JP2010010612A - 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法 - Google Patents

電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法 Download PDF

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幸一郎 高橋
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哲也 矢ノ下
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Abstract

【課題】視覚的に悪影響がなく斜入射特性の良い電磁波吸収体を提供する。
【解決手段】入射した電磁波の一部を反射し他の一部を透過する導体膜を有する電磁波吸収体であって、導体膜は、各々分離されている正方形の導体領域と、長方形の導体領域とが、交互に配列されたパターンを有することを特徴とする電磁波吸収体を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法に関する。
近年、コンピューターネットワークの一種であるLANにおいては、マイクロ波を用いた無線LAN等が利用されている。また、高速大容量無線通信技術として、3〜10GHzにおける広帯域の電磁波を利用したUWB(Ultra-wideband)、ワイヤレスUSB(Universal Serial Bas)等が知られている。
これらの電磁波を用いた通信が多数使用される環境においては、同じ帯域の電磁波を用いることにより、電磁波干渉や、伝送の誤り等が生じ、これにより、伝送速度の低下や、機器等の誤動作が生じる場合がある。
このため、電磁波吸収材料により構成される層に、相互に独立した複数の導体パターンを有するパターン層を積層して構成される電磁波吸収体を用いることにより、障害となる電磁波を吸収し、機器等の誤動作を防止する方法が考えられている。
特許文献1では、広帯域の電磁波を吸収することが可能な、電磁波吸収体の構成が開示されている。具体的には、連続的に形成される連続導体素子を形成した構成のものである。
特開2007−95830号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、形成される連続導体素子は、十字形状等の複雑な形状を有しているためスクリーン印刷等の方法により形成されることから、連続導体素子間の間隔が広くなり、これによりぎらつきが生じ視覚的に問題を有していた。
また、スクリーン印刷等の方法では、印刷するパターンに対応したスクリーン版等を作製する必要があり、パターンを変更する場合には、時間や費用を要し、容易にパターンを変更することは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑み、視覚的な問題を有することがなく、パターンの変更が容易な電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法を提供するものである。
本発明は、入射した電磁波の一部を反射し他の一部を透過する導体膜を有する電磁波吸収体であって、前記導体膜は、各々分離されている正方形の導体領域と、長方形の導体領域とが、交互に配列されたパターンを有することを特徴とする。
また、本発明は、入射した電磁波の一部を反射し他の一部を透過する導体膜を有する電磁波吸収体であって、各々分離されている正方形の導体領域と、長方形の導体領域とが、交互に配列されたパターンを有する前記導体膜の形成された第1の基板と、前記導体膜を透過した前記電磁波の前記他の一部を反射する導体層の形成された第2の基板とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、隣接する前記正方形の導体領域と前記長方形の導体領域の間隔は、0.3mm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記正方形の導体領域は、第1の正方形の導体領域と第2の正方形の導体領域から形成されており、前記導体領域における前記第1の正方形は、前記第2の正方形よりも大きく、前記導体領域における前記長方形の長辺は、第1の正方形の導体領域における一辺の長さに等しく、前記長方形の短辺は第2の正方形の導体領域における一辺の長さに等しいことを特徴とする。
また、本発明は、入射した電磁波の一部を透過し他の一部を反射する電磁波吸収体の製造方法において、基板上に導体膜を形成する工程と、前記導体膜にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射された領域の前記導体膜を直線的に除去しスリットを形成することにより、導体パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記導体パターンを形成する工程は、相互に平行となる複数の第1のスリットを直線的に形成する工程と、前記第1のスリットと直交する複数の第2のスリットを直線的に形成する工程と、からなることを特徴とする。
また、本発明は、前記レーザ光は、赤外域または紫外域における発振波長を有するものであることを特徴とする。
本発明によれば、視覚的な問題を有することがなく、パターンの変更が容易であって、斜入射特性が良好な、電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法を提供することができる。
本発明における実施の形態となる電磁波吸収体の構成について、以下に説明する。
図1は、本実施の形態における電磁波吸収体の全体構造の断面図である。本実施の形態における電磁波吸収体は、抵抗板10と反射板11とにより構成されている。抵抗板10と反射板11とは枠部12により固定されている。
抵抗板10は、基板13の表面に導体層である透明導電膜14を形成した構成のものであり、反射板11は、基板15の表面に導体層である透明導電膜16を形成したものである。
(枠部12)
枠部12は、抵抗板10と反射板11との位置を固定するものである。枠部12の
素材としては、電磁波吸収の特性に影響を与えないために、金属以外であれば良い。なお、たとえ金属であっても、電磁波吸収特性に影響を与えないものであれば良いことは言うまでもない。素材としては、軽量化やコストを考慮すると、アクリル樹脂やフェノール樹脂、ABS樹脂、PET樹脂などの樹脂が好ましい。樹脂の中でも、ABS樹脂やPET樹脂などは押し出し成型が可能でコスト的に好ましい。
(基板13)
基板13は、透明基板が好ましい。本発明における「透明」とは、可視光領域の波長の光を透過することを意味し、その透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
透明基板の材質としては、ガラス(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の強化ガラスを含む。);ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック等が挙げられる。
基板の厚さとしては、0.01mm〜10mmであることが好ましく、0.08〜5mmであることがより好ましい。基板の材質がガラスである場合には、好ましい厚さは0.1〜10mmであり、より好ましい厚さは0.2〜5mmである。基板の材質がプラスチックである場合には、好ましい厚さは0.01〜3mmであり、より好ましい厚さは0.05〜1mmである。
(透明導電膜14)
透明導電膜14の構成は、要求される抵抗値や透過率に応じて材料を変化させることができる。例えば、要求される抵抗が10Ω/□未満の場合は、(n+1)層の酸化物層とn層の金属層とが交互に積層された多層構造(nは1以上の整数)とすることが好ましい。また、要求される抵抗が50Ω/□以上の場合は、酸化物透明導電膜層とすることが好ましい。
酸化物層と金属層の多層構造の場合、基板13に最も近い酸化物層と最も遠い酸化物層の物理的膜厚(以下、単に膜厚と称する)は、それらの間に位置する酸化物層の膜厚に比べて薄い。基板13に最も近い酸化物層及び最も遠い酸化物層の膜厚は、10〜60nmが好ましく、20〜60nmがより好ましく、30〜50nmが特に好ましい。それらの間に位置するその他の酸化物層の膜厚は、40〜140nmが好ましく、40〜100nmが特に好ましい。なお、基板13に最も近い酸化物層と最も遠い酸化物層との間に位置する酸化物層は、単層若しくは2層以上の複数層により構成されても良い。
酸化物層は、金属酸化物を含有する層である。酸化物層は、屈折率が1.55〜2.5であることが好ましく、1.8〜2.5がより好ましく、1.9〜2.5が特に好ましい。屈折率をこの範囲とすることにより、金属層との干渉効果で可視光の透過率を高くできる。屈折率とは、波長555nmにおける屈折率を意味する。屈折率が1.55〜2.5である金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズ等を主成分とする金属酸化物が挙げられる。これらのうち、金属層との相性がよく、耐久性を高めることができる点から、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ニオブが好ましい。
酸化物層としては、スズ、アルミニウム、クロム、チタン、ケイ素、ホウ素、マグネシウムおよびガリウムからなる群から選ばれる1種以上の元素を含有する酸化亜鉛からなる層が好ましく、アルミニウムを含有する酸化亜鉛(以下、AZOと記す。)またはガリウムを含有する酸化亜鉛(以下、GZOと記す。)またはチタンを含有する酸化亜鉛(以下、SZOと記す。)を主成分として含有する層が特に好ましい。
酸化物層は、酸化物換算でAl、GaまたはTiOとZnOとを合計で90質量%以上含有することが好ましく、95質量%以上含有することがより好ましく、99質量%以上含有することが特に好ましい。酸化物層におけるAl、GaまたはTiOとZnOとの合計含有量が上述した範囲内であると、隣り合う金属層との密着性に優れ、耐湿性に優れる。
AZOにおけるアルミニウムの量は、アルミニウムと亜鉛との総量に対して1〜10原子%が好ましく2〜6原子%がより好ましく、1.5〜5.5原子%が特に好ましい。
GZOにおけるガリウムの量は、ガリウムと亜鉛との総量に対して1〜10原子%が好ましく2〜6原子%がより好ましく、1.5〜5.5原子%が特に好ましい。
TZOにおけるチタンの量は、チタンと亜鉛との総量に対して2〜20原子%が好ましく、3〜15原子%がより好ましい。
アルミニウム、ガリウム、チタンの量が上述した範囲内であると、酸化物層の内部応力を低減することができるため、割れが生じる可能性を小さくすることができる。また、酸化亜鉛の結晶構造を保つことができる。
酸化物層において、本発明における個々の酸化物層の構造は、一種類の酸化物からなる単層構造であってもよく、異なる種類の複数の酸化物が積層された積層構造であってもよい。本発明における酸化物層のうち1つ以上が、異なる種類の酸化物が積層された積層構造であることが好ましい。たとえば、1つの酸化物層を、AZOを主成分とする層のみからなる単層構成としてもよく、AZOを主成分とする層とTZOを主成分とする層との積層構成としてもよい。
金属層は、導電膜の抵抗値を低くする観点からは、純銀からなる層であることが好ましい。純銀とは、金属層(100質量%)中に銀を99.9質量%以上含有することを意味する。
金属層は、10Ω/□以上の膜を得るという観点、あるいは、銀の拡散を抑制し、結果として耐湿性を高くできる観点からは、金、パラジウムおよびビスマスからなる群から選ばれる1種以上の他の金属を含有する銀合金からなる層が好ましい。他の金属の合計は、1〜20.0質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
透明導電膜14中、すべての金属層の膜厚を合計した合計膜厚は、たとえば、得られる透明導電膜付きフィルムの表面抵抗の目標を30Ω/□とした場合、0.5〜10nmが好ましく、1〜7nmがより好ましく、表面抵抗の目標を10Ω/□とした場合、5〜20nmが好ましく、5〜15nmがより好ましい。各金属層の膜厚は、合計膜厚を金属層の数で適宜配分する。
ここで、nは1ないし2であることが好ましい。要求される抵抗が5〜50Ω/□であれば、nを1とすることで良好な抵抗を得ることができる。
一方、酸化物透明導電膜層の場合は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズ等を主成分とする金属酸化物が挙げられる。また、基板との密着性を高めるために、基板と酸化物透明導電膜層との間に、密着層を導入しても良い。その場合、密着層の材料としては、酸化珪素、チッ化珪素、弗化マグネシウム、酸化マグネシウムなどがあげられる。密着層の膜厚としては、2〜30nmが好ましく、2〜20nmがより好ましく、3〜15nmがさらに好ましい。
酸化物透明導電膜の膜厚は、要求される抵抗と透過の値によって決まる。例えば、抵抗が80Ω/□の場合、酸化物透明導電膜の膜厚は、10〜150nmが好ましく、30〜120nmがさらに好ましい。
透明導電膜14の製造方法は、たとえば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法または化学的気相成長法等により作製される。品質、特性の安定性が良好であることから、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、パルススパッタ法、ACスパッタリング法等が挙げられる。スパッタリング法による透明導電膜の形成方法の一例として、たとえば、下記(i)〜(iii)の工程を含む方法が挙げられる。
(i):酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入しながら、金属酸化物を含むターゲットを用いてパルススパッタを行い、フィルム基板表面に酸化物層を形成する。
(ii):アルゴンガスを導入しながら、銀ターゲットまたは銀合金のターゲットを用いてパルススパッタを行い、酸化物層表面に金属層を形成する。
(iii):(i)、(ii)の操作を繰り返し、最後に(i)と同様の方法で酸化物層を形成することにより、多層構造の透明導電膜を形成する。
(iv):(iii)により形成された透明導電膜の一部を基板が露出するまでレーザを用いて取り除き、模様を形成する。基板がPETの場合は、PETへの吸収が少ない1000nm付近の波長であるレーザが好ましい。例えば、波長1064nmのQスイッチYAGレーザで加工するのが好ましい。詳しい製造プロセスに関しては後述する。
なお、抵抗板10の最上層には、透明導電膜14を保護するために、保護層を形成しても良い。この場合、保護層としては、ポリエチレンテレフタレートシート(PETシート)が好ましい。透明導電膜14上に保護層を形成する際、透明接着剤などを介して、透明導電膜14と保護層との間に空気が入らないようにすることが好ましい。空気が存在すると、電磁波の吸収特性を劣化させる可能性があるからである。
(透明導電膜14における導体パターン)
本実施の形態における電磁波吸収体の透明導電膜14について、図2に基づきより詳細に説明する。本実施の形態における電磁波吸収体の透明導電膜14は、一定形状のパターンが二次元的に配列されているものである。具体的には、本実施の形態における透明導電膜14における二次元的な連続パターン(導体パターン)は、第1のスリット21と、これに垂直な第2のスリット22とを形成することにより形成されるものである。このようにして形成される二次元的な連続パターンは、第1の正方形の導体領域31と、これよりも小さな第2の正方形の導体領域32と、第1の正方形の導体領域31の一辺の長さと等しい長辺(長さ)と第2の正方形の導体領域32の一辺の長さと等しい短辺(幅)からなる長方形の導体領域33とを組み合わせた構成のものである。本実施の形態における透明導電膜14においては、このような導体パターンが二次元的に連続して周期的に配列されている。
尚、第1のスリット21及び第2のスリットの幅Wは、後述するようにレーザ光の照射により形成されるため、回折限界に近い細さまで細く形成することが可能である。
ここで、電磁波吸収体におけるぎらつきは、このスリットの幅Wに依存して生じること、また、スリットの幅Wをできるだけ細くすることにより、このぎらつきを抑えることが可能であることが、発明者の経験的な知見として得られている。
(導体パターンの形成方法)
次に、図3に基づき、本実施の形態における透明導電膜14における導体パターンの形成方法について説明する。
最初に、ステップ102(S102)に示すように、基板13の表面に透明導電膜14を形成する。成膜方法等は上述のとおりである。
次に、ステップ104(S104)に示すように、透明導電膜14に第1のスリット21を形成する。具体的には、基板13の表面に形成された透明導電膜14にレーザ光を照射し、レーザ光の照射された領域の透明導電膜14を加熱し昇華させて除去することにより、第1のスリット21を形成する。この第1のスリット21は、基板13のほぼ全面に渡り所定の位置に直線状に複数本形成される。
次に、ステップ106(S106)に示すように、透明導電膜14に第2のスリット22を形成する。具体的には、第1のスリット21と垂直方向に、基板13の表面に形成された透明導電膜14にレーザ光を照射し、レーザ光の照射された領域の透明導電膜14を加熱し昇華させて除去することにより、第2のスリット22を形成する。この第2のスリット22は、基板13のほぼ全面に渡り所定の位置に直線状に複数本形成される。
このようにして、第1のスリット21と、第2のスリット22を形成し、導体膜14を切断することにより、第1の正方形の導体領域31、第2の正方形の導体領域32、長方形の導体領域33が形成された導体パターンを得ることができる。本実施の形態では、透明導電膜14を除去するため照射されるレーザ光の走査方向は、一方の軸(例えばX軸)方向と、それに垂直な軸(例えばX軸と直交するY軸)方向の2軸において直線的に走査されるのみであり、製造方法としては、複雑な機器を必要することなく容易に導体パターンを形成することが可能である。
本実施における導体パターンの形成方法では、第1の正方形の導体領域31、第2の正方形の導体領域32、長方形の導体領域33における各々の角は丸まった形状となることなく、均一な形状で形成することができる。このため、シミュレーション等により得られる特性と、実際に製造された電磁波吸収体の特性とは一致しやすくなり、各々の導体領域31、32、33における形状等の設計が容易となり、設計から製造に至るまでの工程を正確に短時間で行うことが可能となる。
尚、Lは第1の正方形の導体領域31の一辺であり、Pは第1の正方形が辺方向に相互に隣接する間隔であり、Wは透明導電膜14が除去された領域、即ち、第1の正方形の導体領域31と長方形の導体領域33との間隔、及び、第2の正方形の導体領域32と長方形の導体領域33との間隔である。
従って、本実施の形態における電磁波吸収体の透明導電膜14は、一辺がLの第1の正方形の導体領域31と、一辺が(P−2W)の第2の正方形の導体領域32と、一方の辺がL、他方の辺が(P−2W)の長方形の導体領域33からなるパターンにより構成されている。
(基板15)
基板15は、基板13と同様に、透明基板であることが好ましい。本発明における「透明」とは、可視光領域の波長の光を透過することを意味し、その透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
透明基板の材質としては、ガラス(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の強化ガラスを含む。);ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック等が挙げられる。
基板の厚さとしては、0.01mm〜10mmであることが好ましく、0.08〜5mmであることがより好ましい。基板の材質がガラスである場合には、好ましい厚さは0.1〜10mmであり、より好ましい厚さは0.2〜5mmである。基体の材質がプラスチックである場合には、好ましい厚さは0.01〜3mmであり、より好ましい厚さは0.05〜1mmである。
(透明導電膜16)
透明導電膜16は、銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属格子や、透明導電膜14のような酸化物層と金属層との積層体である。
ここで、反射層の場合、要求される抵抗が3Ω以上10Ω以下であり、かつ透明性を求められる場合、nは1ないし2であることが好ましい。要求される抵抗が2Ω以下であり、かつ透明性を求められる場合、3層が好ましい。また、nは8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。金属層が8層以下であれば、導電膜の透明性を充分に確保できる。
透明導電膜16が金属格子である場合には、めっき法や、金属膜を積層した後にエッチングにより格子形状を形成する方法で作製される。
透明導電膜16が透明導電膜14と同じ積層体である場合には、透明導電膜14の製法と同じであり、たとえば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法または化学的気相成長法等を用いて作製される。
本実施の形態における電磁波吸収体は、上記構成のものであり、上記の作製方法により製造される。
次に、実施例として本実施の形態に係る電磁波吸収体のシミュレーション結果を示す。
(実施例1)
実施例1は、図2に示す透明導電膜14のパターンを有する構成の電磁波吸収体において、Lが14mm、Pが5mm、Wが0.1mmとなるように設計された、第1の正方形の導体領域31、第2の正方形の導体領域32、長方形の導体領域33からなるものである。尚、透明導電膜14はITOにより形成されており、このシート抵抗の値は89Ω/□である。
(比較例1)
比較例1は、図4に示す構成の透明導電膜のパターンを有する構成の電磁波吸収体である。具体的には、透明導電膜にスリット41を形成することにより、正方形の導体領域51と十文字の導体領域52からなるパターンが交互に二次元的に配列されたものである。十文字の導体領域52は、幅A1、長さA2からなる十文字により構成されている。また、正方形の導体領域51は、一辺の長さがBの正方形により構成されている。スリット幅となる十文字の導体領域51と正方形の導体領域52との間隔はC1であり、十文字の導体領域51同士の間隔はC2である。ここで、A1は7.5mm、A2は48mm、Bは37.5mm、C1は3mm、C2は3mmである。比較例1は、スクリーン印刷法により形成される場合を想定しており、スリット幅となるC1、C2の値は、実施例1と比べて広い値となる。尚、透明導電膜はITOにより形成されており、このシート抵抗の値は46Ω/□である。
(リターンロス)
実施例1、比較例1について周波数特性の測定を行った結果を図5、図6に示す。図5は、実施例1における周波数特性であり、図6は、比較例1における周波数特性である。図5に示す実施例1のリターンロスのボトムの値は、約−45dBであり、図6に示す比較例1のリターンロスのボトムの値は、約−44dBであった。実施例1の方がリターンロスのボトムは若干低い値となっており、このことから、リターンロスに関しては、実施例1と比較例1とがほぼ同等又は実施例1が若干良い。
(斜入射特性)
次に、実施例1、比較例1について斜入射特性の評価を行った結果を図7、図8に示す。0度は垂直入射とした場合であり、角度の値は、垂直入射の状態となす角度を示すものである。図7は、実施例1における斜入射特性であり、図8は、比較例1における斜入射特性である。図7に示す実施例1では、リターンロスが−15dB以下となる角度は、約47度以下であり、図8に示す比較例1では、リターンロスが−15dB以下となる角度は、約43度以下である。このことから、リターンロスが−15dB以下となる斜入射の角度は、比較例1よりも実施例1の方が広く、斜入射特性は実施例1の方が良好である。
また、斜入射においては、比較例1においては、形成されているパターンに対し、上下又は左右に非対称な電界が生じるが、実施例1では、形成されているパターンに対し、このような非対称な電界が生じることはなかった。非対称な電界の発生は、電磁波吸収体における吸収損失に悪影響を与え、均一な電磁波の吸収を行うことが困難なものとなってしまう。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
本実施の形態における電磁波吸収体の構造の断面図 本実施の形態における透明導電膜のパターン配置の上面図 本実施の形態における電磁波吸収体の作製方法のフローチャート 比較例1における透明導電膜のパターン配置の上面図 実施例1における電磁波吸収体の周波数特性 比較例1における電磁波吸収体の周波数特性 実施例1における電磁波吸収体の斜入射特性 比較例1における電磁波吸収体の斜入射特性
符号の説明
10 抵抗板
11 反射板
12 枠部
13 基板
14 透明導電膜
15 基板
16 透明導電膜
21 第1のスリット(透明導電膜除去領域)
22 第2のスリット(透明導電膜除去領域)
31 第1の正方形の導電領域
32 第2の正方形の導電領域
33 長方形の導電領域

Claims (7)

  1. 入射した電磁波の一部を反射し他の一部を透過する導体膜を有する電磁波吸収体であって、
    前記導体膜は、各々分離されている正方形の導体領域と、長方形の導体領域とが、交互に配列されたパターンを有することを特徴とする電磁波吸収体。
  2. 入射した電磁波の一部を反射し他の一部を透過する導体膜を有する電磁波吸収体であって、
    各々分離されている正方形の導体領域と、長方形の導体領域とが、交互に配列されたパターンを有する前記導体膜の形成された第1の基板と、
    前記導体膜を透過した前記電磁波の前記他の一部を反射する導体層の形成された第2の基板と、
    を備えたことを特徴とする電磁波吸収体。
  3. 隣接する前記正方形の導体領域と前記長方形の導体領域の間隔は、0.3mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波吸収体。
  4. 前記正方形の導体領域は、第1の正方形の導体領域と第2の正方形の導体領域から形成されており、
    前記導体領域における前記第1の正方形は、前記第2の正方形よりも大きく、
    前記導体領域における前記長方形の長辺は、第1の正方形の導体領域における一辺の長さに等しく、前記長方形の短辺は第2の正方形の導体領域における一辺の長さに等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  5. 入射した電磁波の一部を透過し他の一部を反射する電磁波吸収体の製造方法において、
    基板上に導体膜を形成する工程と、
    前記導体膜にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射された領域の前記導体膜を直線的に除去しスリットを形成することにより、導体パターンを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする電磁波吸収体の製造方法。
  6. 前記導体パターンを形成する工程は、
    相互に平行となる複数の第1のスリットを直線的に形成する工程と、
    前記第1のスリットと直交する複数の第2のスリットを直線的に形成する工程と、
    からなることを特徴とする請求項5に記載の電磁波吸収体の製造方法。
  7. 前記レーザ光は、赤外域または紫外域における発振波長を有するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の電磁波吸収体の製造方法。
JP2008171208A 2008-06-30 2008-06-30 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法 Withdrawn JP2010010612A (ja)

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