JP4177453B2 - 組織因子活性インヒビターtfpiおよびtfpi−2のキメラタンパク質および変異体 - Google Patents
組織因子活性インヒビターtfpiおよびtfpi−2のキメラタンパク質および変異体 Download PDFInfo
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Description
本発明は、第VIIa因子/組織因子複合体(第VIIa因子/TF複合体)および第Xa因子を自然発生的に結合し、そして阻害し得るキメラタンパク質、本発明のタンパク質をコードする発現ベクター、発現ベクターで形質転換された宿主細胞、タンパク質を産生する方法、このタンパク質を含有する薬学的組成物、このタンパク質を用いる敗血症性ショックの処置方法または予防方法、凝固性障害の阻害方法、およびこのタンパク質に対するモノクローナル抗体に関する。
ヒト組織因子活性インヒビター(TFPI)は、血漿プロテアーゼインヒビターである。相同性の研究に基づくと、TFPIはクニッツ型塩基性プロテアーゼインヒビター遺伝子スーパーファミリーのメンバーであるようである。TFPIは少なくとも2つの機能を有する:1)第VIIa因子/TF複合体の触媒活性の阻害、および2)第Xa因子の活性部位への結合による。TFPIの一次配列(これは、そのcDNA配列から推定した)は、タンパク質が3つのクニッツ型ドメインを含有することを示す。第1のクニッツ型ドメイン(クニッツ型ドメイン1)は、第VIIa因子/TF複合体への有効な結合および阻害のために必要とされ、この阻害は、第2のクニッツ型ドメイン(クニッツ型ドメイン2)の存在によって強化されると考えられている。クニッツ型ドメイン2は、TFPIによる第Xa因子への有効な結合および阻害のために必要とされる。第3のクニッツ型ドメイン(クニッツ型ドメイン3)の機能は知られていない。TFPIは未知の酵素活性を有し、そしておそらく化学量論的な方法(すなわち、1つのクニッツ型ドメインが1つのプロテアーゼ分子の活性部位に結合する)でプロテアーゼ標的の活性を阻害する。TFPIはまた、リポタンパク質関連凝固インヒビター(LACI)、組織因子インヒビター(TFI)、そして外因性経路インヒビター(EPI)として知られている。
成熟TFPIは、負帯電性アミノ末端および正帯電性カルボキシ末端を有する長さ約276アミノ酸のポリペプチドである。C末端(すなわち、クニッツ型ドメイン3の最後のシステイン残基に続く配列)は、高塩基性であり、そして細胞表面上で見出されるグリコサミノグリカン(ヘパリンを含む)またはリン脂質に結合することによって、細胞表面へのTFPIの局在化を補助すると考えられている。この細胞表面での局在化特性は、抗凝固全活性および第Xa因子の至適阻害のために重要であると考えられている。TFPIは、18個のシステイン残基を含有し、そして正しく折り畳まれた場合、9個のジスルフィド架橋を形成する。一次配列は3つのAsn-X-Ser/Thr N-結合グリコシル化コンセンサス部位を有し、145位,196位、および256位でアスパラギン残基を含有する。成熟TFPIの炭水化物成分は、タンパク質の質量の約30%である。タンパク質分解マッピングからのデータおよびマススペクトルデータは、天然の炭水化物部分が不均一であることを示す。天然のTFPIはまた、タンパク質の2位のセリン残基で、種々の程度にリン酸化されることが見出されている。TFPI機能におけるSer-2でのリン酸化の役割は未だに解明されていない。
近年、TFPIとの高程度の構造類似性および機能類似性を有する他のタンパク質が、Sprecherら、Proc. Natl. Acad Sci. USA 91:3353-3357(1994)に記載されているように、同定されている。この213アミノ酸残基のタンパク質(TFPI-2と呼ぶ)の推定2次配列は、3つのクニッツ型ドメイン、9個のジスルフィド架橋、および酸性アミノ酸末端、および塩基性カルボキシ末端を有するTFPIと実質的に同一である。TFPI-2の3つのクニッツ型ドメインは、それぞれTFPIクニッツ型ドメイン1、2、および3と、43%、35%、および53%の一次配列の同一性を示す。TFPIと比較して、組換えTFPI-2は第VIIa因子/TF複合体のアミド分解活性を強く示し、そして第Xa因子活性の阻害は弱い。TFPI-2は、第VIIa因子/TF複合体にTFPIよりも高い親和性で結合する一方、TFPIは、第Xa因子にTFPI-2よりも高い親和性で結合することが報告されている。
TFPI-2のクニッツ型ドメイン1での推定されるP1反応部位は、TFPIの場合リジンであるのと比較して、アルギニンである。TFPI-2のクニッツドメイン2のP1反応性部位は、TFPIではアルギニンであるのに比較して、グルタミン酸である。また、TFPI-2のクニッツ型ドメイン2のP1-反応部位は、4番目と5番目のシステイン残基の間に、2つのさらなるアミノ酸残基を含有する。TFPI-2におけるクニッツ型ドメイン1および2の間のスペーサー領域は、対応するTFPIのスペーサー領域よりもはるかに短い。1つ以上のこれらの相違点により、第VIIa因子/TF複合体および第Xa因子に対する2つのタンパク質の異なる親和性が生じ得る。
TFPIは、致死的なEscherichia coli(E. coli)敗血症性ショックのヒヒモデルにおいて、死亡を防ぐことが示されている。Creaseyら、J. Clin. Invest. 91:2850-2860(1993)。致死量のE. Coliの注入直後に、6mg/kg体重でTFPIを投与すると、5匹のコントロール動物についての平均生存時間(39.9時間)と比較して、全5匹のTFPI-処置動物は生存し、そして生活の質が有意に改善された。TFPIの投与はまた、E coli敗血症標的器官(腎臓、副腎、および肺を含む)において通常観察される、凝固応答の有意な減弱、細胞傷害の種々の評価の有意な低下および病因の有意な減少を生じる。その凝血阻害特性により、TFPIはまた、血栓症に関連する問題、および凝血(例えば、微小血管の手術における凝血)を防ぐために用いられ得る。例えば、米国特許第5,276,015号は、微少血管の吻合の血栓形成を減少させる方法(ここでは、TFPIは、微少血管の再構築と同時に、微少血管の吻合部位に投与される)におけるTFPIの使用を開示する。
TFPIは、ヒト血漿およびヒト組織培養細胞(HepG2、Chang肝臓、およびSK肝腫瘍細胞を含む)から単離されている。組換えTFPIは、マウスC127細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、およびヒトSK肝腫瘍細胞中で発現されている。マウスC127細胞由来の組換えTFPIは、動物モデルにおいて組織因子により誘導される凝固を阻害する。組換えTFPIの非グリコシル化形態もまた、米国特許第5,212,091号に開示されているように、Escherichia coli(E. coli)細胞から産生され、そして単離される。TFPIのこの形態は、ウシ第Xa因子の阻害、およびヒト組織因子により誘導される血漿中の凝固の阻害に活性であることが示されている。いくつかのアッセイにおいては、E. coli産生TFPIは、SK肝腫瘍細胞由来のTFPIよりも活性であることが示されている。酵母細胞培養培地由来の組換えTFPIの精製方法は、例えば、Petersenら、J. Biol. Chem. 18:13344-13351(1993)に開示されている。組換えTFPIの短縮形態もまた、Hamamotoら、J. Biol. Chem. 268:8704-8710(1993)、およびPetersenら(同書)に記載されているように研究されている。
Petersenら(同書)は、TFPIおよび以下を含むTFPI変異体を産生することを試みている:1)クニッツ型ドメイン3を含む完全C末端(ポリペプチドの3分の1)を欠失したTFPI変異体;2)クニッツ型ドメン3のみを欠失したTFPIの変異体;および3)ペプチドの塩基性部分(C末端からクニッツ型ドメイン3)を欠失したTFPIの変異体。彼らは、第1の変異体の場合のみ、高収率が得られることを見出した。この変異体は不均一にグリコシル化され、そしてその抗凝固活性は、哺乳動物細胞から得られる完全長のTFPIよりも5倍〜50倍、低かった。
このため、強化されない場合に少なくともTFPIと等価な抗凝固活性および他の活性を有し、かつ哺乳動物に投与された場合にタンパク質の免疫原性を減少させる、グリコシル化部分が少ないタンパク質分子を、高収率で産生する方法が必要とされている。
発明の要旨
このため、本発明の目的は、哺乳動物細胞、酵母細胞、または細菌細胞から得られる完全長TFPIと比較して、等価または強化された抗凝固活性、特に第VIIa因子/TF複合体、および/または第Xa因子阻害活性を有するタンパク質を提供することである。
本発明の他の目的は、第VIIa因子/TF複合体、および/または第Xa因子阻害活性を有するタンパク質を高収率で産生することである。
本発明の他の目的は、TFPIまたはTFPI-2と同程度つ以上に細胞表面を標的化するTFPI、TFPI-2、またはその両方の活性を有するタンパク質を提供することである。
さらに1つの本発明の目的は、Petersenら(同書)に記載されている変異体または完全長TFPIと比較してグリコシル化部分が少ないタンパク質を提供することである。
【図面の簡単な説明】
図1は、TFPIタンパク質をコードするDNA配列を含む複製可能なクローニングビヒクル(pLACI 4.1と命名する)の概略図を示す。
図2Aは、まずユビキチンおよびα-因子融合体として発現される完全長または短縮型TFPIを含有するクマシー染色ゲルを示す。図2Bは、TFPIのアミノ末端に特異的な抗血清を用いる図2Aのゲルのウエスタンブロットの結果を示す。2Aおよび2Bの両方について、レーンは以下のように充填された:コントロール細胞(V2)が増殖した培養培地から単離された可溶性タンパク質(レーン1);LACIフラグメント(アミノ酸1-161)を発現する酵母細胞から単離される可溶性タンパク質(レーン2);完全長LACIを発現する酵母細胞から単離される可溶性タンパク質(レーン3);コントロール酵母細胞から単離されるタンパク質(レーン4);LACIフラグメント(アミノ酸1-161)を発現する酵母細胞から単離されるタンパク質(レーン5);完全長LACIを発現する酵母細胞から単離されるタンパク質(レーン6);および分子量マーカー(レーン7)。
図3Aは、N-グルカナーゼで消化し、糖を除去した前後の完全長TFPIまたは短縮型TFPIを含有するクマシー染色ゲルを示す。図3Bは、TFPIのアミノ末端に特異的な抗血清を用いる図3Aのゲルのウエスタンブロットの結果を示す。ゲルは以下のように充填された:V2コントロール細胞由来のタンパク質(レーン1);LACIフラグメント(アミノ酸1-161)を発現する酵母細胞由来のタンパク質(レーン2);完全長LACIを発現する酵母細胞由来のタンパク質(レーン3);N-グルカナーゼで処理したV2コントロール細胞由来のタンパク質(レーン4);N-グルカナーゼで処理したLACIフラグメント(アミノ酸1-161)を発現する酵母細胞由来のタンパク質(レーン5);N-グルカナーゼで処理した完全長LACIを発現する酵母細胞からのタンパク質(レーン6);LACI標準(レーン7)および分子量マーカー(レーン8)。
図4は、まずα-因子融合体として発現され、そして酵母細胞から分泌される短縮型TFPIおよび完全長TFPIについて実施されたアミド分解アッセイの結果である。
発明の詳細な説明
本明細書中で使用する用語「TFPI」は、凝固インヒビターである組織因子活性インヒビターを意味し、これはまた、リポタンパク質関連凝固インヒビター(LACI)、組織因子インヒビター(TFI)および外部経路インヒビター(EPI)としても知られている。TFPIをコードするヌクレオチド配列、およびTFPIの予測されるアミノ酸配列は、米国特許第4,966,852号に開示され、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
本明細書中で使用する用語「TFPI-2」は、凝固インヒビターを意味し、そのヌクレオチド配列および予測されるアミノ酸配列は、SprecherらのProc. Nat. Acad. Sci. USA(1994)91:3353-3357に報告されている。Sprecherらの開示は、本明細書中で参考として援用されている。
本明細書中で使用する用語[第VIIa因子/TF/第Xa因子結合タンパク質」は、第VIIa因子/TF複合体に結合し得、それにより、この複合体の機能を阻害し得、さらに、第Xa因子に結合し得、それにより、その機能を阻害し得るタンパク質を意味する。第VIIa因子/TF/第Xa因子結合タンパク質は、TFPIから得られる1つ以上のクニッツ型ドメイン(またはそれらの変異タンパク質)およびTFPI-2から得られる1つ以上のクニッツ型ドメイン(またはそれらの変異タンパク質)を含有する。
本明細書中で使用する用語「第一のクニッツ型ドメイン」は、TFPIのアミノ酸、
およびTFPI-2のアミノ酸配列
を意味し;そして用語「第二のクニッツ型ドメイン」、TFPIのアミノ酸、
およびTFPI-2のアミノ酸配列
を意味し;そして用語「第三のクニッツ型ドメイン」は、TFPIのアミノ酸、
およびTFPI-2のアミノ酸配列
を意味する。
本明細書で使用する用語「C-末端テール」は、TFPIまたはTFPI-2の第三のクニッツ型ドメインに対してカルボキシ末端側であるアミノ酸配列、すなわち、TFPIについては
そしてTFPI-2については
を意味する。これらの配列は、塩基性が高く、グリコサミノグリカン(ヘパリンを含めて)またはリン脂質の結合による細胞表面の局在化に関与し得る。クニッツ型ドメイン1、2および3、および各ドメインのP1反応性部位のさらなる記載および説明は、GirardらNature、338:518〜520(1989)に見られる。
本明細書中で使用する用語「P1反応性部位」は、クニッツ型ドメインの活性部位のくぼみ(cleft)を意味する。このP1位置に存在するアミノ酸残基の変化により、結合が大きく変化し得、従って、その標的プロテアーゼに対するクニッツ型ドメイン阻害効果が大きく変化し得る。
本明細書中で使用する用語「キメラタンパク質」は、異なるタンパク質に由来の1つ以上のドメインからなるポリペプチドまたは、別のタンパク質の性質を与える単一のタンパク質内の変異からなるポリペプチドを意味する。例えば、本明細書中で使用するキメラタンパク質には、配列番号2および配列番号1を含む第VIIa因子/TF/第Xa因子結合タンパク質が挙げられる。
本明細書中で使用する用語「変異タンパク質」、1個〜5個のアミノ酸置換が作製された通常の配列または野生型の配列を意味する。例えば、TFPIのクニッツ型ドメイン1[配列番号1]の変異タンパク質は、P1位置にてリジン残基をアルギニン残基に変えることにより作製され得る。この置換は、TFPIのクニッツ型ドメイン1の特性(第VIIa因子/TF複合体に対する親和性を含む)を、TFPI-2のクニッツ型ドメインの特性に変える効果を有する。
本明細書中で使用する用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、活性成分の生物学的活性の効果を妨害しない媒体であって、それを投与する宿主に毒性でない媒体を意味する。
本明細書中で使用する用語「薬理学的有効量」は、処置される病態の罹患率および死亡率の低下が生じる、宿主へのタンパク質の投与量を意味する。処置され得る病態には、敗血症、敗血症性ショックおよび血栓症障害(これには、顕微手術中またはその後の血栓症、および血管形成術後の突然の再閉塞による血栓症が含まれる)が挙げられる。正確な投与量は、病態、重篤度、被験体などに依存するが、常法により決定し得る。用語「薬理学的有効量」はまた、病態に関連して生じる罹患および死亡を防ぐ、宿主へのタンパク質の投与量を意味する。防止され得る病態には、敗血症、敗血症性ショックおよび血栓障害(これには、顕微手術中またはその後の血栓症、および血管形成術後の突然の再閉塞による血栓症が含まれる)が挙げられる。正確な投与量は、病態、重篤度、被験体などに依存するが、常法により決定し得る。
本発明の第VIIa因子/TF/第Xa因子結合タンパク質には、TFPIおよびTFPI-2の変異タンパク質が挙げられ、この変異タンパク質は、単一または複数のアミノ酸置換を有する。この定義の範囲内に入る変異タンパク質には、以下が挙げられる:(a)分子のコンホメーションを実質的に変えない1個〜5個の保存的アミノ酸置換を有するTFPIまたはTFPI-2変異タンパク質;(b)N-結合グリコシル化の3つの部位の1つ以上を欠失するアミノ酸置換を有するTFPIまたはTFPI-2変異タンパク質;(c)TFPIの残基をTFPI-2の対応する残基に変える1個〜5個のアミノ酸置換を有するTFPI変異タンパク質;(d)TFPI-2の残基をTFPIの対応する残基に変える1個〜5個のアミノ酸置換を有するTFPI-2変異タンパク質;(e)1つ以上のクニッツ型ドメインにて、P1反応性部位にアミノ酸置換を有するTFPIまたはTFPI-2変異タンパク質;および(f)1つ以上のクニッツ型ドメインにて、P1反応性部位の5個のアミノ酸内の位置でアミノ酸置換を有するTFPIまたはTFPI-2変異タンパク質。好ましい実施態様では、TFPIの第一のクニッツ型ドメイン[配列番号1]のP1反応性部位のリジン残基は、アルギニンで置き換えられる。この変異タンパク質は、以下の配列を有する:
1つ以上のアミノ酸置換を含有するTFPIおよびTFPI-2の変異タンパク質は、当業者に公知の方法を用いて、TFPIまたはTFPI-2をコードする組換えクローニングビヒクルの配列の適切な変異誘発により調製され得る。変異誘発の方法には、部位特異的変異誘発が挙げられるが、それに限定されない。部位特異的変異誘発は、当該分野で公知の任意の方法を用いて行い得る。これらの技術は、Smith、Annual Review of Genetics、19:423(1985)に記載され、この技術のいくつかの改良法は、Methods in Enzymology、154、E部、WuおよびGrossman編(1987)、17、18、19および20章に記載されている。部位特異的変異誘発を用いる場合に好ましい手順は、Gapped Duplex部位特異的突然変異誘発法の改良法である。この一般的な手順は、Kramerらにより、上記のMethods in Enzymologyの17章に記載されている。核酸配列中に点変異を作製する別の技術には、PCR PROTOCOLS:A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS、Innis、Gelfand、SninskyおよびWhite編(Academic Press、1990)に記載されるようなPCR技術の使用(重複PCRを含む)がある。
TFPIおよびTFPI-2の変異タンパク質はまた、第二のクニッツ型ドメインの末端にて切断され得る。このような短縮型分子は、第VIIa因子/TF複合体および第Xa因子を結合する能力を保持しており、酵母のような生物中で、より高いレベルで発現され得る。短縮型TFPIおよびTFPI-2の変異タンパク質は、第三のクニッツ型ドメインにおける6個のシステイン残基の除去のために、正確に折り畳まれたクニッツ型ドメインを含む産生物の回収の増強が導かれるようである。短縮型変異タンパク質はまた、そのカルボキシ末端に結合したTFPIまたはTFPI-2のテール配列を有する。このテール配列は、好ましくは、細胞表面のグリコサミノグリカン(ヘパリンを含む)またはリン脂質に結合することによって、この変異タンパク質に細胞表面結合能力を付与する。
VIIa/TF因子およびXa因子に結合し、かつTFPIまたはTFPI-2の種々の部分を含有し得るキメラタンパク質もまた、本発明の範囲内にある。本発明の範囲内にあるタンパク質の1つのクラスは、以下の一般式により表わされ得る:
A-(X1)a-B-(X2)b-C
ここで、AおよびCは、任意の隣接ペプチドであり、この隣接ペプチドは、独立して、1個〜100個のアミノ酸を含有する;
ここで、Bは、任意のスペーサーペプチドであり、このスペーサーペプチドは、1個〜25個のアミノ酸を含有する;
ここで、各X1は、−D−K1−E−であり、ここで、D、Eは、1個〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、K1は、独立して、TFPIまたはTFPI-2のクニッツ型ドメイン1[配列番号1または配列番号2]であるか、または前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質である;
ここで、各X2は、−F−K2−G−であり、ここで、F、Gは、1個〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、K2は、独立して、TFPIまたはTFPI-2のクニッツ型ドメイン2[配列番号3または配列番号4]であるか、または前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質である;
ここで、a、bは、0〜6の整数である;そして
ここで、この分子は、天然のTFPIまたはTFPI-2ではない。
A、B、C、D、E、F、Gは、独立して、天然のTFPIまたはTFPI-2配列の一部を含有し得る。例えば、B、D、E、F、およびGは、独立して、TFPIまたはTFPI-2のクニッツ型ドメイン1および2の間のペプチド配列、またはTFPIおよびTFPI-2のクニッツ型ドメイン2および3の間のペプチド配列を含み得る。この隣接ペプチドAおよびCはまた、細胞表面の局在化特性を有し得、そしてTFPIまたはTFPI-2由来のC-末端テール配列[配列番号7または配列番号8]であり得る。あるいは、他の細胞表面の局在化ペプチド配列が、使用され得る。これらの配列は、好ましくは、グリコサミノグリカン結合能を有し、最も好ましくは、ヘパリンを結合する。このようなペプチド配列は、ヘパリン結合活性を有するタンパク質(プロテアーゼネクシン-1、プロテアーゼネクシン-2、アンチトロンビンIII、プロテインCインヒビター、血小板4因子、ヘパリン共因子II、ギランテン関連インヒビター、およびウシ膵臓トリプシンインヒビターを包含するが、これらに限定されない)から誘導され得る。これらのタンパク質の適切な部分(すなわち、グリコサミノグリカン結合活性を有するもの)は、A位置またはC位置(またはその両方)に付着され得る。
TFPIの場合には、その適切な部分は、C-末端テール[配列番号7]であるか、または
であり得る。
TFPI-2の場合には、その適切な部分は、C-末端テール[配列番号8]であるか、または
であり得る。
アンチトロンビンIIIの場合には、その適切な部分は、
であり得る。
アンチトロンビンIIIの適切な部分はまた、
でもあり得る。
プロテインCインヒビターの場合には、その適切な部分は、
であり得る。
プロテインCインヒビターの適切な部分は、
でもあり得る。
ヘパリンコファクターIIの場合には、その適切な部分は、
であり得る。
血小板4因子の場合には、その適切な部分は、
であり得る。
ギランテン関連インヒビターの場合には、その適切な部分は、
であり得る。
好ましい実施態様では、VIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、TFPI-2の第一のクニッツ型ドメイン[配列番号2](アミノ酸末端配列を含む)、TFPIの第二のクニッツ型ドメイン[配列番号3]、TFPIの第三のクニッツ型ドメイン[配列番号5]、および/またはTFPIのC末端テール配列[配列番号7]を含有する。当業者は、この分子が非常に多くの生成し得る種の1種にすぎないこと、およびTFPIまたはTFPI-2由来のクニッツ型ドメインを結合するペプチド配列の種々の部分がこの分子に含まれ得ることを理解する。
また、TFPIまたはTFPI-2に由来の2つ以上の同じクニッツ型ドメインを含有するVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質も本発明の範囲内にある。例えば、TFPI-2の第一のクニッツ型ドメイン[配列番号2]の2つ以上の反復を含有するVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質が調製され得る。このような分子は、VIIa/TF因子複合体の阻害を増大するために、特に有用であり得る。TFPIの第二のクニッツ型ドメイン[配列番号3]の2つ以上の反復を含有するVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質もまた、調製され得る。このような分子は、このタンパク質によるXa因子の阻害を増大するために、特に有用であり得る。同じクニッツ型ドメインの1個より多い反復を含有する、好ましいVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、次式により表わされる:
A-[X1-B-X2]c-C
ここで、AおよびCは、任意の隣接ペプチドであり、この隣接ペプチドは、独立して、1個〜100個のアミノ酸を含有する;
ここで、Bは、任意のスペーサーペプチドであり、このスペーサーペプチドは、1個〜25個のアミノ酸を含有する;
ここで、各X1は、−D−K1−E−であり、ここで、D、Eは、1個〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、K1は、TFPIまたはTFPI-2のクニッツ型ドメイン1[配列番号1または配列番号2]であるか、または前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質である;
ここで、各X2は、−F−K2−G−であり、ここで、F、Gは、1個〜25個のアミノ酸を有するペプチドであり、K2は、TFPIまたはTFPI-2のクニッツ型ドメイン2[配列番号3または配列番号4]であるか、または前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質である;
ここで、cは、1〜10の整数である。
A、B、C、D、E、F、およびGはまた、この一般的構造に関連して上記に開示した同じ配列を有し得る。このVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、K1およびK2が配列番号2および配列番号3であるものであり得る。
DNAクローニング技術の当業者であってTFPIおよびTFPI-2をコードするDNAを所有する当業者は、公知のクローニング手順(例えば、TFPIおよびTFPI-2コードDNAの制限酵素、エキソヌクレアーゼ消化、連結、および以下のいずれかで概説される他の適切な手順)を用いて、このようなキメラタンパク質の生成に適切なDNA分子を調製できる:
あるいは、上記タンパク質をコードする核酸配列の全配列またはその一部は、(例えば、DNA合成装置を用いる)合成方法により、調製され得る。最後に、上記キメラタンパク質をコードする核酸分子の好ましい調製方法は、Innisら(前出)に記載のPCR技術の使用による。
上記タンパク質は、いずれかの適切な発現系(哺乳動物の組織培養、昆虫の細胞培養、細菌の細胞培養、および酵母の細胞培養を包含するが、これらに限定されない)を用いて、調製し得る。哺乳動物発現系は、当該分野で公知である。Sambrookら(1989)「Expression of Cloned Genes in Mammalian Cells」、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版。発現の宿主として利用可能な哺乳動物の細胞株は、当該分野で公知であり、これには、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不滅化した細胞株が包含される。TFPIは、ヒトの血漿およびヒト組織培養細胞(HepG2細胞、Chang肝臓細胞およびSK肝癌細胞を包含する)から単離されている。組換えTFPIは、マウスC127細胞、幼年ハムスター腎臓細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞およびヒトSK肝癌細胞において発現されている。
本発明のタンパク質はまた、バキュロウイルス配列を含むベクターを用いて、昆虫細胞にて生成され得る。バキュロウイルス/昆虫細胞の発現系のための材料および方法は、とりわけ、Invitrogen(San Diego CA)から、キット形態(「MaxBac」kit)で市販されている。これらの技術は、一般に、当業者に公知であり、SummersおよびSmith、TeXas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)(以下、「SummersおよびSmith」)に詳しく記述されている。現在では、外来遺伝子をAcNPVに導入するために最も一般的に使用されている移入ベクターは、pAc373である。多くの他のベクターは、当業者に公知であり、また、設計されている。これらには、例えば、pVL985が含まれ、これは、ポリヘドリン開始コドンをATGからATTに変え、ATTから32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導入する:LuckowおよびSummers、Virology(1989)17:31を参照のこと。バキュロウイルスにおいて、異種DNAを所望の部位に導入する方法は、当該技術分野で公知である。(SummersおよびSmith(上記);Juら、(1987);Smithら、Mol. Cell. Biol.(1983)3:2156;ならびにLuckowおよびSummers(1989)を参照のこと)。例えば、挿入は、相同二重交差組換えにより、ポリヘドリン遺伝子のような遺伝子に行い得る;挿入はまた、所望のバキュロウイルス遺伝子中に操作された制限酵素部位に行い得る。Millerら、Bioessays 4:91(1989)。DNA配列は、発現ベクターにおいてポリヘドリン遺伝子に代えてクローン化される場合、ポリヘドリン特異的な配列により、5’側および3’側の両方で隣接され、ポリヘドリンプロモーターの下流領域に配置される。
組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞に感染させるために、開発されている。例えば、組換えバキュロウイルスは、とりわけ、以下に対して開発されている:
バキュロウイルス/発現系における異種ポリペプチドの直接発現および融合発現の両方のために、細胞および細胞培養培地が市販されている。細胞培養技術は、一般に、当業者に公知である。例えば、SummersおよびSmith(上記)を参照のこと。次いで、改変した昆虫細胞は、適切な栄養培地で増殖させ得る。適切な栄養培地により、改変した昆虫宿主に存在するプラスミドの安定した維持が可能となる。現在好ましい培地は、EPO 380 495に記述されている。
非常に多くの細菌発現技術は、当該技術分野で公知である。Sambrookら、(1989)「Expression of cloned genes in Escherichia coli」、Molecular Cloning:A Laboratory Manual。
発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込みベクターのいずれかであるが、多くの細菌への形質転換のために開発されている。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の細菌に対して開発されている:
本発明のタンパク質をコードするDNAは、当該技術分野における従来技術を用いて、成熟タンパク質を細菌の細胞周辺腔に移出するかまたは分泌するために、シグナルペプチドに結合し得る。さらに、発現されるDNAと、プロモーターおよびリボソーム結合部位をコードする配列との間の間隔を変えることにより、細菌発現系において、転写および翻訳をさらに最適化し得る。
酵母発現系もまた、当該技術分野で公知である。融合タンパク質は、酵母系において、本発明のタンパク質を発現するための1つの手段を提供する。通常、内因性酵母タンパク質または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種のコード配列の5’末端に融合される。発現すると、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合体を提供する。この2つのアミノ酸配列の接合部におけるDNA配列は、切断可能な部位をコードしてもしなくても良い。例えば、EPO 196 056を参照のこと。好ましい融合タンパク質は、ユビキチン融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、好ましくは、プロセシング酵素のための部位を保持するユビキチン領域を用いて作成される。この部位により、ユビキチン特異的なプロセシングプロテアーゼが、この外来タンパク質由来のユビキチンを切断することが可能になる。従って、この方法を通じて、真性(authentic)アミノ末端を有する外来タンパク質が、酵母細胞内から単離され得る。ユビキチン融合タンパク質の産生は、同時係属中の米国特許出願第07/806,813号および第07/957,627号に記述されている。この方法は、Barrら、RECOMBINANT SYSTEMS IN PROTEIN EXPRESSION(Elsevier Science Publishers B.V.、1991)、37〜46頁で概説されている。
あるいは、外来タンパク質は、リーダー配列フラグメント(これは、この外来タンパク質の酵母における分泌を提供する)から構成される融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作成することにより、細胞から増殖培地に分泌され得る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、このリーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。このリーダー配列フラグメントは、通常、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチド(これは、この細胞からのタンパク質の分泌を指示する)をコードする。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌された酵母タンパク質の遺伝子(例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(EP 012 873;JPO 62,096,086)α因子遺伝子(米国特許第4,588,684号および第4,870,008号;EP 116,201)およびα因子遺伝子の短縮型(これは、EP 324 274および同時係属中の米国特許出願第07/864,206号に記述されている))に由来し得る。あるいは、酵母における分泌をまた提供する非酵母起源のリーダー(例えば、インターフェロンリーダー)が存在する(EP 060 057)。好ましくは、α因子遺伝子は、本発明のタンパク質の分泌のために設計された核酸構築物において使用される。
別の有用なクラスの分泌リーダーは、酵母α因子遺伝子のフラグメントを使用するものであり、これは、「プレ」シグナル配列および「プロ」領域の両方を含有する。使用され得るタイプのα因子フラグメントには、完全長のプレ−プロα因子リーダー(約83個のアミノ酸残基)、および短縮型α因子リーダー(通常、約25個〜約50個のアミノ酸残基)が挙げられる(米国特許第4,546,083号および第4,870,008号;EP 324 274)。分泌を提供するα因子リーダーフラグメントを使用する別のリーダーには、第一の酵母のプレ配列を用いるが第二の酵母のα因子由来のプロ領域も用いて作製したハイブリッドα因子リーダーが挙げられる(例えば、PCT WO 89/02463を参照のこと)。
本発明のタンパク質をコードする発現ベクターは、しばしば、レプリコン、例えば、宿主(例えば、酵母または細菌)において安定に維持され得る染色体外のエレメント(例えば、プラスミド)において維持される。このレプリコンは、2つの複製系を有し得、それゆえ、例えば、発現のために酵母において、そしてクローニングおよび増幅のために原核細胞宿主において、それを維持することが可能になる。このような酵母細菌シャトルベクターの例には、以下が包含される:
さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に、約5〜約200の範囲、通常、約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを含有する宿主は、好ましくは、少なくとも約10、さらに好ましくは、少なくとも約20のコピー数を有する。高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれかは、宿主に対するベククーおよび外来タンパク質の効果に依存して、選択され得る。例えば、Brakeら(上記)を参照のこと。酵母細胞において本発明のタンパク質(このタンパク質は、この酵母細胞内に保持される)を産生するためには、pAB24のようなプラスミドを使用し得る。Sabinら、(1989)Bio/Technology 7:705〜709。pAB24は、GAP/ADHハイブリッドプロモーターを含有し、その制御下で、この配列の高レベルの発現を指示し得るADHプロモーターの一部分を含有するが、また、GAP調節配列を含有し、それにより、培養物の増殖における所望の時点で、この同じ配列の発現が可能となる。
あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、宿主ゲノムに組み込まれ得る。組み込みベクターは、通常、このベクターが組み込むことを可能にする宿主染色体と相同な少なくとも1つの配列を含有し、好ましくは、この発現構築物に隣接する2つの相同配列を含有する。組み込みは、ベクター中および宿主染色体中の相同DNA間の組換えにより生じると思われる。Orr-Weaverら、Meth. Enzymol.、101:228〜245(1983)。組み込みベクターは、このベクター内に包含するための適切な相同配列を選択することにより、酵母中の特定の遺伝子座に方向づけられ得る。Orr-Weaverら(上記)を参照のこと。1つ以上の発現構築物が組み込まれ得、おそらく、産生される組換えタンパク質のレベルに影響を及ぼす。Rineら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:6750(1983)。ベクターに含有される染色体配列は、ベクター中の単一セグメントとして生じるか(このベクター全体の組み込みが起こる)、またはこの染色体中の隣接セグメントと相同であり、そしてこのベクター中の発現構築物に隣接する2つのセグメントとして生じるか(その結果、この発現構築物だけの安定な組み込みが起こり得る)の、いずれかであり得る。
通常、染色体外および組み込み発現構築物は、形質転換された酵母株の選択を可能にする選択マーカーを含有し得る。選択マーカーには、酵母宿主において発現し得る生合成遺伝子(例えば、ADE2、HIS4、LEU2、TRP1およびALG7)、およびG418耐性遺伝子が挙げられ得る。これらは、酵母細胞において、それぞれ、ツニカマイシンおよびG418に対する耐性を与える。さらに、適切な選択マーカーはまた、毒性化合物(例えば、金属)の存在下にて、酵母に増殖する能力を提供し得る。例えば、CUP1が存在することにより、銅イオンの存在下での酵母の増殖が可能となる(Buttら、Microbiol、Rev. 51:351(1987))。
あるいは、上記成分のいくつかは、一緒に集めて形質転換ベクターに組立てられ得る。形質転換ベクターは、通常、選択マーカーから構成され、このマーカーは、上記のように、レプリコン中で維持されるか、または組み込みベクターに開発されるかのいずれかである。
発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコンかまたは組み込みベクターのいずれかであるが、形質転換のために、多くの酵母に対して開発されている。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母に対して開発されている:
酵母細胞を形質転換するために本明細書中で使用され得る形質転換手順には、以下に記述されるようにエレクトロポレーションが挙げられる:
他の手順には、スフェロプラストの形質転換またはアルカリカチオン処理した無傷細胞の形質転換が挙げられる。このような手順は、例えば、以下に記述されている:
本発明のタンパク質の産生には、酵母細胞の培養物(特に、Saccharomyces cerevisiae)が好ましい。好ましい実施態様では、以下の一次アミノ酸配列を有するキメラタンパク質が、α因子との融合タンパク質として、酵母細胞において産生される:
あるいは、隣接ペプチドは、他のプロテアーゼインヒビター、特に、細胞表面で作用するタンパク質インヒビターに由来する配列を含有し得る。このタンパク質インヒビタープロテアーゼネクシン1(以下、ネクシン)は、一例にすぎない。ネクシンは、ヘパリンを結合して、それにより、その細胞表面上にネクシンを局在化するのを助けることが知られている。さらに、ネクシンは、第Xa因子に結合し、それを阻害する。
本発明の因子VIIa/TF/Xa結合タンパク質は、以下の実施例に示すように、プロトロンビンの時間凝固アッセイまたは第Xa因子のアミド分解性アッセイにより、活性についてアッセイされ得る(Wunら、J. Biol. Chem. 265:16096(1990))。
調剤および投与
本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、敗血症性ショックの治療および予防に治療上効果的な濃度で投与され得る。この目的を遂げるために、好ましくは、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は静脈内へ投与される。この投与を遂げる方法は当業者に公知である。
患者への投与前、調剤は本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質に添加され得る。液体調剤が用いられ得る。例えば、これらの調剤としては、油、ポリマー、ビタミン、炭化水素、アミノ酸、塩類、緩衝剤、アルブミン、界面活性剤、または充填剤が挙げられ得る。調剤に用いられ得る炭化水素としては、単糖類、二糖類、もしくは多糖類、または水溶性グルカンのような糖類または糖アルコールが挙げられる。糖類またはグルカンは、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、スクロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、αおよびβシクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、およびカルボキシメチルセルロース、またはそれらの混合溶液を含み得る。スクロースが最も好ましい。糖アルコールは-OH基を有するC4〜C8の炭化水素と定義され、そしてガラクチトール(galactitol)、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、およびアラビトールを含む。マンニトールが最も好ましい。上述のこれらの糖または糖アルコールは、単独でまたは組み合わせて用いられ得る。糖類または糖アルコールが水性調製物中で可溶である限りは、用いられる量に固定された制限はない。好ましくは、糖類または糖アルコール濃度は1.0w/v%と7.0w/v%との間であり、より好ましくは2.0と6.0w/v%との間である。好ましくは、アミノ酸は左旋性(L)体のカルニチン、アルギニン、およびベタインを含む;しかし、他のアミノ酸も加えられ得る。好適なポリマーとしては、平均分子量2,000と3,000との間のポリビニルピロリドン(PVP)、または平均分子量3,000と5,000との間のポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。凍結乾燥前または再構成後の溶液のpH変化を最小にする組成の緩衝液を用いることもまた好ましい。ほとんどの任意の生理緩衝液が用いられ得るが、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、およびグルタミン酸緩衝液またはそれらの混合物が好ましい。最も好ましいのは、クエン酸緩衝液である。さらに、硫酸の使用は調剤の調製には避けるべきである。好ましくは、濃度は0.01〜0.3Mである。調剤に添加され得る界面活性剤は、欧州特許第270,799号および同第268,110号に示される。
加えて、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、例えば、循環半減期を延長させるために、ポリマーを共有結合することで化学修飾され得る。好適なポリマー、およびペプチドにポリマーを結合させる方法は米国特許第4,766,106号、同第4,179,337号、同第4,495,285号、および同第4,609,546号に示され、これらは全てそのまま本明細書中で参考として援用される。好適なポリマーはポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは室温で水に可溶であり、そして一般式:R(O-CH2-CH2)nO-R(ここでRは水素、またはアルキル基またはアルカノール基のような保護基であり得る)を有する。好ましくは、保護基は1個と8個との間の炭素を有し、より好ましくは保護基はメチル基である。記号nは正の整数であり、好ましくは1と1,000との間、より好ましくは2と500との間である。好ましくは、PEGは1000と40,000との間の平均分子量を有し、より好ましくは2000と20,000との間であり、最も好ましくは3,000と12,000との間である。好ましくは、PEGは少なくとも1個のヒドロキシ基を有し、より好ましくはそれは1個の末端ヒドロキシ基である。このヒドロキシ基は好ましく活性化されて、インヒビター上の遊離アミノ基と反応する。しかし、反応基のタイプおよび量は本発明の共有結合PEG/VIIa/TF/Xa因子を形成させるために変えられ得ることが理解される。
水溶性ポリオキシエチル化ポリオールもまた本発明において有用である。ポリオキシエチル化ポリオールとしては、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)などが挙げられる。POGが好ましい。1つの理由は、ポリオキシエチル化グリセロールのグリセロール骨格が、モノ、ジ、トリグリセリドにおいて、例えば、動物およびヒトにおいて天然に存在する同様の骨格だからである。それゆえ、この分枝鎖は必ずしも体内で外来因子としてみなされない。POGはPEGと同様の範囲の好適な分子量を有する。POGの構造はKnaufら、1988, J. Bio. Chem. 263:15064-15070中に示され、そしてPOG/タンパク質接合体の説明が米国特許第4,766,106号に見出される。これらは両方ともそのまま本明細書中で参考として援用される。
液体薬学的組成物の調製後、それは分解の防止および無菌保存のために、好ましくは凍結乾燥される。液体組成物の凍結乾燥法は当業者に公知である。使用直前に、組成物は添加成分を含み得る滅菌希釈剤(例えば、リンゲル溶液、蒸留水、または滅菌生理食塩水)で再構成され得る。再構成によって、好ましくは、組成物は、当業者に公知の方法を用いて被験体に投与される。
感染個体への投与
本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は敗血症または敗血症性ショックの哺乳動物を治療するのに有用である。一般に、状態は、高熱(>38.5℃)または低体温(>35.5℃)、低血圧、頻呼吸(>20呼吸/分)、頻拍(>100拍/分)、白血球増加症(>15,000細胞/mm3)、および血小板減少症(<100,000血小板/mm3)により特徴付けられる。好ましくは、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、以下のように被験体が敗血症であると疑われれば直ちに投与される;フィブリノーゲンの20%を上回る降下(drop)またはフィブリン分裂産物の出現の提示、被験体の体温の上昇、および敗血症性ショックに関連する白血球増加症および低血圧の診断。上述の場合、静脈内投与が好ましい。一般的に、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は1μg/kgと20mg/kgとの間の用量で、より好ましくは20μg/kgと10mg/kgとの間の用量で、最も好ましくは1mg/kgと7mg/kgとの間の用量で与えられる。好ましくは、ボーラス投与として与えられ、ボーラス投与後4〜6時間循環レベルを10〜20倍まで増加させる。継続的な注入もまたボーラス投与後に用いられ得る。そうであれば、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、5μg/kg/分と20μg/kg/分との間の用量で、より好ましくは7μg/kg/分と15μg/kg/分との間の用量で注入され得る。
本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、敗血症性ショックの治療に効果的である他の薬剤と組み合わせて与えられ得る。例えば、以下のものが本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質と組み合わせて投与され得る:根元的な細菌感染を治療し得る抗生物質;細菌細胞壁成分に対するモノクローナル抗体;敗血症経路に関与するサイトカイン(腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン-1、γ-インターフェロン、およびインターロイキン-8を含むがこれらに制限されない)と複合体を形成し得るモノクローナル抗体および可溶性レセプター;および一般に、敗血症経路中のサイトカインまたは補体タンパク質と相互作用し得、それらの効果を減少させ、かつ敗血症または敗血症性ショックを減衰させる任意の薬剤またはタンパク質。
本発明に有用な抗生物質は一般的な部類の内の以下を含む:βラクタム環(ペニシリン)、グリコシド結合におけるアミノ糖類(アミノグリコシド)、大環状ラクトン環(マクロライド)、ナフタセンカルボキサミド(napthacenecarboxamide)の多環式誘導体(テトラサイクリン)、ジクロロ酢酸のニトロベンゼン誘導体、ペプチド(バシトラシン、グラミシジン、およびポリミキシン)、共役二重結合系大環状物(ポリエン)、スルファニルアミド(sulfanylarnides)由来のサルファ剤(スルホンアミド)、5-ニトロ-2-フラニル基(ニトロフラン)、キノロンカルボン酸(ナリジクス酸)、および他多数。他の抗生物質および上記の特定の抗生物質のさらなる改良体は、Encyclopedia of Chemical Technology、3版、Kirk-Othymer(編)、2巻、782〜1036頁(1978)および3巻、1〜78頁、Zinsser、MicroBiology、17版、W. Joklikら(編)235〜277頁(1980)、またはDorland’s Illustrated Medical Dictionary、27版、W.B. Saunders Company(1988)中に見出され得る。
本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質と組み合わせられ得る他の薬剤としては、敗血症経路に関与するサイトカインに対するモノクローナル抗体(PCT US90/07411に示されるような、IL-6またはM-CSFに対するモノクローナル抗体);米国特許第4,603,106に示されるような、TNFに対するモノクローナル抗体;PCT US90/03266およびPCT US93/06120に示されるような、TNFプロホルモン産生細胞からの成熟TNFプロホルモンを切断するタンパク質のインヒビター;PCT US91/02460に示されるような、IL-1のアンタゴニスト;PCT US90/00321に示されるような、アクチビンのようなIL-6サイトカイン作用のインヒビター;およびIL-1のような種々のサイトカインのレセプターに基づくインヒビターが挙げられる。補体タンパク質に対する抗体または補体タンパク質の小分子インヒビターもまた用いられ得る。
一般的に、本発明のVIIa/TF/Xa因子結合タンパク質は、損傷、外傷、内毒素、TNF、ガン、IL-1、または他の薬剤もしくは状態により引き起こされる組織因子のアップレギュレーションにより生じる疾患に有用であり得る。
実施例
本発明は以下の実施例に言及することにより例証される。この実施例は特に有益な実施態様を記載する。しかし、これら実施態様は例示であって、いかなるようにも発明を制限するものとして解釈されるものではない。
実施例1
シャトルベクターpBS24が、Barrら、EXPRESSION SYSTEMS & PROCESSES FOR rDNA PRODUCTS(American Chemical Society, 1991), 51〜64頁)に記載される。pBS24UbはpBS24.1の誘導体であり、そして唯一のBam HIおよびSal I制限部位、グルコース制御可能ADH2/GAPプロモーター、および合成ユビキチン(Ub)遺伝子を側面に有する発現カセットを含む。Ub融合体の構築のために、唯一のSst II部位をUb遺伝子の3’末端に作成する。Sst II部位の存在により、ユビキチン融合ペプチドを発現するヌクレオチド配列のインフレーム挿入が可能になる。挿入は合成DNAアダプターまたはPCR法の使用により遂げられ得る。合成DNAアダプター(リンカー)の使用法は当該分野において公知である。DNAおよびタンパク質の全ての酵素的修飾は酵素の製造者に提供される説明書に従ってなされる。PCRプロトコルはPCR PROTOCOLS:A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS, (編)Innis, Galfand, SninskyおよびWhite(Academic Press, 1990)に記載される。いずれの場合でも、5’結合配列は:
であり、そして3’クローニング部位(Sal I)は終止コドンの3’末端に可能な限り近接すべきである。
PCRを、図1に示される15.4kbプラスミドpLACI 4.1におけるユビキチン/TFPI遺伝子融合の構築に用いた。TFPIをコードする核酸を、配列番号21および配列番号22のプライマーで標準的なPCR手順を用いて増幅させた。配列番号21は、成熟TFPIをコードする核酸の5’末端の10ヌクレオチドとハイブリダイズし、そしてまたSst II制限部位を伴うユビキチン配列を含む。配列番号22は、成熟TFPIをコードする核酸の3’末端の15ヌクレオチドにハイブリダイズし、そしてまたSal I制限部位を伴う後続配列(trailing sequence)を含む。これらプライマーの配列は以下のとおりである:
増幅後、PCR産物を酵素の製造者により特定される条件を用いてSal IおよびSst IIにより消化した。次いで、消化PCR産物を上記のようにpBS24Ubにクローン化し、pLACI 4.1を生成した。pLACI 4.1で形質転換されたS. cerevisiae AB122株は1994年7月19日にATCCに寄託され、そして受託番号74291が与えられている。
pLACI 4.1をSaccharomyces cerevisiaeの3株の形質転換に用いた:VH6(MAT α, cir°, leu-2-112, -3, ura3, FoA, pep4::His3)、AB122(MAT α, cir°, leu2, ura3-52, prb1-1112, pep4-3, prel-407)、およびJSC310(AB122と同様、+ADR1過剰発現)。VH6形質転換体は総タンパク質の約5%のレベルのTFPIを産生し、AB122形質転換体は総タンパク質の約10%のレベルのTFPIを産生し、そしてJSC310形質転換体は総タンパク質の約15%のレベルのTFPIを産生した。本発明に従って発現されたTFPIは生物活性を有することが示され、これはTFPIがVIIa/TF因子およびXa因子の両方を阻害することを示した。
実施例2
TPFIが、プレプロα因子リーダーを有する完全長の融合タンパク質として発現された。pAB125を中間プラスミドとして用いて、α因子/TFPI融合タンパク質を構築した。(Changら、J. Immunol. 149:548-555(1992))。pAB125は、唯一のBamHI制限部位およびSalI制限部位、グルコース調節可能なADH2/GAPプロモーター、およびα因子プレプロリーダー配列、ならびにプロセッシング部位が隣接する発現カセットを含んでいる。α因子融合の構築のために、唯一のXbaI部位が、α因子リーダー配列の3’末端に生成されている。XbaI部位の存在は、α因子融合ペプチドとして発現するためのヌクレオチド配列のインフレーム挿入を可能にする。挿入は、合成DNAアダプターまたはPCR方法論の使用によって達成され得る。どちらの場合も、5’接合配列は以下であり
、そして3’クローニング部位(SalI)は、終止コドンの3’末端にできるだけ接近させるべきである。
PCRを、15.4kbPプラスミドpLACI2.1においてα因子/TFPI融合遺伝子を構築するために用いた。TFPIをコードする核酸を標準的なPCR手順を使用して、プライマー配列番号24および配列番号22を用いて増幅した。配列番号24は、成熟TFPIをコードする核酸の5’末端の22ヌクレオチドにハイブリダイズし、そしてまた上記のようにXbaI制限部位を有するα因子配列を含有する。配列番号22は、成熟TFPIをコードする核酸の3’末端の29ヌクレオチドおよびSalI制限部位を有するその後の配列にハイブリダイズする。配列番号24の配列は以下である:
増幅後、酵素の製造業者が明記する条件を用いて、PCR産物をSalIおよびXbaIで消化した。次いで、消化したPCR産物を、予めSalIおよびXbaIで消化したpAB125にクローン化した。α因子/TFPI融合タンパク質を含有するpAB125のBamHI-SalIフラグメントを単離し、そしてpBS24.1にサブクローニングしてpLACI2.1を作製した。
pLACI2.1を、S.cerevisiaeのVH6株およびAB122株を形質転換するために使用した。
実施例3
短縮型TFPI(成熟TFPIのアミノ酸1〜161を含有する)を、分泌のためにα因子融合タンパク質として発現させた。TFPIコード配列の調製を、本質的には実施例2のように達成した。ここでは、配列番号24および第2プライマーとして配列番号25を用いた。配列番号25は、TFPIコード配列内にハイブリダイズする。配列番号25の配列は以下である:
あるいは、短縮型TFPIは、ユビキチン融合タンパク質として発現され得、そして酵母細胞内から回収され得る。適切なコード配列を調製するために、LACI4およびLACI2プライマーを使用して、上記のようにpBS24-Ubにサブクローニングするためのコード領域を調製した。
実施例4
酵母振とうフラスコ培養物を、遠心分離によって採集し、そしてα因子-TFPIを含有する上清液を回収して0.8μメンブレンにより濾過した。TFPI培養物由来の細胞を遠心分離によってペレット化した。α因子-TFPIおよびユビキチンTFPI由来の細胞溶解物を、50mM Tris pH7.5、2mM EDTA, 50mM NaCl, 1mM PMSF中でガラスビーズを用いたボルテックスにより細胞ペレットを破砕することによって調製した。いくつかの場合において、細胞溶解物を、12000gで10分間、4℃で遠心分離することによって、可溶性画分および不溶性画分にさらに分画した。
TFPIの発現をSDS/PAGE、その後のクマシー染色またはTFPIの最初の15アミノ酸に対して惹起されるウサギ抗血清(NTP血清)を用いるウエスタンブロットによって検出した。細胞溶解物の可溶性画分および不溶性画分の分析を、図2Aおよび図2Bに示す。クマシー染色ゲル(上段)により、α因子-短縮型TFPI(アミノ酸1〜161)の可溶性画分(レーン2、図2Aおよび図2B)およびユビキチン-短縮型TFPI(アミノ酸1〜161)の不溶性画分(レーン5、図2Aおよび図2B)において、約21kDに移動する唯一のバンドの存在が示される。これらのバンドは、ウェスタンブロットによって短縮型TFPIを表すことが確認された(レーン2および5、図2B)。35kDに移動する完全長のTFPIは、クマシー染色およびウエスタンブロットによって、ユビキチン-TFPI溶解物の不溶性画分で検出され得(レーン6、図2AおよびB図2B)、そしてウエスタンブロットによって、α因子TFPI溶解物の可溶性画分で同定された(レーン3、図2B)。図2Aおよび図2Bのレーン1およびレーン4は、上記の非形質転換酵母細胞株から単離されたネガティブコントロールタンパク質である。
分泌されたTFPIの発現を、培養上清の分析によって検出した。タンパク質発現の生化学的分析は、SDS/PAGE、その後のクマシー染色またはNTP血清を用いるウエスタンブロットを包含した。短縮型TFPIは、1つの部位でN-グリコシル化され得、そして完全長のTFPIは3つの部位でN-グリコシル化による改変の可能性を有するので、上清サンプルを5倍濃縮し、Tris緩衝液に対して透析し、そして当業者(Genzyme)の推奨に従ってN-グリカナーゼで脱グリコシル化した。図3に示されるように、短縮型TFPIは、約21kDおよび25kDに移動する主要バンドとして、クマシー染色およびウェスタンブロットによって容易に検出可能であった(レーン2、図3Aおよび図3B)。25kDのバンドを、N-グリカナーゼ消化後に2重のバンドを21kDの単一バンドに変換することによって、グリコシル化された短縮型TFPIを示すこととして確認した(レーン5、図3Aおよび図3B)。分泌された完全長のTFPIは、N-グリカナーゼ処理の前には容易には同定されなかった(レーン3、図3Aおよび図3B)が、35kDのTFPIバンドは脱グリコシル化された後に観察され得た(レーン6、図3Aおよび図3B)。図3Aおよび図3Bのレーン1および4は、上記の非形質転換酵母細胞培養物から単離されたネガティブコントロールタンパク質を含んだ。
生物学的アッセイをTFPI培養物の細胞溶解物の上清および可溶性画分を用いて行った。プロトロンビン時間凝固アッセイ(Wunら、J. Biol. Chem. 265:16096(1990))により、短縮型TFPIを分泌する培養物由来の濃縮していない上清では、弱いTFPI活性が示されたが、細胞内で発現された短縮型TPFIおよび完全長TPFIの可溶性画分は、細胞内コントロールに比べてTFPI活性を示した。TFPIアッセイのより感度の高いアッセイである、第Xa因子活性の阻害(Wunら、前出)を、短縮型TPFIおよび完全長TPFIを産生する培養物由来の上清に対して行った。図4に示すように、ネガティブコントロール(V2)酵母培養物に比べると、有意な第Xa因子阻害活性が、短縮型TFPI(L161)および完全長TFPI(L-FL)を分泌する培養物由来の上清において明らかであった。
実施例5
TFPI内のN-結合グリコシル化の潜在的部位を、Innisら、前出において記載されるように、重複PCR(overlapping PCR)を用いて除去した。前記の実施例のように、TFPIコード配列をPCRによって調製し、pAB125にクローン化し、そして発現のために、pBS24.1にさらにサブクローニングした。
116位のアスパラギンをグルタミンで置換するために、以下の重複プライマーを使用する:
167位のアスパラギンをグルタミンで置換するために、以下の重複プライマーを使用する:
227位のアスパラギンをグルタミンで置換するために、以下の重複プライマーを使用する:
それぞれの場合において、LACI1およびLACI3プライマーを、クローニングのために必要なXbaI部位およびSalI部位を提供するために使用した。2つ以上の変異を導入すること、それにより別の潜在的なグリコシル化部位を排除するために、重複PCRの連続的な反復(round)を使用し得る。
実施例6
クニッツ型ドメイン1のP1反応部位中において、LysからArgへの置換を含有するTFPIの変異タンパク質を産生するために、pBS24Ub/TFPI1由来のBglII-SalIフラグメントをpSP72(Promegaから市販されている)へサブクローニングした。次いで、AvaIII-Bsp HIフラグメントを、以下のプライマーを用いて調製した:
第2のプライマーは天然の配列からの単一のミスマッチを含有しており、得られるフラグメントにおいて、LysからArgへの所望の変異を生じる。次いで、この変異配列を、以前にpSP72にクローン化したTFPIコード配列中のAvaIII-BspHIフラグメントを置き換えるために使用する。次いで、得られるプラスミドをSstIIおよびSalIで消化し、そして発現のためにpBS24-Ubにクローン化する。
実施例7
TFPIのクニッツ型ドメイン1が、TFPI-2のクニッツ型ドメイン1で置換されているキメラTFPIタンパク質をコードする構築物を、重複PCRを用いて調製した。SstII-BsmI制限フラグメントは、TFPI-2のクニッツ型ドメイン1およびTFPIのクニッツ型ドメイン2の部分を含んでおり、これは重複PCRにより作製される。プライマーの配列は以下である:
これらの2つのプライマーを、TFPI-2コード配列をテンプレートとして用いて93bpフラグメントを調製するために使用した。TFPI-2コード配列をPCRを用いてクローン化した。クローニングのためのプライマーは、Sprecherら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91:3353-3357(1994)において公表された配列に由来した。
次いで、54bpフラグメントをTFPIコード配列をテンプレートとして用い、および以下のプライマーを用いて調製した:
次いで、プライマーTFOLAおよびTFOLDを用いて重複PCRをプライマーを行い、これらの2つのフラグメントを連結させた。次いで、126bp産物をSstIIおよびBsmIで消化し、そしてpSP72/TFP1における等価なSstI-BsmIフラグメントと交換した。その後、この構築物をSstIIおよびSalIで消化し、そして得られたフラグメントを、発現のためにpBS24-Ubにクローン化した。
実施例8
ochI、mnnI、およびalg3変異を含有する酵母株を作製した結果、本発明の分泌されたTFPI分子に付随した、炭水化物の減少が生じた。この遺伝子を当業者に利用可能な配列に基づく標準的なPCR技術を用いてクローン化した。
OCH1、MNN1、およびALG3遺伝子における300bp以上の欠失を、これらの遺伝子のそれぞれのコード領域内に導入する。次いで、欠失された遺伝子を有する遺伝子をURA-3に基づく組換えベクターにクローン化した。その後、pop-in/pop-out置換ベクターを用いて、SchererおよびDavis, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 76:4951(1979)に記載されるように、3つそれぞれの野生型遺伝子を置き換えた。
上述の議論および実施例は、本発明を例証するのみであり、当業者には、本発明が他の方法で行われ得ること、そして本発明は請求の範囲を参照することによってのみ規定されることが理解される。さらに、前述の明細書において引用される全ての参考文献、特許、および特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
配列表
(1)一般的情報:
(i)出願人:インニス,マイケル エイ.
クリシー,アルバ エイ.
(ii)発明の名称:組織因子活性インヒビターTFPIおよびTFPI-2のキメラタンパク質および変異体
(iii)配列数:37
(iv)連絡住所:
(A)名称:カイロン コーポレイション
(B)番地:4560 ホートン ストリート
(C)市:エミリービル
(D)州:カリフォルニア
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:94608
(v)コンピューター読み出し形態:
(A)媒体型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC互換用
(C)OS:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0,バージョン #1.30B
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:US
(B)出願日:1994年8月5日
(C)分類:
(viii)代理人/事務所情報:
(A)氏名:サベレイド,ポール ビー.
(B)登録番号:36,914
(C)照会/記録番号:0990.001
(ix)電話回線情報:
(A)電話:510-601-2585
(B)テレファックス:510-655-3542
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特色:
(B)型:アミノ酸
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(i)配列の特色:
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(i)配列の特色:
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(i)配列の特色:
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(i)配列の特色:
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(i)配列の特色:
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(i)配列の特色:
(A)長さ:24塩基対
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(i)配列の特色:
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(ii)配列の種類:他の核酸
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(2)配列番号36の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:34塩基対
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(ii)配列の種類:他の核酸
(A)種類:/desc=「プライマー」
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(2)配列番号37の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:32塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)種類:/desc=「プライマー」
(xi)配列:配列番号37:
Claims (30)
- (a)と(b)との組み合わせ,(c)と(d)との組み合わせ、(c)と(b)との組み合わせ、および(a)と(d)との組み合わせからなる群より選択される少なくとも2つのドメインを含むキメラタンパク質であって:
該(a)は(i)配列番号2に示すアミノ酸配列または(ii)配列番号2のアミノ酸配列において、1もしくは数個の置換、付加もしくは欠失を有しかつ第VIIa因子/TF複合体の阻害活性を有する変異タンパク質からなる群より選択されるTFPI−2のクニッツ型ドメイン1、
該(b)は(i)配列番号3に示すアミノ酸配列または(ii)配列番号3のアミノ酸配列において、1もしくは数個の置換、付加もしくは欠失を有しかつ第Xa因子の阻害活性を有する変異タンパク質からなる群より選択されるTFPIのクニッツ型ドメイン2、
該(c)は(i)配列番号1に示すアミノ酸配列または(ii)配列番号1のアミノ酸配列において、1もしくは数個の置換、付加もしくは欠失を有しかつ第VIIa因子/TF複合体の阻害活性を有する変異タンパク質からなる群より選択されるTFPIのクニッツ型ドメイン1、および、
該(d)は(i)配列番号4に示すアミノ酸配列または(ii)配列番号4のアミノ酸配列において、1もしくは数個の置換、付加もしくは欠失を有しかつ第Xa因子の阻害活性を有する変異タンパク質からなる群より選択されるTFPI−2のクニッツ型ドメイン2;ここで、
該タンパク質は、クニッツ型ドメイン1および/またはクニッツ型ドメイン2において天然の全長TFPIと比べて減少したグリコシル化部分を有し、TFPIのクニッツ型ドメイン3もTFPI−2のクニッツ型ドメイン3もいずれも有しない、キメラタンパク質。 - 前記キメラタンパク質が、以下の一般構造で表される、請求項1に記載のキメラタンパク質:
A−(X1)a−B−(X2)b−C
ここで、
AおよびCは、独立して、任意の隣接ペプチドであり、該隣接ペプチドは0〜100のアミノ酸を含み;
Bは、任意のスペーサーペプチドであり、該スペーサーペプチドは0〜25のアミノ酸を含み;
X1の各々は、−D−K1−E−であり、
D、Eは、独立して、0〜25のアミノ酸のポリペプチドであり、
K1は、TFPIクニッツ型ドメインIまたはその変異タンパク質、あるいは、TFPI−2クニッツ型ドメイン1またはその変異タンパク質を含み;
X2の各々は、−F−K2−G−であり、
F、Gは、独立して、0〜25のアミノ酸のポリペプチドであり、
K2は、TFPIクニッツ型ドメイン2またはその変異タンパク質、あるいは、TFPI−2クニッツ型ドメイン2またはその変異タンパク質を含み;
a、bは、整数1であり;
A、B、C、D、E、F、Gは、天然TFPIまたはTFPI−2配列あるいは非天然配列の部分を含み得;そして、
この分子は、天然TFPIでもTFPI−2でもない、変異タンパク質。 - K1の各々がTFPI−2のクニッツ型ドメイン1またはその変異タンパク質であり;K2の各々がTFPIのクニッツ型ドメイン2またはその変異タンパク質である、請求項2に記載のキメラタンパク質。
- 前記キメラタンパク質の一次アミノ酸配列が、配列番号:19である、請求項1に記載のキメラタンパク質。
- 前記キメラタンパク質が第1および第2のアミノ酸配列を含み、該第1のアミノ酸配列が配列番号:19を含み、そして該第2のアミノ酸配列が以下からなる群から選択される、請求項1に記載のキメラタンパク質:
(a)配列番号:7;
(b)配列番号:8;
(c)配列番号:10;
(d)配列番号:11;
(e)配列番号:12;
(f)配列番号:13;
(g)配列番号:14;
(h)配列番号:15;
(i)配列番号:16;
(j)配列番号:17;および、
(k)配列番号:18。 - 前記キメラタンパク質が、以下の一般構造で表される、請求項1に記載のキメラタンパク質:
A−[X1−B−X2]c−C
ここで、
AおよびCは、任意の隣接ペプチドであり、該隣接ペプチドは、独立して、1〜100のアミノ酸を含み;
Bは、任意のスペーサーペプチドであり、該スペーサーペプチドは1〜25のアミノ酸を含み;
X1の各々は、−D−K1−E−であり、
D、Eは、独立して、1〜25のアミノ酸のペプチドであり、
K1は、TFPIまたはTFPI−2由来のクニッツ型ドメイン1、あるいは前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質であり;
X2の各々は、−F−K2−G−であり、
F、Gは、独立して、1〜25のアミノ酸のペプチドであり、
K2は、TFPIまたはTFPI−2由来のクニッツ型ドメイン2、あるいは前記クニッツ型ドメインの変異タンパク質であり;
cは、整数1である、キメラタンパク質。 - AまたはCが、TFPIのC末端テール(配列番号:7)またはTFPI−2のC末端テール(配列番号:8)を含む、請求項2または請求項6に記載のキメラタンパク質。
- 前記隣接ペプチドの少なくとも1つが、1つ以上の細胞表面成分と結合し得るアミノ酸配列を含む、請求項2または請求項6に記載のキメラタンパク質。
- 前記1つ以上の細胞表面成分と結合し得るアミノ酸配列が、グリコサミノグリカンと結合し得るアミノ酸配列である、請求項8に記載のキメラタンパク質。
- 前記グリコサミノグリカンと結合し得るアミノ酸配列が、ヘパリンと結合し得るアミノ酸配列である、請求項9に記載のキメラタンパク質。
- 前記ヘパリンと結合し得るアミノ酸配列が、タンパク質由来のヘパリン結合ドメインであり、該タンパク質が以下からなる群から選択される、請求項10に記載のキメラタンパク質:
(a)プロテアーゼネキシン−1;
(b)プロテアーゼネキシン−2;
(c)アンチトロンビンIII;
(d)ヘパリン補因子II;
(e)プロテインCインヒビター;
(f)血小板第4因子;
(g)ウシ膵臓トリプシンインヒビター;および、
(h)ギランテン関連インヒビター。 - 前記ヘパリンと結合し得るアミノ酸配列が、以下からなる群から選択されるヘパリン結合ドメインである、請求項10に記載のキメラタンパク質:
(a)配列番号:10;
(b)配列番号:11;
(c)配列番号:12;
(d)配列番号:13;
(e)配列番号:14;
(f)配列番号:15;
(g)配列番号:16;
(h)配列番号:17;および、
(i)配列番号:18。 - 前記隣接ペプチドが、TFPIのC末端テール(配列番号:7)またはTFPI−2のC末端テール(配列番号:8)を含む、請求項8に記載のキメラタンパク質。
- 前記タンパク質が酵母細胞で産生され、そして哺乳動物において免疫原性の炭水化物を含まない、請求項1に記載のキメラタンパク質。
- 前記タンパク質が、α−1,6−ポリマンノース末端炭水化物を含まない、請求項14に記載のキメラタンパク質。
- 請求項1に記載のキメラタンパク質をコードする核酸配列を含む、核酸であって、該キメラタンパク質は、クニッツ型ドメイン1および/またはクニッツ型ドメイン2におけるグリコシル化部分を減少させる、アミノ酸配列レベルでの変異を有するものである、核酸。
- 請求項1に記載のキメラタンパク質を産生し得る発現ベクターであって、請求項16に記載の核酸配列と、該キメラタンパク質の発現に適合性の発現制御配列とを含む、発現ベクター。
- キメラタンパク質を産生し得る形質転換宿主細胞であって、該形質転換宿主細胞は請求項17に記載の発現ベクターを含み、該発現ベクターが、該宿主細胞において作動可能な発現制御配列に作動可能に連結した発現制御配列をさらに含む、形質転換宿主細胞。
- 請求項1に記載のキメラタンパク質を産生する方法であって、
(a)該キメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含み、そして請求項1に記載のキメラタンパク質をコードする該ポリヌクレオチド配列の発現に適合性の発現制御配列をさらに含む発現ベクターを含む形質転換宿主細胞を提供する工程;
(b)請求項1に記載のキメラタンパク質をコードする該ポリヌクレオチド配列を発現させ得る条件下で、該形質転換宿主細胞をインキュベートする工程、
を包含する、方法。 - 前記宿主細胞が酵母細胞である、請求項19に記載の方法。
- 前記酵母細胞が、Candida albicans、Candida maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilis、Kluyveromyces lactis、Pichia guillerimondii、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、およびYarrowia lipolyticaからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
- 前記酵母細胞が、Saccharomyces cerevisiaeである、請求項21に記載の方法。
- 前記タンパク質が、前記酵母細胞内で保持される、請求項22に記載の方法。
- ユビキチンをコードするポリヌクレオチド配列が、インフレームで、前記タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列の直前に位置する、請求項23に記載の方法。
- ユビキチンをコードするポリヌクレオチド配列が、インフレームで、前記キメラタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列の直前に位置する、請求項23に記載の方法。
- 前記タンパク質が酵母細胞から分泌される、請求項22に記載の方法。
- 酵母α因子をコードするポリヌクレオチド配列が、インフレームで、前記タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列の直前に位置する、請求項26に記載の方法。
- 酵母α因子をコードするポリヌクレオチド配列が、インフレームで、前記キメラタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列の直前に位置する、請求項26に記載の方法。
- 前記酵母細胞がα−1,6−ポリマンノース末端炭水化物を産生するのを防止する、請求項22に記載の方法。
- 前記酵母細胞が、ochl、mnnlおよびalg3変異を有する、請求項29に記載の方法。
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