JP4177841B2 - N−置換−n’−置換−ウレア誘導体及び該誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents

N−置換−n’−置換−ウレア誘導体及び該誘導体を含有する医薬組成物 Download PDF

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本発明は、新規なN−置換−N’−置換−ウレア誘導体、該化合物を含有する医薬組成物、TNF−α産生阻害剤及び自己免疫性疾患治療剤に関するものである。
TNF−α(Tumor Necrosis Factor- α:腫瘍壊死因子)は、現在、生体防御・免疫機構に広く係わるサイトカインとして認識されているが、TNF−αの持続的かつ過剰の産生は組織障害を起こしたりして、さまざまな病気の原因や増悪をもたらす要因となっている。例えば、TNF−αが関係する病態例として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、悪液質、急性感染症、アレルギー、発熱、貧血、糖尿病などがあげられている(非特許文献1)。又、TNF−αが自己免疫性疾患である慢性リウマチ及びクローン病の発症に重要な役割を果していることが報告されている(非特許文献2)。
従って、TNF−αの産生を阻害又はその作用を抑制できる化合物は、上記疾患の治療に有用であろうと期待され、種々の研究が行われてきている(非特許文献1及び2)。
一方、下記一般式Iにおいて、R1 とR3 とR4 とが同時に水素原子で、R6 とR7 がともにメチル基である化合物が、増感色素の1つ(II−40)として特許文献1に記載されている。又、下記一般式Iにおいて、R1 がアリール基又はフラニルメチル基、R3 がイソプロピル基で、R6 とR7 がともにメチル基である化合物が不整脈治療剤としての効果を有する化合物の例(実施例1、2、34、37、52及び58)として、特許文献2に記載されている。
山崎、臨床免疫、27、1270、1995 Andreas Eigler et al., Immunology Today, 18、487、1997 特開平1−224758号公報 特開昭57−209267号公報
本発明は、TNF−α産生阻害活性を有する新規化合物を提供することを目的とする。
本発明は、該化合物を製造するのに有用な中間体を提供することを目的とする。
本発明は、又、該化合物を含有する医薬組成物、TNF−α産生阻害剤及び自己免疫性疾患治療剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、従来ほとんど薬物としての研究がなされていないウレア構造を基本構造とする化合物の合成研究を鋭意行い、数多くの新規化合物を創製し、このうち下記一般式Iで表されるN−置換−N’−置換−ウレア誘導体が、優れたTNF−α産生阻害活性を有するとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、下記一般式Iで表されるN−置換−N’−置換−ウレア誘導体及びその医薬上許容される塩を提供する。




Figure 0004177841
(式中、
1 は、水素原子、低級アルキル基、アリール基、又は式IIで表される基を表し、
Figure 0004177841
2 は、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基又はエステル基を表し、又R1 と一緒になって環を形成してもよく、
3 とR4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、
5 は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基又はアリール基を表し、
6 とR7 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、
1 とA2 は、同一でも異なっていてもよく、低級アルキレン基を表すが、
但し、R6 とR7 がともにメチル基である場合には、R1 とR3 とR4 とが同時に水素原子となることはなく、又はR3 がイソプロピル基で、R6 とR7 がともにメチル基である場合、R1 はアリール基及びフラニルメチル基ではない。) 本発明は、又、下記一般式III表されるN−置換−N’−置換−ウレア誘導体及びその塩を提供する。




Figure 0004177841
本発明は、又、上記N−置換−N’−置換−ウレア誘導体又はその医薬上許容される塩を含有する医薬組成物、TNF−α産生阻害剤及び自己免疫性疾患治療剤を提供する。
本明細書において、低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、イソヘキシルなどの炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基があげられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜10のシクロアルキル基があげられ、好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基、特に好ましくはシクロヘキシル基である。低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルコキシ基があげられ、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、特に好ましくは1〜3のアルコキシ基である。
これらの低級アルキル基、シクロアルキル基及び低級アルコキシ基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子、臭素原子など)、ヒドロキシル基などで置換されていてもよい。又、シクロアルキル基は、低級アルキル基や低級アルコキシ基で置換されていてもよい。
低級アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、メチルメチレン、テトラメチレン、2−メチルトリメチレン、ヘキサメチレンなどの炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基があげられ、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基、特に好ましくは炭素数2又は3のアルキレン基である。
又、アリール基として、置換又は未置換の炭素数6〜12のフェニル基、ナフチル基及び芳香族複素環基があげられ、好ましくは置換又は未置換のフェニル基、特に好ましくは未置換のフェニル基及びビフェニリル基である。ここで、置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子、臭素原子など)、ヒドロキシル基、アミノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シクロアルキル基、フェニル基などがあげられる。
シクロアルキルアルキル基及びアリールアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、特に好ましくはエチル基に、上記シクロアルキル基又はアリール基が結合したものがあげられる。
エステル基としては、低級アルキルエステル、ベンジルエステル、フェニルエステルなどがあげられる。
2 とR1 が一緒になって形成する環としては、R1 が結合するイオウ原子を環内に取り込んでなる5又は6員の非芳香族複素環、例えば、テトラヒドロチオフェン、チオラクトン及びジチオランなどがあげられる。
本発明の一般式Iで表される化合物がチオール基、ヒドロキシル基やアミノ基を有する場合には、これらの基は、汎用の保護基によって保護されていてもよい。
チオール基の保護基としては、アシル基、置換チオ基等のチオール基の保護基として汎用されるものがあげられる。具体的には、低級アルカノイル基、フェニルカルボニル基、テノイル基、ニコチノイル基、低級アルコキシカルボニル基、置換低級アルコキシカルボニル基、置換カルバモイル基等のアシル基;低級アルキルチオ基、フェニルチオ基等の置換チオ基が挙げられる。なお、上記フェニルカルボニル基およびフェニルチオ基のフェニル環はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されていてもよい。
これらのうち、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テノイル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアシル基;エチルチオ基、t−ブチルチオ基、フェニルチオ基等の置換チオ基が好ましく、より好ましくは低級アルキルカルボニル基(特に炭素数2〜5)である。
ヒドロキシル基の保護基としては、アシル基、置換低級アルキル基、置換シリル基等のヒドロキシル基の保護基として汎用されるものがあげられる。具体的には、ホルミル基、低級アルカノイル基、ハロゲノ低級アルカノイル基、フェニルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、フェニル低級アルコキシカルボニル基等のアシル基;アリル基、低級アルコキシ低級アルキル基、置換低級アルコキシ低級アルキル基、フェニル低級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の置換低級アルキル基;低級アルキルシリル基、フェニルシリル基等の置換シリル基が挙げられる。なお、上記フェニルカルボニル基、フェニル低級アルコキシカルボニル基、フェニル低級アルキル基およびフェニルシリル基のフェニル環はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されていてもよい。
これらのうち、保護基として、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、モノクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアシル基;アリル基、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トリチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基等の置換アルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基が好ましく、より好ましくは、トリ低級アルキルシリル基である。
アミノ基の保護基としては、アシル基、置換低級アルキル基、置換スルホニル基等のアミノ基の保護基として汎用されるものがあげられる。具体的には、ホルミル基、低級アルカノイル基、ハロゲノ低級アルカノイル基、フェニルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、置換低級アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアシル基;アリル基、フェニル低級アルキル基、ベンゾイル低級アルキル基等の置換低級アルキル基;低級アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基等の置換スルホニル基が挙げられる。なお、上記フェニルカルボニル基、フェノキシカルボニル基、フェニル低級アルキル基、ベンゾイル低級アルキル基およびフェニルスルホニル基のフェニル環はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されていてもよい。
これらのうち、保護基として、ホルミル基、アセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアシル基;アリル基、ベンジル基、トリチル基、(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル基等の置換アルキル基;ベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等の置換スルホニル基が好ましく、より好ましくは、低級アルコキシカルボニル基である。
本発明の一般式Iにおいて、R1 としては、水素原子、低級アルキル基、又は式IIで表される基であるのが好ましく、又R1 が水素原子の場合、チオール保護基によって保護されているものも好ましい。さらに、R1 としては、水素原子又は式IIで表される基であるのが好ましく、又、R1 が水素原子の場合、必ずチオール保護基によって保護されているのが好ましい。又、R1 が低級アルキル基の場合、無置換のものが好ましい。
2 としては、水素原子又はアリール基であるのが好ましい。R2 がアリール基である場合、A1 のS原子に結合している炭素原子を1番目の炭素原子と数えて、2番又は3番目の炭素原子に結合しているのが好ましく、2番目の炭素原子に結合しているのがより好ましい。
3 とR4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキルアルキル基又はアリールアルキル基であるのが好ましい。さらに、R3 が水素原子、シクロアルキルアルキル基又はアリールアルキル基であるのが好ましく、R4 は、水素原子、低級アルキル基又はアリールアルキル基であるのが好ましい。
上記R3 とR4 は、特に両者が異なったものを表すのが好ましく、なかでも一方が水素原子を表すのが好ましい。又、R3 とR4 における低級アルキル基としては、炭素数4〜8の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、特に炭素数4〜6のアルキル基が好ましく、さらにイソペンチル基が好ましい。
5 は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基又はアリール基を表すのが好ましく、より好ましくは水素原子、低級アルキル基又はアリール基である。
5 がヒドロキシル基を表す場合、ヒドロキシ保護基によって保護されてもよい。R5 が水素原子以外の置換基である場合、R5 は、尿素を構成するN原子に結合しているA2 の炭素原子を1番目の炭素原子と数えて、1番、2番又は3番目の炭素原子に結合しているのが好ましく、1番又は2番目の炭素原子に結合しているのがより好ましい。
6 とR7 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を表すのが好ましく、より好ましくはR6 が水素原子又は低級アルキル基で、R7 が水素原子、低級アルキル基又はアリール基である。又、R6 及び/又はR7 が水素原子の場合、アミノ保護基により保護されていてもよい。
1 とA2 は、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4の低級アルキレン基を表すのが好ましく、特にA1 は炭素数2又は3の低級アルキレン基を表すのがより好ましい。
さらに、一般式Iにおいて、R6 とR7 がともにアルキル基である場合には、R1 とR3 とR4 とが同時に水素原子とならないのが好ましい。又R3 とR6 とR7 がともにアルキル基である場合、R1 はアリール基や置換低級アルキル基ではないのが好ましい。
本発明の一般式Iにおいて、又、次のものが好ましい。
(i) 一般式I中、R1 が、水素原子、低級アルキル基、又は式IIで表される基、 R2 が、水素原子又はアリール基、
3 とR4 が、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキルアルキル基又はアリールアルキル基、
5 が、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基又はアリール基、
6 とR7 が、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基又はアリール基、
1 とA2 が、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を表す場合。
(ii)一般式Iにおいて、又は上記(i) において、さらにR6 が、水素原子又は低級アルキル基、
7 が、水素原子、低級アルキル基又はアリール基、
1 が炭素数2又は3のアルキレン基、
2 が炭素数2〜4のアルキレン基を表す場合。
(iii) 上記(i) 又は(ii)において、R3 が、水素原子、シクロアルキルアルキル基又はアリールアルキル基、
4 が、水素原子、低級アルキル基又はアリールアルキル基であり、R3 かR4 のいずれか一方が水素原子である場合。
(iv)上記(i) 〜(iii) において、R5 が、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を表す場合。
(v) 上記(i) 〜(iv)において、チオール基が低級アルキルカルボニル基により、ヒドロキシル基がトリ低級アルキルシリル基により、アミノ基が低級アルコキシカルボニル基により保護されている場合。
上記化合物として、具体的には、1−〔2−(アセチルチオ)エチル〕−3−〔(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル〕−1−フェネチルウレア、1−〔(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル〕−3−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−3−イソペンチルウレア、1−〔(1S)−2−(アセチルチオ)−1−〔(4−ビフェニリル)メチル〕エチル〕−3−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−3−イソペンチルウレア、ビス〔(2S)−2−〔3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド〕−3−フェニルプロパン〕ジスルフィド、ビス〔(2S)−2−〔3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド〕−3−(4−ビフェニリル)プロパン〕ジスルフィドよりなる群から選ばれる化合物及びその医薬上許容される塩が好ましい。
本発明における塩類とは医薬として許容される塩であれば特に制限はなく、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸との塩、また、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩などが挙げられる。また、本発明化合物に幾何異性体または光学異性体が存在する場合には、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。尚、本発明化合物は水和物の形態をとっていてもよい。
本発明の一般式Iで表される化合物は、例えば、以下の代表的な方法により又はこの方法に準じて合成することができる。














Figure 0004177841
上記方法には、次の2通りの合成方法が含まれている。
合成方法A:式〔IV〕の化合物→式〔III〕の化合物→一般式Iで表される化合物
合成方法B:式〔IV〕の化合物→一般式Iで表される化合物
これらの合成方法を次に具体的に説明する。
合成方法A
Figure 0004177841
式〔IV〕の化合物をアミノアルコール誘導体〔VI〕と縮合剤(例えば、1,1'−カルボニルジイミダゾール〔VII〕)の存在下で反応させて、式〔III〕の化合物を得、次いで、得られた式〔III〕の化合物をチオール誘導体〔VIII〕とMitsunobu 反応を用いて縮合させて本発明の一般式Iで表される化合物を得る。
合成方法B
Figure 0004177841
式〔IV〕の化合物を式〔IX〕の化合物と縮合剤(例えば、1,1'−カルボニルジイミダゾール〔VII〕)の存在下で反応させて、直接本発明の一般式Iで表される化合物を得る。ここで、式〔IV〕の化合物と式〔IX〕の化合物は、特願平10−79154号明細書に記載の方法により容易に合成することができる。
上記式〔III〕の化合物は、新規化合物であり、本発明の一般式Iで表される化合物の有用な製造中間体である。式中、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、A1 とA2 は、一般式Iにおけると同じ意味を有し、又、好ましいものなども一般式Iにおけると同様である。
上記合成方法において、反応物質が分子内にチオール基、ヒドロキシル基またはアミノ基を有する場合、それらの基は必要に応じて適当な保護基で保護していてもよく、またそれらの保護基は反応後常法により除去することもできる。また、反応物質が分子内にカルボキシル基を有する場合、カルボキシル基は必要に応じてエステル化してもよく、またエステルは加水分解によりカルボン酸にすることもできる。
本発明化合物において、R2 がA1 に隣接する硫黄原子と連結してチオラクトン環を形成する場合は、上記経路以外に次の様な方法によって合成することもできる。即ちチオラクトン環は、式[I]において、R2 がカルボキシル基を、R1 が水素原子を示す場合に、それらの基を縮合させ合成することもできる。
上記の方法によって得られた化合物は、常法により前述の様な塩類とすることができる。
本発明化合物のTNF−α産生阻害作用を後述の薬理試験の項で示すが、リポポリサッカライド(LPS)の刺激によって引き起こされたTNF−αの遊離に対する抑制効果をin vitroで検討した結果、本発明化合物は優れたTNF−α産生阻害作用を示した。
TNF−αの産生は慢性関節リウマチ、クローン病、全身エリテマトーデス等の自己免疫性疾患、悪液質、急性感染症、アレルギー、発熱、貧血、糖尿病等の発症と深く関わり合いがあることが知られているので、本発明化合物の様に、その産生を阻害する化合物はそれらの幅広い疾患の治療に有用であると期待される。
本発明化合物は経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等が挙げられ、汎用されている技術を用いて製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤であれば、乳糖、結晶セルロース、デンプン、植物油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース カルシウム、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコン樹脂等のコーティング剤、ゼラチン皮膜等の皮膜剤などを必要に応じて加えればよい。
本発明化合物の投与量は症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、経口剤であれば通常1日当り0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgを1回または数回に分けて投与すればよい。
以下に、本発明化合物の製造例、製剤例および薬理試験の結果を示すが、これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
〔製造例〕
参考例1
(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチルアミン(参考化合物1−1)
Figure 0004177841
窒素雰囲気下、氷冷しながら水素化リチウムアルミニウム(759mg)を無水エーテル(20ml)に懸濁し、(2S)−2−アミノ−N1 ,N1 −ジメチル−3−フェニルプロピオン酸アミド(1.92g)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下した。室温で1.5時間撹拌した。氷冷下、反応液に酢酸エチルを発泡しなくなるまで徐々に滴下した。次いで2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(参考化合物1−1、1.35g)を得た。
(参考化合物1−1)
[α]D20 +15.3°(c=1.0,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3289,2940,2769,1601,1495,1357,1264
参考例1と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−N−フェネチルエチルアミン 2塩酸塩(参考化合物1−2)
[α]D20 +4.0°(c=1.0,メタノール)
IR(Film,cm-1)3407,2950,2691,1456,750,701
参考例2
N−フェネチル−2−(ジメチルアミノ)エチルアミン 2塩酸塩(参考化合物2−1)
Figure 0004177841
臭化フェネチル(3.00g)のエタノール(54ml)溶液に、2−(ジメチルアミノ)エチルアミン(2.14g)およびヨウ化ナトリウム(7.29g)を加え、撹拌しながら一晩加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物をクロロホルム(5ml)に溶解し、氷冷下、4.6N塩化水素酢酸エチル溶液(8ml)を加えた。析出物を濾取し、標記化合物(参考化合物2−1、2.23g)を結晶として得た。
(参考化合物2−1)
mp 180℃
IR(KBr,cm-1)3400,2957,2710,2442,1471,762,702
参考例2と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・N−イソペンチル−2−(ジメチルアミノ)エチルアミン(参考化合物2−2)IR(Film,cm-1)3307,2954,2818,1464,753
・2−(t−ブトキシカルボキサミド)−N−イソペンチルエチルアミン(参考化合物2−3)
IR(Film,cm-1)3339,2957,1701,1522,1367,1274,1251,1174,755
実施例1
1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−ヒドロキシエチル)ウレア(化合物1−1)













Figure 0004177841
窒素雰囲気下、1,1′−カルボニルジイミダゾール(0.43g)を2−(ジメチルアミノ)エチルアミン(0.19g)の無水テトラヒドロフラン(11ml)溶液に溶解し、室温で20分間撹拌した。反応液に、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−シクロヘキシルエチルアミン塩酸塩(0.50g)を加え、3時間加熱還流した。氷冷下、反応液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物1−1、0.68g)を得た。
(化合物1−1)
IR(Film,cm-1)3354,2922,2851,1628,1538,1448,1405,1374,1268,1054
実施例1と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(2−ヒドロキシエチル)ウレア(化合物1−2)
IR(Film,cm-1)3339,2923,2851,1626,1536,1448,1406,1372,1266,1171,1053

・1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェネチルウレア(化合物1−3)
IR(Film,cm-1)3117,2939,1623,1534,1496,1454,1407,1326,1257,1063

・1−(2−シクロヘキシルエチル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−[3−[(N−メチル)フェニルアミノ]プロピル]ウレア(化合物1−4)
IR(Film,cm-1)3323,2922,2850,1621,1600,1541,1507,1448,1407,1372,1270,1229,1197,1132,1054,748

・1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3−イソペンチルウレア(化合物1−5)
IR(Film,cm-1)3353,2954,1632,1537,1467,1406,1367,1236,1056,756

・1−(2−シクロヘキシルエチル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2,2−ジメチル−3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア(化合物1−6) IR(Film,cm-1)3178,2923,2852,2777,1624,1533,1451,1257,1064,843,745
実施例2
1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物2−1)
Figure 0004177841
窒素雰囲気下、(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチルアミン塩酸塩(351mg)の無水テトラヒドロフラン(4.2ml)溶液にイミダゾール(87mg)および1,1′−カルボニルジイミダゾール(268mg)を加え、室温で15分間撹拌した。反応液に、N−フェネチル−2−(ジメチルアミノ)エチルアミン 2塩酸塩(参考化合物2−1、408mg)を加え、1時間加熱還流した。氷冷下、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物2−1、532mg)を得た。
(化合物2−1)
[α]D20 −10.7°(c=1.0,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)2944,1647,1496,1453,1253,1027,746,699

実施例2と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物2−2)
[α]D20 −8.5°(c=0.57,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3357,3222,2952,1647,1496,1454,1252,747,700

・1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチル]−3−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物2−3)
[α]D20 −40.1°(c=1.0,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3458,3026,2937,2858,1646,1496,1454,746,700

・1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物2−4)
[α]D20 −17.4°(c=0.66,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3324,2956,2868,1688,1631,1516,1366,1283,1251,1171,764,699

実施例3
1−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物3−1)
Figure 0004177841
窒素雰囲気下、1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ベンジルオキシ)エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物2−1、414mg)のエタノール(4.5ml)溶液に、20%水酸化パラジウムオンカーボン(100mg)を加えた。水素雰囲気下、3日間撹拌した。セライト濾過により水酸化パラジウムオンカーボンを除去し、濾液を減圧濃縮し、標記化合物(化合物3−1、299mg)を得た。

(化合物3−1)
[α]D20 −54.6°(c=1.0,ジメチルスルホキシド)
IR(Film,cm-1)3346,2949,1622,1538,750,702

実施例3と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物3−2)
[α]D20 −47.6°(c=0.50,ジメチルスルホキシド)
IR(Film,cm-1)3423,2957,1626,1538
・1−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル]−1−フェネチルウレア
(化合物3−3)
[α]D20 −52.1°(c=0.52,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3384,3027,2951,1631,1525,1455,751,702

・1−[(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物3−4) [α]D20 −26.8°(c=0.95,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3328,2956,1687,1627,1524,1367,1283,1251,1171,756,701

実施例4
1−[(1S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−2−(4−ビフェニリル)エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物4−1)
Figure 0004177841
窒素雰囲気下、4−ビフェニリル−L −アラニンベンジルエステル塩酸塩(270mg)の無水テトラヒドロフラン(2ml)懸濁液にイミダゾール(50mg)および1,1′−カルボニルジイミダゾール(155mg)を加え、室温で10分間撹拌した。次いでN−イソペンチル−2−(ジメチルアミノ)エチルアミン(参考化合物2−2、589mg)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液を加え、1.5時間加熱還流した。氷冷下、反応液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物4−1、402mg)を得た。

(化合物4−1)
[α]D20 −8.7°(c=0.49,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)2953,1741,1650,1519,1487,1466,1252,758,698
実施例4と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−[(1S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−2−(4−ビフェニリル)エチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物4−2)
[α]D20 −18.8°(c=0.97,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3324,2957,1740,1684,1637,1518,1454,1172,756

実施例5
1−[(1S)−1−[(4−ビフェニリル)メチル]−2−ヒドロキシエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物5−1)

Figure 0004177841
窒素雰囲気下、臭化リチウム(179mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(52mg)を無水エタノール(1ml)中で懸濁し、室温で1時間撹拌した。氷冷下、1−[(1S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−2−(4−ビフェニリル)エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物4−1、310mg)の無水エタノール(5.8ml)溶液を滴下した。室温で24時間撹拌した。氷冷下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物5−1、138mg)を得た。

(化合物5−1)
[α]D20 −37.9°(c=0.20,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3358,2953,1628,1521,1487,1467,762,698
実施例5と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−[(1S)−1−[(4−ビフェニリル)メチル]−2−ヒドロキシエチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物5−2)
[α]D20 −35.1°(c=0.48,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3329,2956,1687,1627,1520,1366,1250,1170,761

実施例6
1−[2−(アセチルチオ)エチル]−1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ウレア(化合物6−1)







Figure 0004177841
窒素雰囲気下、1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−1−(2−ヒドロキシエチル)ウレア(化合物1−1、0.57g)およびトリフェニルホスフィン(1.04g)を無水テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、塩化ナトリウム−氷冷却下で30分間撹拌した。液温を5℃以下に保ちながらアゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(0.78ml)、さらにチオ酢酸(0.30g)の無水テトラヒドロフラン(1ml)溶液を滴下した。1時間撹拌したのち、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物6−1、0.43g)を得た。

(化合物6−1)
IR(Film,cm-1)3367,2924,2852,2771,1692,1633,1533,1449,1406,1356,1294,1187,1137
実施例6と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・1−[2−(アセチルチオ)エチル]−1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア(化合物6−2)
IR(Film,cm-1)3352,2923,2851,2816,1692,1632,1534,1448,1405,1356,1294,1217,1135

・1−[2−(アセチルチオ)エチル]−3−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−フェネチルウレア(化合物6−3)
[α]D20 −26.2°(c=1.0,メタノール)
IR(Film,cm-1)3392,2940,1682,1644,1531,1497,1454,1138,750,701

・1−[2−(アセチルチオ)エチル]−1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[3−[(N−メチル)フェニルアミノ]プロピル]ウレア(化合物6−4)
IR(Film,cm-1)3348,2922,2850,1690,1630,1599,1506,1291,1217,1135
・1−[2−(アセチルチオ)エチル]−1−イソペンチル−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ウレア(化合物6−5)
IR(Film,cm-1)3367,2954,2361,1690,1632,1532,1360,1296,1235,1136,950,766

・1−[2−(アセチルチオ)エチル]−1−(2−シクロヘキシルエチル)−3−[2,2−ジメチル−3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア(化合物6−6)
IR(Film,cm-1)3305,2923,2852,2776,1693,1641,1524,1450,1355,1293,1218,1136,1040,950,844,753

・1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物6−7)
[α]D20 +15.9°(c=1.0,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3350,2943,1691,1648,1602,1253,1136,701

・1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物6−8)
[α]D20 +22.4°(c=0.44,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3351,2953,1694,1651,1524,701
・1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェネチルウレア(化合物6−9)
[α]D20 −32.0°(c=0.55,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3416,2937,1690,1644,1496,749,700

・1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物6−10)
[α]D20 +7.0°(c=0.52,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3316,2957,1690,1632,1528,1252,701

・1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−[(4−ビフェニリル)メチル]エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物6−11)
[α]D20 +15.9°(c=0.47,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)2953,1693,1651,1519,1250,1136,762
・ 1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−[(4−ビフェニリル)メチル]エチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物6−12)
[α]D20 +6.0°(c=0.49,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3316,2956,1686,1632,1520,1366,761

実施例7
ビス[(2S)−2−[3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレイド]−3−フェニルプロパン]ジスルフィド(化合物7−1)
Figure 0004177841
1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレア(化合物6−10、169mg)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に、28%アンモニア水(10ml)及び少量のヨウ素結晶を加え、室温で1晩撹拌した。反応液に水を加えてエーテルで抽出した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物(化合物7−1、70mg)を得た。

(化合物7−1)
[α]D20 +30.7°(c=0.14,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3316,2956,1684,1629,1532,1454,1366,1171,752

実施例7と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・ビス[(2S)−2−[3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレイド]−3−(4−ビフェニリル)プロパン]ジスルフィド(化合物7−2)
[α]D20 +12.8°(c=0.26,クロロホルム)
IR(Film,cm-1)3321,2957,1684,1630,1520,1366,1250,1170,760

実施例8
ビス[(2S)−2−[3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド]−3−フェニルプロパン]ジスルフィド 2塩酸塩(化合物8−1)











Figure 0004177841
窒素雰囲気下、ビス[(2S)−2−[3−[2−(t−ブトキシカルボキサミド)エチル]−3−イソペンチルウレイド]−3−フェニルプロパン]ジスルフィド(化合物7−1、53mg)のクロロホルム(0.6ml)溶液に4.6N塩化水素酢酸エチル溶液(0.3ml)を加えた。室温で24時間撹拌後、減圧濃縮した。残留物にイソプロピルエーテルを加え析出物を濾取して、標記化合物(化合物8−1、21mg)を結晶として得た。

(化合物8−1)
mp 100℃(分解)
IR(KBr,cm-1)3326,2956,1619,1535,748,701

実施例8と同様の方法を用いて以下の化合物を得た。
・ビス[(2S)−2−[3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド]−3−(4−ビフェニリル)プロパン]ジスルフィド 2塩酸塩(化合物8−2)
mp 132.0〜136.0℃
IR(KBr,cm-1)2956,1617,1531,762,699
[製剤例]
本発明化合物の経口剤および注射剤の一般的な製剤例を以下に示す。
1)錠剤
処方1 100mg中
本発明化合物 1 mg
乳糖 66.4mg
トウモロコシデンプン 20 mg
カルボキシメチルセルロース カルシウム 6 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4 mg
ステアリン酸 マグネシウム 0.6mg

上記処方の錠剤に、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコン樹脂等通常のコーティング剤)2mgを用いてコーティングを施し、目的とするコーティング錠を得る(以下の処方の錠剤も同じ)。また、本発明化合物および添加物の量を適宜変更することにより、所望の錠剤を得ることができる。
2)カプセル剤
処方1 150mg中
本発明化合物 5 mg
乳糖 145 mg

本発明化合物および乳糖の混合比を適宜変更することにより、所望のカプセル剤を得ることができる。

3)注射剤
処方1 10ml中
本発明化合物 10〜100mg
塩化ナトリウム 90 mg
水酸化ナトリウム(又は塩酸) 適量
滅菌精製水 適量
本発明化合物および添加物の混合比を適宜変更することにより、所望の注射剤を得ることができる。
[薬理試験]
McGeehanらの方法(Nature,370,558-561(1994))に準じて、リポポリサッカライド(LPS)刺激により引き起こされたTNF−αの産生に対する抑制効果を次に示すin vitro試験で検討した。
アッセイは、LPSの刺激によるヒト単球細胞系THP−1からのTNF−αの産生量を測定することによった。
培地は、ウシ胎児血清(10%)、L−グルタミン(2mM)、2−メルカプトエタノール(50μM)、ペニシリン( 50units/ml )およびストレプトマイシン(50μg/ml )を含むRPMI1640培地を使用した。
細胞は、上記培地で培養されたヒト由来単球細胞株THP−1細胞を100×gで5分間遠心分離して上清を除いたのち、培地に再懸濁して使用した。LPSは、 S.Typhimurium由来のものを精製水に溶解後、培地で希釈して使用した。被験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解後、培地で希釈して使用した。
上記のように調製した細胞(106 個/ml)、LPS(2μg/ml)および被験化合物(10-5M)を混合し、37℃で2時間インキュベートした後、1000×gで5分間遠心分離した。培養上清液中のTNF−αレベルについてヒトTNF−α特異ELISAキットで測定した。なお、LPS不在下(コントロール)では培養上清中にTNF−αの産生を認めなかった。
被験化合物のTNF−αの産生抑制率は、下記の式により求めた。
(式1) 抑制率(%)=100×(A−B)/A
A:被験化合物不在下での培養液上清中のTNF−αレベル
B:被験化合物存在下での培養液上清中のTNF−αレベル
(結果)
表1に試験結果の一例として、10-5M濃度におけるTNF−αの抑制率(%)を示した。
表1

被験化合物 抑制率(%)
化合物6−3 83
化合物6−8 60
化合物6−11 76
化合物8−1 81
化合物8−2 66
表1に示されるように、本発明化合物は低濃度でTNF−αの産生を抑制する作用が認められた。
以上のことから、本発明化合物は優れたTNF−α産生阻害作用を有しており、TNF−αが関与する疾患、例えば慢性関節リウマチ、クローン病、全身エリテマトーデス等の自己免疫性疾患、悪液質、急性感染症、アレルギー、発熱、貧血、糖尿病等の治療剤として広い医薬用途を有することは明らかである。

Claims (7)

  1. 下記一般式Iで表されるN−置換−N'−置換−ウレア誘導体又はその医薬上許容される塩。
    Figure 0004177841
    (式中、R1は、水素原子、低級アルキル基、又は式IIで表される基を表し、
    Figure 0004177841
    2は、水素原子又はアリール基を表し、
    3は、水素原子、シクロアルキルアルキル基又はアリールアルキル基を表し、
    4は、水素原子、低級アルキル基又はアリールアルキル基を表し、
    3かR4のいずれか一方が水素原子であり、かつ、R3とR4が異なる基を表し、
    5は、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を表し、
    6とR7は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を表し、
    1とA2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
    ここで、アリール基はフェニル基又はビフェニリル基であり、シクロアルキルアルキル基は、炭素数3〜10のシクロアルキル基に炭素数1〜8のアルキル基が結合したものであり、アリールアルキル基は、上記アリール基に炭素数1〜8のアルキル基が結合したものである。)
  2. 一般式I中、R1が水素原子である場合、低級アルキルカルボニル基で保護されている、請求項1記載のウレア誘導体又はその医薬上許容される塩。
  3. 1−[2−(アセチルチオ)エチル]−3−[(1S)−1−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−フェネチルウレア、1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−ベンジルエチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア、1−[(1S)−2−(アセチルチオ)−1−[(4−ビフェニリル)メチル]エチル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−イソペンチルウレア、ビス[(2S)−2−[3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド]−3−フェニルプロパン]ジスルフィド、ビス[(2S)−2−[3−(2−アミノエチル)−3−イソペンチルウレイド]−3−(4−ビフェニリル)プロパン]ジスルフィドよりなる群から選ばれる化合物又はその医薬上許容される塩。
  4. 下記一般式IIIで表されるN−置換−N'−置換−ウレア誘導体又はその塩。
    Figure 0004177841
    (式中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、A1とA2は、請求項1におけると同じ意味を有する。)
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載のN−置換−N'−置換−ウレア誘導体又はその医薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載のN−置換−N'−置換−ウレア誘導体又はその医薬上許容される塩を含有するTNF−α産生阻害剤。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項記載のN−置換−N'−置換−ウレア誘導体又はその医薬上許容される塩を含有する自己免疫性疾患治療剤。
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