JP5051077B2 - 熱線反射ガラス - Google Patents
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Description
次に、本発明における第1の実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。
次に、図5に基づき本実施の形態における熱線反射ガラスの原理について説明する。図5(a)は、従来の図1に示す相互に直交するスリットにより形成された正方形のパターンの導電層101の場合である。この場合、導電層101のパターンに流れる電流は矢印に示す方向に流れ、実効的な電気長は導電層101のパターンの一辺の長さに相当する。一方、図5(b)に示す本実施の形態における熱線反射ガラスでは、導電層11は平行四辺形のパターンであり、矢印の示す方向に電流が流れる。この場合、このパターンに流れる電流の実効的な電気長は、図5(a)に示す正方形のパターンの場合よりも短くなる。よって、図5(c)に示すように、実線で示される図5(a)に示す正方形のパターンにおける周波数特性から、破線で示される図5(b)に示す平行四辺形のパターンによる周波数特性へと改善させることができる。即ち、図5(b)に示す本実施の形態における平行四辺形のパターンとすることにより、共振周波数を高域側にシフトさせ、低域側の透過損失を低減させることができるのである。
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスの製造方法について説明する。
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスについて、シミュレーションを行った結果について説明する。このシミュレーションは、本実施の形態における平行四辺形の導電層11のパターンを二次元的に無限周期で配列させたものについて、有限積分法(FIT:Finite Integration Theory)を利用した電磁界シミュレーションソフトを用いて行ったものである。
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す直交するスリットにより導電層101が正方形のパターン(「正方形のパターン」と称する)になるものと、図3に示す本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリットと第1のスリットに直交しない第2のスリットにより、導電層11が平行四辺形のパターン(「平行四辺形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.12mm、正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、88.9%である。
次に、斜入射による透過損失について説明する。本実施の形態における熱線反射ガラスを自動車のリアガラス等として用いる場合、一般的には車両等に対し斜めに取付けられる。このため車両の内部より携帯電話等の電波により通信を行う場合には、図8に示すように、本実施の形態における熱線反射ガラス200には、ほぼ水平方向に電波は伝播し入射する。このため、熱線反射ガラス200における電波の入射角度、即ち、車両等に取り付ける車体取付角度βと透過損失との関係が重要となる。
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスの第1のスリット21と第2のスリット22との交差角度αと透過損失の関係について説明する。即ち、図3に示す第1のスリット21と第2のスリット22の幅G2を0.1mmとし、導電層11のパターンの平行四辺形の高さL2を2mmで一定にした状態で、交差角度αの値を変化させた場合における交差角度αと透過損失との関係について説明する。
次に、本発明における第2の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図14に示す本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット121、第2のスリット122及び第3のスリット123により、導電層111が二等辺三角形のパターン(「二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.12mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、88.8%である。
次に、本発明における第3の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図17に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット221、第2のスリット222及び第4のスリット223により、導電層211が直角二等辺三角形のパターン(「直角二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.18mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、84.4%である。
次に、本発明における第4の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図20に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323及び第4のスリット324により、導電層311が直角二等辺三角形のパターン(「第2の直角二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.26mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、78.3%である。
次に、本発明における第5の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示すように正方形のパターンと、図25に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット421、第2のスリット422及び第3のスリット423により、導電層411が正三角形のパターン(「正三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.154mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、86.2%である。
11 導電層
21 第1のスリット
22 第2のスリット
G2 スリット幅(第1のスリット、第2のスリットのスリット幅)
L2 導電層11のパターンの高さ
α 第1のスリットと第2のスリットの交差角度
Claims (9)
- ガラス基板の表面に導電性の導電層を含む熱線反射膜が形成された熱線反射ガラスであって、
前記導電層は、スリットにより複数の領域に分割され、
前記スリットは、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、
前記第1の方向と直交しない第2の方向に伸びて、前記第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、
を有することを特徴とする熱線反射ガラス。 - 前記第1のスリットは、水平方向に伸びたものであることを特徴とする請求項1に記載の熱線反射ガラス。
- 前記第1のスリットは、鉛直方向に伸びたものであることを特徴とする請求項1に記載の熱線反射ガラス。
- 前記第1のスリットと前記第2のスリットとのなす角は、45°以下、又は135°以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
- 前記スリットは、前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する第3の方向に伸びた複数の相互に平行な第3のスリットを有し、前記第3の方向は、前記第1の方向とも、前記第2の方向とも平行ではないことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
- 前記第3のスリットは、前記第2のスリットと直交するものであることを特徴とする請求項5に記載の熱線反射ガラス。
- 前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する複数の相互に平行な第4のスリットを有し、前記第4のスリットは前記第1のスリットに直交するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
- 前記熱線反射ガラスにおいて、前記スリットの面積と前記導電層の面積の和に対する前記導電層の面積の比率は、88.5%以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
- 前記熱線反射ガラスは車両に取付けられるものであって、前記熱線反射ガラスにおけるガラス基板面は、水平面に対し30°以上の角度で取付けられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
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