JP4269358B2 - 熱搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、閉回路内で冷媒を循環させて温熱又は冷熱を搬送する熱搬送装置に関し、特に、冷媒充填量の適正化対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱搬送装置には、特開平9−178217号公報に開示されているように、液冷媒を貯留したタンクを備え、タンク内部を加圧してタンク内の液冷媒を主冷媒回路に押し出す一方、タンク内部を減圧して主冷媒回路中の液冷媒をタンクに回収することにより、ポンプを用いることなく冷媒循環を可能にした熱搬送装置がある。そして、圧縮機を備えて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する1次側回路を熱源とし、この1次側回路に上述の熱搬送装置を2次側回路として組み合わせ、1次側回路の温熱又は冷熱を利用側熱交換器に搬送して室内の空気調和を行う空気調和装置が知られている。
【0003】
具体的に、1次側回路には、2次側回路の冷媒に温熱又は冷熱を供給する主熱交換器が設けられている。この主熱交換器では、1次側回路の1次側冷媒と2次側回路の2次側冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が凝縮又は蒸発して1次側冷媒に温熱又は冷熱を供給する。
【0004】
一方、2次側回路には、液冷媒を貯留した一対のタンクと、駆動用の加熱熱交換器と、駆動用の冷却熱交換器とが設けられている。この加熱熱交換器には、高温高圧状態にある1次側回路の冷媒が供給され、高温の1次側冷媒と2次側回路の液冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が加熱されて蒸発して加熱熱交換器が高圧状態となる。また、冷却熱交換器には、低温低圧状態にある1次側回路の冷媒が供給され、この低温の1次側冷媒と2次側回路のガス冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が冷却されて凝縮して冷却熱交換器が低圧状態となる。そして、この高圧状態の加熱熱交換器と一方のタンクとを連通して該タンクを加圧すると同時に、低圧状態の冷却熱交換器と他方のタンクとを連通して該タンクを減圧する。これによって、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと他方のタンクへの液冷媒の回収とを行い、2次側回路での冷媒の循環動作を得るようにしている。
【0005】
以上のようにして、2次側回路を冷媒が循環し、1次側回路の温熱又は冷熱を利用側熱交換器へ搬送している。そして、利用側熱交換器は、温熱を受けて放熱動作を行って室内の暖房を行い、また、冷熱を受けて吸熱動作を行って室内の冷房を行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の熱搬送装置、即ち2次側回路では、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと、他方のタンクへの液冷媒の回収とを同時に行って冷媒を循環させている。そして、この2次側回路に充填された冷媒量が適正な場合、一方のタンクから全ての液冷媒が押し出されて該タンクが空状態になった際に、他方のタンクは内部が液冷媒で満たされた満タン状態となる。しかし、冷媒充填量が過少であると、一方のタンクが空状態となっても他方のタンクが満タン状態にならず、また、冷媒充填量が過多であると、他方のタンクが満タン状態となっても一方のタンクが空状態にならない。従って、2次側回路の冷媒充填量が不適正な場合、タンクが有する内容積を十分に利用することができず、タンクの加減圧状態の切り換えを頻繁に行わなければ必要な冷媒循環量を得ることができない。
【0007】
これに対し、従来は、2次側回路に設けられる熱交換器などの構成機器の数や容積、各構成機器間を接続する冷媒配管の径や長さ等を考慮して冷媒の充填量を推算し、この推算した量の冷媒を2次側回路に充填するようにしていた。このため、2次側回路の冷媒充填量を決定するのに多大な労力を要する割には、推算した充填量の精度が悪かった。また、既設の利用側熱交換器を冷媒配管で接続することによって、2次側回路を構成する場合もある。そして、この様な場合には冷媒配管の長さや配管径等が不明なこともあり、このことによっても推算された冷媒充填量の精度が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容易に且つ確実に適正量の冷媒を2次側回路に充填できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、貯留手段の満タン状態又は空状態を検出することによって、冷媒充填量の適正又は不適正を判定するようにしたものである。
【0010】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路(21)と、該循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段(T1,T2)、及び該貯留手段(T1,T2)を加圧又は減圧し、貯留手段(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押し出す一方、循環回路(21)から液冷媒を貯留手段(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(80)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送回路(30)とを備え、各貯留手段(T1,T2)の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置を前提としている。
【0011】
そして、上記貯留手段(T1,T2)の液冷媒がほぼ空になる空状態を検出する空検出手段(51)と、上記貯留手段(T1,T2)が液冷媒でほぼ満杯になる満タン状態を検出する満タン検出手段(52)と、上記空検出手段(51)により検出された空状態と、上記満タン検出手段(52)により検出された満タン状態とに基づいて、上記循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が適正であるか否かを判定する適正判定手段(54)とを設けるものである。
【0012】
更に、上記第1の解決手段は、適正判定手段(54)を、空検出手段(51)が一方の貯留手段(T1)の空状態を検出してから所定時間の経過前に満タン検出手段(52)が他方の貯留手段(T2)の満タン状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が適正であると判定するように構成するものである。
【0013】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路(21)と、該循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段(T1,T2)、及び該貯留手段(T1,T2)を加圧又は減圧し、貯留手段(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押し出す一方、循環回路(21)から液冷媒を貯留手段(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(80)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送回路(30)とを備え、各貯留手段(T1,T2)の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置を前提としている。
【0014】
そして、上記貯留手段(T1,T2)の液冷媒がほぼ空になる空状態、又は該貯留手段(T1,T2)がほぼ満杯になる満タン状態の何れか一方を検出する冷媒量検出手段(51,52)と、上記循環回路(21)及び搬送回路(30)の冷媒充填量が適正な場合における各貯留手段(T1,T2)の加減圧の切り換え間隔期間である適正切換時間を算出するタイミング算出手段(53)と、上記冷媒量検出手段(51,52)により検出された空状態又は満タン状態と、上記タイミング算出手段(53)が算出する適正切換時間とに基づいて、上記循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が不適正か否かを判定する不適正判定手段(55,56)とを設けるものである。
【0015】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、冷媒量検出手段(51)を、貯留手段(T1,T2)の空状態を検出する空検出手段(51)によって構成し、不適正判定手段(55)を、上記空検出手段(51)により検出された空状態と、タイミング算出手段(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少であるか否かを判定するように構成するものである。
【0016】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第3の解決手段において、不適正判定手段(55)を、一方の貯留手段(T1)を減圧状態から加圧状態に切り換えてから適正切換時間の経過前に空検出手段(51)が該貯留手段(T1)の空状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少であると判定するように構成するものである。
【0017】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第2の解決手段において、冷媒量検出手段(52)を、貯留手段(T1,T2)の満タン状態を検出する満タン検出手段(52)によって構成し、不適正判定手段(56)を、上記満タン検出手段(52)により検出された満タン状態と、タイミング算出手段(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多であるか否かを判定するように構成するものである。
【0018】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、不適正判定手段(55)を、一方の貯留手段(T1)を加圧状態から減圧状態に切り換えてから適正切換時間の経過前に満タン検出手段(52)が該貯留手段(T1)の満タン状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多であると判定するように構成するものである。
【0019】
また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第1,第3又は第4の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成して、該タンク(T1,T2)の下端部に接続された液配管(38a,38b)を介して循環回路(21)に連通させる一方、上記液配管(38a,38b)のタンク(T1,T2)との接続部付近における表面温度を検出する下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)を設け、空検出手段(51)を、該下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて空状態を検出するように構成するものである。
【0020】
また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第1,第3又は第4の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成する一方、該タンク(T1,T2)の下端部の表面温度を検出する下部タンク温度センサ(Th-e)を設け、空検出手段(51)を、該下部タンク温度センサ(Th-e)の検出温度に基づいて空状態を検出するように構成するものである。
【0021】
また、本発明が講じた第9の解決手段は、上記第1,第3又は第4の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成する一方、該タンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出する液面センサ(Ls1,Ls2)を設け、空検出手段(51a)を、該液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいて空状態を検出するように構成するものである。
【0022】
また、本発明が講じた第10の解決手段は、上記第1,第5又は第6の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成し、加減圧手段(80)には、冷媒を加熱蒸発させて高圧状態とする加熱部(HEX3)と、冷媒を冷却凝縮させて低圧状態とする冷却部(HEX4)と、一端がタンク(T1,T2)の上端部に接続されて他端が加熱部(HEX3)及び冷却部(HEX4)に接続されたガス配管(32a,32b)とを設ける。そして、上記ガス配管(32a,32b)のタンク(T1,T2)との接続部付近における表面温度を検出する上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)を設け、満タン検出手段(52)を、該上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて満タン状態を検出するように構成するものである。
【0023】
また、本発明が講じた第11の解決手段は、上記第1,第5又は第6の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成する一方、該タンク(T1,T2)の上端部の表面温度を検出する上部タンク温度センサ(Th-f)を設け、満タン検出手段(52)を、該上部タンク温度センサ(Th-f)の検出温度に基づいて満タン状態を検出するように構成するものである。
【0024】
また、本発明が講じた第12の解決手段は、上記第1,第5又は第6の何れか1記載の解決手段において、各貯留手段(T1,T2)を、それぞれタンク(T1,T2)で構成する一方、該タンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出する液面センサ(Ls1,Ls2)を設け、満タン検出手段(52a)を、該液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいて満タン状態を検出するように構成するものである。
【0025】
−作用−
上記第1の解決手段では、加減圧手段(80)が一方の貯留手段(T1)を加圧し、他方の貯留手段(T2)を減圧する。そして、一方の貯留手段(T1)から循環回路(21)へ液冷媒を押し出すと同時に、他方の貯留手段(T2)に循環回路(21)から液冷媒を吸引する。これによって、循環回路(21)内で冷媒が循環し、熱源側から利用側へ温熱又は冷熱を搬送する。
【0026】
上述のように、本解決手段では、貯留手段(T1,T2)での液冷媒の押し出しと吸引とによって循環回路(21)内で冷媒を循環させている。このため、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が適正であれば、加圧された貯留手段(T1)が空になるのとほぼ同時に減圧された貯留手段(T2)が満杯になる。また、冷媒充填量が過少であれば、加圧された貯留手段(T1)が空になっても減圧された貯留手段(T2)は満杯にならず、逆に冷媒充填量が過多であれば、減圧された貯留手段(T2)が満杯になっても加圧された貯留手段(T1)は空にならない。
【0027】
これに対して、空検出手段(51)が貯留手段(T1,T2)の空状態を検出し、満タン検出手段(52)が貯留手段(T1,T2)の満タン状態を検出する。そして、適正判定手段(54)が、空状態と満タン状態との双方が検出されるか、何れか一方だけが検出されるかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が適正か否かを判定する。
【0028】
更に、上記第1の解決手段では、一方の貯留手段(T1)の空状態と、他方の貯留手段(T2)の満タン状態との両方が所定の時間内に検出された場合に、適正判定手段(54)は、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が適正であると判定する。
【0029】
また、上記第2の解決手段では、加減圧手段(80)が一方の貯留手段(T1)を加圧すると共に他方の貯留手段(T2)を減圧し、一方の貯留手段(T1)から循環回路(21)へ液冷媒を押し出すと同時に、他方の貯留手段(T2)に循環回路(21)から液冷媒を吸引する。また、この動作を行う一方、加減圧手段(80)が他方の貯留手段(T2)を加圧すると共に一方の貯留手段(T1)を減圧し、他方の貯留手段(T2)から循環回路(21)へ液冷媒を押し出すと同時に、一方の貯留手段(T1)に循環回路(21)から液冷媒を吸引する動作を切り換えて行う。これによって、循環回路(21)内で冷媒が連続的に循環し、熱源側から利用側へ温熱又は冷熱を搬送する。
【0030】
上述のように、本解決手段では、各貯留手段(T1,T2)の加圧と減圧とを交互に行うことによって循環回路(21)内で冷媒を循環させている。また、必要な熱搬送量を確保するためには、所定の冷媒循環量を確保しなければならない。これに対して、本解決手段では、タイミング算出手段(53)が、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が適正であるとの前提の下に、貯留手段(T1,T2)における加減圧の切り換え間隔期間としての適正切換時間を算出する。即ち、冷媒充填量が適正であれば、貯留手段(T1,T2)は加圧を開始する時点では満タン状態となる。その一方、貯留手段(T1,T2)に貯留可能な液冷媒量は既知である。従って、所定の冷媒循環量とするために、満タン状態の貯留手段(T1,T2)を加圧して空状態とするのに要する時間を算出できる。
【0031】
上記タイミング算出手段(53)は、冷媒充填量が適正であるとして適正切換時間を算出している。そして、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が適正であれば、貯留手段(T1)の加圧開始から適正切換時間が経過するのとほぼ同時に、加圧された貯留手段(T1)が空になり、減圧された貯留手段(T2)が満杯になる。一方、冷媒充填量が過少であれば、適正切換時間の経過前に加圧された貯留手段(T1)が空になり、逆に冷媒充填量が過多であれば、適正切換時間の経過前に減圧された貯留手段(T2)が満杯になる。
【0032】
これに対して、冷媒量検出手段(51,52)が、貯留手段(T1,T2)の空状態又は満タン状態の何れか一方を検出する。そして、不適正判定手段(55,56)が、貯留手段(T1,T2)の加減圧の開始から適正切換時間が経過する前に空状態又は満タン状態が検出されるかどうかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が不適正か否かを判定する。
【0033】
また、上記第3の解決手段では、冷媒量検出手段(51)を構成する空検出手段(51)が貯留手段(T1,T2)の空状態を検出する。そして、不適正判定手段(55)が、貯留手段(T1,T2)の加減圧を開始してから適正切換時間が経過する前に空状態が検出されるかどうかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少か否かを判定する。
【0034】
また、上記第4の解決手段では、不適正判定手段(55)が、一方の貯留手段(T1)の加圧を開始してから適正切換時間が経過する前に該貯留手段(T1)の空状態が検出されるかどうかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少か否かを判定する。
【0035】
また、上記第5の解決手段では、冷媒量検出手段(52)を構成する満タン検出手段(52)が貯留手段(T1,T2)の満タン状態を検出する。そして、不適正判定手段(56)が、貯留手段(T1,T2)の加減圧を開始してから適正切換時間が経過する前に満タン状態が検出されるかどうかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多か否かを判定する。
【0036】
また、上記第6の解決手段では、不適正判定手段(56)が、一方の貯留手段(T1)の減圧を開始してから適正切換時間が経過する前に該貯留手段(T1)の満タン状態が検出されるかどうかによって、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多か否かを判定する。
【0037】
また、上記第7の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成され、このタンク(T1,T2)の下端部には液配管(38a,38b)が接続されている。従って、タンク(T1,T2)内に液冷媒が存在すれば液配管(38a,38b)内も液冷媒で満たされ、液配管(38a,38b)内にガス冷媒が存在すればタンク(T1,T2)は空状態と判断できる。一方、液配管(38a,38b)内に存在する冷媒が液冷媒である状態とガス冷媒である状態とでは、液配管(38a,38b)の表面温度が異なる。これに対して、本解決手段では、下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)が液配管(38a,38b)のタンク(T1,T2)との接続部付近の表面温度を検出している。そして、空検出手段(51)が、下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度の変化に基づいてタンク(T1,T2)の空状態を検出する。
【0038】
また、上記第8の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成され、このタンク(T1,T2)内に液冷媒がある状態とガス冷媒がある状態とではタンク(T1,T2)の表面温度が異なる。これに対して、本解決手段では、下部タンク温度センサ(Th-e)がタンク(T1,T2)の下端部の表面温度を検出している。そして、空検出手段(51)が、下部タンク温度センサ(Th-e)の検出温度の変化に基づいてタンク(T1,T2)の空状態を検出する。
【0039】
また、上記第9の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成される。そして、液面センサ(Ls1,Ls2)がタンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出し、空検出手段(51a)が、液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいてタンク(T1,T2)の空状態を検出する。
【0040】
また、上記第10の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成され、該タンク(T1,T2)にはガス配管(32a,32b)を介して加減圧手段(80)の加熱部(HEX3)と冷却部(HEX4)とが接続される。そして、加減圧手段(80)は、高圧状態の加熱部(HEX3)とタンク(T1,T2)とを連通させてタンク(T1,T2)を加圧し、低圧状態の冷却部(HEX4)とタンク(T1,T2)とを連通させてタンク(T1,T2)を減圧する。
【0041】
上記ガス配管(32a,32b)は、タンク(T1,T2)の上端部に接続されている。従って、通常は内部にガス冷媒が存在し、ガス配管(32a,32b)内に液冷媒が存在すればタンク(T1,T2)は満タン状態と判断できる。一方、ガス配管(32a,32b)内に存在する冷媒がガス冷媒である状態と液冷媒である状態とでは、ガス配管(32a,32b)の表面温度が異なる。これに対して、本解決手段では、上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)がガス配管(32a,32b)のタンク(T1,T2)との接続部付近の表面温度を検出している。そして、満タン検出手段(52)が、上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度の変化に基づいてタンク(T1,T2)の満タン状態を検出する。
【0042】
また、上記第11の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成され、このタンク(T1,T2)内に液冷媒がある状態とガス冷媒がある状態とではタンク(T1,T2)の表面温度が異なる。これに対して、本解決手段では、上部タンク温度センサ(Th-f)がタンク(T1,T2)の上端部の表面温度を検出している。そして、満タン検出手段(52)が、上部タンク温度センサ(Th-f)の検出温度の変化に基づいてタンク(T1,T2)の満タン状態を検出する。
【0043】
また、上記第12の解決手段では、貯留手段(T1,T2)がタンク(T1,T2)で構成される。そして、液面センサ(Ls1,Ls2)がタンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出し、満タン検出手段(52a)が、液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいてタンク(T1,T2)の満タン状態を検出する。
【0044】
【発明の効果】
従って、上記第1の解決手段によれば、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が適正か否かを判定することができる。このため、適正判定手段(54)によって冷媒充填量が適正と判断されるように冷媒の追加又は排出を行うことによって、冷媒充填量を最適値にすることができる。この結果、過大な労力を要することなく、容易に且つ確実に最適な量の冷媒を充填することが可能となる。
【0045】
また、上記第2の解決手段によれば、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が不適正か否かを判定することができる。このため、不適正判定手段(55,56)によって冷媒充填量が不適正と判断されないように冷媒の追加又は排出を行うことによって、冷媒充填量を最適値にすることができる。この結果、過大な労力を要することなく、容易に且つ確実に最適な量の冷媒を充填することが可能となる。特に、上記第3及び第4の解決手段によれば、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒の量が過少であるか否かを判定でき、上記第5及び第6の解決手段によれば、冷媒充填量が過多であるか否かを判定することができる。
【0046】
また、上記第7〜第9の解決手段によれば、温度センサ(Th1e,Th1f,…)や液面センサ(Ls1,Ls2)の検出値に基づいて確実にタンク(T1,T2)の空状態を検出することができる。また、上記第10〜第12の解決手段によれば、温度センサ(Th1e,Th1f,…)や液面センサ(Ls1,Ls2)の検出値に基づいて確実にタンク(T1,T2)の満タン状態を検出することができる。
【0047】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明の特徴とする熱搬送装置によって、熱源で生成した温熱又は冷熱を搬送して室内の暖房又は冷房を行う空気調和装置である。
【0048】
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置は、熱源であって第1回路(10a)及び第2回路(10b)の2つの閉回路より成る熱源側冷媒回路(10)と、搬送回路(30)を備えて熱源側冷媒回路(10)の温熱又は冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送し利用する利用側冷媒回路(20)とを備えている。また、上記第1回路(10a)及び第2回路(10b)は、それぞれが圧縮機(11a,11b)を備え、内部を冷媒が循環して温熱又は冷熱を生成する蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。以下、熱源側冷媒回路(10)を1次側回路(10)といい、利用側冷媒回路(20)を2次側回路(20)という。
【0049】
上記2次側回路(20)は、第1及び第2主熱交換器(HEX2a,HEX2b)と複数の室内ユニット(22)とを備えて成る主回路(21)に、2次側四路切換弁(23)を介して上記搬送回路(30)を接続して形成された閉回路である。該室内ユニット(22)は、利用側熱交換器である室内熱交換器(HEX1)と室内電動弁(EV)とを冷媒配管で直列に接続して構成されている。そして、各室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)側の一端は、それぞれ主ガス配管(24)を介して各主熱交換器(HEX2a,HEX2b)の上端部に接続されると共に、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)側の一端は、それぞれ主液配管(25)を介して2次側四路切換弁(23)に接続されている。また、各主熱交換器(HEX2a,HEX2b)の下端部は、主液配管(26)を介して2次側四路切換弁(23)に接続されている。以上のようにして、上記主回路(21)が形成される。
【0050】
上記搬送回路(30)は、冷媒が充填されると共に、加圧手段である加熱熱交換器(HEX3)と、減圧手段である冷却熱交換器(HEX4)と、液冷媒を貯留する貯留手段である第1及び第2メインタンク(T1,T2)と、サブタンク(ST)とを備えている。上記加熱熱交換器(HEX3)は、1次側回路(10)の第1回路(10a)の冷媒が供給され、該1次側冷媒と2次側回路(20)の液冷媒とを熱交換させ、該2次側冷媒を加熱し蒸発させて高圧を生成するように構成されている。上記冷却熱交換器(HEX4)は、1次側回路(10)の第1回路(10a)の冷媒が供給され、該1次側冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とを熱交換させ、該2次側冷媒を冷却し凝縮させて低圧を生成するように構成されている。そして、加熱熱交換器(HEX3)の高圧を一方のメインタンク(T1,T2)に供給して該メインタンク(T1,T2)内の液冷媒を押し出すと同時に、冷却熱交換器(HEX4)の低圧を他方のメインタンク(T1,T2)に供給して該メインタンク(T1,T2)内へ液冷媒を回収する。以上のようにして、搬送回路(30)は、2次側回路(20)の冷媒に循環駆動力を付与するように構成されている。
【0051】
具体的に、上記冷却熱交換器(HEX4)の上端部にはガス回収管(32)が接続されている。このガス回収管(32)は3本の分岐管(32a,32b,32c)に分岐されて、各分岐管(32a〜32c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続されている。これら各分岐管(32a〜32c)には、第1〜第3のタンク減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2,SV-V3)が設けられている。また、この冷却熱交換器(HEX4)の下端部には液配管である液供給管(33)が接続されている。この液供給管(33)は2本の分岐管(33a,33b)に分岐され、各分岐管(33a,33b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部にそれぞれ接続している。これら分岐管(33a,33b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の回収のみを許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
【0052】
一方、上記加熱熱交換器(HEX3)の上端部にはガス供給管(31)が接続されている。このガス供給管(31)は、3本の分岐管(31a,31b,31c)に分岐され、各分岐管(31a〜31c)が上記ガス回収管(32)の分岐管(32a〜32c)に接続されている。これにより、該ガス供給管(31)の各分岐管(31a〜31c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各分岐管(31a〜31c)には、第1〜第3のタンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2,SV-P3)が設けられている。また、この加熱熱交換器(HEX3)の下端部には液回収管(34)が接続されている。この液回収管(34)はサブタンク(ST)の下端部に接続されている。この液回収管(34)には、サブタンク(ST)からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。
【0053】
そして、上記加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)と、該加熱熱交換器(HEX3)と各メインタンク(T1,T2)とを接続するガス供給管(31)と、該冷却熱交換器(HEX4)と各メインタンク(T1,T2)とを接続するガス回収管(32)と、これらの各ガス配管(31,32)のに設けられたタンク減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)及びタンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)とによって加減圧手段(80)が構成されている。
【0054】
尚、各メインタンク(T1,T2)は、冷却熱交換器(HEX4)よりも低い位置に設置されている。また、サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置に設置されている。
【0055】
上記各メインタンク(T1,T2)には回収用液配管(38)と押出し用液配管(37)とが接続されている。この回収用液配管(38)は2本の分岐管(38a,38b)に分岐され、各分岐管(38a,38b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部にそれぞれ接続している。これら各分岐管(38a,38b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-5)が設けられている。また、該回収用液配管(38)には充填ポート(39)が設けられ、この充填ポート(39)から2次側回路(20)に冷媒を充填するようにしている。
【0056】
一方、押出し用液配管(37)は3本の分岐管(37a,37b,37c)に分岐され、各分岐管(37a〜37c)が上記回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)及び液回収管(34)に接続することにより、各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の下端部に接続している。これら分岐管(37a〜37c)のうち、各メインタンク(T1,T2)に接続する分岐管(37a,37b)には、メインタンク(T1,T2)下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-3)が設けられる一方、サブタンク(ST)に接続する分岐管(37c)には、該サブタンク(ST)への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0057】
以上のように上記搬送回路(30)が構成されると共に、該搬送回路(30)の回収用液配管(38)及び押出し用液配管(37)が、2次側四路切換弁(23)を介して主回路(21)の主液配管(25,26)に接続されている。そして、上記2次側回路(20)は、一方のメインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒が押出し用液配管(37)を通って主回路(21)へ流れ、主回路(21)を循環した後に回収用液配管(38)を通って他方のメインタンク(T1,T2)に回収されるように構成される。また、2次側四路切換弁(23)を切り換えることによって、主回路(21)において冷媒の循環方向を反転可能に構成している。
【0058】
また、図2に示すように、上記2次側回路(20)の搬送回路(30)には、それぞれサーミスタから成る4つの温度センサ(Th1f,Th1e,Th2f,Th2e)と、各温度センサ(Th1f,Th1e,Th2f,Th2e)の検出温度が入力するコントローラ(50)とが設けられている。具体的に、第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)は、各メインタンク(T1,T2)の上端部に接続するガス回収管(32)の各分岐管(32a,32b)におけるメインタンク(T1,T2)との接続部近傍に取り付けられて、各分岐管(32a,32b)の表面温度を検出するように構成されている。また、第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)は、各メインタンク(T1,T2)の下端部に接続する回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)におけるメインタンク(T1,T2)との接続部近傍に取り付けられて、各分岐管(38a,38b)の表面温度を検出するように構成されている。
【0059】
上記コントローラ(50)は、本発明の特徴とするものであって、空検出部(51)と、満タン検出部(52)と、適正判定部(54)とを備えている。この空検出部(51)は、上記第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の空状態を検出するものであって、空検出手段を構成している。また、満タン検出部(52)は、上記第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するものであって、満タン検出手段を構成している。そして、適正判定部(54)は、空検出部(51)により検出された空状態と、満タン検出手段により検出された満タン状態とに基づいて2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であるか否かを判定するものであって、適正判定手段を構成している。
【0060】
上述のように、1次側回路(10)は、第1回路(10a)及び第2回路(10b)の2つの閉回路によって形成されている。以下、第1及び第2の各回路(10a,10b)の構成について説明する。
【0061】
上記第1回路(10a)は、第1圧縮機(11a)、第1四路切換弁(12a)、第1室外熱交換器(HEX5a)、第1膨張弁(EV-1)及び第1主熱交換器(HEX2a)を順に主配管(5a)により接続して成り、内部を冷媒が循環して温熱又は冷熱を生成する蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。この第1回路(10a)における第1膨張弁(EV-1)と第1主熱交換器(HEX2a)との間には、第1膨張弁(EV-1)から第1主熱交換器(HEX2a)へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-7)が設けられている。また、該第1回路(10a)は、搬送回路(30)の加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)に接続され、これらの熱交換器(HEX3,HEX4)へ冷媒を供給するように構成されている。
【0062】
上記加熱熱交換器(HEX3)は、第1室外熱交換器(HEX5a)と第1膨張弁(EV-1)との間の主配管(5a)に設けられている。具体的に、該加熱熱交換器(HEX3)の上端部は主配管(5a)を介して第1室外熱交換器(HEX5a)に接続され、下端部は主配管(5a)を介して第1膨張弁(EV-1)に接続されている。また、加熱熱交換器(HEX3)と第1室外熱交換器(HEX5a)との間には、第1室外熱交換器(HEX5a)から加熱熱交換器(HEX3)へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-6)が設けられている。
【0063】
上記冷却熱交換器(HEX4)は、第1分岐配管(1)を介して第1回路(10a)に接続されている。具体的に、該冷却熱交換器(HEX4)の上端部は第1圧縮機(11a)と第1四路切換弁(12a)との間の主配管(5a)を介して第1圧縮機(11a)の吸入側に接続され、下端部は加熱熱交換器(HEX3)と第1膨張弁(EV-1)との間の主配管(5a)に接続されている。また、該第1分岐配管(1)における冷却熱交換器(HEX4)の下端部と該主配管(5a)との間には第2膨張弁(EV-2)が設けられている。
【0064】
また、上記第1回路(10a)には、第2分岐配管(2)、第3分岐配管(3)及び第4分岐配管(4)が設けられている。
【0065】
上記第2分岐配管(2)は、一端が第1膨張弁(EV-1)と上記逆止弁(CV-7)との間に接続され、他端が第1室外熱交換器(HEX5a)と上記逆止弁(CV-6)との間に接続されている。この第2分岐配管(2)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-8)が設けられている。
【0066】
上記第3分岐配管(3)は、一端が逆止弁(CV-7)と第1主熱交換器(HEX2a)との間に接続され、他端が加熱熱交換器(HEX3)と第1膨張弁(EV-1)との間に接続されている。この第3分岐配管(3)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-9)が設けられている。
【0067】
上記第4分岐配管(4)は、一端が第1主熱交換器(HEX2a)と第1四路切換弁(12a)との間に接続され、他端が逆止弁(CV-6)と加熱熱交換器(HEX3)との間に接続されている。この第4分岐配管(4)には、上記一端から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-10)が設けられている。
【0068】
上記第2回路(10b)は、第2圧縮機(11b)、第2四路切換弁(12b)、第2室外熱交換器(HEX5b)、第3膨張弁(EV-3)及び第2主熱交換器(HEX2b)を順に主配管(5b)により接続して成り、内部を冷媒が循環して温熱又は冷熱を生成する蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。そして、該第2回路(10b)は、上記2次側回路(20)への温熱又は冷熱の供給のみを行うように構成されている。
【0069】
−運転動作−
(冷房運転動作)
冷房運転時における運転動作について説明する。
【0070】
先ず、上記1次側回路(10)の第1回路(10a)及び第2回路(10b)の動作について説明する。この運転時において、上記第1回路(10a)では、第1四路切換弁(12a)が図1に実線で示すように切り換えられ、第1膨張弁(EV-1)及び第2膨張弁(EV-2)が所定開度に調整される。
【0071】
この状態において、図1に一点鎖線の矢印で示すように、第1回路(10a)内を冷媒が循環する。即ち、第1圧縮機(11a)から吐出された高圧のガス冷媒は、第1四路切換弁(12a)を通って第1室外熱交換器(HEX5a)へ流れ、第1室外熱交換器(HEX5a)で外気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、主配管(5a)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ流れ、加熱熱交換器(HEX3)で2次側回路(20)の液冷媒と熱交換して、該2次側回路(20)の液冷媒を蒸発させる。
【0072】
この加熱熱交換器(HEX3)から流出した高圧の液冷媒は分流されて、一部は第1主熱交換器(HEX2a)へ向かって流れ、残りは冷却熱交換器(HEX4)へ向かって流れる。第1主熱交換器(HEX2a)へ向かう高圧の液冷媒は、主配管(5a)を流れ、第1膨張弁(EV-1)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、第1主熱交換器(HEX2a)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発する。その際、第1回路(10a)において冷熱が生成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。一方、冷却熱交換器(HEX4)へ向かう高圧の液冷媒は、第1分岐配管(1)を流れ、第2膨張弁(EV-2)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、冷却熱交換器(HEX4)において2次側回路(20)のガス冷媒と熱交換して蒸発し、該2次側回路(20)のガス冷媒を凝縮させる。
【0073】
そして、該第1主熱交換器(HEX2a)及び冷却熱交換器(HEX4)で蒸発した第1回路(10a)の冷媒は、合流した後に第1圧縮機(11a)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0074】
上記第2回路(10b)では、第2四路切換弁(12b)が図1に実線で示すように切り換えられ、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整される。
【0075】
この状態において、図1に一点鎖線の矢印で示すように、第2回路(10b)内を冷媒が循環する。即ち、第2圧縮機(11b)から吐出された高圧のガス冷媒は、第2四路切換弁(12b)を通って第2室外熱交換器(HEX5b)へ流れ、第2室外熱交換器(HEX5b)で外気と熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、主配管(5b)を流れ、第3膨張弁(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、第2主熱交換器(HEX2b)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発する。その際、第2回路(10b)において冷熱が生成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。該第2主熱交換器(HEX2b)で蒸発した第2回路(10b)の冷媒は、その後、第2圧縮機(11b)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0076】
次に、上記2次側回路(20)の動作について説明する。搬送回路(30)の各電磁弁(SV-P1,SV-V2,SV-P3)が次の状態にあるところから説明する。第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)が開放されている。一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)は閉鎖されている。また、2次側四路切換弁(23)は図1に実線で示すように切り換えられ、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整されている。
【0077】
この状態において、加熱熱交換器(HEX3)では、第1回路(10a)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒とが熱交換し、該2次側冷媒が加熱されて蒸発することにより高圧が生成する。この高圧は、ガス供給管(31)の分岐管(31a)を経て第1メインタンク(T1)に供給され、第1メインタンク(T1)が加圧される。このため、第1メインタンク(T1)に貯留された液冷媒が、図1の実線の矢印に示すように、第1メインタンク(T1)から押し出される。そして、第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒は、押出し用液配管(37)の分岐管(37a)から押出し用液配管(37)へ流れ、2次側四路切換弁(23)を通って主回路(21)の主液配管(25)へ流れる。
【0078】
一方、冷却熱交換器(HEX4)では、第1回路(10a)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とが熱交換し、該2次側冷媒が冷却されて凝縮することにより低圧が生成する。この低圧は、ガス回収管(32)の分岐管(32b)を経て第2メインタンク(T2)に供給され、第2メインタンク(T2)が減圧される。このため、第2メインタンク(T2)には主回路(21)の液冷媒が回収される。つまり、図1の実線の矢印に示すように、主配管(5a)の主液配管(26)の液冷媒が吸引され、2次側四路切換弁(23)、回収用液配管(38)、回収用液配管(38)の分岐管(38b)を順に流れて第2メインタンク(T2)に回収される。
【0079】
上記2次側回路(20)の主回路(21)では、上述のような第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押し出しと、第2メインタンク(T2)への液冷媒の回収とによって冷媒が循環し、第1回路(10a)の冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の冷房が行われる。具体的に、第1メインタンク(T1)からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を生成する。そして、この低温の調和空気が室内の冷房に供される。
【0080】
この各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して主ガス配管(24)を通って第1主熱交換器(HEX2a)へ流れる。第1主熱交換器(HEX2a)へ流れたガス冷媒は、第1回路(10a)の冷媒と熱交換を行い、該1次側冷媒が蒸発して生成した冷熱によって冷却されて凝縮し、再び液冷媒となる。この液冷媒は、主液配管(26)を流れ、回収用液配管(38)を通って第2メインタンク(T2)に回収される。
【0081】
また、搬送回路(30)において、サブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)と均圧されている。このため、図1に破線の矢印で示すように、該サブタンク(ST)内の液冷媒が液回収管(34)を経て加熱熱交換器(HEX3)に供給される。この供給された液冷媒は加熱熱交換器(HEX3)内で蒸発して第1メインタンク(T1)内の加圧に寄与する。その後、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放される。これにより、サブタンク(ST)内は低圧になり、図1に破線の矢印で示すように、押出し用液配管(37)を流れる冷媒の一部が回収される。
【0082】
このような動作を所定時間行った後、搬送回路(30)の電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を切換える。つまり、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)を閉鎖する。第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)を開放する。
【0083】
これにより、第1メインタンク(T1)の内圧が低圧となり、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(ST)の内圧が高圧となる。このため、第2メインタンク(T2)から押し出された液冷媒が上述と同様に循環して第1メインタンク(T1)に回収される冷媒循環状態となり、また、サブタンク(ST)内の液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)に供給される。この場合にも、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放されて、サブタンク(ST)への冷媒の回収が行われる。
【0084】
以上のように各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が切換え動作を行い、冷媒が第1メインタンク(T1)から押し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作と、冷媒が第2メインタンク(T2)から押し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作とが交互に行われる。そして、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内の冷房が行われる。
【0085】
(暖房運転動作)
次に、暖房運転時における運転動作について説明する。この運転時において、上記第1回路(10a)では、第1四路切換弁(12a)が図3に破線で示すように切り換えられ、第1膨張弁(EV-1)及び第2膨張弁(EV-2)が所定開度に調整される。
【0086】
この状態において、図3に一点鎖線の矢印で示すように、第1回路(10a)内を冷媒が循環する。即ち、第1圧縮機(11a)から吐出された高圧のガス冷媒は、第1四路切換弁(12a)を通った後に分流されて、一部は第1主熱交換器(HEX2a)へ向かって流れ、残りは加熱熱交換器(HEX3)へ向かって流れる。
【0087】
第1主熱交換器(HEX2a)へ向かう高圧のガス冷媒は、主配管(5a)を通って第1主熱交換器(HEX2a)へ流れ、第1主熱交換器(HEX2a)で2次側回路(20)の冷媒と熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、第1回路(10a)において温熱が生成し、該温熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。一方、加熱熱交換器(HEX3)へ向かう高圧のガス冷媒は、第4分岐配管(4)を通って加熱熱交換器(HEX3)へ流れ、加熱熱交換器(HEX3)で2次側回路(20)の液冷媒と熱交換して凝縮し、該2次側回路(20)の液冷媒を蒸発させる。該第1主熱交換器(HEX2a)で凝縮した冷媒は、第3分岐配管(3)を流れて、加熱熱交換器(HEX3)で凝縮した冷媒と合流する。
【0088】
この合流した液冷媒は再び分流されて、一部は第1室外熱交換器(HEX5a)へ向かって流れ、残りは冷却熱交換器(HEX4)へ向かって流れる。第1室外熱交換器(HEX5a)へ向かう高圧の液冷媒は、主配管(5a)を流れ、第1膨張弁(EV-1)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、第2分岐配管(2)を通って第1室外熱交換器(HEX5a)へ流れ、第1室外熱交換器(HEX5a)において外気と熱交換して蒸発する。一方、冷却熱交換器(HEX4)へ向かう高圧の液冷媒は、第1分岐配管(1)を流れ、第2膨張弁(EV-2)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、冷却熱交換器(HEX4)において2次側回路(20)のガス冷媒と熱交換して蒸発し、該2次側回路(20)のガス冷媒を凝縮させる。
【0089】
そして、該第1室外熱交換器(HEX5a)で蒸発した冷媒は、第1四路切換弁(12a)を通った後に冷却熱交換器(HEX4)で蒸発した冷媒と合流し、その後に第1圧縮機(11a)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0090】
上記第2回路(10b)では、第2四路切換弁(12b)が図3に破線で示すように切り換えられ、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整される。
【0091】
この状態において、図3に一点鎖線の矢印で示すように、第2回路(10b)内を冷媒が循環する。即ち、第2圧縮機(11b)から吐出された高圧のガス冷媒は、第2四路切換弁(12b)を通って第2主熱交換器(HEX2b)へ流れ、第2主熱交換器(HEX2b)で2次側回路(20)の冷媒と熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、第2回路(10b)において温熱が生成し、該温熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。第2主熱交換器(HEX2b)で凝縮して高圧の液冷媒となった冷媒は、第3膨張弁(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒となる。該低圧の液冷媒は、主配管(5b)を通って第2室外熱交換器(HEX5b)へ流れ、第2室外熱交換器(HEX5b)において外気と熱交換して蒸発する。該第2室外熱交換器(HEX5b)で蒸発した第2回路(10b)のガス冷媒は、第2四路切換弁(12b)を通って第2圧縮機(11b)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0092】
また、上記2次側回路(20)では、該2次側回路(20)の搬送回路(30)において、加熱熱交換器(HEX3)の高圧と冷却熱交換器(HEX4)の低圧とを第1及び第2メインタンク(T1,T2)に供給し、上述の冷房運転時と同様に動作して、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出しと回収とを行う。
【0093】
上記2次側回路(20)の主回路(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出しと回収とによって、図3に実線の矢印で示すように冷媒が循環し、第1回路(10a)の温熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の暖房が行われる。搬送回路(30)の押出し用液配管(37)から主回路(21)へ流れる液冷媒は、2次側四路切換弁(23)と主液配管(26)とを順に通り、第1主熱交換器(HEX2a)へ流れる。第1主熱交換器(HEX2a)へ流れた液冷媒は、第1回路(10a)の冷媒と熱交換し、該1次側冷媒が凝縮して生成した温熱によって加熱されて蒸発する。
【0094】
この第1主熱交換器(HEX2a)で蒸発したガス冷媒は、主ガス配管(24)を流れ、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れるガス冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分流したガス冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱して調和空気を生成する。そして、この高温の調和空気が室内の暖房に供される。一方、各室内熱交換器(HEX1)で凝縮した冷媒は、合流して主液配管(25)、2次側四路切換弁(23)を順に通り、搬送回路(30)の回収用液配管(38)に流れる。以上のように、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内の暖房が行われる。
【0095】
(冷媒充填動作)
本実施形態の空気調和装置は、上述のように動作して冷房運転及び暖房運転を行うものであるが、該空気調和装置を据え付ける際には、2次側回路に冷媒を充填する必要がある。これに対して、本実施形態では、上記コントローラ(50)によって所定の冷媒充填運転を行い、容易に且つ確実に適正な量の冷媒を2次側回路に充填するようにしている。
【0096】
尚、この冷媒充填運転時において、上記1次側回路(10)及び2次側回路(20)は、上述の冷房運転時と同様に動作する。つまり、冷媒を充填する際は、2次側回路(20)の充填ポート(39)に冷媒ボンベを接続して冷媒を送り込むようにするのが通常である。これに対して、外気温とほぼ同じ温度にある冷媒ボンベの内圧よりも2次側回路(20)の内圧が低い状態としなければ、冷媒ボンベから2次側回路(20)へ冷媒を送り込むことができないからである。
【0097】
先ず、上記コントローラ(50)の空検出部(51)、満タン検出部(52)及び適正判定部(54)の動作について説明する。
【0098】
上記空検出部(51)は、第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の空状態を検出している。具体的に、メインタンク(T1,T2)に液冷媒が貯留する状態では、上記回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)の内部にも液冷媒が存在する。この状態で、タンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)を開くとメインタンク(T1,T2)と加熱熱交換器(HEX3)とが連通して、メインタンク(T1,T2)が加圧される。これによってメインタンク(T1,T2)から液冷媒が押し出されると同時に、メインタンク(T1,T2)へは加熱熱交換器(HEX3)から高温のガス冷媒が流入する。正確には、メインタンク(T1,T2)内の冷媒の飽和温度よりも高温のガス冷媒が流入する。やがてメインタンク(T1,T2)は空状態となり、上記分岐管(38a,38b)へも高温のガス冷媒が流入し、該分岐管(38a,38b)の表面温度が上昇する。そして、上記空検出部(51)は、下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)が検出する分岐管(38a,38b)の表面温度の変化を検出することによってメインタンク(T1,T2)の空状態を検出している。
【0099】
上記満タン検出部(52)は、第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出している。具体的に、タンク減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)を開くとメインタンク(T1,T2)と冷却熱交換器(HEX4)とが連通し、メインタンク(T1,T2)が減圧されて主回路(21)の液冷媒を吸引する。この状態において、上記ガス回収管(32)の分岐管(32a,32b)の内部には、ほぼ飽和温度のガス冷媒が存在する。やがてメインタンク(T1,T2)は満タン状態となり、上記分岐管(32a,32b)へも主回路(21)の液冷媒が流入する。このメインタンク(T1,T2)に吸引される液冷媒は、上記主熱交換器(HEX2a,HEX2b)において冷却されて過冷却状態となっている。従って、上記分岐管(32a,32b)へ該液冷媒が流入することによって、該分岐管(32a,32b)の表面温度が低下する。そして、上記満タン検出部(52)は、上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)が検出する分岐管(32a,32b)の表面温度の変化を検出することによってメインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出している。
【0100】
上記適正判定部(54)は、上記空検出部(51)により検出された空状態と、上記満タン検出部(52)により検出された満タン状態とに基づいて、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であるか否かを判定する。具体的に、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態を例に説明する。この状態において、第1メインタンク(T1)からは液冷媒が押し出されて冷媒貯留量が減少する一方、第2メインタンク(T2)には液冷媒が吸引されて冷媒貯留量が増加する。そして、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であれば、第1メインタンク(T1)の空状態と第2メインタンク(T2)の満タン状態とがほぼ同時に検出される。これに対して、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であれば、第1メインタンク(T1)の空状態のみが検出されて第2メインタンク(T2)の満タン状態は検出されず、逆に冷媒充填量が過多であれば、第1メインタンク(T1)の空状態は検出されずに第2メインタンク(T2)の満タン状態のみが検出される。従って、上記適正判定部(54)は、第1メインタンク(T1)の空状態及び第2メインタンク(T2)の満タン状態の有無によって、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正か否かを判定する。
【0101】
次に、冷媒充填運転時の動作を、図4のフロー図に基づいて説明する。
【0102】
本実施形態の空気調和装置を設置し、2次側回路(20)内を真空引きした後に、ステップST1で冷媒充填運転を開始する。この状態で、1次側回路(10)を構成する各回路(1,2)には、既に冷媒が充填されている。ステップST2において、充填ポート(39)に接続した冷媒ボンベを開いて2次側回路(20)に冷媒を充填する。続いて、ステップST3においてタイマーの設定時間をセットし、ステップST4において該設定時間に亘って待機し、2次側回路(20)内が均圧されるのを待つ。
【0103】
尚、本実施形態では、タイマーの設定時間が経過すると均圧されたものとみなすようにしたが、2次側回路(20)内の圧力を検出し、検出圧力値に基づいて均圧されたか否かを判断するようにしてもよい。具体的には、ステップST4において、タイマー設定時間が経過したか否かと、2次側回路(20)内圧の検出値がその時点での外気温度における冷媒の飽和圧力を超えたか否かとを判定し、その何れか一方が判定された場合に2次側回路(20)内が均圧されたと判断するようにしてもよい。
【0104】
2次側回路(20)内の均圧が完了したと判断すると、ステップST5に移り、上述の冷房運転を開始する。その後、上記適正判定部(54)がステップST6からステップST10に示すように動作し、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正か否かを判定する。尚、ここでは、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態を例に説明する。この場合、上記第1タンク加圧電磁弁(SV-P1)及び第2タンク減圧電磁弁(SV-V2)が開放され、上記第1タンク減圧電磁弁(SV-V1)及び第2タンク加圧電磁弁(SV-P2)が閉鎖されている。
【0105】
続いて、ステップST6に移り、満タン検出部(52)が減圧されている第2メインタンク(T2)の満タン状態を検知するか否かを判定する。そして、第2メインタンク(T2)の満タン状態が検知された場合には、既に充分な量の冷媒が2次側回路(20)に充填されていると判断でき、ステップST13に移って、冷媒充填運転を終了する。一方、ステップST6で第2メインタンク(T2)の満タン状態が検知されなければ、ステップST7に移る。
【0106】
ステップST7では、空検出部(51)が加圧されている第1メインタンク(T1)の空状態を検知するか否かを判定する。そして、第1メインタンク(T1)の空状態が検知されない場合には、ステップST6に戻る。即ち、第1メインタンク(T1)の空状態が検知されるまでは、ステップST6の動作とステップST7の動作とを繰り返す。
【0107】
ステップST7において、空検出部(51)が第1メインタンク(T1)の空状態を検知すると、ステップST8に移る。ステップST8ではタイマーの設定時間をセットし、続くステップST9において該設定時間が経過するのを待つ。更には、ステップST10において、満タン検出部(52)が第2メインタンク(T2)の満タン状態を検知するか否かを判定し、満タン状態が検知されない場合は、ステップST9に戻る。即ち、ステップST9及びステップST10において、ステップST8のタイマー設定時間が経過する前に第2メインタンク(T2)が満タン状態となるか否かを判定する。そして、第1メインタンク(T1)が空状態となってから所定時間経過後に第2メインタンク(T2)が満タン状態となると、適正量の冷媒が2次側回路(20)に充填されていると判断し、ステップST13に移って冷媒充填運転を終了する。
【0108】
ここで、ステップST8及びステップST9を設けているのは、以下の理由による。つまり、加圧中の第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒は、主回路(21)を流れた後に、減圧中の第2メインタンク(T2)に回収される。この液冷媒は、主回路(21)を流れる間に相変化するため、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正である場合でも、必ずしも第1メインタンク(T1)が空状態となると同時に第2メインタンク(T2)が満タン状態となるとは限らない。このため、第1メインタンク(T1)が空状態になってからある程度の時間が経過した後に第2メインタンク(T2)が満タン状態となった場合に、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であると判断するようにしている。
【0109】
一方、ステップST9においてタイマー設定時間が経過すると、即ち、第1メインタンク(T1)が空状態になってから所定時間が経過した後でも第2メインタンク(T2)が満タン状態とならない場合には、ステップST11に移る。このステップST11では、各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を開閉し、第1メインタンク(T1)を減圧して第2メインタンク(T2)を加圧する状態に切り換えて冷房運転を継続する。この場合、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であると判断できるため、ステップST12に移って、冷媒の追加を行う。
【0110】
具体的に、ステップST12では、冷媒の追加が必要な旨を表示等して作業者に冷媒の追加充填を促す。そして、この表示を受けて作業者が冷媒を追加すると、再びステップST6に戻り、冷媒充填量が適正と判定されるまでこの動作を繰り返す。
【0111】
尚、ここでは表示等によって作業者に冷媒の追加を促すようにしたが、充填ポート(39)に電磁弁を設け、この電磁弁を開閉制御して自動的に冷媒を追加するようにしてもよい。つまり、充填ポート(39)には冷媒ボンベを接続して該ボンベを開いておく一方、冷媒の追加が必要な場合は所定時間に亘って充填ポート(39)の電磁弁を開くようにしてもよい。
【0112】
また、ここでは、装置を設置して冷媒を充填する際の冷媒充填運転動作について説明したが、装置の設置後に漏洩等によって2次側回路(20)内の冷媒量が減少した場合に、上述の冷媒充填動作によって2次側回路(20)に冷媒を補充するようにしてもよい。この場合、図4におけるステップST2〜ステップST4は不要であり、ステップST1で冷媒充填運転を開始し、続いてステップST5に移って冷房運転を開始するようにするとよい。
【0113】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、2次側回路(20)に充填された冷媒の量が適正か否かを判定することができる。このため、適正判定部(54)によって冷媒充填量が適正と判断されるように冷媒の追加又は排出を行うことによって、冷媒充填量を最適値にすることができる。この結果、過大な労力を要することなく、容易に且つ確実に最適な量の冷媒を2次側回路(20)に充填することが可能となる。
【0114】
また、上記各分岐管(32a,32b,38a,38b)に取り付けた温度センサ(Th1f,Th2f,Th1e,Th2e)によってメインタンク(T1,T2)の空状態及び満タン状態を検出することができる。従って、簡素な構成によって空状態及び満タン状態を確実に検出することができる。
【0115】
−実施形態1の変形例−
上記実施形態では、各分岐管(32a,32b,38a,38b)にそれぞれ温度センサ(Th1f,Th2f,Th1e,Th2e)を取り付け、各温度センサ(Th1f,Th2f,Th1e,Th2e)の検出温度に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態と満タン状態とを検出するようにしている。これに対して、図5に示すように、各メインタンク(T1,T2)内に第1及び第2液面センサ(Ls1,Ls2)をそれぞれ設け、この液面センサ(Ls1,Ls2)により検出された液冷媒の液面位置に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態と満タン状態とを検出するようにしてもよい。
【0116】
上記液面センサ(Ls1,Ls2)は、ベース(61)と、ロッド(62)と、浮き子(63)とを備え、メインタンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出するように構成されている。具体的に、上記ベース(61)は、メインタンク(T1,T2)の内側面における上下方向のほぼ中心位置に取り付けられている。上記ロッド(62)は、一端がベース(61)に回動自在に取り付けられる一方、他端には球状の浮き子(63)が取り付けられている。そして、この浮き子(63)が液冷媒の液面位置の変化に従って上下移動する一方、浮き子(63)の動きに伴ってロッド(62)がベース(61)への取付端を中心に回動し、このロッド(62)の角度変化に基づいて液面位置を検出する。
【0117】
また、本変形例では、コントローラ(50)の空検出部(51a)と満タン検出部(52a)とを、上記液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態と満タン状態とをそれぞれ検出するように構成している。具体的に、上記空検出部(51a)は、上記液面センサ(Ls1,Ls2)により検出された液冷媒の液面位置が所定の位置よりも低くなると空状態を検出する。また、上記満タン検出部(52a)は、上記液面センサ(Ls1,Ls2)により検出された液冷媒の液面位置が所定の位置よりも高くなると満タン状態を検出する。
【0118】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、上記実施形態1が、メインタンク(T1,T2)の空状態と満タン状態とを検出して2次側回路(20)の冷媒充填量が適正か否かを判定するようにしているのに代えて、メインタンク(T1,T2)の空状態のみを検出して2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であるか否かを判定するものである。尚、以下においては上記実施形態1と異なる構成のみについて説明し、それ以外の構成は上記実施形態1と同様である。
【0119】
図6に示すように、本実施形態の搬送回路(30)は、第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)を備えている。この第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)は、各メインタンク(T1,T2)の下端部に接続する回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)におけるメインタンク(T1,T2)との接続部近傍に取り付けられて、各分岐管(38a,38b)の表面温度を検出するように構成されている。
【0120】
また、本実施形態のコントローラ(50)は、空検出部(51)と、タイミング算出部(53)と、過少判定部(55)とを備えている。
【0121】
この空検出部(51)は、上記実施形態1と同様に、上記第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の空状態を検出するものであって、空検出手段を構成している。
【0122】
また、タイミング算出部(53)は、室内ユニット(22)における空調負荷や1次側回路(10)の運転状態等に基づき、2次側回路(20)の主回路(21)で必要となる冷媒循環量を算出すると共に、この必要な冷媒循環量を確保するのに要する適正切換時間を算出するように構成されている。つまり、該タイミング算出部(53)は、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であるとして、メインタンク(T1,T2)における加減圧の切り換え間隔期間、即ちタンク加圧用電磁弁(SV-P1,SV-P2)及びタンク減圧用電磁弁(SV-V1,SV-V2)の切り換え周期としての適正切換時間を算出するものであって、タイミング算出手段を構成している。
【0123】
そして、過少判定部(55)は、空検出部(51)により検出された空状態と、タイミング算出部(53)により算出された適正切換時間とに基づいて2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であるか否かを判定するものであって、不適正判定手段を構成している。
【0124】
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態1と同様に動作して冷房運転及び暖房運転を行う。また、2次側回路(20)に冷媒を充填する際には所定の冷媒充填運転を行うが、この冷媒充填運転時において、1次側回路(10)及び2次側回路(20)が冷房運転時と同様に動作する点は、上記実施形態1と同様である。
【0125】
先ず、上記コントローラ(50)の空検出部(51)、タイミング算出部(53)及び過少判定部(55)の動作について説明する。
【0126】
上記空検出部(51)は、第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の空状態を検出しており、その具体的な動作は上記実施形態1と同様である。
【0127】
上記タイミング算出部(53)は、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であるとして、タンク加圧用電磁弁(SV-P1,SV-P2)及びタンク減圧用電磁弁(SV-V1,SV-V2)の切り換え周期としての適正切換時間を算出する。具体的に、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態を例に説明する。2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であれば、第1タンク加圧用電磁弁(SV-P1)を開いて第1メインタンク(T1)の加圧を開始する時点では、第1メインタンク(T1)は満タン状態である。その一方、各メインタンク(T1,T2)の内容積は既知であり、貯留可能な冷媒量も既知である。従って、所定の冷媒循環量を得るために、満タン状態の第1メインタンク(T1)を加圧して空状態にするのに要する時間を算出できる。
【0128】
上記過少判定部(55)は、上記空検出部(51)により検出された空状態と、上記タイミング算出部(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であるか否かを判定する。具体的に、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態を例に説明する。第1タンク加圧用電磁弁(SV-P1)を開いて第1メインタンク(T1)を加圧し、第2タンク減圧用電磁弁(SV-V2)を開いて第2メインタンク(T2)を減圧すると、第1メインタンク(T1)から液冷媒が押し出されて冷媒貯留量が減少する。そして、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であれば、第1メインタンク(T1)の加圧開始から適正切換時間が経過するのとほぼ同時に、この第1メインタンク(T1)が空状態となる。これに対して、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であれば、適正切換時間の経過前に第1メインタンク(T1)が空状態となる。そして、上記過少判定部(55)は、第1メインタンク(T1)の加圧開始から適正切換時間が経過する前に第1メインタンク(T1)の空状態が検出されるかどうかによって、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少か否かを判定する。
【0129】
次に、冷媒充填運転時の動作を、図7のフロー図に基づいて説明する。
【0130】
本実施形態の空気調和装置を設置し、2次側回路(20)内を真空引きした後に、ステップST1で冷媒充填運転を開始する。その後、上記実施形態1と同様にして、冷媒を充填し、2次側回路(20)内が均圧するのを待つ。つまり、図7のフロー図におけるステップST1〜ステップST4では、図4のフロー図におけるステップST1〜ステップST4と同様の動作を行う。
【0131】
その後、ステップST5に移って冷房運転を開始する。そして、所定時間に亘って冷房運転を行い、各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を開閉して各メインタンク(T1,T2)の加減圧状態を切り換えると、次のステップST6に移る。その後、上記過少判定部(55)がステップST6からステップST10に示すように動作し、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少か否かを判定する。尚、以下の動作の説明は、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となった場合を例に行う。
【0132】
ステップST6では、上記タイミング算出部(53)が算出する適正切換時間をタイマーの設定時間としてセットする。その後、ステップST7に移り、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となった時点から適正切換時間が経過する前であれば、ステップST8に移る。
【0133】
ステップST8では、空検出部(51)が加圧されている第1メインタンク(T1)の空状態を検知するか否かを判定する。そして、第1メインタンク(T1)の空状態が検知されない場合には、ステップST7に戻る。即ち、第1メインタンク(T1)の空状態が検知されるまでは、ステップST7の動作とステップST8の動作とを繰り返す。
【0134】
ステップST8において、空検出部(51)が第1メインタンク(T1)の空状態を検知すると、ステップST9に移る。このステップST9では、各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を開閉し、第1メインタンク(T1)を減圧して第2メインタンク(T2)を加圧する状態に切り換えて冷房運転を継続する。この場合、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であると判断できるため、ステップST10に移って、冷媒の追加を行う。尚、このステップST10における動作は、図4におけるステップST12における動作と同様であり、冷媒が追加充填されると、再びステップST6に戻ってこの動作を繰り返す。
【0135】
一方、ステップST7において適正切換時間が経過すると、即ち、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となってから、第1メインタンク(T1)が空状態となる前に適正切換時間が経過した場合は、適正量の冷媒が2次側回路(20)に充填されていると判断し、ステップST11に移って冷媒充填運転を終了する。
【0136】
尚、本実施形態においても、上記実施形態1と同様に充填ポート(39)に電磁弁を設け、自動的に冷媒の追加充填を行うようにしてもよい。また、上記実施形態1と同様に、装置の設置後において、上述の冷媒充填動作により2次側回路(20)に冷媒を補充するようにしてもよい。
【0137】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、2次側回路(20)に充填された冷媒の量が過少か否かを判定することができる。このため、コントローラ(50)の過少判定部(55)によって冷媒充填量が過少と判断されないように冷媒を追加してゆくことによって、冷媒充填量を最適値にすることができる。この結果、過大な労力を要することなく、容易に且つ確実に最適な量の冷媒を2次側回路(20)に充填することが可能となる。
【0138】
−実施形態2の変形例−
尚、本実施形態では、各分岐管(38a,38b)にそれぞれ温度センサ(Th1e,Th2e)を取り付け、各温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態を検出するようにしている。これに対して、上記実施形態1の変形例と同様に、各メインタンク(T1,T2)内に液面センサ(Ls1,Ls2)を設け、この液面センサ(Ls1,Ls2)により検出された液冷媒の液面位置に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態を検出するようにしてもよい。
【0139】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、上記実施形態1が、メインタンク(T1,T2)の空状態と満タン状態とを検出して2次側回路(20)の冷媒充填量が適正か否かを判定するようにしているのに代えて、メインタンク(T1,T2)の満タン状態のみを検出して2次側回路(20)の冷媒充填量が過多であるか否かを判定するものである。尚、以下においては上記実施形態1と異なる構成のみについて説明し、それ以外の構成は上記実施形態1と同様である。
【0140】
図8に示すように、本実施形態の搬送回路(30)は、第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)を備えている。この第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)は、各メインタンク(T1,T2)の上端部に接続するガス回収管(32)の各分岐管(32a,32b)におけるメインタンク(T1,T2)との接続部近傍に取り付けられて、各分岐管(32a,32b)の表面温度を検出するように構成されている。
【0141】
また、本実施形態のコントローラ(50)は、満タン検出部(52)と、タイミング算出部(53)と、過多判定部(56)とを備えている。
【0142】
上記空検出部(51)は、上記実施形態1と同様に、上記第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するものであって、満タン検出手段を構成している。
【0143】
上記タイミング算出部(53)は、上記実施形態2と同様に、2次側回路(20)の主回路(21)で必要となる冷媒循環量を算出すると共に、この必要な冷媒循環量を確保するのに要する適正切換時間を算出するものであって、タイミング算出手段を構成している。
【0144】
そして、上記過多判定部(56)は、満タン検出部(52)により検出された満タン状態と、タイミング算出部(53)により算出された適正切換時間とに基づいて2次側回路(20)の冷媒充填量が過多であるか否かを判定するものであって、不適正判定手段を構成している。
【0145】
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態1と同様に動作して冷房運転及び暖房運転を行う。また、2次側回路(20)に冷媒を充填する際には所定の冷媒充填運転を行うが、この冷媒充填運転時において、1次側回路(10)及び2次側回路(20)が冷房運転時と同様に動作する点は、上記実施形態1と同様である。
【0146】
先ず、上記コントローラ(50)の満タン検出部(52)、タイミング算出部(53)及び過多判定部(56)の動作について説明する。
【0147】
上記満タン検出部(52)は、第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて各メインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出しており、その具体的な動作は上記実施形態1と同様である。
【0148】
上記タイミング算出部(53)は、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であるとして、タンク加圧用電磁弁(SV-P1,SV-P2)及びタンク減圧用電磁弁(SV-V1,SV-V2)の切り換え周期としての適正切換時間を算出しており、その具体的な動作は上記実施形態2と同様である。
【0149】
上記過多判定部(56)は、上記満タン検出部(52)により検出された満タン状態と、上記タイミング算出部(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、2次側回路(20)の冷媒充填量が過多であるか否かを判定する。具体的に、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態を例に説明する。第1タンク加圧用電磁弁(SV-P1)を開いて第1メインタンク(T1)を加圧し、第2タンク減圧用電磁弁(SV-V2)を開いて第2メインタンク(T2)を減圧すると、第2メインタンク(T2)に主回路(21)から液冷媒が吸引されて冷媒貯留量が増加する。そして、2次側回路(20)の冷媒充填量が適正であれば、第2メインタンク(T2)の減圧開始から適正切換時間が経過するのとほぼ同時に、この第2メインタンク(T2)が満タン状態となる。これに対して、2次側回路(20)の冷媒充填量が過多であれば、適正切換時間の経過前に第2メインタンク(T2)が満タン状態となる。そして、上記過多判定部(56)は、第2メインタンク(T2)の減圧開始から適正切換時間が経過する前に第2メインタンク(T2)の満タン状態が検出されるかどうかによって、2次側回路(20)の冷媒充填量が過多か否かを判定する。
【0150】
次に、冷媒充填運転時の動作を、図9のフロー図に基づいて説明する。
【0151】
本実施形態の空気調和装置を設置し、2次側回路(20)内を真空引きした後に、ステップST1で冷媒充填運転を開始する。その後、上記実施形態1と同様にして、冷媒を充填し、2次側回路(20)内が均圧するのを待つ。つまり、図9のフロー図におけるステップST1〜ステップST4では、図4のフロー図におけるステップST1〜ステップST4と同様の動作を行う。
【0152】
その後、ステップST5に移って冷房運転を開始する。そして、所定時間に亘って冷房運転を行い、各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を開閉して各メインタンク(T1,T2)の加減圧状態を切り換えると、次のステップST6に移る。その後、上記過多判定部(56)がステップST6からステップST10に示すように動作し、2次側回路(20)の冷媒充填量が過多か否かを判定する。尚、以下の動作の説明は、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となった場合を例に行う。
【0153】
ステップST6では、上記タイミング算出部(53)が算出する適正切換時間をタイマーの設定時間としてセットする。その後、ステップST7に移り、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となった時点から適正切換時間が経過する前であれば、ステップST10に移る。
【0154】
ステップST10では、満タン検出部(52)が減圧されている第2メインタンク(T2)の満タン状態を検知するか否かを判定する。そして、第2メインタンク(T2)の満タン状態が検知されない場合には、ステップST7に戻る。即ち、第2メインタンク(T2)の満タン状態が検知されるまでは、ステップST7の動作とステップST8の動作とを繰り返す。
【0155】
また、ステップST10において第2メインタンク(T2)の満タン状態が検知されると、即ち、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となってから、適正切換時間が経過する前に第2メインタンク(T2)が満タン状態となった場合は、適正量の冷媒が2次側回路(20)に充填されていると判断し、ステップST11に移って冷媒充填運転を終了する。
【0156】
一方、ステップST7において適正切換時間が経過すると、即ち、第1メインタンク(T1)を加圧して第2メインタンク(T2)を減圧する状態となってから、第2メインタンク(T2)が満タン状態となる前に適正切換時間が経過した場合は、ステップST8に移る。この状態では、第2メインタンク(T2)が満タン状態となっていないにも拘わらず第1メインタンク(T1)が空状態となっているため、各電磁弁(SV-P1,SV-V1,…)を開閉し、第1メインタンク(T1)を減圧して第2メインタンク(T2)を加圧する状態に切り換えて冷房運転を継続する。また、2次側回路(20)の冷媒充填量が過少であると判断できるため、ステップST9に移って、冷媒の追加を行う。尚、このステップST9における動作は、図4におけるステップST12における動作と同様であり、冷媒が追加充填されると、再びステップST6に戻ってこの動作を繰り返す。
【0157】
即ち、本実施形態の2次側回路(20)は、冷媒量が過少な場合には空調運転に支障を来すこととなるが、冷媒量が僅かに過多であっても運転に支障は生じない。このため、本実施形態では、2次側回路(20)の冷媒充填量が僅かに過多な場合であっても、冷媒充填量は適正であると判断している。尚、冷媒量が過多な場合に、2次側回路(20)から過剰に充填された冷媒を排出するようにしてもよい。
【0158】
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に充填ポート(39)に電磁弁を設け、自動的に冷媒の追加充填を行うようにしてもよい。また、上記実施形態1と同様に、装置の設置後において、上述の冷媒充填動作により2次側回路(20)に冷媒を補充するようにしてもよい。
【0159】
−実施形態3の効果−
本実施形態3によれば、2次側回路(20)に充填された冷媒の量が過多か否かを判定することができる。このため、コントローラ(50)の過多判定部(56)によって冷媒充填量が過多と判断されるまで冷媒を充填してゆくことによって、冷媒充填量を所定値にすることができる。この結果、過大な労力を要することなく、容易に且つ確実に最適量の冷媒を2次側回路(20)に充填することが可能となる。
【0160】
−実施形態3の変形例−
尚、本実施形態では、各分岐管(32a,32b)にそれぞれ温度センサ(Th1f,Th2f)を取り付け、各温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいてメインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するようにしている。これに対して、上記実施形態1の変形例と同様に、各メインタンク(T1,T2)内に液面センサ(Ls1,Ls2)を設け、この液面センサ(Ls1,Ls2)により検出された液冷媒の液面位置に基づいてメインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するようにしてもよい。
【0161】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記の各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0162】
先ず、上記実施形態1及び2では、各メインタンク(T1,T2)の下端部に接続する回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)に第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)を設け、この第1及び第2下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態を検出するようにしている。これに対して、図10に示すように、各メインタンク(T1,T2)の下端部にそれぞれ下部タンク温度センサ(Th-e)を設け、この下部タンク温度センサ(Th-e)により検出されるメインタンク(T1,T2)の表面温度の変化に基づいてメインタンク(T1,T2)の空状態を検出するようにしてもよい。
【0163】
また、上記実施形態1及び3では、各メインタンク(T1,T2)の上端部に接続するガス回収管(32)の各分岐管(32a,32b)に第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)を設け、この第1及び第2上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいてメインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するようにしている。これに対して、図11に示すように、各メインタンク(T1,T2)の上端部にそれぞれ上部タンク温度センサ(Th-f)を設け、この上部タンク温度センサ(Th-f)により検出されるメインタンク(T1,T2)の表面温度の変化に基づいてメインタンク(T1,T2)の満タン状態を検出するようにしてもよい。
【0164】
また、上記実施形態1〜3では、各貯留手段(T1,T2)をそれぞれ1つずつのメインタンク(T1,T2)により構成したが、互いに並列に接続された複数のタンクによって各貯留手段(T1,T2)を構成するようにしてもよい。
【0165】
また、上記実施形態1〜3では、冷房運転時及び暖房運転時において、1次側回路(10)である第1回路(10a)及び第2回路(10b)の両方を運転するようにしたが、空調負荷が小さい場合は第2回路(10b)を停止して第1回路(10a)のみを運転するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る空気調和装置の冷媒配管系統図である。
【図2】 実施形態1に係る2次側回路の要部拡大図である。
【図3】 実施形態1に係る空気調和装置の暖房運転時の冷媒循環動作を示す冷媒配管系統図である。
【図4】 実施形態1に係る2次側回路における冷媒充填運転時の動作を示すフロー図である。
【図5】 実施形態1の変形例に係る2次側回路の要部拡大図である。
【図6】 実施形態2に係る2次側回路の要部拡大図である。
【図7】 実施形態2に係る2次側回路における冷媒充填運転時の動作を示すフロー図である。
【図8】 実施形態3に係る2次側回路の要部拡大図である。
【図9】 実施形態3に係る2次側回路における冷媒充填運転時の動作を示すフロー図である。
【図10】 その他の実施形態に係る下部タンク温度センサの配置を示す2次側回路の要部拡大図である。
【図11】 その他の実施形態に係る上部タンク温度センサの配置を示す2次側回路の要部拡大図である。
【符号の説明】
(21) 主回路(循環回路)
(30) 搬送回路
(32a,32b) ガス回収管の分岐管(ガス配管)
(38a,38b) 回収用液配管の分岐管(液配管)
(51) 空検出部(空検出手段)
(51a) 空検出部(空検出手段)
(52) 満タン検出部(満タン検出手段)
(52a) 満タン検出部(満タン検出手段)
(53) タイミング算出部(タイミング算出手段)
(54) 適正判定部(適正判定手段)
(55) 過少判定部(不適正判定手段)
(56) 過多判定部(不適正判定手段)
(80) 加減圧手段
(T1) 第1メインタンク(貯留手段)
(T2) 第2メインタンク(貯留手段)
(Th1e)第1下部配管温度センサ
(Th2e)第2下部配管温度センサ
(Th-e)下部タンク温度センサ
(Th1f)第1上部配管温度センサ
(Th2f)第2上部配管温度センサ
(Th-f)上部タンク温度センサ
(Ls1) 第1液面センサ
(Ls2) 第2液面センサ
(HEX3)加熱熱交換器(加熱部)
(HEX4)冷却熱交換器(冷却部)
Claims (12)
- 冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路( 21 )と、
該循環回路( 21 )に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段( T1,T2 )、及び該貯留手段( T1,T2 )を加圧又は減圧し、貯留手段( T1,T2 )から液冷媒を循環回路( 21 )に押し出す一方、循環回路( 21 )から液冷媒を貯留手段( T1,T2 )に吸引するための加減圧手段( 80 )を有し、上記循環回路( 21 )の冷媒に循環駆動力を付与する搬送回路( 30 )とを備え、
各貯留手段( T1,T2 )の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置において、
上記貯留手段( T1,T2 )の液冷媒がほぼ空になる空状態を検出する空検出手段( 51 )と、
上記貯留手段( T1,T2 )が液冷媒でほぼ満杯になる満タン状態を検出する満タン検出手段( 52 )と、
上記空検出手段( 51 )により検出された空状態と、上記満タン検出手段( 52 )により検出された満タン状態とに基づいて、上記循環回路( 21 )及び搬送回路( 30 )に充填された冷媒量が適正であるか否かを判定する適正判定手段( 54 )とを備えており、
上記適正判定手段(54)は、空検出手段(51)が一方の貯留手段(T1)の空状態を検出してから所定時間の経過前に満タン検出手段(52)が他方の貯留手段(T2)の満タン状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が適正であると判定するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路(21)と、
該循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留する一対の貯留手段(T1,T2)、及び該貯留手段(T1,T2)を加圧又は減圧し、貯留手段(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押し出す一方、循環回路(21)から液冷媒を貯留手段(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(80)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する搬送回路(30)とを備え、
各貯留手段(T1,T2)の加圧及び減圧を交互に切り換えて行い、熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置において、
上記貯留手段(T1,T2)の液冷媒がほぼ空になる空状態、又は該貯留手段(T1,T2)がほぼ満杯になる満タン状態の何れか一方を検出する冷媒量検出手段(51,52)と、
上記循環回路(21)及び搬送回路(30)の冷媒充填量が適正な場合における各貯留手段(T1,T2)の加減圧の切り換え間隔期間である適正切換時間を算出するタイミング算出手段(53)と、
上記冷媒量検出手段(51,52)により検出された空状態又は満タン状態と、上記タイミング算出手段(53)が算出する適正切換時間とに基づいて、上記循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が不適正か否かを判定する不適正判定手段(55,56)とを備えている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項2記載の熱搬送装置において、
冷媒量検出手段(51)は、貯留手段(T1,T2)の空状態を検出する空検出手段(51)によって構成され、
不適正判定手段(55)は、上記空検出手段(51)により検出された空状態と、タイミング算出手段(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少であるか否かを判定する
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項3記載の熱搬送装置において、
不適正判定手段(55)は、一方の貯留手段(T1)を減圧状態から加圧状態に切り換えてから適正切換時間の経過前に空検出手段(51)が該貯留手段(T1)の空状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過少であると判定するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項2記載の熱搬送装置において、
冷媒量検出手段(52)は、貯留手段(T1,T2)の満タン状態を検出する満タン検出手段(52)によって構成され、
不適正判定手段(56)は、上記満タン検出手段(52)により検出された満タン状態と、タイミング算出手段(53)により算出された適正切換時間とに基づいて、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多であるか否かを判定する
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項5記載の熱搬送装置において、
不適正判定手段(55)は、一方の貯留手段(T1)を加圧状態から減圧状態に切り換えてから適正切換時間の経過前に満タン検出手段(52)が該貯留手段(T1)の満タン状態を検出すると、循環回路(21)及び搬送回路(30)に充填された冷媒量が過多であると判定するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,3又は4の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成されて、該タンク(T1,T2)の下端部に接続された液配管(38a,38b)を介して循環回路(21)に連通する一方、
上記液配管(38a,38b)のタンク(T1,T2)との接続部付近における表面温度を検出する下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)を備え、
空検出手段(51)は、該下部配管温度センサ(Th1e,Th2e)の検出温度に基づいて空状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,3又は4の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成される一方、
該タンク(T1,T2)の下端部の表面温度を検出する下部タンク温度センサ(Th-e)を備え、
空検出手段(51)は、該下部タンク温度センサ(Th-e)の検出温度に基づいて空状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,3又は4の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成される一方、
該タンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出する液面センサ(Ls1,Ls2)を備え、
空検出手段(51a)は、該液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいて空状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,5又は6の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成され、
加減圧手段(80)は、冷媒を加熱蒸発させて高圧状態とする加熱部(HEX3)と、冷媒を冷却凝縮させて低圧状態とする冷却部(HEX4)と、一端がタンク(T1,T2)の上端部に接続されて他端が加熱部(HEX3)及び冷却部(HEX4)に接続されたガス配管(32a,32b)とを備える一方、
上記ガス配管(32a,32b)のタンク(T1,T2)との接続部付近における表面温度を検出する上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)を備え、
満タン検出手段(52)は、該上部配管温度センサ(Th1f,Th2f)の検出温度に基づいて満タン状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,5又は6の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成される一方、
該タンク(T1,T2)の上端部の表面温度を検出する上部タンク温度センサ(Th-f)を備え、
満タン検出手段(52)は、該上部タンク温度センサ(Th-f)の検出温度に基づいて満タン状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。 - 請求項1,5又は6の何れか1記載の熱搬送装置において、
各貯留手段(T1,T2)は、それぞれタンク(T1,T2)で構成される一方、
該タンク(T1,T2)内に貯留する液冷媒の液面位置を検出する液面センサ(Ls1,Ls2)を備え、
満タン検出手段(52a)は、該液面センサ(Ls1,Ls2)の検出液面位置に基づいて満タン状態を検出するように構成されている
ことを特徴とする熱搬送装置。
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