JP4178583B2 - 反射防止膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学素子に入射する入射光束の正規反射光を効率よく低減する反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
透光性光学素子の透過光を利用する場合に、屈折率の異なる透光性光学媒体の界面で発生するフレネル反射光を低減するとともに、その透過率を向上する目的で、従来から相対的に高屈折率の透光性誘電体膜Hと、相対的に低屈折率の透光性誘電体膜Lとを積層して形成した反射防止膜が用いられていた。
【0003】
具体的には、屈折率ng の透光性光学媒体が屈折率n(n≠ng )の周囲媒質に接する界面において入射角θで中心波長λの入射光束が入射する場合は、nとng の中間の屈折率n2 を有する透光性誘電体膜を膜厚d=λ/(4・n2 ・cosθ)程度となるように形成して、反射防止効果を得ていた。
【0004】
例えば、空気中に置かれたng =1.5の光学ガラスに、n2 =1.38のMgF2 をd=100nm程度成膜して得た反射防止膜は、垂直入射の緑色波長光に対してフレネル反射率が4.2%から1.3%程度に低減できた。
【0005】
さらに、相対的に高屈折率の透光性誘電体膜Hと相対的に低屈折率の透光性誘電体膜Lとが積層された誘電体多層膜構造とすることにより、数100nmの広い波長帯域においてフレネル反射光を0.5%程度に低減することが可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では数100nmの広い波長帯域においてフレネル反射光を0.1%程度以下に安定して低減する反射防止膜の作製は困難であった。
特に、反射防止膜の形成された面と略平行な面からの正規反射光を利用する反射型光学素子において、反射防止膜の表面における残留正規反射が光学素子の性能を著しく劣化させる場合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、屈折率の異なる透光性光学媒体界面において生じる正規反射光を広い波長帯域においてに安定して大きく低減する反射防止膜を提供するものである。
【0008】
すなわち、請求項1は、屈折率nを有する周囲媒質1と屈折率ngを有する透光性光学媒体2(n≠ng)との間に設けられた反射防止膜において、前記反射防止膜は、前記透光性光学媒体2表面に周期的凹凸構造を有する透光性誘電体膜3と透光性薄膜4からなって表面が周期的凹凸構造を有し、前記反射防止膜表面に形成された凹凸のピッチをPおよび前記反射防止膜表面に形成された凹凸の凸部の頂と凹部の底との差である高さをd、前記反射防止膜表面に入射する入射光束の中心波長をλ、凸部からの反射光と凹部からの反射光との光路の位相差をΦとすると、中心入射光束の入射角θに対して、cosθ=λ・(2M+1)/(4n・d)および、λ<P≦30λ、かつ、Φ≒(2M+1)・π(Mは0または正の整数)を満足することを特徴とする反射防止膜を提供する。なお、ピッチP平均高さd、中心波長λは同じ次元で表記した数値を用いる。
【0009】
また、請求項2は、前記透光性薄膜4は相対的に高屈折率の透光性誘電体膜Hと相対的に低屈折率の透光性誘電体膜Lとが積層された請求項1記載の反射防止膜を提供する。
【0010】
また、請求項3は、前記反射防止膜表面の凹凸の形状がほぼ矩形である請求項1または2記載の反射防止膜を提供する。
【0011】
また、請求項4は、前記反射防止膜表面の凹凸は、cosθ=λ/(4n・d)を満足する請求項1、2または3記載の反射防止膜を提供する。
【0013】
なお、本発明における入射光束とは、指向性の揃った平行光や単一波長の場合を含むものであり、入射角が分散した収束光束や発散光束の場合や、波長帯域の広い入射光束をも含むものである。本発明はいずれの光束に対しても有効である。
【0014】
入射角が分散した入射光束の場合、入射角θはその分散角の平均値に相当する中心入射角θとして定義される。また、波長帯域の広い入射光束に対しても、その入射光束の波長は、波長帯域の平均値に相当する中心波長λで定義される。
【0015】
さらに、本発明で用いる凹凸の形状の幾何学的寸法を示すパラメータであるP、Pa 、Pb 、d、および入射光束の中心波長λについての関係式中の表記は、長さの単位として同じ次元を適用する。また、角度および位相はラディアンを単位とする。
【0016】
本発明の反射防止膜は、屈折率の異なる透光性光学媒体界面に垂直方向における誘電体膜の光干渉を利用した反射防止効果と、透光性光学媒体界面の面内方向における周期構造体の光回折とを利用することにより、両者の相乗効果として効率の高い正規反射防止効果を得るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜の作用について図1を参照しつつ以下に説明する。図1は本発明の反射防止膜の模式的な断面図である。微細な凹凸として屈折率ng の透光性基板2の上に、幅Pa 高さdで屈折率n1 の透光性誘電体膜3が間隔Pb で紙面垂直軸y方向に沿って平行線状にパターニングされている。さらに、このような周期的構造である凹凸の表面に透光性薄膜4が一様に形成され、周囲媒質1に接している。周囲媒質1は通常の使用環境下では空気である。
【0018】
このような周期的構造に対して、凹凸の構造が現れた面内に互いに直交するx軸とy軸があり、周期的構造を示す方向の軸をx軸とし、x軸およびy軸に直交する軸をz軸とする。
【0019】
このような周期的構造の界面Sにおいて、入射角θで入射する入射光束の反射率は、幅Pb と幅Pa のz軸方向の各光学薄膜の光干渉とx軸方向の周期構造に起因して発生する光回折とを考慮して算出される。
【0020】
図面に示した凹凸は光学的に作用しうる周期構造であり、入射光束の波長に対して回折を生じる領域においては、回折角および回折波長が規定された回折光強度として算出されることが知られている。また、回折光学素子の周期が波長に比べて充分に大きく、薄い周期構造と見なせる場合はホイヘンス・フレネルのスカラー回折理論により反射率が計算される。
【0021】
回折光学素子の周期が波長程度に小さくなった場合は境界面にマクスウェル電磁理論と矛盾しない境界条件を与えて電磁界解析を行うベクトル回折理論を適用して計算されることが以前より知られている。例えば、ゾンマーフェルト理論物理学講座IV「光学」の第5−6章(著者アーノルド・ゾンマーフェルト 講談社昭和44年発行)に記載されている。
【0022】
本発明では、周期的構造の界面に入射角θで入射した入射光束が反射され、反射光束となり、そのうち角度θで反射される正規反射光束成分を低減することを目的とする。以下に、正規反射成分である0次回折光について説明する。
【0023】
図1の周期的構造において、幅Pa の凸部は透光性誘電体膜3と透光性薄膜4の屈折率および膜厚により波長λの入射光束に対して光干渉理論により振幅反射率ra (λ、θ)が規定される。同様に幅Pb の凹部は透光性薄膜4の屈折率および膜厚により波長λの入射光束に対して光干渉理論により振幅反射率rb (λ、θ)が規定される。
【0024】
幅Pa の凸部と幅Pb の凹部が周期的に配置された周期的構造、つまり凹凸のピッチP=Pa +Pb のグレーティング構造において、その0次反射回折光強度I0 はra およびrb の強度|ra |、|rb |が1に比べて充分小さな場合、近似的に(1)式で記述される。また、ra とrb との位相がほぼ等しい場合、(1A)式のときに最小となる。
【0025】
【数1】
I0 =2|(Pa ・ra +Pb ・rb ・exp(i・4π・n・d・cosθ/λ))/P|・・・(1)
4π・n・d・cosθ/λ=π・(2L+1)
:Lは0または正の整数 ・・・(1A)
【0026】
すなわち、凹凸振幅であるdX が(2)式のときに正規反射は最小となる。なお、nは図1の凹部に相当する周囲媒質1の屈折率を示す。
【0027】
【数2】
dX =(2L+1)・λ/(4・n・cosθ)
:Lは0または正の整数 ・・・(2)
【0028】
これは、凸部と凹部との光路長の位相差φ=4π・n・d・cosθ/λがπのほぼ奇数倍となる条件である。このときの、正規反射率(0次反射回折光強度I0 )は(3)式となる。
【0029】
【数3】
IO =2・|(Pa ・ra −Pb ・rb )/(Pa +Pb )|・・・(3)
【0030】
したがって、ra およびrb のλおよびθ依存性にもよるが、Pa ・ra =Pb ・rb の条件で正規反射率=0となる。すなわち、入射光束の主波長λが(2)式を満たすように幅Pa で屈折率nの透光性誘電体膜3の膜厚dを規定すれば、中心波長λ周辺の波長域での正規反射率を低い値に維持できる。
【0031】
0次回折光の波長依存性および入射角度依存性を低減し、広い波長域で正規反射防止効果を得るためには、凸部と凹部との光路長の位相差φ=4π・n・d・cosθ/λがπ、すなわちd=λ/(4・n・cosθ)であることが好ましい。
【0032】
透光性誘電体膜3と透光性薄膜4の組み合わせあるいは透光性薄膜4を相対的に高屈折率の誘電体膜と相対的に低屈折率の誘電体膜を交互に積層した誘電体多層反射防止膜とすることにより、広い波長帯域で振幅反射率ra 、rb を低い値に保つことが可能となるため、(3)式で記述された回折による反射防止効果と相乗して広波長帯域で高い正規反射防止効果が得られる。
【0033】
このような反射防止膜を光学素子に適用する場合、0次回折光のみを利用する角度領域では有効であるが、0次光以外の高次回折光も取り込まれる構成においてはその回折作用による反射防止効果が低減する。そこで次に、高次回折光の回折角度について以下に説明する。
k次回折光の回折角度θk は(4)式で記述され、1次回折角θ1 が最も小角回折光となる。
【0034】
【数4】
sinθk =sinθ+k・λ/P(kは0または正の整数)・・・(4)
【0035】
したがって、正規反射光束に高次回折光の混入を防止するためには凹凸のピッチPを小さく設けて、中心波長λの入射光束に対して1次回折光回折角度θ1 を大きくするように設定すればよい。
【0036】
ピッチPが波長λより小さい場合、回折効率は(1)式の計算式では近似されず、その値が低下するとともに、凹凸の作製そのものが困難であるため、P>λであることが好ましい。また、1次回折角度は2°以上にすることが入射光束の指向性確保の点で実用的であり、P≦30λであることが好ましい。したがって、ピッチPは入射光束の波長λに対して(5)式を満たすことが好ましい。
【0037】
【数5】
λ<P≦30λ ・・・(5)
【0038】
本発明の作用の一例として、図1に示した矩形のラミナリー断面をもつ溝型のものをあげて説明したが、他の断面形状でも構わない。例えば、鋸歯断面状のブレーズ型回折格子形状や正弦波断面形状の場合においても0次光回折強度の式(1)や回折角度の式(4)は異なるが同様の作用効果が得られる。
【0039】
また、本発明は、凹凸のない界面における反射防止膜のみの場合に比べて、正規反射光束が低減するが、その減少分に相当する光は界面を直進透過する成分と回折光となって反射あるいは透過する成分となる。したがって、本発明の反射防止膜を用いる場合、大半の入射光束は直進透過し正規反射光束は極めて低い値となるため、正規反射光束の混入を防止し0次回折透過光のみを信号光とし1次以上の回折光は利用しない光学素子としての用途に適している。以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0040】
【実施例】
(実施例1)
図1に本例の反射防止膜の断面図を示す。また、その製法について図2に示す(構成例1)。屈折率約ng =1.5の透光性ガラス基板の表面に、屈折率約n2 =1.45のSiO2 膜を、用いられる入射光束の中心波長λ=520nmの垂直入射光束に対して膜厚dがλ/4に対応した膜厚d=130nmとなるように成膜する(図2(a))。
【0041】
次に、このSiO2 膜の上にフォトレジストを塗布しベーキングして固めた後、ライン幅Pa =1.2μm、スペース幅Pb =1.2μmで凹凸のピッチP=2.4μmの微細線が形成されたフォトマスクを用いて露光・現像することにより、線状レジストパターン5を形成する(図2(b))。
【0042】
次に、この基板面にイオンを均一照射することによりフォトレジストでマスキングされていないSiO2 膜が反応性イオンエッチング(RIE)によりパターニングされる。ここで、イオンエッチング時間によりSiO2 膜のエッチング量を制御できる。通常、基板として用いたガラスに比べてSiO2 膜の方がエッチングレートが高いためSiO2 膜がなくなった時点でエッチングは完了する。したがって、予め必要とする凸部の高さdに相当する膜厚のSiO2 膜をあらかじめ成膜することにより、凸部の高さdを精度よく制御できる(図2(c))。
【0043】
次に、マスキングとして用いたフォトレジストを溶剤により排除する。そして、図2(d)に示すライン幅Pa=1.2μm、スペ−ス幅Pb=1.2μmで凹凸のピッチP=2.4μm、平均高さ=130nmのSiO2からなる微細線の周期性パターンを有する透光性誘電体膜3が形成される。この透光性誘電体膜3の凹凸の振幅dは、周囲媒質が空気(n=1.0)であるため、n・d=dとなる。
【0044】
最後に、屈折率1.45〜1.5のガラス基板と、周囲媒質である空気(n=1)との界面反射を低減する透光性薄膜4を成膜する。具体的には、基板側からAl2O3(n=1.63)/ZrO2(n=2.0)/MgF2(n=1.38)をそれぞれ光学膜厚(n・d)が(λ/4)/(λ/2)/(λ/4)となるように積層成膜する。なお、入射光束の中心波長λ=520nmである。
【0045】
このようにして作製された反射防止膜の垂直入射における可視波長域の分光反射率を図3(a)に示す。420〜700nmの広い可視波長域で正規反射率0.1%以下の反射防止効果が得られる。
【0046】
比較例1として、平坦なガラス基板に実施例1の透光性薄膜4と同じ材料となるAl2O3(n=1.63、n・d=λ/4)/ZrO2(n=2.0、n・d=λ/4)/MgF2(n=1.38、n・d=λ/4)が積層成膜された基板界面の分光反射率を図3(b)に示す。430〜670nmの可視波長域で0.4%以下の反射率となっているが、本発明の実施例1に比べ残留反射率がどの波長においても高い。
【0047】
また、比較例2として、透光性薄膜4のない図2(d)のガラス基板界面の分光反射率を図3(c)に示す。520nm狭い波長域で0.1%以下の残留反射となっているが、短波長域および長波長域で残留反射が増加し可視域の反射防止効果は比較例1に対しても劣る。
【0048】
本発明により、従来技術の反射防止膜あるいは回折格子では実現できなかったすぐれた効果が達成される。
【0049】
また、本発明の構成による1次回折光の回折角度θ1 の波長依存性を0次回折光角度を0°基準にして図4に示す。これより、420nm以上の可視波長光の1次回折反射光束は垂直入射光束に対して10°以上の角度に散らされるため、10°以内の分散角光のみを利用する光学素子用途において可視波長域反射防止膜として利用できる。
【0050】
本実施例では幅Paの凸部の透光性誘電体膜3がSiO2膜の場合について説明したが、他の媒体でも構わない。好ましくは、透光性ガラス基板である透光性光学媒体2の屈折率ngと同程度の屈折率を有する透光性誘電体膜3が適している。屈折率1.4〜1.8の光学材料を用いることが好ましい。この屈折率に相当する膜媒体としてはSiO2とSi3N4との混合物であるSiOxNy(x+y=1)をターゲットとしてスパッタリング法で成膜することにより屈折率1.45〜1.8の中間域の値を持つ薄膜作成が可能である。
【0051】
(実施例2)
図5に反射防止膜の形成された凸レンズ6の断面図を示す。また、図6に界面における断面の一部拡大図を示す(構成例2)。
この凸レンズ6は透光性光学媒体2として屈折率約ng=1.5の透光性プラスティックを材料とし、金型を用いて非球面凸型プラスティックレンズとして成形加工されている。図6に示すようにレンズの表面に、ラインPa=1.2μm、スペース幅Pb=1.2μmで凹凸のピッチP=2.4μmで高さ130nmの微細線形状(透光性誘電体膜3として機能)が転写されるように予め成形金型に溝が作製されている。この場合、図1における凸部の材質は透光性光学媒体2と同じであるため、屈折率n2=ng=1.5である。周囲媒質1は空気である。
【0052】
このように成形加工された非球面凸型プラスティックレンズの表面に実施例1と同様に3層の透光性薄膜4が形成されている。
【0053】
このような製法および構成によりレンズ表面の正規反射光束を低減した非球面凸型プラスティックレンズが作製され、特に反射型光学素子の集光素子として用いる場合等に、レンズ界面の正規反射防止が問題となるときに有用な効果が得られる。
【0054】
本発明は、上記の実施例以外に、例えば、液晶レンズ、液晶シャッター、液晶光学素子、または液晶表示素子に適用できる。特に、反射型の光学構成を用いる装置において、すぐれた光学特性を発揮する。S/N比やコントラスト比について、従来例では達成し得ない良好な数値を得る。本発明は、このほか、本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、正規反射光の生成を抑制し、すぐれた、光学特性を得ることができる。また、製造方法が容易であり、かつ、高精度で構造制御でき、高性能の製品を安定して製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(構成例1)を示す断面図。
【図2】本発明(構成例1)の製造法を示す断面図。
【図3】(a)本発明の反射防止膜の第1の構成例における分光反射率データを示すグラフ、(b)従来の反射防止膜のみの場合の比較例1における分光反射率データを示すグラフ、(c)従来の回折格子のみの場合の比較例2における分光反射率データを示すグラフ。
【図4】本発明(構成例1)における1次回折光の回折角度の波長依存性を示すデータを示すグラフ。
【図5】本発明(構成例2)である凸レンズの断面図。
【図6】本発明(構成例2)である凸レンズの界面付近の拡大断面図。
【符号の説明】
1:周囲媒質
2:透光性光学媒体
3:透光性誘電体膜
4:透光性薄膜
5:線状レジストパターン
6:凸レンズ
Claims (4)
- 屈折率nを有する周囲媒質1と屈折率ngを有する透光性光学媒体2(n≠ng)との間に設けられた反射防止膜において、
前記反射防止膜は、前記透光性光学媒体2表面に周期的凹凸構造を有する透光性誘電体膜3と透光性薄膜4からなって表面が周期的凹凸構造を有し、
前記反射防止膜表面に形成された凹凸のピッチをPおよび前記反射防止膜表面に形成された凹凸の凸部の頂と凹部の底との差である高さをd、前記反射防止膜表面に入射する入射光束の中心波長をλ、凸部からの反射光と凹部からの反射光との光路の位相差をΦとすると、中心入射光束の入射角θに対して、cosθ=λ・(2M+1)/(4n・d)および、λ<P≦30λ、かつ、Φ≒(2M+1)・π(Mは0または正の整数)を満足することを特徴とする反射防止膜。 - 前記透光性薄膜4は相対的に高屈折率の透光性誘電体膜Hと相対的に低屈折率の透光性誘電体膜Lとが積層された請求項1記載の反射防止膜。
- 前記反射防止膜表面の凹凸の形状がほぼ矩形である請求項1または2記載の反射防止膜。
- 前記反射防止膜表面の凹凸は、cosθ=λ/(4n・d)を満足する請求項1、2または3記載の反射防止膜。
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