固定される。尚、電線Cを電線管によらずに配線する場合、結露等による水滴の侵入防止を目的としてケース20のボディ22上面に端子部を保護する端子カバー25を取り付ける必要があるが、カバー本体2の深さ寸法を端子カバー25が取り付けられたケース20の高さ寸法よりも大きくしておけば端子カバー25を取り付けたケース20にも対応可能である。
(実施形態2)
本実施形態の露出取付カバー1を図7に示す。但し、基本的な構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
熱線式自動スイッチAのケース本体21の周部には、図8に示すように複数の段部26が形成されており、本実施形態ではこれらの段部26に係合する複数の係合部10をカバー本体2に設けている。段部26は、円板状のケース本体21における弧の部分と、そこから外側に突出した部分との境目に形成されている。また、係合部10はカバー本体2の下端面から下方へ突設された突起からなり、上記外側に突出した部分を両側から挟むように各々隣り合う段部26に係合する。
而して、実施形態1における突起4と大径部23aとの嵌合による位置決めの代わりに、係合部10と段部26の係合によってカバー本体2にケース20を位置決めすることができる。この場合もケース本体21に本来設けられていた段部26を利用するから設計変更が不要であり、また、屈曲させた電線Cによって熱線式自動スイッチAのケース20に力がはたらいたときにケース20がカバー本体2に対して移動するのを防ぐことができるとともに、使用状態におけるカバー本体2の強度向上が図れるという利点がある。
ところで、係合部10と段部26の係合によってカバー本体2に対するケース20の位置ずれはある程度防止できるのであるが、例えば、地震によって係合部10と段部26の係合が外れたり、あるいは引き締めねじ32にゆるみが生じて挟み片33が被狭持部3の上面から離れてしまった場合、挟み片33が被狭持部3から脱落してケース20がカバー本体2から外れて落下してしまうことも考えられる。そこで、図7に示すように被狭持部3の水平方向(図7(c)における上下方向)における両端部から上方(図7(c)における左方)へ立ち上がる立ち上げ片11をそれぞれ突設し、挟み片33が被狭持部3から脱落するのを防ぐことが望ましい。
本発明に係る露出取付カバーの実施形態1を示す斜視図である。 同上の使用状態における断面図である。 同上を示し、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X線断面矢視図、(c)は同図(a)のY−Y線断面矢視図、(d)は背面図である。 同上の熱線式自動スイッチを取り付けた状態の下面図である。 同上の施工方法の説明図である。 同上を天井板に取り付けた場合の断面図である。 実施形態2を示し、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X線断面矢視図、(c)は同図(a)のY−Y線断面矢視図である。 同上の熱線式自動スイッチを取り付けた状態の下面図である。 従来の露出取付カバーと熱線式自動スイッチを示し、(a)は分解斜視図、(b)は取付状態を示す斜視図である。 同上の露出取付カバーと熱線式自動スイッチの取付手順を説明する説明図である。
符号の説明
1 露出取付カバー
2 カバー本体
3 被狭持部
A 熱線式自動スイッチ(天井埋込型機器)
20 ケース
30 取付具
32 引き締めねじ
33 挟み片

Claims (6)

  1. 平板状のケース本体並びにケース本体の上面に取り付けられるボディからなるケースと、ケース本体の上面に固定され、天井に設けた埋込孔に挿入された状態でケース本体との間に天井板を狭持することによりケースを天井に埋込配設する取付具とを備え、取付具は、ケース本体を貫通する引き締めねじと引き締めねじに螺合した挟み片とを有し、引き締めねじの回転によって上下に移動させた挟み片で天井板を狭持する天井埋込型機器を天井に露出取り付けするためのものであって、下面が開口する有底筒状に形成され、下面開口から前記機器のケースが挿入されるカバー本体と、カバー本体の内部に設けられ、ケース本体と挟み片との間に狭持される被狭持部とを備えたことを特徴とする天井埋込型機器用の露出取付カバー。
  2. 取付具の挟み片が被狭持部から脱落するのを防止する脱落防止手段がカバー本体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型機器用の露出取付カバー。
  3. ケース本体に貫設された孔に嵌合する突起がカバー本体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型機器用の露出取付カバー。
  4. ケース本体の周部に設けられた段部に係合する係合部がカバー本体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型機器用の露出取付カバー。
  5. カバー本体並びに被狭持部が合成樹脂成型品で構成され、成型時にカバー本体の底面に形成される貫通孔を塞ぐ蓋を備えたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型機器用の露出取付カバー。
  6. ボディ上面に電線が結線される端子部が設けられるとともにボディ上面に着脱自在に取り付けられて端子部を保護する端子カバーを前記機器に備え、カバー本体の下面開口から底面までの深さ寸法を、端子カバーを含むケースの高さ寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型機器用の露出取付カバー。
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