JP4178993B2 - 建材用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材用樹脂組成物に関し、詳しくは、オフィスビル、一般住居などの壁装材、パーティション、キャビネット、オフィス家具、天井、床材などに使用される塩化ビニル系の建材用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塩化ビニル系の建材用樹脂組成物は公知である。例えば、ゴム弾性を付与して釘打ちによる水漏れを防止する様に改良された組成物として、ポリ塩化ビニルに、加硫ゴム屑粉、不飽和ポリエステル樹脂、フタル酸系可塑剤を配合してなる組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭52−66554号公報
【0004】
ところで、情報技術の発達により、我々の身の回りには、多くの情報関連機器システムが機能している。これらの機器からは電磁波ノイズが発生しており、機器の誤作動、故障などのトラブルが多発している。現状の居住空間内では、これらの電磁波ノイズによるトラブルを解消する方策が不充分であり、この問題を解決する技術が待たれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、電磁波ノイズを吸収し得る建材用樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、塩化ビニル系樹脂に、少なくとも、可塑剤(但し、以下に定義する可塑化効率がジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)の2倍以上の可塑剤を除く)と平均粒径30〜0.01μmの黒鉛および/またはカーボンブラックを配合して成る建材用樹脂組成物であって、可塑剤の配合割合が塩化ビニル系樹脂と可塑剤の合計に対して5〜50重量%であり、黒鉛および/またはカーボンブラックの配合割合が組成物全体に対して5〜40重量%であり、電磁波周波数2.0〜4.0ギガヘルツ(GHz)で測定した比誘電率が5.0以上、誘電正接が0.05以上であり、JIS K 6301 A型によるスプリング式硬度計で硬さを測定した硬さが70〜94であることを特徴とする建材用樹脂組成物に存する。
上記の可塑化効率は、同一柔軟性を与える上記の樹脂組成物に使用する可塑剤の量を標準可塑剤DOP(33.5重量部)で割った商として定義される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の建材用樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に可塑剤と黒鉛および/またはカーボンブラックを配合して成る。
【0008】
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルを主成分とする他の共重合可能な単量体との共重合体など、塩化ビニルを主な構成単位とする樹脂が挙げられる。共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル等が挙げられる。
【0009】
可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリクレジルフォスフェート、トリアリールフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤の他、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤などが挙げられる。これらの可塑剤は2種以上を併用してもよい。可塑剤の配合割合は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤の合計に対して5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。可塑剤の配合割合が5重量%未満の場合は、得られる樹脂組成物が硬くなり過ぎるため、成形加工後に応力が加わった際に簡単に割れが生じる。また、50重量%を超える場合は、軟らかくなり過ぎて腰が無くなり、建材としての機能を発揮し得ない。
【0010】
黒鉛およびカーボンブラックの平均粒径は、30〜0.01μmであり、好ましくは20〜0.05μmである。平均粒径が30μmを超える場合は、塩化ビニル系樹脂への均一分散性が劣るため、得られる樹脂組成物の成形加工が難しくなる。また、平均粒径が0.01μm未満の場合は、保管時などに空気中の水分により凝集現象が起こり、塩化ビニル系樹脂への均一分散が出来なくなるため、得られる樹脂組成物の成形加工が難しくなる。なお、上記の平均粒径は、顕微鏡により1000個程度の粒子を観察測定し、それから算出した平均値を意味する。
【0011】
黒鉛および/またはカーボンブラックの配合量は、組成物全体に対して5〜40重量%であり、好ましくは7〜30重量%である。これらの配合量が5重量%未満の場合は、電磁波ノイズ吸収性の指標である比誘電率と誘電正接値が小さくなり、電磁波ノイズの吸収性が劣り、充分な効果を発揮し得ない。一方、配合量が40重量%を超える場合は、得られる樹脂組成物が硬くなり過ぎるため、成形加工後に応力が加わった際に簡単に割れが生じ、建材としての機能を発揮し得ない。
【0012】
本発明の建材用樹脂組成物には、必要に応じ、塩化ビニル系樹脂に通常添加される安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、充填剤、分散剤、着色剤などを適宜添加してもよい。
【0013】
本発明の建材用樹脂組成物は、例えば、スーパーミキサー、バンバリーミキサー等で前記の各成分を混合し、カレンダーロール、押出機などにより、任意の厚さに成形加工され、各種用途の建材として使用される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0015】
<評価試験方法>
(1)比誘電率および誘電正接:
(株)関東電子応用開発社製の空洞共振器摂動法誘電率測定装置を使用し、電磁波周波数2.0〜4.0ギガヘルツ(GHz)の比誘電率および誘電正接を測定した。充分な電磁波ノイズ吸収効果が得られるためには、比誘電率が5.0以上、誘電正接が0.05以上であることが必要である。
【0016】
(2)硬さ:
JIS K 6301 A型によるスプリング式硬度計で硬さを測定した。硬さが70未満であると軟らか過ぎて腰がなくなり、建材として機能しなくなる。また、硬さが95以上であると硬くなり過ぎて、折り曲げ等の応力が加わると割れが生じる。従って、建材用途における硬さの適正範囲は70〜94と考えられる。
【0017】
実施例1〜4及び比較例1〜5
スーパーミキサーにより、表1及び表2に示す配合物を5分間攪拌混合した後、表面温度が160℃のミルロールで7分間混練し、厚さ0.6mmのシートを作成した。なお、比較例5は、可塑剤量が少なく成形加工時に樹脂粘度が高くなり、樹脂の発熱温度が高くなるため、樹脂加工時の熱分解を防止する安定剤(エポキシ化大豆油、Ba−Zn系安定剤)を、他のものより増量した。
【0018】
上記のシートを4枚重ね、温度180℃、面圧1Kg/cm2 のプレス機で5分間加圧し、厚さ2mmのシートを得た。ただし、比較例1に示す配合は、黒鉛の平均粒径が小さ過ぎて粒子の凝集が発生し、比較例2に示す配合は、カーボンブラックの平均粒径が大き過ぎ、何れも、これらの粒子が均一に分散せず、評価に供するシートが得られなかった。評価試験の結果を表3及び表4に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
実施例1〜4では比誘電率が5.0以上、誘電正接が0.05以上あり、2.0〜4.0GHzにおける電磁波ノイズの吸収に効果がある。また、建材用途として適性範囲(70〜94)の硬さである。
【0024】
一方、比較例3は、黒鉛の添加量が3重量%と少ないため、比誘電率、誘電正接共小さく、2.0〜4.0GHzにおける電磁波ノイズの吸収効果を充分に発揮しえない。比較例4は、カーボンブラックの添加量が43重量%と多いため、硬さが96と硬く、折り曲げ等の応力により簡単に割れてしまう。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、パソコン等の情報関連機器から発生する電磁波ノイズの吸収効果に優れ、オフィスビル、一般住居などの壁層材、パーティション、キャビネット、オフィス家具、天井、床材などに好適な建材用樹脂組成物が提供される。
Claims (1)
- 塩化ビニル系樹脂に、少なくとも、可塑剤(但し、以下に定義する可塑化効率がジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)の2倍以上の可塑剤を除く)と平均粒径30〜0.01μmの黒鉛および/またはカーボンブラックを配合して成る建材用樹脂組成物であって、可塑剤の配合割合が塩化ビニル系樹脂と可塑剤の合計に対して5〜50重量%であり、黒鉛および/またはカーボンブラックの配合割合が組成物全体に対して5〜40重量%であり、電磁波周波数2.0〜4.0ギガヘルツ(GHz)で測定した比誘電率が5.0以上、誘電正接が0.05以上であり、JIS K 6301 A型によるスプリング式硬度計で硬さを測定した硬さが70〜94であることを特徴とする建材用樹脂組成物。
上記の可塑化効率は、同一柔軟性を与える上記の樹脂組成物に使用する可塑剤の量を標準可塑剤DOP(33.5重量部)で割った商として定義される。
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