JP4177158B2 - 二次空気供給装置の異常判定装置 - Google Patents

二次空気供給装置の異常判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路に配設された触媒よりも上流側の同排気通路に二次空気を供給する二次空気供給装置が異常であるか否かを判定する二次空気供給装置の異常判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の排ガス中の有害成分(CO,HC,NOx)を浄化するための三元触媒(本明細書においては、単に「触媒」とも云うこともある。)が、同機関の排気通路に配設されている。かかる三元触媒は、その温度が触媒機能を発揮させるために必要な活性化温度よりも低いとき十分な排気浄化機能を発揮し得ない。従って、例えば、内燃機関の温度が雰囲気温度(外気温度)近傍になっている状態において同内燃機関を始動する場合(以下、「冷間始動時」と称呼する。)等、三元触媒の温度が前記活性化温度よりも低い場合においては、なるべく早期に三元触媒の温度を高めて同三元触媒を活性化させる(暖機させる)必要がある。
【0003】
このため、三元触媒よりも上流側の排気通路に二次空気を供給し、同二次空気中の酸素により排ガス中の未燃成分(特に、HC)が酸化せしめられる際に発生する反応熱により同三元触媒を積極的に暖機させる二次空気供給装置が広く使用されている。
【0004】
かかる二次空気供給装置は、一般に、三元触媒より上流の排気通路に接続された二次空気供給通路に空気を導入するためのエアポンプ、エアポンプよりも下流の二次空気供給通路に介装されて二次空気供給通路の開通・遮断を制御するためのエアスイッチングバルブ等の構成部品から構成されている。かかる二次空気供給装置の構成部品に異常が生じると、二次空気を供給するための指示を二次空気供給装置に与えても二次空気が供給されず三元触媒の暖機が遅れてエミッションの排出量が増大する、或いは、二次空気の供給を停止するための指示を二次空気供給装置に与えても二次空気が供給され続け排ガスの空燃比がリーンとなってNOxの浄化効率が低下する、という問題が発生する。従って、かかる二次空気供給装置(の構成部品)の異常を検出する必要がある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の二次空気供給装置(の異常判定装置)は、構成部品であるエアポンプとエアスイッチングバルブとの間の二次空気供給通路内の圧力を検出する圧力センサを備え、同圧力センサにより検出された圧力値と、排気脈動に起因する同圧力値の脈動の脈動レベル(脈動の程度を示す(評価する)値)とに基づいて構成部品が異常か否かを判定するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−83048号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に記載の二次空気供給装置の異常判定装置は、前記脈動レベルとして圧力センサにより検出された圧力値の振幅値を使用している。これに対し、前記検出された圧力値と、同検出された圧力値に所定の程度をもって(所定のなまし時定数に応じて)追従するなまし圧力値との偏差の絶対値を積算して得られる値(本明細書において、「脈動積算値」と称呼する。)を前記脈動レベルとして使用し、同脈動積算値に基づいて二次空気供給装置(の構成部品)が異常か否かを判定する装置も存在する。この脈動積算値は、前記脈動レベルの増加に応じて増加する値である。
【0008】
しかしながら、例えば、エアポンプの作動開始直後等、前記圧力センサにより検出された圧力値(の中心値)が急変するような場合、なまし圧力値が同検出された圧力値に追従できず、同検出された圧力値と同なまし圧力値との偏差が一時的に大きくなる。この場合、仮に前記検出された圧力値の脈動レベルが小さくて(或いは、脈動が発生しておらず)脈動積算値が小さい値として計算されるべき場合においても同脈動積算値が大きい値として計算されてしまう。従って、脈動積算値に基づいて二次空気供給装置(の構成部品)が異常か否かを判定する装置においては、同判定において誤判定がなされる可能性があるという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、二次空気供給通路内の圧力の脈動積算値に基づいて二次空気供給装置が異常であるか否かを正確に判定し得る二次空気供給装置の異常判定装置を提供することにある。
【0010】
【本発明の概要】
本発明の特徴は、内燃機関の排気通路に配設された触媒よりも上流側の同排気通路に二次空気を供給するための二次空気供給通路を備えた二次空気供給装置に適用され、前記二次空気供給通路内の圧力値を検出する圧力検出手段と、前記検出された圧力値に所定の程度をもって追従するなまし圧力値を算出するとともに同検出された圧力値と同算出されたなまし圧力値との偏差の絶対値を(所定期間に渡って)積算して脈動積算値を算出し、少なくとも同脈動積算値に基づいて前記二次空気供給装置が異常であるか否かを判定する異常判定手段とを備えた二次空気供給装置の異常判定装置が、前記偏差の符号が所定時間に渡って反転しないとき、前記異常判定手段による判定を禁止させる異常判定禁止手段を備えたことにある。
【0011】
ここにおいて、前記異常判定手段が所定の演算周期毎に前記圧力検出手段により検出された圧力値を取得するとともに前記なまし圧力値も同演算周期毎に同期して計算していく場合、同異常判定手段は、同なまし圧力値の今回値(今回の演算により計算される値)を、同検出された圧力値の今回値(今回の演算時点で取得した値)と同なまし圧力値の前回値(前回の演算により計算される値)との偏差に基づいて計算するように構成されることが好適である。
【0012】
また、本発明に係る二次空気供給装置の異常判定装置が適用される二次空気供給装置は、二次空気供給通路に介装されるとともに同二次空気供給通路に空気を導入(圧送)するためのエアポンプと、前記エアポンプよりも下流の二次空気供給通路に介装されるとともに同二次空気供給通路の開通・遮断を制御するためのエアスイッチングバルブと、を備えることが好適である。
【0013】
先に説明したように、エアポンプの作動開始直後等、圧力検出手段(例えば、圧力センサ)により検出された二次空気供給通路の圧力値(の中心値)の急変によりなまし圧力値が同検出された圧力値に追従できないことに起因して同検出された圧力値と同なまし圧力値との偏差が一時的に大きくなる場合、同偏差の符号(正号、或いは負号)は、少なくとも前記偏差が一時的に大きくなっている間において反転し得ない(即ち、偏差が正の値又は負の値の何れか一方に維持される。)。従って、前記偏差の負号が所定時間に渡って反転しないとき、前記圧力値の急変が発生している可能性があると云うことができる。かかる圧力値の急変が発生している可能性があるとき、前述のごとく、脈動積算値が前記圧力値の脈動に基づいて本来計算されるべき値よりも大きい値として計算される場合があるから、この場合、同脈動積算値に基づいて二次空気供給装置が異常であるか否かを判定すると誤判定に繋がる可能性がある。
【0014】
このような知見に基づき、上記二次空気供給装置の異常判定装置は、上記のように、前記偏差の符号が所定時間に渡って反転しないとき、前記脈動積算値に基づく判定を行わないように構成されている。従って、上記二次空気供給通路の圧力値(の中心値)の急変により誤判定がなされることが防止され得る。この場合、前記異常判定手段は、前記異常判定禁止手段により判定を禁止されたとき、前記脈動積算値をゼロに初期化するとともに同初期化した時点から前記偏差の絶対値を(所定期間に渡って)積算して得られる脈動積算値に基づいて前記二次空気供給装置が異常であるか否かを判定するように構成されることが好適である。
【0015】
また、上記二次空気供給装置の異常判定装置において、前記異常判定禁止手段は、前記内燃機関の回転速度に応じて前記所定時間を決定するように構成されることが好適である。前記所定時間は、同所定時間内における前記偏差の符号の反転の有無に応じて前記圧力値(の中心値)の急変が発生したか否かを精度よく区別するために最適な時間として設定されることが好ましい。
【0016】
ここで、二次空気供給通路内の圧力値(従って、圧力検出手段により検出された圧力値)が(同圧力値の中心値が略一定に維持された状態で)脈動している場合、前記検出された圧力値と前記なまし圧力値との大小関係は同検出された圧力値の脈動の二分の一周期の経過毎に反転するから、同検出された圧力値と同なまし圧力値との偏差の符号は同検出された圧力値の脈動の二分の一周期の経過毎に反転する。換言すれば、この場合、前記偏差の符号は前記検出された圧力値の脈動の二分の一周期より長い任意の期間内において少なくとも一回必ず反転する。従って、前記所定時間は、前記検出された圧力値の脈動の二分の一周期より若干長い時間に設定されることが好適である。
【0017】
一方、内燃機関において不可避的に発生する排気脈動の周期は同内燃機関の回転速度に依存する。また、二次空気供給通路は内燃機関の排気通路に接続されていることから、同二次空気供給通路内の圧力値(従って、圧力検出手段により検出された圧力値)の脈動の周期は排気脈動の周期に応じて変化する。従って、前記検出された圧力値の脈動の周期は内燃機関の回転速度に応じて変化し得る。
【0018】
従って、上記のように、前記内燃機関の回転速度に応じて前記所定時間を決定するように構成すれば、時々刻々と変化する内燃機関の運転状態に拘わらず同所定時間を、同所定時間内における前記偏差の符号の反転の有無に応じて前記圧力値の急変が発生したか否かを精度よく区別するために最適な時間として設定し得るようになり、この結果、より一層、前記圧力値(の中心値)の急変により誤判定がなされることが防止され得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による二次空気供給装置の異常判定装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、そのような異常判定装置を二次空気供給装置を備えた火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、多気筒のうち特定の1気筒のみに係わる構成を示しているが、他の気筒に係わる構成も同様である。
【0020】
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排気ガスを外部に放出するための排気系統50と、排気系統50に二次空気を供給する二次空気供給制御を実行するための二次空気供給装置60とを含んでいる。
【0021】
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
【0022】
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)39を備えている。
【0023】
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するとともにその一部がサージタンクSとして機能するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、及び、スロットル弁駆動手段を構成するDCモータからなるスロットル弁アクチュエータ43aを備えている。
【0024】
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ(排気管)52、エキゾーストパイプ52に配設(介装)された触媒(三元触媒、スタート・キャタリティック・コンバータとも云う。)53を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51、及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。
【0025】
二次空気供給装置60は、エアフィルタ42の下流であってスロットル弁43の上流の吸気通路と触媒53の上流の排気通路(実際には、気筒毎の排気通路の各々)とを連通する二次空気供給通路61と、二次空気供給通路61に介装されるとともに同吸気通路内の空気を同排気通路へ強制的に圧送するためのエアポンプ62と、エアポンプ62よりも下流の二次空気供給通路61に介装されるとともに同二次空気供給通路61を開通・遮断するためのエアスイッチングバルブ(以下、「ASV」と称呼する。)63と、ASV63の下流の二次空気供給通路61に介装されるとともに二次空気供給通路61内における上流側から下流側への空気の流れのみを許容するリード弁64とを備えている。また、二次空気供給装置60は、サージタンクS内の負圧をASV63に導入するための負圧導入通路65と、負圧導入通路65に介装されるとともに同負圧導入通路65を開通・遮断するための常閉型の電磁開閉弁(以下、「電磁弁」と称呼する。)66をも備えている。
【0026】
ASV63は、サージタンクS内の負圧が導入されているとき開状態となり、同負圧が導入されていないとき閉状態となるように構成されている。換言すれば、ASV63は、電磁弁66が励磁状態にあるとき(開状態にあるとき)開状態となり、同電磁弁66が非励磁状態にあるとき(閉状態にあるとき)閉状態となる。以上の構成に基づき、二次空気供給装置60は、前記二次空気供給制御(以下、「AI」と云うこともある。)を実行するときはエアポンプ62を作動させるとともに電磁弁66を開状態とし、同二次空気供給制御を停止するときはエアポンプ62を停止させるとともに電磁弁66を閉状態とするようになっている。
【0027】
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ71、スロットルポジションセンサ72、カムポジションセンサ73、クランクポジションセンサ74、水温センサ75、触媒53の上流の排気通路に配設された空燃比センサ76、触媒53の下流の排気通路に配設された空燃比センサ77、アクセル開度センサ78、及びエアポンプ62の下流であってASV63の上流の二次空気供給通路61に配設された圧力検出手段としての圧力センサ79を備えている。
【0028】
熱線式エアフローメータ71は、吸気管41内を流れる吸入空気の質量流量に応じた電圧Vgを出力するようになっている。かかるエアフローメータ71の出力Vgと、計測された吸入空気流量Gaとの関係は、図2に示したとおりである。スロットルポジションセンサ72は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ73は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ74は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。水温センサ75は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
【0029】
アクセル開度センサ78は、運転者によって操作されるアクセルペダル91の操作量を検出し、同アクセルペダル91の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。圧力センサ79は、ASV63の上流の二次空気供給通路61内の圧力値を検出し、ASV63上流の圧力値(以下、「ASV上流圧力値」と称呼する。)Paiを表す信号を出力するようになっている。
【0030】
電気制御装置80は、互いにバスで接続されたCPU81、CPU81が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM82、CPU81が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM83、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM84、及びADコンバータを含むインターフェース85等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース85は、前記センサ71〜79と接続され、CPU81にセンサ71〜79からの信号を供給するとともに、同CPU81の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、スロットル弁アクチュエータ43a、エアポンプ62(を駆動するための図示しない電動モータ)、及び電磁弁66に駆動信号を送出するようになっている。また、インターフェース85は、CPU81の指示に応じてユーザーに二次空気供給装置60の異常を知らしめるための警報ランプ92に同警報ランプ92を点灯させるための指示信号を送出するようになっている。
【0031】
(二次空気供給制御(AI)の概要)
内燃機関10の排気通路に配設されている三元触媒である触媒53は、その温度が触媒機能を発揮させるために必要な活性化温度よりも低いとき十分な排気浄化機能を発揮し得ない。従って、触媒53の温度が前記活性化温度よりも低くなている冷間始動時においては、なるべく早期に同触媒53を暖機させる必要がある。
【0032】
また、触媒53よりも上流側の排気通路に二次空気を供給し、同二次空気中の酸素により排ガス中の未燃成分(特に、HC)が酸化せしめられる際に発生する反応熱を同触媒53に与えれば、同触媒53を積極的に暖機させることができる。
【0033】
そこで、CPU81は、冷間始動時において、エアポンプ62を作動開始させるとともに電磁弁66を開弁(閉状態から開状態に変化)させて(従って、ASV63を開弁させて)前記二次空気供給制御を実行開始する。これにより、エアポンプ62が所定の回転速度で回転することで同エアポンプ62から吐出された空気の圧力(従って、ASV上流圧力値Pai(の中心値))が略大気圧から所定のエアポンプ吐出圧まで上昇するとともに同吐出された空気(二次空気)はASV63、リード弁64を通過して触媒53よりも上流の排気通路に供給される。
【0034】
この二次空気供給制御は、その後、触媒53を暖機させるために必要な所定の継続期間に渡って、車両が停止中である(具体的には、エンジン回転速度NEがアイドリング回転速度近傍に維持されている)限りにおいて継続される。そして、前記所定の継続期間が経過すると、CPU81は、エアポンプ62を停止させるとともに電磁弁66を閉弁(開状態から閉状態に変化)させて(従って、ASV63を閉弁させて)二次空気供給制御を終了(停止)する。これにより、二次空気の排気通路への供給が停止せしめられるとともに、ASV上流圧力値Pai(の中心値)が前記エアポンプ吐出圧から再び略大気圧にまで低下する。
【0035】
また、かかる二次空気供給制御を実行すると排ガスの空燃比が若干リーンとなることで触媒53のNOxの浄化効率が低下してNOxの排出量が増大する傾向がある。従って、二次空気供給制御を実行しながら車両が走行することは好ましくない。そこで、CPU81は、冷間始動時から前記所定の継続期間が経過するまでの間に内燃機関10を搭載した車両が走行する期間が存在する場合、同走行する期間の間だけ二次空気供給制御を中断する。以上が二次空気供給制御の概要である。
【0036】
(二次空気供給装置の異常判定方法の概要)
二次空気供給通路61は内燃機関10の排気通路に接続されている。従って、ASV63が開状態となっている場合、内燃機関10において不可避的に発生する排気脈動がリード弁64、ASV63を介してASV63上流の二次空気供給通路内に伝播する。この結果、ASV上流圧力値Paiは排気脈動に起因して所定の脈動レベルをもって脈動する。一方、ASV63が閉状態となっている場合、前記排気脈動がASV63上流の二次空気供給通路内に伝播し得ない。この結果、ASV上流圧力値Paiは脈動しない。換言すれば、ASV上流圧力値Paiが或る所定の脈動レベル基準値以上の脈動レベルをもって脈動していることはASV63が開状態となっていること(ひいては、二次空気供給通路61が開通していること)を意味し、ASV上流圧力値Paiが前記所定の脈動レベル基準値よりも小さい脈動レベルをもって脈動していること(脈動していない場合も含む。)はASV63が閉状態となっていること(ひいては、二次空気供給通路61が開通していないこと)を意味する。
【0037】
また、エアポンプ62が作動中であるとき、上述のごとくASV上流圧力値Pai(の中心値)は前記所定のエアポンプ吐出圧に維持される。一方、エアポンプ62が停止中であるとき、二次空気供給通路61の上流側が吸気通路に接続されていることからASV上流圧力値Pai(の中心値)は略大気圧に維持される。換言すれば、ASV上流圧力値Paiが前記エアポンプ吐出圧より小さい所定の基準圧力Pref以上の値になっていることはエアポンプ62が作動していることを意味し、ASV上流圧力値Paiが前記所定の基準圧力Prefよりも低い値になっていることはエアポンプ62が停止していることを意味する。
【0038】
更に、ASV上流圧力値Paiの脈動レベルは、ASV上流圧力値Pai(そのもの、瞬時値)と、同ASV上流圧力値Paiに所定の程度をもって(なまし時定数に応じて)追従するなまし圧力値Pdullとの偏差の絶対値をCPU81の演算周期毎に求め、同求めた偏差の絶対値を所定期間T1に渡って積算して得られる下記数1にて示される脈動積算値SUMpulseを用いて表すことができる。この脈動積算値SUMpulseは、図3に斜線で示した領域の面積に相当する値であって、ASV上流側圧力値Paiの脈動レベルの増加に応じて増加する値である。
【0039】
【数1】
SUMpulse = Σ|Pai - Pdull| (積算区間:T1)
【0040】
この所定期間T1(の長さ)は、同所定期間T1の開始時点でのエンジン回転速度NEに応じて決定され、その開始時期は、二次空気供給制御の開始時点、及び終了時点である。また、なまし圧力値(の今回値)Pdullは、下記数2に従って前記演算周期毎に計算される。下記数2において、PaiはASV上流側圧力値の今回値(今回の演算時点で取得した値)であり、Pdullbはなまし圧力値の前回値であって、Tはなまし時定数(>1(一定値))である。このように、なまし圧力値の今回値Pdullは、ASV上流側圧力値の今回値Paiとなまし圧力値の前回値Pdullbとの偏差に基づいて計算される。
【0041】
【数2】
Pdull = (1/T)・(Pai - Pdullb) + Pdullb
【0042】
以上のことから、先ず、CPU81が二次空気供給制御を実行するための指示(具体的には、エアポンプ62に対する作動指示、及び電磁弁66に対する開弁指示)を二次空気供給装置60に対して行っている場合、エアポンプ62及びASV63(並びに、その他の構成部品等)が正常であるならば、ASV上流圧力値Pai、及び脈動積算値SUMpulseは図4に示す領域1に対応する値になっている(即ち、ASV上流圧力値Paiが前記基準圧力Pref以上の値になっていて、且つ、脈動積算値SUMpulseが前記所定の脈動レベル基準値に相当する脈動積算基準値SUMpulseref以上の値になっている)はずである。反対に、CPU81が二次空気供給制御を停止するための指示(具体的には、エアポンプ62に対する停止指示、及び電磁弁66に対する閉弁指示)を二次空気供給装置60に対して行っている場合、エアポンプ62及びASV63(並びに、その他の構成部品等)が正常であるならば、ASV上流圧力値Pai、及び脈動積算値SUMpulseは図4に示す領域2に対応する値になっている(即ち、ASV上流圧力値Paiが前記基準圧力Prefよりも低い値になっていて、且つ、脈動積算値SUMpulseが前記脈動積算基準値SUMpulserefよりも小さい値になっている)はずである。
【0043】
そこで、本発明による二次空気供給装置の異常判定装置(以下、「本装置」と云うこともある。)は、二次空気供給制御を開始又は終了した時点(具体的には、CPU81が二次空気供給制御を実行するための指示を開始、又は二次空気供給制御を停止するための指示を開始した時点)で一回ずつ、二次空気供給装置60が異常か否かの判定を行うための異常判定処理(具体的には、脈動積算値SUMpulseを求めるために前記偏差の積算を前記所定期間T1に渡って実行する処理)を開始するとともに、同所定期間T1の経過毎に、二次空気供給装置60が異常か否かを以下のように判定する。
【0044】
<CPU81が二次空気供給制御を実行するための指示を行っている場合>
この場合、本装置は、ASV上流圧力値Pai、及び脈動積算値SUMpulseが図4に示す領域1に対応する値になっているとき二次空気供給装置60が正常であると判定する。一方、本装置は、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域1以外の領域に対応する値になっているとき二次空気供給装置60が異常であると判定する。
【0045】
ここで、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域2にあることは、例えば、エアポンプ62が作動せず、且つASV63が開弁しない(閉状態で固定されている)という異常が発生していることを示し、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域3にあることは、例えば、ASV63が開弁しないという異常が発生していることを示し、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域4にあることは、例えば、エアポンプ62が作動しないという異常が発生していることを示している。
【0046】
<CPU81が二次空気供給制御を停止するための指示を行っている場合>
この場合、本装置は、ASV上流圧力値Pai、及び脈動積算値SUMpulseが図4に示す領域2に対応する値になっているとき二次空気供給装置60が正常であると判定する。一方、本装置は、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域2以外の領域に対応する値になっているとき二次空気供給装置60が異常であると判定する。
【0047】
ここで、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域1にあることは、例えば、エアポンプ62が停止せず、且つASV63が閉弁しない(開状態で固定されている)という異常が発生していることを示し、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域3にあることは、例えば、エアポンプ62が停止しないという異常が発生していることを示し、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域4にあることは、例えば、ASV63が閉弁しないという異常が発生していることを示している。そして、本装置は、二次空気供給制御を実行するための指示を行っている場合と二次空気供給制御を停止するための指示を行っている場合とでそれぞれ一回ずつ判定が完了した時点以降は、内燃機関10の運転が終了するまで同判定を行わない。以上のようにして二次空気供給装置60が異常であるか否かを判定する手段が異常判定手段に相当する。
【0048】
(圧力急変に基づく異常判定の禁止の概要)
先に説明したように、エアポンプ62の作動開始直後等、ASV上流圧力値Pai(の中心値)が急変するような場合、誤判定がなされる可能性がある。このことを図5を用いて説明する。図5は、ASV63が開弁しない(閉状態で固定されている)という異常が発生している場合において時刻t1にて二次空気供給制御が開始された場合における、圧力センサ79により取得されるASV上流圧力値Pai、及び上記数2に従って計算されるなまし圧力値Pdullの変化を示したタイムチャートである。
【0049】
図5に示すように、ASV上流圧力値Paiは、時刻t1にてエアポンプ62が作動開始されることで時刻t1から時刻t2の直後までの短時間で略大気圧から前記エアポンプ吐出圧まで急上昇する。このとき、上記数2に従って計算されていくなまし圧力値Pdullは急上昇するASV上流圧力値Paiに追従できず、PaiとPdullとの偏差が一時的に大きくなる。また、ASV63は時刻t1以降も閉状態に維持されているから時刻t1以降においてASV上流圧力値Paiには排気脈動に起因する脈動が発生しない。
【0050】
一方、脈動積算値SUMpulseを求めるための前記偏差の積算は時刻t1から開始されて前記所定期間T1が経過する時点である時刻t3まで継続される。この場合、ASV上流圧力値Paiには脈動が発生していないから脈動積算値SUMpulseは、本来、略「0」として計算されるべきである。これに対し、実際には、脈動積算値SUMpulseは図5に斜線で示した領域の面積に相当する値の分だけ大きい値として計算されてしまう。この結果、脈動積算値SUMpulseは本来、前記脈動積算基準値SUMpulserefより小さい値となるべきであるのに対して同脈動積算基準値SUMpulseref以上の値になり得るから、本来、二次空気供給装置60が異常(ASV63が開弁しないという異常)であるとの判定がなされるべきであるのに対して二次空気供給装置60が正常であるとの誤判定がなされ得る。
【0051】
ところで、図5に示したように、なまし圧力値Pdullが急変するASV上流圧力値Pai(の中心値)に追従できないことに起因してPaiとPdullとの偏差が一時的に大きくなる場合、同偏差の符号は、前記偏差が一時的に大きくなっている間(図5において、例えば、時刻t1〜時刻t2)において反転し得ない(図5においては、偏差が正の値に維持される。)。従って、前記偏差の符号が所定時間に渡って反転しないとき、ASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変が発生している可能性があると云うことができる。
【0052】
そこで、本装置は、後述するように所定時間T2を設定し、二次空気供給装置60が異常か否かの判定を行うための前記異常判定処理が実行されている間(具体的には、脈動積算値SUMpulseを求めるために前記所定期間T1に渡って実行される前記偏差の積算が実行されている間。図5において時刻t1〜t3)において、前記偏差の符号が所定時間T2に渡って反転しない期間(図5において時刻t1〜t2)が存在するとき、同所定時間T2が経過した時点で脈動積算値SUMpulseを求めるための前記偏差の積算を中止する(即ち、前記判定を行わない)。このようにして異常判定手段による判定を禁止させる手段が異常判定禁止手段に相当する。そして、本装置は、その時点(図5において時刻t2)で脈動積算値SUMpulseをゼロに初期化するとともに同時点でのエンジン回転速度NEに応じて所定期間T1を再設定し、同時点から再び、脈動積算値SUMpulseを求めるための前記偏差の積算を前記再設定された所定期間T1(図5において時刻t2〜t4)に渡って実行していき、前記再設定された所定期間T1が経過した時点(図5において時刻t4)で、その時点での脈動積算値SUMpulseに基づいて前記判定を実行する。
【0053】
また、本装置は、前記所定時間T2を、(前記所定期間T1の開始時点での)エンジン回転速度NEに応じて決定する。この理由は以下のとおりである。即ち、前記所定時間T2は、同所定時間T2内における前記偏差の符号の反転の有無に応じてASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変が発生したか否かを精度よく区別するために最適な時間として設定されることが好適である。
【0054】
ここで、Paiが(Paiの中心値が略一定に維持された状態で)脈動している場合、図3に示すように、PaiとPdullとの偏差の符号はPaiの脈動の二分の一周期の経過毎に反転する。換言すれば、この場合、前記偏差の符号はPaiの脈動の二分の一周期より長い任意の期間内において少なくとも一回必ず反転する。従って、前記所定時間T2は、Paiの脈動(Paiの脈動が発生していない場合、同脈動が発生していると仮定した場合の脈動)の二分の一周期よりも若干長い時間に設定されることが好適である。
【0055】
一方、内燃機関10の排気脈動の周期はエンジン回転速度NEに依存する。また、二次空気供給通路61は内燃機関10の排気通路に接続されていることから、Paiの脈動の周期は前記排気脈動の周期に応じて変化する。従って、Paiの脈動の周期はエンジン回転速度NEに応じて変化し得る。以上のことから、エンジン回転速度NEに応じて所定時間T2を決定すると、時々刻々と変化する内燃機関10の運転状態に拘わらず同所定時間T2を、同所定時間T2内における前記偏差の符号の反転の有無に応じてASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変が発生したか否かを精度よく区別するために最適な時間として設定し得る。
【0056】
(実際の作動)
次に、上記のように構成された二次空気供給装置の異常判定装置の実際の作動について、電気制御装置80のCPU81が実行するルーチンをフローチャートにより示した図6〜図10を参照しながら説明する。
【0057】
CPU81は、図6に示した二次空気供給制御の実行・停止を制御するためのルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んで図示しないイグニッションスイッチIGがOFFからONに変更されたか否かを判定する。
【0058】
いま、運転者がイグニッションスイッチIGをOFFからONに変更した直後であるものとして説明を続けると、CPU81はステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、各フラグ、変数の値をそれぞれ「0」に初期化する。ここで、AI実行時判定完了フラグFINexeは、その値が「1」のときCPU81がAIを実行するための指示を行っている場合(以下、「AI実行中」と称呼する。)における前記判定が完了していることを示し、その値が「0」のときAI実行中における同判定が完了していないことを示す。AI停止時判定完了フラグFINstopは、その値が「1」のときCPU81がAIを停止するための指示を行っている場合(以下、「AI停止中」と称呼する。)における前記判定が完了していることを示し、その値が「0」のときAI停止中における同判定が完了していないことを示す。AI実行中フラグAIexeは、その値が「1」のときAI実行中であることを示し、その値が「0」のときAI停止中であることを示す。異常判定処理実行中フラグXHANは、その値が「1」のとき前記異常判定処理(具体的には、脈動積算値SUMpulseを求めるための前記偏差の積算)が実行されていることを示し、その値が「0」のとき同異常判定処理が実行されていないことを示す。また、吸入空気流量積算値SUMGaは、吸入空気流量Gaの積算値である。
【0059】
次に、CPU81はステップ615に進んで、AI実行中フラグAIexeの値が「0」であって、且つAI開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、AI開始条件は、冷却水温THWが所定温度以下であってイグニッションスイッチIGがONからSTARTに変更されたとき(冷間始動がなされたとき)、冷却水温THWが所定温度以下であって吸入空気流量積算値SUMGaが前記所定の継続期間に相当する吸入空気流量積算値基準値SUMGarefに達しておらずエンジン回転速度NEが所定時間継続してアイドリング回転速度近傍に維持されているとき等、に成立する。
【0060】
現時点はイグニッションスイッチIGがOFFからONに変更された直後であるから(即ち、内燃機関10は未だ始動されていないから)現時点ではAI開始条件が成立していない。従って、CPU81はステップ615にて「No」と判定してステップ620に進み、AI実行中フラグAIexeの値が「1」であって、且つAI終了条件が成立しているか否かを判定する。ここで、AI終了条件は、エンジン回転速度NEが所定時間継続してアイドリング回転速度よりも高い所定の走行時回転速度以上に維持されているとき(車両が走行開始したとき)、吸入空気流量積算値SUMGaが前記吸入空気流量積算値基準値SUMGarefに達したとき等、に成立する。
【0061】
現時点では、AI実行中フラグAIexeの値が「0」であるから、CPU81はステップ620でも「No」と判定してステップ625に進み、その時点での吸入空気流量積算値SUMGaにエアフローメータ71により計測されている吸入空気流量Gaを加えた値を新たな吸入空気流量積算値SUMGaとして設定した後、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、冷間始動がなされない限りにおいて、CPU81はステップ600、605、615〜625の処理を繰り返し実行する。
【0062】
いま、イグニッションスイッチIGがONからSTARTに変更されて冷間始動がなされたものとすると、CPU81はステップ615に進んだとき「Yes」と判定してステップ630に進み、AIを実行するための指示(具体的には、エアポンプ62に対する作動指示、及び電磁弁66に対する開弁指示)を二次空気供給装置60に対して行う。そして、CPU81はステップ635に進んで、AI実行中フラグAIexeの値を「1」に設定した後、ステップ625、695に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、AIが実行開始される。
【0063】
以降、AI実行中フラグAIexeの値が「1」になっていることから、AI終了条件が成立するまでの間、CPU81はステップ600、605、615〜625の処理を繰り返し実行する。
【0064】
次に、上記異常判定処理の開始判定について説明すると、CPU81は図7に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ700から処理を開始し、ステップ705に進んで異常判定処理実行中フラグXHANの値が「0」であるか否かを判定する。
【0065】
現時点では、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「0」であるから、CPU81はステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、AI実行中フラグAIexeの値が「0」から「1」に変化し、且つ、AI実行時判定完了フラグFINexeの値が「0」であるか否か、又は、AI実行中フラグAIexeの値が「1」から「0」に変化し、且つ、AI停止時判定完了フラグFINstopの値が「0」であるか否かを判定する。即ち、AI実行中における前記判定が完了していない状態でAI停止中においてAIを実行するための指示が開始されたか否か、又は、AI停止中における前記判定が完了していない状態でAI実行中においてAIを停止するための指示が開始されたか否か、が判定される。ここで、CPU81は「No」と判定するときステップ795に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0066】
いま、前述のステップ635が実行された直後であるものとすると、AI実行中フラグAIexeの値が「0」から「1」に変化し、且つ、AI実行時判定完了フラグFINexeの値が「0」であるからCPU81はステップ710にて「Yes」と判定してステップ715に進み、異常判定処理実行中フラグXHANの値を「1」に設定し、続くステップ720にて現時点でのエンジン回転速度NEと、エンジン回転速度NEの関数fとに基づいて前記所定時間T2に相当する圧力急変判定基準値Mrefを求めるとともに、同エンジン回転速度NEと、エンジン回転速度NEの関数gとに基づいて前記所定期間T1に相当する異常判定処理終了判定基準値Nrefを求める。
【0067】
次いで、CPU81はステップ725に進み、後述するルーチンにて使用するカウンタ値M、及びカウンタ値N、並びに、異常判定処理終了フラグFINの値、脈動積算値SUMpulseを総て「0」に初期化するとともに、なまし圧力値の計算の準備のためASV上流圧力値Paiの今回値をなまし圧力値の前回値Pdullbとして格納した後、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。ここで、異常判定処理終了フラグFINは、その値が「1」のとき前記異常判定処理が終了していることを示し、その値が「0」のとき同異常判定処理が終了していないことを示す。
【0068】
この結果、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」に設定されるから、以降、CPU81は、ステップ705にて「No」と判定してステップ730に進み、異常判定処理実行中においてAI実行中フラグAIexeの値が変化しない限りにおいてステップ730にて「No」と判定してステップ795に進むようになる。なお、異常判定処理実行中においてAI実行中フラグAIexeの値が変化する場合については後述する。
【0069】
次に、脈動積算値の計算について説明すると、CPU81は図8に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ800から処理を開始し、ステップ805に進んで異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」であるか否かを判定し、「No」と判定するときはステップ895に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0070】
いま、前述のステップ715が実行された直後であるものとすると、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」になっているから、CPU81はステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、上記数2に従って、ASV上流圧力値の今回値Paiとなまし圧力値の前回値Pdullbとに基づいてなまし圧力値の今回値Pdullを計算する。この時点でのなまし圧力値の前回値Pdullbは先のステップ725の処理により格納された値である。
【0071】
次いで、CPU81はステップ815に進み、ASV上流圧力値の今回値Paiからなまし圧力値の今回値Pdullを減じることで偏差Pulseを求め、続くステップ820にてその時点での脈動積算値SUMpulse(現時点では先のステップ725の処理により「0」になっている。)に前記偏差Pulseの絶対値を加えた値を新たな脈動積算値SUMpulseとして設定する(脈動積算値SUMpulseを更新する)。
【0072】
次に、CPU81はステップ825に進んで、その時点でのカウンタ値N(現時点では先のステップ725の処理により「0」になっている。)を「1」だけ増大した値を新たなカウンタ値Nに設定し、続くステップ830にてカウンタ値Nが先のステップ720の処理により設定された異常判定処理終了判定基準値Nref未満であるか否かを判定する。即ち、カウンタ値Nは異常判定処理が開始された時点からの継続時間を表す値であって、カウンタ値Nが表す継続時間が前記所定期間T1に達したか否かが判定される。
【0073】
現時点では、カウンタ値Nは「1」であって異常判定処理終了判定基準値Nref未満であるから、CPU81はステップ830にて「Yes」と判定してステップ835に進み、ステップ810にて求めたなまし圧力値の今回値Pdullをなまし圧力値の前回値Pdullbに格納した後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0074】
以降、CPU81は、ステップ825の繰り返し処理により増大していくカウンタ値Nが異常判定処理終了判定基準値Nrefに達するまでの間、ステップ800〜835の処理を繰り返し実行する。これにより、脈動積算値SUMpulseが積算されていく。そして、(後述する圧力急変が発生していない限りにおいて)前記所定期間T1が経過してカウンタ値Nが異常判定処理終了判定基準値Nrefに達すると、CPU81はステップ830に進んだとき「No」と判定してステップ840に進み、異常判定処理実行中フラグXHANの値を「0」に設定するとともに、続くステップ845にて異常判定処理終了フラグFINの値を「1」に設定した後ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0075】
以降、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「0」になっているから、CPU81はステップ805にて「No」と判定してステップ895に直ちに進むようになって、脈動積算値SUMpulseの計算が終了する。また、CPU81は図7のステップ705にて再び「Yes」と判定してステップ710に進み、AI実行中フラグAIexeの値が現時点での値である「1」から「0」に変更されるか否かをモニタするようになる。
【0076】
一方、CPU81は圧力急変の判定を行うための図9に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ900から処理を開始し、ステップ905に進んで異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」であるか否かを判定し、「No」と判定するときはステップ995に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0077】
いま、前述のステップ715が実行された直後であるものとすると、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」になっているから、CPU81はステップ905にて「Yes」と判定してステップ910に進み、前記偏差Pluseの値と偏差の前回値Pulsebとの積が正の値であるか否か(即ち、偏差の前回値と今回値の符号が互いに反転していないか否か)を判定する。ここで、偏差Pluseの値として先のステップ815にて計算されている最新の値が使用され、偏差の前回値Pulsebとしては前回の本ルーチン実行時において後述するステップ925にて計算されている最新の値が使用される。
【0078】
ステップ910の判定において、CPU81は、「Yes」と判定するときステップ915に進んでその時点でのカウンタ値Mを「1」だけ増大した値を新たなカウンタ値Mとして設定してステップ925に進む一方、「No」と判定するときステップ920に進んでカウンタ値Mを「0」にクリアした後ステップ925に進む。従って、カウンタ値Mは偏差Pulseの符号が反転しない状態の継続時間を表す。
【0079】
ステップ925に進むと、CPU81は前記偏差Pulseの値を偏差の前回値Pulsebに格納し、続くステップ930にてカウンタ値Mが先のステップ720の処理により設定された圧力急変判定基準値Mref以上であるか否か(即ち、偏差Pulseの符号が反転しない状態が前記所定時間T2継続したか否か)を判定する。
【0080】
ステップ930の判定において、カウンタ値Mが圧力急変判定基準値Mrefに達していないときCPU81は「No」と判定してステップ995に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。一方、偏差Pulseの符号が反転しない状態が前記所定時間T2継続したことでカウンタ値Mが圧力急変判定基準値Mrefに達したとき(即ち、異常判定処理実行中においてASV上流圧力Pai(の中心値)の急変があったと判定されるとき)、CPU81はステップ930にて「Yes」と判定して先のステップ720、725とそれぞれ同一のステップ935、940の処理を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、脈動積算値SUMpulse、カウンタ値N等が一旦「0」にクリアされる一方で、その後の図8、図9の各ルーチンの繰り返し実行により、再び脈動積算値SUMpulseが積算されていくとともに、上述の圧力急変の判定が実行される。そして、図8のルーチンの繰り返し実行によりステップ830にて「No」と判定されてステップ840の処理が実行されることにより異常判定処理実行中フラグXHANの値が「0」になった時点以降、CPU81はステップ905に進んだとき「No」と判定してステップ995に直ちに進むようになる。
【0081】
次に、異常判定について説明すると、CPU81は図10に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU81はステップ1000から処理を開始し、ステップ1005に進んで異常判定処理終了フラグFINの値が「0」から「1」に変化したか否かを判定し、「No」と判定するときはステップ1095に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0082】
いま、前述のステップ845が実行された直後であるものとすると、異常判定処理終了フラグFINの値が「0」から「1」に変化した直後であるから、CPU81はステップ1005にて「Yes」と判定してステップ1010に進み、二次空気供給装置60が異常であるか否かの判定を実行するための処理を開始する。
【0083】
CPU81はステップ1010に進むと、AI実行中フラグAIexeの値が「1」であるか否かを判定する。現時点では、先のステップ620のAI終了条件が未だ成立しておらずにAI実行中であるからAI実行中フラグAIexeの値が「1」に維持されている。従って、CPU81はステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1015に進み、AI実行時判定完了フラグFINexeの値を「1」に設定するとともに、続くステップ1020にて先のステップ820の処理にて更新されてきた脈動積算値SUMpulseが前記脈動積算基準値SUMpulseref以上であって、且つ現時点でのASV上流圧力値Paiが前記基準圧力Pref以上になっているか否か(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域1に対応する値になっているか否か)を判定する。
【0084】
ステップ1020の判定において「Yes」と判定するとき(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域1に対応する値になっているとき)、CPU81はステップ1095に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合は、二次空気供給装置60が正常であると判定される場合に対応している。一方、ステップ1020の判定において「No」と判定するとき(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域1以外の領域に対応する値になっていて二次空気供給装置60が異常であると判定される場合)、CPU81はステップ1025に進んで警報ランプ92を点灯させるための指示を行うとともに二次空気供給装置60の異常内容をバックアップRAM84に記憶した後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0085】
以降、異常判定処理終了フラグFINの値は「1」に維持されているから、CPU81はステップ1005にて「No」と判定してステップ1095に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了するようになる。以上のようにして、冷間始動時において開始されるAIが継続されている間に(CPU81がAIを実行するための指示を行い続けている間に)、AI実行中における二次空気供給装置60が異常か否かの判定が一回行われるとともに、AI実行中における前記判定が完了したことを表すためAI実行時判定完了フラグFINexeの値が「1」に設定される。
【0086】
次に、この状態(冷間始動時において開始されるAIが継続されている状態)から、吸入空気流量積算値SUMGaが前記吸入空気流量積算値基準値SUMGarefに達した場合(即ち、前記所定の継続期間が経過して触媒53の暖機が完了した場合)について説明する。この場合、前述のごとくAI実行中フラグAIexeの値が「1」になっていて、且つ、先のステップ620のAI終了条件が成立している。従って、CPU81は図6のステップ620に進んだとき「Yes」と判定してステップ640に進み、AIを停止するための指示(具体的には、エアポンプ62に対する停止指示、及び電磁弁66に対する閉弁指示)を二次空気供給装置60に対して行う。そして、CPU81はステップ645に進んで、AI実行中フラグAIexeの値を現時点での値である「1」から「0」に変更した後、ステップ625、695に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、AIが停止される。
【0087】
以降、AI実行中フラグAIexeの値が「0」になっていて、且つ、吸入空気流量積算値SUMGaが前記吸入空気流量積算値基準値SUMGarefに達していてAI開始条件が成立し得ないことから、CPU81は内燃機関10が停止するまで(具体的には、イグニッションスイッチIGがONからOFFに変更されるまで)ステップ600、605、615〜625の処理を繰り返し実行する。従って、再び、AIが再開されることはない。
【0088】
一方、先に説明したように、現時点では、CPU81は、図7のステップ710にてAI実行中フラグAIexeの値が「1」から「0」に変更されるか否かを繰り返しモニタしている。このとき、先のステップ645が実行されたものとすると、現時点ではAI停止時判定完了フラグFINstopの値が「0」に維持されたままであるから、CPU81はステップ710にて「Yes」と判定して再びステップ715以降の処理を実行する。従って、再び異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」に設定されるから、CPU81は図8のステップ805、図9のステップ905にて共に「Yes」と判定して、脈動積算値SUMpulseの「0」からの積算(更新)、前記圧力急変の判定を再開するようになる。
【0089】
そして、図8のルーチンの繰り返しの実行によりステップ830にて「No」と判定されることでステップ845の処理が実行されて異常判定処理終了フラグFINの値が「0」から「1」に変化されると、CPU81は図10のステップ1005にて再び「Yes」と判定してステップ1010に進む。そして、現時点ではAI実行中フラグの値が「0」であることからCPU81はステップ1010にて「No」と判定してステップ1030に進み、AI停止時判定完了フラグFINstopの値を「1」に設定するとともに、続くステップ1035にて先のステップ820の処理にて更新されてきた脈動積算値SUMpulseが前記脈動積算基準値SUMpulseref未満であって、且つ現時点でのASV上流圧力値Paiが前記基準圧力Pref未満であるか否か(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域2に対応する値になっているか否か)を判定する。
【0090】
ステップ1035の判定において「Yes」と判定するとき(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域2に対応する値になっているとき)、CPU81はステップ1095に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合は、二次空気供給装置60が正常であると判定される場合に対応している。一方、ステップ1035の判定において「No」と判定するとき(即ち、Pai及びSUMpulseが図4に示す領域2以外の領域に対応する値になっていて二次空気供給装置60が異常であると判定される場合)、CPU81はステップ1025に進んで警報ランプ92を点灯させるための指示を行うとともに二次空気供給装置60の異常内容をバックアップRAM84に記憶した後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0091】
以降、異常判定処理終了フラグFINの値は「1」に維持されているから、CPU81はステップ1005にて「No」と判定してステップ1095に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了するようになる。以上のようにして、冷間始動後のAIが終了して停止されている間に(CPU81がAIを停止するための指示を行い続けている間に)、AI停止中における二次空気供給装置60が異常か否かの判定が一回行われるとともに、AI停止中における前記判定が完了したことを表すためAI停止時判定完了フラグFINstopの値が「1」に設定される。
【0092】
この結果、AI実行時判定完了フラグFINexeの値、及びAI停止時判定完了フラグFINstopの値が共に「1」になっているから、CPU81は図7のステップ710にて「Yes」と判定し得ない。従って、この時点以降、再びCPU81がステップ715に進むことにより異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」に設定されることはなく、脈動積算値SUMpulseの積算、及び前記圧力急変の判定が再開されることはない。以上のようにして、二次空気供給制御が開始又は終了された時点で一回ずつ、二次空気供給装置60が異常か否かの判定を行うための異常判定処理が開始されるとともに、同異常判定処理が終了する毎に、二次空気供給装置60が異常か否かが判定される。
【0093】
また、異常判定処理実行中(即ち、異常判定処理実行中フラグXHANの値が「1」になっているとき)において、AI実行中フラグAIexeの値が変化する場合(具体的には、AI実行中において図6のステップ620のAI終了条件が成立した場合、又は、AI停止中において図6のステップ615のAI開始条件が成立した場合)、CPU81は図7のステップ705にて「No」と判定してステップ730に進んだとき「Yes」と判定してステップ735に進み、異常判定処理実行中フラグXHANの値を「0」に設定した後、ステップ710の判定を実行する。即ち、この場合、現時点まで実行されていた異常判定処理、及び圧力急変の判定が停止させられ、ステップ710の条件が成立している場合に限り、異常判定処理(脈動積算値の「0」からの積算)、及び圧力急変の判定が再開される。
【0094】
以上、説明したように、本発明の実施形態によれば、脈動積算値SUMpulseを所定期間T1に渡って積算(更新)していく間に、前記偏差Pulse(= ASV上流圧力値Pai - なまし圧力値Pdull)の符号が所定時間T2に渡って反転しない期間が存在するとき、即ち、ASV上流圧力値Pai(の中心値)が急変したと判定されるとき、同脈動積算値SUMpulse(を求めるための前記偏差Pulse)の積算を中止し、この積算が中止された脈動積算値SUMpulseに基づく二次空気供給装置60の異常判定を行わない。従って、上述のASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変により誤判定がなされることが防止された。
【0095】
また、前記所定時間T2が、ASV上流圧力値Paiの脈動の周期に影響を与える(前記所定期間T1の開始時点での)エンジン回転速度NEに応じて決定される。この結果、時々刻々と変化する内燃機関10の運転状態に拘わらず、所定時間T2が、同所定時間T2内における前記偏差Pulseの符号の反転の有無に応じてASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変が発生したか否かを精度よく区別するために最適な時間として設定され得るようになり、より一層、上述のASV上流圧力値Pai(の中心値)の急変により誤判定がなされることが防止された。
【0096】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、異常判定手段は、異常判定禁止手段により判定を禁止されたとき、脈動積算値SUMpulseをゼロに初期化するとともに同初期化した時点から前記偏差Pulseの絶対値を(所定期間T1に渡って)積算して得られる脈動積算値SUMpulseに基づいて二次空気供給装置60が異常であるか否かを判定するように構成されているが、同異常判定禁止手段により判定を禁止されたとき、脈動積算値SUMpulseをゼロに初期化するとともに同初期化した時点から所定時間が経過した時点から前記偏差Pulseの絶対値を(所定期間T1に渡って)積算して得られる脈動積算値SUMpulseに基づいて二次空気供給装置60が異常であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0097】
また、上記実施形態においては、上記数2に示すように、なまし圧力値の今回値Pdullは、ASV上流側圧力値の今回値Paiとなまし圧力値の前回値Pdullbとの偏差に基づいて計算されるように構成されているが、なまし圧力値の今回値Pdullは、ASV上流側圧力値の今回値Paiと同ASV上流側圧力値の前回値Paibとの偏差に基づいて計算されるように構成してもよい。
【0098】
また、上記実施形態においては、上記数2におけるなまし時定数Tは一定値であるように構成されているが、上記数2におけるなまし時定数Tは内燃機関10の運転状態(例えば、エンジン回転速度NE)に応じて変更されるように構成してもよい。
【0099】
また、上記実施形態においては、所定期間T1(具体的には、異常判定処理終了判定基準値Nref)、及び所定時間T2(具体的には、圧力急変判定基準値Mref)が共に、同所定期間T1の開始時点でのエンジン回転速度NEに応じて決定されるように構成されているが、所定期間T1(具体的には、異常判定処理終了判定基準値Nref)、及び所定時間T2(具体的には、圧力急変判定基準値Mref)が共に一定であってもよい。
【0100】
また、上記実施形態においては、圧力センサ79がエアポンプ62の下流であってASV63の上流の二次空気供給通路61に配設されているが、圧力センサ79がASV63の下流(であってリード弁64の上流)の二次空気供給通路61に配設されるように構成してもよい。この場合、ASV下流の二次空気供給通路61内の(二次)空気の圧力値、及び同圧力値の脈動レベル(脈動積算値)に基づいて二次空気供給装置60が異常であるか否かが判定される。
【0101】
また、上記実施形態においては、AI実行中、又はAI停止中における二次空気供給装置60が異常か否かの判定がそれぞれ一回づつ実行されるように構成されているが、AI実行中、又はAI停止中における二次空気供給装置60が異常か否かの判定がそれぞれ複数回づつ実行されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による二次空気供給装置の異常判定装置を適用した内燃機関の概略図である。
【図2】 図1に示したエアフローメータの出力電圧と計測された吸入空気流量との関係を示したマップである。
【図3】 ASV上流圧力値となまし圧力値の時間的変化を示したグラフを用いて脈動積算値を説明するための図である。
【図4】 図1に示したCPUが二次空気供給装置が異常か否かを判定する際に参照するマップである。
【図5】 ASV上流圧力値(の中心値)が急上昇したときの同ASV上流圧力値となまし圧力値の変化を示したタイムチャートである。
【図6】 図1に示したCPUが実行するAIの実行・停止を制御するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図7】 図1に示したCPUが実行する異常判定処理の開始判定を行うためのルーチンを示したフローチャートである。
【図8】 図1に示したCPUが実行する脈動積算値を計算するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図9】 図1に示したCPUが実行する圧力急変の判定を行うためのルーチンを示したフローチャートである。
【図10】 図1に示したCPUが実行する二次空気供給装置が異常か否かを判定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…内燃機関、41…吸気管、42…エアフィルタ、53…触媒、60…二次空気供給装置、61…二次空気供給通路、62…エアポンプ、63…ASV(エアスイッチングバルブ)、64…リード弁、65…負圧導入通路、66…電磁弁、71…エアフローメータ、75…水温センサ、79…圧力センサ、81…CPU

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に配設された触媒よりも上流側の同排気通路に二次空気を供給するための二次空気供給通路を備えた二次空気供給装置に適用され、
    前記二次空気供給通路内の圧力値を検出する圧力検出手段と、
    前記検出された圧力値に所定の程度をもって追従するなまし圧力値を算出するとともに同検出された圧力値と同算出されたなまし圧力値との偏差の絶対値を積算して脈動積算値を算出し、少なくとも同脈動積算値に基づいて前記二次空気供給装置が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    を備えた二次空気供給装置の異常判定装置であって、
    前記偏差の符号が所定時間に渡って反転しないとき、前記異常判定手段による判定を禁止させる異常判定禁止手段を備えた二次空気供給装置の異常判定装置。
  2. 請求項1に記載の二次空気供給装置の異常判定装置において、
    前記異常判定禁止手段は、前記内燃機関の回転速度に応じて前記所定時間を決定するように構成された二次空気供給装置の異常判定装置。
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