JP4178659B2 - 熱搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路内で冷媒を循環させて温熱又は冷熱を搬送する熱搬送装置に関し、特に、信頼性の向上策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱搬送装置には、特開平9−178217号公報に開示されているように、液冷媒を貯留したタンクを備え、タンク内部を加圧してタンク内の液冷媒を主冷媒回路に押し出す一方、タンク内部を減圧して主冷媒回路中の液冷媒をタンクに回収することにより、ポンプを用いることなく冷媒循環を可能にした熱搬送装置がある。そして、圧縮機を備えて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する1次側回路を熱源とし、この1次側回路に上述の熱搬送装置を2次側回路として組み合わせ、1次側回路の温熱又は冷熱を利用側熱交換器に搬送して室内の空気調和を行う空気調和装置が知られている。
【0003】
具体的に、1次側回路には、2次側回路の冷媒に温熱又は冷熱を供給する主熱交換器が設けられている。この主熱交換器では、1次側回路の1次側冷媒と2次側回路の2次側冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が凝縮又は蒸発して1次側冷媒に温熱又は冷熱を供給する。
【0004】
一方、2次側回路には、液冷媒を貯留した一対のタンクと、駆動用の加熱熱交換器と、駆動用の冷却熱交換器とが設けられている。この加熱熱交換器には、高温高圧状態にある1次側回路の冷媒が供給され、高温の1次側冷媒と2次側回路の液冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が加熱されて蒸発して加熱熱交換器が高圧状態となる。また、冷却熱交換器には、低温低圧状態にある1次側回路の冷媒が供給され、この低温の1次側冷媒と2次側回路のガス冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が冷却されて凝縮して冷却熱交換器が低圧状態となる。
【0005】
上記加熱熱交換器と各タンクとの間には、加圧用配管が設けられる。この加圧用配管は、一端が加熱熱交換器に、他端が分岐されて各タンクにそれぞれ接続され、各分岐管には電磁弁が設けられている。また、上記冷却熱交換器と各タンクとの間には、減圧用配管が設けられる。この減圧用配管は、一端が冷却熱交換器に、他端が分岐されて各タンクにそれぞれ接続され、各分岐管には電磁弁が設けられている。
【0006】
そして、上記各電磁弁の開閉状態を適宜操作し、高圧状態の加熱熱交換器と一方のタンクとを連通して該タンクを加圧すると同時に、低圧状態の冷却熱交換器と他方のタンクとを連通して該タンクを減圧する。これによって、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと他方のタンクへの液冷媒の回収とを行う。また、各電磁弁を開閉して各タンクに対する加圧と減圧とを交互に行い、これによって、2次側回路で冷媒を連続的に循環させるようにしている。
【0007】
以上のようにして、2次側回路を冷媒が循環し、1次側回路の温熱又は冷熱を利用側熱交換器へ搬送している。この利用側熱交換器は、室内機に設けられている。そして、利用側熱交換器は、温熱を受けて放熱動作を行って室内の暖房を行い、また、冷熱を受けて吸熱動作を行って室内の冷房を行うようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の熱搬送装置では、運転状態によって、2次側回路における高低圧差が過大となる場合がある。つまり、加圧中のタンクから押し出された液冷媒の圧力と、減圧中のタンクに回収される液冷媒の圧力との差が過大となる場合がある。この様な場合としては、複数設けられている室外機の運転台数が急激に減少した場合が例示される。そして、上述の場合には、運転に種々の支障が生じ、運転を継続できなくなるおそれがあった。
【0009】
例えば、上記従来の熱搬送装置のように電磁弁の切り換えによってタンクの加減圧を切り換える場合には、以下のような問題が生じる。2次側回路での高低圧差が大きくなると、閉鎖された電磁弁の両側における圧力差が大きくなる。ここで、電磁弁が動作可能な圧力差には上限値(例えば、10kgf/cm2)があり、電磁弁の両側の圧力差がこの上限値を超えると、電磁弁を開くことができなくなる。従って、上記の場合には、電磁弁を操作してタンクの加減圧を切り換えることが不可能となり、2次側回路で冷媒を継続して循環させることができなくなってしまう。このため、熱搬送を行うことができず、運転を停止させなければならなかった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、何れの運転状態においても2次側回路での高低圧差を所定範囲とすることによって、過大な高低圧差に起因する弊害を防止して信頼性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、差圧調整手段(60)を設け、貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差を所定範囲とするようにしたものである。
【0012】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路(21)と、該循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段(T1,T2)、及び該貯留手段(T1,T2)を加圧して貯留手段(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押し出し、減圧して循環回路(21)から液冷媒を貯留手段(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(80)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送手段(30)とを備え、上記各貯留手段(T1,T2)の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置を対象とするものである。そして、上記貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差を検出する差圧検出手段(50)と、該差圧検出手段(50)が検出する圧力差を所定範囲とするための差圧調整手段(60)とを設けるものである。
【0013】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、差圧調整手段(60)には、連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成されて、一方の貯留手段(T1)から押し出された液冷媒の一部を他方の貯留手段(T2)に回収される液冷媒に合流させるためのバイパス通路(61)と、差圧検出手段(50)の検出値に基づき、上記バイパス通路(61)を連通状態と遮断状態とに切り換える制御部(63)とを設けるものである。
【0014】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、バイパス通路(61)には、開放状態と閉鎖状態とに切り換え自在に構成された開閉弁を設け、上記開閉弁を開閉させるように制御部(63)を構成するものである。
【0015】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第2の解決手段において、バイパス通路(61)には、開度が調整可能に構成された調節弁(62)を設け、上記調節弁(62)を開閉させると共に開度を調節するように制御部(63)を構成するものである。
【0016】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1〜第4の何れか1の解決手段において、加減圧手段(80)には、冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)に加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)が設けられた加圧用配管(31)と、冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)に減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)が設けられた減圧用配管(32)とを設けるものである。
【0017】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第1の解決手段において、加減圧手段(80)には、冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)に加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)が設けられた加圧用配管(31)と、冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)に減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)が設けられた減圧用配管(32)とを設ける一方、差圧調整手段(60)には、差圧検出手段(50)の検出値に基づき、少なくとも一方の貯留手段(T1)に接続される加圧分岐管(31a)及び減圧分岐管(32a)が連通状態となるように上記加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)又は減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)を操作する制御部を設けるものである。
【0018】
また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第1の解決手段において、加減圧手段(80)には、冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)が連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成された加圧用配管(31)と、冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)が連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成された減圧用配管(32)とを設け、上記加圧分岐管(31a,31b)又は減圧分岐管(32a,32b)には、複数の開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を並列に接続して構成された開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設ける一方、差圧調整手段(60)には、差圧検出手段(50)の検出値に基づき、上記開閉機構(VM-V1,VM-V2)において開放される開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の数を変更する制御部を設けるものである。
【0019】
また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第7の解決手段において、開閉機構(VM-V1,VM-V2)には、口径の異なる開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を設けるものである。
【0020】
−作用−
上記第1の解決手段では、加減圧手段(80)が一方の貯留手段(T1)を加圧し、他方の貯留手段(T2)を減圧する。そして、一方の貯留手段(T1)から循環回路(21)へ液冷媒を押し出すと同時に、他方の貯留手段(T2)に循環回路(21)から液冷媒を吸引する。また、加減圧手段(80)は、一方の貯留手段(T1)を加圧し、他方の貯留手段(T2)を減圧する状態と、一方の貯留手段(T1)を減圧し、他方の貯留手段(T2)を加圧する状態とを、交互に切り換える。これによって、循環回路(21)内で冷媒を連続して循環させ、熱源側から利用側へ温熱又は冷熱を搬送する。
【0021】
その際、差圧検出手段(50)が、上記貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差、即ち、高低圧差を検出する。そして、差圧調整手段(60)によって、この高低圧差を所定範囲にする。
【0022】
また、上記第2の解決手段では、差圧調整手段(60)として、バイパス通路(61)と制御部(63)とが設けられる。制御部(63)は、差圧検出手段(50)の検出する圧力差に基づいて、バイパス通路(61)を連通状態と遮断状態とに切り換える。バイパス通路(61)を連通状態とすると、一方の貯留手段(T1,T2)から押し出された液冷媒の一部は、バイパス通路(61)を流れ、循環回路(21)を循環せずに、他方の貯留手段(T2)に回収される液冷媒に合流する。これによって、一方の貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と、他方の貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差が減少し、差圧検出手段(50)の検出する圧力差が所定範囲となる。
【0023】
また、上記第3の解決手段では、バイパス通路(61)に開閉弁が設けられ、この開閉弁が開閉することによってバイパス通路(61)が連通状態と遮断状態とに切り換わる。一方、制御部(63)は、上記開閉弁を操作して開閉させるように構成される。そして、開閉弁が開いている間、液冷媒がバイパス通路(61)を流れる。
【0024】
また、上記第4の解決手段では、バイパス通路(61)に調節弁(62)が設けられ、この調節弁(62)が開閉することによってバイパス通路(61)が連通状態と遮断状態とに切り換わる。一方、制御部(63)は、上記調節弁(62)を操作して開閉させると共に、該調節弁(62)の開度を調節するように構成される。そして、調節弁(62)が開いている間、液冷媒がバイパス通路(61)を流れると共に、調節弁(62)の開度調節によってバイパス通路(61)での液冷媒の流量が調節される。
【0025】
また、上記第5の解決手段では、一方の貯留手段(T1)について加圧開閉弁(SV-P1)を開いて減圧開閉弁(SV-V1)を閉じると、該貯留手段(T1)が高圧部(HEX3)と連通して加圧される。これと同時に、他方の貯留手段(T2)について加圧開閉弁(SV-P2)を閉じて減圧開閉弁(SV-V2)を開くと、該貯留手段(T2)が低圧部(HEX4)と連通して減圧される。そして、一方の貯留手段(T1)から液冷媒が押し出され、他方の貯留手段(T2)に液冷媒が吸引されて、循環回路(21)の冷媒に循環駆動力が付与される。
【0026】
また、上記第6の解決手段では、上記第5の解決手段の場合と同様に、加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)の開閉操作によって、貯留手段(T1,T2)が加減圧される。そして、循環回路(21)の冷媒に循環駆動力が付与される。
【0027】
その間、差圧調整手段(60)の制御部は、差圧検出手段(50)の検出値が所定範囲となるように、加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)又は減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)を操作する。これによって、少なくとも一方の貯留手段(T1)が、高圧部(HEX3)及び低圧部(HEX4)の両方と連通する。そして、高圧部(HEX3)と連通して加圧されている貯留手段(T1)を更に低圧部(HEX4)と連通させると、貯留手段(T1)内の圧力が低下して、冷媒を押し出す力が弱くなる。逆に、低圧部(HEX4)と連通して減圧されている貯留手段(T1)を更に高圧部(HEX3)と連通させると、貯留手段(T1)内の圧力が上昇して、冷媒を吸引する力が弱くなる。従って、貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差が減少し、差圧検出手段(50)の検出する圧力差が所定範囲となる。
【0028】
また、上記第7の解決手段では、一方の貯留手段(T1)について加圧分岐管(31a)を連通状態として減圧分岐管(32a)を遮断状態とすると、該貯留手段(T1)が高圧部(HEX3)と連通して加圧される。これと同時に、他方の貯留手段(T2)について加圧分岐管(31b)を閉鎖状態として減圧分岐管(32b)を開放状態とすると、該貯留手段(T2)が低圧部(HEX4)と連通して減圧される。そして、一方の貯留手段(T1)から液冷媒が押し出され、他方の貯留手段(T2)に液冷媒が吸引されて、循環回路(21)の冷媒に循環駆動力が付与される。
【0029】
加圧分岐管(31a,31b)又は減圧分岐管(32a,32b)には、開閉機構(VM-V1,VM-V2)が設けられ、この開閉機構(VM-V1,VM-V2)は、複数の開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を並列に接続して構成される。そして、上記加圧分岐管(31a,31b)又は減圧分岐管(32a,32b)は、開閉機構(VM-V1,VM-V2)の開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を開閉することによって連通状態と遮断状態とに切り換わる。
【0030】
差圧調整手段(60)の制御部は、差圧検出手段(50)の検出値が所定範囲となるように、上記開閉機構(VM-V1,VM-V2)において開放される開閉弁(SV-P1a,SV-P1b,…)の数を変更する。例えば、減圧分岐管(32a,32b)に開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設けた場合、開閉機構(VM-V1,VM-V2)の開閉弁(SV-P1a,SV-P1b,…)を開くと貯留手段(T1,T2)が減圧され、該貯留手段(T1,T2)内に液冷媒が吸引される。この状態から、開いている開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)のいくつかを閉じると、貯留手段(T1,T2)に冷媒を吸引する力が弱くなる。その際、開閉機構(VM-V1,VM-V2)において開いている開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の数を変更することによって、貯留手段(T1,T2)に冷媒を吸引する力は、段階的に調節される。これによって、貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差が減少し、差圧検出手段(50)の検出する圧力差が所定範囲となる。また、加圧分岐管(31a,31b)開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設けた場合、開閉機構(VM-V1,VM-V2)において開いている開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)のいくつかを閉じると、貯留手段(T1,T2)から冷媒を押し出す力が弱くなり、差圧検出手段(50)の検出値が所定範囲となる。
【0031】
また、上記第8の解決手段では、開放される開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の数が同じであっても、どの口径の開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)が開放されるかによって、貯留手段(T1,T2)に冷媒を吸引する力又は貯留手段(T1,T2)から冷媒を押し出す力が変化する。
【0032】
【発明の効果】
従って、上記の解決手段によれば、差圧調整手段(60)によって、貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差、即ち高低圧差を所定範囲とすることができる。このため、この高低圧差が過大となって運転に支障を来す事態を回避できる。この結果、何れの運転状態においても安定して運転を継続させることができ、信頼性の向上を図ることができる。特に、過大な高低圧差による開閉弁の作動不良等を未然に防止でき、循環回路(21)における冷媒の循環を確保することによって確実に熱搬送を行うことができる。
【0033】
また、上記第2〜第5の解決手段によれば、具体的に、バイパス通路(61)と制御部(63)とによって差圧調整手段(60)を構成することができる。更に、上記第4の解決手段によれば、調節弁(62)の開度を調節することによって、上記高低圧差を確実に所定範囲内に維持することができる。
【0034】
また、第5の解決手段では、圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)の開閉操作によって、貯留手段(T1,T2)が加減圧するようにしている。このため、何らの対策も施さなければ、上述のように、上記高低圧差が過大となると圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)を開くことができず、運転を停止させなければならない。これに対し、本解決手段では、差圧調整手段(60)によって高低圧差を所定範囲としているため、運転を確実に継続させることができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0035】
また、上記第6〜第8の解決手段では、加減圧手段(80)の構成を用いることによって、差圧調整手段(60)を所定の制御部だけで構成することができる。このため、構成の複雑化を最小限に留めつつ、信頼性の向上を図ることができる。特に、上記第7の解決手段によれば、貯留手段(T1,T2)における冷媒を吸引する力又は冷媒を押し出す力を段階的に調節することができ、上記高低圧差を確実に所定範囲内に維持することができる。更に、上記第8の解決手段によれば、開放する開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の口径を選択することによって、貯留手段(T1,T2)における冷媒を吸引する力又は冷媒を押し出す力を一層細かく調節することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、熱搬送装置によって熱源で生成した温熱又は冷熱を搬送して室内の暖房又は冷房を行う空気調和装置である。
【0037】
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置は、熱源である1次側回路(10)と、搬送回路(30)を備えて1次側回路(10)の温熱又は冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送し利用する2次側回路(20)と、コントローラ(40)とを備えている。
【0038】
上記1次側回路(10)は、圧縮機(11)、1次側四路切換弁(12)、室外熱交換器(HEX5)、第1膨張弁(EV-1)及び主熱交換器(HEX2)を順に主配管(5)により接続して成り、内部を冷媒が循環して温熱又は冷熱を生成する蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。この1次側回路(10)における第1膨張弁(EV-1)と主熱交換器(HEX2)との間には、第1膨張弁(EV-1)から主熱交換器(HEX2)へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-7)が設けられている。また、該1次側回路(10)は、加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)が接続され、これらの熱交換器(HEX3,HEX4)へ冷媒を供給するように構成されている。
【0039】
上記加熱熱交換器(HEX3)は、室外熱交換器(HEX5)と第1膨張弁(EV-1)との間の主配管(5)に設けられている。具体的に、該加熱熱交換器(HEX3)の上端部は主配管(5)を介して室外熱交換器(HEX5)に接続され、下端部は主配管(5)を介して第1膨張弁(EV-1)に接続されている。また、加熱熱交換器(HEX3)と室外熱交換器(HEX5)との間には、室外熱交換器(HEX5)から加熱熱交換器(HEX3)へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-6)が設けられている。
【0040】
上記冷却熱交換器(HEX4)は、第1分岐配管(1)を介して上記主配管(5)に接続されている。具体的に、該冷却熱交換器(HEX4)の上端部は圧縮機(11)と1次側四路切換弁(12)との間のに接続され、下端部は加熱熱交換器(HEX3)と第1膨張弁(EV-1)との間に接続されている。また、該第1分岐配管(1)における冷却熱交換器(HEX4)の下端部と主配管(5)との間には第2膨張弁(EV-2)が設けられている。
【0041】
また、上記1次側回路(10)には、第2分岐配管(2)、第3分岐配管(3)及び第4分岐配管(4)が設けられている。
【0042】
上記第2分岐配管(2)は、一端が第1膨張弁(EV-1)と上記逆止弁(CV-7)との間に接続され、他端が室外熱交換器(HEX5)と上記逆止弁(CV-6)との間に接続されている。この第2分岐配管(2)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-8)が設けられている。
【0043】
上記第3分岐配管(3)は、一端が逆止弁(CV-7)と主熱交換器(HEX2)との間に接続され、他端が加熱熱交換器(HEX3)と第1膨張弁(EV-1)との間に接続されている。この第3分岐配管(3)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-9)が設けられている。
【0044】
上記第4分岐配管(4)は、一端が主熱交換器(HEX2)と1次側四路切換弁(12)との間に接続され、他端が逆止弁(CV-6)と加熱熱交換器(HEX3)との間に接続されている。この第4分岐配管(4)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-10)が設けられている。
【0045】
上記2次側回路(20)は、主熱交換器(HEX2)と複数の室内ユニット(22)とを備えて成る主回路(21)に、2次側四路切換弁(23)を介して上記搬送回路(30)を接続して形成された閉回路である。
【0046】
上記室内ユニット(22)は、室内熱交換器(HEX1)と室内電動弁(EV)とを冷媒配管で直列に接続して構成されている。そして、各室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)側の一端は、それぞれ主ガス配管(24)を介して主熱交換器(HEX2)の上端部に接続されると共に、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)側の一端は、それぞれ主液配管(25)を介して2次側四路切換弁(23)に接続されている。また、主熱交換器(HEX2)の下端部は、主液配管(26)を介して2次側四路切換弁(23)に接続されている。以上のようにして、主回路(21)が形成される。
【0047】
また、上記主回路(21)には、バイパス通路(61)と、2つの圧力センサ(51,52)が設けられている。
【0048】
上記バイパス通路(61)は、一端が2次側四路切換弁(23)と室内ユニット(22)の間の主液配管(25)に、他端が2次側四路切換弁(23)と主熱交換器(HEX2)の間の主液配管(26)にそれぞれ接続されている。また、バイパス通路(61)の各端は、両主液配管(25,26)における2次側四路切換弁(23)への接続部付近に接続されている。更に、バイパス通路(61)には、開度調節可能な調節弁であるバイパス電動弁(62)が設けられている。
【0049】
上記圧力センサ(51,52)は、上記各主液配管(25,26)に1つずつ設けられている。具体的に、第1圧力センサ(51)が2次側四路切換弁(23)と室内ユニット(22)の間の主液配管(25)に、第2圧力センサ(52)が2次側四路切換弁(23)と主熱交換器(HEX2)の間の主液配管(26)にそれぞれ設けられている。また、各圧力センサ(51,52)は、各主液配管(25,26)にバイパス通路(61)が接続される部分の近傍に設けられている。そして、各圧力センサ(51,52)は、各主液配管(25,26)内を流れる冷媒の圧力を検出するように構成されている。
【0050】
上記搬送回路(30)は、冷媒が充填されると共に、加熱熱交換器(HEX3)と、冷却熱交換器(HEX4)と、液冷媒を貯留する貯留手段である第1及び第2メインタンク(T1,T2)と、サブタンク(ST)とを備えている。上記加熱熱交換器(HEX3)は、1次側回路(10)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒とを熱交換させ、内部で2次側冷媒が加熱されて蒸発して高圧状態となる高圧部を構成している。上記冷却熱交換器(HEX4)は、1次側回路(10)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とを熱交換させ、内部で2次側冷媒が冷却されて凝縮して低圧状態となる低圧部を構成している。そして、加熱熱交換器(HEX3)と一方のメインタンク(T1)とを連通させ、該メインタンク(T1)内を加圧して液冷媒を押し出す。また、同時に、冷却熱交換器(HEX4)と他方のメインタンク(T2)とを連通させ、該メインタンク(T2)内を減圧して液冷媒を回収する。そして、上記搬送回路(30)は、2次側回路(20)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送手段を構成している。
【0051】
具体的に、上記冷却熱交換器(HEX4)の上端部には、減圧用配管であるガス回収管(32)が接続されている。このガス回収管(32)は3本の減圧分岐管(32a,32b,32c)に分岐されて、各減圧分岐管(32a〜32c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続されている。これら各減圧分岐管(32a〜32c)には、第1〜第3の減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2,SV-V3)が設けられている。また、この冷却熱交換器(HEX4)の下端部には、液供給管(33)が接続されている。この液供給管(33)は2本の分岐管(33a,33b)に分岐され、各分岐管(33a,33b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部にそれぞれ接続している。これら分岐管(33a,33b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の回収のみを許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
【0052】
一方、上記加熱熱交換器(HEX3)の上端部には、加圧用配管であるガス供給管(31)が接続されている。このガス供給管(31)は、3本の加圧分岐管(31a,31b,31c)に分岐され、各加圧分岐管(31a〜31c)が上記ガス回収管(32)の減圧分岐管(32a〜32c)に接続されている。これにより、各加圧分岐管(31a〜31c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各加圧分岐管(31a〜31c)には、第1〜第3の加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2,SV-P3)が設けられている。また、この加熱熱交換器(HEX3)の下端部には液回収管(34)が接続されている。この液回収管(34)はサブタンク(ST)の下端部に接続されている。この液回収管(34)には、サブタンク(ST)からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。
【0053】
そして、上記加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)と、該加熱熱交換器(HEX3)と各メインタンク(T1,T2)とを接続するガス供給管(31)と、該冷却熱交換器(HEX4)と各メインタンク(T1,T2)とを接続するガス回収管(32)と、これらの各ガス配管(31,32)のに設けられた減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)及び加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)とによって加減圧手段(80)が構成されている。
【0054】
尚、各メインタンク(T1,T2)は、冷却熱交換器(HEX4)よりも低い位置に設置されている。また、サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置に設置されている。
【0055】
上記各メインタンク(T1,T2)には回収用液配管(38)と押出し用液配管(37)とが接続されている。この回収用液配管(38)は2本の分岐管(38a,38b)に分岐され、各分岐管(38a,38b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部にそれぞれ接続している。これら各分岐管(38a,38b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-5)が設けられている。
【0056】
一方、押出し用液配管(37)は3本の分岐管(37a,37b,37c)に分岐され、各分岐管(37a〜37c)が上記回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)及び液回収管(34)に接続することにより、各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の下端部に接続している。これら分岐管(37a〜37c)のうち、各メインタンク(T1,T2)に接続する分岐管(37a,37b)には、メインタンク(T1,T2)下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-3)が設けられる一方、サブタンク(ST)に接続する分岐管(37c)には、該サブタンク(ST)への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0057】
以上のように上記搬送回路(30)が構成されると共に、該搬送回路(30)の回収用液配管(38)及び押出し用液配管(37)が、2次側四路切換弁(23)を介して主回路(21)の主液配管(25,26)に接続されている。そして、上記2次側回路(20)は、一方のメインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒が押出し用液配管(37)を通って主回路(21)へ流れ、主回路(21)を循環した後に回収用液配管(38)を通って他方のメインタンク(T1,T2)に回収されるように構成される。また、2次側四路切換弁(23)を切り換えることによって、主回路(21)において冷媒の循環方向を反転可能に構成している。
【0058】
上記コントローラ(40)は、差圧算出部(53)と弁制御部(63)とを備えている。
【0059】
上記差圧算出部(53)には、上記第1及び第2圧力センサ(51,52)の検出値が入力されている。そして、この差圧算出部(53)は、両圧力センサ(51,52)の検出値の差を求め、両主液配管(25,26)内を流れる冷媒の圧力差、即ち2次側回路(20)での高低圧差を算出するように構成されている。この差圧算出部(53)と、第1及び第2圧力センサ(51,52)とによって差圧検出手段(50)が構成されている。
【0060】
上記弁制御部(63)には、上記差圧算出部(53)が算出する2次側回路(20)の高低圧差が入力されている。そして、この弁制御部(63)は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の上限値よりも低く維持されるように、上記バイパス通路(61)のバイパス電動弁(62)の開度を調節するように構成されている。この弁制御部(63)とバイパス通路(61)とによって差圧調整手段(60)が構成されている。
【0061】
尚、2次側回路(20)の高低圧差の上限値は、次のようにして定めている。つまり、本実施形態では、搬送回路(30)において電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を設けている。そして、2次側回路(20)の高低圧差が過大となると、これらの電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)の両側における圧力差が過大となり、電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を開くことができなくなる。従って、電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が動作可能な圧力差を、上記弁制御部(63)における2次側回路(20)の高低圧差の上限値としている。
【0062】
−運転動作−
(冷房運転動作)
冷房運転時における運転動作について説明する。
【0063】
先ず、上記1次側回路(10)の動作について説明する。冷房運転時には、1次側四路切換弁(12)が図1に実線で示すように切り換えられ、第1膨張弁(EV-1)及び第2膨張弁(EV-2)が所定開度に調整される。
【0064】
この状態において、図1に一点鎖線の矢印で示すように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。即ち、圧縮機(11)から吐出された高圧のガス冷媒は、1次側四路切換弁(12)を通って室外熱交換器(HEX5)へ流れ、室外熱交換器(HEX5)で外気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、主配管(5)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ流れ、加熱熱交換器(HEX3)で2次側回路(20)の液冷媒と熱交換を行う。
【0065】
この加熱熱交換器(HEX3)から流出した高圧の液冷媒は分流されて、一部は主熱交換器(HEX2)へ向かって流れ、残りは冷却熱交換器(HEX4)へ向かって流れる。主熱交換器(HEX2)へ向かう冷媒は、主配管(5)を流れ、第1膨張弁(EV-1)で減圧された後に、主熱交換器(HEX2)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発する。その際、1次側回路(10)において冷熱が生成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。一方、冷却熱交換器(HEX4)へ向かう冷媒は、第1分岐配管(1)を流れ、第2膨張弁(EV-2)で減圧された後に、冷却熱交換器(HEX4)において2次側回路(20)のガス冷媒と熱交換して蒸発する。そして、該主熱交換器(HEX2)及び冷却熱交換器(HEX4)で蒸発した1次側回路(10)の冷媒は、合流した後に圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0066】
次に、上記2次側回路(20)の動作について説明する。搬送回路(30)の各電磁弁(SV-P1,SV-V2,SV-P3)が次の状態にあるところから説明する。第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)が開放されている。一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)は閉鎖されている。また、2次側四路切換弁(23)は図1に実線で示すように切り換えられ、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整されている。
【0067】
この状態において、加熱熱交換器(HEX3)では、1次側回路(10)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒とが熱交換し、該2次側冷媒が加熱されて蒸発する。これによって、加熱熱交換器(HEX3)内が高圧状態となる。この加熱熱交換器(HEX3)は、ガス供給管(31)及び加圧分岐管(31a)を介して第1メインタンク(T1)と連通状態となっている。このため、第1メインタンク(T1)が加圧され、この第1メインタンク(T1)に貯留された液冷媒が押し出される。そして、第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒は、図1の実線の矢印に示すように、押出し用液配管(37)の分岐管(37a)から押出し用液配管(37)へ流れ、2次側四路切換弁(23)を通って主回路(21)の主液配管(25)へ流れる。
【0068】
一方、冷却熱交換器(HEX4)では、1次側回路(10)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とが熱交換し、該2次側冷媒が冷却されて凝縮する。これによって、冷却熱交換器(HEX4)内が低圧状態となる。この冷却熱交換器(HEX4)は、ガス回収管(32)及び減圧分岐管(32b)を介して第2メインタンク(T2)と連通状態となっている。このため、第2メインタンク(T2)が減圧され、主回路(21)の液冷媒が第2メインタンク(T2)に回収される。つまり、図1の実線の矢印に示すように、主配管(5)の主液配管(26)の液冷媒が吸引され、2次側四路切換弁(23)、回収用液配管(38)、回収用液配管(38)の分岐管(38b)を順に流れて第2メインタンク(T2)に回収される。
【0069】
上記2次側回路(20)の主回路(21)では、上述のような第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押し出しと、第2メインタンク(T2)への液冷媒の回収とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の冷房が行われる。具体的に、第1メインタンク(T1)からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を生成する。そして、この低温の調和空気が室内の冷房に供される。
【0070】
この各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して主ガス配管(24)を通って主熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ流れたガス冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交換を行い、該1次側冷媒が蒸発して生成した冷熱によって冷却されて凝縮し、再び液冷媒となる。この液冷媒は、主液配管(26)を流れ、回収用液配管(38)を通って第2メインタンク(T2)に回収される。
【0071】
また、搬送回路(30)において、サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)と連通状態となっており、内部が加圧されている。このため、図1に破線の矢印で示すように、該サブタンク(ST)内の液冷媒が液回収管(34)を経て加熱熱交換器(HEX3)に供給される。この供給された液冷媒は加熱熱交換器(HEX3)内で蒸発して第1メインタンク(T1)内の加圧に寄与する。その後、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放される。これによって、サブタンク(ST)は、冷却熱交換器(HEX4)と連通状態となり、内部が減圧される。そして、押出し用液配管(37)を流れる冷媒の一部が、図1に破線の矢印で示すように、サブタンク(ST)内に回収される。
【0072】
このような動作を所定時間行った後、搬送回路(30)の電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を切換える。つまり、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)を閉鎖する。第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)を開放する。
【0073】
これによって、第1メインタンク(T1)が減圧され、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(ST)が加圧される。このため、第2メインタンク(T2)から押し出された液冷媒が上述と同様に循環して第1メインタンク(T1)に回収される冷媒循環状態となり、また、サブタンク(ST)内の液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)に供給される。この場合にも、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放されて、サブタンク(ST)への冷媒の回収が行われる。
【0074】
以上のように各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が切換え動作を行い、冷媒が第1メインタンク(T1)から押し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作と、冷媒が第2メインタンク(T2)から押し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作とが交互に行われる。そして、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内の冷房が行われる。
【0075】
(暖房運転動作)
次に、暖房運転時における運転動作について説明する。暖房運転時には、1次側四路切換弁(12)が図2に実線で示すように切り換えられ、第1膨張弁(EV-1)及び第2膨張弁(EV-2)が所定開度に調整される。
【0076】
この状態において、図2に一点鎖線の矢印で示すように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。即ち、圧縮機(11)から吐出された高圧のガス冷媒は、1次側四路切換弁(12)を通った後に分流されて、一部は主熱交換器(HEX2)へ向かって流れ、残りは加熱熱交換器(HEX3)へ向かって流れる。
【0077】
主熱交換器(HEX2)へ向かう高圧のガス冷媒は、主配管(5)を通って主熱交換器(HEX2)へ流れ、主熱交換器(HEX2)で2次側回路(20)の冷媒と熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、1次側回路(10)において温熱が生成し、該温熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。一方、加熱熱交換器(HEX3)へ向かう高圧のガス冷媒は、第4分岐配管(4)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ流れ、加熱熱交換器(HEX3)で2次側回路(20)の液冷媒と熱交換して凝縮する。該主熱交換器(HEX2)で凝縮した冷媒は、第3分岐配管(3)を流れて、加熱熱交換器(HEX3)で凝縮した冷媒と合流する。
【0078】
この合流した液冷媒は再び分流されて、一部は室外熱交換器(HEX5)へ向かって流れ、残りは冷却熱交換器(HEX4)へ向かって流れる。室外熱交換器(HEX5)へ向かう冷媒は、主配管(5)を流れ、第1膨張弁(EV-1)で減圧された後に、第2分岐配管(2)を通って室外熱交換器(HEX5)へ流れ、室外熱交換器(HEX5)において外気と熱交換して蒸発する。一方、冷却熱交換器(HEX4)へ向かう高圧の液冷媒は、第1分岐配管(1)を流れ、第2膨張弁(EV-2)で減圧された後に、冷却熱交換器(HEX4)において2次側回路(20)のガス冷媒と熱交換して蒸発する。そして、該室外熱交換器(HEX5)で蒸発した冷媒は、1次側四路切換弁(12)を通った後に冷却熱交換器(HEX4)で蒸発した冷媒と合流し、その後に圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0079】
また、上記2次側回路(20)では、2次側四路切換弁(23)は図2に実線で示すように切り換えられ、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整されている。そして、2次側回路(20)は、2次側回路(20)の搬送回路(30)において、加熱熱交換器(HEX3)の高圧と冷却熱交換器(HEX4)の低圧とを第1及び第2メインタンク(T1,T2)に供給し、上述の冷房運転時と同様に動作して、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出しと回収とを行う。
【0080】
上記2次側回路(20)の主回路(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出しと回収とによって、図2に実線の矢印で示すように冷媒が循環し、1次側回路(10)の温熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の暖房が行われる。
【0081】
具体的に、メインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒は、押出し用液配管(37)から主回路(21)へ流れ、2次側四路切換弁(23)と主液配管(26)とを順に通り、主熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ流れた液冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交換し、該1次側冷媒が凝縮して生成した温熱によって加熱されて蒸発する。
【0082】
この主熱交換器(HEX2)で蒸発したガス冷媒は、主ガス配管(24)を流れ、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れるガス冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分流したガス冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱して調和空気を生成する。そして、この高温の調和空気が室内の暖房に供される。一方、各室内熱交換器(HEX1)で凝縮した冷媒は、合流して主液配管(25)、2次側四路切換弁(23)を順に通り、搬送回路(30)の回収用液配管(38)に流れる。以上のように、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内の暖房が行われる。
【0083】
(差圧調整動作)
本実施形態の空気調和装置は、上述の冷房運転及び暖房運転の際に、所定の差圧調整動作を行う。
【0084】
先ず、上記第1及び第2圧力センサ(51,52)が、各主液配管(25,26)内を流れる冷媒の圧力を検出する。これによって、メインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒の圧力と、メインタンク(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力とが検出される。具体的に、冷房運転時には、第1圧力センサ(51)がメインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒の圧力を検出し、第2圧力センサ(52)がメインタンク(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力を検出する。また、暖房運転時には、第2圧力センサ(52)がメインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒の圧力を検出し、第1圧力センサ(51)がメインタンク(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力を検出する。
【0085】
上記コントローラ(40)の差圧算出部(53)には、第1及び第2圧力センサ(51,52)の検出値が入力される。この差圧算出部(53)は、両圧力センサ(51,52)の検出値の差を求め、2次側回路(20)の高低圧差を算出して出力する。
【0086】
また、コントローラ(40)の弁制御部(63)には、差圧算出部(53)が算出した高低圧差が入力されている。そして、弁制御部(63)は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の上限値よりも低く維持されるように、バイパス通路(61)のバイパス電動弁(62)の開度を調節する。
【0087】
具体的に、2次側回路(20)の高低圧差が増加して上限値を超えるおそれがあるときは、弁制御部(63)がバイパス電動弁(62)を開き、或いはバイパス電動弁(62)の開度を大きくする。そして、一方のメインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒の一部は、バイパス通路(61)を流れ、主回路(21)を循環せずに、他方のメインタンク(T2)に回収される液冷媒に合流する。これによって、一方のメインタンク(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と、他方の貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差が減少する。つまり、2次側回路(20)の高低圧差が減少し、該高低圧差が上限値よりも低く維持される。
【0088】
また、2次側回路(20)の高低圧差が低くて上限値を超えるおそれがないときは、弁制御部(63)がバイパス電動弁(62)の開度を小さくし、或いはバイパス電動弁(62)を閉じる。そして、必要最小限の液冷媒をバイパス通路(61)に流すようにしている。つまり、バイパス通路(61)を流れる冷媒の分だけ室内ユニット(22)に流れる液冷媒の量が減少するが、上述の動作によって、運転に支障のない範囲で、なるべく多くの冷媒を室内ユニット(22)へ流すようにしている。
【0089】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、上述の差圧調整動作によって2次側回路(20)の高低圧差を上限値よりも低く維持することができる。従って、上記ガス供給管(31)及びガス回収管(32)に設けられた各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)の両側での圧力差を所定値よりも低く維持することができ、該各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を常に操作可能な状態とすることができる。このため、運転状態においては、常に各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を切り換えて各メインタンク(T1,T2)の加減圧を行うことが可能となる。この結果、2次側回路(20)の主回路(21)における冷媒の循環を常に確保することができ、安定して空調運転を行うことができる。
【0090】
また、本実施形態では、バイパス通路(61)に開度調節可能なバイパス電動弁(62)を設けるようにしている。このため、バイパス電動弁(62)の開度を調節することによってバイパス通路(61)を流れる冷媒の流量を細かく調節することができる。この結果、2次側回路(20)の高低圧差を確実に所定範囲内に維持することが可能となる。
【0091】
−実施形態1の変形例−
本実施形態1では、バイパス通路(61)に開度調節可能なバイパス電動弁(62)を設けるようにしたが、このバイパス電動弁(62)に代えて、開放状態と閉鎖状態とに切り換え自在の開閉弁であるバイパス電磁弁を設けるようにしてもよい。この場合、上記コントローラ(40)の弁制御部(63)は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると所定時間だけバイパス電磁弁を開き、その後、再びバイパス電磁弁を閉じるように構成される。尚、2次側回路(20)の高低圧差が所定値を下回るとバイパス電磁弁を閉じるようにしてもよい。
【0092】
また、本実施形態1では、バイパス通路(61)の両端を主回路(21)に接続し、第1及び第2圧力センサ(51,52)を主回路(21)に設けるようにしている。これに対し、バイパス通路(61)の一端を押出し用液配管(37)に、他端を回収用液配管(38)にそれぞれ接続すると共に、第1圧力センサ(51)を押出し用液配管(37)に、第2圧力センサ(52)を回収用液配管(38)にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0093】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、上記実施形態1においてバイパス通路(61)を省略し、更にコントローラ(40)の弁制御部(63)の構成を変更したものである。その他の構成は、上記実施形態1と同様である。
【0094】
本実施形態の弁制御部には、上記実施形態1と同様に、差圧算出部(53)が算出する2次側回路(20)の高低圧差が入力されている。そして、この弁制御部は、入力された高低圧差の値に基づき、各メインタンク(T1,T2)に接続する加圧分岐管(31a,31b)及び減圧分岐管(32a,32b)に設けられた加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を開閉制御するように構成されている。
【0095】
具体的に、上記弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の設定値に達すると、加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)のうち所定の電磁弁を開き、減圧中のメインタンク(T1,T2)を加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)の両方と連通させる。そして、これによって、2次側回路(20)の高低圧差を所定の上限値よりも低くするようにしている。従って、本実施形態では、上記弁制御部が差圧調整手段(60)を構成している。
【0096】
−運転動作−
本実施形態では、上記実施形態1と同様にして冷房運転及び暖房運転が行われる。以下、差圧調整動作について説明する。
【0097】
先ず、2次側回路(20)の搬送回路(30)において、第1メインタンク(T1)が加圧され、第2メインタンク(T2)が減圧されている状態での動作を説明する。この状態で、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)が開放される一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)は閉鎖されている。
【0098】
コントローラ(40)の差圧算出部(53)は、上記実施形態1と同様に、第1及び第2圧力センサ(51,52)の検出値を受け、2次側回路(20)の高低圧差を算出して出力する。
【0099】
一方、弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)を所定時間だけ開く。そして、減圧中の第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)を開くことによって、第2メインタンク(T2)の内圧が上昇する。このため、第2メインタンク(T2)へ液冷媒を吸引する力が弱くなり、第2メインタンク(T2)に向かって流れる主液配管(26)内の冷媒の圧力が上昇し、2次側回路(20)の高低圧差が所定の上限値よりも低くなる。
【0100】
また、上述の場合とは逆に、第1メインタンク(T1)が減圧され、第2メインタンク(T2)が加圧されている状態では、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、弁制御部が第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)を所定時間だけ開くようにする。
【0101】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、2次側回路(20)の搬送回路(30)を構成する加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を開閉制御することによって、2次側回路(20)の高低圧差を所定の上限値よりも低くすることができる。つまり、本実施形態によれば、上記実施形態1のようなバイパス通路(61)を設けることなく、既存の構成である加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を利用して実施形態1と同様の効果が得られる。従って、構成の複雑化を最小限に留めつつ、信頼性の向上を図ることができる。
【0102】
−実施形態2の変形例−
本実施形態では、弁制御部が、減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)の開放により減圧中のメインタンク(T1,T2)について、加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)を所定時間だけ開くようにしている。これに対し、加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)の開放により加圧中のメインタンク(T1,T2)について、減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を所定時間だけ開くようにしてもよい。また、加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)及び減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)の全てを所定時間だけ開放状態とするようにしてもよい。
【0103】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、上記実施形態2において、2次側回路(20)の搬送回路(30)及びコントローラ(40)の弁制御部の構成を変更したものである。
【0104】
つまり、実施形態2では、搬送回路(30)において、メインタンク(T1,T2)に接続する各減圧分岐管(31a,31b)にそれぞれ減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を設けている。これに対し、本実施形態は、図3に示すように、同一口径の第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)と第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)とが互いに並列に接続されて成る減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を、各減圧分岐管(31a,31b)にそれぞれ設けるものである。
【0105】
尚、本実施形態で減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設けるようにしたのは、減圧分岐管(31a,31b)に大口径の電磁弁を1つだけ設けるよりも小口径の電磁弁を複数並列に接続して設ける方が、メインタンク(T1,T2)の加減圧を行う上で有利な場合があるためである。
【0106】
また、本実施形態の弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の設定値に達すると、対応する減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の開放により減圧されているメインタンク(T1,T2)について、第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)のみを所定時間に亘って閉鎖するように構成されている。
【0107】
−運転動作−
本実施形態では、上記実施形態2と同様にして冷房運転及び暖房運転が行われる。その際、減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)において、両電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)は同時に開閉される。以下、差圧調整動作について説明する。
【0108】
先ず、2次側回路(20)の搬送回路(30)において、第1メインタンク(T1)が加圧され、第2メインタンク(T2)が減圧されている状態での動作を説明する。この状態で、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2メインタンク(T2)の減圧開閉機構(VM-V2)の第1及び第2電磁弁(SV-2a,SV-2b)が開放される一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧開閉機構(VM-V1)の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b)は閉鎖されている。
【0109】
コントローラ(40)の差圧算出部(53)は、上記実施形態1と同様に、第1及び第2圧力センサ(51,52)の検出値を受け、2次側回路(20)の高低圧差を算出して出力する。
【0110】
一方、弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、第2メインタンク(T2)の減圧開閉機構(VM-V2)における第1電磁弁(SV-2a)を所定時間だけ閉じる。その間、第2メインタンク(T2)は、減圧開閉機構(VM-V2)における第2電磁弁(SV-2b)のみを介して冷却熱交換器(HEX4)と連通する。このため、第2メインタンク(T2)内が充分に減圧されず、第2メインタンク(T2)の内圧が上昇する。従って、第2メインタンク(T2)へ液冷媒を吸引する力が弱くなり、第2メインタンク(T2)に向かって流れる主液配管(26)内の冷媒の圧力が上昇し、2次側回路(20)の高低圧差が所定の上限値よりも低くなる。
【0111】
また、上述の場合とは逆に、第1メインタンク(T1)が減圧され、第2メインタンク(T2)が加圧されている状態では、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、弁制御部が第1メインタンク(T1)の減圧開閉機構(VM-V1)における第1電磁弁(SV-1a)を所定時間だけ閉じるようにする。
【0112】
本実施形態3によれば、上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。
【0113】
−実施形態3の変形例−
(第1の変形例)
本実施形態では、同一口径の2つの電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を互いに並列に接続して減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしたが、電磁弁の数は2つに限られず、3つ以上の電磁弁によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしてもよい。この場合、弁制御部は、少なくとも1つの電磁弁は開放状態に維持しつつ必要に応じて適当な数の電磁弁を閉じるように構成される。
【0114】
(第2の変形例)
また、本実施形態では、減圧分岐管(31a,31b)に2つの電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)から成る減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設けるようにしているが、これに代えて、加圧分岐管(32a,32b)に2つの電磁弁から成る加圧開閉機構を設けるようにしてもよい。この場合、弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の設定値に達すると、対応する加圧開閉機構の両電磁弁の開放により加圧されているメインタンク(T1,T2)について、該電磁弁の1つを所定時間に亘って閉鎖するように構成される。
【0115】
(第3の変形例)
また、本実施形態では、同一口径の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしているが、これに代えて、互いに口径の異なる2つの電磁弁によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしてもよい。具体的に、第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)を大口径とし、第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)を小口径とするようにしてもよい。この場合、弁制御部は、大口径の第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)と小口径の第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)とを、状況に応じて選択して閉鎖するように構成される。そして、本変形例によれば、第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)と第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)とを選択することによって、メインタンク(T1,T2)へ液冷媒を吸引する力を段階的に調節することができる。
【0116】
【発明の実施の形態4】
本発明の実施形態4は、上記実施形態3において、制御部の構成を変更したものである。
【0117】
本実施形態の弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の設定値に達すると、対応する加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)の開放により加圧されているメインタンク(T1,T2)について、対応する減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の一方又は両方を所定時間に亘って開放するように構成されている。
【0118】
−運転動作−
本実施形態では、上記実施形態3と同様にして冷房運転及び暖房運転が行われる。以下、差圧調整動作について説明する。
【0119】
先ず、2次側回路(20)の搬送回路(30)において、第1メインタンク(T1)が加圧され、第2メインタンク(T2)が減圧されている状態での動作を説明する。この状態で、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2メインタンク(T2)の減圧開閉機構(VM-V2)の第1及び第2電磁弁(SV-2a,SV-2b)が開放される一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧開閉機構(VM-V1)の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b)は閉鎖されている。
【0120】
コントローラ(40)の差圧算出部(53)は、上記実施形態1と同様に、第1及び第2圧力センサ(51,52)の検出値を受け、2次側回路(20)の高低圧差を算出して出力する。
【0121】
一方、弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、第1メインタンク(T1)の減圧開閉機構(VM-V1)における第2電磁弁(SV-1b)を所定時間だけ開く。その間、第1メインタンク(T1)は、加熱熱交換器(HEX3)と連通すると共に、開放された第2電磁弁(SV-1b)を介して冷却熱交換器(HEX4)とも連通する。このため、第1メインタンク(T1)内が充分に加圧されず、第1メインタンク(T1)の内圧が低下する。従って、第1メインタンク(T1)から液冷媒を押し出す力が弱くなり、第1メインタンク(T1)から押し出された冷媒が流れる主液配管(25)内の冷媒の圧力が低下し、2次側回路(20)の高低圧差が所定の上限値よりも低くなる。
【0122】
また、2次側回路(20)の高低圧差を短時間で低下させる必要がある場合には、上記弁制御部は、第1メインタンク(T1)の減圧開閉機構(VM-V1)における第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b)を所定時間だけ開く。この場合、第1メインタンク(T1)は、第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b)を介して冷却熱交換器(HEX4)とも連通するため、第1メインタンク(T1)の内圧が急速に低下する。従って、第1メインタンク(T1)から液冷媒を押し出す力が短時間で弱まり、2次側回路(20)の高低圧差が短時間で低下する。
【0123】
また、上述の場合とは逆に、第1メインタンク(T1)が減圧され、第2メインタンク(T2)が加圧されている状態では、2次側回路(20)の高低圧差が所定の基準値に達すると、弁制御部が第2メインタンク(T2)の減圧開閉機構(VM-V1)における第1及び第2電磁弁(SV-2a,SV-2b)の一方又は両方を所定時間だけ開くようにする。
【0124】
−実施形態4の効果−
本実施形態3によれば、上記実施形態3と同様の効果を得ることができる。また、加圧中のメインタンク(T1,T2)の内圧を段階的に調節できるため、2次側回路(20)の高低圧差を一層確実に所定値よりも低くすることが可能となる。
【0125】
−実施形態4の変形例−
(第1の変形例)
本実施形態では、同一口径の2つの電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を互いに並列に接続して減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしたが、電磁弁の数は2つに限られず、3つ以上の電磁弁によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしてもよい。この場合、弁制御部は、必要に応じて適当な数の電磁弁を閉じるように構成される。
【0126】
(第2の変形例)
また、本実施形態では、減圧分岐管(31a,31b)に2つの電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)から成る減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を設けるようにしているが、これに代えて、加圧分岐管(32a,32b)に2つの電磁弁から成る加圧開閉機構を設けるようにしてもよい。この場合、弁制御部は、2次側回路(20)の高低圧差が所定の設定値に達すると、対応する減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)の開放により減圧されているメインタンク(T1,T2)について、対応する加圧開閉機構の電磁弁のうち一方又は両方を所定時間に亘って開放するように構成される。
【0127】
(第3の変形例)
また、本実施形態では、同一口径の第1及び第2電磁弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしているが、これに代えて、互いに口径の異なる2つの電磁弁によって減圧開閉機構(VM-V1,VM-V2)を構成するようにしてもよい。具体的に、第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)を大口径とし、第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)を小口径とするようにしてもよい。この場合、弁制御部は、大口径の第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)と小口径の第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)とを、状況に応じて選択して開放するように構成される。そして、本変形例によれば、第1電磁弁(SV-1a,SV-2a)と第2電磁弁(SV-1b,SV-2b)とを選択することによって、メインタンク(T1,T2)から液冷媒を押し出す力を段階的に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気調和装置の冷媒配管系統図及びコントローラのブロック図である。
【図2】実施形態1に係る空気調和装置の暖房運転時の冷媒循環動作を示す冷媒配管系統図である。
【図3】実施形態3に係る空気調和装置の冷媒配管系統図である。
【符号の説明】
(21) 主回路(循環回路)
(30) 搬送回路(搬送手段)
(31) ガス供給管(加圧用配管)
(31a,31b)加圧分岐管
(32) ガス回収管(減圧用配管)
(32a,32b)減圧分岐管
(50) 差圧検出手段
(51) 第1圧力センサ
(52) 第2圧力センサ
(60) 差圧調整手段
(61) バイパス通路
(62) バイパス電動弁(調節弁)
(63) 弁制御部(制御部)
(80) 加減圧手段
(T1) 第1メインタンク(貯留手段)
(T2) 第2メインタンク(貯留手段)
(HEX3) 加熱熱交換器(高圧部)
(HEX4) 冷却熱交換器(低圧部)
(SV-P1,SV-P2)加圧電磁弁(加圧開閉弁)
(SV-V1,SV-V2)減圧電磁弁(減圧開閉弁)
(SV-1a,SV-2a)第1電磁弁(開閉弁)
(SV-1b,SV-2b)第2電磁弁(開閉弁)
(VM-V1,VM-V2)開閉機構

Claims (8)

  1. 冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路(21)と、
    該循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段(T1,T2)、及び該貯留手段(T1,T2)を加圧して貯留手段(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押し出し、減圧して循環回路(21)から液冷媒を貯留手段(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(80)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送手段(30)とを備え、
    上記各貯留手段(T1,T2)の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置であって、
    上記貯留手段(T1,T2)から押し出される液冷媒の圧力と該貯留手段(T1,T2)に回収される液冷媒の圧力との差を検出する差圧検出手段(50)と、
    該差圧検出手段(50)が検出する圧力差を所定範囲とするための差圧調整手段(60)とを備えている熱搬送装置。
  2. 請求項1記載の熱搬送装置において、
    差圧調整手段(60)は、
    連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成されて、一方の貯留手段(T1)から押し出された液冷媒の一部を他方の貯留手段(T2)に回収される液冷媒に合流させるためのバイパス通路(61)と、
    差圧検出手段(50)の検出値に基づき、上記バイパス通路(61)を連通状態と遮断状態とに切り換える制御部(63)とを備えている熱搬送装置。
  3. 請求項2記載の熱搬送装置において、
    バイパス通路(61)は、開放状態と閉鎖状態とに切り換え自在に構成された開閉弁を備え、
    制御部(63)は、上記開閉弁を開閉させるように構成されている熱搬送装置。
  4. 請求項2記載の熱搬送装置において、
    バイパス通路(61)は、開度が調整可能に構成された調節弁(62)を備え、
    制御部(63)は、上記調節弁(62)を開閉させると共に開度を調節するように構成されている熱搬送装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1記載の熱搬送装置において、
    加減圧手段(80)は、
    冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、
    一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)に加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)が設けられた加圧用配管(31)と、
    冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、
    一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)に減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)が設けられた減圧用配管(32)とを備えている熱搬送装置。
  6. 請求項1記載の熱搬送装置において、
    加減圧手段(80)は、
    冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、
    一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)に加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)が設けられた加圧用配管(31)と、
    冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、
    一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)に減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)が設けられた減圧用配管(32)とを備える一方、
    差圧調整手段(60)は、
    差圧検出手段(50)の検出値に基づき、少なくとも一方の貯留手段(T1)に接続される加圧分岐管(31a)及び減圧分岐管(32a)が連通状態となるように上記加圧開閉弁(SV-P1,SV-P2)又は減圧開閉弁(SV-V1,SV-V2)を操作する制御部を備えている熱搬送装置。
  7. 請求項1記載の熱搬送装置において、
    加減圧手段(80)は、
    冷媒の蒸発によって内部が高圧状態となる高圧部(HEX3)と、
    一端が該高圧部(HEX3)に接続され、他端が複数の加圧分岐管(31a,31b)に分岐され、該加圧分岐管(31a,31b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各加圧分岐管(31a,31b)が連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成された加圧用配管(31)と、
    冷媒の凝縮によって内部が低圧状態となる低圧部(HEX4)と、
    一端が該低圧部(HEX4)に接続され、他端が複数の減圧分岐管(32a,32b)に分岐され、該減圧分岐管(32a,32b)が各貯留手段(T1,T2)に接続されると共に、各減圧分岐管(32a,32b)が連通状態と遮断状態とに切り換え自在に構成された減圧用配管(32)とを備え、
    上記加圧分岐管(31a,31b)又は減圧分岐管(32a,32b)は、複数の開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を並列に接続して構成された開閉機構(VM-V1,VM-V2)を備える一方、
    差圧調整手段(60)は、差圧検出手段(50)の検出値に基づき、上記開閉機構(VM-V1,VM-V2)において開放される開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)の数を変更する制御部を備えている熱搬送装置。
  8. 請求項7記載の熱搬送装置において、
    開閉機構(VM-V1,VM-V2)は、口径の異なる開閉弁(SV-1a,SV-1b,SV-2a,SV-2b)を備えている熱搬送装置。
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