JP2013516389A - カリクレイン阻害剤による粘膜炎治療 - Google Patents

カリクレイン阻害剤による粘膜炎治療 Download PDF

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Abstract

粘膜炎治療のための単離カリクレイン阻害剤を含む方法、キットおよび組成物を開示する。
【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2009年1月6日に出願された米国仮出願第61/142,746号の優先権を主張する。先の出願の開示は本出願の開示の一部である(および参照することにより本出願の開示に組み込まれる)とみなされる。
粘膜炎は、高用量化学療法(CT)および/または放射線療法(RT)レジメンの普遍的かつ重篤な副作用であり、しばしば口、食道、咽頭および消化管の紅斑および有痛性潰瘍性病変として顕在化し、世界中で少なくとも600,000人の治療の成功を脅かす。癌細胞の死滅を目的としたこれらの細胞減少治療は、他の急増殖細胞(口および咽頭の内側ならびに消化管など)も無差別に破壊し得る。
粘膜炎の発現過程は複合的である。典型的には、粘膜炎症状はCT投与後5〜8日に発現し、約7〜14日間持続する。現在、粘膜炎の病理生物学は5相過程:開始、メッセンジャー生成を伴うシグナル伝達、増幅、潰瘍形成、および最終的な治癒として定義されている。
口腔および胃腸(GI)粘膜炎は、高用量化学療法および造血幹細胞移植(HSCT)施行患者の最大100%、放射線療法を施行する頭頸部悪性腫瘍患者の80%、ならびに化学療法を施行する広範囲の患者に影響を及ぼし得る。ほとんどの癌治療において、粘膜炎にかかる患者は約5〜15%である。しかしながら、5−フルオロウラシル(5−FU)により最大40%が粘膜炎となり、10〜15%が3〜4グレードの口腔粘膜炎にかかる。イリノテカン治療は、20%を超える患者において重度のGI粘膜炎に関連している。75〜85%の骨髄移植レシピエントが粘膜炎を発現し、そのうち口腔粘膜炎が、特にメルファラン使用時、最も普遍的であり、最も衰弱をもたらす。3グレードの口腔粘膜炎では、患者は固形食の食事ができず、4グレードの患者では摂飲もできない。頭頸部に対するまたは腹部や骨盤に対する放射線療法は3グレードおよび4グレードの口腔粘膜炎またはGI粘膜炎にそれぞれ関連しており、しばしば患者の50%を超える。頭頸部放射線療法を施行する患者間では、疼痛および口腔機能低下が療法終了後も長く持続し得る。分割線量では、ほとんどの試験において、70%を超える患者の粘膜炎リスクが上昇する。
口腔粘膜炎は、造血幹細胞移植のための骨髄毒性療法施行中に口腔粘膜炎を発現した患者により抗癌療法の最も衰弱させる副作用として確認されており、口腔粘膜炎患者の70%〜80%の最も重症な粘膜毒性に関連している。結果として生じる重度の口腔粘膜炎の罹患率は、オピオイド鎮痛薬を必要とするほど重度の疼痛、口および咽頭内潰瘍形成に起因する嚥下困難または嚥下不能(重症な場合、完全非経口栄養法(TPN)および再水和を必要とし得る)、患者の意思伝達能力を妨げ得る会話困難または会話不能を含み得る。重要点は、口腔粘膜炎の発現は、しばしば、疾患が可能な治療上の処置の潜在的な完全な便益を頻繁に限定するように、腫瘍学者による化学療法または放射線療法の完全用量およびレジメンの処方を妨げる。口腔粘膜炎という負担の発現は、病院費用を頭頸部癌患者で4,000米ドル、骨髄移植施行患者で43,000米ドル上乗せすると推定されている。
口腔粘膜炎の管理は主に支持的である。疼痛緩和を補助するには、角氷を吸うこと、抗酸化剤、およびうがい薬を含む多くの異なる方法がある。抗ヒスタミン剤、麻酔薬、抗炎症剤(コルチコステロイドなど)、抗生剤、および抗真菌剤を配合したいくつかのうがい薬が利用可能である。麻薬性鎮痛剤も疼痛緩和を補助することを示し得る。他の方法としては、抗菌剤、抗炎症剤、および良好な口腔ケアが挙げられる。
パリフェルミン(KEPIVANCE(商標))(ヒトケラチン生成細胞増殖因子(KGF))が口腔粘膜炎に対して承認されている唯一の薬剤であり、造血幹細胞支持/移植を必要とする骨髄毒性療法を受けている血液悪性腫瘍患者における重度の口腔粘膜炎の発現および期間を低減することが示されている。しかしながら、HSCTが示すのは癌集団の小さな部分集合であり、ほとんどの固形癌がKGF受容体を保有するため、この薬剤は潜在的に望ましくないアゴニスト作用を有し得る。したがって、癌のより大きな市場およびその治療に起因して生じる口腔粘膜炎に対してパリフェルミン(KEPIVANCE(商標))が適応となる見込みは非常に低い。HSCT以外のさらなる適応症試験が現在進行中であり、移植片対宿主疾患、頭頸部癌、結腸癌2/3期、多発性骨髄腫、リンパ腫および白血病、ならびに小児HSCT集団における薬剤の使用を含む。
したがって、粘膜炎の治療において満たされていない重要な必要性が残っている。
本明細書では、粘膜炎、特に口腔粘膜炎の治療方法を開示する。1つの態様では、本発明は、パリフェルミン(KEPIVANCE(商標))(ヒトケラチン生成細胞増殖因子(KGF))などの別の薬剤と任意に併用した、治療有効量の単離カリクレイン阻害剤の投与を含む粘膜炎の治療方法を提供する。本明細書に記載の方法は、有効量のカリクレイン阻害剤を投与することを含む。かかる量は、検出可能な改善を生じるのに十分な量であることもでき、少なくとも1つの症状を低減もしくは寛解するのに十分な量であることもでき、少なくとも1つの生理的パラメータを調節(例えば、改善)するのに十分な量であることもでき、またはより重度の疾病の発現を統計的に有意な程度予防するのに十分な量であることもできる。
本明細書では、粘膜炎(特に、口腔粘膜炎)の予防方法を開示する。1つの態様では、本発明は、(例えば、粘膜炎発現リスクのある対象において)、パリフェルミン(KEPIVANCE(商標))(ヒトケラチン生成細胞増殖因子(KGF))などの別の薬剤と任意に併用した、予防有効量の単離カリクレイン阻害剤の投与を含む粘膜炎の予防方法を提供する。本明細書に記載の方法は、有効量のカリクレイン阻害剤を投与することを含む。かかる量は、少なくとも1つの症状または1つの生理的パラメータを低減または遅延化または寛解するのに十分な量であることができる。粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、化学療法(例えば、高用量化学療法)および/または放射線療法レジメンを施行予定の、施行中の、または施行予定の対象であり得る。別の例では、粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、癌(例えば、頭頸部癌)と診断された対象であり得る。
本方法、組成物およびキットにおいて有用なカリクレイン阻害剤は、例えば、血漿カリクレイン(pKal)であってもよいし、または組織カリクレイン阻害剤であってもよい。いくつかの実施形態では、阻害剤は血漿カリクレイン阻害剤である。
本方法、組成物およびキットにおいて有用なカリクレイン阻害剤は、本明細書に記載の任意のKunitzドメインのポリペプチドであってもよいし、標準的なアッセイにおいて決定した場合にカリクレイン阻害剤ポリペプチドがカリクレインと結合するおよびカリクレインを阻害するのであれば、任意のかかるKunitzドメインを含むより大きなポリペプチドであってもよいし、カリクレイン結合タンパク質(例えば、抗体、例えば、抗血漿カリクレイン抗体)であってもよいし、または本明細書に記載の他のカリクレイン阻害剤であってもよい。
いくつかの実施形態では、カリクレイン阻害剤は、アミノ酸配列Glu Ala Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2)もしくはその断片(配列番号2の3〜60位のアミノ酸など)を含むまたはそれらからなる。
いくつかの実施形態では、カリクレイン阻害剤は、アミノ酸配列Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2の3〜60位のアミノ酸)を含むまたはそれらからなる。
いくつかの実施形態では、カリクレイン阻害剤は、血漿カリクレイン結合タンパク質(例えば、抗体、例えば、本明細書に記載の抗血漿カリクレイン抗体)を含む。
いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)は、本明細書に記載のタンパク質と同一エピトープと結合するまたは結合について競合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、X81−B01と同一エピトープと競合するまたは結合する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、X67−D03と同一エピトープと競合するまたは結合する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、プレカリクレイン(例えば、ヒトプレカリクレイン)と結合しないが、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)の活性形態と結合する。
ある実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレイン、またはその断片の触媒ドメインの活性部位またはその付近と結合するか、血漿カリクレインの活性部位と重複するエピトープと結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレインの触媒三連構造:His434、Asp483、および/またはSer578(ヒト配列に基づいてナンバリング)を形成するアミノ酸1個以上と結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、Ser479、Tyr563、および/またはAsp585(ヒト配列に基づいてナンバリング)のアミノ酸1個以上と結合する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、第XIIa因子および/またはブラジキニン産生を、基準値、例えば、タンパク質が存在しないことを除いて同一条件下の第XIIa因子および/またはブラジキニン産生と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、1000、500、100、または10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を有する。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。
別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、血漿カリクレイン結合タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。血漿カリクレイン結合タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。
他の実施では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、Fab2’、scFv、小体、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。
1つの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒトFcドメイン、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。
1つの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、霊長類Fcドメイン、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
1つの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるフレームワーク領域を含む。
ある実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は、口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および胃腸粘膜炎からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は口腔粘膜炎である。
いくつかの実施形態では、本方法は、さらにパリフェルミンを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、抗体、例えば、ヒト抗体)は重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、
前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は本明細書に記載のタンパク質の重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域を含み、ならびに/または
前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は本明細書に記載のタンパク質の軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域を含み、
前記タンパク質は、血漿カリクレインと結合する(例えば、および阻害する)。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域を含み、ならびに/または
免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域を(それぞれ)含む。
いくつかの実施形態では、重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域はX81−B01由来であり、および/または軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域はX81−B01由来である。
いくつかの実施形態では、重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域はX67−D03由来であり、および/または軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3(例えば、3)つのCDR領域はX67−D03由来である。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列は本明細書に記載のタンパク質の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列は本明細書に記載のタンパク質の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の重鎖可変ドメインを含み、ならびに/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の軽鎖可変ドメインを(それぞれ)含む。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はX81−B01の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はX81−B01の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列はX67−D03の重鎖可変ドメインを含み、および/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列はX67−D03の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、本明細書に記載のタンパク質の重鎖、および/または本明細書に記載のタンパク質の軽鎖を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の重鎖、ならびに/またはM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の軽鎖を(それぞれ)含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、X81−B01の重鎖、および/またはX81−B01の軽鎖を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、X67−D03の重鎖、および/またはX67−D03の軽鎖を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含む:(a)ヒトCDRもしくはヒトフレームワーク領域;(b)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1、2、もしくは3つ)含むこと;(c)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1、2、もしくは3つ)含むこと;(d)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること(例えば、全体もしくはフレームワーク領域もしくはCDRにおいて);(e)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること(例えば、全体もしくはフレームワーク領域もしくはCDRにおいて);(f)タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合したエピトープと結合する、もしくは本明細書に記載のタンパク質と結合について競合すること;(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域;(h)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR1と、少なくとも1個、かつ2もしくは3個のみアミノ酸が異なるCDR1を含む;(i)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR2と、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、6、7、もしくは8個のみアミノ酸が異なるCDR2を含む;(j)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR3と、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、もしくは6個のみアミノ酸が異なるCDR3を含む;(k)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR1と、少なくとも1個、かつ2、3、4、もしくは5個のみアミノ酸が異なるCDR1を含む;(l)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR2と、少なくとも1個、かつ2、3、もしくは4個のみアミノ酸が異なるCDR2を含む;(m)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR3と、少なくとも1個、かつ2、3、4、もしくは5個のみアミノ酸が異なるCDR3を含む;(n)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメイン由来の少なくとも1つ、だが2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のみアミノ酸が異なる(例えば、全体もしくはフレームワーク領域もしくはCDRにおいて);ならびに(o)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメイン由来の少なくとも1つ、だが2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のみアミノ酸が異なる(例えば、全体もしくはフレームワーク領域もしくはCDRにおいて)。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、1000、500、100、または10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を有する。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)ならびにM162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)(それぞれ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X81−B01の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)およびX81−B01の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の重鎖の対応するCDR由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、X67−D03の重鎖由来の重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)およびX67−D03の軽鎖の対応するCDR由来の軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、プレカリクレイン(例えば、ヒトプレカリクレイン)とは結合しないが、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)の活性形態と結合する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、基準値、例えば、タンパク質が存在しないことを除いて同一条件下の第XIIa因子および/またはブラジキニン産生と比較して、第XIIa因子および/またはブラジキニン産生を約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%超低減する。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、1000、500、100、または10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を有する。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。
別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。
他の実施では、タンパク質は、Fab2’、scFv、小体、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域(例えば、すべてのヒトフレームワーク領域)を含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメイン、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域を含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメイン、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるフレームワーク領域を含む。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は、口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および胃腸粘膜炎からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は口腔粘膜炎である。
いくつかの実施形態では、本方法はパリフェルミンを投与することをさらに含む。
1つの態様では、本発明は、粘膜炎治療用キットを提供する。キットは、単離カリクレイン阻害剤、および粘膜炎を呈するまたは粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)に阻害剤を投与するための説明書を含む。1つの実施形態では、キットは、さらに粘膜炎治療のためのさらなる治療用物質(例えば、パリフェルミン)投与の説明書を含み、任意に追加の治療用物質を含み得る。1つの実施形態では、説明書は、さらなる治療用物質の非存在下のカリクレイン阻害剤の投与レジメン、投与スケジュールおよび/または投与経路とは異なるカリクレイン阻害剤の投与レジメン、投与スケジュールおよび/または投与経路を提供する。粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、化学療法(例えば、高用量化学療法)および/または放射線療法レジメンを施行予定の、施行中の、または施行予定の対象であり得る。別の例では、粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、癌(例えば、頭頸部癌)と診断された対象であり得る。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は、口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および胃腸粘膜炎からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は口腔粘膜炎である。
いくつかの様相では、本開示はキットを特徴とし、ここでキットは、
単離カリクレイン阻害剤を含む容器;および
粘膜炎治療用の前記カリクレイン阻害剤の使用説明書
を含む。
いくつかの実施形態では、キットはさらにパリフェルミンを含む容器を含む。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は、口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および胃腸粘膜炎からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、粘膜炎は口腔粘膜炎である。
いくつかの様相では、本開示は、治療有効量の本明細書に記載の単離カリクレイン阻害剤および治療有効量のパリフェルミンを含む組成物を特徴とする。
別の様相では、粘膜炎の治療および/または予防用の薬物製造用の単離カリクレイン阻害剤の使用を本明細書に提供する。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細について、添付の図面および以下の説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本明細書および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
本出願を通して引用されたすべての引例、係属特許出願および公開特許の内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
プラスミドpPIC−K503中の例示的なカリクレイン阻害剤ポリペプチドに関するDNAおよびそれに応じて推測されたアミノ酸の一部を示す。挿入されたDNAは、囲み枠内のアミノ酸配列を有するPEP−1(DX−88)ポリペプチドのアミノ末端に融合した、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のmatαプレプロシグナルペプチドをコードする(下線)。囲み枠内に示したPEP−1ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号2であり、それに対応するヌクレオチドのコード配列は配列番号3である。破線の矢印は、シークエンシング鋳型を産生するのに用いたAOX領域中の2種のPCRプライマー配列の位置および方向を示す。図の完全ヌクレオチド配列に関するDNA配列は、融合タンパク質に関する構造的なコード配列を含み、配列番号27と指定されている。配列の二重下線部分は、診断プローブ配列を示す。BstBIおよびEcoRIは、この配列中におけるそれら個々のパリンドロームの六量体制限エンドヌクレアーゼ部位の位置を示す。星印は、翻訳終止コドンを示す。詳細については、本文を参照されたい。 例示的なアミノ酸配列、これらの変異体が誘導された天然型のLACI配列(配列番号32)、および他の既知のKunitzドメイン(配列番号29〜31および33〜53)の整列を示す。システイン残基を示す。 例示的なアミノ酸配列、これらの変異体が誘導された天然型のLACI配列(配列番号32)、および他の既知のKunitzドメイン(配列番号29〜31および33〜53)の整列を示す。システイン残基を示す。 非生殖系列化(X63−G06)およびROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体の生殖系列化、コドン至適化(X81−B01)バージョンの軽鎖DNA配列の整列を示す。星印()で示した位置は保存的であるのに対し、空白はX81−B01中でコドン至適化または生殖系列化のいずれかのために変異した塩基に相当する。 非生殖系列化(X63−G06)およびROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体の生殖系列化、コドン至適化(X81−B01)バージョンの軽鎖アミノ酸配列の整列を示す。星印()で示した位置は保存的であるのに対し、空白はX81−B01中で生殖系列化のために変異したアミノ酸に相当する。総計11個のアミノ酸が非生殖系列化(X63−G06)および生殖系列化、コドン至適化抗体(X81−B01)間で異なる。 非生殖系列化(X63−G06)およびROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体の生殖系列化、コドン至適化(X81−B01)バージョンの重鎖DNA配列の整列を示す。星印()で示した位置は保存的であるのに対し、空白はX81−B01中でコドン至適化のために変異したDNA塩基に相当する。 非生殖系列化(X63−G06)およびROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体の生殖系列化、コドン至適化(X81−B01)バージョンの重鎖アミノ酸配列の整列を示す。星印()で示した位置は保存的である。2つの抗体は重鎖中に同一のアミノ酸配列を有する。 X81−B01結合pKalに対するEPI−KAL2の競合を示す。X81−B01(IgG)を、CM5 BIACORE(商標)チップの抗ヒトFc断片特異的な表面上で捕獲した。1μMのEPI−KAL2の存在下(図の下センサーグラム)または非存在下(図の上センサーグラム)で、pKal(100nM)を表面上に流した。 X67−D03結合pKalに対するEPI−KAL2の競合を示す。X67−D03(IgG)を、CM5 Biacoreチップの抗ヒトFc断片特異的な表面上で捕獲した。1μMのEPI−KAL2の存在下(図の下センサーグラム)または非存在下(図の上センサーグラム)で、pKal(100nM)を表面上に流した。 表15に列挙する抗体のCLIPSエピトープマッピング結果を示す。 異種由来のpKal配列のClustalW整列を示す。「」で示した位置は間で保持された位置であり、対して「:」で示した位置は種間の保存的置換を示す。「.」で示した位置は一部の種における非保存的置換を有する。溶媒接触表面積の計算により、記号「@」で示したアミノ酸伸長は溶媒に高度に露出していることが示された。「+」で示したアミノ酸伸長を、表15に列挙する抗体の潜在的エピトープとして同定した。溶媒接触表面積の計算により、灰色で強調したアミノ酸は、Kunitzドメイン活性部位阻害剤と複合体を形成時に埋め込まれることを見出した。下線位置は触媒三連構造(His434、Asp483、およびSer578、ヒト配列に基づいてナンバリング)を形成するアミノ酸である。 異種由来のpKal配列のClustalW整列を示す。「」で示した位置は間で保持された位置であり、対して「:」で示した位置は種間の保存的置換を示す。「.」で示した位置は一部の種における非保存的置換を有する。溶媒接触表面積の計算により、記号「@」で示したアミノ酸伸長は溶媒に高度に露出していることが示された。「+」で示したアミノ酸伸長を、表15に列挙する抗体の潜在的エピトープとして同定した。溶媒接触表面積の計算により、灰色で強調したアミノ酸は、Kunitzドメイン活性部位阻害剤と複合体を形成時に埋め込まれることを見出した。下線位置は触媒三連構造(His434、Asp483、およびSer578、ヒト配列に基づいてナンバリング)を形成するアミノ酸である。 異種由来のpKal配列のClustalW整列を示す。「」で示した位置は間で保持された位置であり、対して「:」で示した位置は種間の保存的置換を示す。「.」で示した位置は一部の種における非保存的置換を有する。溶媒接触表面積の計算により、記号「@」で示したアミノ酸伸長は溶媒に高度に露出していることが示された。「+」で示したアミノ酸伸長を、表15に列挙する抗体の潜在的エピトープとして同定した。溶媒接触表面積の計算により、灰色で強調したアミノ酸は、Kunitzドメイン活性部位阻害剤と複合体を形成時に埋め込まれることを見出した。下線位置は触媒三連構造(His434、Asp483、およびSer578、ヒト配列に基づいてナンバリング)を形成するアミノ酸である。
本発明者らは、粘膜炎の(例えば、単離カリクレイン阻害剤の投与による口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および/または胃腸粘膜炎の)新規の治療方法を本明細書に提示する。
定義
便宜上、本発明をさらに詳述する前に、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で使用する特定の用語をここに定義する。
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈においてはっきりと別段の指摘がされない限り、複数形の指示対象を含む。
「抗体」という用語は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメインまたは免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質を指す。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書でVHと略す)、および軽(L)鎖可変領域(本明細書でVLと略す)を含むことができる。別の例では、抗体は2本の重(H)鎖可変領域および2本の軽(L)鎖可変領域を含む。「抗体」という用語は、抗体の抗原結合断片(例えば、単鎖抗体、FabおよびsFab断片、F(ab’)、Fd断片、Fv断片、scFv、およびドメイン抗体(dAb)断片(de Wildt et al., Eur J Immunol. 1996; 26(3):629−39.))ならびに完全抗体を包含する。抗体は、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM(ならびにこれらのサブタイプ)の構造特性を有し得る。抗体は、あらゆる供給源に由来し得るが、霊長類(ヒトおよび非ヒト霊長類)抗体および霊長類化抗体が好ましい。
VHおよびVL領域は、「フレームワーク領域」(「FR」)と呼ばれるさらに保存的な領域と共に散在する「相補性決定領域」(「CDR」)と呼ばれる超可変領域にさらに細分できる。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に定義されている(Kabat, E.A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242, and Chothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい。www.hgmp.mrc.ac.ukも参照されたい)。本明細書ではKabat(カバット)の定義を使用する。各VHおよびVLは、典型的には、3つのCDRおよび4つのFRから構成され、これらはアミノ末端からカルボキシ末端まで、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配置している。
抗体のVHまたはVL鎖は、重鎖または軽鎖定常領域のすべてまたは一部をさらに含み、それにより、免疫グロブリン重鎖または軽鎖をそれぞれ形成できる。1つの実施形態では、抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖および2本の免疫グロブリン軽鎖の四量体であり、ここで、免疫グロブリン重鎖および軽鎖は、例えば、ジスルフィド結合によって相互に連結している。IgGの場合、重鎖定常領域は、3つの免疫グロブリンドメイン(CH1、CH2およびCH3)を含む。軽鎖定常領域は、CLドメインを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、典型的には、宿主組織または因子(免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および従来の補体系の第一成分(Clq)を含む)への抗体の結合を媒介する。免疫グロブリン軽鎖は、κ型またはλ型であり得る。1つの実施形態では、抗体は、グリコシル化されている。抗体は、抗体依存性細胞傷害性および/または補体媒介細胞傷害性に機能的であり得る。
抗体の1つ以上の領域はヒトでもあり得、事実上ヒトでもあり得る。例えば、1つ以上の可変領域はヒトでもあり得、事実上ヒトでもあり得る。例えば、1つ以上のCDRは、ヒト(例えば、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3)であり得る。各軽鎖CDRはヒトであり得る。HC CDR3はヒトであり得る。1つ以上のフレームワーク領域は、ヒト(例えば、HCまたはLCのFR1、FR2、FR3、およびFR4)であり得る。例えば、Fc領域はヒトであり得る。1つの実施形態では、すべてのフレームワーク領域はヒトであり、例えば、ヒト体細胞(例えば、免疫グロブリンを産生する造血細胞または非造血細胞)由来である。1つの実施形態では、ヒト配列は(例えば、生殖系列核酸によってコードされる)生殖系列配列である。1つの実施形態では、選択されたFabのフレームワーク(FR)残基を、ほとんどの類似する霊長類生殖系列遺伝子(特に、ヒト生殖系列遺伝子)中の対応する残基のアミノ酸種類に変換できる。1つ以上の定常領域はヒトでもあり得、事実上ヒトでもあり得る。例えば、少なくとも70、75、80、85、90、92、95、98、または100%の免疫グロブリン可変ドメイン、定常領域、定常ドメイン(CH1、CH2、CH3、CL1)、または完全抗体はヒトでもあり得、事実上ヒトでもあり得る。
抗体のすべてまたは一部は、免疫グロブリン遺伝子またはそのセグメントによってコードすることができる。例示的なヒト免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α(IgA1およびIgA2)、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに多数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。完全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25KDaまたは約214個のアミノ酸)はNH2末端(約110個のアミノ酸)における可変領域遺伝子、およびCOOH末端におけるκまたはλ定常領域遺伝子によってコードされる。完全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50KDaまたは約446個のアミノ酸)は、同様に、可変領域遺伝子(約116個のアミノ酸)および他の上記の定常領域遺伝子の1つ、例えば、γ(約330個のアミノ酸をコードする)によってコードされる。HC CDR3が約3個のアミノ酸残基から35個超のアミノ酸残基まで異なるので、ヒトHCの長さは大きく変動する。
完全長抗体の「抗原結合断片」という用語は、目的の標的に特異的に結合する能力を保持した完全長抗体の1つ以上の断片を指す。完全長抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)Fab断片(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片);(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合により結合した2個のFab断片を含む二価断片であるF(ab’)断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546);ならびに(vi)機能性を保持する単離相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは別々の遺伝子によりコードされるが、それらは、VLおよびVH領域が対合して単鎖Fv(scFv)として知られる一価分子を形成するタンパク質単鎖として作製されることを可能にする合成リンカーにより、組換え方法を用いて結合できる。例えば、米国特許第5,260,203号、同第4,946,778号、および同第4,881,175号;Bird et al. (1988) Science 242:423−426;ならびにHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい。
抗体断片は、当業者に知られている従来技術を含む、適切なあらゆる技術を用いて得ることができる。「単一特異性抗体」という用語は、特定の標的(例えば、エピトープ)に対して単一の結合特異性および親和性を示す抗体を指す。この用語は「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」を含み、本明細書で使用する場合、抗体がどのように生成されたかを問わず、単一の分子組成物の抗体またはその断片の調製物を指す。
阻害定数(Ki)は、阻害効力の測定値を提供する;それは酵素活性を半分に減らすために必要であり、酵素または基質の濃度に依存しない阻害剤の濃度である。見かけのKi(Ki,app)は、反応(例えば、酵素活性)の程度に対する異なる濃度の阻害剤(例えば、阻害結合タンパク質)の阻害効果を測定することにより異なる基質濃度で得られる;モリソン式(式1)に阻害剤濃度の関数として擬1次速度定数の変化を当てはめることにより、見かけのKiの概算値が得られる。Kiは、Ki,app対基質濃度プロットの線形回帰分析から導いたy切片から得られる。
Figure 2013516389
式中、vは測定した速度;vは阻害剤なしの速度;Ki,appは見かけの阻害定数;Iは総阻害剤濃度;およびEは総酵素濃度。
本明細書で使用する「結合親和性」とは、見かけ上の結合定数つまりKaを指す。Kaは、解離定数(K)の逆数である。結合タンパク質は、例えば、特定の標的分子に対する結合親和性が少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1であり得る。第二の標的と比較して第一の標的への結合タンパク質のより高い親和性の結合は、第二の標的への結合に対するKa(またはK値)より高い第一の標的への結合に対するKa(またはより小さいK値)によって示すことができる。かかる場合、結合タンパク質は、第二の標的(例えば、第二の高次構造のタンパク質もしくはその模倣物;または第二のタンパク質)と比較して第一の標的(例えば、第一の高次構造のタンパク質またはその模倣物)に対して特異性を有する。(例えば、特異性または他の比較における)結合親和性の相違は、少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、37.5、50、70、80、91、100、500、1000、または10倍であり得る。
結合親和性は、平衡透析、平衡結合、ゲルろ過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光アッセイを使用する)を含む様々な方法により決定できる。結合親和性の例示的評価条件は、TRIS緩衝液(50mMのTRIS、150mMのNaCl、5mMのCaCl、pH7.5)である。これらの技術を使用して、結合タンパク質(または標的)濃度の関数として結合した結合タンパク質および遊離結合タンパク質の濃度を測定できる。結合した結合タンパク質の濃度([結合])は、以下の式:
[結合]=N・[遊離]/((1/Ka)+[遊離])
(式中、(N)は標的分子当たりの結合部位数である)によって遊離結合タンパク質の濃度([遊離])および標的上の結合タンパク質の結合部位の濃度と関連付けられる。
しかしながら、Kaは常に正確に決定する必要はない。なぜなら、時によっては、Kaに比例する親和性の定量的測定値(例えば、ELISAまたはFACS分析などの方法を用いて決定する)を得れば十分であり、したがって、比較のため(より高い親和性が、例えば、2倍高いかどうかの決定など)に使用して、例えば、機能アッセイ(例えば、in vitroまたはin vivoアッセイ)における活性によって親和性の定性的測定値を得るか親和性の推定値を得ることができるからである。
「結合タンパク質」という用語は、標的分子と相互作用し得るタンパク質を指す。この用語を「リガンド」と同義的に使用する。「血漿カリクレイン結合タンパク質」とは、血漿カリクレインと相互作用(例えば、結合)し得るタンパク質を指し、特に優先的にまたは特異的に血漿カリクレインと相互作用するおよび/または血漿カリクレインを阻害するタンパク質を含む。タンパク質は、タンパク質のない同一条件下の血漿カリクレイン活性と比較して血漿カリクレイン活性を低減する場合、血漿カリクレインを阻害する。いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は抗体である。
「カリクレイン阻害剤」という用語は、カリクレインを阻害する任意の物質または分子を指す。
「併用」という用語は、同一患者を治療するための2つ以上の薬剤または療法の使用を指し、これらの薬剤または療法の使用または作用は時間的に重複する。これらの薬剤または療法は(例えば、患者に投与する単一製剤としてまたは同時投与する2つの別々の製剤として)同時投与することも、任意の順序で順次投与することもできる。
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。
結合タンパク質の1つ以上のフレームワークおよび/またはCDRのアミノ酸残基が、本明細書に記載の結合タンパク質と比較して1つ以上の変異(例えば、置換(例えば、非必須アミノ酸の保存的置換または置換)、挿入、または欠失)を含むことが可能である。血漿カリクレイン結合タンパク質は、変異(例えば、置換(例えば、非必須アミノ酸の保存的置換または置換)、挿入、または欠失)(例えば、少なくとも1、2、3、もしくは4、ならびに/または15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、もしくは2個未満の変異)、本明細書に記載の結合タンパク質と比較して、例えば、タンパク質機能に対して大幅な影響を及ぼさない変異を有し得る。変異はフレームワーク領域、CDR、および/または定常領域に存在し得る。いくつかの実施形態では、変異はフレームワーク領域に存在する。いくつかの実施形態では、変異はCDRに存在する。いくつかの実施形態では、変異は定常領域に存在する。特定の置換が容認できるかどうか、すなわち、結合活性などの生体特性に悪影響を及ぼさないかどうかについては、例えば、変異が保存的であるかどうかを評価することによって、またはBowie, et al. (1990) Science 247:1306−1310の方法によって予想できる。
「事実上ヒトの」免疫グロブリン可変領域とは、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含む免疫グロブリン可変領域である。「事実上ヒト」抗体とは、抗体が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトアミノ酸位置を含む抗体である。
「エピトープ」とは、結合タンパク質(例えば、Fabまたは完全長抗体などの抗体)によって結合される標的化合物上の部位を指す。標的化合物がタンパク質である場合、この部位は、完全にアミノ酸成分から構成されるか、完全にタンパク質のアミノ酸の化学修飾(例えば、グリコシル部分)から構成されるか、またはそれらの組み合わせから構成され得る。重複エピトープは、少なくとも1つの共通のアミノ酸残基、グリコシル基、リン酸基、硫酸基、または他の分子の特徴を含む。
第一結合タンパク質(例えば、抗体)は、第二結合タンパク質(例えば、抗体)が結合する標的化合物上の同一部位と結合する場合、または例えば、第二結合タンパク質が結合する部位を有するアミノ酸配列または他の分子の特性(例えば、グリコシル基、リン酸基、または硫酸基)に関して重複(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、または100%重複)部位と結合する場合、第二結合タンパク質と「同一エピトープと結合する」。
第一結合タンパク質(例えば、抗体)は、第一結合タンパク質のエピトープに対する結合が第二結合タンパク質(例えば、抗体)のエピトープに対する結合量を(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または100%超)低減する場合、第二結合タンパク質と「結合について競合する」。競合は、直接的(例えば、第一結合タンパク質は第二結合タンパク質が結合するエピトープと同一であるか、または重複するエピトープと結合する)でもあり得、間接的(例えば、第一結合タンパク質のエピトープ結合は、標的化合物において、第二結合タンパク質のエピトープへの結合能を低減する立体的な変化を引き起こす)でもあり得る。
2配列間の「相同性」または「配列同一性」(これらの用語は本明細書において同義的に使用する)の計算を、以下のように行う。至適に比較できるように配列を整列させる(例えば、至適に整列するために第一および第二のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方にギャップを導入し、比較するために非相同配列を無視することができる)。ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5を使用したBlossum62スコアリング行列を有するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して、至適なスコアとして至適な整列を決定する。次いで、対応するアミノ酸の位置またはヌクレオチドの位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列中の位置が第二の配列中の対応する位置と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、その位置で分子は同一である(本明細書で使用する、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と同義である)。2配列間の同一率(%)は、配列が共有する同一の位置の数の関数である。
1つの好ましい実施形態では、比較のために整列させた基準配列の長さは、基準配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、よりさらに好ましくは少なくとも60%、よりさらに好ましくは少なくとも70%、80%、90%、92%、95%、97%、98%、または100%である。例えば、基準配列は、免疫グロブリン可変ドメイン配列の長さであり得る。
「ヒト化」免疫グロブリン可変領域は、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトで免疫原性応答を誘発しないように十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含むように修飾された免疫グロブリン可変領域である。「ヒト化」免疫グロブリンの説明としては、例えば、米国特許第6,407,213号および米国特許第5,693,762号が挙げられる。
本明細書で使用する「低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または超高ストリンジェンシー条件下のハイブリッド形成」という用語は、ハイブリッド形成および洗浄の条件を説明する。ハイブリッド形成反応を実施するためのガイダンスは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことができる。水性方法および非水性方法は、その参考文献に記載されており、いずれをも使用することができる。本明細書で参照する特異的ハイブリッド形成条件は以下のとおりである:(1)約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、続いて少なくとも50℃の0.2×SSC、0.1%SDS中で2回洗浄する低ストリンジェンシーハイブリッド形成条件(洗浄温度は、低ストリンジェンシー条件では55℃に上昇させることができる)、(2)約45℃での6×SSC、続いて60℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する中ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、(3)約45℃での6×SSC、続いて65℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、および(4)65℃での0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、続いて65℃の0.2×SSC、1%SDSで1回以上洗浄する超高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件。超高ストリンジェンシー条件(4)が好ましい条件であり、他で明記しない限り、これを使用すべきである。本開示には、低、中、高、または超高ストリンジェンシーで本明細書に記載の核酸またはその相補物(例えば、本明細書に記載の結合タンパク質をコードする核酸)とハイブリッド形成する核酸が含まれる。核酸は、基準核酸と同一の長さであり得るか、基準核酸の長さの30、20、または10%以内であり得る。核酸は、本明細書に記載の免疫グロブリン可変ドメイン配列をコードする領域に対応し得る。
「単離組成物」とは、単離組成物を得ることができる天然試料の少なくとも1つの成分の少なくとも90%から取り出された組成物を指す。人工的または天然に産生された組成物は、目的の種または種の集団が重量−重量ベースで少なくとも5、10、25、50、75、80、90、92、95、98、または99%の純度である場合、「少なくとも一定の純度の組成物」であり得る。
「単離」タンパク質とは、単離タンパク質を得ることができる天然試料の成分の少なくとも90%から取り出されたタンパク質を指す。目的の種または種の集団が重量−重量ベースで少なくとも5、10、25、50、75、80、90、92、95、98、または99%の純度である場合、「少なくとも」一定の純度のタンパク質であり得る。
「粘膜炎」という用語は、口から肛門まで下っている消化管内側の任意の粘膜の炎症を指す。粘膜炎は、任意の部分の消化管に関与する化学療法および放射線療法の共通の副作用である。「口腔粘膜炎」とは、口内粘膜に影響する粘膜炎を指す。「食道粘膜炎」とは、食道粘膜に影響する粘膜炎を指すのに対し、「咽頭粘膜炎」とは、咽頭粘膜に影響する粘膜炎を指す。「胃腸粘膜炎」とは、消化管粘膜に影響する粘膜炎を指す。
「必須」アミノ酸残基の変化が実質的な活性損失に至るのに対して、「非必須」アミノ酸残基は生体活性を消失せずまたはさらに好ましくは実質的に改変せず、結合剤(例えば、抗体)の野生型配列から改変できる残基である。
主題の方法により治療されるべき「患者」、「対象」または「宿主」(これらの用語を同義的に使用する)とは、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを意味し得る。
「カリクレイン」(例えば、組織および血漿カリクレイン)という用語は、ペプチダーゼ(タンパク質中のペプチド結合を切断する酵素)、セリンプロテアーゼファミリーのサブ群を指す。15個の既知の組織カリクレイン(KLK1、KLK2、KLK3、KLK4、KLK5、KLK6、KLK7、KLK8、KLK9、KLK10、KLK11、KLK12、KLK13、KLK14およびKLK15)および単一の血漿カリクレイン(KLKb1)がある。血漿カリクレインおよび組織カリクレイン1(KLK1)の両方ともキニノゲンを切断して、強力な炎症促進性ペプチドであるキニンを生成する。DX−88(本明細書において「PEP−1」とも呼ぶ)は、強力な(Ki<1nM)および特異的な血漿カリクレイン阻害剤(NP_000883)である。(例えば、WO95/21601号またはWO2003/103475号も参照されたい)。
KLKb1(血漿カリクレイン)のアミノ酸配列は以下のとおりである。
KLKb1
>gi|78191798|基準|NP_000883.2|血漿カリクレインB1前駆体[ヒト(Homo sapiens)]
MILFKQATYFISLFATVSCGCLTQLYENAFFRGGDVASMYTPNAQYCQMRCTFHPRCLLFSFLPASSINDMEKRFGCFLKDSVTGTLPKVHRTGAVSGHSLKQCGHQISACHRDIYKGVDMRGVNFNVSKVSSVEECQKRCTSNIRCQFFSYATQTFHKAEYRNNCLLKYSPGGTPTAIKVLSNVESGFSLKPCALSEIGCHMNIFQHLAFSDVDVARVLTPDAFVCRTICTYHPNCLFFTFYTNVWKIESQRNVCLLKTSESGTPSSSTPQENTISGYSLLTCKRTLPEPCHSKIYPGVDFGGEELNVTFVKGVNVCQなどTKMIRCQFFTYSLLPEDCKEEKCKCFLRLSMDGSPTRIAYGTQGSSGYSLRLCNTGDNSVCTTKTSTRIVGGTNSSWGEWPWQVSLQVKLTAQRHLCGGSLIGHQWVLTAAHCFDGLPLQDVWRIYSGILNLSDITKDTPFSQIKEIIIHQNYKVSEGNHDIALIKLQAPLNYTEFQKPICLPSKGDTSTIYTNCWVTGWGFSKEKGEIQNILQKVNIPLVTNEECQKRYQDYKITQRMVCAGYKEGGKDACKGDSGGPLVCKHNGMWRLVGITSWGEGCARREQPGVYTKVAEYMDWILEKTQSSDGKAQMQSPA
DX−2300および関連抗体は、組織カリクレイン1(AAH05313.1)の強力かつ特異的な阻害剤である。DX−2300(「M0131−F07」とも呼ぶ)は米国特許第7,329,737号に記載されている。
KLK1
>gi|13529059|gb|AAH05313.1|カリクレイン1[ヒト(Homo sapiens)]
MWFLVLCLALSLGGTGAAPPIQSRIVGGWECEQHSQPWQAALYHFSTFQCGGILVHRQWVLTAAHCISDN
YQLWLGRHNLFDDENTAQFVHVSESFPHPGFNMSLLENHTRQADEDYSHDLMLLRLTEPADTITDAVKVV
ELPTQEPEVGSTCLASGWGSIEPENFSFPDDLQCVDLKILPNDECKKVHVQKVTDFMLCVGHLEGGKDTC
VGDSGGPLMCDGVLQGVTSWGYVPCGTPNKPSVAVRVLSYVKWIEDTIAENS
本明細書で使用する「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、経腸および局所投与以外の投与方法を意味し、通常、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内への注射および点滴が挙げられるが、これらに限定されない注射による。
対象の疾患の「予防」という用語は、対象に薬物治療を供すること(例えば、薬剤投与)を指し、疾患の少なくとも1つの症状が予防されるように、すなわち、望ましくない容態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない容態)の発現から宿主を保護するように望ましくない容態の臨床的顕在化の前に投与されることである。疾患の少なくとも疾患の「予防」は「予防法」または「予防治療」とも呼び得る。
「予防有効量」とは、所望の予防成果を達成するために必要な投与量および期間で有効な量を指す。典型的には、予防用量は疾患の前または初期段階の対象に使用されるため、予防有効量は治療有効量より少ない。
本明細書で使用する「実質的に同一」(または「実質的に相同」)という用語は、第一および第二のアミノ酸または核酸配列が類似の活性(例えば、結合活性、結合優先性、または生体活性)を有する(またはこれらを有するタンパク質をコードする)ように第二のアミノ酸または核酸配列と同一または等価な(例えば、類似の側鎖、例えば、保存的アミノ酸置換を有する)アミノ酸残基またはヌクレオチドを十分な数で含む第一のアミノ酸または核酸配列を指すために本明細書で使用する。抗体の場合、第二の抗体は、同一の抗原に対して同一の特異性を有し、少なくとも50%、少なくとも25%、または少なくとも10%の親和性を有する。
本明細書に開示の配列と類似または相同な(例えば、少なくとも約85%配列同一性)配列も本出願の一部である。いくつかの実施形態では、配列同一性は、約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超え得る。いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載の結合タンパク質と約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%超の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載の結合タンパク質とHCおよび/またはLCフレームワーク領域(例えば、HCおよび/またはLC FR1、2、3、および/または4)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%超の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載の結合タンパク質とHCおよび/またはLC CDR(例えば、HCおよび/またはLC CDR1、2、および/または3)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%超の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載の結合タンパク質と定常領域(例えば、CH1、CH2、CH3、および/またはCL1)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%超の配列同一性を有し得る。
さらに、核酸セグメントが選択的ハイブリッド形成条件下(例えば、高ストリンジェントなハイブリッド形成条件下)で鎖の相補物とハイブリッド形成する場合、実質的な同一性が存在する。核酸は、完全細胞、細胞溶解物、部分精製形態、または実質的に純粋な形態で存在し得る。
生体ポリマーのモチーフ配列は、アミノ酸が異なり得る位置を含み得る。例えば、かかる文脈中の記号「X」は、一般に、別段の指定のない限り、任意のアミノ酸(例えば、20種の天然アミノ酸のいずれか)を指し、例えば、システイン以外の任意のアミノ酸を指す。他の許容されるアミノ酸を、例えば、丸括弧および斜線を用いて示すこともできる。例えば、「(A/W/F/N/Q)」とは、アラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、アスパラギン、およびグルタミンが、その特定の位置で許容されることを意味する。
統計的有意性は当該技術分野で既知の任意の方法により決定できる。例示的な統計的検定としては、スチューデントT検定、マンホイットニーUのノンパラメトリック検定、およびウィルコクソンのノンパラメトリック統計検定が挙げられる。いくつかの統計的に有意な関係は0.05または0.02未満のP値を有する。特定の結合タンパク質は、(例えば、特異性または結合において)統計的有意差(例えば、P値<0.05または0.02)を示し得る。例えば、2つの状態間の識別可能な定性的または定量的差異を示す、「誘発する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇する」、「増大する」、「低減する」などの用語は、2つの条件間の差異(例えば、統計的有意差)を指し得る。
「治療有効量」とは、所望の治療成果を達成するために必要な投与量および期間で有効な量を指す。組成物の治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および体重、ならびに個体の所望の応答を誘発するタンパク質の能力などの要因に応じて変わり得る。治療有効量はまた、組成物のいかなる毒性作用または有害作用よりも治療に有利な効果が勝る量である。
「治療有効投与量」は、好ましくは、測定可能なパラメータ(例えば、視覚的に評価した粘膜炎の程度)を統計的に有意な程度調節する。例えば、治療有効投与量は、治療前の症状と比較して、粘膜炎症状の程度を少なくとも約20%、さらに好ましくは少なくとも約40%、よりさらに好ましくは少なくとも約60%、それよりさらに好ましくは少なくとも約80%低減し得る。測定可能なパラメータ(例えば、疾患関連パラメータ)を調節する化合物の能力は、ヒトの障害および容態における有効性を予想する動物モデル系(例えば、ハムスターまたは齧歯類モデルにおける口腔粘膜炎)で評価できる。あるいは、組成物のこの特性は、化合物のin vitroでのパラメータ調節能力を検討することにより評価できる。
対象における粘膜炎の「治療」または粘膜炎を呈する対象の「治療」とは、対象を医薬治療(例えば、疾患の少なくとも1つの症状が治癒、緩和または低減するような薬剤投与)に供することを指す。粘膜炎の「治療」は、以下のパラメータの任意の1つにより評価し得る。
・粘膜炎の発現頻度の低下(または)
・任意の所定の疾患重症度レベルにおける粘膜炎の持続期間の短縮(または)
・治療中の任意の経過時点における粘膜炎発現の重症度(1〜4グレード)の低減(または)
・粘膜炎の、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない任意の関連兆候もしくは症状の低減:
o疼痛
o浮腫
o紅斑
o続発性細菌性コロニー形成
o食物消費(固形物、液体)の制限
o疲労
o非治療患者集団と比較した、治療集団における化学療法もしくは放射線療法のより高用量もしくは反復用量に対する耐容能
カリクレイン阻害剤
Kunitzドメイン阻害剤。いくつかの有用なカリクレイン阻害剤(組織カリクレインおよび/または血漿カリクレインのいずれか)は、Kunitzドメインを含む。
本明細書で使用する「Kunitzドメイン」とは、少なくとも51個のアミノ酸を有し、少なくとも2個、好ましくは3個のジスルフィドを含むポリペプチドドメインである。このドメインは折りたたまれて、1番目と6番目のシステイン、2番目と4番目、3番目と5番目のシステインがジスルフィド結合を形成する(例えば、58個のアミノ酸を有するKunitzドメインでは、以下に提示するBPTI相同配列の番号によれば、5、14、30、38、51、および55位のアミノ酸に相当する位置にシステインが存在し得、5〜55位、14〜38位、および30〜51位のシステイン間でジスルフィドが形成され得る)か、または、2個のジスルフィドが存在する場合には、それらは、対応するシステインの部分集合の間で形成され得る。それぞれのシステインの間隔は、以下に提示するBPTI配列の番号によれば、5〜55位、14〜38位、および30〜51位に相当する位置で、7、5、4、3、2、1または0個以内のアミノ酸の間隔であり得る。BPTI配列は、任意の一般的なKunitzドメインにおける特定の位置を示すための参照として使用することができる。目的のKunitzドメインとBPTIとの比較は、整列したシステインの数が最大になる至適な整列を同定して実施できる。
BPTIのKunitzドメインの3D構造が(高解像度で)分かっている。X線構造の1つが、ブルックヘブンタンパク質データバンク(Brookhaven Protein Data Bank)に「6PTI」として寄託されている。いくつかのBPTIホモログの3D構造(Eigenbrot et al., (1990) Protein Engineering, 3(7):591−598; Hynes et al., (1990) Biochemistry, 29:10018−10022)が知られている。少なくとも81種類のKunitzドメイン配列が知られている。既知のヒトホモログとしては、LACIの3つのKunitzドメイン(Wun et al., (1988) J. Biol. Chem. 263(13):6001−6004; Girard et al., (1989) Nature, 338:518−20; Novotny et al, (1989) J. Biol. Chem., 264(31):18832−18837)、インター−α−トリプシン阻害剤APP−Iの2つのKunitzドメイン(Kido et al., (1988) J. Biol. Chem., 263(34):18104−18107)、コラーゲンのKunitzドメイン、TFPI−2の3つのKunitzドメイン(Sprecher et al., (1994) PNAS USA, 91:3353−3357)、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤の第一のKunitz型ドメイン、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤の第二のKunitz型ドメイン、米国特許出願公開第2004−0152633号に記載のKunitzドメインが挙げられる。LACIは、3つのKunitzドメインを含む、分子量39kDa(表1のアミノ酸配列)のヒト血清リン糖タンパク質である。
Figure 2013516389
上記のKunitzドメインは、LACI−K1(50〜107位の残基)、LACI−K2(121〜178位の残基)、およびLACI−K3(213〜270位)と呼ばれる。LACIのcDNA配列は、Wun et al. (J. Biol. Chem., 1988, 263(13):6001−6004)で報告されている。Girard et al. (Nature, 1989, 338:518−20)は、これら3つのKunitzドメインそれぞれのP1残基が改変された変異試験を報告している。LACI−K1は、第VIIa因子(F.VIIa)が組織因子と複合体を形成するとF.VIIaを阻害し、LACI−K2は、第Xa因子を阻害する。
例示的なKunitzドメインを含むタンパク質には以下のものがある。括弧内は、SWISS−PROT寄託番号である:
A4_HUMAN(P05067)、A4_MACFA(P53601)、A4_MACMU(P29216)、
A4_MOUSE(P12023)、A4_RAT(P08592)、A4_SAISC(Q95241)、
AMBP_PLEPL(P36992)、APP2_HUMAN(Q06481)、APP2_RAT(P15943)、
AXP1_ANTAF(P81547)、AXP2_ANTAF(P81548)、BPT1_BOVIN(P00974)、
BPT2_BOVIN(P04815)、CA17_HUMAN(Q02388)、CA36_CHICK(P15989)、
CA36_HUMAN(P12111)、CRPT_BOOMI(P81162)、ELAC_MACEU(O62845)、
ELAC_TRIVU(Q29143)、EPPI_HUMAN(O95925)、EPPI_MOUSE(Q9DA01)、
HTIB_MANSE(P26227)、IBP_CARCR(P00993)、IBPC_BOVIN(P00976)、
IBPI_TACTR(P16044)、IBPS_BOVIN(P00975)、ICS3_BOMMO(P07481)、
IMAP_DROFU(P11424)、IP52_ANESU(P10280)、ISC1_BOMMO(P10831)、
ISC2_BOMMO(P10832)、ISH1_STOHE(P31713)、ISH2_STOHE(P81129)、
ISIK_HELPO(P00994)、ISP2_GALME(P81906)、IVB1_BUNFA(P25660)、
IVB1_BUNMU(P00987)、IVB1_VIPAA(P00991)、IVB2_BUNMU(P00989)、
IVB2_DABRU(P00990)、IVB2_HEMHA(P00985)、IVB2_NAJNI(P00986)、
IVB3_VIPAA(P00992)、IVBB_DENPO(P00983)、IVBC_NAJNA(P19859)、
IVBC_OPHHA(P82966)、IVBE_DENPO(P00984)、IVBI_DENAN(P00980)、
IVBI_DENPO(P00979)、IVBK_DENAN(P00982)、IVBK_DENPO(P00981)、
IVBT_ERIMA(P24541)、IVBT_NAJNA(P20229)、MCPI_MELCP(P82968)、
SBPI_SARBU(P26228)、SPT3_HUMAN(P49223)、TKD1_BOVIN(Q28201)、
TKD1_SHEEP(Q29428)、TXCA_DENAN(P81658)、UPTI_PIG(Q29100)、
AMBP_BOVIN(P00978)、AMBP_HUMAN(P02760)、AMBP_MERUN(Q62577)、
AMBP_MESAU(Q60559)、AMBP_MOUSE(Q07456)、AMBP_PIG(P04366)、
AMBP_RAT(Q64240)、IATR_HORSE(P04365)、IATR_SHEEP(P13371)、
SPT1_HUMAN(O43278)、SPT1_MOUSE(Q9R097)、SPT2_HUMAN(O43291)、
SPT2_MOUSE(Q9WU03)、TFP2_HUMAN(P48307)、TFP2_MOUSE(O35536)、
TFPI_HUMAN(P10646)、TFPI_MACMU(Q28864)、TFPI_MOUSE(O54819)、
TFPI_RABIT(P19761)、TFPI_RAT(Q02445)、YN81_CAEEL(Q03610)
様々な方法を用いて、配列データベースからKunitzドメインを同定することができる。例えば、あるKunitzドメインの既知のアミノ酸配列、コンセンサス配列またはモチーフ(例えば、ProSiteのモチーフ)を、GenBank配列データベース(National Center for Biotechnology Information, National Institutes of Health, Bethesda MD)に対して、例えば、BLASTを用いて;HMM(隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model))のPfamデータベースに対して(例えば、Pfam検索の初期設定パラメータを用いて);SMARTデータベースに対して;または、ProDomデータベースに対して検索することができる。例えば、Pfamリリース9のPfam寄託番号PF00014は、多数のKunitzドメインと、Kunitzドメインを同定するためのHMMを提示している。Pfamデータベースについての説明は、Sonhammer et al. (1997) Proteins 28(3):405−420に見出すことができ、HMMの詳細な説明は、例えば、Gribskov et al. (1990) Meth. Enzymol. 183:146−159; Gribskov et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:4355−4358; Krogh et al. (1994) J. Mol. Biol. 235:1501−1531;およびStultz et al. (1993) Protein Sci. 2:305−314に見出すことができる。HMMのSMARTデータベース(調節因子構造研究用簡易ツール(Simple Modular Architecture Research Tool, EMBL, Heidelberg, DE)は、Schultz et al. (1998), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:5857およびSchultz et al. (2000) Nucl. Acids Res 28:231に記載のとおりである。SMARTデータベースは、HMMer2検索プログラム(R. Durbin et al. (1998) Biological sequence analysis: probabilistic models of proteins and nucleic acids. Cambridge University Press)の隠れマルコフモデルを用いてプロファイリングすることによって同定されたドメインを含む。また、このデータベースは、註釈が付され、また追跡調査されている。ProDomタンパク質ドメインデータベースは、相同性ドメインを自動的に編集したものからなる(Corpet et al. (1999), Nucl. Acids Res. 27:263−267)。ProDomの最新バージョンは、SWISS−PROT38およびTREMBLタンパク質データベースの帰納的PSI−BLAST検索(Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389−3402; Gouzy et al. (1999) Computers and Chemistry 23:333−340.)を用いて構成されている。このデータベースは、各ドメインのコンセンサス配列を自動的に作成している。ProSiteは、Kunitzドメインをモチーフとして列挙し、Kunitzドメインを含むタンパク質を同定している。例えば、Falquet et al. Nucleic Acids Res. 30:235−238(2002)を参照されたい。
Kunitzドメインは、主に、2つのループ領域(「結合ループ」)中のアミノ酸を用いて、標的となるプロテアーゼと相互作用する。第一のループ領域は、BPTIの約13〜20位のアミノ酸に相当する残基の間にある。第二のループ領域は、BPTIの約31〜39位のアミノ酸に相当する残基の間にある。例示的なKunitzドメインのライブラリーは、第一および/または第二のループ領域内で1個以上のアミノ酸の位置を変更している。変更するのに特に有用な位置は、カリクレインと相互作用するKunitzドメインをスクリーニング時、または改善された親和性変異体のために選択時、BPTI配列の13、15、16、17、18、19、31、32、34、および39位が挙げられる。これらの位置の少なくとも一部は、標的プロテアーゼと密接すると予期される。他の位置、例えば、3次元構造において上記の位置に隣接している位置を変更することも有用である。
Kunitzドメインの「フレームワーク領域」は、Kunitzドメインの一部の残基であると定義されるが、具体的には、第一および第二の結合ループ領域内の残基、すなわち、BPTIのアミノ酸の13〜20位および31〜39位に相当する残基を除外している。逆に言えば、結合ループにない残基は、より広範なアミノ酸置換(例えば、保存的置換および/または非保存的置換)を許容し得る。
1つの実施形態では、これらのKunitzドメインは、ヒトリポタンパク質結合性凝固阻害剤(LACI)タンパク質のKunitzドメイン1を含むループ化された構造の変異型である。LACIは、パラダイムKunitzドメインである3種の内部の特定のペプチドループ構造を含む(Girard, T. et al., 1989. Nature, 338:518−520)。本明細書に記載のLACIのKunitzドメイン1の変異体は、スクリーニングされて単離されており、これらは、カリクレインと強化された親和性および特異性で結合する(例えば、米国特許第5,795,865号および同第6,057,287号を参照されたい)。これらの方法は、カリクレイン(例えば、血漿カリクレイン)と相互作用する他のKunitzドメインを得るために、他のKunitzドメインのフレームワークに適用することもできる。カリクレインの結合および阻害アッセイを用いて決定したところ、カリクレイン機能の有用な調節因子は、典型的には、カリクレインと結合するおよび/またはカリクレインを阻害する。
血漿カリクレインを阻害するKunitzドメインを含む例示的なポリペプチドは、配列番号2の3〜60位のアミノ酸で定義されたアミノ酸配列を有するまたは含む。血漿カリクレインを阻害するKunitzドメインを含む別の例示的なポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を有するまたは含む。
例示的なポリペプチドは、以下のアミノ酸配列、
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Cys Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Gly Xaa13 Cys Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Cys Xaa31 Xaa32 Phe Xaa34 Xaa35 Gly Gly Cys Xaa39 Xaa40 Xaa41 Xaa42 Xaa43 Xaa44 Xaa45 Xaa46 Xaa47 Xaa48 Xaa49 Xaa50 Cys Xaa52 Xaa53 Xaa54 Cys Xaa56 Xaa57 Xaa58(配列番号1)を含む。
「Xaa」とは、ペプチド鎖中の位置を指し、多数の異なるアミノ酸のいずれであることもできる。最初の例では、Xaaは、システイン以外の任意のアミノ酸であり得る。別の例では、1つ以上の以下が適用される:Xaa10はAspまたはGluであり得;Xaa11はAsp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、AlaまたはThrであり得;Xaa13はPro、Arg、His、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、LysまたはGlnであり得;Xaa15はArg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、AsnまたはGlnであり得;Xaa16はAla、Gly、Ser、AspまたはAsnであり得;Xaa17はAla、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、GlnまたはThrであり得;Xaa18はHis、Leu、GlnまたはAlaであり得;Xaa19はPro、Gln、Leu、AsnまたはIleであり得;Xaa21はTrp、Phe、Tyr、HisまたはIleであり得;Xaa31はGlu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、IleまたはThrであり得;Xaa32はGlu、Gln、Asp、Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、GlyまたはValであり得;Xaa34はIle、Thr、Ser、Val、Ala、Asn、GlyまたはLeuであり得;Xaa35はTyr、TrpまたはPheであり得;Xaa39はGlu、Gly、Ala、SerまたはAspであり得る。アミノ酸Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、Xaa20、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27、Xaa28、Xaa29、Xaa41、Xaa42、Xaa44、Xaa46、Xaa47、Xaa48、Xaa49、Xaa50、Xaa52、Xaa53およびXaa54は任意のアミノ酸であり得る。
加えて、配列番号1の最初の4個(Xaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4)および最後の3個(Xaa56、Xaa57またはXaa58)のアミノ酸はそれぞれ、任意に存在することも存在しないこともでき、存在する場合は、任意のアミノ酸(例えば、システイン以外の任意のアミノ酸)であり得る。
1つの実施形態では、ポリペプチドは、1つ以上の以下の特徴を有する配列を有する:Xaa11はAsp、Gly、SerもしくはValであり得;Xaa13はPro、Arg、HisもしくはAsnであり得;Xaa15はArgもしくはLysであり得;Xaa16はAlaもしくはGlyであり得;Xaa17はAla、Asn、SerもしくはIleであり得;Xaa18はHis、LeuもしくはGlnであり得;Xaa19はPro、GlnもしくはLeuであり得;Xaa21はTrpもしくはPheであり得;Xaa31はGluであり;Xaa32はGluもしくはGlnであり得;Xaa34はIle、ThrもしくはSerであり得;Xaa35はTyrであり;ならびにXaa39はGlu、GlyもしくはAlaであり得る。
例示的なポリペプチドは、以下のアミノ酸を含み得る:Xaa10はAspであり;Xaa11はAspであり;Xaa13はProもしくはArgであり得;Xaa15はArgであり;Xaa16はAlaもしくはGlyであり得;Xaa17はAlaであり;Xaa18はHisであり;Xaa19はProであり;Xaa21はTrpであり;Xaa31はGluであり;Xaa32はGluであり;Xaa34はIleもしくはSerであり得;Xaa35はTyrであり;ならびにXaa39はGlyである。
本明細書に記載のポリペプチドの一部を使用することも可能である。例えば、ポリペプチドは、特定のカリクレインエピトープに関する結合ドメインを含み得る。例えば、Kunitzドメインの結合ループは、環化して別々に使用することもでき、別のドメイン(例えば、別のKunitzドメインのフレームワーク)にグラフト化することもできる。本明細書に記載のアミノ酸配列のN末端から1、2、3、もしくは4個のアミノ酸、ならびに/または本明細書に記載のアミノ酸配列のC末端から1、2、3、4、もしくは5個のアミノ酸を除去することも可能である。
配列番号1に包含される配列の例は、以下のとおりである(特に指定のない限り、「Xaa」とはシステイン以外の任意のアミノ酸を指す)。
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Xaa10 Xaa11 Gly Xaa13 Cys Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Arg Xaa21 Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Xaa31 Xaa32 Phe Xaa34 Xaa35 Gly Gly Cys Xaa39 Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号33)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2の3〜60位のアミノ酸)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Asn His Leu Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号4)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Lys Ala Asn His Gln Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Thr Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号5)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Lys Ala Asn His Gln Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Gln Phe Thr Tyr Gly Gly Cys Ala Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号6)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Lys Ala Ser Leu Pro Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号7)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Lys Ala Asn His Gln Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号8)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Lys Gly Ala His Leu Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号9)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Arg Cys Lys Gly Ala His Leu Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号10)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Gly Gly Arg Cys Arg Gly Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号11)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号12)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Val Gly Arg Cys Arg Gly Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号13)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Val Gly Arg Cys Arg Gly Ala Gln Pro Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号14)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Ser Cys Arg Ala Ala His Leu Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号15)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Glu Gly Gly Ser Cys Arg Ala Ala His Gln Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号16)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Gly Ala His Leu Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号17)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly His Cys Arg Gly Ala Leu Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号18)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Ser Gly Asn Cys Arg Gly Asn Leu Pro Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号19)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Ser Gly Arg Cys Arg Gly Asn His Gln Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号20)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Gly Gly Arg Cys Arg Ala Ile Gln Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号21)、
Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Arg Cys Arg Gly Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ser Tyr Gly Gly Cys Gly Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号22)、
Glu Ala Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2)。
配列のさらなる例としては、本明細書に記載のアミノ酸配列(例えば、上に提示したアミノ酸配列)と比較して少なくとも1個、かつ7、6、5、4、3、または2個未満のアミノ酸が異なる配列が挙げられる。1つの実施形態では、結合ループの一方において、3、2個未満、または1個が異なっている。例えば、第一の結合ループは、本明細書に記載のアミノ酸配列(例えば、上に提示したアミノ酸配列)と比較して異なっていなくてもよい。別の例では、第一の結合ループも第二の結合ループも、本明細書に記載のアミノ酸配列(例えば、上に提示したアミノ酸配列)と異なっていない。
図2Aおよび2Bは、これらの配列のアミノ酸配列整列、これらの変異体が誘導された天然型のLACI配列(配列番号32)、および他の既知のKunitzドメイン(配列番号29〜31および33〜53)を提示する。さらに、血漿カリクレインを阻害する他のポリペプチドは、配列番号2の約58個(3〜60位のアミノ酸)のアミノ酸配列、または配列番号2の60個のアミノ酸配列を有するPEP−1ポリペプチドを含む。本明細書で使用する「PEP−1」および「DX−88」という用語は、両方とも配列番号2の60個のアミノ酸配列を指す。配列番号2のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を配列番号3に提示する(例えば、図1の309〜488位のヌクレオチドを参照されたい)。配列番号3のヌクレオチド配列の縮重形態は、既知の遺伝子コードに基づいて、単に、そのヌクレオチド配列によってコードされた各アミノ酸を1種以上の既知の縮重コドンと置換することにより得ることができることが理解される。配列番号3の7〜180位のヌクレオチド、およびそれらの縮重形態は、配列番号2の3〜60位のアミノ酸の58個のアミノ酸配列、それらの関連配列または機能的な断片を含む非天然Kunitzドメインのポリペプチドをコードする。
1つの実施形態では、ポリペプチドは、アプロチニン以外のポリペプチドであり、例えば、アプロチニンと少なくとも1、2、3、5、10、または15個のアミノ酸が異なる。
本明細書に記載のポリペプチドは、あらゆる標準的なポリペプチド合成プロトコールおよび器具を用いて合成できる。例えば、ポリペプチドの段階的合成は、最初の(すなわち、カルボキシ末端の)アミノ酸からアミノ(N)末端の保護基を除去し、それらに、そのポリペプチド配列において次のアミノ酸のカルボキシ末端を結合させることによって実施することができる。このアミノ酸も、適切に保護される。その後に続くアミノ酸のカルボキシル基は活性化されて、カルボジイミド、対称な酸無水物、または「活性エステル」基(ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはペンタフルオロフェニルエステルなど)に形成されるなど、反応基に形成されることによって、結合したアミノ酸のN末端と反応し得る。好ましい固相ペプチド合成方法としては、I−アミノ保護基としてtert−ブチルオキシカルボニルを使用するBOC方法、および9−フルオレニルメトキシカルボニルを使用してアミノ酸残基のαアミノを保護するFMOC方法が挙げられる。両方法とも当業者に周知である(Stewart, J. and Young, J., Solid−Phase Peptide Synthesis (W. H. Freeman Co., San Francisco 1989); Merrifield, J., 1963. Am. Chem. Soc., 85:2149−2154; Bodanszky, M. and Bodanszky, A., The Practice of Peptide Synthesis (Springer−Verlag, New York 1984))。所望の場合、ポリペプチド合成中に、さらなるアミノ末端および/またはカルボキシ末端のアミノ酸を設計してアミノ酸配列に付加することができる。
ポリペプチドは、組換え技術を用いて産生することもできる。組換え方法には、任意の多数の細胞およびそれに対応する発現ベクター(細菌発現ベクター、酵母発現ベクター、バキュロウイルス発現ベクター、哺乳動物ウイルス発現ベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない)のいずれも使用できる。本明細書に記載のポリペプチドは、トランスジェニック動物によって(例えば、トランスジェニック動物の乳腺で)産生できる。一部の場合、発現ベクター中でカリクレインを阻害するポリペプチド(例えば、Kunitzドメインを含むポリペプチド)に関するコード配列を別のコード配列に融合させて、宿主細胞中で容易に発現する融合ポリペプチドを形成することが必要または有利であり得る。追加配列の一部またはすべてを(例えば、プロテアーゼ消化によって)除去できる。
カリクレインを阻害するポリペプチド(例えば、Kunitzドメインを含むポリペプチド)を産生するための例示的な組換え発現系は、酵母発現ベクターであり、これは阻害剤ポリペプチドに関するアミノ酸配列をコードする核酸配列を、同一読み枠内で、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のMATαプレプロリーダーペプチド配列をコードするヌクレオチド配列と結合させ、これを順に、作動可能な酵母プロモーターの制御下に置くことを可能にする。生成した組換え酵母発現プラスミドは、標準的な方法によって適切かつ適合性の酵母宿主の細胞に形質転換することができ、この細胞は組換え酵母発現ベクターから組換えタンパク質を発現することができる。好ましくは、かかる組換え発現ベクターで形質転換された宿主の酵母細胞は、融合タンパク質をプロセシングして、活性阻害剤ポリペプチドを提供することもできる。組換えポリペプチドを産生するための他の例示的な酵母宿主は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)である。
上記のように、カリクレインを阻害するポリペプチドは、本明細書に記載のKunitzドメインのポリペプチドを含むことができる。一部のポリペプチドは、アミノ末端および/またはカルボキシ末端において、追加の隣接配列を、好ましくは1〜6個のアミノ酸の長さで(かかる追加のアミノ酸が、本明細書に記載の方法および組成物における使用を妨げるほどカリクレインの結合親和性またはカリクレインの阻害活性を有意に低減しない限り)含み得る。かかる追加のアミノ酸は、特定の組換え宿主細胞中でポリペプチドが発現するように意図的に付加することもでき、追加の機能が提供される(例えば、別の分子へのリンカーが提供される、またはポリペプチドの精製を容易にする親和性部分が提供される)ように付加することもできる。好ましくは、追加のアミノ酸(1個または複数)はKunitzドメインのジスルフィド結合に干渉し得るシステインを含まない。
例示的なKunitzドメインのポリペプチドは、配列番号2の3〜60残基のアミノ酸配列を含む。酵母の融合タンパク質発現系(例えば、組み込み発現プラスミドpHIL−D2をベースとしたもの)中で発現されプロセシングされた場合、かかるKunitzドメインのポリペプチドは、S.セレビジエ(S.cerevisiae)のMATαプレプロリーダーペプチド配列との融合による追加のアミノ末端Glu−Alaジペプチドを保持する。酵母宿主細胞から分泌される場合、ほとんどのリーダーペプチドは融合タンパク質からプロセシングされ、配列番号2のアミノ酸配列を有する機能的なポリペプチド(本明細書において「PEP−1」と呼ぶ)を得る(図1の囲み枠を参照されたい)。
典型的なKunitzドメイン(例えば、配列番号1を含むKunitzドメイン)は、いくつかの不変の位置を含む。例えば、BPTIの番号付けスキームによれば、5、14、30、33、38、45、51および55位に相当する位置はシステインである。これらの位置の間隔は、Kunitzドメインの折り畳み内部で許容できる程度に様々であってよく、例えば、3個のジスルフィド結合が形成される程度の間隔である。その他の位置(例えば、6、7、8、9、20、24、25、26、27、28、29、41、42、44、46、47、48、49、50、52、53および54位、またはそれらの位置に相当する位置など)は、任意のアミノ酸(非遺伝学的にコードされて生じるアミノ酸も含む)であり得る。特に好ましい実施形態では、1個以上のアミノ酸が天然型の配列を有するアミノ酸に相当する(例えば、配列番号32、図2Aおよび2Bを参照されたい)。別の実施形態では、少なくとも1つの可変の位置が、天然型の配列の可変の位置とは異なる。さらに別の好ましい実施形態では、アミノ酸は、保存的または非保存的アミノ酸置換によってそれぞれ個々に置換されていることもでき、または集合的に置換されていることもできる。
保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を類似の化学的性質を有する別のアミノ酸で置き換え、タンパク質の機能に影響を及ぼさない可能性がある。非保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を類似していない化学構造を有する別のアミノ酸で置き換える。保存的アミノ酸置換の例としては、例えば、AsnのGlnでの置換、ArgのLysでの置換およびSerのThrでの置換が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、これらのアミノ酸のうち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20および/または21個を独立してまたは集合的に、あらゆる組み合わせで、配列番号2の対応する位置に一致するように選択することができる。
その他の位置、例えば、10、11、13、15、16、17、18、19、21、22、23、31、32、34、35、39、40、43および45位、またはそれらの位置に相当する位置は、選択されたアミノ酸群のいずれでもあり得る。例えば、配列番号1は、可能な配列群を定義する。この群の各要素は、例えば、5、14、30、51および55位にシステインを含み、ならびに10、11、13、15、16、17、18、19、21、22、23、31、32、34、35、39、40、43および45位、またはそれらの位置に相当する位置に特定のアミノ酸群のいずれか一種を含む。1つの好ましい実施形態では、これらのアミノ酸のうち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18および/または19個を独立してまたは集合的に、あらゆる組み合わせで、配列番号2の対応する位置に一致するように選択することができる。このポリペプチドは、好ましくは、配列番号2と少なくとも80%、85%、90%、95、97、98、または99%の同一性を有する。
配列の比較および2つの配列間の相同率(%)の決定は、数学アルゴリズムを用いて達成することができる。1つの好ましい実施形態では、2つのアミノ酸配列間の相同率(%)は、Needleman and Wunsch (1970), J. Mol. Biol. 48:444−453に記載のアルゴリズムを用いて、Blossum62行列またはPAM250行列のいずれか、および16、14、12、10、8、6、もしくは4のギャップウェイト、ならびに1、2、3、4、5、もしくは6のレングスウェイトを用いて決定される(このアルゴリズムは、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれている)。さらに別の好ましい実施形態では、2つのヌクレオチド配列間の相同率(%)は、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いて、NWSgapdna.CMP行列、ならびに40、50、60、70、もしくは80のギャップウェイト、ならびに1、2、3、4、5、もしくは6のレングスウェイトを用いて決定される。特に好ましいパラメータ群(および分子が相同性の限定の範囲内であるかどうかを決定するためにどのパラメータを適用すべきか専門家が分からない場合に使用すべきパラメータ群)は、ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5を使用したBlossum62スコアリング行列である。
結合タンパク質阻害剤。他の実施形態では、カリクレイン阻害剤は結合タンパク質(抗体など)である。
1つの態様では、本開示は、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)と結合し、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、単離タンパク質)を特徴とする。例えば、タンパク質は、重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む。タンパク質は、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)と結合できるおよび血漿カリクレインを阻害できる。
タンパク質は、1つ以上の以下の特徴を含み得る:(a)ヒトCDRまたはヒトフレームワーク領域;(b)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含むこと;(c)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDRと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるCDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含むこと;(d)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること(例えば、全体またはフレームワーク領域またはCDRにおいて);(e)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であること(例えば、全体またはフレームワーク領域またはCDRにおいて);(f)タンパク質が、本明細書に記載のタンパク質によって結合したエピトープと結合する、もしくは本明細書に記載のタンパク質と結合について競合すること;(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域;(h)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR1と、少なくとも1個、かつ2または3個以下のアミノ酸が異なるCDR1を含む;(i)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR2と、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、6、7、もしくは8個以下のアミノ酸が異なるCDR2を含む;(j)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインのCDR3と、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、もしくは6個以下のアミノ酸が異なるCDR3を含む;(k)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR1と、少なくとも1個、かつ2、3、4、もしくは5個以下のアミノ酸が異なるCDR1を含む;(l)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR2と、少なくとも1個、かつ2、3、もしくは4個以下のアミノ酸が異なるCDR2を含む;(m)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインのCDR3と、少なくとも1個、かつ2、3、4、もしくは5個以下のアミノ酸が異なるCDR3を含む;(n)免疫グロブリンLC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のLC可変ドメインと、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以下のアミノ酸が異なる(例えば、全体またはフレームワーク領域またはCDRにおいて);ならびに(o)免疫グロブリンHC可変ドメイン配列が、本明細書に記載のHC可変ドメインと、少なくとも1個、かつ2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個以下のアミノ酸が異なる(例えば、全体またはフレームワーク領域もしくはCDRにおいて)。
血漿カリクレイン結合タンパク質は、単離タンパク質であり得る(例えば、他のタンパク質を少なくとも70、80、90、95、または99%含まない)。
血漿カリクレイン結合タンパク質は、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)を阻害し得る。
いくつかの実施形態では、血漿カリクレイン結合タンパク質は、プレカリクレイン(例えば、ヒトプレカリクレイン)とは結合しないが、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)の活性形態と結合する。
ある実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレイン、またはその断片の触媒ドメインの活性部位またはその付近と結合するか、血漿カリクレインの活性部位と重複するエピトープと結合する。
いくつかの様相では、タンパク質は、本明細書に記載のタンパク質と同一エピトープと結合するまたは結合について競合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、またはX67−G04と同一エピトープと競合するまたは結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、(例えば、以下に相当する血漿カリクレイン上の位置)CLIPSペプチドC1、C2、C3、C4、C5、C6、もしくはC7、またはこれらのペプチドの2つ以上と結合し、例えば、タンパク質は、C5およびC6と結合する。CLIPSペプチドC1〜C7は、CLIPSエピトープマッピングにより同定される血漿カリクレイン中のペプチドである(図8および9A〜9Cを参照されたい)。C1は触媒ドメインの55〜67位に対応し、C2は81〜94位に、C3は101〜108位に、C4は137〜151位に、C5は162〜178位に、C6は186〜197位に、およびC7は血漿カリクレインの214〜217位に相当する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、図8に示すエピトープと結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレインの触媒三連構造:His434、Asp483、および/またはSer578(ヒト配列に基づいてナンバリング)を形成する1個以上のアミノ酸と結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、Ser479、Tyr563、および/またはAsp585(ヒト配列に基づいてナンバリング)のアミノ酸の1個以上と結合する。
血漿カリクレインの活性部位の間隙は、触媒三連構造(His434、Asp483、およびSer578)を形成する3個のアミノ酸を含み、結合した基質の酵素的加水分解に至る(触媒三連構造残基は図9A〜9Cの下線である)。CLIPSエピトープマッピング分析用に選択したペプチドは接近可能な表面であり、活性部位の近傍を形成するか囲むかのいずれかであることを確定した。ペプチドC1は活性部位ヒスチジン434を含む。ペプチドC3は活性部位アスパラギン酸483を含む。ペプチドC6は活性部位セリン578を含む。抗体は、アミノ酸配列中で不連続的なアミノ酸の露出した複数の表面に結合することが可能である。例えば、CLIPS分析により、X81−B01はC2、C3、C5およびC6ペプチドと結合すると思われる。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、CLIPSペプチドC1、ペプチドC2、ペプチドC3、ペプチドC4、ペプチドC5、ペプチドC6、またはペプチドC7由来のアミノ酸を1個以上含むエピトープと結合する。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、CLIPSペプチド由来(例えば、少なくとも2個のペプチドC1、ペプチドC2、ペプチドC3、ペプチドC4、ペプチドC5、ペプチドC6、またはペプチドC7由来)の少なくとも2個の異なるアミノ酸を含むエピトープと結合する。
タンパク質は、血漿カリクレイン、例えば、ヒト血漿カリクレインと、少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性で結合できる。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト血漿カリクレインと1×10−3、5×10−4−1、または1×10−4−1より遅いKoffで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト血漿カリクレインと1×10、1×10、または5×10−1−1より速いKonで結合する。1つの実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレインと結合するが、組織カリクレインおよび/または血漿プレカリクレインとは、血漿カリクレインと結合するほど結合しない(例えば、タンパク質は、組織カリクレインおよび/または血漿プレカリクレインと結合する効果が低い(例えば、陰性対照と比較して、例えば、5、10、50、100、もしくは1000倍低いまたはまったくない))。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト血漿カリクレイン活性を、例えば、10−5、10−6、10−7、10−8、10−9、および10−10M未満のKiで阻害する。タンパク質は、例えば、100nM、10nMまたは1nM未満のIC50を有し得る。例えば、タンパク質は、血漿カリクレイン活性、ならびに第XIIa因子(例えば、第XII因子由来)および/またはブラジキニン(例えば、高分子キニノーゲン(HMWK)由来)の産生を調節し得る。タンパク質は、血漿カリクレイン活性、および/または第XIIa因子(例えば、第XII因子由来)および/またはブラジキニン(例えば、高分子キニノーゲン(HMWK)由来)の産生を阻害し得る。タンパク質のヒト血漿カリクレインに対する親和性は100nm未満、10nM未満、または1nM未満のKを特徴とし得る。1つの実施形態では、タンパク質は、血漿カリクレインを阻害するが、組織カリクレインについては血漿カリクレインを阻害するほど阻害しない(例えば、タンパク質は組織カリクレインを阻害する効果が低い(例えば、陰性対照と比較して、例えば、5、10、50、100、もしくは1000倍低いまたはまったくない))。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、1000、500、100、または10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を有する。
血漿カリクレイン結合タンパク質は抗体であり得る。血漿カリクレイン結合抗体は単一のポリペプチド(例えば、scFv)中、または異なるポリペプチド(例えば、IgGまたはFab)上に含まれるHCおよびLC可変ドメイン配列を有し得る。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の重鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖および重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の重鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる群から選択される抗体の軽鎖抗体可変領域を有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる重鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの好ましい実施形態では、タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、およびX67−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRから選択される重鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)および軽鎖CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)有する抗体(例えば、ヒト抗体)である。
1つの実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は同一ポリペプチド鎖の成分である。別の実施形態では、HCおよびLC可変ドメイン配列は異なるポリペプチド鎖の成分である。例えば、タンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)である。タンパク質は、可溶性Fabであり得る。他の実施では、タンパク質は、Fab2’、scFv、小体、scFv::Fc融合物、Fab::HSA融合物、HSA::Fab融合物、Fab::HSA::Fab融合物、または本明細書の結合タンパク質の1つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2’、scFv、PEG化Fab、PEG化scFv、PEG化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、または他の適切な構築物として提供できる。
1つの実施形態では、タンパク質は、ヒト抗体またはヒト化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上のヒト抗体フレームワーク領域、例えば、すべてのヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%同一であるフレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトFcドメイン、またはヒトFcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。
1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類抗体または霊長類化抗体であるか、ヒトで非免疫原性を示す。例えば、タンパク質は、1つ以上の霊長類抗体フレームワーク領域、例えば、すべての霊長類フレームワーク領域、または霊長類フレームワーク領域と少なくとも85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%同一であるフレームワーク領域を含む。1つの実施形態では、タンパク質は、霊長類Fcドメイン、または霊長類Fcドメインと少なくとも95、96、97、98、もしくは99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)、およびメガネザルを含む。
いくつかの実施形態では、ヒト血漿カリクレインに対する霊長類抗体の親和性は、1000、500、100または10nM未満、例えば、10nM未満または1nM未満のKを特徴とする。
ある実施形態では、タンパク質は、マウスまたはウサギ由来の配列を含まない(例えば、マウスまたはウサギ抗体ではない)。
いくつかの様相では、本開示は、粘膜炎の治療(または予防)方法における、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)に結合し、少なくとも1つの免疫グロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば、結合タンパク質、例えば、抗体)(例えば、本明細書に記載のタンパク質)の使用を提供する。例えば、血漿カリクレイン結合タンパク質は、重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む。いくつかの例示的な血漿カリクレイン結合タンパク質を本明細書に記載する。
抗体は、カリクレイン標的を用いたライブラリーのスクリーニングによりならびに他の方法により見出し得る。例えば、カリクレインタンパク質またはその領域は、非ヒト動物(例えば、齧歯動物)における抗原として使用できる。ヒト化抗体は、ヒトFv可変領域由来の等価配列と結合する抗原に直接関与しないFv可変領域配列を置換することにより生成できる。ヒト化抗体を生成するための一般的な方法は、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202−1207により、Oi et al., 1986, BioTechniques 4:214により、ならびにQueen et al.の米国特許第5,585,089号、米国特許第5,693,761号および米国特許第5,693,762号により提示されている。それらの方法は、少なくとも1つの重鎖または軽鎖由来の免疫グロブリンFv可変領域のすべてまたは一部をコードする核酸配列の単離、操作、および発現を含む。かかる核酸の多数の供給源が利用可能である。例えば、核酸は、上記のように、予定の標的に対して抗体を産生するハイブリドーマから取得し得る。次いで、ヒト化抗体、またはその断片をコードする組換えDNAを適切な発現ベクター内にクローニングできる。
免疫グロブリンカリクレイン結合タンパク質(例えば、IgGまたはFabカリクレイン結合タンパク質)を、免疫原性を減少するように修飾し得る。免疫原性の減少は、対象が治療分子に対する免疫応答を生じる可能性が減少するので、治療薬としての使用を意図するカリクレイン結合タンパク質において望ましい。カリクレイン結合タンパク質の免疫原性の減少に有用な技術としては、潜在的なヒトT細胞エピトープの欠失/修飾およびCDRの外側の配列(例えば、フレームワークおよびFc)の「生殖系列化」が挙げられる。
カリクレイン結合抗体は、ヒトT細胞エピトープの特異的欠失またはWO98/52976号およびWO00/34317号に開示の方法による「脱免疫化」により修飾し得る。簡単に述べると、抗体の重鎖および軽鎖可変領域をMHCクラスIIと結合するペプチドについて分析し、これらのペプチドが、潜在的T細胞エピトープを提示する(WO98/52976号およびWO00/34317号に定義)。潜在的なT細胞エピトープの検出のために、「ペプチドトレッディング(peptide threading)」と呼ばれるコンピュータモデリングアプローチを適用し、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースに加えて、WO98/52976号およびWO00/34317号に記載のように、VHおよびVL配列中に存在するモチーフを検索できる。これらのモチーフは、18個の主要MHCクラスII DRアロタイプのいずれかと結合することにより、潜在的なT細胞エピトープを構成する。検出された潜在的なT細胞エピトープは、可変領域中の少数のアミノ酸残基を置換することにより、または好ましくは単一アミノ酸の置換により排除できる。可能な保存的置換を行う限り、ヒト生殖系列抗体配列のこの位置に共通のアミノ酸を頻繁に使用し得るが、これは他を排除しない。ヒト生殖系列配列については、Tomlinson, I.A. et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:776−798; Cook, G. P. et al., 1995, Immunol. Today Vol. 16 (5): 237−242; Chothia, D. et al., 1992, J. Mol. Bio. 227:799−817に開示されている。V BASEディレクトリは、ヒト免疫グロブリン可変領域配列の包括的ディレクトリを提供している(Tomlinson, I.A. et al. MRC Centre for Protein Engineering, Cambridge, UKによって編纂されている)。脱免疫化の変化を同定後、VおよびVをコードする核酸を、変異誘発または他の合成方法(例えば、de novo合成、カセット置換など)により構築できる。変異誘発した可変配列は、任意に、ヒト定常領域(例えば、ヒトIgG1)またはκ定常領域と融合できる。
一部の場合、潜在的T細胞エピトープは、抗体機能にとって重要であることが知られているまたは予想される残基を含む。例えば、潜在的T細胞エピトープは、通常、CDRに偏っている。さらに、潜在的T細胞エピトープは、抗体の構造および結合に重要なフレームワーク残基で生じ得る。これらの潜在的エピトープを排除するために変化させるには、一部の場合、例えば、変化した鎖および変化していない鎖の作製および試験によりさらに精査する必要がある。可能な場合、CDRと重複する潜在的T細胞エピトープを、CDRの外側の置換により排除した。一部の場合、CDR内の改変は唯一の選択肢であるので、置換を含むか含まない変異型を試験すべきである。他の場合、潜在的T細胞エピトープを排除するのに必要な置換は、抗体結合にとって重要であり得るフレームワーク内の残基位置で行う。これらの場合、置換を含む変異型および含まない変異型を試験すべきである。したがって、一部の場合、至適な脱免疫化抗体を同定するために、重鎖および軽鎖可変領域を脱免疫化したいくつかの変異型を設計し、様々な重/軽鎖の組み合わせを試験した。次いで、脱免疫化の範囲(すなわち、可変領域に残る潜在的T細胞エピトープ数)と併せて異なる変異型の結合親和性を考慮することにより最終的な脱免疫化抗体を選択することができる。脱免疫化を用いて、任意の抗体、例えば、非ヒト配列を含む抗体(例えば、合成抗体)、マウス抗体、他の非ヒトモノクローナル抗体、またはディスプレイライブラリーから単離した抗体を修飾できる。
結合特性が実質的に保持される限り、フレームワーク領域の1つ以上の非生殖系列アミノ酸を抗体の対応する生殖系列アミノ酸に戻すことによりカリクレイン結合抗体を「生殖系列化」する。類似の方法を、定常領域(例えば、定常免疫グロブリンドメイン)中で使用することもできる。
カリクレインと結合する抗体(例えば、本明細書に記載の抗体)は、1つ以上の生殖系列配列にさらに類似する抗体の可変領域を作製するために修飾し得る。例えば、抗体は、基準生殖系列配列にさらに類似させるために、1、2、3、または4個以上のアミノ酸置換を、例えば、フレームワーク、CDR、または定常領域中に含むことができる。1つの例示的な生殖系列化方法は、単離抗体の配列に類似する(例えば、特定のデータベースで最も類似する)生殖系列配列を1つ以上同定することを含み得る。次いで、単離抗体を、漸進的に、または他の変異との組み合わせのいずれかにより(アミノ酸レベルで)変異させる。例えば、一部のまたはすべての可能な生殖系列変異をコードする配列を含む核酸ライブラリーを作製する。次いで、変異抗体を評価し、例えば、単離抗体と比較して1つ以上のさらなる生殖系列残基を有し、かつ依然として有用な(例えば、機能活性を有する)抗体を同定する。1つの実施形態では、単離抗体に可能な限り多くの生殖系列残基を導入する。
1つの実施形態では、変異誘発を用いて、フレームワークおよび/または定常領域に1つ以上の生殖系列残基を置換または挿入する。例えば、生殖系列フレームワークおよび/または定常領域の残基は、修飾される非可変領域と類似する(例えば、最も類似する)生殖系列配列に由来し得る。変異誘発後、抗体の活性(例えば、結合または他の機能活性)を評価して、1つまたは複数の生殖系列残基が耐容性を示す(すなわち、活性を無効にしない)かどうかを決定できる。類似の変異誘発をフレームワーク領域中で実施できる。
生殖系列配列の選択は、異なる方法で実施できる。例えば、生殖系列配列が選択性または類似性について所定の基準(例えば、少なくとも一定の同一率(%)、例えば、少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または99.5%同一)を満たす場合に生殖系列配列を選択できる。この選択は、少なくとも2、3、5、または10個の生殖系列配列を用いて実施できる。CDR1およびCDR2の場合、類似の生殖系列配列の同定は、1つのかかる配列の選択を含むことができる。CDR3の場合、類似の生殖系列配列の同定は、1つのかかる配列の選択を含むことができるが、アミノ末端部分およびカルボキシ末端部分に別々に関わる2つの生殖系列配列の使用を含み得る。他の実施では、1つを超えるまたは2つを超える生殖系列配列を使用して、例えば、コンセンサス配列を形成する。
1つの実施形態では、特定の基準可変ドメイン配列(例えば、本明細書に記載の配列)に関して、関連可変ドメイン配列は、基準CDR配列中の残基(ヒト生殖系列配列(すなわち、ヒト生殖系列核酸によってコードされるアミノ酸配列)中の対応する位置の残基と同一の残基)と同一ではないCDRアミノ酸位置の少なくとも30、40、50、60、70、80、90、95または100%を有する。
1つの実施形態では、特定の基準可変ドメイン配列(例えば、本明細書に記載の配列)に関して、関連可変ドメイン配列は、ヒト生殖系列配列(例えば、基準可変ドメイン配列と関連する生殖系列配列)由来のFR配列と同一のFR領域の少なくとも30、50、60、70、80、90または100%を有する。
したがって、所与の目的の抗体と類似の活性を有するが、1つ以上の生殖系列配列、特に1つ以上のヒト生殖系列配列とさらに類似する抗体を単離することが可能である。例えば、抗体は、CDRの外側領域(例えば、フレームワーク領域)中の生殖系列配列と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または99.5%同一であり得る。さらに、抗体は、修飾される可変領域に類似する(例えば、最も類似する)生殖系列配列由来の生殖系列残基をCDR領域中に少なくとも1、2、3、4、または5つ含むことができる。主な目的の生殖系列配列は、ヒト生殖系列配列である。抗体の活性(例えば、Kにより測定した結合活性)は、元の抗体の係数内、すなわち100、10、5、2、0.5、0.1、および0.001であり得る。
ヒト免疫グロブリン遺伝子の生殖系列配列は決定されており、いくつかの供給源(ワールドワイドウェブのimgt.cines.frで利用可能なinternational ImMunoGeneTics information system(商標)(IMGT)およびV BASEディレクトリ(Tomlinson, I.A. et al. MRC Centre for Protein Engineering, Cambridge, UKによって編纂され、ワールドワイドウェブのvbase.mrc−cpe.cam.ac.ukで利用可能)を含む)から利用可能である。
κについての例示的な生殖系列基準配列は、O12/O2、O18/O8、A20、A30、L14、L1、L15、L4/18a、L5/L19、L8、L23、L9、L24、L11、L12、O11/O1、A17、A1、A18、A2、A19/A3、A23、A27、A11、L2/L16、L6、L20、L25、B3、B2、A26/A10、およびA14を含む。例えば、Tomlinson et al., 1995, EMBO J. 14(18):4628−3を参照されたい。
HC可変ドメインの生殖系列基準配列は、特定の標準構造(例えば、H1およびH2超可変ループ中の1〜3つの構造)を有する配列に基づくことができる。Chothia et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:799−817; Tomlinson et al., 1992, J. Mol. Biol. 227:776−798);およびTomlinson et al., 1995, EMBO J. 14(18):4628−38に記載のように、免疫グロブリン可変ドメインの超可変ループの標準構造は、その配列から推測できる。1〜3つの構造を有する例示的配列は、DP−1、DP−8、DP−12、DP−2、DP−25、DP−15、DP−7、DP−4、DP−31、DP−32、DP−33、DP−35、DP−40、7−2、hv3005、hv3005f3、DP−46、DP−47、DP−58、DP−49、DP−50、DP−51、DP−53、およびDP−54を含む。
有用なポリペプチドは、本明細書に記載のポリペプチドをコードする核酸にハイブリッド形成する核酸によってもコードできる。核酸は中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または超高ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成できる。本明細書で使用する「低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または超高ストリンジェンシー条件下のハイブリッド形成」という用語は、ハイブリッド形成および洗浄の条件を説明する。ハイブリッド形成反応を実施するためのガイダンスは、参照により組み込まれるCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことができる。水性方法および非水性方法は、この参考文献に記載されており、いずれをも使用することができる。本明細書で参照する特異的ハイブリッド形成条件は以下のとおりである:(1)約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、続いて少なくとも50℃の0.2×SSC、0.1%SDSで2回洗浄する低ストリンジェンシーハイブリッド形成条件(洗浄温度は、低ストリンジェンシー条件では55℃に上昇させることができる)、(2)約45℃での6×SSC、続いて60℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する中ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、(3)約45℃での6×SSC、続いて65℃の0.2×SSC、0.1%SDSで1回以上洗浄する高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件、および(4)65℃での0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、続いて65℃の0.2×SSC、1%SDSで1回以上洗浄する超高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件。
タンパク質産生。標準的な組換え核酸法を使用して、血漿カリクレインと結合するタンパク質を発現させることができる。一般に、タンパク質をコードする核酸配列を核酸発現ベクターにクローニングする。勿論、タンパク質が複数のポリペプチド鎖を含む場合、各鎖を、同一または異なる細胞中で発現する発現ベクター(例えば、同一または異なるベクター)にクローニングし得る。
抗体産生。いくつかの抗体(例えば、Fab)は、細菌細胞(例えば、E.coli細胞)中で産生できる。例えば、Fabが、ディスプレイ実体とバクテリオファージタンパク質(またはその断片)との間の抑制可能な終止コドンを含むファージディスプレイベクター中の配列によりコードされる場合、ベクター核酸を、終止コドンを抑制できない細菌細胞に移入できる。この場合、Fabは遺伝子IIIタンパク質に融合せず、周辺質および/または培地に分泌される。
抗体は真核細胞中で産生することもできる。1つの実施形態では、抗体(例えば、scFv)を、ピキア属(Pichia)(例えば、Powers et al., 2001, J. Immunol. Methods. 251:123−35を参照されたい)、ハンセウラ属(Hanseula)、またはサッカロミセス属(Saccharomyces)などの酵母菌細胞中で発現させる。
1つの好ましい実施形態では、抗体を哺乳動物細胞中で産生する。クローン抗体またはその抗原結合断片を発現するために好ましい哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えば、Kaufman and Sharp, 1982, Mol. Biol. 159:601 621に記載のDHFR選択マーカーを使用したUrlaub and Chasin, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220に記載のdhfr−CHO細胞が挙げられる)、リンパ球細胞系、例えば、NS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、HEK293T細胞(J. Immunol. Methods (2004) 289(1−2):65−80)、およびトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)由来の細胞が挙げられる。例えば、細胞は、哺乳動物上皮細胞である。
組換え発現ベクターは、多様な免疫グロブリンドメインをコードする核酸配列に加えて、宿主細胞中でベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)および選択マーカー遺伝子などの追加配列を保有し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号および同第5,179,017号を参照されたい)。例えば、典型的には、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞にG418、ハイグロマイシンまたはメトトレキサートなどの薬剤耐性を付与する。好ましい選択マーカー遺伝子としては、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅を有するdhfr宿主細胞用)およびneo遺伝子(G418選択用)が挙げられる。
抗体またはその抗原結合部分の組換え発現のための例示的な系では、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターを、リン酸カルシウム媒介形質移入によりdhfrCHO細胞中に導入する。組換え発現ベクター内で、抗体の重鎖および軽鎖遺伝子を、エンハンサー/プロモーター調節因子(例えば、SV40、CMV、およびアデノウイルスなどに由来する、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節因子またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節因子など)にそれぞれ作動可能に連結して、遺伝子の高レベルの転写を駆動する。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を用いてベクターで形質移入したCHO細胞の選択を可能とするDHFR遺伝子も保有する。選択された形質転換宿主細胞を培養して、抗体の重鎖および軽鎖を発現させ、培養培地からインタクトな抗体を採集する。標準的な分子生物学的技術を用いて、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞を形質移入し、形質転換を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を採集する。例えば、一部の抗体は、プロテインAまたはプロテインG結合マトリックスを用いた親和性クロマトグラフィーにより単離できる。
Fcドメインを含む抗体のために、抗体産生系は、Fc領域がグリコシル化された抗体を産生し得る。例えば、IgG分子のFcドメインを、CH2ドメイン中のアスパラギン297位でグリコシル化する。アスパラギンは、二分岐型オリゴ糖での修飾のための部位である。グリコシル化は、Fcg受容体および補体C1qによって媒介されるエフェクター機能に必要であることが実証されている(Burton and Woof, 1992, Adv. Immunol. 51:1−84; Jefferis et al., 1998, Immunol. Rev. 163:59−76)。1つの実施形態では、Fcドメインは、アスパラギン297位に相当する残基を適切にグリコシル化する哺乳動物発現系で産生される。Fcドメインはまた、他の真核生物翻訳後修飾も含み得る。
抗体は、トランスジェニック動物によって産生することもできる。例えば、米国特許第5,849,992号には、トランスジェニック哺乳動物の乳腺中の抗体の発現方法について記載されている。乳汁特異的プロモーター、目的の抗体をコードする核酸、および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子を構築する。かかるトランスジェニック哺乳動物の雌により産生された乳汁は、そこで分泌される目的の抗体を含む。抗体は、乳汁から精製することもでき、一部の適用のために直接使用することもできる。
血漿カリクレイン
血漿カリクレイン結合タンパク質が発現し得る例示的な血漿カリクレイン配列は、ヒト、マウス、またはラット血漿カリクレインアミノ酸配列、これらの配列、またはそれらの断片の1つと80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列(例えば、以下に提示する配列)を含み得る。
選択に使用したヒト血漿カリクレイン配列および続く結合タンパク質のスクリーニングを以下に示す(寄託番号NP_000883.2)。使用したヒト血漿カリクレイン(86kDa)をヒト血漿から精製し、市販のベンダーにより第XIIa因子と活性化させた。第XIIa因子は、ポリペプチド配列を1箇所(Arg371とIle372との間であり、以下の配列中「/」で印を付けた切断部位)で切断することによりプレカリクレインを活性化し、2個のジスルフィド結合ポリペプチド(約52kDaの重鎖および約34kDaの触媒ドメイン)からなる活性血漿カリクレインを生成する[Colman and Schmaier, (1997) “Contact System: A Vascular Biology Modulator With Anticoagulant, Profibrinolytic, Antiadhesive, and Proinflammatory Attributes” Blood, 90, 3819−3843]

GCLTQLYENAFFRGGDVASMYTPNAQYCQMRCTFHPRCLLFSFLPASSINDMEKRFGCFLKDSVTGTLPKVHRTGAVSGHSLKQCGHQISACHRDIYKGVDMRGVNFNVSKVSSVEECQKRCTSNIRCQFFSYATQTFHKAEYRNNCLLKYSPGGTPTAIKVLSNVESGFSLKPCALSEIGCHMNIFQHLAFSDVDVARVLTPDAFVCRTICTYHPNCLFFTFYTNVWKIESQRNVCLLKTSESGTPSSSTPQENTISGYSLLTCKRTLPEPCHSKIYPGVDFGGEELNVTFVKGVNVCQETCTKMIRCQFFTYSLLPEDCKEEKCKCFLRLSMDGSPTRIAYGTQGSSGYSLRLCNTGDNSVCTTKTSTR/IVGGTNSSWGEWPWQVSLQVKLTAQRHLCGGSLIGHQWVLTAAHCFDGLPLQDVWRIYSGILNLSDITKDTPFSQIKEIIIHQNYKVSEGNHDIALIKLQAPLNYTEFQKPICLPSKGDTSTIYTNCWVTGWGFSKEKGEIQNILQKVNIPLVTNEECQKRYQDYKITQRMVCAGYKEGGKDACKGDSGGPLVCKHNGMWRLVGITSWGEGCARREQPGVYTKVAEYMDWILEKTQSSDGKAQMQSPA
ヒト、マウス、およびラットのプレカリクレインアミノ酸配列、ならびにそれらをコードするmRNA配列を下に示す。プレカリクレイン配列は、活性血漿カリクレイン(pkal)の単ポリペプチド鎖が(「/」で示した)1箇所で切断されて2本鎖を生成している点を除き、血漿カリクレインと同一である。以下に提示する配列はシグナル配列を含む完全配列である。発現細胞からの分泌時、シグナル配列は除去されることが予期される。
ヒト血漿カリクレイン(寄託番号NP_000883.2)
>gi|78191798|基準|NP_000883.2|血漿カリクレインB1前駆体[ヒト(Homo sapiens)]
MILFKQATYFISLFATVSCGCLTQLYENAFFRGGDVASMYTPNAQYCQMRCTFHPRCLLFSFLPASSIND
MEKRFGCFLKDSVTGTLPKVHRTGAVSGHSLKQCGHQISACHRDIYKGVDMRGVNFNVSKVSSVEECQKR
CTSNIRCQFFSYATQTFHKAEYRNNCLLKYSPGGTPTAIKVLSNVESGFSLKPCALSEIGCHMNIFQHLA
FSDVDVARVLTPDAFVCRTICTYHPNCLFFTFYTNVWKIESQRNVCLLKTSESGTPSSSTPQENTISGYS
LLTCKRTLPEPCHSKIYPGVDFGGEELNVTFVKGVNVCQETCTKMIRCQFFTYSLLPEDCKEEKCKCFLR
LSMDGSPTRIAYGTQGSSGYSLRLCNTGDNSVCTTKTSTRIVGGTNSSWGEWPWQVSLQVKLTAQRHLCG
GSLIGHQWVLTAAHCFDGLPLQDVWRIYSGILNLSDITKDTPFSQIKEIIIHQNYKVSEGNHDIALIKLQ
APLNYTEFQKPICLPSKGDTSTIYTNCWVTGWGFSKEKGEIQNILQKVNIPLVTNEECQKRYQDYKITQR
MVCAGYKEGGKDACKGDSGGPLVCKHNGMWRLVGITSWGEGCARREQPGVYTKVAEYMDWILEKTQSSDG
KAQMQSPA
ヒト血漿カリクレインmRNA(寄託番号NM_000892)
>gi|78191797|基準|NM_000892.3|ヒト(Homo sapiens)カリクレインB、血漿(フレッチャー因子)1(KLKB1)、mRNA
AGAACAGCTTGAAGACCGTTCATTTTTAAGTGACAAGAGACTCACCTCCAAGAAGCAATTGTGTTTTCAG
AATGATTTTATTCAAGCAAGCAACTTATTTCATTTCCTTGTTTGCTACAGTTTCCTGTGGATGTCTGACT
CAACTCTATGAAAACGCCTTCTTCAGAGGTGGGGATGTAGCTTCCATGTACACCCCAAATGCCCAATACT
GCCAGATGAGGTGCACATTCCACCCAAGGTGTTTGCTATTCAGTTTTCTTCCAGCAAGTTCAATCAATGA
CATGGAGAAAAGGTTTGGTTGCTTCTTGAAAGATAGTGTTACAGGAACCCTGCCAAAAGTACATCGAACA
GGTGCAGTTTCTGGACATTCCTTGAAGCAATGTGGTCATCAAATAAGTGCTTGCCATCGAGACATTTATA
AAGGAGTTGATATGAGAGGAGTCAATTTTAATGTGTCTAAGGTTAGCAGTGTTGAAGAATGCCAAAAAAG
GTGCACCAGTAACATTCGCTGCCAGTTTTTTTCATATGCCACGCAAACATTTCACAAGGCAGAGTACCGG
AACAATTGCCTATTAAAGTACAGTCCCGGAGGAACACCTACCGCTATAAAGGTGCTGAGTAACGTGGAAT
CTGGATTCTCACTGAAGCCCTGTGCCCTTTCAGAAATTGGTTGCCACATGAACATCTTCCAGCATCTTGC
GTTCTCAGATGTGGATGTTGCCAGGGTTCTCACTCCAGATGCTTTTGTGTGTCGGACCATCTGCACCTAT
CACCCCAACTGCCTCTTCTTTACATTCTATACAAATGTATGGAAAATCGAGTCACAAAGAAATGTTTGTC
TTCTTAAAACATCTGAAAGTGGCACACCAAGTTCCTCTACTCCTCAAGAAAACACCATATCTGGATATAG
CCTTTTAACCTGCAAAAGAACTTTACCTGAACCCTGCCATTCTAAAATTTACCCGGGAGTTGACTTTGGA
GGAGAAGAATTGAATGTGACTTTTGTTAAAGGAGTGAATGTTTGCCAAGAGACTTGCACAAAGATGATTC
GCTGTCAGTTTTTCACTTATTCTTTACTCCCAGAAGACTGTAAGGAAGAGAAGTGTAAGTGTTTCTTAAG
ATTATCTATGGATGGTTCTCCAACTAGGATTGCGTATGGGACACAAGGGAGCTCTGGTTACTCTTTGAGA
TTGTGTAACACTGGGGACAACTCTGTCTGCACAACAAAAACAAGCACACGCATTGTTGGAGGAACAAACT
CTTCTTGGGGAGAGTGGCCCTGGCAGGTGAGCCTGCAGGTGAAGCTGACAGCTCAGAGGCACCTGTGTGG
AGGGTCACTCATAGGACACCAGTGGGTCCTCACTGCTGCCCACTGCTTTGATGGGCTTCCCCTGCAGGAT
GTTTGGCGCATCTATAGTGGCATTTTAAATCTGTCAGACATTACAAAAGATACACCTTTCTCACAAATAA
AAGAGATTATTATTCACCAAAACTATAAAGTCTCAGAAGGGAATCATGATATCGCCTTGATAAAACTCCA
GGCTCCTTTGAATTACACTGAATTCCAAAAACCAATATGCCTACCTTCCAAAGGTGACACAAGCACAATT
TATACCAACTGTTGGGTAACCGGATGGGGCTTCTCGAAGGAGAAAGGTGAAATCCAAAATATTCTACAAA
AGGTAAATATTCCTTTGGTAACAAATGAAGAATGCCAGAAAAGATATCAAGATTATAAAATAACCCAACG
GATGGTCTGTGCTGGCTATAAAGAAGGGGGAAAAGATGCTTGTAAGGGAGATTCAGGTGGTCCCTTAGTT
TGCAAACACAATGGAATGTGGCGTTTGGTGGGCATCACCAGCTGGGGTGAAGGCTGTGCCCGCAGGGAGC
AACCTGGTGTCTACACCAAAGTCGCTGAGTACATGGACTGGATTTTAGAGAAAACACAGAGCAGTGATGG
AAAAGCTCAGATGCAGTCACCAGCATGAGAAGCAGTCCAGAGTCTAGGCAATTTTTACAACCTGAGTTCA
AGTCAAATTCTGAGCCTGGGGGGTCCTCATCTGCAAAGCATGGAGAGTGGCATCTTCTTTGCATCCTAAG
GACGAAAAACACAGTGCACTCAGAGCTGCTGAGGACAATGTCTGGCTGAAGCCCGCTTTCAGCACGCCGT
AACCAGGGGCTGACAATGCGAGGTCGCAACTGAGATCTCCATGACTGTGTGTTGTGAAATAAAATGGTGA
AAGATCAAAAAA
マウス血漿カリクレイン(寄託番号NP_032481.1)
>gi|6680584|基準|NP_032481.1|カリクレインB、血漿1[ハツカネズミ(Mus musculus)]
MILFNRVGYFVSLFATVSCGCMTQLYKNTFFRGGDLAAIYTPDAQYCQKMCTFHPRCLLFSFLAVTPPKE
TNKRFGCFMKESITGTLPRIHRTGAISGHSLKQCGHQISACHRDIYKGLDMRGSNFNISKTDNIEECQKL
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FADLNVSQVITPDAFVCRTICTFHPNCLFFTFYTNEWETESQRNVCFLKTSKSGRPSPPIPQENAISGYS
LLTCRKTRPEPCHSKIYSGVDFEGEELNVTFVQGADVCQなどTKTIRCQFFIYSLLPQDCKEEGCKCSLR
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GSIIGRQWVLTAAHCFDGIPYPDVWRIYGGILSLSEITKETPSSRIKELIIHQEYKVSEGNYDIALIKLQ
TPLNYTEFQKPICLPSKADTNTIYTNCWVTGWGYTKEQGETQNILQKATIPLVPNEECQKKYRDYVINKQ
MICAGYKEGGTDACKGDSGGPLVCKHSGRWQLVGITSWGEGCGRKDQPGVYTKVSEYMDWILEKTQSSDV
RALETSSA
マウス血漿カリクレインmRNA(寄託番号NM_008455.2)
>gi|236465804|基準|NM_008455.2|ハツカネズミ(Mus musculus) カリクレインB、血漿1(Klkb1)、mRNA
AGACCGCCCTCGGTGCCATATTCAGAGGGCTTGAAGACCATCTTCATGTGAAGACTCCCTCTCCTCCAGA
ACCACAACGTGACCATCCTTCCAGGATGATTTTATTCAACCGAGTGGGTTATTTTGTTTCCTTGTTTGCT
ACCGTCTCCTGTGGGTGTATGACTCAACTGTATAAAAATACCTTCTTCAGAGGTGGGGATCTAGCTGCCA
TCTACACCCCAGATGCCCAGTACTGTCAGAAGATGTGCACTTTTCACCCCAGGTGCCTGCTGTTCAGCTT
TCTCGCCGTGACTCCACCCAAAGAGACAAATAAACGGTTTGGTTGCTTCATGAAAGAGAGCATTACAGGG
ACTTTGCCAAGAATACACCGGACAGGGGCCATTTCTGGTCATTCTTTAAAGCAGTGTGGCCATCAAATAA
GTGCTTGCCACCGAGACATATACAAAGGACTTGATATGAGAGGGTCCAACTTTAATATCTCTAAGACCGA
CAATATTGAAGAATGCCAGAAACTGTGCACAAATAATTTTCACTGCCAATTTTTCACATATGCTACAAGT
GCATTTTACAGACCAGAGTACCGGAAGAAGTGCCTGCTGAAGCACAGTGCAAGCGGAACACCCACCAGCA
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CATGGATATTTTCCAGCACTCTGCCTTTGCAGACCTGAATGTAAGCCAGGTCATCACCCCCGATGCCTTT
GTGTGTCGCACCATCTGCACCTTCCATCCCAACTGCCTTTTCTTCACGTTCTACACGAATGAATGGGAGA
CAGAATCACAGAGAAATGTTTGTTTTCTTAAGACGTCTAAAAGTGGAAGACCAAGTCCCCCTATTCCTCA
AGAAAACGCTATATCTGGATATAGTCTCCTCACCTGCAGAAAAACTCGCCCTGAACCCTGCCATTCCAAA
ATTTACTCTGGAGTTGACTTTGAAGGGGAAGAACTGAATGTGACCTTCGTGCAAGGAGCAGATGTCTGCC
AAGAGACTTGTACAAAGACAATCCGCTGCCAGTTTTTTATTTACTCCTTACTCCCCCAAGACTGCAAGGA
GGAGGGGTGTAAATGTTCCTTAAGGTTATCCACAGATGGCTCCCCAACTAGGATCACCTATGGCATGCAG
GGGAGCTCCGGTTATTCTCTGAGATTGTGTAAACTTGTGGACAGCCCTGACTGTACAACAAAAATAAATG
CACGTATTGTGGGAGGAACAAACGCTTCTTTAGGGGAGTGGCCATGGCAGGTCAGCCTGCAAGTGAAGCT
GGTATCTCAGACCCATTTGTGTGGAGGGTCCATCATTGGTCGCCAATGGGTACTGACAGCTGCCCATTGC
TTTGATGGAATTCCCTATCCAGATGTGTGGCGTATATATGGCGGAATTCTTAGTCTGTCCGAGATTACGA
AAGAAACGCCTTCCTCGAGAATAAAGGAGCTTATTATTCATCAGGAATACAAAGTCTCAGAAGGCAATTA
TGATATTGCCTTAATAAAGCTTCAGACGCCCCTGAATTATACTGAATTCCAAAAACCAATATGCCTGCCT
TCCAAAGCTGACACAAATACAATTTATACCAACTGTTGGGTGACTGGATGGGGCTACACGAAGGAACAAG
GTGAAACGCAAAATATTCTACAAAAGGCTACTATTCCTTTGGTACCAAATGAAGAATGCCAGAAAAAATA
CAGAGATTATGTTATAAACAAGCAGATGATCTGTGCTGGCTACAAAGAAGGCGGAACAGACGCTTGTAAG
GGAGATTCCGGTGGCCCCTTAGTCTGTAAACACAGTGGACGGTGGCAGTTGGTGGGTATCACCAGCTGGG
GTGAAGGCTGCGCCCGCAAGGACCAACCAGGAGTCTACACCAAAGTTTCTGAGTACATGGACTGGATATT
GGAGAAGACACAGAGCAGTGATGTAAGAGCTCTGGAGACATCTTCAGCCTGAGGAGGCTGGGTACCAAGG
AGGAAGAACCCAGCTGGCTTTACCACCTGCCCTCAAGGCAAACTAGAGCTCCAGGATTCTCGGCTGTAAA
ATGTTGATAATGGTGTCTACCTCACATCCGTATCATTGGATTGAAAATTCAAGTGTAGATATAGTTGCTG
AAGACAGCGTTTTGCTCAAGTGTGTTTCCTGCCTTGAGTCACAGGAGCTCCAATGGGAGCATTACAAAGA
TCACCAAGCTTGTTAGGAAAGAGAATGATCAAAGGGTTTTATTAGGTAATGAAATGTCTAGATGTGATGC
AATTGAAAAAAAGACCCCAGATTCTAGCACAGTCCTTGGGACCATTCTCATGTAACTGTTGACTCTGGAC
CTCAGCAGATCTCAGAGTTACCTGTCCACTTCTGACATTTGTTTATTAGAGCCTGATGCTATTCTTTCAA
GTGGAGCAAAAAAAAAAAAAAA
ラット血漿カリクレイン(寄託番号NP_036857.2)
>gi|162138905|基準|NP_036857.2|カリクレインB、血漿1[ドブネズミ(Rattus norvegicus)]
MILFKQVGYFVSLFATVSCGCLSQLYANTFFRGGDLAAIYTPDAQHCQKMCTFHPRCLLFSFLAVSPTKE
TDKRFGCFMKESITGTLPRIHRTGAISGHSLKQCGHQLSACHQDIYEGLDMRGSNFNISKTDSIEECQKL
CTNNIHCQFFTYATKAFHRPEYRKSCLLKRSSSGTPTSIKPVDNLVSGFSLKSCALSEIGCPMDIFQHFA
FADLNVSHVVTPDAFVCRTVCTFHPNCLFFTFYTNEWETESQRNVCFLKTSKSGRPSPPIIQENAVSGYS
LFTCRKARPEPCHFKIYSGVAFEGEELNATFVQGADACQなどTKTIRCQFFTYSLLPQDCKAEGCKCSLR
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TPLNYTEFQKPICLPSKADTNTIYTNCWVTGWGYTKERGETQNILQKATIPLVPNEECQKKYRDYVITKQ
MICAGYKEGGIDACKGDSGGPLVCKHSGRWQLVGITSWGEGCARKEQPGVYTKVAEYIDWILEKIQSSKE
RALETSPA
ラット血漿カリクレインmRNA(寄託番号NM_012725)
>gi|162138904|基準|NM_012725.2|ドブネズミ(Rattus norvegicus)カリクレインB、血漿1(Klkb1)、mRNA
TGAAGACTAGCTTCATGTGAAGACTCCTTCTCCTCCAGCAGCACAAAGCAACCATCCTTCCAGGATGATT
TTATTCAAACAAGTGGGTTATTTTGTTTCCTTGTTCGCTACAGTTTCCTGTGGGTGTCTGTCACAACTGT
ATGCAAATACCTTCTTCAGAGGTGGGGATCTGGCTGCCATCTACACCCCGGATGCCCAGCACTGTCAGAA
GATGTGCACGTTTCACCCCAGGTGCCTGCTCTTCAGCTTCCTTGCCGTGAGTCCAACCAAGGAGACAGAT
AAAAGGTTTGGGTGCTTCATGAAAGAGAGCATTACAGGGACTTTGCCAAGAATACACCGGACAGGGGCCA
TTTCTGGTCATTCTTTAAAACAGTGTGGCCATCAATTAAGTGCTTGCCACCAAGACATATACGAAGGACT
GGATATGAGAGGGTCCAACTTTAATATATCTAAGACCGACAGTATTGAAGAATGCCAGAAACTGTGCACA
AATAATATTCACTGCCAATTTTTCACATATGCTACAAAAGCATTTCACAGACCAGAGTACAGGAAGAGTT
GCCTGCTGAAGCGCAGTTCAAGTGGAACGCCCACCAGTATAAAGCCAGTGGACAACCTGGTGTCTGGATT
CTCACTGAAGTCCTGTGCTCTCTCAGAGATCGGTTGCCCCATGGATATTTTCCAGCACTTTGCCTTTGCA
GACCTGAATGTAAGCCATGTCGTCACCCCCGATGCCTTCGTGTGTCGCACCGTTTGCACCTTCCATCCCA
ACTGCCTCTTCTTCACATTCTACACGAATGAGTGGGAGACGGAATCACAGAGGAATGTTTGTTTTCTTAA
GACATCTAAAAGTGGAAGACCAAGTCCCCCTATTATTCAAGAAAATGCTGTATCTGGATACAGTCTCTTC
ACCTGCAGAAAAGCTCGCCCTGAACCCTGCCATTTCAAGATTTACTCTGGAGTTGCCTTCGAAGGGGAAG
AACTGAACGCGACCTTCGTGCAGGGAGCAGATGCGTGCCAAGAGACTTGTACAAAGACCATCCGCTGTCA
GTTTTTTACTTACTCATTGCTTCCCCAAGACTGCAAGGCAGAGGGGTGTAAATGTTCCTTAAGGTTATCC
ACGGATGGCTCTCCAACTAGGATCACCTATGAGGCACAGGGGAGCTCTGGTTATTCTCTGAGACTGTGTA
AAGTTGTGGAGAGCTCTGACTGTACGACAAAAATAAATGCACGTATTGTGGGAGGAACAAACTCTTCTTT
AGGAGAGTGGCCATGGCAGGTCAGCCTGCAAGTAAAGTTGGTTTCTCAGAATCATATGTGTGGAGGGTCC
ATCATTGGACGCCAATGGATACTGACGGCTGCCCATTGCTTTGATGGGATTCCCTATCCAGACGTGTGGC
GTATATATGGCGGGATTCTTAATCTGTCAGAGATTACAAACAAAACGCCTTTCTCAAGTATAAAGGAGCT
TATTATTCATCAGAAATACAAAATGTCAGAAGGCAGTTACGATATTGCCTTAATAAAGCTTCAGACACCG
TTGAATTATACTGAATTCCAAAAACCAATATGCCTGCCTTCCAAAGCTGACACAAATACAATTTATACCA
ACTGCTGGGTGACTGGATGGGGCTACACAAAGGAACGAGGTGAGACCCAAAATATTCTACAAAAGGCAAC
TATTCCCTTGGTACCAAATGAAGAATGCCAGAAAAAATATAGAGATTATGTTATAACCAAGCAGATGATC
TGTGCTGGCTACAAAGAAGGTGGAATAGATGCTTGTAAGGGAGATTCCGGTGGCCCCTTAGTTTGCAAAC
ATAGTGGAAGGTGGCAGTTGGTGGGTATCACCAGCTGGGGCGAAGGCTGTGCCCGCAAGGAGCAACCAGG
AGTCTACACCAAAGTTGCTGAGTACATTGACTGGATATTGGAGAAGATACAGAGCAGCAAGGAAAGAGCT
CTGGAGACATCTCCAGCATGAGGAGGCTGGGTACTGATGGGGAAGAGCCCAGCTGGCACCAGCTTTACCA
CCTGCCCTCAAGTCCTACTAGAGCTCCAGAGTTCTCTTCTGCAAAATGTCGATAGTGGTGTCTACCTCGC
ATCCTTACCATAGGATTAAAAGTCCAAATGTAGACACAGTTGCTAAAGACAGCGCCATGCTCAAGCGTGC
TTCCTGCCTTGAGCAACAGGAACGCCAATGAGAACTATCCAAAGATTACCAAGCCTGTTTGGAAATAAAA
TGGTCAAAGGATTTTTATTAGGTAGTGAAATTAGGTAGTTGTCCTTGGAACCATTCTCATGTAACTGTTG
ACTCTGGACCTCAGCAGATCACAGTTACCTTCTGTCCACTTCTGACATTTGTGTACTGGAACCTGATGCT
GTTCTTCCACTTGGAGCAAAGAACTGAGAAACCTGGTTCTATCCATTGGGAAAAAGAGATCTTTGTAACA
TTTCCTTTACAATAAAAAGATGTTCTACTTGGACTTGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
修飾
カリクレインを阻害するポリペプチドを様々な方法で修飾することが可能である。例えば、ポリペプチドは、1種以上のポリエチレングリコール部分に結合してその化合物を安定化させたり、または保持時間を、例えば、少なくとも2、4、5、8、10、15、20、50、100、500または1000倍延長させたりすることができる。
1つの実施形態では、カリクレイン結合タンパク質を、循環中(例えば、血液、血清、リンパ液、または他の組織内)でのその安定性および/または保持を、例えば、少なくとも1.5、2、5、10、または50倍改善する部分と物理的に結合する。
例えば、カリクレイン結合タンパク質を、ポリマー、例えば、実質的に非抗原性のポリマー(ポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドなど)と結合し得る。適切なポリマーの重量は大幅に変化する。約200〜約35,000(または約1,000〜約15,000、および2,000〜約12,500)の範囲の数平均分子量を有するポリマーを使用できる。例えば、カリクレイン結合タンパク質は、水溶性ポリマー、例えば、親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンと結合できる。1個のポリペプチドに複数のポリマー部分、例えば、少なくとも2、3、または4個のかかる部分(例えば、約2,000〜7,000ダルトンの平均分子量)が結合できる。かかるポリマーの一覧としては、ポリアルキレンオキシドホモポリマー(ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなど)、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマー(ブロックコポリマーの水溶性が維持される場合)が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、ポリペプチドは、水溶性ポリマー、例えば、親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンと結合できる。かかるポリマーの一覧としては、ポリアルキレンオキシドホモポリマー(ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなど)、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマー(ブロックコポリマーの水溶性が維持される場合)が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる有用なポリマーとしては、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマー(Pluronics)など);ポリメタクリル酸;カルボマー類;糖類の単量体D−マンノース、D−およびL−ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(例えば、ポリマンヌロン酸、またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコースおよびノイラミン酸を含む分枝状または非分枝状の多糖類(ホモ多糖類およびヘテロ多糖類(ラクトース、アミロペクチン、澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、アミロース、硫酸デキストラン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、または酸性ムコ多糖類の多糖類サブユニット、例えばヒアルロン酸など)を含む);糖アルコールのポリマー(ポリソルビトールおよびポリマンニトールなど);ヘパリンまたはヘパランが挙げられる。
他の化合物(例えば、細胞毒素、標識、または別の標的となる物質もしくは関連のない物質)も、上記と同一のポリマーと結合できる。架橋を形成するためには、モノ活性化アルコキシ末端ポリアルキレンオキシド(PAO)、例えば、モノメトキシ末端ポリエチレングリコール(mPEG);C1〜4アルキル末端ポリマー;およびビス活性化ポリエチレンオキシド(グリコール)を使用できる。例えば、米国特許第5,951,974号を参照されたい。
カリクレイン結合タンパク質は、担体タンパク質、例えば、血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)と結合することもできる。例えば、翻訳融合を使用して、担体タンパク質とカリクレイン結合タンパク質とを結合させることができる。
方法
本明細書において、粘膜炎を呈する、または粘膜炎を呈することが疑われる、または粘膜炎を呈するリスクのある対象に単離カリクレイン阻害剤を投与することによる粘膜炎の治療および/または予防のための方法および組成物を提供する。粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、化学療法(例えば、高用量化学療法)および/または放射線療法レジメンを施行予定の、施行中の、または施行予定の対象であり得る。別の例では、粘膜炎の発現リスクのある対象(例えば、患者)は、例えば、癌(例えば、頭頸部癌)と診断された対象であり得る。
本方法は、粘膜炎治療を必要とするヒト対象においてまたは非ヒト対象において実施できる。
1つの実施形態では、治療方法は、カリクレイン阻害剤としての、Kunitzドメインを含む単離ポリペプチドの投与を含む。本方法の1つの実施形態では、広範なセリンプロテアーゼの親和性よりもカリクレインに対する親和性が約30倍以上高い配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドを使用し、このようなポリペプチドは、例えばアプロチニンであり、これはウシの肺から単離されたものであり、現在のところ冠動脈バイパス移植術法での使用に承認されている(TRASYLOL(商標登録)、Bayer Corporation Pharmaceutical Division, West Haven, Conn.)。
単離カリクレイン阻害剤の投与により、粘膜炎の少なくとも1つの症状(疼痛、浮腫、紅斑、続発性細菌性コロニー形成、または食物消費の制限など)の改善、重症度の低減、予防、または安定化に至る。粘膜炎の治療または予防のかかる方法の成功および/または進行は、以下のパラメータの任意の1つにより評価し得る。
・粘膜炎の発現頻度の低下(または)
・任意の所定の疾患重症度レベルにおける粘膜炎の持続期間の短縮(または)
・治療中の任意の経過時点における粘膜炎発現の重症度(1〜4グレード)の低減(または)
・粘膜炎の、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない任意の関連兆候もしくは症状の低減:
o疼痛
o浮腫
o紅斑
o続発性細菌性コロニー形成
o食物消費(固形物、液体)の制限
o疲労
o非治療患者集団と比較した、治療集団における化学療法もしくは放射線療法のより高用量もしくは反復用量に対する耐容能
併用療法
単離カリクレイン阻害剤は、粘膜炎のための併用療法の一部として別の治療物質と共に投与してよい。他の治療は支持療法、または治療薬(パリフェルミン(KEPIVANCE(商標))(ヒトケラチン生成細胞増殖因子(KGF))など)であってよい。支持療法としては、角氷を吸うこと、抗酸化剤、およびうがい薬(例えば、GELCLAIR(商標)、CAPHOSOL(商標)、MUGARD(商標))が挙げられる。抗ヒスタミン剤、麻酔薬、抗炎症剤(コルチコステロイドなど)、抗生剤、および抗真菌剤を配合したいくつかのうがい薬が利用可能である。麻薬性鎮痛剤も疼痛緩和を補助することを示し得る。他の支持療法としては、抗菌剤、抗炎症剤、および良好な口腔ケアが挙げられる。
カリクレイン阻害剤と別の治療薬との併用療法は、複数の異なる形態で提供し得る。カリクレイン阻害剤を関節内注射によって投与する状況下において、カリクレイン阻害剤と治療薬を単一の組成物として共投与してもよいし、またはそれらを別々に注射投与してもよい。いくつかの状況では、カリクレイン阻害剤と治療薬を、併用療法の2成分の所望の投与スケジュールに応じて、時間的に近接して(例えば、同一治療セッション中などの短期間の注射間隔で)投与するか、またはさらに間隔をあけて投与する。カリクレイン阻害剤を全身(非経口)投与により投与する場合、カリクレイン阻害剤と治療薬を、併用療法の2成分の集中投与スケジュールに応じて、時間的に近接して投与してもよいし、より間隔をあけて投与してもよい。
投与
カリクレイン阻害剤(単独または併用療法の一部として)は、粘膜炎の臨床症状の発現前、発現中、および/または発現後に患者に投与できる。患者は、一般にヒトであるが、非ヒト哺乳動物であってもよい。ヒト患者には、成人患者、例えば、19〜25歳、26〜40歳、41〜55歳、56〜75歳、および76歳以上の患者、および小児患者、例えば、0〜2歳、3〜6歳、7〜12歳、および13〜18歳の患者が含まれる。
「医薬上許容可能な」組成物という用語は、本明細書に記載のカリクレイン阻害剤と共に患者に投与してよい非毒性の担体または賦形剤を指す。この担体または賦形剤は、組成物の生体活性または薬理活性に適合するように選別される。本明細書に記載のカリクレイン阻害剤(および、併用療法の場合は、他の治療薬)は、阻害剤および/または他の治療薬の阻害的な量を患者に送達するためのあらゆる適切な手段によって、局所的に投与することもでき、または全身に投与することもできる(例えば、静脈内投与および吸入などの全身投与が挙げられるが、これに限定されない)。非経口投与がカリクレイン阻害剤において特に好ましい。
非経口投与の場合、カリクレイン阻害剤は、静脈内、筋肉内、腹腔内、または皮下に注射できる。皮下注射および静脈内投与が非経口投与の好ましい経路である。局所(関節内)注射も有用である。
典型的には、注射投与用の組成物は、滅菌等張水性緩衝液(例えば、ナトリウム/カリウムリン酸緩衝生理食塩水)中の溶液である。他の医薬上許容可能な担体としては、滅菌水、生理食塩水、および緩衝生理食塩水(リン酸塩または酢酸塩などの緩衝剤を含む)、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、パラフィンなどが挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて、組成物は、活性化合物と有害反応を起こさない限り、可溶化剤および注射部位の疼痛を軽減するための局所麻酔薬(リドカインなど)、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、塩、潤滑剤などを含むこともできる。同様に、組成物は、従来の賦形剤、例えば、非経口、経腸または鼻腔内への適用に適した、活性化合物と有害反応を起こさない医薬上許容可能な有機または無機担体物質を含むことができる。一般に、これらの成分は、別々とされるか、単位投与量形態で混合されるか(例えば、活性物質の量を活性単位で示したアンプル、サシェ、またはバイアルなどの密封容器内で、乾燥した凍結乾燥粉末剤または水分を含まない濃縮物として)のいずれかで供給される。組成物を点滴によって投与しようとする場合、滅菌した医薬品グレードの「注射液」または生理食塩水を含む点滴ボトルを用いて分配することができる。組成物を注射によって投与しようとする場合、成分が投与前に混合できるように、滅菌注射液または生理食塩水の容器(例えば、アンプルまたはバイアル)を提供することができる。
単離カリクレイン阻害剤の皮下投与用の例示的な製剤は、緩衝剤(例えば、ヒスチジンまたはリン酸緩衝液)を含む緩衝液および凍結保護物質(例えば、スクロース、またはスクロースおよびマンニトール、任意にデキストラン40などのデキストランを含む)を含み、米国特許出願公開第2007−0213275号(米国特許第11/716,278号、2007年3月9日出願)に記載のように、保管および分配用に凍結乾燥し得る。
1つの実施形態では、カリクレイン阻害剤を、承認されているあらゆる手順にしたがい、点滴静注として患者に投与する。別の実施形態では、カリクレイン阻害剤を、皮下ボーラスとして患者に投与する。別の実施形態では、カリクレイン阻害剤を、患者に関節内注射によって投与する。静脈内投与および関節内投与は、典型的には、医療専門家により臨床環境(例えば、病院、救急課、または医師の診療室)において行われるが、皮下注射は自己投与であってもよいし、または医療専門家による投与であってもよい。
全身投与用カリクレイン阻害剤の用量を決定するために評価できるパラメータを、以下でDX−88(非天然カリクレイン阻害剤、配列番号2)に関して記載する。血漿中の循環プレカリクレインの総量は、約500nM〜600nMであると報告されている(Silverberg et al., “The Contact System and Its Disorders,” in Blood: Principles and Practice of Hematology, Handin, R. et al., eds, J B Lippincott Co., Philadelphia, 1995)。すべてのプレカリクレインが活性化された場合、カリクレインを化学量論的に阻害するのに約520ナノモル/LのDX−88(DX88)を用いることができる。5Lの血漿を有する個体は、2.6マイクロモル、またはDX−88の分子量が7,054ダルトンであることに基づいて約18mgの用量のDX−88を必要とすると予想される。これは、以下のようにして計算した:DX88のKは、0.044nMである。血漿カリクレイン(PK)の濃度が、例えば、1nMであることが望ましい場合、式K=0.044nM=[DX88]×[PK]/[DX88−PK]=[DX88]×1nm/499nMから、遊離したDX−88の濃度は22.0nMであることが示される。したがって、必要なDX−88の総量は499+22、つまり521nMと予想される。この用量は、すべてのプレカリクレインが活性化されたとは限らない場合、またはカリクレインの一部が内因性の阻害剤(例えば、C1エステラーゼ阻害剤(C1INH))によって不活性化された場合、比例的に減少する可能性がある。したがって、ある実施形態では、約5、10、15、20、30、40、60、80、120、250、500、600、700、800、1000mgのDX−88を、単回投与で、または1回以上の用量を24時間にわたって分割して対象に投与できる。他のいくつかの要因(患者の年齢、体重、ならびに粘膜炎の重症度および関連症状など)を考慮することによって、実際に必要なDX−88の用量をより正確に推定できる可能性がある。
いくつかの実施形態では、カリクレイン阻害剤ポリペプチドを、約1〜500mg/m、好ましくは約1〜250mg/m、1〜100mg/mの用量で投与する。
機器およびキット
カリクレイン阻害剤を含む医薬組成物は、医療機器を用いて投与できる。この機器は、病院または救急室/救急施設以外の環境において(例えば、在宅または医師の診療室で患者または介護士が)使用できるように、携帯性、室温保管性、および使用の容易性などの特徴を備えるように設計することができる。機器は、例えば、単離カリクレイン阻害剤を含む医薬配合物保管用のハウジングを1つ以上含み得、単位用量の物質(1種または複数)を1回以上送達するように設計することができる。
静脈内投与は、ボーラスで行ってもよいし、または適切な注射器もしくは点滴器(例えば、カテーテル、点滴ポンプ、インプラントなど)を用いた点滴で行ってもよい。皮下注射は、例えばカテーテルおよび点滴ポンプまたは埋め込み型機器を用いた点滴として行ってよい。他の多くの機器、インプラント、送達系、およびモジュールも知られている。
カリクレイン阻害剤を凍結乾燥粉末剤として分配する場合、それらを使用前に還元しなければならない。手作業での還元(例えば、希釈剤を、凍結乾燥製剤を含む容器内へ注入ポートを介して注入することによって、凍結乾燥製剤に手作業で添加すること)を用いてもよいし、またはカリクレイン阻害剤を自動での還元(例えば、凍結乾燥製剤への希釈剤の自動添加)用に設計された機器(BECTON−DICKINSON BD(商標登録)Liquid Dry Injectorなど)により提供してもよい。
単離カリクレイン阻害剤は、キット中に提供できる。1つの実施形態では、キットは(a)単離カリクレイン阻害剤を含む組成物を含む容器、および(b)本明細書に記載の方法および/または治療便益のための薬剤の使用に関する情報資料を含む。
ある実施形態では、キットには、別の治療薬も含まれる。例えば、キットには、単離カリクレイン阻害剤を含む組成物を含む第一の容器、および他の治療薬を含む第二の容器が含まれる。単離カリクレイン阻害剤および他の治療薬は、カリクレイン阻害剤と治療薬を単一の組成物として投与する方法における使用用に同一容器内で供給し得る。
キットの情報資料は、その形態が限定されない。1つの実施形態では、情報資料は、化合物の産生、化合物の分子量、濃度、有効期限、バッチまたは産生部位情報などの情報を含むことができる。1つの実施形態では、情報資料は、例えば、粘膜炎を呈する対象を治療するのに適した用量、投与形態、または投与方法(例えば、本明細書に記載の用量、投与形態、または投与方法)での単離カリクレイン阻害剤の投与方法に関する。これらの情報は、印刷物、コンピュータ媒体資料、録画、または録音、または実体的資料へのリンクもしくはアドレスを提供する情報を含む様々な形態で提供できる。
キット中の組成物は、単離カリクレイン阻害剤(および、存在する場合、追加の治療薬(1つまたは複数))に加えて、他の成分(溶媒もしくは緩衝液、安定剤、または保存剤など)を含み得る。単離カリクレイン阻害剤(および、存在する場合、他の治療薬)は、あらゆる形態(例えば、液体、乾燥形態または凍結乾燥形態)で提供できるが、実質的に純粋および/または無菌であることが好ましい。これらの物質を溶液中に提供する場合、溶液は好ましくは水溶液である。これらの物質を乾燥形態で提供する場合、一般に還元は適切な溶媒の添加によって行う。溶媒(例えば、滅菌水または滅菌緩衝液)は任意にキット中に提供できる。
キットは、物質を含む組成物(1つまたは複数)用の容器を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、組成物および情報資料用に別々の容器、仕切りまたは区画を含む。例えば、組成物を、瓶、バイアル、またはシリンジに含めることもでき、情報資料をプラスチックシートまたは小箱に含めることもできる。他の実施形態では、キットの個別の要素を単一の非分割容器内に含める。例えば、組成物を、ラベルの形態で情報資料を添付した瓶、バイアルまたはシリンジ中に含める。いくつかの実施形態では、キットは、個別の容器を複数(例えば、パックで)含み、各容器は1つ以上の単位投与形態(例えば、本明細書に記載の投与形態)の物質を含む。容器は、単位投与量(例えば、単離カリクレイン阻害剤および別の治療薬の両方を、例えば、所望の比率で含む単位)の組み合わせを含み得る。例えば、キットは、複数のシリンジ、アンプル、金属箔の包み、ブリスターパック、または医療機器を含み、例えば、これらはそれぞれが単一の単位用量の組み合わせを含む。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、湿気または蒸発の変化を防止する)、および/または遮光性であり得る。
キットは、組成物の投与に適した機器、例えば、シリンジ、または他の適切な送達機器を任意に含む。機器は、上記物質の一方または両方を予め充填して提供することもでき、または空だが充填に適した状態で提供することもできる。
以下の実施例は、さらなる例証を提示するが、これらに限定されない。
[予想実施例1]
口腔粘膜炎の予防および治療におけるDX−88の有効性の決定
この前臨床発現計画の主な目的は、癌治療に使用される化学療法または放射線療法により誘発された口腔粘膜炎に対する介入としての、DX−88(および/または関連化合物)至適製剤の有効性およびスケジュールの確立である。この計画は、本容態の検証したおよび予測的動物モデル(下記)において実施される論理的につながっている実験群からなる。
有効性スクリーニング(工程1)。急性放射線誘発性の粘膜炎を化合物および製剤のスクリーニングに使用する。このモデルでは、動物に単回高線量の放射線を単離したほお粘膜に対して照射する。発現する潰瘍性粘膜炎の動力学および程度は一貫したコースにしたがう。潰瘍性粘膜炎の弱毒化は、DX−88の有効性を定義するために使用するロバストエンドポイントである。このモデルを使用して、DX−88の皮下、腹腔内および局所的処方を用量範囲形態において評価する。
用量範囲至適化およびスケジュールのスクリーニング(工程2)。工程1において確立したリード製剤を様々なスケジュールスキーム(例えば、放射線照射前および連続7日間、放射線照射後および連日14日間など)に適用した追加用量を用いて評価する。
臨床的決定点:製品標的集団(サイクル化学療法、放射線療法、HSCT)の決定。続く前臨床的試験は、予測された製品クレーム/市場優先順位について設計した。
投与スケジュール決定(工程3)。放射線療法誘発性の粘膜炎が主要な適応症である場合、分割放射線モデルにおいて、ヒトにおける投与スケジュールを模したスケジュール試験を実施する。一方、サイクル化学療法を主な適応として選択した場合、化学療法(おそらくは5−フルオロウラシル)モデルを使用する。元の試験の観察結果を確認するために、至適プロトコールに注目した本試験の小規模バージョンの試験を行い得る。
注記:支持的腫瘍製品はいずれも、正常組織の保護が細胞障害療法に対する腫瘍反応を改変しないことが必要とされる。したがって、並行して、DX−88の不活発な腫瘍増殖調節因子としてまたは療法に対する反応を実証する試験を実施する。
試験1.粘膜炎の急性放射線。これは2〜3製剤を比較する用量範囲試験である。これは8群(64匹の動物)を用いた30日間試験である。投与は−1日目から20日目まで行う。1つ以上の治療群において有効性が観察された場合、至適化試験に直接移ることができる。有効性が観察されなかった場合、増量または変更した製剤を用いて本試験を反復する必要があり得る。
試験2.粘膜炎の急性放射線。これは至適製剤の用量範囲試験である。本試験では、用量範囲を拡大し、代替的な投与スケジュールを評価する。これは8群(64匹の動物)を用いた30日間試験である。両試験が順調で至適用量/スケジュールプロトコールが決定された場合、改変試験に移り、特定の臨床的集団に取り組む。最初の2件の試験において用量およびスケジュールに関するすべての疑問点が解決できない可能性がある。その場合、第三の試験が必要となり得る。
試験3.粘膜炎の急性放射線(必要性は試験1+2結果に依存)。本実験では、最初の2件の試験後に残っている至適用量、処方および/またはスケジュールに関するあらゆる不明確な疑問点に取り組む。これは8群(64匹の動物)を用いた30日間試験である。本試験は依然として解決すべき疑問点に応じて、より大規模でも、より小規模でもよい。
試験4.臨床的集団を対象とした粘膜炎試験。本試験は、Dyaxの発現優先度に応じて分割放射線試験または併用化学療法/放射線試験のいずれかである。本試験の目的は、特定の臨床適応症のための至適用量およびスケジュールの決定である。本試験では、我々は、至適用量およびスケジュールを一括して至適化する。化学/放射線試験には40日間かかると予想され、7つの実験群(70匹の動物)を評価する。分割放射線試験も終了までに40日間かかると予想され、類似規模であると予想される。
試験5.臨床的集団を対象とした粘膜炎試験。本試験は、試験4の確証試験である。本試験の目的は、特定の臨床適応症のための至適用量およびスケジュールの確認である。本試験では、我々は、至適用量およびスケジュールを一括して至適化する。本試験は試験4より小規模であり、経費は使用した動物数に応じる。
[予想実施例2]
口腔粘膜炎の予防および治療におけるEpi−KAL2の有効性の決定
試験目的
本試験の目的は、急性放射線により誘発した口腔粘膜炎の頻度、重症度および期間に対するEPI−KAL2の有効性の実証である。EPI−KAL2は、組織因子経路阻害剤の第一ドメインに基づくpKalの強力な(Ki,app=0.1nM)活性部位阻害剤かつKunitzドメイン阻害剤である(Markland (1996) Iterative optimization of high−affinity protease inhibitors using phage display. 2. Plasma kallikrein and thrombin.Biochemistry. 35(24):8058−67)。
EPI−KAL2配列は:
EAMHSFCAFKADDGPCRAAHPRWFFNIFTRQCEEFSYGGCGGNQNRFESLEECKKMCTRD
(斜体のアミノ酸は、TFPIと異なるアミノ酸である)
である。
第一試験では、2つの投与経路を試験する。本試験の主な目的は、各投与経路の有効性のシグナルの取得である。本試験の結果は、口腔粘膜炎治療における用量およびスケジュールの両方の将来的な至適化の基礎を提供する。
材料および方法
Figure 2013516389
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実験設計
0日目、24匹の雄Syrian Goldenハムスターに急性線量40Gyを左口内のほお袋に対して照射する。これは動物に麻酔をかけ、左口内袋を裏返して行い、その間、残りの動物は鉛のシールドで保護する。被験物質を局所投与、またはIP注射により左ほお袋に対して投与する。粘膜炎評価を6日目に臨床的に開始し、28日目まで隔日で継続する。
28日目、すべての動物をCO2吸入で安楽死させ、USDAガイドラインにしたがった心拍のモニタリングにより死亡を確認する。剖検にて、左右のほお袋を採集して液体窒素で瞬間凍結する。これらの試料を−80℃で保存し、生体マーカー分析用に乾燥氷上で輸送する。
Figure 2013516389
実験手順
粘膜炎の誘発
0日目、すべての動物に単回放射線量(40Gy/用量)を照射して粘膜炎を誘発する。放射線を160キロボルトの潜在的(15ma)源で焦点距離21cmで生成して、3.0mmのAlろ過系で硬化する。左口内袋粘膜を標的として2.5Gy/分の速度で照射する。照射前、ケタミン(160mg/kg)およびキシラジン(8mg/kg)の腹腔内注射で動物に麻酔をかける。左口内袋を裏返し、固定して鉛のシールドを用いて単離する。
粘膜炎スコアリング
6日目に開始し、その後隔日(8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、および28日目)で継続し、各動物を撮影して粘膜炎スコアリングを評価する。測定すべきパラメータとしては、粘膜炎スコア、体重変動および生存率が挙げられる。粘膜炎評価のため、動物を吸入麻酔薬で麻痺させ、左袋を裏返す。粘膜炎を、正常な場合の0から重度の潰瘍形成の場合の5までの範囲(臨床的スコアリング)で、検証した写真尺度と比較して視覚的にスコアリングする。この尺度を記述的に以下のように定義する。
スコア:説明:
0 袋は完全に健常。紅斑も血管拡張もなし。
1 軽度〜重度の紅斑および血管拡張。粘膜びらんなし。
2 重度の紅斑および血管拡張。露出領域を残した粘膜の表在性様相のびらん。低減した粘膜点描。
3 1箇所以上においてオフホワイト色の潰瘍形成。潰瘍は偽膜のために黄色/灰色の外見を呈し得る。潰瘍の累積サイズは袋の約1/4に相当する。重度の紅斑および血管拡張。
4 潰瘍の累積サイズは袋の約1/2に相当する。柔軟性喪失。重度の紅斑および血管拡張。
5 実質的にすべての袋が潰瘍化した。柔軟性喪失(袋は部分的にしか口から抽出できない)
スコア1〜2は軽度の疾患期を示すものとみなし、スコア3〜5は中等度〜重度の粘膜炎を示すものとみなす。この予備臨床的スコアリングの後、標準化技術を用いて各動物の粘膜を写真撮影した。実験終了時、フィルムを現像し、写真を無作為化スコアリングのために無作為にナンバリングした。その後、2人の互いに依存しない訓練を受けた観察者が、盲検式で上記の尺度を用いて写真を段階付けた。各写真において、実際の無作為化スコアは、評価者のスコアの平均値に基づく。この盲検的な写真評価によるスコアのみを統計分析し、最終試験報告において報告した。
粘膜炎評価
盲検写真を用いて、粘膜炎グレードをスコア化する(6日目に開始し、その後隔日で、28日目まで)。各薬剤治療の粘膜炎に対する効果をビヒクル対照と比較して、以下のパラメータに応じて評価する。
各群のハムスターが重度(スコア≧3)の粘膜炎を呈する日数差。
連日、動物をスコア化し(評価日)、各薬剤治療群における盲検粘膜炎スコア≧3の動物数をビヒクル対照群と比較する。相違を連日ならびに累積的に分析する。薬剤治療群におけるスコア>3のハムスター数が対照に対して統計的に有意に少ないことがχ二乗分析により決定された場合に、治療が成功したものとみなす。
連日の粘膜炎スコアにおけるランク総計の相違。
各評価日に、非パラメトリックランク総計分析を用いて、ビヒクル対照群のスコアを治療群のスコアと比較する。6日目から28日目まで2日間以上、治療群におけるスコアが統計的に有意に低下した場合に、治療が成功したものとみなす。
粘膜炎の消散に対する被験薬の効果を評価するため、試験と対照との間で治癒までの時間を比較する。消散は潰瘍性病変の不在(スコア<3)と定義する。
体重
治療に起因する粘膜炎の重症度および/または可能な毒性の指標として、治療群間の動物の体重の可能な相違を評価するため、試験期間中、毎日、各動物の体重を測定して生存率を記録する。
死亡または瀕死をみとめた動物
このモデルにおける動物死は一般に麻酔の過投与または薬物毒性の結果として生じる。動物を連日モニタリングし、体重低下が20%超示された動物を安楽死させる。副作用または予期しない死はいずれも迅速に報告する。
データ分析および報告
統計分析 治療群間の統計的な差をスチューデントT検定、マンホイットニーU検定および臨界値0.05のχ二乗分析を用いて決定する。最大10%の動物死が主に麻酔薬投与の結果として生じ得ることが予期される。しかしながら、28日目に生存し続けていることが予期される動物数(6匹/治療群)は統計的評価のために許容できるとみなされる。
阻害抗血漿カリクレイン結合タンパク質
我々は、いくつかの抗体阻害剤および血漿カリクレイン結合剤(pKal)を見出した。これらのうち最も強力なものをさらに特徴化し、見かけの阻害定数(Ki,app)<10nMを有すること、他の被験セリンプロテアーゼに関して特異的なpKal阻害剤であること、およびプレカリクレインと結合しないことが示された。阻害剤のCDRアミノ酸配列を表6に示す。
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使用した略語:「T/B」とは、「背景」(ストレプトアビジン)のELISAシグナルにより分割した「標的」(ビオチン化血漿カリクレイン)を用いて得られたELISAシグナルである;この両方をマイクロタイタープレート上でコーティングした。「nd」とは、未決定のことである。記号「q」とは、アンバー抑制可能な終了コドン(TAG)を指し、これはE.coli(Fab断片を発現するために使用したTG1細胞など)の菌株中のグルタミン(Q)として翻訳される。
pKal抗体阻害剤の軽鎖(LC)および重鎖(HC)可変ドメインのアミノ酸配列を以下に示す。
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注記:X81−B01の可変配列はX63−G06(X81−B01のFabバージョンであり、これはIgGである)と同一であり、これを表11に示す。
主要な抗体阻害剤
見かけの阻害定数(Ki,app)、他のセリンプロテアーゼの阻害の欠如、ブラジキニン生成の阻害、および血漿プレカリクレインへの結合の欠如に関する特異性に基づき、主要な血漿カリクレイン阻害剤としての抗体を選択した(表7)。血漿カリクレインは、約500nMの濃度の不活性酵素前駆体(プレカリクレイン)として血漿中を循環する。プレカリクレインと結合した抗体は活性血漿カリクレインを阻害し難くなり得、効力に要するin vivo用量が大幅に上昇し得る。そのため、表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを使用して、プレカリクレインと結合しない抗体を同定した(データは示していない)。特異的に、ヒトIgG(X81−B01、M162−A04(R84−H05);M160−G12(R84−D02);およびM142−H08)を抗ヒトFc表面および100nMの血漿カリクレインまたは100nMもしくは500nMのプレカリクレインを用いてCM5チップ上で捕獲した。プレカリクレインをアプロチニン−セファロースで治療して活性血漿カリクレインを除去した。X81−B01に使用したプレカリクレインは、試験した他の3つの抗体:M162−A04(R84−H05);M160−G12(R84−D02);およびM142−H08により観察された屈折指標の移行を回避するためにSPR流れる緩衝液(HEPES緩衝生理食塩水)の正確な調製物に変換した緩衝液であった。
表7に列挙した抗体のうち、M142−H08のみがヒト血漿カリクレインをナノモル以下のKi,appで阻害した。しかしながら、M142−H08がIgGとして産生された場合、それは重鎖のCDRJ内で切断されることが見出された。したがって、我々は、親和性を改善するために2つのアプローチ:1)ROLIC(軽鎖の急速至適化(apid ptimization of ight hains))と呼ばれる新規形態の軽鎖混合を用いた、M162−A04およびM160−G12の親和性成熟(例えば、WO2009/102927号および米国特許第2009−0215119号を参照されたい);ならびに2)M142−H08の結合および阻害特性を保持しつつ生じるIgG切断を防止するためのM142−H08の配列至適化、を施行することを決定した。
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M142−H08の配列至適化
表7に列挙した抗体のうち、M142−H08のみがヒトpKalをナノモル以下のKi,appで阻害する。しかしながら、M142−H08がIgGとして産生された場合、それは重鎖のCDR3中で切断されることが見出された。M142−H08は、質量分析によりHC−CDR3配列(GGLLLWFRELKSNYFDY)の「WFR」配列のアルギニン後に切断されることが見出された。この切断により、抗体(CHOおよび293Tヒト腎細胞の両方)を発現するために使用された細胞由来のプロテアーゼは、単一の特異的部位で抗体を酵素的に切断することが示唆される。我々は、M142−H08の結合および阻害特性を保持しつつ生じるIgGの切断を防止するアミノ酸置換を同定するために、M142−H08のHC−CDR3配列を変異させた。同様に「切り取られた」抗体を用いた先の実験により、宿主細胞プロテアーゼにより切り取られずに標的となる酵素の強力な阻害を保持する抗体を同定するためには、単に推定P1位(プロテアーゼのサブサイト1、表8を参照されたい)に注目することは不十分であり得ることが示唆された。そのため、我々は、切り取られていないが依然として強力なpKal阻害剤であるM142−H08変異体を同定するために、切断部位の周辺領域内の単一点変異の小さなライブラリーを作製した。我々は、このライブラリーを「設計によるCDR3」ライブラリーと呼ぶ。この小さなライブラリーは、P3、P2、P1、またはP1’部位のいずれかに無作為のコドンNNKを含むPCRプライマーを用いて構築した。これにより、各4位が任意の20種のアミノ酸(20+20+20+20=80メンバー)を含み得る小さなライブラリーが得られる。PCRを用いて、このライブラリーを、標準的なファージミドベクターであるpMid21ベクター中のM142−H08 Fab配列にクローニングした。
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DNAシークエンシングにより、我々は、可能な80個の抗体中61個を採集した(表9)。これらの抗体を小サイズ(〜20μg)のFab断片として産生し、Pro−Phe−Arg−アミノメチルクマリンを合成ペプチド基質として用いて、in vitroプロテアーゼ切断アッセイにおけるヒトpKalに対する阻害について試験した。ヒトpKal阻害剤であることが見出されたFabを、完全長ヒトIgG1抗体への変換のために我々のpBRH1fベクター(293T細胞中のIgGの一過性発現ベクター)中にサブクローニングした。次いで、5個の抗体が293T細胞中で発現し、タンパク質Aセファロースクロマトグラフィーにより精製された。抗体をSDS−PAGEにより分析して、どの阻害剤変異体が宿主細胞プロテアーゼ(1つまたは複数)により切断されていないか決定した(データは示していない)。切断された抗体(559A−X67−G05、559A−X67−H01、559A−X67−G09)は38〜49kDa分子量マーカーで転位された余分なバンドを有した。このバンドは559A−X67−H04および559A−X67−D03抗体中では存在せず、これらの抗体はインタクトであることが示される。
SDS−PAGEにより切断されていないことが示されたもののKi,app値を定常状態の酵素動力学により決定した(表9)。興味深いことに、P2位は、アミノ酸置換によりpKalのインタクトな抗体阻害剤が得られた唯一の位置であった。P3位で採集した14個の異なる変異(表9)のうち、1個の変異(WからL)のみがFabとしてのpKal阻害剤であることが見出されたが、IgGとして切り取られたことが続いて示された。P1位の16個の異なる変異(表9)のいずれもpKal阻害剤ではないことが見出された。P1位の15個の異なる変異中8個がFabとしてpKal阻害剤であることが見出されたが、すべてIgGとして切り取られた。したがって、P2位の変異のみが発現中に切り取られなかった抗体阻害剤に至った。P2位で採集した16個の異なる変異(表9)のうち、8個の変異体はFabとしてのpKal阻害剤であることが見出されたが、IgGとして切り取られたことが続いて示された。P2位の4個の変異体:X67−G04(FからA)、X67−C03(FからM)、X67−F01(FからQ)およびX67−D03(FからN)は、ナノモル以下のKi,app値を有することが見出された。最高効力の抗体はX67−D03(Ki,app=0.1nM)である。表10に示した2つの抗体はIgGとして発現時に切断されず、ナノモル以下のKi,appでpKalを阻害することが見出された。
非生殖系列(X63−G06)および生殖系列の軽鎖のDNAおよびアミノ酸配列整列、ROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体のコドン至適化(X81−B01)バージョンを図3および4にそれぞれ示す。非生殖系列(X63−G06)および生殖系列の重鎖のDNAおよびアミノ酸配列整列、ROLIC親和性成熟を用いて見出された同一抗体のコドンの至適化(X81−B01)バージョンを図5および6にそれぞれ示す。
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指定のHC CDR3を有するpKal抗体の軽鎖(LC)および重鎖(HC)可変ドメインのアミノ酸配列を以下に示す。
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ROLICを用いて見出されたpKalの親和性成熟抗体阻害剤の軽鎖(LC)および重鎖(HC)可変ドメインのアミノ酸配列を以下に示す。
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上に示したように、X81−B01はX63−G06 FabのIgGバージョンである。
親和性成熟
切り取られた抗体(M142−H08)配列の至適化に加えて、我々は、ファージディスプレイにより同定した2つの抗体(M162−A04およびM160−G12)上で親和性成熟も実施した。これらの抗体の両方が1桁のナノモル効力でヒトpKalを阻害し、pKal特異的であると思われ、プレカリクレインと結合しない(表7)。最初に、我々は、ROLIC(軽鎖の急速至適化(apid ptimization of ight hains))と呼ばれる新規形態の軽鎖混合をM162−A04およびM160−G12上で実施した(例えば、WO2009/102927号および米国特許第2009−0215119号を参照されたい)。ROLICにより見出された抗体のスクリーニングにより、我々は、M160−G12と同一の重鎖を共有するナノモル以下の効力(X63−G06)を有する1つの抗体を同定した。次いで、我々は、M162−A04およびX63−G06中のCDR3配列に基づきHV−CDR3スパイキング親和性成熟ライブラリーを構築した(下記)。
ROLICによる親和性成熟。我々は、表7のうち切断されなかった2つのリード(M162−A04およびM160−G12)の親和性成熟にROLICを使用した。この過程により、ナノモル以下のKi,appでpKalを阻害する1つの抗体を同定した(表11)。X63−G06はFab断片としてpKalを約0.4nMのKi,appで阻害する。この抗体を、生殖系列化しかつCHO細胞発現のために配列を至適化したIgG(X81−B01)に変換時、約0.2nMのKi,appでpKalを阻害することが見出された。
重鎖CDR1/2およびCDR3の親和性成熟
我々は、2つの異なる親抗体阻害剤リード:M162−A04およびX63−G06に基づく非常に強力な抗体を同定するために、さらに2つの親和性成熟戦略を用いた。一方のアプローチは、追加のCDR1/2多様性に対して2つの異なる親抗体阻害剤リード(M162−A04およびX63−G06)のHCのCDR1/2を混ぜたライブラリーの生成であった。もう一方のアプローチは、これらのリードに基づく重鎖CDR3スパイキングライブラリーの作製であった。
82個の抗体がCDR1/2およびCDR3領域のいずれかにおける修飾に起因するM162−A04の改善に基づき見出され、これを表12に示す。10nMの抗体(Fab断片として)を用いた阻害スクリーニングにより、33個の抗体がpKal活性を90%超阻害したことが明らかになった。いくつかの抗体は、ヒトpKalのナノモル以下の阻害剤であることが示された。
CDR1/2およびCDR3領域のいずれかにおける修飾に起因するX63−G06中の改善に基づき見出された62個の抗体を表13に示す。10nMの抗体(Fab断片として)を用いた阻害スクリーニングにより、24個の抗体がpKal活性を90%超阻害したことが明らかになった。いくつかの抗体がヒトpKalのナノモル以下の阻害剤として示された。
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M162−A04に基づくCDR1/2およびCDR3スパイキング親和性成熟ライブラリーから得られたpKal抗体の軽鎖(LC)および重鎖(HC)可変ドメインのアミノ酸配列。
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X63−G06に基づくCDR1/2およびCDR3スパイキング親和性成熟ライブラリーから得られたpKal抗体の軽鎖(LC)および重鎖(HC)可変ドメインのアミノ酸配列。
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血漿カリクレインの選択された抗体阻害剤の評価
選択された至適化抗体(X81−B01およびX67−D03)の評価を表14に示す。いずれの抗体も、いかなる推定脱アミド、異性化、または酸化部位も有さない。
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エピトープマッピング
選択された抗pKal抗体が結合したpKal領域をいくつかの方法を用いて調査した。第一に、競合アッセイを用いて、抗体がpKal結合について既知の活性部位指向阻害剤と競合するかどうかを決定した。第二に、pKal阻害剤であったか単にpKal結合剤であったかに応じて抗体を分類した。第三に、pKalの配列および3次元構造に基づく合成ペプチドおよびペプチド構造を用いてエピトープを調査した。これらのペプチド構造を「CLIPS」(足場上の化学的結合ペプチド(Chemically Linked Peptides on Scaffolds))と呼び、Pepscanという名のサービス会社のための報酬によって試験を実施した。
第四に、抗体の(ヒト以外の)他種由来のpKalの阻害能力を試験した(阻害における相違を説明し得るアミノ酸を同定するためにpKalのアミノ酸配列は決定済である)。
競合アッセイ
BIACORE(商標)SPRアッセイを用いて、目的の抗体とpKalの既知の活性部位阻害剤との競合について試験した。EPI−KAL2は、組織因子経路阻害剤の第一ドメインに基づくpKalの強力な(Ki,app=0.1nM)活性部位阻害剤かつKunitzドメイン阻害剤である(Markland (1996) Iterative optimization of high−affinity protease inhibitors using phage display. 2. Plasma kallikrein and thrombin, Biochemistry 35(24):8058−67)。Kunitzドメインは、セリンプロテアーゼの既知の活性部位阻害剤(pKalなど)である。
EPI−KAL2配列は、
EAMHSFCAFKADDGPCRAAHPRWFFNIFTRQCEEFSYGGCGGNQNRFESLEECKKMCTRD
(斜体のアミノ酸は、TFPIと異なるアミノ酸である)
である。
図7A〜7Bに示すように、抗体X81−B01およびX67−D03は、EPI−KAL2の存在下、pKal結合について競合した。この結果により、これらの抗体は、活性部位近傍と結合するか、またはpKal−EPI−KAL2錯体の高次構造をアロステリック変化させるかのいずれかにより、抗体の結合を防止することが示される。
抗体の結合剤と阻害剤との比較
pKalの活性を阻害する抗体は、活性部位付近に結合して基質相互作を防止する(競合的阻害剤)か、または活性部位から離れて結合して活性部位構造にアロステリック変化を誘発する(非競合的阻害剤)かのいずれかである。表15に、列挙した抗体が阻害剤としてマウスpKalと交差反応するかどうか、およびプレカリクレインと結合するかどうかの実証を示す。
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CLIPSを用いたエピトープマッピング
表15に列挙した抗pKal抗体と、1つの陰性対照(A2)およびpKalと結合したがpKalを阻害しなかった3つの抗体の5000個の異なる合成CLIPS(足場上の化学的結合ペプチド(Chemically Linked Peptides on Scaffolds))に対する結合について、以下のCLIPS方法項目に記載のようにPepscanにより試験した。この分析により、pKal中ペプチド領域は、各被験抗体の抗体エピトープの一部分である可能性が高いという確認に至った(図8)。
CLIPS方法
標的となるタンパク質のアミノ酸配列に基づき、標準的なFmoc化学を用いて線形およびCLIPSペプチドを合成し、三フッ素酸をスカベンジャーと共に用いて保護を外した。高次構造的エピトープを還元するために、足場上の化学的結合ペプチド(Chemically Linked Peptides on Scaffolds)(CLIPS)技術を用いて、化学的足場の上で拘束ペプチドを合成した(Timmerman et al. (2007)。例えば、単一ループ式ペプチドはジシステインを含むように合成し、α、α’−ジブロモキシレンで処理することによってそのジシステインを環化した。間隔が変化する位置にシステイン残基を導入することによってループのサイズを変化させた。新たに導入したシステイン以外にシステインが存在している場合には、そのシステインをアラニンで置換した。クレジットカード形式のポリプロピレン製PEPSCANカード(455ペプチド形式/カード)の上でCLIPS鋳型の0.5mM溶液(1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼンを含む炭酸水素アンモニウム溶液(20mM、pH7.9)/アセトニトリル(1:1(v/v))など)と反応させることにより、ペプチド中に複数あるシステインの側鎖をCLIPS鋳型と結合させた。カードを溶液で完全に覆いつつ、溶液中で30〜60分間穏やかに撹拌した。最後に、カードを過剰なHOで徹底的に洗浄し、1パーセントSDS/0.1パーセントβ−メルカプトエタノールのPBS溶液(pH7.2)を含む中断緩衝液の中で70℃にて30分間にわたって超音波処理後、HOの中でさらに45分間にわたって超音波処理した。PEPSCANをベースとしたELISAによって各ペプチドへの抗体の結合を試験した。共有結合ペプチドを含む455ウェルのクレジットカード形式ポリプロピレン製カードを、一次抗体溶液、例えば、SQ(4%ウマ血清、5%卵白アルブミン(w/v)のPBS/1%Tween溶液中で、またはPBS溶液で希釈した、例えば、20%SQ)と呼ばれるブロッキング溶液で希釈した1マイクログラム/mLからなる一次抗体溶液で一晩インキュベートした。洗浄後、ペプチドを1/1000希釈のウサギ抗ヒト抗体ペルオキシダーゼまたはヤギ抗ヒトFABペルオキシダーゼで25℃にて1時間インキュベートした。洗浄後、ペルオキシダーゼ基質である2,2’−アジノ−ジ−3−エチルベンツチアゾリンスルホン酸(ABTS)および2マイクロリットルの3パーセントHを添加した。1時間後、色の展開を測定した。この色の展開を電荷結合素子(CCD)カメラおよび画像処理システムを用いて(Slootstra et al., 1996に最初に記載されたように)定量化した。
データ計算
生データ:光学濃度(任意OD単位)
生データはCCDカメラにより得られた光学値である。この値はほぼ0〜3000の範囲であり、対数尺度は標準的な96ウェルプレートelisaリーダーの1〜3に類似する。最初に、ペルオキシダーゼの着色前にCCDカメラによりカードの写真を作製し、次いでペルオキシダーゼ着色後に再度写真を作製する。これら2枚の写真を互いに差し引き、生データと呼ばれるデータを得る。これをPeplab(商標登録)データベース中にコピーする。次いで、この値をエクセルにコピーし、このファイルを生データファイルとしてラベリングする。1つの追跡操作が可能である。時折、ウェルには偽陽性値に至る気泡が含まれ、カードを手作業で検査し、気泡により生じた値をいずれも0としてスコア化する。
通常、アッセイは反復しない(顧客の要求に応じてのみ)。反復試験は通常、非常に類似している。加えて、数千のペプチドデータセットには類似したペプチドが多くの含まれるため、結果は決して1つのペプチドの認識に基づかず、類似したペプチドファミリーに基づく。1個もしくは数個のペプチドが結合しない場合、またはより低い結合を示す場合、反復実験において、通常、異なるエピトープマッピングに起因しない。
Timmerman et al. (2007). Functional reconstruction and synthetic mimicry of a conformational epitope using CLIPS(トレードマーク) technology. J. Mol. Recognit. 20:283−99
Slootstra et al. (1996). Structural aspects of antibody−antigen interaction revealed through small random peptide libraries, Molecular Diversity,1, 87−96。
異種由来のpKal配列分析
すべての利用可能なpKal配列を公開データベースから得て、ClustalWを用いて整列し、領域は溶媒露出度に基づいて強調され、活性部位Kunitz阻害剤およびCLIPS分析により同定したペプチドと接触した(図9A〜9C)。これらの種のそれぞれに由来するクエン酸血漿を得て、市販のプレカリクレイン活性化因子(Enzyme Research Laboratoriesから)を製造業者の説明書にしたがって用いて活性化した。次いで、X81−B01の存在または非存在下において各試料中のカリクレイン活性を測定した。
X81−B01は、ブタpKal以外のすべての種由来のpKalを阻害したことが見出された。CLIPS分析によりX81−B01がC2(81〜94位)、C3(101〜108位)、C5(162〜178位)およびC6(186〜197位)と結合するpKalの4つのペプチドが同定されたため、これらのペプチドに相当するブタpKal配列における相違を評価して、X81−B01によるブタpKalの阻害の欠如を説明する潜在的なアミノ酸変化を同定した。ペプチドC2およびC3は配列中で近接しており、両方とも異種間の配列が非常に類似している。しかしながら、479位が異なる。ブタ、カエル、およびイヌを除いたすべての種の479位がセリンである。カエルおよびイヌのpKal配列の479位は、それぞれアラニンおよびトレオニンであり、これらの両方がセリンの保存的置換とみなされる。対して、ブタpKal配列の479位はロイシンであり、これはセリンの保存的置換である可能性は非常に低い。ブタpKalにおけるペプチドC5は他種由来の配列に非常に類似している。しかしながら、563位については、ヒスチジンが存在しているのはブタpKalのみである(図9Cの太字)。カエル以外のすべての他種において、この位置はチロシンである。X81−B01により阻害されるカエルpKalにおいて、この位置はトレオニンである。ブタpKal中のペプチドC6も他の配列に非常に類似している。しかしながら、ブタpKal配列中のみ、585位がグルタミン酸塩である(図9Cの太字)。すべての他種において、この位置はアスパラギン酸塩である。この分析はX81−B01と相互作用するpKal中の潜在的臨界残基を示し得る。
参考文献
本出願を通して引用した文献参照、出願特許、公開または非公開特許出願ならびに以下の列挙を含むすべての引用した参考文献の内容は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願を優先する。
1. Sonis ST, Tracey C, Shklar G, Jenson J, Florine D. 1990. An animal model for mucositis induced by cancer chemotherapy. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 69:437−43.
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均等物
本発明のいくつかの実施形態が記載されている。それにも関わらず、本発明の真意および範囲から逸脱することなく様々な修正を行い得ることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (27)

  1. 粘膜炎の治療または予防方法であり、前記方法は、
    粘膜炎を呈するまたは粘膜炎の発現リスクのある対象に有効量の単離カリクレイン阻害剤を投与すること、
    を含む。
  2. 前記カリクレイン阻害剤が血漿カリクレイン阻害剤である、請求項1の方法。
  3. 前記血漿カリクレイン阻害剤がアミノ酸配列:Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Cys Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Gly Xaa13 Cys Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Cys Xaa31 Xaa32 Phe Xaa34 Xaa35 Gly Gly Cys Xaa39 Xaa40 Xaa41 Xaa42 Xaa43 Xaa44 Xaa45 Xaa46 Xaa47 Xaa48 Xaa49 Xaa50 Cys Xaa52 Xaa53 Xaa54 Cys Xaa56 Xaa57 Xaa58(配列番号1)を含むポリペプチドを含み、
    ここでXaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa56、Xaa57もしくはXaa58はそれぞれ独立して任意のアミノ酸であるかもしくは存在せず;
    Xaa10は、AspおよびGluからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa11は、Asp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、AlaおよびThrからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa13は、Arg、His、Pro、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、LysおよびGlnからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa15は、Arg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、AsnおよびGlnからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa16は、Ala、Gly、Ser、AspおよびAsnからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa17は、Ala、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、GlnおよびThrからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa18は、His、Leu、GlnおよびAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa19は、Pro、Gln、Leu、AsnおよびIleからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa21は、Trp、Phe、Tyr、HisおよびIleからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa22は、TyrおよびPheからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa23は、TyrおよびPheからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa31は、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、IleおよびThrからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa32は、Glu、Gln、Asp、Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、GlyおよびValからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa34は、Thr、Ile、Ser、Val、Ala、Asn、GlyおよびLeuからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa35は、Tyr、TrpおよびPheからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa39は、Glu、Gly、Ala、SerおよびAspからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa40は、GlyおよびAlaからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa43は、AsnおよびGlyからなる群から選択されるアミノ酸であり;
    Xaa45は、PheおよびTyrからなる群から選択されるアミノ酸であり;ならびに
    前記ポリペプチドがカリクレインを阻害する、
    請求項2の方法。
  4. Xaa10がAspである、請求項3の方法。
  5. Xaa11がAspである、請求項3の方法。
  6. Xaa13がProであり、Xaa15がArgであり、Xaa16がAlaであり、Xaa17がAlaであり、Xaa18がHisであり、およびXaa19がProである、請求項3の方法。
  7. Xaa21がTrpである、請求項3の方法。
  8. Xaa31がGluである、請求項3の方法。
  9. Xaa32がGluである、請求項3の方法。
  10. Xaa34がIleである、請求項3の方法。
  11. Xaa35がTyrである、請求項3の方法。
  12. Xaa39がGluである、請求項3の方法。
  13. 前記ポリペプチドが、Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2の3〜60位のアミノ酸)を含む、請求項3の方法。
  14. 前記ポリペプチドが、さらにアミノ末端Met残基の前にGlu−Ala配列を含む、請求項13の方法。
  15. 前記ポリペプチドが、Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2の3〜60位のアミノ酸)からなる、請求項3の方法。
  16. 前記ポリペプチドが、Glu Ala Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2)を含む、請求項3の方法。
  17. 前記ポリペプチドが、Glu Ala Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列番号2)からなる、請求項3の方法。
  18. 血漿カリクレイン阻害剤が、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列を含む血漿カリクレイン結合タンパク質を含み、
    前記免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、本明細書に記載のタンパク質の重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域を含み、ならびに
    前記免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、本明細書に記載のタンパク質の軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域を含み、
    前記タンパク質が血漿カリクレインと結合する、
    請求項2の方法。
  19. 免疫グロブリン重鎖可変ドメイン配列が、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域を含み、ならびに
    免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン配列が、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X81−B01、X67−D03、もしくはX67−G04の軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域を(それぞれ)含む、請求項18の方法。
  20. 前記重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域がX81−B01由来であり、前記軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域がX81−B01由来である、請求項18の方法。
  21. 前記重鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域がX67−D03由来であり、前記軽鎖可変ドメイン由来の1、2、もしくは3つのCDR領域がX67−D03由来である、請求項18の方法。
  22. 前記粘膜炎が、口腔粘膜炎、食道粘膜炎、咽頭粘膜炎および胃腸粘膜炎からなる群から選択される、請求項1の方法。
  23. 前記粘膜炎が口腔粘膜炎である、請求項22の方法。
  24. パリフェルミンを投与することをさらに含む、請求項1の方法。
  25. 請求項1の治療有効量の単離カリクレイン阻害剤および治療有効量のパリフェルミンを含む組成物。
  26. キットであり、前記キットが以下、
    単離カリクレイン阻害剤を含む容器;および
    粘膜炎治療用の前記カリクレイン阻害剤の使用説明書、
    を含むキット。
  27. さらにパリフェルミンを含む容器を含む、請求項26のキット。
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