JP5804683B2 - 光学素子および、それを有する光学装置 - Google Patents

光学素子および、それを有する光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5804683B2
JP5804683B2 JP2010205284A JP2010205284A JP5804683B2 JP 5804683 B2 JP5804683 B2 JP 5804683B2 JP 2010205284 A JP2010205284 A JP 2010205284A JP 2010205284 A JP2010205284 A JP 2010205284A JP 5804683 B2 JP5804683 B2 JP 5804683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substrate
refractive index
concavo
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010205284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012063393A (ja
JP2012063393A5 (ja
Inventor
和彦 桃木
和彦 桃木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010205284A priority Critical patent/JP5804683B2/ja
Priority to US13/230,074 priority patent/US9864107B2/en
Publication of JP2012063393A publication Critical patent/JP2012063393A/ja
Publication of JP2012063393A5 publication Critical patent/JP2012063393A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5804683B2 publication Critical patent/JP5804683B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/113Anti-reflection coatings using inorganic layer materials only
    • G02B1/115Multilayers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/04Prisms
    • G02B5/045Prism arrays
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/28Interference filters
    • G02B5/285Interference filters comprising deposited thin solid films

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、反射防止機能を有する光学素子と、これを用いた光学装置に関するものである。
従来、光学系表面の反射防止構造としては、誘電体多層膜の干渉を用いた反射防止膜の他に、波長以下の微細な凹凸構造を用いた反射防止構造が知られている。これは、波長以下の微細な凹凸構造に対して、光が均質な有効屈折率の層として反応する性質を利用したものである。微細な凹凸構造や多孔質に対しての有効屈折率は、媒質の屈折率と空気屈折率の混合した平均としての屈折率と考えられる。
よって、微細な凹凸構造、基板界面から空気に向かって媒質の密度が低くなるようすることで、有効屈折率基板界面から空気に向かってだんだんと低くなる。この屈折率傾斜をつけることで、界面での反射を大幅に低減している。
しかしながら、微細な凹凸構造を用いた反射防止構造は、その構造の微細さにより製造が困難であると言う弱点があった。
例えば、特許文献1では、反射防止のために、アスペクト比の大きな錐形状を光学素子上に形成する表面処理方法が開示されている。
これは、光学基板に対してドットアレイ状に金属マスクを形成し、光学基板自体をエッチングするもので、その際に金属マスクの径徐々に減少させることで、錐形状を形成するものである。また、同様の処理を金型上に施し、その金型により光学素子を成型し製造する事も開示されている。
一方、特許文献2では、本発明の類似の形状として、基材の表面に凹凸を形成し、その凹凸上に反射防止多層膜を成膜した構造が開示されている。基材の表面の凹凸はピッチに対して深さが浅く、アスペクト比が小さく、製造は容易と考えられる。
特開2001−272505号公報 特開2005−70435号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、基板への凹凸構造の作成に金属マスクの形成およびエッチング等の複雑なプロセスを使うためコスト的にコンシューマー製品への量産には不向きである。アスペクト比が高いため成型が困難であり、成型タクトの増加、良品率の低下が懸念される。
一方、特許文献2は、凹凸のピッチ2〜100μmと波長より大きいため、微細な凹凸形状の様に、近似によって面内に一様な有効屈折率として扱う事はできない。この凹凸形状は波長に対して十分大きいため、表面で回折散乱が生じる。そもそも、この従来例の目的は防眩(アンチグレア)であるため、モニター装置表示面近傍など使用箇所が限られ、結像系などの撮影レンズの表面などには使用ができない。また、凹凸形状に成膜した薄膜は、単に通常の多層膜としての性能しかなく、角度特性の向上も期待できない。
そこで、本発明の目的は、波長以下の周期の微細な凹凸を持つ反射防止構造と同等の性能を持ちながら、容易に製造することを可能とした、反射防止機能を有する光学素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学素子は、反射防止機能を有する光学素子であって、波長λの半分以下のピッチで並んだ山部及び谷部を含む第1の凹凸面を有する基板と、前記第1の凹凸の上に形成される少なくとも1層の薄膜を含み、前記基板の屈折率よりも低い屈折率を有する薄膜層と、を備え、前記薄膜層の最も空気側には前記第1の凹凸に対応する第2の凹凸が形成されており、前記第1の凹凸面の谷部同士を結ぶ面の法線方向において、前記第1の凹凸山部と該山部に最も近い谷部との高低差をh0、前記第2の凹凸山部と該山部に最も近い谷部との高低差をh1、前記薄膜層の最大の厚さをD、とし、前記波長λ=550nm、とするとき、
1/4≦h1/h0≦2
1/5λ≦D≦2λ
なる条件を満たしており、前記第1の凹凸面と、該第1の凹凸面の山部同士を結ぶ面と、の間には、前記薄膜層の最も前記基板側の薄膜のみが存在していることを特徴とする。
本発明によれば、波長以下の周期の微細な凹凸を持つ反射防止構造と同等の性能を持ちながら、容易に製造することを可能とした、反射防止機能を有する光学素子を提供することができる。
実施例1の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例1の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例1の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例1の基板の凹凸構造を示す模式図である。 実施例1の反射防止構造の凹凸構造を示す模式図である。 比較例の反射防止構造を示す図である。 比較例の屈折率構造を示す図である。 比較例の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例2の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例2の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例2の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例3の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例3の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例3の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例4の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例4の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例4の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例5の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例5の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例5の分光反射率の計算値を示すグラフである。 実施例6の反射防止構造を示す図である。 本発明の数値例6の屈折率構造を示す図である。 本発明の数値例6の分光反射率の計算値を示すグラフである。 本発明の凹凸構造の例を示す模式図(上方からの等高線図)である。 本発明の凹凸構造の例を示す模式図(斜方からの図)である。 本発明の数値例1のRCWAによる分光反射率の計算値を示すグラフである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる反射防止構造である。
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施例による、反射防止構造について説明する。
図1は本発明の反射防止機能を有する光学素子(反射防止素子)の反射防止構造の断面図を示したものである。基板1の表面に形成された凹凸構造(第1の凹凸構造)の上に、薄膜2、3が積層された構造である。
基板1には図4の様に波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。本実施例では、反射防止素子に照射する光の波長λを550nmとしている。しかし、本発明において、照射する光の波長は550nm以外の波長でもよく、これに限定されない。凹凸構造の形成には型による成型を用いる事が可能である。基板1の凹凸構造の上に、膜厚が均等になる様に、薄膜2が成膜されている。成膜には、通常の蒸着以外に、スパッタ成膜などを用いるとより良い。スパッタ成膜装置では、成膜時に蒸着とエッチングが同時に起こっている状態と考えられる。装置の成膜条件を調整することで、すなわち、蒸着とエッチングのバランスを制御することで、下地の基板1と同等の形状を薄膜界面にも反映する事が可能である。
同様に、薄膜2の上に、膜厚が均等になる様に、薄膜3が成膜されている。
表1に実施例1の設計値を示す。基板1は屈折率1.84の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが93nm(実際は93.3nmであるが、小数点以下を四捨五入して93nmとする)の凹凸が形成されている。その基板1の凹凸構造の上に、基板1の凹凸の高さと同じ厚さを有する、屈折率1.60の薄膜2が成膜されている。ここで、基板1の凹凸の高さとは、基板1の表面の法線方向における凸の山の頂上5と該頂上5に最も近い凹の谷の底4との差である。
この基板1の凹凸構造の上にその厚さ93nm(実際は93.3nmであるが、小数点以下を四捨五入して93nmとする)分の薄膜2を成膜しており、基板1の凹凸構造の凸の山の頂上5と、薄膜2の上側界面の凹の谷の底6が同じ高さに揃う事になっている。また、薄膜2の上側界面の凹凸の高さは、基板1の凹凸の高さと同じ93nmとなっている。
同様に、薄膜2の凹凸の上に屈折率1.25の薄膜3を厚さ93nm(実際は93.3nmであるが、小数点以下を四捨五入して93nmとする)だけ、成膜している。薄膜2の凸の山の頂上7と薄膜3の上側界面の凹の谷の底8が同じ高さで揃っている。また、図5の模式図に示す様に、最上層である薄膜3の上側界面の凹凸構造(第2の凹凸構造)は、基板1の凹凸の形状に対応して同形状を有し、その高さは、基板1の凹凸の高さと同じ93nmとなっている。
図1の断面図ように、基板1の凹凸構造の凹の谷の底4から、薄膜3の上側界面の凸の山の頂上9までは厚さの合計が280nm(実際は、279.9nmであるが、小数点以下を四捨五入して280nmとする)の構造となっている。従来の反射防止構造においては、140nm以下のピッチに対して、少なくとも照射する光の波長の1/2λ程度の高さ(約280nm)の凹凸を必要としており、アスペクト比を2程度必要としていた。したがって、本発明において、基板の凹凸構造の凹の谷の底4から最も空気側の薄膜層の上側界面の凸の山の頂上9までの高さは280nm程度必要である。基板側から厚さ方向に進むに従って、各層は媒質の割合が徐々に変化する混合層と考えられる。照射する波長以下の周期で複数の媒質が配置される場合、それらの媒質の割合に応じた均質な屈折率層として扱える。その屈折率を有効屈折率と呼び、多層膜の干渉と近似して、薄膜計算ソフトでシミュレーションできる。
図2はこの反射防止構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板1の凹凸構造の凹の谷の底4と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。
基板1の凹凸構造の凹の谷の底4と同じ厚さのところ、すなわち厚さが0nmのところでは、ピッチ方向において基板1の媒質が100%を占めており有効屈折率は1.84となる。
基板1の凸の山の頂点5薄膜2の上側界面の凹の谷の底6と同じ厚さのところ、すなわち厚さが93nm(実際は、93.3nmであるが、小数点以下を四捨五入している)のところでは、ピッチ方向において薄膜2の媒質が100%を占めているため有効屈折率は1.60である。
厚さ0nmと93nmとの間は、ピッチ方向における基板1の媒質の占有率と薄膜2の媒質の占有率が徐々に変化し、基板側から空気側に向かうにつれて基板1の媒質の占有率が低くなると共に薄膜2の媒質の占有率が高くなり、有効屈折率もその変化に応じて、徐々に変化している。
同様に、薄膜2の上側界面の凸の山の頂点7薄膜3の上側界面の凹の谷の底8と同じ厚さのところ、すなわち厚さが187nm(実際は、186.6nmであるが、小数点以下を四捨五入している)のところでは、ピッチ方向において薄膜3の媒質が100%を占めているため有効屈折率は1.25である。厚さ93nmと187nmとの間においても、ピッチ方向における薄膜2の媒質の占有率と、薄膜3の媒質の占有率が徐々に変化しており、有効屈折率も徐々に変化している。
また、基板1の凹凸構造の谷の底4に対して薄膜3の上側界面の凸の山の頂点9と同じ厚さのところ、すなわち厚さが280nm(実際は、279.9nmであるが、小数点以下を四捨五入している)のところでは、ピッチ方向において空気が100%を占めているため有効屈折率は1.00である。厚さ187nmと280nmの間においてもピッチ方向における空気の占有率が増えるに従って有効屈折率が変化し、最終的には空気の屈折率になる。
構造全体として見ると、基板側から空気側に向けて、基板1の屈折率から徐々に空気の屈折率に有効屈折率が変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図3のグラフである。入射角度0〜30°において、可視光の全域で0.5%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても550nm付近で約3%程度の反射率を実現している。
比較数値例を用いて本実施例と比べながら説明を行う。
図6は比較数値例として用いる反射防止構造の断面図を示したものである。
図7は、この比較数値例の屈折率プロファイルを示したものである。基板の屈折率1.84から空気の屈折率1.00に向けて徐々に屈折率が変化しており、図2に示す実施例1の屈折率プロファイルと同等な形状をしている。図8は比較数値例の分光反射率のシミュレーションを行った結果のグラフである。分光反射率性能としては、実施例1と同程度のものとなっている。
この比較数値例を実現する構造は図6に示すように、基板に凹凸構造が形成された構造である。基板の媒質の屈折率は1.84であり、ピッチ140nm、高さ280nmの凹凸が形成されている。凹凸の形状はかなり鋭角なものであり、凹凸のアスペクト比(ピッチに対する高さの比)は2と高いものとなっている。このため、製造上の難易度が高い。
型を用いて成型を行う、プラスチックモールドや、ガラスモールドなどでは、レンズ形状の成型を行う際に、同時に微細構造を作成する事が理想と考えられる。比較的成型温度の低いプラスチックモールドにおいては、この形状での成型もある程度は可能であるが、成型条件が厳しく、成型時間の増加によるコストの増大が懸念される。成型条件に関しては、微細構造の転写性を確保する条件と、レンズ形状全体の成型に求められる条件が同時に成り立たない可能性があり、その場合は成型が不可能である。
ましてや、より高い成型温度を必要とするガラスモールドでは、現状では、このサイズでアスペクト比2程度の形状の成型は不可能である。
本実施例1では基板1には図4の様に波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。ピッチを140nmとしているのは、回折による散乱を起こさないためである。そのため、ピッチは使用波長域の最短波長の半分以下であればよい。凹凸形状のバラツキ等を考慮すると140nm程度にしておく事が望ましい。
実施例1ではこの基板1の凹凸の上に屈折率1.60と1.25の2層の薄膜層2,3を成膜している。この屈折率の値は、基板1の屈折率1.84と、空気の屈折率1.00の間を約3等分することでギャップを埋めるように設定したものである。これらの薄膜層を基板1からだんだん屈折率が低くなる順番で配置している。凹凸の上にこれらの順番で薄膜層2,3を成膜することで効率よく屈折率勾配を形成している。
この薄膜の層数を増やすほど薄膜1層における厚さは減少し、同時に基板表面の凹凸に必要な高さが減少できる。
しかしながら、中間の屈折率を自由に選択できる媒質は存在しないので、基板の凹凸構造上に設けられる薄膜層としては1〜2層程度で構成することが望ましい。
下記条件式(1)は、基板の凹凸構造の山の頂上と該頂上に最も近い基板の凹凸構造の谷の底の差高さh0と最上層の薄膜の凹凸構造の山の頂上と該頂上に最も近い最上層の薄膜の凹凸構造の谷の底の差高さh1とすることで、h0とh1の比を規定するものである。実施例1ではh0、h1ともに93nmであり、条件式の中辺は1となっている。基板の凹凸構造を薄膜最上層まで受け継ぎ、同形状で設計している。成膜の条件によっては、基板の形状が鈍るような場合がある。その際も下限を超えない様に設定することで、本発明の効果を得る事ができる。逆に、基板のアスペクト比を低く抑えて成型性を向上するために、成膜条件を工夫して、条件式(1)の値が1を超える様にする事も可能である。ただし、その際も、上限の値を超えない様に設定することで、薄膜層の強度が低下するのを防止することが可能である。
1/4≦h1/h0≦2 ・・・(1)
下記条件式(2)は基板の凹凸構造の上に成膜する薄膜層の最大の厚さDを規定するものである。薄膜層が複数の薄膜から成る場合はその合計の厚さをDとする。また、薄膜の合計の厚さは、厚さが最大なところとする。つまり、図5で示す基板の凹凸構造の山の頂上と最上層の薄膜の凹凸構造の山の頂上との差Daと、基板の凹凸構造の谷底と最上層の薄膜の凹凸構造の谷底との差Dbのうち最大のものをDとする。実施例1では薄膜層2が93nm、薄膜層3が93nmで薄膜層の最大の厚さDは、187nmとなっており、条件式(2)を満たしている。薄膜層が1層の場合は、後述の実施例3の様に、凹凸構造を有する基板の凹の谷の底から薄膜の上側界面の凸の山の頂上までの高さが1/2λの構造を得るために、凹凸構造及び薄膜層それぞれの厚さを1/4λ程度とする事になる。この薄膜層の厚さが下限となるため、薄膜層の数を増やすと薄膜層の厚さは増加する。薄膜層の最大の厚さが条件式の下限を超えて薄くなった場合、十分な反射防止性能が得られなくなる。もしくは、十分な反射防止性能を得るために基板の凹凸構造のアスペクト比を上げなければならず、製造が困難となり好ましくない。屈折率勾配をつけた構造で反射防止構造として必要な厚さは、上述したように1/2λ程度である。また、それの整数倍のλ、3/2λ、2λ・・・が反射防止構造としての厚さとなる。可視光程度の波長範囲においては、2λ程度であれば十分の性能となるためそれ以上の厚さは必要としないため上限値を規定している。
1/5λ≦D≦2λ ・・・(2)
下記条件式(3)は基板の凹凸の高さを規定するものである。mは、薄膜の層数mである。実施例1ではh0は93nmであり、これは条件式を満たしている。実施例1の薄膜の層数は2層であるため、基板の凹凸の高さとしては1/2λを3等分した1/6λ相当の高さが必要である。これの約1/2を下限と定めた。つまり、薄膜の層数が2層であるときのh0の下限は、1/2λを6等分した1/12λ相当の高さであるといえる。この下限を超えて凹凸が小さくなると、十分な反射防止性能が得られない。逆に上限に関しては、これより凹凸構造を高くした場合、製造が困難となり好ましくない。よって、薄膜層の効果を得るためには上限を超えない事が望ましい。より好ましくは、下記条件式(3’)にあるように、基板の凹凸の高さの上限を1/3×λ未満とすれば、凹凸構造の製造がさらに容易になり好ましい。
(1/4×λ)/(m+1)<h0<2/5×λ ・・・(3)
(1/4×λ)/(m+1)<h0<1/3×λ ・・・(3’)
実施例1では凹凸形状を錐形状とすることで、基板に対する凹凸形状の形成を容易にしている。特に、ガラスモールドとして成型することが容易な形状としている。これは媒質の占有率が基板側から空気側に向けてだんだん低くなる(媒質の量が基板側から空気側に向けて少なくなる)構造である。錐形状に関しては、図4の四角錐形状以外に円錐形状や、六角錐形状、それらの組み合わせ、またそれ以外の形状でもよい。
下記条件式(4)は基板に形成された凹凸構造のアスペクト比を規定するものである。Pは、凹凸構造のピッチである。この下限を超えてアスペクト比が小さくなると、十分な反射防止性能が得られない。逆に上限を超えた場合は、製造が困難となり好ましくない。
0.25<h0/P<1.25 ・・・(4)
比較数値例の凹凸のアスペクト比2に対して、実施例1のアスペクト比0.67は1/3となっているため、基板表面に有する凹凸形状の形成は、レンズ形状の成型と同時に、ガラスモールドによって形成することが可能である。実施例1の反射防止素子は、比較数値例と同等の性能でありながら、成型の容易さが格段に向上している。
実施例1の薄膜層2の媒質はAl2O3などを主成分として選択することができる。薄膜層3の媒質はSiO2または、MgF2の多孔質などを用いることができる。
以下、図を参照して、本発明の第2の実施例による、反射防止構造について説明する。
は本発明の反射防止構造の断面図を示したものである。実施例1と同様に、基板11の凹凸構造の上に、薄膜層12,13が積層された構造である。
基板11には成型により波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。基板11の凹凸構造の上に、膜厚が均等になる様に、薄膜12、薄膜13がスパッタ成膜などを用いて形成されている。
表1に実施例2の設計値を示す。基板11は屈折率1.84の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが187nmの凹凸が形成されている。その基板11の凹凸構造の上に、この高さと同じ厚さ187nmで、屈折率1.60の薄膜12と、その上に屈折率1.25の薄膜13が成膜されている。
実施例1と同様に、薄膜13の上側界面の凹凸は、基板11の凹凸と同形状であり、その高さは、基板11の凹凸と同じ187nmとなっている。
の断面図ように、基板11の凹凸構造の凹の谷の底14から、薄膜13の上側界面の凸の山の頂上19までは厚さの合計が560nmの構造となっている。また、実施例2では、薄膜層12が187nm、薄膜層13が187nmで薄膜層の最大の厚さDは373nmとなっており、条件式(2)を満たしている。
実施例1と同様に、基板11の凹凸構造の凸の山の頂上15と、薄膜12の上側界面の凹の谷の底16が同じ高さに揃う事になっている。また、薄膜12の凸の山の頂上17と薄膜13の上側界面の凹の谷の底18が同じ高さで揃っている。
10はこの構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板11の凹凸構造の凹の谷の底14と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。実施例1と同様に、構造全体としては、基板側から空気側に向けて、基板11の屈折率1.84から空気の屈折率1.00まで徐々に有効屈折率が変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図11のグラフである。入射角度0〜45°において、可視光の全域で0.2%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても約1%程度の超高性能の反射率を実現している。
以下、図12を参照して、本発明の第3の実施例による、反射防止構造について説明する。
12は本発明の反射防止構造の断面図を示したものである。実施例1や実施例2では、基板の凹凸構造上に薄膜が2層設けられた場合の例を示したが、本実施例では薄膜が1層設けられた場合の例を示している。つまり、本実施例の反射防止構造は、基板21の凹凸構造上に、薄膜層22が1層のみ成膜された構造である。
実施例1と同様に基板21には成型により波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。基板21の凹凸構造の上に、膜厚が均等になる様に、薄膜22がスパッタ成膜などを用いて形成されている。
表1に実施例3の設計値を示す。基板21は屈折率1.84の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが140nmの凹凸が形成されている。その基板21の凹凸構造の上に、この高さと同じ厚さ140nmで、屈折率1.38の薄膜22が成膜されている。
実施例1と同様に、薄膜22の上側界面の凹凸は、基板21の凹凸と同形状であり、その高さは、基板21の凹凸と同じ140nmとなっている。
12の断面図ように、基板21の凹凸構造の凹の谷の底24から、薄膜22の上側界面の凸の山の頂上27までは厚さの合計が280nmの構造となっている。また、実施例3では、薄膜層22が140nmで薄膜層の最大の厚さDは140nmとなっており条件式(2)を満たしている。
実施例1と同様に、基板21の凹凸構造の凸の山の頂上25と、薄膜22の上側界面の凹の谷の底26が同じ高さに揃う事になっている。
13はこの構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板21の凹凸構造の凹の谷の底24と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。実施例1と同様に、構造全体としては、基板21の屈折率1.84から空気の屈折率1.00まで徐々に変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図14のグラフである。これは、実施例1とほぼ同等のものである。入射角度0〜30°において、可視光の全域で0.5%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても約3%程度の超高性能の反射率を実現している。
以下、図15を参照して、本発明の第4の実施例による、反射防止構造について説明する。
15は本発明の反射防止構造の断面図を示したものである。実施例3と同様に基板31の凹凸構造上に、薄膜層32が1層のみ成膜された構造である。
実施例1と同様に基板31には成型により波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。基板31の凹凸構造の上に、膜厚が均等になる様に、薄膜32がスパッタ成膜などを用いて形成されている。
表1に実施例4の設計値を示す。基板31は屈折率1.84の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが187nmの凹凸が形成されている。その基板31の凹凸構造の上に、この高さと同じ厚さ、屈折率1.38の薄膜32が187nm成膜されている。
実施例1と同様に、薄膜32の上側界面の凹凸は、基板31の凹凸と同形状であり、その高さは、基板31の凹凸と同じ187nmとなっている。
15の断面図ように、基板31の凹凸構造の凹の谷の底34から、薄膜32の上側界面の凸の山の頂上37までは厚さの合計が374nmの構造となっている。また、実施例4では、薄膜層32が187nmで薄膜層の最大の厚さDは187nmとなっており条件式(2)を満たしている。
実施例1と同様に、基板31の凹凸構造の凸の山の頂上35と、薄膜32の上側界面の凹の谷の底36が同じ高さに揃う事になっている。
16はこの構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板31の凹凸構造の凹の谷の底34と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。実施例1と同様に、構造全体としては、基板側から空気側に向かって、基板31の屈折率1.84から空気の屈折率1.00まで徐々に有効屈折率が変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図17のグラフである。これは、実施例1とほぼ同等のものである。入射角度0〜45°において、可視光の全域で0.8%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても約2.5%程度の超高性能の反射率を実現している。
以下、図18を参照して、本発明の第5の実施例による、反射防止構造について説明する。
18は本発明の反射防止構造の断面図を示したものである。実施例3、4同様に基板41の凹凸構造上に、薄膜層42が1層のみ成膜された構造である。
他の実施例と同様に基板41には成型により波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。基板41の凹凸構造の上に、薄膜42を成膜するが、膜厚が凹凸谷部では厚く、凹凸山部では薄くなるように、スパッタ成膜などを用いて形成されている。
表1に実施例5の設計値を示す。基板41は屈折率1.84の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが187nmの凹凸が形成されている。その基板41の凹凸構造の上に、谷部ではこの高さと同じ厚さで、山部ではそれより薄く93nmの厚さで、屈折率1.30の薄膜42が成膜されている。
実施例5では、実施例1〜4とは違い、薄膜42の上側界面の凹凸は、基板41の凹凸とほぼ同形状でありながらも高さが異なる。基板41では、凹凸の高さは187nmであるが、薄膜42では93nmと半分の凹凸となっている。
18の断面図ように、基板41の凹凸構造の凹の谷の底44から、薄膜42の上側界面の凸の山の頂上47までは厚さの合計が280nmの構造となっている。また、実施例5では、基板41の凹凸構造の山の頂上45と薄膜42の凹凸構造の山の頂上47との差Daが93nmで基板41の凹凸構造の谷底44と薄膜42の凹凸構造の谷底46との差Dbが187nmであるため、薄膜層の最大の厚さDは187nmとなっており条件式(2)を満たしている。
実施例1から4と同様に、基板41の凹凸構造の凸の山の頂上45と、薄膜42の上側界面の凹の谷の底46が同じ高さに揃う事になっている。
19はこの構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板41の凹凸構造の凹の谷の底44と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。実施例1と同様に、構造全体としては、基板側から空気側に向かって、基板41の屈折率1.84から空気の屈折率1.00まで徐々に有効屈折率が変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に、多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図20のグラフである。これは、実施例1とほぼ同等のものである。入射角度0〜30°において、可視光の全域で0.8%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても約3.5%程度の超高性能の反射防止特性を実現している。
以下、図21を参照して、本発明の第6の実施例による、反射防止構造について説明する。
21は本発明の反射防止構造の断面図を示したものである。実施例5と同様に基板51の凹凸構造上に、薄膜層52が1層のみ成膜された構造である。
他の実施例と同様に基板51には成型により波長以下の周期で凹凸構造が設けられている。基板51の凹凸構造の上に、薄膜52を成膜するが、膜厚が凹凸谷部では薄く、凹凸山部では厚くなるように、スパッタ成膜などを用いて形成されている。
表1に実施例6の設計値を示す。基板51は屈折率1.60の媒質であり、表面にはピッチが140nmで、高さが93nmの凹凸が形成されている。その基板51の凹凸構造の上に、谷部ではこの高さと同じ厚さ93nmで、山部ではそれより厚く187nmの厚さで、屈折率1.38の薄膜52が成膜されている。
実施例6では、実施例5と同様に、薄膜52の上側界面の凹凸は、基板51の凹凸とほぼ同形状でありながらも高さが異なる。基板51では、凹凸の高さは93nmであるが、薄膜52では187nmと倍の凹凸となっている。
21の断面図ように、基板51の凹凸構造の凹の谷の底54から、薄膜52の上側界面の凸の山の頂上57までは厚さの合計が280nmの構造となっている。また、実施例6では、基板51の凹凸構造の山の頂上55と薄膜52の凹凸構造の山の頂上57との差Daが187nmで基板51の凹凸構造の谷底54と薄膜52の凹凸構造の谷底56との差Dbが93nmであるため、薄膜層の最大の厚さDは187nmとなっており条件式(2)を満たしている。
実施例1から5と同様に、基板51の凹凸構造の凸の山の頂上55と、薄膜52の上側界面の凹の谷の底56が同じ高さに揃う事になっている。
22はこの構造について、基板の厚さ方向に対する有効屈折率を示した屈折率プロファイルである。横軸に厚さをとり、便宜的に基板51の凹凸構造の凹の谷の底54と同じ厚さの位置を0nmとしてプロットしている。縦軸には有効屈折率を取っている。構造全体としては、基板側から空気側に向かって、基板51の屈折率1.60から空気の屈折率1.00まで徐々に有効屈折率が変化している構成のグラフとなっている事がわかる。
この屈折率プロファイルを基に、多層膜干渉として、分光反射率のシミュレーションを行った結果が図23のグラフである。入射角度0〜45°において、可視光の全域で0.8%以下の低反射率を実現している。また、60°の高入射角においても約2.5%程度の超高性能の反射防止特性を実現している。
実施例1〜6において、凹凸構造として、図4の様に釣り鐘形状が並んだような、凸形状が並んだ形で表しているが、その他にも、図24、図25で示すような凹形状と、凸形状が交互に並んだような形でも構わない。図25は斜方からの模式図であり、それを上方から見た等高線図が図24である。図24において65は凸形状の山の頂点を示している。64は凹形状の谷の底を示している。その他には、図4を逆さにした形状(不図示)でも良い。いずれの場合も、基板側から空気に向かって、基板媒質の充填率直線的に減少していくように構成されている
凹凸構造のピッチに関しては、140nm以下にする事で、回折による散乱を防ぐ事ができ好ましい。しかし、用途によっては製造の容易さを優先し、散乱を許容して、ピッチを160nmから200nm程度に広げる事も可能である。その際は、分光反射率の計算には有効屈折率による近似ではなく、RCWA法(Rigorous Coupled Wave Analysis)などで計算する必要がある。それによる計算に基づいて、実施例の設計値を最適に修正する事が可能である。
実施例1に関して、RCWA法での計算結果を図26に示す。ピッチが140nmであるため回折の影響は全くなく、図3の有効屈折率での分光反射率計算とほぼ一致している。実施例1〜6では全て有効屈折率での薄膜計算によるものを用いて設計している。
本発明の反射防止構造を有する基板は、平面に限らず、レンズの球面、非球面、フレネル面、自由曲面などの少なくとも光学面の1面に適応できる。
本発明によれば、波長以下の周期の微細な凹凸を持つ反射防止素子において、凹凸のアスペクト比を低減して製造を容易にしながらも、広帯域で、広い入射角度特性を持つ反射防止素子の構造を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、実施例1,2において、基板の凹凸構造上に設ける薄膜の層数は2層に限定されず、基板の凹凸の高さ、薄膜の膜厚及び基板や薄膜の屈折率などを変えて、3層から5層程度など2層以上にしてもよい。また、実施例3,4においても、基板の凹凸構造上に設ける薄膜の層数は1層に限定されず、基板の凹凸の高さ、薄膜の膜厚及び基板や薄膜の屈折率などを変えて、3層から5層程度など1層以上にしてもよい。
本発明により、カメラなどの結像光学系、双眼鏡、顕微鏡、ファインダーなどの観察光学系、液晶プロジェクターなどの投射光学系等において、レンズや、プリズムなどの全ての光学面に対して、高性能な反射防止構造を提供することが可能である。
1:基板
2:薄膜層1層目
3:薄膜層2層目
4:基板凹構造の谷の底
5:基板凸構造の山の頂点
6:薄膜2の上側界面の凹構造の谷の底
7:薄膜2の上側界面の凸構造の山の頂点
8:薄膜3の上側界面の凹構造の谷の底
9:薄膜3の上側界面の凸構造の山の頂点

Claims (9)

  1. 反射防止機能を有する光学素子であって、
    波長λの半分以下のピッチで並んだ山部及び谷部を含む第1の凹凸面を有する基板と、
    前記第1の凹凸面の上に形成される少なくとも1層の薄膜を含み、前記基板の屈折率よりも低い屈折率を有する薄膜層と、を備え、
    前記薄膜層の最も空気側には前記第1の凹凸面に対応する第2の凹凸面が形成されており、
    前記第1の凹凸面の谷部同士を結ぶ面の法線方向において、前記第1の凹凸面の山部と該山部に最も近い谷部との高低差をh0、前記第2の凹凸面の山部と該山部に最も近い谷部との高低差をh1、前記薄膜層の最大の厚さをD、とし、前記波長λ=550nm、とするとき、
    1/4≦h1/h0≦2
    1/5λ≦D≦2λ
    なる条件を満たしており、
    前記第1の凹凸面と、該第1の凹凸面の山部同士を結ぶ面と、の間には、前記薄膜層の最も前記基板側の薄膜のみが存在していることを特徴とする光学素子。
  2. 前記薄膜層の最も前記基板側の薄膜の空気側には前記第1の凹凸に対応する第3の凹凸が形成されており(ただし、前記薄膜層が1層から成る場合は、前記第2の凹凸面と前記第3の凹凸面とは同一である)前記法線方向において、前記第1の凹凸面の部の高さと前記第3の凹凸面の部の高さとが揃っていることを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  3. 前記第1の凹凸の高さと前記薄膜層に含まれる薄膜の厚さとが同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記薄膜層は複数の薄膜を含み、該複数の薄膜のそれぞれは前記基板側から空気側に向かって屈折率が低くなる順に配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記薄膜層の層数をmとするとき、
    (1/4×λ)/(m+1)<h0<2/5×λ
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記第1の凹凸面と、該第1の凹凸面の山部同士を結ぶ面と、の間における前記基板の媒質の占有率は、前記基板側から空気側に向かって低くなっていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 前記第1の凹凸における前記山部及び谷部のピッチをPとするとき、
    0.25<h0/P<1.25
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
  8. 前記薄膜層のうち少なくとも1層はSiO、MgF、Alのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の光学素子を有することを特徴とする光学装置。
JP2010205284A 2010-09-14 2010-09-14 光学素子および、それを有する光学装置 Active JP5804683B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010205284A JP5804683B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 光学素子および、それを有する光学装置
US13/230,074 US9864107B2 (en) 2010-09-14 2011-09-12 Optical element with antireflection function and optical apparatus including the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010205284A JP5804683B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 光学素子および、それを有する光学装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012063393A JP2012063393A (ja) 2012-03-29
JP2012063393A5 JP2012063393A5 (ja) 2013-10-24
JP5804683B2 true JP5804683B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=45806475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010205284A Active JP5804683B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 光学素子および、それを有する光学装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9864107B2 (ja)
JP (1) JP5804683B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014005193A (ja) * 2012-05-30 2014-01-16 Canon Inc 光学部材、撮像装置及び光学部材の製造方法
JP5947379B2 (ja) * 2012-06-22 2016-07-06 シャープ株式会社 反射防止構造体、その製造方法及び表示装置
US20150241603A1 (en) * 2012-06-22 2015-08-27 Sharp Kabushiki Kaisha Anti-reflection structure, imprint mold, method for producing anti-reflection structure, method for producing imprint mold, and display device
JP6336806B2 (ja) * 2014-04-09 2018-06-06 キヤノン電子株式会社 Ndフィルタ、光量絞り装置、及び、撮像装置
JP6386785B2 (ja) * 2014-05-16 2018-09-05 キヤノン電子株式会社 微細構造体、光学フィルタ及び光学装置
JP6362105B2 (ja) * 2014-08-27 2018-07-25 キヤノン株式会社 反射防止膜を有する光学素子、光学系、光学機器
CN109920936B (zh) * 2019-03-19 2020-11-24 合肥鑫晟光电科技有限公司 一种显示面板、其制作方法及显示装置
WO2021130523A1 (en) 2019-12-24 2021-07-01 Arcelormittal Protective element for a battery pack of a hybrid or electric vehicle and process for the assembling of a reinforced battery pack

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4178583B2 (ja) * 1998-04-17 2008-11-12 旭硝子株式会社 反射防止膜
EP0989443A3 (en) * 1998-09-22 2004-03-31 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anti-reflection film and process for the preparation of the same
JP3371846B2 (ja) * 1999-04-06 2003-01-27 日本電気株式会社 ホログラム素子
JP2001272505A (ja) 2000-03-24 2001-10-05 Japan Science & Technology Corp 表面処理方法
JP2002182003A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Canon Inc 反射防止機能素子、光学素子、光学系および光学機器
US7354163B2 (en) * 2002-02-08 2008-04-08 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Antiglare film and image display apparatus
KR20040096064A (ko) * 2003-05-07 2004-11-16 삼성에스디아이 주식회사 형광막 및 이를 채용한 화상 표시 장치
JP4213989B2 (ja) * 2003-05-08 2009-01-28 富士フイルム株式会社 防眩性フィルムの製造方法
JP2005070435A (ja) 2003-08-25 2005-03-17 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止膜の製造方法
US20060001969A1 (en) * 2004-07-02 2006-01-05 Nanoopto Corporation Gratings, related optical devices and systems, and methods of making such gratings
EP2038684B1 (en) 2006-05-31 2016-03-16 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
JP5147290B2 (ja) * 2006-05-31 2013-02-20 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
WO2008001662A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Panasonic Corporation Élément optique et dispositif optique le comprenant
JP2008203473A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Nissan Motor Co Ltd 反射防止構造及び構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012063393A (ja) 2012-03-29
US20120062995A1 (en) 2012-03-15
US9864107B2 (en) 2018-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5804683B2 (ja) 光学素子および、それを有する光学装置
JP6411517B2 (ja) 反射防止膜および反射防止膜を備えた光学部材
EP1584955B1 (en) Antireflective coating
JP5662982B2 (ja) 反射防止膜および光学素子
JP5936444B2 (ja) 光学素子、それを用いた光学系および光学機器
US20100110552A1 (en) Antireflection structural body
JP6362105B2 (ja) 反射防止膜を有する光学素子、光学系、光学機器
JP2002182003A (ja) 反射防止機能素子、光学素子、光学系および光学機器
US9405044B2 (en) Antireflection coating film, and optical element, optical system, and optical apparatus having the same
EP3006969A1 (en) Optical member provided with anti-reflection film
US8559112B2 (en) Optical element
WO2004031815A1 (ja) 反射防止用回折格子
WO2019230758A1 (ja) 微細パターンフィルム、及び、ヘッドアップディスプレイ装置
JP2008209448A (ja) 反射防止構造体
JP2018095488A (ja) 宇宙用放熱素子及びその設計方法と製造方法
CN111399090B (zh) 光学镜片、光学镜片的制造方法和光学成像装置
JP2010237419A (ja) 反射防止体
CN101793981A (zh) 一种复合层增透膜及其制备方法
WO2013111567A1 (ja) 反射防止膜
CN216526487U (zh) 光学镜头、取像装置及电子装置
TWI782704B (zh) 光學鏡頭、取像裝置及電子裝置
JP2015135445A (ja) 反射防止膜、光学素子、光学系および光学機器
WO2020066428A1 (ja) 反射防止膜、光学素子、反射防止膜の製造方法および微細凹凸構造の形成方法
JP2018185394A (ja) 反射防止膜およびそれを有する光学素子,光学系,光学装置
TWI853781B (zh) 光學鏡頭、取像裝置及電子裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130910

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150901

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5804683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151