本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の角度調整部材は、図6に示す画像形成装置69等に利用される。より具体的には、レーザースキャニングユニット(LSU)31等の角度調整を行うために、画像形成装置69に取り付けられている。なお、図6では、紙面の表側が画像形成装置69の手前側(フロント側;「F」)とし、紙面の裏側が奥側(リア側;「R」)とする。また、LSU31における光線の進行方向を「G」、その進行方向と反対方向を「O」とする。また、他の図面においても、必要な場合、「F」・「R」・「G」・「O」を明示するものとする。
画像形成装置69は、縦長の本体61を備えており、その本体61の最上部には原稿を読み取るスキャナー62が配置される。そしてスキャナー62の下には、放電する帯電部63、帯電部63の放電により表面を帯電させる感光体64、スキャナー62で読み取った原稿データ(画像データ)に応じて光線(レーザー光線等)を発し、感光体64に静電潜像を形成させるLSU31、静電潜像にトナーを付着させる現像部65、トナーの付着した感光体64のトナー像をシートに転写させる転写部66、シート上に転写されたトナー像を定着させる定着部67等が配設されている。
LSU(光照射ユニット)31は、上述したように、スキャナー62から送られてくる原稿データ(画像データ)に基づいて、光線(例えばレーザー光線)を感光体64に照射させ、その感光体64に静電潜像を形成させるものである。具体的には、LSU31は、半導体レーザー(不図示)、コリメーターレンズ(不図示)、シリンドリカルレンズ(不図示)、ポリゴンミラー(回転多面鏡)32、f―θレンズ33、および折り返し反射ミラー34等を含むように構成されている。なお、送られてくるデータは、スキャナー62からの原稿データに限らず、例えばパーソナルコンピューター(PC)から画像データが送られてくる場合もある。
半導体レーザーは光源であり、コリメーターレンズ・シリンドリカルレンズは、レーザー光線を通すことで、ポリゴンミラー32の反射面上にそのレーザー光線を線状に集光させるものである。ポリゴンミラー32は、集光されたレーザー光線を偏向反射(偏向走査)させるものであり、f―θレンズ33は、そのレーザービームの倒れを補正し、かつ、レーザービームの等角速度運動を等速運動に変換して感光体64に集光させるものである。折り返し反射ミラー34は板状のミラーであり、レーザー光線を所定の位置に導くためのものである。具体的には、f―θレンズ33を通過したレーザー光線を感光体64に導くときに使用するものである。
LSU31は、この図6に示すように、プレート(支持体)4上に載置されるようにして固定されている。具体的には、プレート4が、例えば画像形成装置69の奥側の側壁板から突出するように設けられており、そのプレート4の平面にLSU31が載置されるようにして固定されている。そして、このLSU31がプレート4に固定されるとき、本発明である調整板2によって、LSU31は角度調整された後にプレート4に固定されるようになっている。
図3は、LSU31、プレート4、および調整板2を表す斜視図であり、図4はプレート4および調整板2をより詳細に図示した斜視図である。また、図5はLSU31の底部を明示した斜視図である。
まず、プレート4とLSU31とが固定される機構について説明する。図3に示すように、プレート4には、そのプレート4の厚み方向に複数(例えば4箇所)のLSU固定ネジ穴51が設けられており、LSU31の底部には、そのLSU固定ネジ穴51に対応する箇所にボス41が設けられている。なお、これらのボス41は、LSU31の底部からLSU固定ネジ穴51の軸方向と同方向に向かって突出するように設けられており、全てのボス41の長手(ボス軸)は同じ長さになっている。
そして、それらのボス41には、LSU固定ネジ49を挿入できる挿入穴41a(41)が設けられている。そのため、LSU固定ネジ49が、LSU31の表側から底部側に向かって挿入穴41aに挿入され、さらに、プレート4のLSU固定ネジ穴51にねじ込まれることで(ネジ止めされることで)、LSU31は、プレート4に固定されるようになっている。なお、図5に示すように、ボス41がLSU31の底部から突出するように設けられている。そのため、LSU31がプレート4に固定されたとき、LSU31の底部はプレート4と接触しないようになっている。
また、ボス41の挿入孔41aの口径は、LSU固定ネジ49のネジ軸の直径よりも大きく(大口径に)なっている。そのため、LSU固定ネジ49のネジ頭49a(49)が、LSU31と接触するほど強固にネジ締めされない限り(仮締めの状態では)、LSU31は、プレート4上を水平方向に若干移動できるようになっている。
そこで、LSU31の底部の2箇所に設けられた位置決めピン42の一方42が、ある箇所にて回動可能(正逆方向に回転可能)にプレート4上に支持されるようにし、他方の位置決めピン42が、一方の位置決めピン42を中心として、プレート4上の水平方向において移動可能なようにする。すると、LSU31を所望量回転(回動)させて、角度調整ができることになる。なお、以降では、上述のように、ある箇所にて回動可能な位置決めピン42を基準位置決めピン(光照射ユニットの一端)42a(42)とし、プレート4上の水平方向に移動する位置決めピン42を移動位置決めピン(光照射ユニットの他端)42b(42)とする。
図3・図5に示すように、基準位置決めピン42aはLSU31(画像形成装置69)の手前側に、移動位置決めピン42bは奥側に、そのLSU31の底部から突出するように設けられる。そして、プレート4上には、この2箇所の位置決めピン42a・42bに対応する箇所に、位置決め穴26が設けられている。なお、基準位置決めピン42aに対応する位置決め穴26を基準位置決め穴26a(26)とし、移動位置決めピン42bに対応する位置決め穴26を移動位置決め穴26b(26)とする。
基準位置決め穴26aは、基準位置決めピン42aのピン軸の直径とほぼ同径になっている。そのため、基準位置決めピン42aが、基準位置決め穴26aに挿入されると、プレート4上の基準位置決め穴26aおいて回動可能に支持されるようになる。しかし、基準位置決めピン42aは、プレート4上の水平方向において移動できないようになる。
一方、移動位置決め穴26bは、移動位置決めピン42bのピン軸の直径よりも大きく(大口径に)なっている。そのため、移動位置決めピン42bは、基準位置決めピン42aを中心として、プレート4上の水平方向において移動可能なようになる。すると、LSU31は、図3に示すように、基準位置決めピン42aを中心として、プレート4上の水平方向において回動可能となる(図3の矢印参照)。
なお、基準位置決めピン42a・移動位置決めピン42bの長手(ピン軸)はともに、ボス41の長手(ボス軸)よりも長くなっている。そのため、LSU31がプレート4上に載置された状態、例えば仮締めの状態で、位置決めピン42a・42bが、位置決め穴26a・26bに挿入でき、LSU31の角度調整を行うことができるようになっている。
ここで、本発明の調整板(角度調整部材)2について説明する。図1は、プレート4上に調整板2が載置された状態を示す平面図である。図2(a)は調整板2の平面図であり、図2(b)は調整板2の載置されるプレート4の平面図である。図2(c)は位置決め治具(治具)3の斜視図である。
図2(c)に示す位置決め治具(凸状治具)3は、例えば円板上の本体3aと、その本体3aの両面に設けられた治具ピン3bとから構成されている。そして、この治具ピン3bが、後述するT扇穴12・P扇穴22の両方に挿入されることで、調整板2の回動移動量(回動量)が決定されるようになっている。
調整板2は、LSU31とプレート4との間に介在するように配設されている。より具体的には、調整板2は、移動位置決めピン42bと接触(係合)できるプレート4上の位置に配設されている。その上、調整板2は、プレート4上で回動可能に支持されている。そのため、調整板2が回動することで所望の位置に到達し、続いて固定された後、移動位置決めピン42bをその調整板2に係合させると、LSU31は、基準位置決めピン42aを中心として、プレート4上の水平方向において回動するようになる(図3矢印参照)。
調整板2は、例えば金属板であり、図2(a)に示すように、扇状の板状体からなる扇体2a(2)と、その扇体2aから延成(延びるように形成された)された梃子体2b(2)とから構成されている。そして、扇体2aには、支点ピン(支点)11、調整板用扇穴(T扇穴)12、および調整板用固定穴(T固定穴)15が設けられ、梃子体2bには、調整板用移動位置決めピン挿入穴(TIP挿入穴)16が設けられている。
一方、調整板2の取り付けられるプレート4には、図2(b)に示すように、支点ピン11の挿入されるプレート支点穴(P支点穴)21、プレート扇穴(P扇穴)22、プレート用固定ネジ穴(P固定ネジ穴)25、および上述した移動位置決め穴26bが設けられている。
支点ピン(支点軸部)11は、調整板2の支点となる箇所に設けられた突起状のピンであり、P支点穴21に挿入されるようになっている。そして、支点ピン11のピン軸の直径は、P支点穴21の口径とほぼ同径であるので、支点ピン11はP支点穴21に挿入されることで、プレート4上の水平方向において移動不可となるが、P支点穴21において回動できるようになる。すると、調整板2は、支点ピン11を中心として回転移動(正逆方向に回転移動;回動)できるようになる。
T扇穴(角度決定部)12は、支点ピン11を中心とする距離Mの半径からなる円(第1円)の円上(円軌跡上)に複数(例えば5つ)設けられており、位置決め治具3の治具ピン3bが挿入されるようになっている。なお、これらのT扇穴12における1つを基準のT扇穴12a(T扇穴(0)12a)とし、支点ピン11を中心とする調整板2の回動方向において、この基準のT扇穴(0)12aよりも、時計方向に順次位置するT扇穴12をT扇穴(+1)12b、T扇穴(+2)12cとする。さらに、この基準のT扇穴(0)12aよりも、反時計方向に順次位置するT扇穴12をT扇穴(−1)12d、T扇穴(−2)12eとする。
また、これらのT扇穴12(12a・12b・12c・12d・12e)の口径は、位置決め治具3の治具ピン3bのピン軸の直径とほぼ同径となっている。そして、T扇穴12と支点ピン11とを結ぶラインを第1ラインM’とし、このラインの距離が距離Mとなっている。
一方、P扇穴(連合部;T扇穴12と組み合わされる(対応する)部材)22は、P支点穴21を中心とする距離Mの半径からなる円(第1円)の円上(円軌跡上)に、T扇穴12と同数設けられており、T扇穴12に挿入された位置決め治具3の治具ピン3bが、さらに挿入されることで、両者(T扇穴12・P扇穴22)が重なり合うようになっている(組み合わさるようになっている)。なお、これらのP扇穴22は、T扇穴12(12a・12b・12c・12d・12e)と同様な配置となっており、P扇穴(0)22a、P扇穴(+1)22b、P扇穴(+2)22c、P扇穴(−1)22d、P扇穴(−2)22eから構成されている。
ただし、P扇穴22(22a・22b・22c・22d・22e)は、T扇穴12(12a・12b・12c・12d・12e)と同様な配置になっているものの、各穴の中心がずれているものもある。図1〜図3に示すように、T扇穴12の中心を「●」、P扇穴22の中心を「◇」とする。すると、図1に示すように、T扇穴(0)12aおよびP扇穴(0)22aの中心13a・23aは同位置となっているが、その他のT扇穴12(12b・12c・12d・12e)およびP扇穴22(22b・22c・22d・22e)の中心13(13b・13c・13d・13e)・23(23b・23c・23d・23e)は、ずれている(オフセットしている)。
具体的には、P扇穴(+1)22b・P扇穴(+2)22cの中心23b・23cは、T扇穴(+1)12b・T扇穴(+2)12cの中心13b・13cに対して、P支点穴21(支点ピン11)を基準とする回動方向において時計回転方向にずれるようになっており(オフセットの向きが時計回転方向になっており)、P扇穴(−1)22d・P扇穴(−2)22eの中心23d・23eは、T扇穴(−1)12d・T扇穴(−2)12eの中心13d・13eに対して、P支点穴21(支点ピン11)を基準とする回動方向において反時計回転方向にずれるようになっている(オフセットの向きが反時計回転方向になっている)。
そのため、例えばT扇穴(+2)12cとP扇穴(+2)22cとが重ね合わされ、位置決め治具3の治具ピン3bが挿入されると、T扇穴(+2)12cの中心13cとP扇穴(+2)22cの中心23cとの差分量(回動した移動量、すなわちオフセット量;ΔH)だけずれるようになる。つまり、調整板2は、T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aの位置(デフォルト位置)から、P支点穴21(支点ピン11)を基準とする回動方向において、ΔHだけ時計方向にずれるようになる(回動するようになる)。
なお、P扇穴22は、T扇穴12と重ね合わされた状態で、位置決め治具3の治具ピン3bを挿入されることを考慮して、T扇穴12の直径と同じ幅を有する長穴状となっており、その長穴の延びている方向は、P支点穴21を基準とした放射方向に延びている。
調整板用固定穴(T固定穴)15およびプレート用固定ネジ穴(P固定ネジ穴)25は、調整板2をプレート4上に固定するための調整板固定ネジ19(固定部;図4参照)を挿入できる穴である。つまり、調整板固定ネジ19が、調整板2のT固定穴15に挿入され、さらに、プレート4のP固定ネジ穴25にねじ込まれることで、調整板2は、プレート4に固定されるようになっている。したがって、上述のように、T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22a以外のT扇穴12(12b・12c・12d・12e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)と(例えばT扇穴(+2)12cとP扇穴(+2)22cと)が重ね合わされ、位置決め治具3の治具ピン3bが挿入されることで、調整板2は所望の移動量回動し、その状態で調整板2がプレート4上に固定されるようになっている。
なお、T固定穴15は、調整板固定ネジ19のネジ軸の直径とほぼ同径であるP固定ネジ穴25の口径と同じ幅を有する長穴状である。さらに、T固定穴15は、調整板2が移動(回動)することを考慮して、長穴の延びている方向は、T支点ピン11を基準とした回動方向に延びている。
調整板用移動位置決めピン挿入穴(TIP挿入穴;係合部)16は、LSU31の移動位置決めピン42bを挿入(係合)するための穴であり、支点ピン11を中心とする距離Nの半径からなる円(第2円)の円上(円軌跡上)に設けられている。また、このTIP挿入穴16は、2箇所の位置決めピン42a・42b間の距離寸法バラツキと、および基準位置決め穴26aとTIP挿入孔16との間の距離寸法バラツキと、調整板2の回動によるピッチ変動による干渉とを避けるために、移動位置決めピン42bのピン軸の直径とほぼ同径の幅を有する長穴となっている。なお、長穴の延びている方向は、P支点穴21を基準とした放射方向に延びている。
また、TIP挿入穴16と支点ピン11とを結ぶラインを第2ラインN’とし、このラインの距離が距離Nとなっている。なお、距離N(半径N)は、上述の距離M(半径M)よりも短くなっている(M>N)。その上、第1ラインM’と第2ラインN’とによって形成される角度は、90°以上(鈍角)となっている。
一方、移動位置決め穴26bは、TIP挿入穴16に挿入された移動位置決めピン42bが、さらに、挿入される穴である。なお、上述のように、調整板2は、支点ピン11を中心として回動するようになっているため、TIP挿入穴16に挿入された移動位置決めピン42bが、調整板2の回動に応じて位置を変更するようになる。そのため、移動位置決めピン42bが、移動位置決め穴26bと接触し、LSU31の移動(回動)を妨げないように、その移動位置決め穴26bは、移動位置決めピン42bのピン軸の直径よりも大きく(大口径に)なっている。なお、移動位置決め穴26bは、P支点穴21を中心とする距離Nの半径からなる円(第2円)の円上(円軌跡上)に設けられている。
LSU31は、上述したように、LSU31は、基準位置決めピン42aを中心として、プレート4上の水平方向において移動可能となっている。そのため、調整板2が、位置決め治具3によって、T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aの位置(デフォルト位置)から、P支点穴21(支点ピン11)を基準とする回動方向において時計方向または反時計方向にずれるようにして固定されると、調整板2のTIP挿入穴16に移動位置決めピン42bが挿入(係合)されることは、すなわち、LSU31も水平方向において移動するようになる(回動するようになる)。つまり、LSU31が角度調整されることになる。
ここで、調整板2の調整手順(角度調整方法)について説明する。
以下は、調整板2の調整手順である。
〈ステップ1〉…調整者が、調整板2に設けられた支点ピン11を、P支点穴21に嵌め込み、プレート4上に調整板2を載置する。なお、上述したように、調整板2は支点ピン11を中心に回動できるようになっている。
〈ステップ2〉…T扇穴12とP扇穴22とを重なるようにするため、調整者が調整板2を移動(回動)させる。
〈ステップ3〉…調整者が、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴12(12a・12b・12c・12d・12eのいずれか)・P扇穴22(22a・22b・22c・22d・22eのいずれか)に差し込む。なお、T扇穴12(0)12a・P扇穴(0)22a等の1つの対が、デフォルト位置となっている場合に、調整板2が既にデフォルト位置にてプレート4上に固定されていれば、ステップ1の動作は不要となり、調整板固定ネジ19を外して、ステップ2から開始する。したがって、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴12(12b・12c・12d・12eのいずれか)・P扇穴22(22b・22c・22d・22eのいずれか)に差し込むようになる。
〈ステップ4〉…調整者が、T固定穴15に、調整板固定ネジ19を挿入し、さらに、P固定ネジ穴25に、その調整板固定ネジ19をねじ込んで(ネジ止めして)、調整板2をプレート4に固定する。
〈ステップ5〉…調整者が、位置調整治具3を引き抜く。
〈ステップ6〉…調整者が、基準位置決め穴26aに基準位置決めピン42aを挿入し、TIP挿入穴16に移動位置決めピン42bを挿入し、さらに、移動位置決め穴26bにも挿入する。
以上のステップによって、調整板2の角度調整が完了し、その後、LSU31が、LSU固定ネジ49によってプレート4上に固定されるようになっている。
ここで、調整された調整板2のTIP挿入穴16に移動位置決めピン42bを挿入して、LSU31をプレート4に固定した状態について、図7を用いて説明する。
例えば、上記のステップ2(S2)において、T扇穴(0)12aとP扇穴(0)22aとを重ねるようにして、調整者が、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aとに差し込み(S3)、S4〜S5を経て、LSU31をプレート4上に固定したとき、理想的にLSU31が感光体軸と平行関係であれば、図7(a)のようになる。なお、図中の点線は、LSU31からの光線の通路となるスリット(不図示)の長手方向を表している。
しかしながら、上記のステップ2(S2)において、T扇穴(+2)12cとP扇穴(+2)22cとを重ねるようにして、調整者が、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22cとに差し込み(S3)、S4〜S5を経て、LSU31をプレート4上に固定する。すると、調整板2は、支点ピン11を中心に、T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aの位置(デフォルト位置;基準位置)から時計方向(実線矢印参照)に回転してプレート4上に固定されているため、LSU31も、図7(a)の位置からずれてプレート4上に固定されることになる。より詳説すると、図7(b)に示すように、LSU31は、基準位置決めピン42aを中心とした回動方向において、反時計方向(破線矢印参照)に移動(回転)して固定されるようになる。
一方、上記のステップ2(S2)において、T扇穴(−2)12eとP扇穴(−2)22eとを重ねるようにして、調整者が、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴(−2)12e・P扇穴(−2)22eとに差し込み(S3)、S4〜S5を経て、LSU31をプレート4上に固定する。すると、調整板2は、支点ピン11を中心に、T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aの位置(デフォルト位置)から反時計方向(実線矢印参照)に回転してプレート4上に固定されているため、LSU31も、図7(a)の位置からずれてプレート4上に固定されることになる。より詳説すると、図7(c)に示すように、LSU31は、基準位置決めピン42aを中心とした回動方向において、時計方向(破線矢印参照)に移動(回転)して固定されるようになる。
このように調整板2を用いて、LSU31の角度調整が行われると、プリント画像上における所定の直角度(許容誤差範囲内の直角度)が得られるように調整できるようになる。
直角度とは、感光体64とLSU31の光線(レーザー光線等)の走査線の位置関係によって定まるものであり、LSU31や画像形成装置69のフレームの歪みや給紙搬送要因(例えば用紙の搬送角度)等が無いと仮定すると、理想的に感光体64の回転方向(プリント画像における副走査方向)に対して、直角にレーザー光線を走査することができれば、直角度は保たれることになる(許容誤差範囲内の直角度になる。または、理想的に直角度≒0mmとなる)。
直角度は、例えばA3用紙と同サイズの半透明のシート等に所定の矩形(幅S(例えば250mm)、長さT(例えば375mm))の描かれたテストチャートを原稿として、画像形成装置69で印刷し、そのプリント画像シートと半透明のテストチャートとを重ね合わして比較することで求められる。
図8(a)は、テストチャート71を示している。そして、このテストチャート71には、頂点J1・J2・J3・J4から構成される基準矩形72が描かれている。なお、テストチャート71・基準矩形72は、便宜上、破線にて図示されている。図8(b)は、このテストチャート71を画像形成装置69によって印刷したプリント画像シート81である。そして、このプリント画像シート81上には、基準矩形72が印刷されている。なお、印刷された基準矩形72はプリント矩形82とし、基準矩形72を構成する頂点J1・J2・J3・J4と対応する、頂点J’1・J’2・J’3・J’4から構成されている。
ところで、図8(b)は、直角度の保たれた状態で、画像形成装置69によって印刷されたプリント画像シート81である。そのため、図8(c)のように、プリント画像シート81にテストチャート71を重ね合わせても、基準矩形72の頂点J1・J2・J3・J4は、プリント矩形82の頂点J’1・J’2・J’3・J’4と重なるようになる(直角度≒0mm)。なお、図8(c)では、視認し易いように、基準矩形72およびプリント矩形82のみを図示し、基準矩形72の破線と、プリント矩形82の実線とが重なり合わないように図示している。
しかしながら、図8(a)と同じテストチャート71(図9(a)参照)を、直角度の保たれていない状態で、画像形成装置69によって印刷すると、図9(b)のように、プリント矩形82が平行四辺形のように印刷されたプリント画像シート81となる。すると、図9(c)に示すように、基準矩形72の頂点J1・J2を結ぶラインと、プリント矩形82の頂点J’1・J’2を結ぶラインとを重ねるようにすると、基準矩形72の頂点J3・J4と、プリント矩形82の頂点J’3・J’4とが重ならないようになり、ずれが生じることになる。また、図9(d)に示すように、基準矩形72の頂点J3・J4を結ぶラインと、プリント矩形82の頂点J’3・J’4を結ぶラインとを重ねるようにすると、基準矩形72の頂点J1・J2と、プリント矩形82の頂点J’1・J’2とが重ならないようになり、ずれが生じることになる。なお、図9(c)・(d)では、視認し易いように、基準矩形72およびプリント矩形82のみを図示し、基準矩形72の破線と、プリント矩形82の実線とが重なり合わないように図示している。
このようなずれの距離が、直角度と定義される。したがって、直角度を許容誤差の範囲内に収めようとするならば、上述のような調整板2を用いて、LSU31の角度調整を行い、感光体64の回転方向(プリント画像における副走査方向)に対して、ほぼ直角にレーザー光線を走査することができるようにすればよい。
例えば、直角度を許容誤差の範囲内に収めようとするならば、調整板2の回動量、すなわちデフォルト位置であるT扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aから、T扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22c等へ調整板2を回動させたときの、回動した移動量(ΔH)と、直角度との関係を定義する必要がある。
例えば、調整板2がデフォルト位置のとき、直角度が0.75mm生じていたとする。そして、この直角度を許容誤差範囲内の±0.3mmに収めようとする。そこで、上記のようなΔHと直角度との関係があれば、例えば直角度で0.5mmに相当する回動移動量(ΔH)を確保できるT扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22c等を調整板2に設けることができるためである。
回動した移動量(ΔH)と、直角度との関係は下記の式にて定義できる。
直角度=ΔH×(N/M)×(S/P)×(T/S)
=ΔH×(N/M)×(T/P)
なお、各記号は、
ΔH…デフォルト位置から調整板2の回動した移動量
M…T扇穴12の中心13と支点ピン11の中心との距離
N…支点ピン11の中心と調整板用移動位置決めピン挿入穴(TIP挿入穴)16の中心との距離
P…基準位置決めピン42aと移動位置決めピン42bとの距離(後述の図10参照)
S…感光体64上において、LSU31のレーザー光線が走査する距離、すなわち主走査方向の距離(主走査ライン;図10参照)。したがって、テストチャート71における主走査方向を表す基準矩形72のJ1・J2またはJ3・J4の距離(基準矩形72の幅)ともいえる(図8(a)・図9(a)参照)
T…テストチャート71の基準矩形72の長さ(図8(a)・図9(a)参照)
を表している。
ここで、図10を用いて、上記関係式について説明する。図10(a)は、デフォルト位置にて固定されたLSU31で、テストチャート71を印刷しようとする状態を上方からみた平面図であり、図10(b)は、図10(a)における上記各記号に対応するラインを抽出して示した説明図である。図10(c)は、LSU31が、調整板によって回動したときに、テストチャート71を印刷しようとする状態を示す説明図であり、図10(d)は、図10(c)の状態で印刷されたプリント画像シート81を示している。図10(e)は、図10(d)のプリント画像シート81のプリント矩形82と、テストチャート71の基準矩形72とを比較している状態を示す説明図である。なお、図10(e)では、視認し易いように、基準矩形72およびプリント矩形82のみを図示し、基準矩形72の破線と、プリント矩形82の実線とが重なり合わないように図示している。
図10(c)に示すように、調整板2におけるT扇穴12をデフォルト位置からΔH移動(回動)させたとき、TIP挿入穴16(移動位置決めピン42b)もその回動に連動して回動する。そして、その回動量(TIP挿入穴の回動量)は、以下の式にて表される。
ΔH:M=TIP挿入穴の回動量:Nより、
TIP挿入穴の回動量=(ΔH×N)/M
そして、TIP挿入穴16が回動するということは、TIP挿入穴16に係合された移動位置決めピン42bが、基準位置決めピン42aを中心に回動することにもなる。その結果、LSU31が回動することになるので、主走査ラインも回動する(傾く)ことになる。すると、主走査ラインの回動量は、以下の式にて表される。
P:(ΔH×N)/M=S:主走査ラインの回動量より、
主走査ラインの回動量=(ΔH×N×S)/(M×P)
そして、図10(d)のように、プリントされた画像(プリント画像シート81)のプリント矩形82と、テストチャート71の基準矩形72とを図10(e)のように比較して、直角度を求めると、直下度は、以下の式にて表される。
S:(ΔH×N×S)/(M×P)=T:直角度より、
直角度=[{(ΔH×N×S)/(M×P)}×T]/S
=[{(ΔH×N×S)×T}/(M×P)]/S
=[{(ΔH×N)×T}/(M×P)]
=ΔH×(N/M)×(T/P)
そして、上記の直角度、N、M、P、S、Tは、あらかじめ任意に定めることができる。したがって、任意に定められた数値を代入することで、ΔHを求めることができる。その結果、直角度に応じたΔHを確保できるT扇穴12・P扇穴22を、調整板2・プレート4上に設けておけば、位置決め治具3の治具ピン3bをT扇穴12・P扇穴22(例えばT扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22c)に挿入して、調整板2を回動させ、さらにLSU31を固定して、所望量、直角度を変化させることができる。そのため、図11に示すような関係表を得ることができる。
以上のように、本発明の調整板2は、LSU31に設けられた基準位置決めピン42aを回動可能に支持するとともに、移動位置決めピン42bを移動可能に支持するプレート4に対し、そのLSU31の角度調整を行うために、プレート4に取り付けられている。そして、調整板2は、その調整板2に設けられた支点(例えば支点ピン11)を中心に回動可能なようにプレート4に支持されている。さらに、調整板2には、T扇穴12が設けられるとともに、移動位置決めピン42bと係合するTIP挿入穴16が設けられている。そして、T扇穴12が、支点を中心として回動すると、TIP挿入穴16も連動して支点を中心として回動する。すると、このTIP挿入穴16の回動に連動して、TIP挿入穴16に係合した移動位置決めピン42bが、基準位置決めピン42aを中心として回動する。その結果、LSU31に回動が生じるようになっている。
これによると、調整板2は、支点ピン11を中心として回動するようになっているとともに、LSU31がその調整板2に係合するようになっている。そのため、調整板2の角度を調整するだけで、LSU31の角度調整を行うことができる。例えば組み立て時や修理時、交換時の光照射ユニットの角度調整を小さな力でスピーディに行うことができる。
また、本発明の調整板2では、調整板2には、支点となる支点ピン11が設けられ、その支点ピン11が調整板2の回動中心としてプレート4に支持されるようになっている。
そのため、1枚状の調整板2とピン(支点ピン11)とから構成される簡単な構造となり、調整板2のコストが抑えられる。
また、本発明の調整板2では、T扇穴12は、支点を中心とする第1円の円上に設けられる一方、TIP挿入穴16、支点を中心とし、上記第1円の半径よりも短い半径から構成される第2円の円上に設けられている。さらに、調整板2上の第1円の円上におけるT扇穴12と支点(例えば支点ピン11)とを結ぶ第1ラインと、第2円の円上におけるTIP挿入穴16と支点ピン11とを結ぶ第2ラインとによって形成される角度が、90°以上である。
そのため、調整板2は、支点(例えば支点ピン11)を中心として回動するようになっている。そして、移動させたいLSU31(移動位置決めピン42b)が係合しているTIP挿入穴16から支点ピン11までの距離(距離N)と、支点ピン11からT扇穴12までの距離(距離M)とが異なっている。具体的には、距離Mの方が距離Nよりも長くなっている。そのため、例えば調整者による支点ピン11を中心としたT扇穴12を回動させる力が小さくとも、梃子の原理により、質量の重いLSU31を充分に移動(回動)させることができる。その上、支点ピン11を中心としてT扇穴12を回動させる力が、梃子の原理に基づいて、効率よく、移動位置決めピン42b(LSU31)を移動させる力に転換させることができる。
また、本発明の調整板2では、調整板2には、第1円の円上にT扇穴12が複数設けられる一方、プレート4には、T扇穴12に係合するP扇穴22が複数設けられている。その上、それらのP扇穴22の各々(22a・22b・22c・22d・22e)は複数のT扇穴12(12a・12b・12c・12d・12e)の各々と対応して対になっている(例えばT扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22cの対)。そして、複数あるT扇穴12とP扇穴22とからなる対の1つの対(例えばT扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aの対)においては、T扇穴(0)12aの中心13aと、P扇穴(0)22aの中心23aとが一致するようにし、基準位置(デフォルト位置)としている。
一方、複数の対12・22における残りの対(T扇穴12(12b・12c・12d・12e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)との対)においては、T扇穴12(12b・12c・12d・12e)の中心13(13b・13c・13d・13e)と、P扇穴22(22b・22c・22d・22e)の中心23(23b・23c・23d・23e)とがオフセットするようになっている。
そして、残りの対(T扇穴12(12b・12c・12d・12e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)との対)を選択して、オフセットされたT扇穴12(12b・12c・12d・12e)の中心13(13b・13c・13d・13e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)の中心23(23b・23c・23d・23e)とを一致させることにより、T扇穴12が、支点(例えば支点ピン11)を中心として、デフォルト位置から回動するようになっている。
そのため、あらかじめ定めたオフセット量(ΔH)に基づいて、T扇穴12・P扇穴22の位置が決定されるようになる。したがって、T扇穴12・P扇穴22の対(例えばT扇穴(+2)12c・P扇穴(+2)22cの対)を選択するだけで、LSU31の角度調整を行うことができる。したがって、例えば組み立て時や修理時、交換時のLSU31の位置決めをスピーディに行うことができる。
また、本発明の調整板2では、残りの対(T扇穴12(12b・12c・12d・12e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)との対)において、T扇穴12(12b・12c・12d・12e)の中心13(13b・13c・13d・13e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)の中心23(23b・23c・23d・23e)とのオフセット量が、複数種類ある。
そのため、異なるオフセット量(ΔH)に基づいて、T扇穴12(12b・12c・12d・12e)・P扇穴22(22b・22c・22d・22e)の位置が決定されるようになる。したがって、目的のLSU31の角度、ひいては目的の直角度を得られるT扇穴12・P扇穴22の対を選択すればよく、何度も試し動作をさせながら最適位置を探る調整ネジ方式の調整板2に比べて、調整作業がスピードアップする。
また、本発明の調整板2では、残りの対(T扇穴12(12b・12c・12d・12e)とP扇穴22(22b・22c・22d・22e)との対)において、T扇穴12の中心13に対する、P扇穴22の中心23のオフセットの向きを、支点(例えば支点ピン11)を中心とした回動方向における時計回転方向または反時計回転方向としている。
そのため、支点(例えば支点ピン11)を中心として、デフォルト位置(T扇穴(0)12a・P扇穴(0)22a)から時計回転方向に位置するP扇穴(+1)22b・P扇穴(+2)22cの中心23b・23cは、T扇穴(+1)12b・T扇穴(+2)12cの中心13b・13cに対して、時計回転方向にずれるようにできる。また、支点ピン11を中心として、デフォルト位置から反時計回転方向に位置するP扇穴(−1)22d・P扇穴(−2)22eの中心23d・23eは、T扇穴(−1)12d・T扇穴(−2)12e・の中心13d・13eに対して、反時計回転方向にずれるようにできる。このように、相反する向きにオフセットさせておくと、1方向(例えば時計回転方向)のみの回転ではなく、両方向(時計回転方向・反時計回転方向;正逆方向)に回動させることができる。
また、本発明の調整板2では、調整板2をプレート4に固定させる調整板固定ネジ19が備えられている。
そのため、TIP挿入穴16を介して移動位置決めピン42bの繋がる調整板2が、プレート4上に強固に固定される。したがって、調整板2が不動となるところ、LSU31も不動となり、所望の角度調整後に移動を生じ得ないようにすることができる。
また、本発明の角度調整方法では、調整板2のT扇穴12と、プレート4のP扇穴22とを治具により連結させるとともに、この位置決め治具3をプレート4に差し込み装着(挿着)させることで、調整板2を、支点ピン11を中心に回動させることができる。
そのため、T扇穴12・P扇穴22の対を選択し、これらを単に位置決め治具3により連結(例えば係合)させるだけで、調整板2は回動する。そのため、調整板2のTIP挿入穴16に係合するLSU31の角度調整を一定の確実性をもって行うことができる。つまり、例えば組み立て時や修理時、交換時の光照射ユニットの位置決めをスピーディに行うことができる。
また、本発明の画像形成装置69では、LSU31(または後述するLEDプリントヘッド)は、調整板2を用いて装着されている。
そのため、コストの安い調整板2により短時間で確実にLSU31が角度調整されることになり、トータルでコストの安く位置精度の優れたLSU31(またはLEDプリントヘッド)を搭載する画像形成装置となる。
ところで、図12(a)に示すように、支点ピン11を中心とした半径Mの円(第1円)上に設けられたT扇穴12に加え、支点ピン11を中心として、半径M’(半径M>半径M’)上にT’扇穴12’を設けてもよい。なお、図12(b)は、図12(a)の調整板2が取り付けられるプレート4の平面図であり、T’扇穴12’に対応するP’扇穴22’が図示されている。
このように、調整板2上に数多くのT扇穴12・T’扇穴12’を設け、さらに、デフォルト位置以外のT扇穴12・T’扇穴12’とP扇穴22・P’扇穴22’とのΔHを複数種類に設定しておけば、目的のLSU31の角度、ひいては目的の直角度を得られるT扇穴12・P扇穴22の対およびT’扇穴12’・P’扇穴22’の対の選択幅を広げることができる。
ところで、本発明の調整板2では、例えば図13・図14に示すように、調整板2が、支点ピンを設けずに、貫通穴11’を設けた調整板2であることも考えられる。
このような、支点ピンを設けず貫通穴11’を設けた調整板2は、簡単なプレスの打ち抜き構造のため、一層コストを削減できる。
図13(a)は貫通穴11’を設けた調整板2の平面図であり、図13(b)は貫通穴11’を設けた調整板2の取り付けられるプレート4の平面図であり、図13(c)は貫通穴11’を設けた調整板2をプレート4に取り付けるための位置決め治具3の斜視図である。そして、図14は、貫通穴11’を設けた調整板2を、位置決め治具3のを用いて、プレート4に取り付けた状態を示す平面図である。なお、図14では、便宜上、プレート4に設けられている各穴を省略している。
これらの図に示すように、貫通穴11’が調整板2の回動中心となるように、位置決め治具3の治具支点用ピン(凸状治具)3c(3)がその貫通穴11’に挿入されながら、プレート4に設けたP支点穴21に挿入されることで、調整板2はプレート4に取り付けられる(挿着される)。
そして、この図13(c)に示すように、本体3aにおいて治具支点用ピン3cが設けられている側に、さらに治具ピン3bを設けておけば、プレート4に対する調整板2の取り付けと、角度調整とを同時に行うことができる(図14参照)。
ただし、調整板2を完全にプレート4に固定するときには、支点ピンが調整板2に存在しないことから、水平方向の移動を防止するため、複数の調整板固定ネジ19を取り付ける(螺合させる)方が好ましい。なお、これらの調整板固定ネジ19を取り付けるとき、位置決め治具3と接触させないようにする必要がある。そのため、位置決め治具3の治具ピン3b・治具支点用ピン3cが、T扇穴12・貫通穴11’に嵌め込まれている状態で、調整板用固定穴(T固定穴)15と重ならないように変形した本体3a(くりぬき状の部分を有する本体3a)であることが好ましい。
また、位置決め治具3の本体3aの両面に、治具ピン3b・治具支点用ピン3cを設けておけば、図15に示すように、どのT扇穴12にも使用可能な位置決め治具3となる。なお、上記のような(図13〜図15参照)、貫通穴11’を設けた調整板2であっても、上述の支点ピン11を設けた調整板2(図1〜図12参照)と同様の作用・効果を得られることは言うまでもない。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えばLSU31以外にも、LEDプリンタヘッド(LPH;回動ユニット)の角度調整にも使用可能である。また、デフォルト位置はT扇穴(0)12a・P扇穴(0)22aに限定されることなく、種々の位置で設定できる。
さらに、上述の説明では、T扇穴12・P扇穴22をともに穴状のものとして、位置決め治具3を介して、T扇穴12・P扇穴22を重ね合わせる(組み合わせる)ようにしているが、これに限定されるものではない。例えばT扇穴を凸状片可動部とし、P扇穴を凹状部として、両者(凸状片可動部・凹状部)を重ね合わせる(組み合わせる)ときに限って適宜、凸状片可動部の凸状片が、プレート側に向かって突出するようにし、凹状部に嵌め合うような方式をとっても構わない。このような方式であれば、位置決め治具3は不要となる。
また、調整板固定ネジ19で調整板2をプレート4に螺合させなくても、支点ピン11がP支点穴21に強固に装着(挿入されて取り付けられている;挿着)されて、意に反する回動を起こさないようであれば、調整板固定ネジ19は不要となる。