JP4177143B2 - 電波吸収体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の反射を抑制するために用いられる電波吸収体に関するものであり、さらに詳しくは、吸収すべき電磁波の波長の1/10以下の厚みである薄型電波吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)、高度道路交通システム(Intelligent Transport System)における狭域通信(Dedicated
Short Range Communications)技術を用いた自動料金収受システム(Electronic Toll Collection System)等、高周波の電磁波を用いたシステムが実用化されている。これらの電磁波を用いた応用システムにおいては、その通信品質を確保するために壁等からの電磁波の反射を抑制する必要があり、そのために電波吸収体が必要となる。このような電波吸収体は天井や壁等の構造物に取り付けられることから、軽くて薄いものが求められている。
【0003】
従来から、抵抗皮膜を使ったλ/4型電波吸収体が知られている。このλ/4型電波吸収体は厚みがλ/(4・√εr) (λ:電磁波の真空での波長、εr:誘電体の比誘電率)である誘電率εrの誘電体層の片面に低抵抗の反射層を有し、誘電体のもう一方の面に空気中の電波インピーダンス(377Ω)である抵抗皮膜層を有する電波吸収体である。しかしながら、このλ/4型電波吸収体は誘電体層としてλ/(4・√εr)の厚みが必要であり、薄型化に限界がある。
【0004】
前記λ/4型電波吸収体の抵抗皮膜層と反射層の間に、分割された導電性フィルム(DCF;Divided Conductive Film)を挿入することで、誘電体層の厚みをλ/(4・√εr)よりも薄くできる電波吸収パネルが提案されている(たとえば特許文献1〜4および非特許文献1)。このDCFを用いた電波吸収体は、整合用導電膜、反射層、DCF層の3層が必要であり、整合用導電膜とDCF層間の空気層または樹脂層およびDCF層と反射層間の空気層または樹脂層の厚みを両方とも均一になるように制御しなければならないため、これらの厚みが均一でない場合に期待された性能が得られ難いという問題がある。
【0005】
そこで、前記DCFを用いた電波吸収パネルの構造が複雑であるという問題を解決するために、DCF層を形成したガラスと反射層を形成したガラスをポリビニルブチラール(PVB)を介して貼り合わせた電波吸収ガラスが提案されている(非特許文献2)。前記文献中には、このDCFを用いた電波吸収ガラスは、分割する導電性フィルムの抵抗値をコントロールする必要がなく、DCFの幾何学的大きさのコントロールにより薄型の電波吸収体を得ることができるという利点がある、と記載されている。しかしながら、電波入射側にガラスを配置する必要があり、薄型化に限界があるとともに窓以外の場所で使い難いという問題がある。
【0006】
このように従来の技術では、λ/4型電波吸収体の厚みを、小さい値にするには、限界があった。また、DCFを用いた電波吸収パネルでは、電波吸収特性の再現性が悪いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
アメリカ特許USP6,195,034B1
【特許文献2】
特開2002−76676
【特許文献3】
特開2002−76677
【特許文献4】
特開2002−151885
【非特許文献1】
T. Tsuno, Technical Report of IEICE, EMCJ99-128(2000-01), p.113
【非特許文献2】
K. Harakawa, et al. , Proceedings of APMC2002(November 19-22, 2002), FR3B-5
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡単であり、かつ窓以外へも適用可能であり、さらに電波吸収特性に優れた薄型の電波吸収体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、誘電体層と、
前記誘電体層の片側の表面に配置された導電性皮膜層と、
前記導電性層と反対側の前記誘電体層の表面に配置されたインピーダンス層とを含み、
導電性層の表面抵抗率が50Ω以下であり、
インピーダンス層の表面インピーダンスZを次式で表したとき、
Z=R+j・X
ここで、Rは実部であり、Xは虚部であり、jは虚数単位であり、
インピーダンス層の表面インピーダンスの実部Rが0.01Ω〜100Ωの範囲であり、かつ、インピーダンス層の表面インピーダンスの虚部Xが−200Ω〜−3Ωの範囲であり、かつ、実部Rと虚部Xとが
−100≦X/R≦−1
の関係を満足することを特徴とする電波吸収体である。
【0010】
また本発明は、インピーダンス層が、抵抗皮膜層を分離して並べられたものであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、誘電体層、導電性層およびインピーダンス層が、可視光を透過することを特徴とする。
【0012】
導電性皮膜層の表面抵抗率は、できるだけ小さい値であることが好ましく、0Ω程度であってもよい。インピーダンス層の表面インピーダンスの実部Rの値も、小さいほうが望ましく、たとえば前述のように0.01Ω以上であってもよく、この実部Rが100Ωを超えると、電波吸収体の厚みが厚くなるので好ましくない。虚部Xの絶対値が200Ωを超えると、周波数および反射損失の制御が困難になる。虚部Xの絶対値が3Ω未満では、本件電波吸収体の実現が困難となる。X/Rの絶対値が100を超えるとき、周波数および反射損失の制御が困難になる。X/Rの絶対値が1未満では、電波吸収体の実現が困難である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における電波吸収体1の代表的構成を示した断面図である。誘電体層1bの片側に低抵抗の導電性皮膜層1a、もう一方の側にインピーダンス層1cを有している。
【0014】
図2は、図1に示される電波吸収体1の左方から見たインピーダンス層1cの一部を示す図である。インピーダンス層1cの抵抗皮膜1c1は、斜線を施して示す。
【0015】
図3は、図1に示される電波吸収体1の吸収特性を説明するための図である。本発明は、表面抵抗Rと表面リアクタンスXとが制御されたインピーダンス層1cを用いることによって、誘電体層1bがλ/(4・√εr)よりも薄い場合でも、効率良くインピーダンス層1cで電波を吸収することができるという原理に基づくものである。平面波である電磁波に対する電波吸収体1の吸収特性は伝送線理論を応用することによって計算することができ、さらにその計算結果は実験と良く一致することが示されている(「電波吸収体入門」(森北出版))。すなわち、伝送線理論では、単位長さあたりの抵抗がR[Ω/m]、単位長さあたりのインダクタンスがL[H/m]、単位長さあたりの容量がC[F/m]、単位長さあたりのコンダクタンスがG[S/m]の分布定数線路の微小区間dzにおける電流Iおよび電圧Vとして以下の式が導かれる。ωは、伝送される電磁波の角周波数である。
d2V/dz2=(R+jωL)(G+jωC)V …(1)
d2I/dz2=(R+jωL)(G+jωC)I …(2)
【0016】
この微分方程式1,2を解くことにより、電流および電圧の基礎式として以下の式3,4が導出される。
V=V+exp(−γz)+V−exp(γz) …(3)
I=(V+/Zc)exp(−γz)−(V−/Zc)exp(γz)
…(4)
【0017】
ここで、V+、V−、Zc、γは以下のとおりである。
V+ ;zの正方向へ伝送する信号の電圧の振幅係数
V− ;zの負方向へ伝送する信号の電圧の振幅係数
Zc ;線路の特性インピーダンス(={(R+jωL)/(G+jωC)}1/2)
γ ;線路の伝搬定数(={(R+jωL)(G+jωC)}1/2)
【0018】
一方、複素誘電率ε(≡ε’−jε”)、複素透磁率μ(≡μ’−μ”)、導電率σの媒質中をz方向へ伝搬する電磁波が平面波の場合、マクスウェル方程式は以下のスカラー式5〜8に分解できる。すなわち、xyz直交座標系において、電界のx成分Exおよび磁界のy成分Hyに関して、
∂Ex/∂z=−μ(∂Hy/∂t) …(5)
−∂Hy/∂z=σEx+ε’(∂Ex/∂t) …(6)
さらに、電界のy成分Eyおよび磁界のx成分Hxに関して、
∂Ey/∂z=−μ(∂Hx/∂t) …(7)
−∂Hx/∂z=σEy+ε’(∂Ey/∂t) …(8)
ここで、複素誘電率の虚部ε”に関する損失は導電率σによる損失として考えている。
【0019】
式5および式6からHyを消去すると、Exに関する以下の方程式9が得られる。
∂2Ex/∂z2=σμ(∂Ex/∂t)+ε’μ(∂2Ex/∂t2)
…(9)
ここで、Exの特解として
Ex=E0exp(jωt) …(10)
を考えると、式9は以下のとおり書きかえることができる。tは、時間を表わす。
∂2Ex/∂z2=(jωσμ−ω2ε’μ)Ex …(11)
ここで導電率σは、誘電率の虚数成分ε”と、
ε”=σ/ω …(12)
の関係にあると考えることができ、式11は以下のように書きかえることができる。
∂2Ex/∂z2=−ω2εμEx …(13)
【0020】
電磁波のインピーダンスZは、
Z=Ex/Hy=(μ/ε)1/2 …(14)
で定義されるから、Hyについても同様に以下の式15が導かれる。
∂2Hy/∂z2=−ω2εμHy …(15)
【0021】
式13および式15は、式1または式2と同形であり、伝搬定数γおよび特性インピーダンスZが
γ=jω(εμ)1/2 …(16)
Z=(μ/ε)1/2 …(17)
である分布定数線路と考えることができる。このように、平面波である電磁波の伝搬は、伝送線理論に基づいて計算することができる。
【0022】
前述した伝送線理論を用いることにより、複数の境界を持つ媒体での電磁波の反射係数と透過係数を計算できる。すなわち、図1に示されるような媒体における電磁波の反射・透過は次のように計算できる。図1の媒体は、図4に示されるような2つの境界がある伝送線モデルとして考えることができる。ここで、線路A、Cは無限長線路であり、特性インピーダンスがそれぞれ、ZA、ZC(ZA=Z0、ZC=Z0、ここでZ0は空気中の電波インピーダンス)である。線路Bは、線路長(すなわち誘電体層1bの厚み)d、特性インピーダンスZB、伝搬定数γB(γB=2πεr1/2j/λ)である。さらに、低抵抗の導電層の表面抵抗ZL、インピーダンス層の表面インピーダンスをZとする。このとき、伝送線理論を用いると、線路Aと線路Bの接続面0−0’から見て、接続面0−0’より右側の低抵抗の導電層を含むインピーダンスZ’は以下のように表すことができる。
Z’=ZL・ZC/(ZL+ZC)
ここで、ZL≪ZCの場合には、
Z’≒ZL …(18)
となることが導かれる。
【0023】
次に線路Aと線路Bの接続面1−1’から見て、接続面1−1’より右側のインピーダンス層を含まないインピーダンスZ”は以下のように表すことができる。
Z”=ZB(Z’+ZB・tanhγBd)/(ZB+Z’・tanhγBd)
…(19)
【0024】
さらに線路Aと線路Bの接続面1−1’から見て、接続面1−1’より右側のインピーダンス層を含むインピーダンスZinは以下のように表すことができる。γBは、線路Bの伝搬定数を表わす。
Zin=Z・Z”/(Z+Z”) …(20)
【0025】
このインピーダンスZinを用いることによって、接続面1−1’での反射係数Γは以下のように表される。
Γ=(Zin− ZA)/(Zin+ ZA) …(21)
【0026】
さらにエネルギー反射率RはR=|Γ|2であり、反射損失Rloss[dB]は以下のように計算される。
Rloss=−10log10R …(22)
【0027】
また、線路Bでのエネルギー吸収量Aは、同様に伝送線理論から求められるエネルギー透過率Tを用いることによって、以下のように計算される。
A=1−R−T …(23)
【0028】
電波吸収体では終端を短絡することによってエネルギー透過率Tが0になるように設計する。この場合、
A=1−R …(24)
となるので、電波吸収体の電波吸収特性は一般に反射損失Rlossによって表される。
【0029】
また、電磁波がz軸に対して角度θで媒質へ入射する場合(TE波の電界方向をy軸とする)には、TE波およびTM波の反射・透過の問題は、z方向への伝搬のみを考えることで解析することができる。
【0030】
今、簡単のために、低抵抗導電層の表面抵抗をZL=0[Ω]とおくと、Γ=0となる条件は、次式のとおりとなる。
Z=Z0・(tanhγBd)/(tanhγBd−εr1/2)
=Z0・(tanD)2/{(tanD)2+εr}
−j・Z0・εr1/2・tanD/{(tanD)2+εr}
…(25)
ここで、
D=2πd(εr)1/2/λ …(26)
【0031】
すなわち、インピーダンス層の表面抵抗Rおよび表面リアクタンスXを制御することにより、高性能の電波吸収体を得ることできると考えられる。
【0032】
図4は、誘電体層1bとしてポリエチレンテレフタレート(PETと略称することがある。比誘電率εr=3.9)を用いた場合について種々の誘電体層1b厚みにおいてインピーダンス層の最適な表面インピーダンスをプロットしたものである。これらの結果から、表面リアクタンス成分を積極的に利用することで、薄型の電波吸収体1が可能と考えられる。
【0033】
さらに詳細な検討を行った結果、インピーダンス層1cの表面インピーダンスを以下の条件1〜4にすることで、薄型の電波吸収体を得ることができることが判った。すなわち、
(条件1)導電性皮膜層1aの表面抵抗率が50Ω以下であり、かつ、
インピーダンス層1cの表面インピーダンスZを次式で表したとき、
Z=R+j・X …(27)
ここで、jは虚数単位である。
(条件2)インピーダンス層1cの表面インピーダンスの実部である表面抵抗率Rが0.01Ω〜100Ωの範囲であり、かつ、
(条件3)インピーダンス層1cの表面インピーダンスの虚部である表面リアクタンス成分Xが−200Ω〜−3Ωの範囲であり、かつ、
(条件4)表面抵抗率Rと表面リアクタンス成分Xとが
−100≦X/R≦−1 …(28)
の関係を満足する場合に薄型の電波吸収体1を得ることができる。
【0034】
図5および図6はこの関係を図示したものである。図5は、誘電体層厚みが0.05λ以下におけるインピーダンス層の最適インピーダンスをプロットしたものである。さらに、図6は、図5における最適インピーダンスの実部Rと虚部Xとの関係を示した図である。
【0035】
本発明における導電性皮膜層1aとしては種々の導電性材料を用いることができる。これら導電性材料としてはAl、Ag、Au、Cr、Ti等の金属薄膜、ITO(インジウム錫酸化物)や酸化スズに代表される透光性導電膜等が例示される。この導電性皮膜層1aは、これら金属材料や透光性導電膜を誘電体層1bにスパッタ等の蒸着法にて形成することができる。または、金属箔を誘電体層1bと接着剤を用いて貼ってもよい。透光性電波吸収体が望まれる場合には、ITO、酸化スズなどの透光性導電膜1aを用いることができる。導電性皮膜層1aを蒸着法にて形成する場合には、フィルム基材上に成膜し、フィルム基材側もしくは導電性皮膜側を、誘電体層1bと、接着剤等を用いて貼り合わせることができる。
【0036】
誘電体層1bとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーンボネート、アクリル樹脂、等に例示される絶縁性高分子材料、アルミナ等に代表される絶縁性セラミックス材料等を用いることができる。透光性電波吸収体が望まれる場合には、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、アクリル樹脂等の透光性の絶縁性高分子材料を用いることができる。
【0037】
インピーダンス層1cとしては、図2のようにある抵抗値の皮膜1c1を面内に孤立して分散させることで得ることができる。つまり、抵抗皮膜1c1を孤立分散させることで、その孤立分散した抵抗皮膜1c1間にコンデンサ成分が生じ、よって虚部成分を付与することができる。分散させる抵抗皮膜1c1としては、Al、Ag、Au、Cr、Ti等の金属薄膜、ITOや酸化スズに代表される透光性導電膜等を規定の抵抗値になる厚みにスパッタ法等の蒸着法にて成膜したものを用いることができる。
【0038】
これらの薄膜1c1を面内に孤立して分散させるには、面内均一に成膜した後で、写真蝕刻法を用いて薄膜の一部を除去する方法、レーザーにより薄膜を除去する方法、サンドブラストにて薄膜の一部を除去する方法等を採用することができる。インピーダンス層を蒸着法にて形成する場合には、先ず誘電体層1bの厚み方向の一部を構成する合成樹脂などの誘電体から成るフィルム基材上に成膜し、所望のパターンニングを行った後に、フィルム基材側もしくは導電性皮膜1c1側を誘電体層1bと接着剤等を用いて貼り合わせることもできる。
【0039】
インピーダンス層1cの別の作製法として、カーボン粉末、カーボンフレーク、カーボンファイバー、等の抵抗性フィラーを樹脂と混合したものをフィルム状に成形することでも得ることができる。このとき、フィラー間が相互に接触しないように樹脂中に分散させることで、虚部成分を付与することができる。たとえば押出し成形した後、延伸することによって、製造することができる。
【0040】
図7は、本発明における電波吸収体1の構成の一例を示したものである。誘電体層2bの片側に低抵抗の導電性皮膜層2a、もう一方の側にインピーダンス層2cを有し、さらにインピーダンス層2c上に保護層2dを設けてもよい。保護層2dは、インピーダンス層2cを風雨などから保護し、合成樹脂などの誘電体から成る薄いフィルム状であってもよい。保護層2dは、たとえばウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂から成ってもよく、ミクロンオーダーの厚みを有してもよい。
【0041】
図8は本発明における電波吸収体1の構成の一例を示したものである。誘電体層3bの片側に低抵抗の導電性皮膜層3a、もう一方の側にインピーダンス層3cを有し、さらにインピーダンス層3c上および導電性皮膜層3a上に保護層3d,3eを設けてもよい。これらの保護層3d,3eもまた、前述の図7の実施の形態における保護層2dと同様に構成されてもよい。
【0042】
前述の図1に示されるように、表面抵抗率0Ωの導電性皮膜1a上に比誘電率=3.9の干渉層を介してインピーダンス層1cを積層した場合に、インピーダンス層1c側から入射した電磁波を完全に吸収できる電波吸収体1について、インピーダンス層1cの表面インピーダンスを伝送線理論を用いて計算した結果を前述の図4、図5に示す。図5は図4において誘電体層厚みが0.04λ以下の部分を拡大したものである。
【0043】
リアクタンス成分がない(X=0)場合は、インピーダンス層1cの表面抵抗率が空気中における電波インピーダンス(377Ω)と等しく、かつ、誘電体層1bの厚みdが、
d=λ/(4・εr1/2) …(29)
のときに最も効率良く電波を吸収することが判る。誘電体層1bの厚みdを、前述の式29の値以下として、全体の構成を薄くすることができる。
【0044】
一方、負のリアクタンス成分がある場合、すなわち、容量成分がある場合には、誘電体層の厚みdがλ/(4・εr1/2)よりも薄い場合に最も効率良く電波を吸収することが判る。
【0045】
図5、図6に示されるように、インピーダンス層の表面インピーダンスにおける抵抗成分Rが50Ω以下、かつ、インピーダンス層の表面インピーダンスにおけるリアクタンス成分Xが−200Ω〜−3Ω、かつ、リアクタンス成分Xと抵抗成分Rの比が
−100≦X/R≦−1 …(30)
のときに、誘電体層厚みdは0.05λ以下とすることができ、薄型の電波吸収体が可能であることが判る。図4〜図6において、横軸に示される誘電体層厚み/波長の値は、0.05以下として、全体の構成を薄くすることができる。
【0046】
以下、添付した図に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0047】
【実施例】
本件発明者の実験結果を述べる。
【0048】
【実施例1】
図1および図2に示されるように、75μm厚みのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に導電性薄膜をスパッタ成膜した導電性フィルム(三井化学(株)製商品名 TCP2.4、表面抵抗値2.2Ω)の導電性薄膜を、YAG3倍波レーザー(波長355nm)を用いることで、除去幅ΔL1=ΔL2=130μm、除去ピッチLp1=Lp2=11mm、にて格子状に除去した。また、この格子状に除去した導電性フィルムの周波数5.8GHzでの表面インピーダンスをベクトルネットワークアナライザを用いて測定された反射係数から算出した結果、
表面インピーダンス実部R=30Ω
表面インピーダンス虚部X=−100Ω
であった。このときX/R≒−3.4である。
【0049】
前述のように導電膜を除去した導電性フィルムを表面インピーダンス層1cとして厚み1.8mmのPETシート1bの片側に貼りつけた。さらに、反対側のPETシート1bの面に、アルミ箔を反射層1aとして貼り合わせて、電波吸収体1を作製した。
【0050】
このようにして作製した電波吸収体1の反射損失特性を5.0GHzから8.2GHzの範囲で測定した。結果を図9に示す。6.6GHzにて最大反射損失46dBが得られた。
【0051】
【表1】
【0052】
【実施例2】
PETシート1bの厚みを2.1mmとした以外は実施例1と同じように電波吸収体を作製した。このようにして作製した電波吸収体の反射損失特性を5.0GHzから8.2GHzの範囲で測定した。結果を図10に示す。6.2GHzにて最大反射損失40dBが得られた。
【0053】
【実施例3】
50μm厚みのPETフィルム上に導電性薄膜をスパッタ成膜した導電性フィルム(三井化学(株)製商品名 XIR、表面抵抗値9.3Ω)の導電性薄膜を、YAG3倍波レーザー(波長355nm)を用いることで、除去幅ΔL1=250μm、除去ピッチLp=11mm、にて格子状に除去した。また、この格子状に除去した導電性フィルムの周波数5.8GHzでの表面インピーダンスをベクトルネットワークアナライザを用いて測定された反射係数から算出した結果、
表面インピーダンス実部R=40Ω
表面インピーダンス虚部X=−120Ω
であった。このときX/R=−3である。
【0054】
前述のように導電膜を除去した導電性フィルムを表面インピーダンス層1cとして厚み2.2mmのPETシート1bの片側に貼りつけた。さらに、反対側のPETシート1b面に、アルミ箔を反射層1aとして貼り合わせて、電波吸収体1を作製した。
【0055】
このようにして作製した電波吸収体1の反射損失特性を5.0GHzから8.2GHzの範囲で測定した。結果を図11に示す。6.6GHzにて最大反射損失50dBが得られた。
【0056】
【比較例1】
格子状に導電性膜を除去するピッチを3mm、除去幅250μmとした以外は実施例1と同様に格子状に導電性膜を除去した。この格子状に除去した導電性フィルムの周波数5.8GHzでの表面インピーダンスをベクトルネットワークアナライザを用いて測定された反射係数から算出した結果、
表面インピーダンス実部R=61Ω
表面インピーダンス虚部X=−413Ω
であった。このときX/R=−6.77である。
【0057】
さらに、本比較例で作製した格子状に導電膜を除去した導電性フィルムをインピーダンス層1cとして用いた以外は実施例1と同様の構成で電波吸収体1を作製し、その反射損失特性を実施例と同様の方法で評価した。ほとんど電波を吸収しないことが判った。
【0058】
【比較例2】
格子状に導電性膜を除去するピッチを16mmとした以外は比較例1と同様に格子状に導電性膜を除去した。この格子状に除去した導電性フィルムの周波数5.8GHzでの表面インピーダンスをベクトルネットワークアナライザを用いて測定された反射係数から算出した結果、
表面インピーダンス実部R=21Ω
表面インピーダンス虚部X=−7Ω
であった。このときX/R=−0.33である。
【0059】
さらに、本比較例で作製した格子状に導電膜を除去した導電性フィルムをインピーダンス層1cとして用いた以外は実施例1と同様の構成で電波吸収体1を作製し、その反射損失特性を実施例1と同様の方法で評価した。ほとんど電波を吸収しないことが判った。
【0060】
【比較例3】
格子状に導電性膜1c1を除去するピッチΔL1を20mmとした以外は比較例1と同様に格子状に導電性膜を除去した。この格子状に除去した導電性フィルムの周波数5.8GHzでの表面インピーダンスをベクトルネットワークアナライザを用いて測定された反射係数から算出した結果、
表面インピーダンス実部R=13Ω
表面インピーダンス虚部X=16Ω
であった。このときX/R=0.81である。
【0061】
さらに、本比較例で作製した格子状に導電膜を除去した導電性フィルムをインピーダンス層1cとして用いた以外は実施例1と同様の構成で電波吸収体1を作製し、その反射損失特性を実施例1と同様の方法で評価した。ほとんど電波を吸収しないことが判った。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によって、薄型の高性能電波吸収体を提供することができる。本発明の電波吸収体は、このように薄型であり、しかもその電波吸収特性が優れており、大きな電波の反射損失を達成することができる。さらに本発明の電波吸収体の構造は、簡単であり、しかも窓以外へも適用することができ、使い勝手が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電波吸収体1の代表的構成を示した断面図である。
【図2】図1に示される電波吸収体1の左方から見たインピーダンス層1cの一部を示す図である。
【図3】図1に示される電波吸収体1の吸収特性を説明するための図である。
【図4】本発明に係わる図1に示される電波吸収体1の絶縁誘電体層厚みと表面インピーダンスとの関係を示した図である。
【図5】本発明に係わる図1に示される電波吸収体1の絶縁誘電体層厚みと表面インピーダンスとの関係を示した図である。
【図6】本発明に係わる図1に示される電波吸収体1の絶縁誘電体層厚みと表面インピーダンスにおける抵抗成分とリアクタンス成分との比X/Rとの関係を示した図である。
【図7】本発明に係わる他の実施の形態の電波吸収体1の概略断面図である。
【図8】本発明に係わる他の実施の形態の電波吸収体1の概略断面図である。
【図9】本発明に係わる電波吸収体1の実施例1の反射損失特性の測定結果を示したものである。
【図10】本発明に係わる電波吸収体1の実施例2の反射損失特性の測定結果を示したものである。
【図11】本発明に係わる電波吸収体1の実施例3の反射損失特性の測定結果を示したものである。
【符号の説明】
1a,2a,3a 導電性皮膜層
1b,2b,3b 誘電体層
1c,2c,3c インピーダンス皮膜層
2d,3d,3e 保護層
Claims (3)
- 誘電体層と、
前記誘電体層の片側の表面に配置された導電性皮膜層と、
前記導電性層と反対側の前記誘電体層の表面に配置されたインピーダンス層とを含み、
導電性層の表面抵抗率が50Ω以下であり、
インピーダンス層の表面インピーダンスZを次式で表したとき、
Z=R+j・X
ここで、Rは実部であり、Xは虚部であり、jは虚数単位であり、
インピーダンス層の表面インピーダンスの実部Rが0.01Ω〜100Ωの範囲であり、かつ、インピーダンス層の表面インピーダンスの虚部Xが−200Ω〜−3Ωの範囲であり、かつ、実部Rと虚部Xとが
−100≦X/R≦−1
の関係を満足することを特徴とする電波吸収体。 - インピーダンス層が、抵抗皮膜層を分離して並べられたものであることを特徴とする請求項1に記載の電波吸収体。
- 誘電体層、導電性層およびインピーダンス層が、可視光を透過することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電波吸収体。
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