JP4177913B2 - ラフィングジブ付き移動式クレーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、支えワイヤを使用したラフィングジブを装着した移動式クレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は移動式クレーンがラフィングジブを装着した作業状態を示したものである。1は移動式クレーンの車両部であって、2は車両部1に旋回自在に搭載された旋回台である。3は旋回台2に起伏シリンダ10により起伏自在に軸支された伸縮自在な伸縮ブームである。4は伸縮ブーム3の先端部に取り付けられたジブサポートであって、ジブサポート4の先端部には複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ5が起伏自在に軸支されている。6はバックテンション装置であって、複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッド7、第1マスト8、第2マスト9、連結リンク11、バックストッパシリンダ12、連結ロッド17、ワイヤ15、ウインチ13、空中シーブ14、固定シーブ16が連結されて構成されている。
【0003】
空中シーブ14、固定シーブ16は複数のシーブから構成されており、前記ウインチ13からのワイヤ15が空中シーブ14に巻き掛けられたのち、前記固定シーブ16との間に繰り返し巻き掛けられたのち、ワイヤ15の端部は固定シーブ16のブラケットに連結されている。
バックテンション装置6は、上記構成によりラフィングジブ5の自重および吊荷の荷重により発生するバックテンションを受け持つとともに、ウインチ13からワイヤ15を巻き取り、繰り出しすることによりラフィングジブ5の伸縮ブーム3に対する相対角度を変えることにより、作業半径、揚程を必要な状態にするのである。
【0004】
複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッド7の先端分割ロッド7aは前記複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ5の先端分割ジブ5aと連結されている。また、テンションロッド7の後端分割ロッド7bは前記第1マスト8の先端部に連結されている。
【0005】
以上がラフィングジブ5とバックテンション装置6の基本的な構成であるが、さらに、前記ラフィングジブ5とテンションロッド7とを連結する支えワイヤ20が使用される場合がある。図5に示すような長尺のラフィングジブの場合、その自重によるラフィングジブ5のたわみが大きくなり、吊り上げ荷重の低下を招いてしまうのを防止するため、前記ラフィングジブ5の長手方向中間部上面と前記テンションロッド7の長手方向中間部の分割ロッド連結部をワイヤにより連結するものである。
【0006】
図6は支えワイヤ20の周辺部Aの詳細図である。5c、5dは分割ジブであって、ピン27によって連結されている。7c、7dは分割ロッドであって、ピン25によって連結されている。支えワイヤ20の分割ジブ側端末22は分割ジブ5cの分割ジブ5dとの連結部近傍上面で、ピン26により連結されている。支えワイヤ20の分割ロッド側端末21は、分割ロッド7c、7dの連結ピン25により連結されている。
【0007】
分割ロッド7c、7dは連結ピン25の部分でやや下方に折れ曲がった状態で張力を支持している。そのため上向きの分力が発生し、支えワイヤ20を上方に向け引っ張っており、支えワイヤ20により上方に引っ張られたラフィングジブ5は自重による大きなたわみを発生することなくその姿勢を維持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方式の場合にはテンションロッドと比較して小さな張力しか受けない支えワイヤをテンションロッドと同じピンで連結するため、支えワイヤの端末をテンションロッド用のピンと同じ大きなボス径にしなければならないという問題があった。そのため、不必要な大きなボス径の端末を持つ支えワイヤはコスト面から割高なものとなっていた。また、ラフィングジブ組立時において、支えワイヤの端末と2本の分割ロッドの連結部を同時にピン連結する必要があるため、その作業性が悪いものとなっていた。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、支えワイヤのテンションロッド側連結構造を改善することにより、組立作業性およびコストに優れたラフィングジブ付移動式クレーンを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項の発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
すなわち、請求項1の発明のラフィングジブ付き移動式クレーンでは、伸縮ブームの先端部にジブサポートを取付け、複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ基端部を該ジブサポートに枢着し、該ラフィングジブ先端部付近と該ラフィングジブ基端部付近又はジブサポートに立設させたマストの先端部とを、複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッドにより前記ラフィングジブを支持するようにし、かつ、前記ラフィングジブ長手方向中間部上面と、前記テンションロッドの長手方向中間部の分割ロッド連結部とを、支えワイヤで連結してなるラフィングジブ付き移動式クレーンにおいて、前記支えワイヤは、前記テンションロッドの分割ロッド連結ピン穴に同軸上に回転自在に構成されたレバーに連結されものであり、当該レバーはその内径が分割ロッド連結ピンの外径となっている中空ピンによって分割ロッド連結部に回転自在に転結され、前記レバーの端部には前記支えワイヤとの連結ピン穴が設けられている構成としている。
【0012】
また、請求項2の発明のラフィングジブ付き移動式クレーンでは、伸縮ブームの先端部にジブサポートを取付け、複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ基端部を該ジブサポートに枢着し、該ラフィングジブ先端部付近と該ラフィングジブ基端部付近又はジブサポートに立設させたマストの先端部とを、複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッドにより前記ラフィングジブを支持するようにし、かつ、前記ラフィングジブ長手方向中間部上面と、前記テンションロッドの長手方向中間部の分割ロッド連結部とを、支えワイヤで連結してなるラフィングジブ付き移動式クレーンにおいて、前記支えワイヤは、前記テンションロッドの分割ロッド間に介装されたサポートに連結されものであり、当該サポートの一端は分割ロッドの先端部に連結ピンによって回転自在に連結され、前記サポートの他端には連結される分割ロッドとの連結用の連結ピン穴が設けられ、さらに前記サポートの下部には前記支えワイヤとの連結ピン穴を有する連結用突起が設けられている構成としている。以上のような構成を採用することにより、上記課題を解決することができるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するにあたって、従来の技術で図5に図示し説明したラフィングジブ付き移動式クレーンを例に以下に説明する。従って本発明と従来のものと共通する部分については、同符号を用い詳細な説明を略して、以下の本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に、本発明の実施の形態に係るラフィングジブ付き移動式クレーンの支えワイヤの連結部詳細図を示す。30は支えワイヤであって、両端に同一の端末31を有しており、その端末のサイズはワイヤのサイズに適したものとなっている。分割ジブ5c、5dの連結及び分割ジブ5cと支えワイヤ30との連結は従来の技術で説明したのと同様である。
【0015】
41は分割ロッド7cの連結部40の連結ピン穴に同軸上に回転自在に構成されたレバーである。レバー41の端部にはピン穴が設けられており、前記支えワイヤ30の端末31がピン26によって、連結されている。分割ロッド7cと7dはピン25により連結されている。
【0016】
このように、支えワイヤ30の分割ロッドへの連結が分割ロッド同志の連結と無関係に行われているので、その組立作業性の向上が図られている。また、支えワイヤ両端の端末がワイヤサイズに適したものとできるので、従来の特殊なサイズの端末を使ったものに比べコストを低くすることができるのである。
【0017】
図2は上記分割ロッド7cおよび分割ジブ5cの搬送時の状態の要部を示すものである。他の分割ジブとのピン連結を解除された分割ジブ5cの上部には図示しないサポートが設けられており、他の分割ロッドとのピン連結を解除された分割ロッド7cが当該サポートの上に乗せられている。支えワイヤ30は分割ジブ5cおよび分割ロッド7cに連結されたままである。レバー41は分割ロッド連結ピン穴42を中心に回転して連結部40内部にほとんど隠れている。このような搬送姿勢となるので、いちいち支えワイヤ30を取外すわずらわしさがなくなるのである。
また、ワイヤの端末金具が分割ジブに引っ掛かること無く長手方向に移動できるとともに、分割ロッドをできるだけ分割ジブ上面に近づけて置くことができるのである。
【0018】
図3は分割ロッド7cの端部詳細図である。正面図(イ)のB断面図(ロ)に示されるように、レバー41はその内径が連結ピン25の外径となっている中空ピン44、44によって、連結部40に回転自在に連結されている。レバー41の端部には支えワイヤとの連結ピン穴43が設けられている。このような構成により、上記作用を得ることができるのである。
上記実施の形態は、本願請求項1の発明に対応するものである。
【0019】
図4は他の実施の形態の分割ロッド7eおよび分割ジブ5cの搬送時の状態の要部を示すものである。分割ロッド7eの先端部にはサポート50が連結ピン25によって回転自在に連結されている。サポート50には分割ロッド7dとの連結用の連結ピン穴52が設けられている。さらにサポート50の下部には支えワイヤ30の端末31との連結用に連結用突起51が設けられ、連結用突起の穴および端末31に連結ピン26を通すことにより、支えワイヤ30を連結している。このような構成によっても、組立作業性を向上させることができるとともに、搬送時において、いちいち支えワイヤ40を取外すわずらわしさがなくなるのである。
上記実施の形態は、本願請求項2の発明に対応するものである。
【0020】
【発明の効果】
以上の如く構成し作用するものであるから、本願発明のラフィングジブ付き移動式クレーンにおいては、ラフィングジブ組立時において、支えワイヤの端末と2本の分割ジブの連結部を別々にピン連結できるので、その作業性が良いものとなるのである。
また、支えワイヤ両端の端末がワイヤサイズに適したものとできるので、従来の特殊なサイズの端末を使ったものに比べコストを低くすることができるのである。
さらには、搬送時において、いちいち支えワイヤを取外すわずらわしさがなくなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1の発明に係る支えワイヤの連結部詳細図である。
【図2】本願の請求項1の発明に係る分割ロッドおよび分割ジブの搬送時の状態の要部を示す図である。
【図3】本願の請求項1の発明に係る分割ロッドの端部詳細図である。
【図4】本願の請求項2の発明に係る分割ロッドおよび分割ジブの搬送時の状態の要部を示す図である。
【図5】移動式クレーンが支えワイヤを有するラフィングジブを装着した作業状態を示した図である。
【図6】従来の支えワイヤ周辺部の詳細図である。
【符号の説明】
3 伸縮ブーム
4 ジブサポート
5 ラフィングジブ
5c、5d 分割ジブ
6 バックテンション装置
7 テンションロッド
7c、7d、7e 分割ロッド
8 第1マスト
9 第2マスト
20、30 支えワイヤ
21、22、31 端末
25、26、27 連結ピン
40 連結部
41 レバー
42、43、52 連結ピン穴
44 中空ピン
50 サポート
51 連結用突起
Claims (2)
- 伸縮ブームの先端部にジブサポートを取付け、複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ基端部を該ジブサポートに枢着し、該ラフィングジブ先端部付近と該ラフィングジブ基端部付近又はジブサポートに立設させたマストの先端部とを、複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッドにより前記ラフィングジブを支持するようにし、かつ、前記ラフィングジブ長手方向中間部上面と、前記テンションロッドの長手方向中間部の分割ロッド連結部とを、支えワイヤで連結してなるラフィングジブ付き移動式クレーンにおいて、
前記支えワイヤは、前記テンションロッドの分割ロッド連結ピン穴に同軸上に回転自在に構成されたレバーに連結されるものであり、当該レバーはその内径が分割ロッド連結ピンの外径となっている中空ピンによって分割ロッド連結部に回転自在に転結され、前記レバーの端部には前記支えワイヤとの連結ピン穴が設けられていることを特徴とするラフィングジブ付き移動式クレーン。 - 伸縮ブームの先端部にジブサポートを取付け、複数の分割ジブを連結してなるラフィングジブ基端部を該ジブサポートに枢着し、該ラフィングジブ先端部付近と該ラフィングジブ基端部付近又はジブサポートに立設させたマストの先端部とを、複数の分割ロッドを連結してなるテンションロッドにより前記ラフィングジブを支持するようにし、かつ、前記ラフィングジブ長手方向中間部上面と、前記テンションロッドの長手方向中間部の分割ロッド連結部とを、支えワイヤで連結してなるラフィングジブ付き移動式クレーンにおいて、
前記支えワイヤは、前記テンションロッドの分割ロッド間に介装されたサポートに連結されるものであり、当該サポートの一端は分割ロッドの先端部に連結ピンによって回転自在に連結され、前記サポートの他端には連結される分割ロッドとの連結用の連結ピン穴が設けられ、さらに前記サポートの下部には前記支えワイヤとの連結ピン穴を有する連結用突起が設けられていることを特徴とするラフィングジブ付き移動式クレーン。
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JP05881998A JP4177913B2 (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | ラフィングジブ付き移動式クレーン |
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JPH11236188A JPH11236188A (ja) | 1999-08-31 |
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JP05881998A Expired - Lifetime JP4177913B2 (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | ラフィングジブ付き移動式クレーン |
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Also Published As
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