JP4177992B2 - 生分解性ポリヒドロキシカルボン酸のモノマー化方法等 - Google Patents

生分解性ポリヒドロキシカルボン酸のモノマー化方法等 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性ポリエステル、特にポリ乳酸のリサイクル処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックの一つであるポリ乳酸は、例えばトウモロコシ等の天然物を原料として生産することができることに加え、自然界中において微生物の作用によって分解されることから、いわゆる環境に優しい生分解性プラスチックとして知られている。この生分解性プラスチックの需要は、増加の一途をたどっており、将来的にも更に需要が増大すると考えられている。しかしながら、土壌中の微生物によって、生分解性プラスチックを分解する場合には、相当の時間を必要とする。
【0003】
一方、近年になって、環境に対する配慮という点から、汎用プラスチックを含む多くの製品に対してリサイクルを進めるための研究が盛んとなっている。これをポリ乳酸について見ると、上記のように廃棄処分された場合の分解性が良好であるという長所は認められているものの、リサイクルという点からは、必ずしも十分な研究はなされていない。例えば、特開平5−178977号には、ポリ乳酸を水分の存在下で100℃以上、1気圧以上に加熱加圧して加水分解させる方法が開示されているものの、反応後の物質のL/D比や収率に対する評価が不十分であることから、実際に応用するために適しているとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生分解性ポリエステル、特にポリ乳酸をリサイクル処理するために、ポリ乳酸を分解してモノマーの乳酸として回収するための好適な方法及び装置等を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、発明の作用、及び発明の効果】
本発明者らは、鋭意検討の結果、生分解性ポリエステル(例えば、ポリヒドロキシカルボン酸、ポリヒドロキシポリカルボン酸系およびヒドロキシカルボン酸−ポリカルボン酸−ポリオール共重合体など)、特にポリ乳酸を液体状態の水の共存下において、200℃〜350℃の高温下で、5分間〜60分間処理することにより、極めて短時間で可溶化できることを見出し、基本的には本発明を完成させるに至った。
【0006】
「ポリ乳酸」とは、乳酸(CHCH(OH)COOH)を単位とし、複数の乳酸が連なって高分子量となったプラスチックの一種類である。ポリ乳酸を製造する材料としての乳酸は、天然物、例えばトウモロコシ、キャツサバ、サトウキビ、ビート、サツマイモなどから生産することができる。ポリ乳酸を製造するには、一般的に乳酸を環化しラクチドとし、これを開環重合してポリ乳酸とするが、本発明は、ポリ乳酸の製造方法には依らないで実施することができる。
【0007】
ポリ乳酸を構成する単体としての乳酸には、L型とD型という二種類の光学異性体が知られている。本発明は、L型及びD型のいずれの乳酸を単位として製造されたポリ乳酸に対しても(或いは、L型とD型とを任意の比で含むポリ乳酸に対しても)実施することができる。
【0008】
また、本発明の実施によって、光学純度の高いポリ乳酸から得られる可溶化物には、原材料である乳酸を元の光学活性を維持した状態で得ることができる。加えて、例えば約300℃よりも高い温度(約310℃〜約350℃)を加えることにより、L型とD型との間で相互に転移させて、ラセミ化を進行させることもできる。しかしながら、(1)一般的には、ポリ乳酸を製造する場合には、上記の天然物を原料とするために、L型の乳酸を用いること、及び(2)ポリ乳酸の分解によって得られた乳酸を再度ポリ乳酸とするリサイクルの過程においては、元の光学活性を維持している方が製品管理の点において好ましいこと等の理由により、ラセミ化を進行させるのは好ましくない。そのためには、本発明の実施の際には、約300℃以下の温度に押さえておくことが好ましい。なお、ラセミ化とは、一般には、L型とD型という二種類の光学異性体の等量が混合することにより、混合物としては光学活性を失った状態を意味するが、本明細書中においては、「ラセミ化」とは、二種類の光学異性体が等量混合された状態には限られず、いずれか一方の光学異性体(例えば、L型乳酸)が純粋な状態では存在せず、他方の光学異性体(例えば、D型乳酸)に変化することにより、光学純度が低下することを意味している。
【0009】
「高温下」とは、200℃〜350℃を意味している。このうち、下限温度は、ポリ乳酸からモノマーとしての乳酸を得るための反応を促進させるための温度であり、200℃、好ましくは230℃、更に好ましくは240℃程度の温度下で反応させる。一方、上限温度は、ポリ乳酸が分解等の反応を受けて、乳酸を除く他の物質に変化しない程度の温度であり、350℃であるが、モノマーとしての乳酸の光学異性体間での転移の進行を促進させないという温度としては、好ましくは300℃以下の温度下で反応させる。このため、反応を促進させ、かつ乳酸のラセミ化を進行させ難くするためには、230℃〜約300℃の温度下とすることが好ましい。
【0010】
「短時間」とは、温度に依存して変わり得るが、例えば240℃の場合には10分間、300℃の場合には5分間程度の時間で十分である。しかしながら、本発明の実施には、この例に制限されず、下記実施例に示すデータを参考としながら、得られるモノマーとしての乳酸の性質に応じて、適当な時間を設定することができる。
【0011】
また、反応温度及び反応時間を設定するに当たっては、ポリ(L−乳酸)から得られる乳酸の収率、及び得られる乳酸のラセミ化の進行度合いを考慮することができる。その場合には、乳酸の収率が約60%以上、また乳酸の光学純度(L/D比)が約80/20を一つの基準(以下、「基準1」という。)とすることができる。この基準1に基づき、かつ後述の実施例に依って、反応温度及び反応時間を詳細に設定すると、次のような条件とすることができる。すなわち、240℃では10分間以上、250℃では7分間〜30分間程度、260℃では5分間〜30分間程度、300℃では5分間程度である。また50℃では、8分間以上の反応時間を加えると、乳酸が揮発性炭素にまで分解を起こすと考えられ、収率が約60%以下に低下してしまう。
【0012】
なお、上記の組合せの範囲外においても、基準1を満足させる組合せにおいて、本発明を実施することが可能であることは勿論である。例えば、250℃及び260℃の反応温度においては、30分間〜60分間の反応時間においても、上記の基準1を満足することが可能である。また、270℃〜290℃の温度範囲についても、5分間〜30分間(好ましくは、反応時間の上限として約20分間)の範囲において、上記基準を満足させることができることは、当業者ならば容易に認識できる。更に、240℃〜260℃の範囲に含まれる反応温度において端数の温度(例えば、245℃、255℃など)は、この明細書中の実施例を参考として、適当な反応時間を設定することができる。
【0013】
本明細書中において、「可溶化」とは、水に溶けにくい物質であるポリ乳酸を高温処理することにより、水に溶解するようになる現象のことを意味している。ポリ乳酸が可溶化された物質中には、モノマーとしての乳酸の他に、ポリ乳酸よりも分子量が低いが、なお複数の乳酸が結合した分解途中の物質などが含まれている。「モノマー」とは、ポリ乳酸を構成する単位としての乳酸を意味している。上記のように乳酸には、L型とD型との二種類の光学異性体があるが、モノマーとしては、いずれの光学異性体をも含み得る。但し、ポリ乳酸を構成する乳酸と同じ光学活性を持つモノマーであることが好ましい。現在では、ポリ乳酸は、天然物を原料として生産されていることから、モノマーとしては、L型乳酸であることが好ましい。
【0014】
また、ポリ乳酸を高温下で処理する場合に、液体状態の水を添加しておくことが好ましい。また、ポリ乳酸を高温下で処理する場合に、酸または塩基を添加することにより、ポリ乳酸から乳酸を得る時間を短縮することが可能となる。ここで、水の添加量は、ポリ乳酸の1質量部に対して、約10質量部〜約100質量部、好ましくは約10質量部〜約80質量部、更に好ましくは約10質量部〜約60質量部、更に好ましくは約10質量部〜約40質量部、更に好ましくは約10質量部〜約20質量部である。
本発明を実施するための装置としては、ポリ乳酸を高温下で処理する装置のことを意味しており、バッチ式と連続式とを問わない。この装置には、ポリ乳酸を内部に置いた状態で高温とする高温処理機が設けられている。また、蒸気ではなく液体状態の水を混合した状態でポリ乳酸を高温下で処理することが好ましいことから、高温処理機をバッチ式として、1気圧よりも大きな高圧下で処理できるようにすることが好ましい。また、大量のポリ乳酸を処理できるようにするためには、高温処理機を連続式とすることが好ましい。
【0015】
本発明の方法及び装置を用いることにより、ポリ乳酸を短時間で分解して、モノマーとしての乳酸(特に、L型乳酸)を高い収率で得ることができる。こうして、本発明を用いることにより、ポリ乳酸のリサイクル処理を好適に進めることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく、様々に改変して実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【0017】
まず、処理装置の構成及び測定パラメータについて説明する。
<高温高圧水処理装置>
図1には、実施例に使用したポリ乳酸の処理装置1(以下には、単に「処理装置1」と記載する)を示した。この処理装置1には、温度制御可能な溶融塩槽2(例えば、耐圧硝子株式会社製、TSC-B600型を用いることができる。)と、その溶融塩槽2の内部に浸漬される耐熱・耐圧な密閉型の処理容器3(例えば、ステンレス製(SUS316)バッチ式反応槽(100mmx8mm i.d.)を用いることができる。)と、圧力センサ4とが設けられている。
【0018】
溶融塩槽2の内部には、ヒータ6と回転翼5が設けられており、ヒータ6を付けた状態で、回転翼5を回転させることによって、溶融塩槽2内の液体を混合して、均一な温度とすることができる。なお、ヒータ6には、図示しないコンピュータが設けられており、溶融塩槽2内の温度を所定の範囲内に制御することができる。この処理装置1では、溶融塩槽2の内部を約150℃〜約450℃の範囲内で温度制御しながら、ポリ乳酸の高温処理を行えるようになっている。
【0019】
また、処理容器3は、例えば、ハステロイやインコネル(Ni、Cr、Mo, etc.)から構成することもできる。処理容器3の上部には、蓋体が取り付けられるようになっており、処理容器3の内部空間を密閉した状態(すなわちバッチ式)で、適度な温度とすることができる。試験時には、処理容器3の内部に任意の倍率で希釈した試料を投入し、上蓋を容器に載せて密閉する。その後、処理容器3と圧力センサ4とを接続する。
処理容器3を密閉した後、予め設定温度に加熱しておいた溶融塩槽2に処理容器3を投入し、この時点を0分として、高温処理を開始する。
【0020】
<実験方法>
各実施例は、200℃〜350℃の所定の温度において、約3分間〜約30分間の所定の時間間隔で行った。処理容器3の内部に、0.24gのポリ(L−乳酸)(分子量1x105)と4.8gの精製水(ポリ(L−乳酸):精製水の質量比は、1:20である。)とを投入した。処理容器3を密閉し、内部の空気をアルゴンで置換した後、所定の温度に暖めておいた溶融塩槽2の内部に浸けた。所定の処理時間が経過した後に、素速く処理容器3を溶融塩槽2から取り出し、冷水槽に浸けて速やかに室温に戻すことで、余分な反応を回避した。反応後の産物は、イオン排除カラムを付けたHPLC有機酸解析システム(LC-10A、島津製作所製)を用いて解析した。また、全有機酸は、TOC解析システム(TOC-VE、島津製作所製)により解析した。
【0021】
<実験結果>
1.乳酸生成に対する反応温度と反応時間との影響
ポリ(L−乳酸)の高温処理は、いくつかの異なる反応温度(200℃〜350℃)と反応時間(3分間〜30分間)とにおいて、バッチ式の処理容器3を用いて行った。ポリ(L−乳酸)から得られる乳酸の収率と光学活性とは、反応温度と反応時間という二つの重要な因子によって決まる。ここで、その因子の寄与度合いについて述べる。
【0022】
乳酸生成に対する反応温度の影響を見るために、10分間の反応時間において、いくつかの温度(200℃、240℃、250℃、260℃、300℃、及び350℃)におけるTOC発生量を確認したものを図2に示した。この図から明らかなように、得られる乳酸量は、200℃から250℃までの反応温度域では、温度が上昇するに従って増加するものの、350℃では減少した。200℃〜230℃の低温領域、または5分間〜10分間の短時間領域では、ポリ(L−乳酸)の分子量の減少は確認されるものの、モノマーである乳酸の生成は十分ではなかったことから、熱エネルギーが不十分であることがわかった。揮発性炭素(例えば、一酸化炭素や二酸化炭素)と水とに完全に分解する前の中間生成物である酢酸と蟻酸は、この条件下では観察されなかったことから、揮発性炭素を生成することなくモノマーへの分解が行われるものと思われた。240℃〜250℃の温度領域では、コハク酸が検出される一方、より高温領域ではプロピオン酸と酢酸が検出された。
【0023】
図3には、乳酸と低分子量有機酸(すなわち、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、蟻酸、酢酸、及びプロピオン酸)の生成に対して、反応時間が与える影響を確認するために、250℃において、反応時間を3分間、5分間、8分間、10分間、15分間、20分間、及び30分間と変化させたときの実験結果を示した。生成物は、少量の副生成物を除くと、ほとんどが乳酸であった。8分間〜30分間の反応時間の結果を見ると、乳酸の生成には大きな影響が認められないことから、この温度においては、モノマーからの分解は比較的ゆっくりと起こるものと思われた。乳酸とは別の低分子量有機酸の生成は、時間の経過と共に増加した。
また、図4には、反応時間を10分間として、200℃〜350℃の反応温度でポリ(L−乳酸)を熱処理したときの全有機酸量を示した。また、図5には、反応温度を250℃として、3分間〜30分間の反応時間でポリ(L−乳酸)を熱処理したときの全有機酸量を示した。図2〜図5から、反応時間及び反応温度は共に、L−乳酸の収率に影響を与えることが確認された。
【0024】
モノマーへの分解反応は、反応条件に大きく影響される。表1〜表6、及び図6〜図16には、240℃〜350℃の反応温度、及び5分間〜30分間の反応時間でポリ(L−乳酸)のモノマーへの分解反応に与える影響を確認した結果を示した。
【0025】
【表1】
Figure 0004177992
【0026】
【表2】
Figure 0004177992
【0027】
【表3】
Figure 0004177992
【0028】
【表4】
Figure 0004177992
【0029】
【表5】
Figure 0004177992
【0030】
【表6】
Figure 0004177992
【0031】
250℃、20分間の反応条件において、ポリ(L−乳酸)からモノマーである乳酸への転換反応が93%と最高値を示した。この条件下においては、水のイオン積が、乳酸を生成するために良好な状態にあるものと考えられる。水のイオン積は、250℃、4MPaの条件において、最大値(約10-11(mol/L)2)となる。高濃度の水分子の解離イオン、低誘電率によって、ポリ(L−乳酸)からモノマーへの分解反応が促進されるのかも知れない。また、30分間の反応時間では、乳酸の収率は88%に減少した。
350℃の高温では、ポリ(L−乳酸)の分解反応は急速となり、少量のプロピオン酸と酢酸とが検出された。この結果から、酢酸が更に分解すると、一酸化炭素及び最終的には二酸化炭素が生成されるものと考えられた。
【0032】
ポリ(L−乳酸)の分解反応について更に情報を得るために、水とポリ(L−乳酸)との質量比を10:1に変えて、同様の実験を行った。10分間の反応時間では、乳酸の収率は、水とポリ(L−乳酸)との質量比が20:1の場合と比べると、より低い値になることが判明した。また、10:1の質量比では、少量の未反応ポリ(L−乳酸)が確認された。おそらくこの条件下では、水分量が不十分なために、ポリ(L−乳酸)の加水分解が充分に進行しなかったためであろう。
【0033】
ポリ(L−乳酸)を分解して乳酸を得るための収率を上昇させるには、今回の結果に基づいて、適当に条件を定めることができる。反応時間、反応温度、及び圧力は、ポリ(L−乳酸)を分解するための重要なパラメータである。更に適当な触媒を添加することによって、乳酸の収率を上昇させることができるだろう。また、回転可能なバッチ式反応槽を用いることによって、大量の乳酸を処理できるだろう。
【0034】
また、処理容器の材質が、ポリ(L−乳酸)の分解反応に与える影響を確認するために、ステンレス(SUS316)、ハステロイ(Hastelloy C-22)、及びインコネル(Inconel 625)から製造された処理容器を用いて試験したときの結果を図17に示した。なお、いずれの試験も250℃、15分間の条件で、ポリ(L−乳酸)を処理したときの、乳酸の収率を示したものである。この試験によれば、いずれの材質でも、乳酸の収率は90%以上と良好であった。また、僅かながら、ステンレス(SUS316)、インコネル(Inconel 625)、ハステロイ(Hastelloy C-22)の順に、乳酸の収率が減少する傾向が見られた。
【0035】
2.乳酸の光学活性に与える影響
現状では、D型乳酸やラセミ型乳酸に比べると、L型乳酸が工業的に重要であることから、ポリ(L−乳酸)を高温で分解したときに得られる乳酸の光学活性を調べた。発明者らの検討によれば、240℃〜250℃の低温領域では、ほとんどがL型乳酸として回収された。また、それ以上の高温領域では、温度上昇に従って、D型乳酸の割合が上昇した(表1〜表6、及び図6〜図16を参照。)。これらの結果より、反応温度(つまり、熱エネルギー)が回収される乳酸の光学活性に影響を与えていることが判明した。また、反応時間が乳酸の光学活性に与える影響を見ると、30分間の反応時間において、少量のD型乳酸が生成されることがわかった。おそらく、このような条件の下では、L型乳酸のうちの少量が、D型乳酸に変化するのだろう。上記の結果から、反応時間は、回収される乳酸の光学活性転移については、反応温度に比べると、大きな影響を与えないことが明らかとなった。
【0036】
3.炭素収支
ポリ(L−乳酸)の分解過程は、全有機酸によっても制御される。全有機酸量は、反応温度および反応時間が上昇するにつれて、増大するものと考えられる。10分間の反応時間では、図4に示すように、全有機酸量は240℃〜260℃の範囲で最大値に達した。一方、350℃の高温では、全有機酸量は有意に減少した。この知見から、高温では、揮発性炭素と水が発生するものと考えられる。また、図5より、反応時間と反応温度との両者が、全有機酸量に影響を与えることが分かる。250℃の反応温度では、反応開始から15分間の反応時間までは、全有機酸量は増加し、そこから僅かに減少した。このことから、ポリ(L−乳酸)の分解反応に与える影響は、反応時間よりも反応温度の方が大きいことが分かる。
【0037】
<結論>
ポリ(L−乳酸)の分解反応は、加圧されたバッチ式反応工程において、臨界点未満の状態で進行することが分かった。また、分解反応は、反応温度、反応時間、およびポリ(L−乳酸)と水との質量比によって、大きな影響を受けることが解明された。分解反応後に回収される物質の大部分は、乳酸であることも解明された。今回の実験結果から、光学純度の高いポリ(L−乳酸)を分解して、光学活性を変えることなくL−乳酸を得るには、比較的低温領域(特に、240℃〜260℃)の反応温度を用いることが好ましいことが分かった。一方、ポリ(L−乳酸)を分解して、乳酸とは別の低分子量炭素化合物を得るには、より高温領域(例えば、300℃〜350℃)の反応温度を用いることが好ましい。最も推奨される反応条件は、反応温度が250℃、及び反応時間が10分間であり、このとき90%を越える程度の乳酸の収率が得られる。
【0038】
発明者らの知見によれば、熱分解過程によって、光学純度の高いポリ(L−乳酸)から得られる乳酸の光学純度が影響を受けることが分かった。また、比較的低温領域の反応温度では、光学活性を変えることなくほとんどをL型乳酸として回収できる。
このように本明細書中に開示した発明によれば、比較的低温領域で短時間に光学純度の高いポリ(L−乳酸)を分解して、光学活性を変化させることなくモノマーとしてのL型乳酸を高度な収率で得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の処理装置の概要を示す図である。
【図2】 10分間の反応時間において、反応温度を変えたときに確認される生成物の量を示したグラフである。
【図3】 250℃の反応温度において、反応時間を変えたときに確認される生成物の量を示したグラフである。
【図4】 反応時間を10分間とし、反応温度が全有機酸量に与える影響を確認したときの結果を示すグラフである。
【図5】 反応温度を250℃とし、反応時間が全有機酸量に与える影響を確認したときの結果を示すグラフである。
【図6】 反応温度が240℃において、反応時間(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図7】 反応温度が250℃において、反応時間(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図8】 反応温度が260℃において、反応時間(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図9】 反応温度が300℃において、反応時間(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図10】 反応温度が350℃において、反応時間(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図11】 反応時間が5分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図12】 反応時間が8分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図13】 反応時間が10分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図14】 反応時間が15分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図15】 反応時間が20分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図16】 反応時間が30分間において、反応温度(横軸)と得られる乳酸の収率及びL/D比(縦軸)との関係を示すグラフである。
【図17】 処理容器の材質を変えたときの乳酸の収率を示すグラフである(反応温度250℃、反応時間15分間)。
【符号の説明】
1…処理装置
2…溶融塩槽
3…処理容器

Claims (7)

  1. 生分解性ポリヒドロキシカルボン酸を液体状態の水の共存下において、200℃〜350℃の高温下で、5分間〜60分間処理することを特徴とする生分解性ポリヒドロキシカルボン酸のモノマー化方法。
  2. 生分解性ポリヒドロキシカルボン酸を液体状態の水の共存下において、200℃〜300℃の高温下で、5分間〜30分間処理し、前記生分解性ポリヒドロキシカルボン酸を構成するモノマーの光学活性を維持した状態で分解することを特徴とすることを特徴とする生分解性ポリヒドロキシカルボン酸のモノマー化方法。
  3. 前記生分解性ポリヒドロキシカルボン酸が、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項1又は請求項のいずれかに記載の生分解性ポリヒドロキシカルボン酸のモノマー化方法。
  4. 処理容器を有する生分解性ポリヒドロキシカルボン酸の処理装置であって、生分解性ポリヒドロキシカルボン酸を液体状態の水の共存下処理容器内部に含んだ状態で200℃〜350℃とする処理容器を設け、処理容器がステンレス、ハステロイまたはインコネルから製造されたことを特徴とする生分解性ポリヒドロキシカルボン酸の処理装置。
  5. 前記処理容器は、前記生分解性ポリヒドロキシカルボン酸と液体状態の水を混合した状態で1気圧よりも大きい圧力とすることが可能な連続式のものであることを特徴とする請求項に記載の生分解性ポリヒドロキシカルボン酸の処理装置。
  6. 前記処理容器は、前記生分解性ポリヒドロキシカルボン酸と液体状態の水を混合した状態で1気圧よりも大きい圧力とすることが可能なバッチ式のものであることを特徴とする請求項に記載の生分解性ポリヒドロキシカルボン酸の処理装置。
  7. 前記生分解性ポリヒドロキシカルボン酸が、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の生分解性ポリヒドロキシカルボン酸の処理装置。
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