JP4176464B2 - 鳥卵からの伝達因子 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の背景)
(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、抗原特異的伝達因子を生成する方法、そのような抗原特異的伝達因子を含む組成物、およびそのような組成物の使用方法に関する。本発明は詳細には、鳥類のホストで抗原特異的伝達因子を生成し、卵から抗原特異的伝達因子を得る方法に関する。
【0002】
(関連技術の背景)
多くの死を招く病原体が動物界から人間に伝搬される。例えば猿は、後天性免疫不全症候群(AIDS)ならびにサル痘(天然痘に類似する)を引き起こすI型ヒト免疫不全ウィルス(HLV−I)の源であり;陸棲哺乳類はエボラウイルスの源であると考えられており;オオコウモリとブタはニパウイルスの源であり;ヘンドラ(Hendra)ウイルスは馬から由来し;「ホンコン風邪」はニワトリから端を発し;野鳥(特にあひる)は多くの死を招くインフルエンザウイルスの源である。多くの疾病も動物の保有宿主を有する。例えば、マウスはハンタ(Hanta )ウイルスを保有し、ラットは黒死病を保有し、鹿はライム病を保有する。
【0003】
(免疫系)
脊椎動物の免疫系は寄生動物、細菌、真菌およびウイルスのような病原体を認識し、それらの侵入から身体を防御するように装備されている。脊椎動物の免疫系は通常、細胞成分と、非細胞成分とを有する。
【0004】
免疫系の細胞成分には、いわゆるリンパ球または白血球細胞が含まれ、それにはいくつかの種類がある。成熟した免疫系の細胞成分は一般に、侵入する病原体への一次の非特異的応答を開始し、同様に、病原体に対する二次の特異的応答にも関与する。
【0005】
病原体による感染に対する一次すなわち初期の応答では、食細胞として知られている白血球細胞が、侵入する病原体を見つけて攻撃する。通常、食細胞は病原体を内部移行すなわち「摂食」し、その後病原体を消化する。さらに、白血球細胞は、病原体による感染に応答して、病原体を攻撃するかまたは病原体に対する攻撃を指示するのを支援するように意図された化学物質を生産および排出する。
【0006】
侵入する病原体による感染が一次免疫応答を回避し続ける場合のみ、病原体に対する特異的な二次免疫応答が必要とされる。この二次免疫応答は通常遅れて起こるため、「遅延型過敏」としても知られている。哺乳類は、病原体に感染するようになってから約7日〜約14日経つまで、通常は自身で病原体への二次免疫応答を誘発しない。二次免疫応答は特異的病原体への後天性免疫とも称される。病原体は「抗原」と称される1または複数の特有のタンパク質を有する。二次免疫応答では、Bリンパ球として知られる白血球細胞すなわち「B細胞」と、Tリンパ球すなわち「T細胞」とが、病原体の1または複数の抗原の認識を「学習」する。B細胞とT細胞は、病原体上の1または複数の特定の抗原に特異的な「抗体」と称されるタンパク質を生成すべく、共に作用する。
【0007】
T細胞は、病原体または抗原性物質への二次すなわち遅延型過敏免疫応答を主に担う。T細胞にはヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、および細胞毒性(「細胞を殺す」という意味)Tリンパ球(「CTL」)またはキラーT細胞とも称される抗原特異的T細胞、の3つのタイプがある。ヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞は、特定の抗原に対して特異的ではないが、感染した宿主からの病原体または抗原性物質の除去を支援する条件付け機能(例えば感染に通常伴う炎症)を遂行する。
【0008】
抗体は、免疫系の非細胞成分の一部のみを構成するが、特異的抗原を認識するため、「抗原特異的」であるとされている。その後、生成された抗体は基本的に、白血球細胞が病原体を見つけてそれを身体から除去するのを支援する。通常は、一旦白血球細胞が病原体に対する抗体を生成すれば、白血球細胞とその前駆細胞はすべて、その抗体を生産し続ける。感染が除去された後は、認識された抗原に対応する少数のT細胞とB細胞が「休止」状態で保持される。対応する病原体または抗原性物質が再び宿主に感染すると、その「休止」しているT細胞とB細胞は活性化し、約48時間以内に迅速な免疫応答を引き起こす。このように応答することにより、免疫系は病原体への二次免疫応答を開始し、免疫系はその病原体に対する「記憶」を有するとされる。
【0009】
感染病原体に対する二次免疫応答の一部として、哺乳類の免疫系が「伝達因子」として知られるより小型のタンパク質を生産することも知られている。伝達因子は哺乳類の免疫系の別の非細胞部分である。抗原特異的伝達因子は抗体と構造が類似しているが、はるかにそれより小さな分子の大きさをしていると考えられている。抗原特異的伝達因子と抗体は、いずれも抗原特異的部位を有し、いずれもそれらのエフェクタ細胞上のレセプター部位と相互作用する高度に保存された領域を有している。伝達因子と抗体分子では、第3の「リンカー」領域が、抗原特異的部位と高度に保存された領域とをつないでいる。
【0010】
(免疫系における伝達因子の役割)
伝達因子はリンパ球の低分子量の分離物である。狭義には、伝達因子は、1つの抗原に対する特異性を有し得る。いずれもKirkpatrick らに付与された米国特許第5,840,700号および第5,470,835号(Kirkpatrickら(これらをまとめて以下「Kirkpatrick 特許」と称する)は、特定の抗原に特異的な伝達因子の単離について開示している。より広義には、「特異的」伝達因子が、単一クローンのリンパ球の細胞培養物から産生されている。そのような伝達因子を1つの病原体に対して生成しても、該伝達因子はその病原体の種々の抗原部位に対する特異性を有している。従って、そのような伝達因子は、抗原特異的であるというよりも「病原体特異的である」とされている。同様に、特定の病原体で感染させた宿主から得られる伝達因子も病原体特異的である。そのような調製物は、特定の抗原が存在した時に二次免疫応答を誘発するその能力のため、「抗原特異的」として当該技術分野では称されることが多いが、異なる特異性を有する複数の伝達因子が存在する可能性もある。従って、いわゆる「抗原特異的」な病原体特異的伝達因子の調製物であっても、様々な抗原に対して特異的である可能性がある。
【0011】
さらに、抗原特異的および病原体特異的な伝達因子は、宿主に、そのような伝達因子分子が特異的でない病原体または抗原への遅延型過敏免疫応答を誘発させ得ると考えられている。伝達因子は、感染病原体または抗原性物質に対する二次すなわち遅延型過敏免疫応答を促進するために、感染病原体または抗原性物質に少なくとも非特異的T細胞、インデューサーT細胞およびサプレッサーT細胞を「引き寄せる」。
【0012】
一般に、伝達因子は、免疫学的に活性な哺乳類源から得られ、かつ約10,000ダルトン(D)未満の分子量を有する、タンパク質の単離物から成る。伝達因子は、哺乳類の免疫系にインビトロまたはインビトロのいずれで加えても、レシピエント哺乳類の免疫系の応答を改善または正常化することが知られている。
【0013】
新生児(仔)の免疫系は、通常、侵入病原体から新生児(仔)を有効に防御するほど十分には発達すなわち「成熟」していない。さらに、誕生前には、多くの哺乳類がその母親により広範な病原体から保護されている。従って、生まれたての哺乳類の多くは、様々な病原体に対する二次応答を直接誘発することができない。正確に言えば、生まれたての哺乳類は通常、病原体に対する二次免疫を母親から与えられる。母親が新生児(仔)の免疫系を高めるよく知られている1つの方法は、新生児(仔)に1組の伝達因子を供給することによるものである。哺乳類では、伝達因子は母親により初乳として新生児(仔)に供給されるが、初乳は通常1、2日後には母親の乳と置き換えられる。伝達因子は基本的に、母親の獲得した特異的(すなわち遅延型過敏)免疫を新生児(仔)に伝える。新生児(仔)の免疫系が自身で病原体から新生児(仔)を防御できるようになるまで、この伝えられた免疫が、通常、抗原特異的様式で、かつ抗原または病原体非特異性な様式で、病原体に抗して応答するように新生児(仔)の免疫系の細胞を条件付けする。従って、伝達因子が存在する場合、新生児の免疫系は、通常の遅延型過敏応答で起こるような過敏応答で病原体に応答するように条件付けられる。従って、伝達因子は病原体に対する免疫系の応答性を「ジャンプスタート(jump-start、後押しして開始する)」すると言われている。
【0014】
伝達因子に関する多くの研究が近年行われている。現在、伝達因子は約44個のアミノ酸長さのタンパク質であると考えられている。伝達因子は、約4,000〜約5,000ダルトン(D)、すなわち約4kD〜約5kDの範囲の分子量を有すると考えられている。伝達因子はまた、インデューサー部分、免疫サプレッサー部分、および抗原特異的部分の3つの機能的部分を含むと考えられている。当該技術分野における多くの者は、伝達因子が、タンパク質分子と接続可能であるかまたは分離可能な哺乳類免疫系に二次免疫応答を誘発させる伝達因子の能力を増強するヌクレオシド部分もさらに含むと考えている。ヌクレオシド部分は伝達因子のインデューサー部分またはサプレッサー部分の一部である可能性もある。
【0015】
抗原特異的伝達因子の抗原特異的領域は、約8個〜約12個のアミノ酸を含むと考えられている。約10個のアミノ酸の第2の高度に保存された領域は、非常に親和性の高いT細胞受容体結合領域であると考えられる。残りのアミノ酸はこの2つの活性領域を結合するように機能し得るか、あるいはさらなる未発見の特性を有し得る。伝達因子分子の抗原特異的領域は、抗体の既知の抗原特異的構造と類似しているが、はるかに小さな分子量の大きさであり、超可変であるように思われ、1または複数の病原体上の特徴的なタンパク質を認識するように適合される。インデューサー部分と免疫サプレッサー部分は細胞が自身の環境内の病原体による刺激に対して十分に応答できるように免疫系の様々な細胞を条件付ける能力を、伝達因子に与えると考えられている。
【0016】
(非細胞免疫系成分の源)
従来、伝達因子は、乳牛の初乳から得られていた。乳牛は一般に、比較的短期間に大量の初乳および従って大量の伝達因子を生産するが、乳牛は毎年約1日間か1日半しか初乳を生産しない。従って、乳牛は、伝達因子のコンスタントな供給源でなければ、伝達因子の効率的な供給源でもない。
【0017】
伝達因子は種々の他の哺乳類源からも得られている。例えば、伝達因子を研究する際に、マウスが伝達因子の供給源として使用されている。抗原を一般にマウスに皮下投与し、その後、抗原に対する遅延型過敏応答が見られた後でマウスを殺処分する。その後、伝達因子をマウスの脾臓細胞から得る。
【0018】
抗体の生産を生じさせるためには様々なメカニズムが一般に使用されているが、抗体の元々の供給源はやはり哺乳類であり得る。例えば、モノクローナル抗体は、マウス、ウサギ、または他の哺乳類に抗原を注射し、該哺乳類から抗体産生細胞を取得し、その後抗体産生細胞を不死化細胞と融合してハイブリドーマ細胞系統を生成することにより得られる。ハイブリドーマ細胞系統は細胞のいくつかの世代にわたって、すなわち従って長期間の間、モノクローナル抗体を生産し続けるだろう。
【0019】
哺乳類病原体に対する抗体が、マウス、ウサギ、ブタ、ウシおよび他の哺乳類を始めとする広範な源から得られている。さらに、風邪などのいくつかのヒト疾病を引き起こす病原体は、鳥に端を発することが知られている。鳥類(すなわち鳥)の免疫系と哺乳類の免疫系が非常に類似していることが理解されるようになってきているため、研究者の中には抗体産生のための源を鳥に変えるものもいる。
【0020】
Tokoroに付与された1992年1月14日に発行された米国特許第5,080,895号(以下「’895特許」)は、新生仔の哺乳類に腸感染症を引き起こす病原体を雌鶏に注射することから成る方法を開示している。その後雌鶏はそのような病原体に対する特異的抗体を生産し、抗体は雌鶏が生んだ卵の中に存在する。’895特許はそのような病原体特異的抗体を含む組成物と、新生仔の子豚と子牛での腸疾患を治療および予防するための該組成物の使用方法とを開示している。さらに、’895特許は、病原体特異的伝達因子様物質が、雌鶏からその雌鳥の卵へと伝えられることを仮定している。にもかかわらず、’895特許は、そのような伝達因子様物質が実際に卵の中に存在することも、そのような伝達因子様物質を含むと仮定された卵由来の抗体を含まない組成物が実際に新生仔の哺乳類の腸疾患を治療または予防したことも開示していない。実際のところ、’895特許は、伝達因子を抗体から分離するのに約0.45μm径の孔を備えたフィルタを使用することを開示している。しかしながら、当業者には理解されるだろうが、抗体、より大きな分子、ウイルス、およびいくつかの細菌さえもが、0.45μmのフィルタの孔を通り抜ける。実際、約12,000D未満の分子量を有するタンパク質分子がそのようなフィルタによって分離される可能性は低い。しかしながら、使用したフィルタの孔径に基づくと、抗体を始めとする個々のタンパク質分子がフィルタによって全く除去されなかった可能性がより高そうである。
【0021】
哺乳類病原体に特異的な鳥類抗体は、卵に抗原を導入することによっても得られている。
しかしながら、哺乳類の免疫系は、抗体自体への免疫応答の誘発により、大きな鳥類の抗体分子に否定的に応答する可能性があるため、鳥類の抗体を用いて哺乳類の病原体感染を治療することは一般には望ましくない。さらに、哺乳類の免疫系は鳥類の抗体を、特定の病原体を認識するその能力に関して、またはそのような病原体の抗原に対する鳥類抗体の特異性に関して、有用であるとは認識しないため、鳥類抗体は哺乳類では所望の免疫応答を誘発しないことさえある。
【0022】
本発明者は、非哺乳類源で伝達因子を生成する方法、鳥類源を始めとするそのような非哺乳類源から伝達因子を得る効率的な方法、または病原体による感染の治療および予防に際してそのような伝達因子を使用する方法を教示するいかなる先行技術も知らない。
【0023】
(発明の開示)
本発明は、鳥類源で伝達因子の生産を生じさせ、該鳥類源から伝達因子を得る方法を包含する。さらに、鳥類の伝達因子を含む組成物と、そのような組成物を使用する方法も、本発明の範囲内にある。
【0024】
本発明に従って生成し、取得し、使用する鳥類の伝達因子は、抗原非特異的であっても、抗原特異的(つまり1または複数の抗原に結合または認識するように構成される)であってもよい。別段の定めがない限り、用語「伝達因子」は、本明細書に使用する場合、病原体特異的伝達因子、抗原特異的伝達因子、ならびに特定の病原体または抗原性物質に非特異的な伝達因子を始めとする様々なタイプの各伝達因子を含む、先に論じた広い定義を包含している。伝達因子に関して本明細書で使用する場合、用語「非特異的」とは、特定の抗原に対して特異的でない伝達因子と、異なる抗原特異性を備えた複数の伝達因子を含む混合物との両方を指す。
【0025】
非特異的伝達因子には、鳥類源動物が既に生産ている伝達因子が含まれる。源動物により生成される個々の非特異的伝達因子分子は、源動物の環境中に存在する病原体を始めとする種々の抗原性物質に対する特異性を有し得る。それにもかかわらず、本発明のためには、単に源動物のその環境への応答により生成される伝達因子を、「非特異的」なものであると称する。
【0026】
他方、抗原特異的伝達因子は、鳥類の源動物を1または複数の抗原に曝露することにより生成される。本発明者により、細菌、ウイルス、真菌および寄生動物を含むがそれらに限定されない様々な種類の病原体の抗原が、鳥類源での非特異的伝達因子の生成を引き起こすことが見出された。抗原特異的伝達因子は自然抗原(生の源、不活性化源、弱毒化源を含む)と合成抗原のいずれによっても鳥類源動物により生成された。
【0027】
鳥類源での伝達因子の生産は、特定の病原体に特徴的な抗原を雌の鳥類源動物に導入することにより引き起こすことが可能である。本発明の範囲を制限しない使用可能な源動物の例証的な種類としては、鳥類、爬虫類、両生類および魚類が含まれる。好ましくは鳥類源動物は頻繁に卵を生む。従って、本発明のためには、鳥類源動物として雌鶏が特に有用である。このような鳥類源動物は伝達因子を生産し、その後、伝達因子は該源動物の卵に現われる。代わりに、鳥類源動物の卵を抗原性物質に(例えば抗原性物質を卵に注射することにより)曝露することにより、卵自体による伝達因子の生産を引き起こすようにしてもよい。
【0028】
鳥類源動物によってまたは鳥類源動物の卵によって生成された伝達因子は、卵から回収され、抗体を含めたより大きな分子量のタンパク質を含む卵の他の成分から分離され得る。代わりに、伝達因子は、鳥類源動物の1または複数の卵から精製されてもよい。
【0029】
その後、鳥類伝達因子は、哺乳類か鳥類の対象に投与するために組成物または装置に組み込まれるか、該対象に直接投与され得る。鳥類伝達因子または該鳥類伝達因子を含む組成物は、腸内(すなわち経口)または非経口(すなわち皮膚などを通じた注射を始めとする非経口経路により)投与され得る。非特異的および特異的の両方の鳥類伝達因子の投与が、様々な侵入病原体に対する哺乳類の早期の特異的(すなわち二次)免疫応答を開始することが分かった。従って、鳥類伝達因子は、そのような様々な病原体によって引き起こされる恐れのある疾病の治療および予防に有用であることが分かった。
【0030】
本発明の他の特徴および利点が、当業者には、以下の説明、本発明の例証的実施形態を例証する添付図面、および特許請求の範囲を考慮することにより明らかとなるだろう。
【0031】
(発明を実施するための最良の形態)
本明細書に上述したように、哺乳類の母親は伝達因子を初乳で生まれたての子供に伝えるが、初乳は約1日か2日後に母親の乳と置き換えられる。初乳の中にある伝達因子は、特定の抗原に対する遅延型過敏を子供に伝え、子供が特定の病原体に感染するようになった場合に、新生児(仔)の免疫系が特定の病原体に応答する能力を「ジャンプスタート」させる。
【0032】
近年、鳥類(つまり鳥)の免疫系が哺乳類の免疫系と非常に似ていることが発見された。実際、免疫系の成分に関する初期の研究は鳥で行なわれていた。免疫系に関するそのような初期の研究の結果、本明細書で上述した白血球細胞の種類の1つであるB細胞は、鳥の嚢に由来するためそのように名付けられた。さらに、風邪やインフルエンザA型ウィルスを引き起こすいくつかのウイルスを含めた様々な伝染病原体が、鳥に端を発し、ヒトに伝えられることが知られている。
【0033】
鳥類の免疫系は哺乳類の免疫系といくつかの類似点を有するため、本発明者は、伝達因子が鳥類の免疫系の成分であると共に他の非哺乳類の脊椎動物の免疫系でもあると考えている。さらに、本発明者は、非哺乳類の母親は生まれたての子供に初乳を与えないが、それでもそのような動物は伝達因子を介して子供に免疫を伝えるものと考えている。鳥および卵生脊椎動物では、母親が子供に伝達因子を供給する主な機会は卵の黄身にあり、黄身は成長中の胚に必要な栄養素を供給する。従って、本発明者は、卵から抗原非特異的および抗原特異的な伝達因子を得ることができる可能性を長い間考えていた。
【0034】
図1は、伝達因子の非哺乳類源10(この場合雌鶏)から所望の伝達因子を得る方法を概略的に例証している。非哺乳類源10は環境中の抗原性物質12aに曝されるか、または特異的な抗原性物質12bに曝され得る。当該技術分野で周知なように、非哺乳類源10は注射により、経口的に、またはその他の様式で、特異的抗原性物質12bに曝され得る。非哺乳類源10は、アジュバントが共に存在するかまたはしない状態で、抗原性物質12bに曝され得る。特異的抗原性物質12bへのそのような露出は、1回起こってもよいし、または繰り返されても良い。簡単にするため、抗原性物質12a,12bをここでは抗原性物質12または単に抗原とも称する。
【0035】
代わりに、図2を参照すると、当該技術分野で周知のように、非哺乳類の動物の卵14’を、注射によりまたはその他の様式で、1または複数の抗原性物質12に直接曝してもよい。
【0036】
図3を参照すると、1または複数の抗原性物質12に直接曝した非哺乳類源10または非哺乳類の卵14’に、抗原性物質12に対する二次または遅延型過敏免疫応答を誘発する適切な機会を与えた後で、卵14が採集される。その後、卵14の卵黄16と卵白18を互いに分離し、卵黄16に種々の濾過プロセスを行って、伝達因子を含むその水可溶性分画20を得る。抗体のようなより大きな分子量のタンパク質も、分子量に基づいて濾過したりそのような大きな分子量のタンパク質を溶液から(例えば冷エチルアルコール中で)沈殿させたりした後に水可溶性分画20から(例えば濾過により)沈殿物21を除去して実質的に抗体を含まない伝達因子含有溶液22を提供する等の既知のプロセスにより、卵黄16の水可溶性分画20から除去することができる。代わりに、卵黄16と卵白18は分離しなくてもよい。
【0037】
さらには、卵黄16の水可溶性分画20中または溶液22中に存在する抗原特
異的な非哺乳類の伝達因子を、いずれの開示もその全体が参照により本願に組み込まれるいずれもKirkpatrick らに付与された米国特許第5,840,700号および第5,470,835号(これらをまとめて以下「Kirkpatrick 特許」と称する)に開示されているゲル透過技術やアフィニティクロマトグラフィー技術の使用のような既知の技術により、水可溶性分画20または溶液22の他の成分から実質的に精製することが可能である。Kirkpatrick 特許に開示された技術は、伝達因子および抗体のような生体分子を、1または複数の抗原または他の特異的結合物質に対するそれらの生体分子の特異性に基づいて、溶液の他の成分から分離するために使用される。従って、Kirkpatrick 特許に開示された技術を卵の黄身16の抗体および伝達因子を含む水可溶性分画20に対して使用した場合、伝達因子と抗体はいずれも水可溶性分画20の残りから分離され、生じた溶液24は抗体と伝達因子を両方とも含み得る。他方、Kirkpatrick 特許に開示された技術を抗体を実質的に含まず伝達因子を含む溶液に対して行った場合、生成物は1または複数の抗原に対する特異的伝達因子の実質的に純粋な溶液26になるだろう。もちろん、粉末または凍結乾燥した全卵または卵黄を始めとする種々の卵調製物から伝達因子を得る方法を含めた、卵から伝達因子を得る他の方法もまた本発明の範囲内にある。
【0038】
ここで図4を参照すると、マウス足蹠検定として知られている、溶液中での1または複数の抗原に特異的な非哺乳類伝達因子の存在を試験する例証的な方法が概略的に描かれている。
【0039】
鳥類伝達因子が特異的に作用する特定の抗原または病原体に対する二次免疫応答をマウスに誘発する、鳥類伝達因子の有効性を試験する約7日前に、6匹の雌のBALB/cマウスの陽性対照集団を準備する。約9週〜約10週齢の陽性対照集団の各マウス30をイソフルランで麻酔する。フロイントアジュバントと試験する鳥類伝達因子が特異的に作用する特定抗原36との50/50(wt/wt)混合物約0.02mlを、1箇所の注射を尾38の根元39の一側面とした2箇所の筋内注射により各マウス30に投与する。この注射はマウス足蹠検定を行う約7日前に行うため、陽性対照集団のマウスは抗原36に対する自身の二次すなわち遅延型過敏応答をに生成するようにされる。
【0040】
マウス足蹠試験の約24時間前に、やはり約9週〜約10週齢(つまり陽性対照集団のマウスとほぼ同じ年齢)の6匹の雌BALB/cマウスを含む第1の試験集団を、同様にイソフルランで麻酔する。その後、蒸留水で再構成した、鳥類伝達因子と鳥類抗体の両方を含有する調製物を含む溶液20,24の約0.5mlを、皮下注射により第1の試験集団の各マウス30の首40の後ろに投与する。それらのマウスから得られた結果を実質的に抗体を含まない調製物で処理した第2の試験集団のマウスから得られた結果と比較することにより、腫脹に対する伝達因子と抗体の相対的な寄与を決定することができる。抗体は二次免疫応答を誘発しないため、ここで説明する実験を行う前には、マウスの第1の試験集団と第2の試験集団における二次免疫応答の測定値は、非常に類似するであろうと考えられていた。
【0041】
やはり約9週〜約10週齢(つまり陽性対照集団および第1の試験集団のマウスとほぼ同じ年齢)の6匹の雌BALB/cマウスを含む第2の試験集団の各マウスを、同様にイソフルランで麻酔する。6匹の各マウス30の首40の後ろに、蒸留水で再構成した実質的に抗体を含まない凍結乾燥した抗原特異的鳥類伝達因子調製物を含む溶液22,26の約0.5mlを皮下注射により与える。
【0042】
陰性対照集団も、やはり約9週〜約10週齢(つまり他の3つの集団のマウスとほぼ同じ年齢)の6匹の雌BALB/cマウスを含んでいる。
マウス足蹠検定を行うために、4つの集団の各マウスを麻酔し、各マウス30の右後足の最大足蹠32と左後足の最大足蹠34の各々の両端の距離をStarrettゲージなどにより測定する。その後、右後の足蹠32に抗原36を含む溶液を皮下注射する。左後の足蹠34は対照として使用されるが、左後の足蹠34には右後の足蹠32に注射した溶液の量とほぼ同量の滅菌食塩希釈液のような対照溶液37を注射する。
【0043】
十分な時間(例えば約16〜約24時間)が経過した後、各マウス30を再び麻酔し、右後の足蹠32と左後の足蹠34の両端の距離を再び測定する。マウス30の右後の足蹠32の両端の距離の増加によって決定される有意な量の腫脹は、その足蹠32での遅延型過敏応答の発生を示す。
【0044】
もちろん、種々の抗原に対する特異性を有する伝達因子を含む種々の溶液24,26を、そのような溶液がマウスに遅延型過敏免疫を伝える能力の差を検出するために、種々のセットの組に対して試験してもよい。さらに、各溶液の結果を、マウス30の陽性対照と陰性対照の集団から得た結果と比較し得る。図3の溶液22または溶液26のような実質的に抗体を含まない溶液を投与したマウス30の右後の足蹠34に有意な腫脹が生じた場合、そのような腫脹を引き起こす遅延型過敏は、投与された伝達因子に起因する。
以下の実施例は、本発明の教示を組み込んだ、伝達因子を生成し、取得し、使用する方法の実施形態を単に例証するものである。
【0045】
(実施例1)
0日、42日、84日目に、当該技術分野で周知のように、伝染性気管支炎/ニューカッスル病ウイルス(IBNC)ワクチンの粒子の粗いスプレーに生後1日齢のひよこを曝露することにより、ニューカッスル病ウイルスに特異的な伝達因子を生成した。この最初のIBNCワクチン注射の約175日目にそれらの5匹の雌鶏が生んだ卵を採集した。
【0046】
(実施例2)
実施例1で生成した抗原特異的伝達因子を含有する卵の最初のサンプリングから得た卵黄を卵白から分離し、脱イオン水で約6〜約9倍(体積で)に希釈し(つまり1部の卵白を約5〜8部の水と混合する)、凍結した。それらの凍結した卵黄からの脂質層を、卵黄の水溶性画分から機械的に分離した。その後、この水溶性画分を約4℃〜約6℃の温度まで解凍し、55mm径の磁器製のBuechner漏斗を用いてWhatman定性濾紙の使用により真空濾過した。次に、濾液を、再び55mm径Buechner漏斗を用いてガラスマイクロファイバーフィルタを通じて真空濾過した。
【0047】
次に、タンパク質を集め溶液から脂質とリポタンパク質を除去するために、第3の濾過を行った。第3の濾過はDURAPORE親水性膜により遂行した。タンパク質を含む画分(これは伝染性気管支炎病原体とニューカッスル病ウイルスに特異的な伝達因子と抗体との両方を含む)を、当該技術分野で周知のように収集、凍結、凍結乾燥、またはフリーズドライした。
【0048】
(実施例3)
実施例2で先に説明したように、実施例1で集めた卵の第2のサンプリングからの希釈卵黄調製物の水溶性画分を、再びその脂質部分から機械的に分離、濾過した。
【0049】
Klesius らに発行されたその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許4,180,627号で開示された方法に従い、適切な量のエチルアルコールアルコール(EtOH)すなわちエタノールをタンパク質含有画分に加え、アルコール−タンパク質画分溶液の全体量の約60%の濃度になるまでエチルアルコールを希釈した。その後、溶液中に存在する抗体を含むより大きな分子量のタンパク質がこの溶液から沈殿するように、溶液を十分に長い期間(例えば一晩または約10〜12時間)、約4℃〜約6℃の温度まで冷却した。卵黄からの任意の伝達因子を含むより小さな分子量タンパク質(例えば約8,000Dかそれ小さな分子量を有するタンパク質)は、溶液中に残った。
【0050】
次に、より大きな分子量のタンパク質を含む沈殿物を、55mm径のBuechner漏斗に入れたWhatmanガラスマイクロファイバーフィルタを通じて溶液を濾過することにより溶液から除去した。沈殿物が溶液の濾過中にフィルタを詰まらせるのを防止するために使用されるCELITE(登録商標)、珪藻岩または珪藻土による濾過補助が、カリフォルニア州ロンポクのCelite Corporation社より利用可能である。その後、当該技術分野で周知のように、この実質的に沈殿物を含まない溶液を集め、凍結し、凍結乾燥した。
【0051】
(実施例4)
約9週〜約10週齢の3匹のBALB/cマウスを含む試験集団の各マウスを、IBNV特異的鳥類伝達因子がマウスに早期の二次すなわち遅延型過敏免疫応答を与えるか否かを決定するために試験した。各マウスをイソフルランで麻酔した。その後、各マウスの右後足の最大足蹠の両端の距離と左後足の最大足蹠の両端の距離をStarrettゲージにより測定した。その後、各マウスの首の後ろに、蒸留水で再構成した約16重量%のIBNV特異的鳥類伝達因子を含む溶液の約0.5mlを、皮下注射により与えた。
【0052】
約24時間後、各マウスを再びイソフルランで麻酔した。その後、各マウスの左後足の最大足蹠に滅菌食塩希釈液約0.01mlを注射し(この足蹠は対照として働く)、各マウスの右後足の最大足蹠に蒸留水約250mlで再構成した約10,000用量のニューカッスル病−気管支炎ワクチンを含む溶液約0.01mlを注射した。
【0053】
さらに24時間が経過する前に、マウスの1匹(マウス番号1)は死亡した。残り2匹のマウスを再びイソフルランで麻酔し、後足の最大足蹠を再び測定した。結果は以下の通りである。
【0054】
【表1】
Figure 0004176464
右足の足蹠(85μmと90μmの増加)のサイズの増加(すなわち腫脹)が左足の足蹠(それぞれ50μmと15μmの増加)のサイズの増加よりも大きいことは、IBNV特異的鳥類伝達因子を含む溶液が、ニューカッスル病気管支炎ワクチン導入後約24時間以内にマウス番号2およびマウス番号3の右足に遅延型過敏応答を引き起こすことを示している。
【0055】
残りの実施例では、実施例1〜3に開示したのと実質的に同じ方法を、麻疹、耳下腺炎、風疹、B型肝炎、エプスタイン−バーウイルス(EBV)、およびH.pyloriを含めた異なる種類の抗原特異的鳥類伝達因子を生成するために使用した。
【0056】
次に、早期の二次すなわち遅延型過敏免疫応答を哺乳類で引き起こすことに関するそれらの様々な種類の抗原特異的鳥類伝達因子の各々の有効性を、マウス足蹠検定により試験した。抗原特異的鳥類伝達因子の各種類を、図4を参照して先に説明したように準備した陽性対照集団、第1の試験集団、第2の試験集団、および陰性対照集団を含むマウスの4つの異なる集団を使用して試験した。抗原特異的伝達因子の各種類に対して、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPetersen EA, Greenberg LE, Manzara T, and Kirkpatrick CH, 溺urine transfer factor I. Description of the model and evidence for specificity, J. Immunol., 126: 2480-84 (1981)に従ってマウス足蹠検定を行った。
【0057】
各マウス足蹠検定では、マウスの4つの集団を、図4を参照しながら説明した方法で準備した。
陽性対照集団、第1の試験集団および第2の試験集団、ならびに陰性対照集団に対して種々のマウス足蹠検定を実施するに当たって、各マウスはイソフルランで麻酔し、各マウスの左後足の最大足蹠(この足蹠は対照として働く)には、滅菌食塩希釈液約0.01mlを注射し、各マウスの右後足の最大足蹠には、鳥類伝達因子が特異的に作用する抗原または病原体を含む溶液約0.01mlを注射した。
【0058】
後足の足蹠注射後から約16時間〜約24時間後に、陽性対照集団、試験集団、陰性対照集団の各マウスを再びイソフルランで麻酔し、各マウスの左右の後足の足蹠のサイズをStarrettゲージで再び測定した。
【0059】
(実施例5)
実施例1〜3で説明したのと同じ手順を用いて、麻疹−耳下腺炎−風疹(MMR)ワクチンに特異的な鳥類伝達因子と鳥類抗体を、雌鶏において生成した。実施例1に説明したように、各雌鶏は150日目、163日目、190日目、221日目、および249日目にMerck MMR IIワクチンを1回用量受けた。約192日目〜約223日の期間の間に3回目の接種をしたちょうど後に、これらの雌鶏から卵を集め、実施例1に説明したように調製した。この操作は、高レベルの伝達因子が卵に存在することを確実にするために、本実施例および以下の実施例で行った。伝達因子は最初の接種の約7日後に卵に存在すると考えられている。
【0060】
図4を参照して本明細書で先に説明したように、マウス足蹠検定の開始の約7日前に、Merck MMR IIワクチンを陽性対照集団の各マウスに注射することによりマウスの陽性対照集団を準備した。
【0061】
MMRワクチンに特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む溶液を、実施例2で説明したのと同様に凍結乾燥調製物を蒸留水で約8重量%の濃度に再構成することにより作成した。伝達因子と抗体を含む溶液を、図4を参照しながら説明した様式でマウスの第1の試験集団に投与した。
【0062】
実施例3で説明したのと同様な方法により調製した麻疹、耳下腺炎および風疹に特異的な凍結乾燥鳥類伝達因子を、蒸留水で約8重量%の濃度に再構成した。その後、この再構成したMMR特異的鳥類伝達因子を、図4を参照しながら本明細書で先に説明した様式でマウスの第2の試験集団に投与した。
【0063】
その後、図4を参照して説明したように、約0.1ml用量のMerck MMR IIワクチンを、陽性対照集団、第1の試験集団、第2の試験集団および陰性対照集団の各々の各マウスの右後足の最大足蹠に投与し、実質的に同量の滅菌食塩希釈液を各マウスの左後足の最大足蹠に投与した。
【0064】
約16時間〜約24時間後に、マウスを再び麻酔し、各マウスの両後足の最大足蹠のサイズを上述したように測定した。結果は以下の通りである。
【0065】
【表2】
Figure 0004176464
第2の測定値を得た時(つまり約16〜約24時間目)にはマウス番号6の片方または両方の後足の足蹠に咬傷の跡に生じたかさぶたがあったため、マウス番号6のデータは不正確であった可能性がある。にもかかわらず、マウス番号4を除き、第1の試験集団の残りの各マウスは、対照溶液を注射した足蹠でよりもMMRIIワクチンを注射した足蹠で第2の足蹠測定値を得た時に、より大きな腫脹を示した。マウス番号4では、腫脹の大きさは左足の足蹠も右足の足蹠も共にほぼ同じだった。
【0066】
全体として、表2のデータから見ることができるように、表示したマウスの第1の試験集団の右足の最大足蹠は、同じマウスの左足の最大足蹠の腫脹の量より平均で約67.73μm大きく腫れた。
【0067】
【表3】
Figure 0004176464
抗原と試料の注射から約24時間後にマウス番号2とマウス番号5の足蹠に咬傷の跡に生じたかさぶたが見えたため、それらのマウスから得たデータは不正確であった可能性がある。さらに、マウス番号5の左足の最大足蹠は、マウス番号5の左足の対応する足蹠の3倍よりも大きく腫れており、他の試験マウスのどの足蹠で生じたよりも数倍大きく腫れていた。従って、マウス番号5から得た腫張データも、左足の足蹠でのこの腫脹は過度なものであったとして省略した。マウス番号4ではどちらの足蹠の腫脹の増加も測定されなかった。にもかかわらず、マウス番号1、マウス番号3およびマウス番号6の各々は、対照溶液を注射した(左)足蹠でよりも、第2の実質的に抗体を含まない伝達因子含有溶液を注射した(右)足蹠で、より大きな腫脹を示した。
【0068】
表3に示したデータに基づくと、平均で、マウス番号1,3,6の右足の最大足蹠は、同じマウスの左足の最大足蹠よりも約91.4μm大きく腫れていた。
【0069】
【表4】
Figure 0004176464
陽性対照集団のマウス番号2とマウス番号3は左後足と右後足の両方の最大足蹠に実質的に同じ量の腫張を示したが、他の各マウスは、ずっと腫張が少ない左後足の最大足蹠の腫張の量よりも、右後足の最大足蹠の方がより大きく腫張しており、右後足の最大足蹠に導入したMMRワクチンに対する二次免疫応答を示した。
【0070】
表4に示したデータに基づくと、それらのマウスの右後足の最大足蹠の腫張の平均量は、同じマウスの左後足の最大足蹠の腫脹よりも約59.27μm大きかったことがわかる。
【0071】
【表5】
Figure 0004176464
陰性対照集団のマウスのうちの2匹、すなわちマウス番号3とマウス番号5は、いずれの後足の最大足蹠にも腫脹を示さなかった。マウス番号6の両後足の最大足蹠はほぼ同じ量だけ腫れていた。マウス番号1とマウス番号の左後足の最大足蹠は腫れておらず右後足の足蹠はわずかに腫れており、マウス番号4の右後足の最大足蹠は腫れておらず左後足の最大足蹠はほんのわずかに腫れていた。実際、これらのマウスの右後足の最大足蹠の腫張の平均量は、マウスの陰性対照集団の左後足の最大足蹠で測定した腫脹の量よりもわずかに約8.47μm大きいだけだった。従って、表5のデータは、陰性対照集団のマウスがMMRワクチンに対する二次免疫応答を誘発しなかったことを示している。
【0072】
まとめると、表2〜5のデータは、二次すなわち遅延型過敏免疫応答が、第1の試験集団、第2の試験集団および陽性対照集団の各々の大多数のマウスに生じたが、そのような二次免疫応答は陰性対照集団では見られなかったことを示している。従って、表2,3のデータは、MMRワクチンに特異的な鳥類伝達因子が、MMRワクチンに特異的な鳥類抗体と同様に、哺乳類での早期二次免疫応答を引き起こすことができることを示している。
【0073】
(実施例6)
本明細書で実施例1〜3に先に説明した手順を繰り返し、商標名ENGERIX−Bで販売されている合成B型肝炎抗原ワクチンを使用して、B型肝炎ウイルスに特異的な鳥類伝達因子と鳥類抗体を作成した。実施例1に説明したように、各雌鶏は150日目、163日目、190日目、221日目、249日目にB型肝炎ワクチンを1回用量受けた。実施例1に上述したように、約192日目〜約223日の期間の間のある時にこれらの雌鳥から卵を集め、実施例1に上述したように調製した。
【0074】
マウス足蹠検定の実施の約7日前に、図4を参照した様式で陽性対照集団の各マウスに合成B型肝炎ワクチンENGERIX−Bを注射することにより、マウスの陽性対照集団を準備した。
【0075】
B型肝炎ワクチンに特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む第1の溶液を、実施例2に説明したのと同様に凍結乾燥調製物を蒸留水で16重量%の濃度に再構成することにより作成した。この伝達因子と抗体を含む溶液を、図4を参照して説明した様式でマウスの第1の試験集団に投与した。
【0076】
さらに、実施例3に説明したのと同様の様式で調製したB型肝炎ワクチンに特異的な凍結乾燥鳥類伝達因子を、蒸留水で約16重量%濃度に再構成した。その後、図4を参照して本明細書で先に説明したように、この再構成した伝達因子含有溶液を第2の試験集団の各マウスに投与した。
【0077】
適切な時に、図4を参照して本明細書で先に説明したように、陽性対照集団、第1の試験集団、第2の試験集団および陰性対照集団の各々の各マウスの右足の最大足蹠に合成B型肝炎ワクチンを投与した。本明細書で先に説明したように、4つの集団の各マウスの左足の最大足蹠には、同量の滅菌食塩希釈液を実質的に同時に注射した。
【0078】
本明細書で先に説明したように、約16時間〜約24時間後に、4つの集団の各マウスを再び麻酔し、各マウスの両後足の最大足蹠のサイズを再び測定した。結果は以下の通りである。
【0079】
【表6】
Figure 0004176464
マウス番号1を除き、第1の試験集団の各マウスは、右後足の最大足蹠により大きな腫脹を示した。平均で、第1の試験集団のマウスの右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠よりも約42.17μm大きく腫れていた。従って、表6のデータは、合成B型肝炎ワクチンに特異的な伝達因子と抗体を含む調製物中の鳥類伝達因子が、それらの各マウスでの早期二次免疫応答を引き起こしたことを示している。
【0080】
【表7】
Figure 0004176464
平均で、マウスの第2の試験集団の右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠よりも約38.10μm大きく腫れた。マウス番号4を除き、表7のデータは、B型肝炎ワクチンに特異的な鳥類伝達因子の投与が、各マウスの右後足の最大足蹠に早期の二次すなわち遅延型過敏免疫応答を引き起こしたことを示している。
【0081】
【表8】
Figure 0004176464
マウスの陽性対照集団では、マウス番号5だけが合成B型肝炎ワクチンに対する二次免疫応答を誘発しなかった。陽性対照集団の他の各マウスの右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠よりも、平均で約42.33μm大きく腫れた。
【0082】
【表9】
Figure 0004176464
陰性対照集団の3匹のマウスは、左後足と右後足の両方の最大足蹠に実質的に同量の腫張を示した。残りの3匹のマウスのうち、マウス番号3だけが左後足でよりも右後足の最大足蹠に著しい腫張の増大量を示した。平均で、陰性対照集団のマウスの右後足と左後足の最大足蹠間の腫張の差はわずかに約16.33μmにすぎなかった。
【0083】
まとめると、表6〜9に示したデータは、実施例6の結果が、合成B型肝炎ワクチンに特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方が、B型肝炎ウイルスによっても示される合成B型肝炎ワクチンの抗原に対する早期の二次免疫応答を哺乳類で誘発することを示している。
【0084】
(実施例7)
実施例1〜3で上記に概説したのと実質的に同じ手順を再び使用して、H.pylori細菌に特異的な鳥類伝達因子と鳥類抗体を雌鶏において生成した。雌鶏の各々を、実施例1に説明したのと同様の様式で、150日目、163日目、190日目、221日目および249日目にH.pylori EIA抗原で感染させた。実施例1に上述したように、約192日目〜約223日の期間の間にこれらの雌鳥から卵を集め、実施例1に上述したように調製した。
【0085】
先の実施例と同様に、マウス足蹠検定の実施の約7日前に、実施例4に関して説明したように陽性対照集団の各マウスに組換えすなわち合成H.pylori EIA抗原を注射することにより、マウスの陽性対照集団を準備した。
【0086】
H.pylori EIA抗原に特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む溶液を、実施例2に説明した調製物と同様に、鳥類抗体と鳥類伝達因子を含む凍結乾燥調製物を蒸留水で約16重量%の濃度に再構成することにより作成した。この溶液を、図4を参照して本明細書に先に説明したように、マウスの第1の試験集団に投与した。
【0087】
H.pyloriに特異的な鳥類伝達因子を含む実質的に抗体を含まない溶液を、実施例3に説明したのと同様の様式で得た凍結乾燥調製物を蒸留水で約16重量%の濃度に再構成することにより調製した。その後、図4を参照して本明細書で先に説明したように、この実質的に抗体を含まない鳥類伝達因子含有溶液を第2の試験集団の各マウスに投与した。
【0088】
図4を参照して本明細書で先に説明した様式で、陽性対照集団、第1の試験集団、第2の試験集団および陰性対照集団の各々の各マウスの右足の最大足蹠をH.Pylori EIA抗原で感染させ、同量の滅菌食塩希釈液をそれらの各マウスの左足の最大足蹠に投与した。
【0089】
本明細書で先に説明したように、適切な時に、H.pyloriによるマウスの右足の最大足蹠の感染の約16時間〜約24時間後に、マウスを再び麻酔し、各マウスの両後足の最大足蹠のサイズを測定した。結果は以下の通りである。
【0090】
【表10】
Figure 0004176464
表10のデータ、特にマウス番号2、マウス番号4およびマウス番号6のデータは、H.pyloriに特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む溶液の投与が、第1の試験集団のマウスに早期の二次免疫応答を引き起こしたことを示している。マウス番号1は左後足と右後足の最大足蹠に実質的に等しい量の腫張を示したが、マウス番号3は、左後足の最大足蹠よりも右後足の最大足蹠にわずかに大きな腫脹を示し、マウス番号5は右後足の最大足蹠よりも左後足の最大足蹠にわずかに大きな腫脹を示した。平均で、第1の試験集団のマウスの右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠よりも約59.27μm大きく腫れた。
【0091】
【表11】
Figure 0004176464
表11に示した結果は、表10の結果に類似していた。マウスのうち2匹、すなわちマウス番号5およびマウス番号6は、左後足の最大足蹠よりも右後足の最大足蹠にずっと大きな腫脹を示した。マウス番号1、マウス番号2およびマウス番号4の右後足の最大足蹠の腫脹量は、同じマウスの左後足の最大足蹠より大きかったが、差はほんのわずかであった。マウス番号3は、右後足の最大足蹠よりも左後足の最大足蹠でわずかに大きな腫脹量を実際に示した。にもかかわらず、これらのマウスの右後足の最大足蹠の平均腫脹は、平均で、同じマウスの左後足の最大足蹠のそれよりも約50.80μm大きかった。表11のデータはH.pyloriに特異的な鳥類伝達因子が腫脹の増大を引き起こしたことを示している。
【0092】
【表12】
Figure 0004176464
実施例7の陽性対照集団の各マウスは、それらのマウスの左後足の最大足蹠での腫脹に対する同じマウスの右後足の最大足蹠での腫脹の量の有意差によって示されるように、H.pyloriに対する遅延型過敏免疫応答を誘発した。平均で、腫脹の差は約110.07μmであった。
【0093】
【表13】
Figure 0004176464
表13のデータにより示されるように、マウス番号3、マウス番号5およびマウス番号6の左後足と右後足の最大足蹠の腫張量は実質的に同じであった。マウス番号2の右後足の最大足蹠の腫張量はマウス番号2の左後足の最大足蹠の腫張量よりも大きかったが、マウス番号1の左後足の最大足蹠はマウス番号1の右後足の最大足蹠よりも有意に大きく腫れていた。マウス番号4の右後足の最大足蹠は、マウス番号4の左後足の最大足蹠よりもほんのわずかに腫れていた。陰性対照集団のマウスの右後足と左後足の最大足蹠の腫脹の平均差は、約4.23μmにすぎなかった。
表10〜13のデータは、H.pyloriに特異的な鳥類伝達因子が哺乳類での早期の二次免疫応答を促進することを示している。
【0094】
(実施例8)
実施例1〜3で本明細書に先に説明したのと実質的に同じ手順を再び使用して、エプスタイン−バーウイルス(EBV)の組換え核内抗原であるEBNA−l抗原に特異的な鳥類伝達因子および鳥類抗体を雌鶏において生成した。雌鶏の各々は、実施例1に説明したのと同様の様式で、150日目、163日目、190日目、221日目および249日目にEBNA−1の1回用量を受けた。実施例1に上述したように、約192日目〜約223日の期間の間にこれらの雌鳥から卵を集め、実施例1に上述したように調製した。
【0095】
EBNA−lに特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む溶液を、実施例2に説明したのと同様に凍結乾燥調製物を蒸留水で再構成することにより作成した。EBNA−1抗原に特異的な鳥類抗体と鳥類伝達因子の両方を含む凍結乾燥調製物は、約16重量%の濃度に希釈した。その後、この溶液を、図4を参照して説明した様式でマウスの第1の試験集団に投与した。
【0096】
さらに、EBNA−1に特異的な鳥類伝達因子を含むがEBNA−lに特異的な鳥類抗体を実質的に含まない溶液も、蒸留水で約16重量%の濃度に再構成した。この溶液を、図4を参照して本明細書で先に説明したように、第2の試験集団のマウスに投与した。
【0097】
マウス足蹠検定の実施の約7日前にマウスにEBNA−lを注射することにより、マウスの陽性対照集団を準備した。
その後、組換えEBNA−l抗原を、第1の試験集団、第2の試験集団、陽性対照集団および陰性対照集団を含む4つの集団の各々の各マウスの右後足の最大足蹠に投与した。実質的に同量の滅菌食塩希釈液を、各マウスの左後足の最大足蹠に投与した。投与方法は、本明細書に先に説明したのと同じ様式で行った。
【0098】
約16時間〜約24時間後に、マウスを再び麻酔し、測定した各マウスの両方の後足の最大足蹠のサイズを上述のように測定した。結果は以下の通りである。
【0099】
【表14】
Figure 0004176464
表14では、マウスのうちの3匹が、その左後足の最大足蹠でよりもその右後足の最大足蹠に有意に大きな腫脹を示したことが理解される。マウス番号2も左後足の最大足蹠より右後足の最大足蹠に大きな量の腫脹を有したが、その差はほんのわずかであった。マウスのうちの2匹、すなわちマウス番号1とマウス番号6は、左後足と右後足の両方の最大足蹠に実質的に同量の腫脹を有していた。にもかかわらず、第1の試験集団のマウスの右後足の最大足蹠の腫脹量は、平均して約55.03μmだけ同じマウスの左後足の最大足蹠の腫脹量より大きかったため、表14に示したデータは、EBNA−1に特異的な鳥類抗体と伝達因子の両方を含む溶液中の鳥類伝達因子が、第1の試験集団のマウスに、組換えEBNA−1に対する早期の二次免疫応答を誘発することを示す傾向がある。当該技術分野においてよく知られているように、抗体は二次免疫応答に対しては受動的であり、一般に腫脹にはほとんど寄与しない。
【0100】
【表15】
Figure 0004176464
鳥類伝達因子を含む溶液で処理した第2の試験集団のマウスも、組換えEBNA−1に対する早期の二次免疫応答を示した。この結果は、特にマウス番号3とマウス番号5で明らかであり、これらのマウスはその左後足の最大足蹠で測定したよりその右後足の最大足蹠に有意に大きな腫脹を示した。マウス番号1の右後足の最大足蹠の腫脹量もマウス番号1の左後足の最大足蹠の腫脹量よりは大きかったが、その差はわずかと思われる。さらに、マウス番号2とマウス番号4はその左後足の最大足蹠に大きな腫脹量を示したが、それについて測定した腫脹量は、同じマウスの右後足の最大足蹠で測定した腫脹量よりわずかに大きいにすぎなかった。平均で、上記マウスの右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠で測定した腫脹量よりも約16.93μm大きかった。
【0101】
EBNA−1に特異的な伝達因子は対応する抗体から分離した時に不安定になり、マウスの第1の試験集団で測定した二次免疫応答全体に対して第2の試験集団ではより低い二次免疫応答の測定値が生じている可能性があると考えられる。
【0102】
【表16】
Figure 0004176464
陽性対照集団の各マウスの左後足の最大足蹠よりも同じマウスの右後足の最大足蹠で腫張量がより大きいことによって示されるように、陽性対照集団の6匹すべてのマウスは、組換えEBNA−1抗原に対する遅延型過敏免疫応答を示した。これらの各マウスの右後足の最大足蹠の測定腫張量は、同じマウスの左後足の最大足蹠の測定腫張量よりも平均で約93.13μm大きかった。
【0103】
【表17】
Figure 0004176464
陰性対照集団では、マウスのうちの2匹、すなわちマウス番号2とマウス番号4が、その後足の最大足蹠に異なる腫張量を示した。マウス番号2の右後足の最大足蹠の腫張量は左後足の最大足蹠で示される腫張量よりも大きかったが、マウス番号4の左後足の最大足蹠はマウス番号4の右後足の最大足蹠よりも大きく腫れていた。実際、陰性対照集団のマウスの右後足の最大足蹠は、同じマウスの左後足の最大足蹠より、平均で約4.23μmだけ腫れが小さかった。
【0104】
表14〜17のデータもやはり、EBNA−1に特異的な鳥類伝達因子が、哺乳類に、EBNA−lおよびウイルスならびにこの抗原を提示する他の病原体に対する早期の二次免疫応答(つまり、哺乳動物が自身の二次免疫応答を誘発するのにかかる期間が、通常の7〜14日の期間と比較して約24時間以内である)を誘発することを示している。
【0105】
上述の実施例は、病原体か抗原性物質に対する二次免疫応答を哺乳類が自身で誘発するのには7〜14日の期間かかるのとは対照的に、本発明の教示を組込んだ鳥類伝達因子を投与した場合、哺乳類ホストは約24時間以内に二次免疫応答を誘発し得ることを示している。
【0106】
各検定の第1および第2の試験群の各マウスの試験足蹠と対照足蹠から得た測定値の間の差の類似性は、二次すなわち遅延型過敏免疫応答は主として抗体ではなく伝達因子により誘発され、抗体は二次免疫応答に対しては受動的で、通常腫脹にはほとんど寄与しないことを示している。
【0107】
鳥類伝達因子が哺乳類での早期の二次免疫応答を生成する能力を有することは、実施例1〜8およびそれによって得られたデータから明らかである。当業者には容易に理解できるように、鳥類伝達因子は、様々な種類の鳥類だけでなく、爬虫類、両生類、および他の動物の非哺乳類種で早期の二次免疫応答を生成するだろう。
【0108】
鳥類伝達因子はマウスでの早期の遅延型過敏免疫応答を開始するため、伝達因子がヒトを含む他の哺乳類でも同じ効果を有すると当業者が仮定するのは理に適っている。
【0109】
伝達因子は上述の実施例では注射によってマウスに投与したが、他の経路で哺乳類に鳥類伝達因子を投与することも本発明の範囲内にある。例えば、鳥類伝達因子を、経口的に、非経口注射により、または経皮等の注射以外の非経口的方法により、肺経由のエーロゾルにより、もしくは当該技術分野で周知の他の方法により、投与することが可能である。哺乳類への鳥類伝達因子の経口投与は、哺乳類の母親が、新生児(仔)が経口受容する初乳を介して生まれたての子供に伝達因子を供給するという事実によって支援される。伝達因子が哺乳類の新生児(仔)の血流に吸収されるところでは、伝達因子は胃と小腸の両方の条件から耐えて残る。従って、伝達因子は哺乳類の胃管に耐えて残ることが知られている。伝達因子が哺乳類の消化管の条件に耐える能力は、その開示全体が参照により組み込まれるKirkpatrick CH, 鄭ctivities and characteristics of transfer factors Biotherapy, 9:13-16 (1996)に立証されている。
【0110】
以上の説明は多くの詳細を含んでいるが、それらは本発明の範囲の限定として解釈されるべきではなく、現時点で好ましい実施形態のいくつかの例を提供するにすぎないと解釈すべきである。同様に、本発明の精神または範囲から逸脱しない本発明の他の実施形態を考案することが可能である。異なる実施形態からの特徴を組み合わせて使用することが可能である。従って本発明の範囲は、以上の説明によってではなく特許請求の範囲とその法的均等物によってのみ示されかつ限定される。特許請求の範囲の意味と範囲内にある、本明細書に開示したような本発明への追加、削除、および改変はすべて包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 非哺乳類源動物中で非哺乳類伝達因子を生成するための例証的方法を示す略図。
【図2】非哺乳類源動物の卵の中で非哺乳類伝達因子を直接生成するための例証的方法を示す略図。
【図3】卵から非哺乳類伝達因子を得るための例証的方法を示す略図。
【図4】溶液中での伝達因子の存在を試験し、かつ病原体による感染を防止するか病原体による感染を治療すべく伝達因子を使用するための、例証的方法を示す略図。

Claims (29)

  1. 伝達因子を得る方法であって、
    鳥類源動物を、該鳥類源動物にT細胞媒介性免疫応答を誘発させる少なくとも1つの抗原性物質に曝露する工程;
    前記鳥類源動物に前記少なくとも1つの抗原性物質に対する前記T細胞媒介性免疫応答を誘発させる工程;および
    前記T細胞媒介性免疫応答後に、前記鳥類源動物から少なくとも1個の卵を採集する工程であって、前記少なくとも1個の卵はインビボで哺乳類に細胞性免疫を伝える約4,000Da〜約5,000Daの分子量を有する伝達因子を含む工程;
    から成る方法。
  2. 約8,000Daより大きな分子量を有するタンパク質またはペプチドから伝達因子を実質的に精製する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記鳥類源動物を曝露する工程は、前記少なくとも1つの抗原性物質に雌鶏を曝露することから成る、請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの抗原性物質に前記鳥類源動物を曝露する工程は、前記鳥類源動物をその自然環境に曝露することから成る、請求項1に記載の方法。
  5. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物をニューカッスル病ウイルスに曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物をMMRワクチンに曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物をB型肝炎ワクチンに曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物をエプスタイン−バーウイルスの抗原に曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を組換えエプスタイン−バーウイルスワクチンに曝露することから成る、請求項8に記載の方法。
  10. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物をH.pyloriの抗原に曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を合成H.pyloriワクチンに曝露することから成る、請求項10に記載の方法。
  12. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を複数の抗原に同時に曝露することから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を生ワクチン、弱毒化ワクチン、不活化ワクチン、組換え抗原、および自然抗原の少なくとも1つに曝露することから成る、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1個の卵を採集する工程は、前記曝露する工程の少なくとも7日後に遂行される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1個の卵の卵黄の水溶性分画を集める工程をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記実質的に精製する工程は、前記水溶性分画から実質的にすべての抗体を除去することから成る、請求項15に記載の方法。
  17. 伝達因子を得る方法であって、
    鳥類源動物に病原体への二次免疫応答を誘発させるために、鳥類源動物を少なくとも1つの抗原性物質に曝露する工程;
    前記鳥類源動物に前記少なくとも1つの抗原性物質に対する二次免疫応答を誘発させ、該二次免疫応答により前記病原体に対して特異的な伝達因子を生産する工程;および
    前記二次免疫応答後に、前記鳥類源動物の少なくとも1個の卵から前記病原体に対して特異的な伝達因子を集める工程;
    から成る方法。
  18. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を全身性病原体の少なくとも1つの抗原性物質に曝露することから成る、請求項17に記載の方法。
  19. 前記集める工程は、約8,000Daより大きな分子量を有する前記少なくとも1個の卵の他のタンパク質またはペプチドから前記伝達因子を実質的に精製することから成る、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記実質的に精製することは、前記他のタンパク質またはペプチドを溶液から沈殿させることから成る、請求項19に記載の方法。
  21. 前記曝露する工程は、麻疹ウィルス、風疹ウイルス、耳下腺炎ウィルス、B型肝炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、およびエプスタイン−バーウイルスの少なくとも1つに対する二次免疫応答を該鳥類源動物に誘発させるために、前記鳥類源動物を少なくとも1つの抗原性物質に曝露することから成る、請求項17または18に記載の方法。
  22. 前記曝露する工程は、前記鳥類源動物を、MMRワクチン、ニューカッスル病ウイルスワクチン、組換えエプスタイン−バーウイルスワクチン、実質的に精製されたエプスタイン−バーウイルス抗原、および組換えB型肝炎ワクチンの少なくとも1つに曝露することから成る、請求項17または18に記載の方法。
  23. 哺乳類または鳥類の動物種の少なくとも1つで二次免疫応答を誘発するための組成物であって、
    担体;および
    請求項1、2、または17に記載の方法によって得られた少なくとも1種類の鳥類の伝達因子を含む鳥卵調製物;を含む組成物。
  24. 哺乳類(ヒトを除く)で二次免疫応答を誘発する方法であって、
    一定量の請求項1、2、または17に記載の伝達因子を得る方法と、
    哺乳類に、一定量の前記伝達因子を得る方法によって得られた少なくとも1種類の鳥類の伝達因子を投与する工程から成る方法。
  25. 前記投与する工程は、哺乳類が少なくとも1つの病原体に感染するようになる前に遂行される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記投与する工程は、哺乳類が少なくとも1つの病原体に曝露される前に遂行される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記投与する工程は、哺乳類が少なくとも1つの病原体に曝露された後で遂行される、請求項24に記載の方法。
  28. 前記投与する工程は、哺乳類が前記少なくとも1つの鳥類の伝達因子
    が特異的に作用する少なくとも1つの病原体に曝露された後で遂行される、請求項24に記載の方法。
  29. 伝達因子を得る方法であって、
    卵を、該卵にT細胞媒介性免疫応答を誘発させる少なくとも1つの抗原性物質に曝露する工程;
    前記卵に前記少なくとも1つの抗原性物質に対する前記T細胞媒介性免疫応答を誘発させ、該前記T細胞媒介性免疫応答により前記少なくとも1つの抗原性物質に対して特異的な伝達因子を生産する工程;および
    前記T細胞媒介性免疫応答後に、前記卵から、インビボで哺乳類に細胞性免疫を伝え、前記少なくとも1つの抗原性物質に対して特異的で、約4,000Da〜約5,000Daの分子量を有する伝達因子を含む、少なくとも1つの伝達因子を集める工程;
    から成る方法。
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