JP4176554B2 - エレベーターの非常止め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降体に設けられて異常速度で下降する昇降体を制動するエレベーターの非常止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベーターの非常止め装置においては、案内レールに案内される昇降体に設けられた枠体に押圧体が設けられて、案内レール面に向かって付勢されると共に案内レール面に対して所定位置に保持される。そして、案内レール面との対向面に下部が案内レール面から離れる方向に傾斜した押圧面が形成される。
【0003】
また、案内レール面と押圧体の押圧面の両者の間に楔片が設けられ、一側に案内レール面に対面した制動面が形成され、他側には押圧体の押圧面に対応する傾斜面が形成される。そして、楔片の傾斜面がころを介して押圧面に対面して配置される。
【0004】
そして、楔片は常時において下降位置に配置されて案内レール面に対して制動面が空隙を形成して配置され、また楔片は要時に上昇して上記両者の間に圧入されて押圧体によって案内レール面に押圧される。なお、この状態では楔片は上端が枠体の上板に当たって枠体に対して停止する。
【0005】
従来のエレベーターの非常止め装置は上記のように構成され、常時は楔片が押圧体に対して下降位置に保持されて楔片の制動面が案内レール面に非接触状態に配置される。そして、かご等の昇降体が異常速度で下降すると図示が省略してあるが、調速機の動作を介して楔片が上昇して上記両者の間に圧入される。
【0006】
これによって、案内レール面方向に付勢された押圧体を反案内レール面方向に変位させる。したがって、押圧体の押圧力によって楔片の制動面が案内レール面に押圧され、楔片の制動面と案内レール面との摩擦によって昇降体の下降を制動するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−147856号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベーターの非常止め装置では、非常止め装置の制動動作によって楔片の制動面に磨耗が発生するが、この磨耗が進行すると楔片の上昇変位による押圧体の反案内レール面方向変位量が少なくなる。このため、押圧体による楔片の押圧力が減少して所要の制動作用が得られなくなるという問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、楔片の制動面の磨耗に関わらず所要の制動作用が得られるエレベーターの非常止め装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーターの非常止め装置においては、案内レールに案内されて昇降する昇降体に設けられた枠体と、この枠体に設けられて案内レール面に向かって付勢されると共に案内レール面に対して所定位置に保持され、案内レール面との対向面に下端側が案内レール面から離れる方向に傾斜した押圧面が形成された押圧体と、枠体に設けられて一側に案内レール面に対面した制動面が形成され、他側には押圧体の押圧面に対応する傾斜面が形成されて、この傾斜面がころを介して押圧体の押圧面に対面して配置され、常時は下降位置に配置されて案内レール面に対して制動面が空隙を形成して配置されて、要時に上昇して案内レール面及び押圧体の押圧面の間に圧入される楔片と、枠体の上部を構成し案内レールに空隙を形成して嵌合する凹所が設けられて、この凹所の案内レール面に対面した内面に押圧体の押圧面に対応する傾斜面が形成された上板と、楔片の上端面から上方へ突設されて楔片の上昇時に上板の凹所に嵌合する位置に配置され、凹所の傾斜面との対向面に押圧体の押圧面に対応して傾斜した外面が形成された凸部とが設けられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は非常止め装置の正面図、図2は図1における関連部材の配置を概念的に示す平面図、図3は非常止め装置の制動動作状況を示す図1相当図、図4は非常止め装置の他の制動動作状況を示す図1相当図である。図において、エレベーターのかごからなる昇降体1を案内する案内レール2がエレベーターの昇降路(図示しない)に立設される。
【0012】
そして、昇降体1の下側に枠体3が設けられて枠体3の上板4が昇降体1に接して配置される。また、案内レール2面の両側にそれぞれ配置された押圧体5の長手中間が枠体3に鉛直軸6によって枢着されて、案内レール2面との対向面に下端側が案内レール2面から離れる方向に傾斜した押圧面7が形成され、後述する保持具によって案内レール2面から離れた所定位置に保持される。
【0013】
また、押圧体5の反押圧面7側の端部に圧縮コイルばねからなる付勢体8が配置されて、互いに対向した押圧体5の反押圧面7側の端部を相互に離れる方向に付勢する。そして、楔片9が案内レール2面の両側にそれぞれ配置され、一側に案内レール2面に対面した制動面10が形成され、他側には押圧体5の押圧面7に対応する傾斜面11が形成されて、傾斜面11がころ12を介して押圧体5の押圧面7に対面して配置される。
【0014】
そして、枠体3の上板4に案内レール2に空隙を形成して嵌合する凹所13が設けられて、凹所13の案内レール2面に対面した内面に押圧体5の押圧面7に対応する傾斜面14が形成される。また、凸部15が楔片9の上端面から上方へ突設されて後述する楔片9の上昇時に上板4の凹所13に嵌合する位置に配置され、凹所13の傾斜面14との対向面に押圧体5の押圧面7に対応して傾斜した外面16が形成される。
【0015】
また、枠体3にねじ込まれて押圧体5の付勢体8側の端部外面に配置されたボルトからなる保持具17が設けられる。そして、付勢体8によって付勢された押圧体5の回動変位を常時において所定位置で阻止する。これによって、押圧体5の押圧面7は案内レール2面から離れた所定位置に保持されて、案内レール2面と楔片9の制動面10との間に空隙が形成される。
【0016】
上記のように構成されたエレベーターの非常止め装置において、常時は楔片9が枠体3、すなわち押圧体5に対して下降位置に保持されて図1に示すように楔片9の制動面10が案内レール2面に非接触状態に配置される。そして、かご等の昇降体1が異常速度で下降すると図示が省略してあるが、調速機の動作を介して楔片9が上昇して案内レール2面ところ12、すなわち押圧体5の押圧面7との間に圧入される。
【0017】
これによって、案内レール2面方向に付勢された押圧体5を反案内レール2面方向に変位させる。したがって、押圧体5の付勢体8に基づく押圧力によって楔片9の制動面10が案内レール2面に押圧され、楔片9の制動面10と案内レール2面との摩擦によって昇降体1の下降が制動される。
【0018】
また、楔片9が上昇して凸部15が上板4の凹所13に嵌合して図3に示す状態となる。そして、楔片9が上昇した図3に示す状態において、凸部15の外面16が上板4の凹所13における傾斜面14に係合して楔片9の上昇変位が所定位置で停止する。
【0019】
また、このような構成によって次ぎに述べる作用が得られる。すなわち、楔片9の制動面10が磨耗して楔片9の図1における幅寸法が減少した場合に、楔片9が制動面10が磨耗前よりも制動面10の磨耗寸法に対応した上方位置へ上昇変位する。これにより、図4に示すように凸部15外面16と上板4凹所13の傾斜面14との係合によって楔片9が制動面10磨耗時における所定位置で停止する。
【0020】
このため、制動面10が磨耗した楔片9の上昇変位によって、制動面10の磨耗前と同様に押圧体5が反案内レール2面方向に変位する。したがって、楔片9の制動面10の磨耗に関わらず磨耗前と同様な所要の制動作用が得られて、非常止め装置の作動信頼性を向上することができる。また、制動面10が磨耗した楔片9の取り替え作業を省くことができて、保守費を低減することができる。
【0021】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、案内レールに案内されて昇降する昇降体に設けられた枠体と、この枠体に設けられて案内レール面に向かって付勢されると共に案内レール面に対して所定位置に保持され、案内レール面との対向面に下端側が案内レール面から離れる方向に傾斜した押圧面が形成された押圧体と、枠体に設けられて一側に案内レール面に対面した制動面が形成され、他側には押圧体の押圧面に対応する傾斜面が形成されて、この傾斜面がころを介して押圧体の押圧面に対面して配置され、常時は下降位置に配置されて案内レール面に対して制動面が空隙を形成して配置されて、要時に上昇して案内レール面及び押圧体の押圧面の間に圧入される楔片と、枠体の上部を構成し案内レールに空隙を形成して嵌合する凹所が設けられて、この凹所の案内レール面に対面した内面に押圧体の押圧面に対応する傾斜面が形成された上板と、楔片の上端面から上方へ突設されて楔片の上昇時に上板の凹所に嵌合する位置に配置され、凹所の傾斜面との対向面に押圧体の押圧面に対応して傾斜した外面が形成された凸部とを設けたものである。
【0022】
これによって、常時は楔片が押圧体に対して下降位置に保持されて楔片の制動面が案内レール面に非接触状態に配置され、昇降体が異常速度で下降すると楔片が上昇して案内レール面と押圧体の押圧面との間に圧入される。これによって、案内レール面方向に付勢された押圧体を反案内レール面方向に変位させて、押圧体の押圧力によって楔片の制動面が案内レール面に押圧され、楔片の制動面と案内レール面との摩擦によって昇降体の下降が制動される。また、楔片の上昇により凸部が上板の凹所に嵌合して凸部の外面が上板の凹所における傾斜面に係合して楔片の上昇変位が停止する。そして、楔片の制動面が磨耗して幅寸法が減少した場合には、楔片が上昇変位することによって凸部外面が上板の凹所の傾斜面に係合して、楔片の上昇変位が楔片の制動面磨耗前よりも上方位置で停止する。したがって、楔片の制動面が磨耗した場合にも、楔片の上昇変位によって制動面の磨耗前と同様に押圧体が反案内レール面方向に変位する。このため、楔片の制動面の磨耗に関わらず磨耗前と同様な所要の制動作用が得られて、非常止め装置の作動信頼性を向上する効果がある。また、制動面が磨耗した楔片の取り替え作業を省くことができて保守費を低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、非常止め装置の正面図。
【図2】 図1における関連部材の配置を概念的に示す平面図。
【図3】 非常止め装置の制動動作状況を示す図1相当図。
【図4】 非常止め装置の他の制動動作状況を示す図1相当図。
【符号の説明】
1 昇降体、2 案内レール、3 枠体、4 上板、5 押圧体、7 押圧面、9 楔片、10 制動面、11 傾斜面、12 ころ、13 凹所、14 傾斜面、15 凸部、16 外面。
Claims (1)
- 案内レールに案内されて昇降する昇降体に設けられた枠体と、この枠体に設けられて上記案内レール面に向かって付勢されると共に上記案内レール面に対して所定位置に保持され、上記案内レール面との対向面に下端側が上記案内レール面から離れる方向に傾斜した押圧面が形成された押圧体と、上記枠体に設けられて一側に上記案内レール面に対面した制動面が形成され、他側には上記押圧面に対応する傾斜面が形成されて、この傾斜面がころを介して上記押圧面に対面して配置され、常時は下降位置に配置されて上記案内レール面に対して上記制動面が空隙を形成して配置されて、要時に上昇して上記案内レール面及び押圧面の間に圧入される楔片と、上記枠体の上部を構成し上記案内レールに空隙を形成して嵌合する凹所が設けられて、この凹所の上記案内レール面に対面した内面に上記押圧面に対応する傾斜面が形成された上板と、上記楔片の上端面から上方へ突設されて上記楔片の上昇時に上記上板の凹所に嵌合する位置に配置され、上記凹所の傾斜面との対向面に上記押圧面に対応して傾斜した外面が形成された凸部とを備えたエレベーターの非常止め装置。
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