JP2018128688A - 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器 - Google Patents

無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018128688A
JP2018128688A JP2018052118A JP2018052118A JP2018128688A JP 2018128688 A JP2018128688 A JP 2018128688A JP 2018052118 A JP2018052118 A JP 2018052118A JP 2018052118 A JP2018052118 A JP 2018052118A JP 2018128688 A JP2018128688 A JP 2018128688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric material
layer
polarizing plate
inorganic polarizing
reflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018052118A
Other languages
English (en)
Inventor
昭夫 高田
Akio Takada
昭夫 高田
熊谷 静似
Seiji Kumagai
静似 熊谷
秀人 佐川
Hideto Sagawa
秀人 佐川
隆広 木村
Takahiro Kimura
隆広 木村
和幸 渋谷
Kazuyuki Shibuya
和幸 渋谷
利明 菅原
Toshiaki Sugawara
利明 菅原
重司 榊原
Shigeji Sakakibara
重司 榊原
雄介 松野
Yusuke Matsuno
雄介 松野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Publication of JP2018128688A publication Critical patent/JP2018128688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3058Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state comprising electrically conductive elements, e.g. wire grids, conductive particles
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings

Abstract

【課題】生産性及び光学特性に優れる無機偏光板及びその製造方法、並びにその無機偏光板を備える光学機器を提供する。【解決手段】無機偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列された格子状凸部と、を備え、前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が前記反射層から離隔するに従って増加する反射抑制層と、を有し、前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金であり、前記反射抑制層の前記反射層とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%である。【選択図】図1

Description

本発明は、無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器に関する。
偏光板は、吸収軸方向の偏光を吸収し、これと直交する透過軸方向の偏光を透過させる光学素子である。近年、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ等の光学機器において、有機偏光板に代わり、ワイヤグリッド型の無機偏光板が採用され始めている。
これまで、ワイヤグリッド型の無機偏光板としては、種々の構造の無機偏光板が提案されている。
例えば、特許文献1には、図13に示すような構造の無機偏光板が開示されている。図13に示す無機偏光板50は、透明基板51と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板51上に配列された格子状凸部52と、を備え、格子状凸部52が、透明基板51側から順に、反射層521と、誘電体層522と、吸収層523と、を有する。吸収層523には、例えば、FeSi等の金属含有半導体が用いられる。
また、特許文献2には、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列されたグリッド(反射層)と、グリッド上に積層された低反射部材と、を備える無機偏光板が開示されている。低反射部材には、例えば、金属と誘電材料との混合物が用いられる。
特開2015−34959号公報 特開2008−46637号公報
特許文献2に記載の無機偏光板は、特許文献1に記載の無機偏光板に比べて層の数が少ないため、生産性に優れると考えられる。しかし、本発明者らが確認したところ、特許文献2に記載の無機偏光板は、高い透過軸透過率と低い吸収軸反射率とを両立することが困難であり、光学特性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性及び光学特性に優れる無機偏光板及びその製造方法、並びにその無機偏光板を備える光学機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、透明基板(例えば、後述の透明基板11、21)と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列された格子状凸部(例えば、後述の格子状凸部12、22)と、を備え、前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、反射層(例えば、後述の反射層121、222)と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が前記反射層から離隔するに従って増加する反射抑制層(例えば、後述の反射抑制層122、223)と、を有し、前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金であり、前記反射抑制層の前記反射層とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%である無機偏光板(例えば、後述の無機偏光板10、20)を提供する。
前記格子状凸部は、前記透明基板と前記反射層との間に、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化する第2の反射抑制層(例えば、後述の第2の反射抑制層221)をさらに有していてもよい。
前記反射抑制層の幅は、前記反射層の幅よりも小さくてもよい。
前記無機偏光板は、少なくとも前記反射抑制層の表面を覆う保護膜をさらに備えていてもよい。
前記保護膜は、無機酸化物膜及びフッ素系撥水膜の少なくとも一方を含んでいてもよい。
前記反射抑制層に含まれる誘電材料は、Si及びSi酸化物の少なくとも一方を含み、前記反射抑制層に含まれる非誘電材料は、Fe、Ta、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の金属の単体又は該金属の合金を含んでいてもよい。
また、本発明は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板の製造方法であって、透明基板上に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が前記反射層から離隔するに従って増加する反射抑制層と、を前記透明基板側からこの順で有する積層体を形成する工程と、前記積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列される格子状凸部を形成する工程と、を有し、前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金であり、前記反射抑制層の前記反射層とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%である無機偏光板の製造方法を提供する。
前記製造方法では、チャンバー内にスパッタリングターゲットとして誘電材料及び非誘電材料を配置し、前記スパッタリングターゲットの放電状態を制御することにより前記反射抑制層を形成してもよい。
前記製造方法は、前記積層体の形成後又は前記格子状凸部の形成後に熱処理を施す工程をさらに有していてもよい。
また、本発明は、前記無機偏光板を備える光学機器を提供する。
本発明によれば、生産性及び光学特性に優れる無機偏光板及びその製造方法、並びにその無機偏光板を備える光学機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る無機偏光板を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る無機偏光板における透明基板に形成された溝の例を示す断面模式図である。 第1実施形態に係る無機偏光板における反射抑制層の他の例を示す断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係る無機偏光板を示す断面模式図である。 実施例1の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 実施例2の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 実施例3の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 比較例1の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 実施例4〜6の無機偏光板の反射抑制層の組成勾配を示すグラフである。 実施例7〜9の無機偏光板の反射抑制層の組成勾配を示すグラフである。 実施例7〜9の無機偏光板の透過軸透過率Tpをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 実施例7〜9の無機偏光板の吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を示すグラフである。 従来の無機偏光板の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[無機偏光板]
本実施形態に係る無機偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(周期)で透明基板上に配列された格子状凸部と、を備え、格子状凸部が、透明基板側から順に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化する反射抑制層と、を有する。
図1は、第1実施形態に係る無機偏光板10の断面模式図である。図1に示すように、第1実施形態に係る無機偏光板10は、透明基板11と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチPで透明基板11上に配列された格子状凸部12と、を備える。格子状凸部12は、透明基板11側から順に、反射層121と、反射抑制層122と、を有する。即ち、無機偏光板10は、反射層121及び反射抑制層122が透明基板11側からこの順で積層された格子状凸部12が、透明基板11上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有する。
無機偏光板10の格子状凸部12が形成された面から入射した光は、反射抑制層122を通過する際に一部が吸収されて減衰する。反射抑制層122を透過した光のうち格子状凸部12の長手方向に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))は、高い透過率で反射層121を透過する。一方、反射抑制層122を透過した光のうち格子状凸部12の長手方向に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))は、その大部分が反射層121で反射される。反射層121で反射されたTE波は、反射層121及び反射抑制層122において吸収、干渉、反射等により減衰する。以上のようにして、無機偏光板10は、TE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
透明基板11としては、使用帯域の光に対して透光性を示す基板であれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。「使用帯域の光に対して透光性を示す」とは、使用帯域の光の透過率が100%であることを意味するものではなく、無機偏光板としての機能を保持可能な透光性を示せばよい。使用帯域の光としては、例えば、波長380nm〜810nm程度の可視光が挙げられる。
透明基板11の構成材料としては、屈折率が1.1〜2.2の材料が好ましく、ガラス、水晶、サファイア等が挙げられる。透明基板11の構成材料としては、コスト及び透光率の観点から、ガラスがより好ましい。
透明基板11の主面形状は特に制限されず、目的に応じた形状(例えば、矩形形状)が適宜選択される。透明基板11の平均厚みは、例えば、0.3mm〜1mmが好ましい。
格子状凸部12は、無機偏光板10の吸収軸方向を長手方向として帯状に延在しており、使用帯域の光の波長よりも短いピッチPで透明基板11上に配列される。
格子状凸部12のピッチPは、使用帯域の光の波長よりも短ければ特に制限されない。作製の容易性及び安定性の観点から、格子状凸部12のピッチPは、例えば、100nm〜200nmが好ましい。
格子状凸部12のピッチPは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意の4箇所の格子状凸部についてピッチを測定し、その算術平均値を格子状凸部12のピッチとすることができる。
格子状凸部12の幅Wは特に制限されないが、エッチングにより格子状凸部12を形成する際の再デポジションを抑える観点から、格子状凸部12間の凹部の幅よりも小さいことが好ましい。
格子状凸部12の幅Wは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意の4箇所の格子状凸部について高さの中心位置における幅を測定し、その算術平均値を格子状凸部12の幅Wとすることができる。
なお、エッチングにより格子状凸部12を形成する場合、エッチング残渣を無くすためには、透明基板11の一部が除去されるまでエッチングを続けるオーバーエッチングが必要になる。オーバーエッチング量が少なすぎると、エッチング残渣が透明基板11上に残り、無機偏光板10の透過率が低下する虞がある。一方、オーバーエッチング量が多すぎると、エッチングにより除去された透明基板11の材料が格子状凸部12に付着し、格子状凸部12の形状が乱れる虞がある。格子状凸部12の形状の乱れは、光の散乱等の原因となり、光学特性の劣化に繋がる。
本発明者らの実験によれば、格子状凸部12の高さが100nm以上の場合には、透明基板11に形成される溝の最大深さが5nm〜30nmとなるように、オーバーエッチング量を制御することが好ましい。溝の断面形状は特に制限されないが、再デポジションを抑える観点から、図2に示すように、溝中心に対して円弧状となることが好ましい。
格子状凸部12の高さHは特に制限されず、例えば、50nm〜300nmが好ましい。
格子状凸部12の高さHは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意の4箇所の格子状凸部の高さを測定し、その算術平均値を格子状凸部12の高さHとすることができる。
格子状凸部12を構成する反射層121は、ワイヤグリッド型偏光子としての機能を有し、反射層121の長手方向に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、反射層121の長手方向に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。
反射層121の構成材料としては、使用帯域の光に対して反射性を有する材料であれば特に制限されない。反射層121の構成材料としては、例えば、Al、Ag、Cu、Mo、Cr、Ti、Ni、W、Fe、Si、Ge、Te等の元素単体又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。
反射層121の膜厚は特に制限されず、例えば、40nm〜200nmが好ましい。
反射層121の膜厚は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意の4箇所の反射層の膜厚を測定し、その算術平均値を反射層121の膜厚とすることができる。
格子状凸部12を構成する反射抑制層122は、誘電材料及び非誘電材料を含み、反射層121上に積層される。
誘電材料としては、例えば、Si、Al、Be、Bi、Ti、Ta、B等の元素の酸化物;Si、B等の元素の窒化物;Mg、Ca等の元素のフッ化物;Si、Ge、炭素、氷晶石等が挙げられる。これらの誘電材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の誘電材料を併用する場合、2種以上の誘電材料を混合して用いてもよく、膜厚方向で異なる誘電材料を用いてもよい。
非誘電材料としては、例えば、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金が挙げられる。合金としては、FeSi合金、TaSi合金等が挙げられる。FeSi合金のFe含有率は、エッチング性の観点から、50atm%以下であることが好ましく、10atm%以下であることがより好ましい。TaSi合金のTa含有率は、反射率及び透過率の観点から、40atm%以下であることが好ましい。これらの非誘電材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の非誘電材料を併用する場合、2種以上の非誘電材料を混合して用いてもよく、膜厚方向で異なる非誘電材料を用いてもよい。
これらの中でも、誘電材料がSi及びSi酸化物(例えば、シリカ)の少なくとも一方を含み、非誘電材料が金属を含むことが好ましい。金属としては、例えば、Fe、Ta、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の金属の単体又は該金属の合金が挙げられる。Si及びSi酸化物の少なくとも一方と金属とを組み合わせてサーメット化することで、反射抑制層122の耐熱性がより向上する傾向にある。
上述したとおり、反射抑制層122中の非誘電材料の含有率は膜厚方向に変化する。このような変化により、無機偏光板10の光学特性が向上する傾向にある。また、非誘電材料の含有率の変化態様を調整することにより、吸収軸反射率Rsの最小点における波長を調整することができる。
無機偏光板10の光学特性をより向上させる観点から、反射抑制層122中の非誘電材料の含有率は、反射層121から離隔するに従って増加することが好ましい。即ち、反射抑制層122は、非誘電材料の含有率が反射層121から離隔するに従って増加する組成勾配を有することが好ましい。
組成勾配としては、例えば、反射層121側の端部における非誘電材料の含有率が0atm%〜20atm%となり、反射層121とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%となるような勾配が挙げられる。反射層121側の端部における非誘電材料の含有率は、0.1atm%〜20atm%であってもよく、3atm%〜20atm%であってもよい。また、反射層121とは反対側の端部における非誘電材料の含有率は、45atm%〜95atm%であってもよく、45atm%〜80atm%であってもよく、45atm%〜60atm%であってもよい。なお、この組成勾配は、線形的に変化するものであっても、非線形的(例えば、ステップ式)に変化するものであってもよい。
反射抑制層122の膜厚は、反射層121の膜厚よりも薄ければ特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。
反射抑制層122の膜厚は、反射層121の膜厚と同様に、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
なお、図1では、反射層121の幅と反射抑制層122の幅とを略同寸法としたが、この構成に限定されるものではなく、反射抑制層122の幅を反射層121の幅よりも小さくてしてもよい。このような構成とすることにより、無機偏光板10の透過性がより向上する傾向にある。例えば、格子状凸部12の長手方向に直交する断面における反射抑制層122の断面形状は、図3に示すように、先端部が鋭角の略三角形状となっていてもよい。
無機偏光板10は、必要に応じて、少なくとも反射抑制層122の表面を覆う保護膜(図示せず)をさらに備えていてもよい。無機偏光板10が保護膜を備えることにより、耐湿性等の信頼性がより向上する傾向にある。なお、保護膜は、透明基板11及び格子状凸部12の表面全体を覆っていてもよい。
保護膜としては、誘電材料からなる膜が挙げられ、具体的には、無機酸化物膜、シラン系撥水膜等が挙げられる。無機酸化物膜としては、Si酸化物膜、Hf酸化物膜等が挙げられる。シラン系撥水膜は、パーフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)等のフッ素系シラン化合物をコートして形成される膜であってもよく、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)等の非フッ素系シラン化合物をコートして形成される膜であってもよい。これらの保護膜の中でも、無機酸化物膜及びフッ素系撥水膜の少なくとも一方を含むことが好ましい。なお、無機偏光板10が保護膜としてHf酸化物膜又はフッ素系撥水膜を備える場合には、無機偏光板10の防汚性も向上し得る。
図4は、本発明の第2実施形態に係る無機偏光板20の断面模式図である。図4に示すように、第2実施形態に係る無機偏光板20は、透明基板21と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板21上に配列された格子状凸部22と、を備える。格子状凸部22は、透明基板21側から順に、第2の反射抑制層221と、反射層222と、反射抑制層223と、を有する。即ち、無機偏光板20は、第2の反射抑制層221、反射層222、及び反射抑制層223が透明基板21側からこの順で積層された格子状凸部22が、透明基板21上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有する。
無機偏光板20の格子状凸部22は、透明基板21と反射層222との間に第2の反射抑制層221を有する。これにより、無機偏光板20は、透明基板21側から入射した光に対しても所望の偏光特性を得ることができる。
透明基板21、反射層222、及び反射抑制層223は、図1の透明基板11、反射層121、及び反射抑制層122と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2の反射抑制層221は、誘電材料及び非誘電材料を含み、透明基板21と反射層222との間に配置される。
誘電材料としては、図1の反射抑制層122と同様の材料が挙げられる。誘電材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の誘電材料を併用する場合、2種以上の誘電材料を混合して用いてもよく、膜厚方向で異なる誘電材料を用いてもよい。
非誘電材料としては、図1の反射抑制層122と同様の材料が挙げられる。非誘電材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の非誘電材料を併用する場合、2種以上の非誘電材料を混合して用いてもよく、膜厚方向で異なる非誘電材料を用いてもよい。
第2の反射抑制層221中の非誘電材料の含有率は膜厚方向に変化する。このような変化により、無機偏光板10の光学特性が向上する傾向にある。また、非誘電材料の含有率の変化態様を調整することにより、吸収軸反射率Rsの最小点における波長を調整することができる。
無機偏光板10の光学特性をより向上させる観点から、第2の反射抑制層221中の非誘電材料の含有率は、反射層222から離隔するに従って増加することが好ましい。即ち、第2の反射抑制層221は、非誘電材料の含有率が反射層222から離隔するに従って増加する組成勾配を有することが好ましい。
組成勾配としては、例えば、反射層222側の端部における非誘電材料の含有率が0atm%〜20atm%となり、透明基板21側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%となるような勾配が挙げられる。反射層222側の端部における非誘電材料の含有率は、0.1atm%〜20atm%であってもよく、3atm%〜20atm%であってもよい。また、透明基板21側の端部における非誘電材料の含有率は、45atm%〜95atm%であってもよく、45atm%〜80atm%であってもよく、45atm%〜60atm%であってもよい。なお、この組成勾配は、線形的に変化するものであっても、非線形的(例えば、ステップ式)に変化するものであってもよい。
なお、第2の反射抑制層221における誘電材料及び非誘電材料の種類、並びに非誘電材料の含有率の変化態様は、反射抑制層223と同じであっても異なっていてもよい。
第2の反射抑制層221の膜厚は、反射層222の膜厚よりも薄ければ特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。
第2の反射抑制層221の膜厚は、図1の反射抑制層122の膜厚と同様に、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
無機偏光板20は、図1に示す無機偏光板10と同様に、必要に応じて、少なくとも反射抑制層223の表面を覆う保護膜(図示せず)をさらに備えていてもよい。無機偏光板20が保護膜を備えることにより、耐湿性等の信頼性がより向上する傾向にある。なお、保護膜は、透明基板21及び格子状凸部22の表面全体を覆っていてもよい。
[無機偏光板の製造方法]
本実施形態に係る無機偏光板の製造方法は、透明基板上に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み、非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化する反射抑制層と、を透明基板側からこの順で有する積層体を形成する工程と、積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列される格子状凸部を形成する工程と、を有する。
以下では一例として、図1のような構造を有する無機偏光板の製造方法について説明する。
先ず、透明基板上に反射層を形成する。反射層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。
次いで、反射層上に反射抑制層を形成する。反射抑制層は、誘電材料及び非誘電材料を含み、非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化する。
無機偏光板の光学特性をより向上させる観点から、反射抑制層中の非誘電材料の含有率は、反射層から離隔するに従って増加することが好ましい。即ち、反射抑制層は、非誘電材料の含有率が反射層から離隔するに従って増加する組成勾配を有することが好ましい。この組成勾配は、線形的に変化するものであっても、非線形的(例えば、ステップ式)に変化するものであってもよい。
反射抑制層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法等が挙げられ、多元ターゲットを用いたスパッタ法が好ましい。チャンバー内にスパッタリングターゲットとして誘電材料及び非誘電材料を配置し、スパッタリングターゲットの放電状態を制御することにより、非誘電材料の含有率が所望の変化態様を示す反射抑制層を形成することができる。
次いで、フォトリソグラフィ法、ナノインプリント法等により、反射抑制層上に一次元格子状のマスクパターンを形成する。そして、反射層及び反射抑制層からなる積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列される格子状凸部を形成する。エッチング方法としては、例えば、エッチング対象に対応したエッチングガスを用いたドライエッチング法が挙げられる。
本実施形態に係る無機偏光板の製造方法は、積層体の形成後又は格子状凸部の形成後に熱処理を施す工程をさらに有していてもよい。熱拡散によって、反射抑制層中の非誘電材料の含有率の変化態様を調整することで、無機偏光板の光学特性を調整し得る。また、熱処理によって反射層と反射抑制層との界面に界面層を形成することで、無機偏光板の光学特性を調整するとともに、反射層と反射抑制層との密着性を高め得る。
熱処理温度は、反射層及び反射抑制層の耐熱性を考慮して適宜設定することが好ましい。例えば、反射層の構成材料がAlである場合には、Alの融点である約660℃よりも十分に低い温度とすることが好ましい。
また、本実施形態に係る無機偏光板の製造方法は、少なくとも反射抑制層の表面を保護膜(図示せず)で被覆する工程をさらに有していてもよい。なお、保護膜は、透明基板及び格子状凸部の表面全体を覆っていてもよい。
[光学機器]
本実施形態に係る光学機器は、上述した本実施形態に係る無機偏光板を備える。光学機器としては、液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラ等が挙げられる。本実施形態に係る無機偏光板は、有機偏光板に比べて耐熱性に優れるため、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ等の用途に好適である。
本実施形態に係る光学機器が複数の偏光板を備える場合、複数の偏光板の少なくとも1つが本実施形態に係る無機偏光板であればよい。例えば、本実施形態に係る光学機器が液晶プロジェクタである場合、液晶パネルの入射側及び出射側に配置される偏光板の少なくとも一方が本実施形態に係る無機偏光板であればよい。
以上説明した無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器によれば、次のような効果が奏される。
本実施形態に係る無機偏光板は、図13に示す従来の無機偏光板よりも層の数が少ないため、生産性に優れる。また、本実施形態に係る無機偏光板は、図13に示す従来の無機偏光板よりも層の数が少ないため、エッジラフネスの乱れが生じ難く、エッジラフネスの乱れに起因する光学特性の低下を抑えることができる。さらに、本実施形態に係る無機偏光板は、反射抑制層中の非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化するため、光学特性に優れる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良は本発明に含まれる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜3及び比較例1>
実施例1〜3及び比較例1では、無機偏光板の光学特性について、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法による電磁界シミュレーションによって検証した。シミュレーションには、Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverを用いた。
実施例1〜3では、図1に示す構造の無機偏光板をシミュレーションに供した。実施例1〜3の無機偏光板は、いずれも、幅46nmの格子状凸部が140nmのピッチで透明基板上に配列されたものである。格子状凸部は、膜厚180nmの反射層上に膜厚38nmの反射抑制層が積層されたものとした。反射層の構成材料はAlとした。反射抑制層の構成材料は、FeSi(Fe=5atm%)又はMoとシリカとの混合組成とし、組成勾配を設けた。
具体的に、反射抑制層の膜厚全体を100%としたとき、実施例1の反射抑制層では、反射層側の0%〜40%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を10atm%とし、40%〜70%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を40atm%とし、70%〜100%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を60atm%とした。
また、実施例2の反射抑制層では、反射層側の0%〜10%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を5atm%とし、10%〜35%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を40atm%とし、35%〜100%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を60atm%とした。
また、実施例3の反射抑制層では、反射層側の0%〜10%の膜厚範囲におけるMoの含有率を5atm%とし、10%〜35%の膜厚範囲におけるMoの含有率を40atm%とし、35%〜100%の膜厚範囲におけるFeSiの含有率を60atm%とした。即ち、実施例3では、反射層側の0%〜35%の膜厚範囲と35%〜100%の膜厚範囲とで、非誘電材料の種類を変更した。
比較例1では、図13に示す構造の無機偏光板をシミュレーションに供した。比較例1の無機偏光板は、幅46nmの格子状凸部が140nmのピッチで透明基板上に配列されたものである。格子状凸部は、膜厚180nmの反射層上に、膜厚10nmの誘電体層と膜厚28nmの吸収層とが順に積層されたものとした。反射層の構成材料はAlとし、誘電体層の構成材料はシリカとし、吸収層の構成材料はFeSi(Fe=5atm%)とした。
実施例1〜3及び比較例1の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を図5〜図8に示す。
図5〜図7と図8とを対比して分かるように、反射層上に反射抑制層が積層された実施例1〜3の無機偏光板は、反射層上に誘電体層及び吸収層が積層された比較例1の無機偏光板よりも吸収軸反射率Rsが低く、透過軸透過率Tpが同程度であった。この結果から、実施例1〜3の無機偏光板は、比較例1の無機偏光板よりも層の数が少ないにも関わらず、比較例1の無機偏光板よりも光学特性に優れることが確認された。
また、図5と図6及び図7とを対比して分かるように、実施例2〜3の無機偏光板は、実施例1の無機偏光板に比べて、吸収軸反射率Rsの最小点における波長が長波長側にシフトしていた。この結果から、反射抑制層の組成勾配を調整することにより、吸収軸反射率Rsの最小点における波長を調整可能であることが確認された。
なお、実施例3の無機偏光板は、実施例2の無機偏光板の反射抑制層におけるFeSi(Fe=5atm%)の一部をMoに置き換えたものであり、実施例2の無機偏光板よりも耐熱性に優れると考えられる。
<実施例4〜6及び比較例2〜3>
実施例4〜6及び比較例2〜3では、無機偏光板の光学特性について、RCWA法による電磁界シミュレーションによって検証した。シミュレーションには、Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverを用いた。
実施例4〜6及び比較例2〜3では、図1に示す構造の無機偏光板をシミュレーションに供した。実施例4〜6及び比較例2〜3の無機偏光板は、いずれも、幅46nmの格子状凸部が140nmのピッチで透明基板上に配列され、透明基板及び格子状凸部の表面が膜厚1nmの保護膜(パーフルオロデシルトリエトキシシランをコートしたフッ素系撥水膜)で被覆されたものである。
格子状凸部は、膜厚180nmの反射層上に膜厚38nmの反射抑制層が積層されたものとした。反射層の構成材料はAlとした。反射抑制層の構成材料は、実施例4〜6では、FeSi(Fe=5atm%)とシリカとの混合組成とし、組成勾配を設けた。また、反射抑制層の構成材料は、比較例2〜3では、FeSi(Fe=5atm%)とシリカとの混合組成とし、FeSiの含有率を50atm%(比較例2)又は16.6atm%(比較例3)で固定した。
実施例4〜6の無機偏光板における反射抑制層の組成勾配を図9に示す。図9は、保護膜の最表面から反射層に向かった格子状凸部の膜厚方向の距離と、FeSiの含有率との関係を示したものである。図9に示すとおり、FeSiの含有率は、保護膜側で相対的に高く、反射層側で相対的に低くなっている。
実施例4〜6及び比較例2〜3の無機偏光板について、波長450nmの光に対する透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を下記表1に示す。
Figure 2018128688
表1から分かるように、反射抑制層におけるFeSiの含有率を50atm%とした比較例2の無機偏光板は、反射抑制層に組成勾配を設けた実施例4〜6の無機偏光板よりも吸収軸反射率Rsが高く、透過軸透過率Tpが低かった。また、反射抑制層におけるFeSiの含有率を16.6atm%とした比較例3の無機偏光板は、反射抑制層に組成勾配を設けた実施例4〜6の無機偏光板と透過軸透過率Tpが同程度であったものの、吸収軸反射率Rsが顕著に高かった。この結果から、反射抑制層に組成勾配を設けた実施例4〜6の無機偏光板は、反射抑制層に組成勾配を設けていない比較例2〜3の無機偏光板よりも光学特性に優れることが確認された。
<実施例7〜9>
実施例7〜9では、無機偏光板の光学特性について、RCWA法による電磁界シミュレーションによって検証した。シミュレーションには、Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverを用いた。
実施例7〜9では、図1に示す構造の無機偏光板をシミュレーションに供した。実施例7〜9の無機偏光板は、いずれも、幅46nmの格子状凸部が140nmのピッチで透明基板上に配列され、透明基板及び格子状凸部の表面が膜厚1nmの保護膜(パーフルオロデシルトリエトキシシランをコートしたフッ素系撥水膜)で被覆されたものである。
格子状凸部は、膜厚180nmの反射層上に反射抑制層が積層されたものとした。反射層の構成材料はAlとした。反射抑制層の構成材料は、FeSi(Fe=5atm%)とシリカとの混合組成とし、下記表2及び図10に示す組成勾配を設けた。
Figure 2018128688
実施例7〜9の無機偏光板の透過軸透過率Tp及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を図11及び図12に示す。また、波長520nm〜590nmの光に対する透過軸透過率Tp、吸収軸透過率Ts、透過軸反射率Rp、及び吸収軸反射率Rsをシミュレーションにより検証した結果を下記表3に示す。
Figure 2018128688
図11、図12、及び表3から分かるように、反射抑制層に組成勾配を設けた実施例7〜9の無機偏光板は、透過軸透過率Tpが高く、吸収軸反射率Rsが低かった。また、実施例7〜9の無機偏光板は、吸収軸透過率Ts及び透過軸反射率Rpも低かった。この結果から、反射抑制層に組成勾配を設けた実施例7〜9の無機偏光板は、光学特性に優れることが確認された。
10 無機偏光板
11 透明基板
12 格子状凸部
20 無機偏光板
21 透明基板
22 格子状凸部
50 無機偏光板
51 透明基板
52 格子状凸部
121 反射層
122 反射抑制層
221 第2の反射抑制層
222 反射層
223 反射抑制層
521 反射層
522 誘電体層
523 吸収層
P 格子状凸部のピッチ
W 格子状凸部の幅
H 格子状凸部の高さ

Claims (10)

  1. ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、
    透明基板と、
    使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列された格子状凸部と、を備え、
    前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が前記反射層から離隔するに従って増加する反射抑制層と、を有し、
    前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金であり、
    前記反射抑制層の前記反射層とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%である無機偏光板。
  2. 前記格子状凸部が、前記透明基板と前記反射層との間に、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が膜厚方向に変化する第2の反射抑制層をさらに有する請求項1に記載の無機偏光板。
  3. 前記反射抑制層の幅が前記反射層の幅よりも小さい請求項1又は2に記載の無機偏光板。
  4. 少なくとも前記反射抑制層の表面を覆う保護膜をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の無機偏光板。
  5. 前記保護膜が、無機酸化物膜及びフッ素系撥水膜の少なくとも一方を含む請求項4に記載の無機偏光板。
  6. 前記反射抑制層に含まれる誘電材料が、Si及びSi酸化物の少なくとも一方を含み、前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の金属の単体又は該金属の合金を含む請求項1から5のいずれかに記載の無機偏光板。
  7. ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板の製造方法であって、
    透明基板上に、反射層と、誘電材料及び非誘電材料を含み且つ非誘電材料の含有率が前記反射層から離隔するに従って増加する反射抑制層と、を前記透明基板側からこの順で有する積層体を形成する工程と、
    前記積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列される格子状凸部を形成する工程と、を有し、
    前記反射抑制層に含まれる非誘電材料が、Fe、Ta、Si、Ti、Mg、W、Mo、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体(ただし、Si単体を除く)又は合金であり、
    前記反射抑制層の前記反射層とは反対側の端部における非誘電材料の含有率が45atm%〜98atm%である無機偏光板の製造方法。
  8. チャンバー内にスパッタリングターゲットとして誘電材料及び非誘電材料を配置し、前記スパッタリングターゲットの放電状態を制御することにより前記反射抑制層を形成する請求項7に記載の無機偏光板の製造方法。
  9. 前記積層体の形成後又は前記格子状凸部の形成後に熱処理を施す工程をさらに有する請求項7又は8に記載の無機偏光板の製造方法。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載の無機偏光板を備える光学機器。
JP2018052118A 2017-02-07 2018-03-20 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器 Pending JP2018128688A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017020349 2017-02-07
JP2017020349 2017-02-07

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233925A Division JP6312917B1 (ja) 2017-02-07 2017-12-06 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018128688A true JP2018128688A (ja) 2018-08-16

Family

ID=61968279

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233925A Active JP6312917B1 (ja) 2017-02-07 2017-12-06 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP2018052118A Pending JP2018128688A (ja) 2017-02-07 2018-03-20 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233925A Active JP6312917B1 (ja) 2017-02-07 2017-12-06 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10436964B2 (ja)
JP (2) JP6312917B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020173333A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 デクセリアルズ株式会社 光学素子用薄膜及びその製造方法、無機偏光板及びその製造方法、並びに光学素子及び光学機器

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6302040B1 (ja) * 2016-12-28 2018-03-28 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6230689B1 (ja) * 2016-12-28 2017-11-15 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6642622B2 (ja) * 2018-05-23 2020-02-05 セイコーエプソン株式会社 ワイヤーグリッド偏光素子、液晶装置、および電子機器
JP2018189980A (ja) * 2018-07-19 2018-11-29 デクセリアルズ株式会社 偏光板
JP7236230B2 (ja) 2018-09-07 2023-03-09 デクセリアルズ株式会社 光学素子、液晶表示装置および投射型画像表示装置
JP7226966B2 (ja) * 2018-10-26 2023-02-21 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び偏光板の製造方法
WO2020262616A1 (ja) * 2019-06-28 2020-12-30 デクセリアルズ株式会社 偏光素子、偏光素子の製造方法及びヘッドアップディスプレイ装置
KR20210156914A (ko) * 2020-06-18 2021-12-28 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 표시 장치 제조 방법

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6156485A (en) * 1999-01-19 2000-12-05 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. Film scheme to solve high aspect ratio metal etch masking layer selectivity and improve photo I-line PR resolution capability in quarter-micron technology
JP4762804B2 (ja) * 2006-06-28 2011-08-31 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 偏光分離素子およびその製造方法
US7639414B2 (en) 2006-08-10 2009-12-29 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Polarizer and flat panel display apparatus including the same
KR100846593B1 (ko) * 2006-12-28 2008-07-16 삼성에스디아이 주식회사 유기 발광 장치
US7772768B2 (en) 2007-03-02 2010-08-10 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Polarizer and flat panel display apparatus including the same
US20100302481A1 (en) * 2009-06-01 2010-12-02 Baum Alexandra Absorbing wire grid polarizer
JP2012058397A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Asahi Glass Co Ltd ワイヤグリッド型偏光子、その製造方法および液晶表示装置
JP2012103469A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Asahi Kasei Corp 光学素子および投射型液晶表示装置
JP2012181420A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Sony Chemical & Information Device Corp 偏光素子
JP2013167824A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Dexerials Corp 偏光素子、偏光素子の製造方法
JP6100492B2 (ja) * 2012-09-05 2017-03-22 デクセリアルズ株式会社 偏光素子、プロジェクター及び偏光素子の製造方法
KR102056902B1 (ko) * 2013-05-29 2019-12-18 삼성전자주식회사 와이어 그리드 편광판 및 이를 구비하는 액정 표시패널 및 액정 표시장치
KR102069179B1 (ko) * 2013-06-26 2020-02-12 삼성디스플레이 주식회사 편광 소자, 이를 포함하는 표시 패널 및 이의 제조 방법
JP6285131B2 (ja) 2013-07-10 2018-02-28 デクセリアルズ株式会社 偏光板、及び偏光板の製造方法
JP5996587B2 (ja) * 2014-08-22 2016-09-21 デクセリアルズ株式会社 無機偏光板及びその製造方法
JP5936727B2 (ja) * 2015-02-09 2016-06-22 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
KR102413970B1 (ko) * 2015-04-08 2022-06-28 삼성디스플레이 주식회사 와이어 그리드 편광자 및 이의 제조방법
JP5960319B1 (ja) * 2015-04-30 2016-08-02 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
JP6230689B1 (ja) * 2016-12-28 2017-11-15 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6302040B1 (ja) * 2016-12-28 2018-03-28 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020173333A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 デクセリアルズ株式会社 光学素子用薄膜及びその製造方法、無機偏光板及びその製造方法、並びに光学素子及び光学機器
JP7332324B2 (ja) 2019-04-10 2023-08-23 デクセリアルズ株式会社 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018128665A (ja) 2018-08-16
JP6312917B1 (ja) 2018-04-18
US20180224589A1 (en) 2018-08-09
US10436964B2 (en) 2019-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6312917B1 (ja) 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6230689B1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6302040B1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6410906B1 (ja) 偏光素子及び光学機器
JP6577641B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
WO2019159982A1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6722832B2 (ja) 偏光板及びこれを備える光学機器
JP6484373B1 (ja) 偏光板及びこれを備える光学機器
JP2020170166A (ja) 偏光板、光学機器及び偏光板の製造方法
US11782200B2 (en) Polarizing plate having specified water contact angle of antireflection layer surface
US11630254B2 (en) Wire grid polarizing plate having trapezoidal absorption layer
JP2019035802A (ja) 偏光板及び光学機器
JP7075372B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP7320461B2 (ja) 偏光板、光学機器及び偏光板の製造方法
JP2018109754A (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6826073B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP7226966B2 (ja) 偏光板及び偏光板の製造方法
JP7101028B2 (ja) 偏光素子及びその製造方法、並びに光学機器
WO2021230275A1 (ja) 偏光板及びその製造方法、ならびに光学機器
JP2020003771A (ja) 偏光板の製造方法
JP2020126249A (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器