JP4175939B2 - 精密基板収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンやガラスなどの半導体ウェーハ又は、マスクガラス等の精密基板の収納、精密基板の輸送、保管、精密基板の加工等に使用される精密基板収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体業界では、生産量をより一層向上させるため、口径が300mmとう大口径のシリコンウェーハやガラスウェーハからなる精密基板(以下、基板とだけ記す)が使用され始めている。こうした基板は水平方向に支持しても垂直方向に支持しても自重で撓んでしまうので、破損しないよう所定の基板収納容器に収納して安全に取り扱われている。
【0003】
従来の基板収納容器は、図11を参照して説明すると、複数の基板を整列収納する容器本体30と、この容器本体の開口端面を開閉する蓋体31と、この蓋体31の閉鎖時に容器本体と蓋体との間に介在してシールを形成するシールガスケット32とが設けられている。容器本体30は、その内部両側に基板Wを水平に支持する支持部材33が配設され、内部背面にはリアリテーナ34が設けられている。このリアリテーナ34は、基板Wの後部周縁を支持し、基板Wのローディングの際に、基板Wの載置位置を決定する。また、蓋体31の内面には、基板Wの前部周縁を個別に支持するフロントリテーナ35が装着されている。
【0004】
これらリアリテーナ34とフロントリテーナ35とは、基板Wに接触して保護する観点から支持部材33に比べて、より柔軟性を有する材料を使用して形成され、基板Wとの接触部には複数の収納溝が所定の間隔で並併されている。各収納溝は斜面からなる断面略U字形あるいは略V字形に形成され、中心高さが支持部材33の基板載置位置から高い位置に設定されており、蓋体31の閉鎖時に基板Wが支持部材33から僅かに持ち上げられる際、基板Wと支持部材33との接触摩擦を減少させ、摩耗紛による基板の汚染を抑制防止するよう機能する(特許文献1参照)。
【0005】
なお、基板Wは基板収納容器30からの取り出しや挿入に関し、生産工程では自動機により水平に取り扱われる。しかしながら、検査等の特別な工程では容器本体の開口正面が上方に向けられ、 基板Wが垂直方向に起立した状態で手動あるいは自動で取り扱われる。この場合には、蓋体31が取り外されると、基板Wは下方に位置するリアリテーナ34のみで支持されることとなる。
【0006】
また、従来の他の基板収納容器について、図11を参照して説明すると、基板収納容器30の内部両側壁には、複数枚の基板Wを整列収納する支持部材33が設けられ、この支持部材33の正面側には収納された基板Wの飛び出しを規制する脱着可能な規制具が設けられており、規制具は、支持プレートに弾性アーム36を設けたもである(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−315721号公報(明細書の段落番号〔0020〕から〔0022〕,図1)
【特許文献2】
特開2002−110776号公報(明細書の全文,図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の基板収納容器では、図12に示したように、基板収納容器30の蓋体31を取り除いて容器本体の開口端面17´を天側に向けて載置したときに、隣接する基板W同士が接触するおそれがある。この状態では、基板Wのほぼ最下部に位置するリアリテーナ34の溝が基板Wの動きを規定しているが、リアリテーナ34の溝が通常大きく開口するV字型に形成されており、基板Wがどちらに倒れるのかは規制することができないので、隣接する基板Wが互いに接近する方向に倒れ込んだ場合には基板Wの先端同士が接触するという問題があり、従来の基板収納容器の形状では、基板Wの接触を完全に防止することが困難であった。
【0009】
こうした精密基板の接触を防止する為には、容器本体の開口端面にサポート部材を取り付け、これを利用して基板の接触を防止することが提案されていたが、別部材であるサポート部材を、容器本体に取り付けたり取り外したりする作業が必要であり、特に容器本体に別部材を取り付けると洗浄後の乾燥時間が長く掛かるなどの作業効率が悪くなる問題があった。
【0010】
さらに、上記の基板収納容器は開口端面が正面を向いた状態と開口端面が上を向いた状態で取り扱いが行われており、両方の取り扱いに対して人手で安定的に基板収納容器をハンドリングし得る必要があった。しかしながら、従来の基板収納容器では、その側壁に容器本体の開口端面が正面を向いた状態(基板が水平に支持された状態)でのハンドリングを考慮したグリップ部しか取り付けられていただけであったので、基板収納容器のハンドリングに支障をきたすと言った問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、容器本体の開口を上向きにして基板を垂直方向に立てて取り扱うときにも、基板同士が接触したり、破損したりするのを防止することができ、生産性が良く支持リブの寸法精度の良い基板収納容器を提供することを目的としている。また、基板収納容器が異なる2方向でハンドリングされても安定的にグリップ可能なハンドルを備えた精密基板収納容器を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解消したものであって、請求項1の発明は、精密基板を収納する容器本体の開口端面を蓋体で覆う精密基板収納容器において、前記容器本体には収納された1又は複数の精密基板を支持する支持部材が設けられ、前記蓋体には前記精密基板を蓋体側から保持するためのV溝を備えるフロントリテーナが設けられ、前記支持部材が前記容器本体の相対する側壁内面に精密基板を支持する支持リブと、該支持リブの表側の奥部壁面に前記精密基板のリア側を保持するくの字状の傾斜面を有する保持溝とで形成され、かつ前記支持リブの裏側の面の該支持リブの先端部には、前記容器本体の開口端面を天側に向けたときに前記精密基板の不規則な倒れ込みを防止する位置制御突起が設けられ、前記保持溝は前記支持部材の最奥に挿入された前記精密基板の最奥部下端から該精密基板の直径の1/4以上開口部側に該精密基板の直径方向に寄った位置に設けられることを特徴とする精密基板収納容器である。
【0013】
請求項1の発明では、精密基板を整列収納する支持部材を備えた容器本体に位置制御突起を設けたものであって、支持部材に支持されて収納されている精密基板が位置制御突起によって、不規則に倒れ込むのを防止して、一方向しか倒れ込まないようにしており、精密基板の不規則な倒れ込みを規制することで、精密基板同士が接触して破損や汚染するのを解消することができる作用を有する。なお、位置制御突起は、支持部材や容器本体内又は容器本体外の何れでもいよが、容器本体内や支持部材に一体に設けるのが最も好ましい。
【0014】
また、請求項2の発明は、前記位置制御突起は、前記精密基板の最奥部下端から該精密基板の直径方向で該精密基板の直径の3/4以上開口部側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の精密基板収納容器である。
【0015】
請求項2の発明では、前記位置制御突起は、前記精密基板の最奥部下端から該精密基板の直径方向で該精密基板の直径の3/4以上開口部側の位置に設けられて精密基板の破損を防止することができる。
【0016】
また、請求項3の発明は、前記容器本体の奥壁部には前記精密基板を収納するリア溝が形成され、該リア溝には精密基板収容容器の開口端面を上向きにしたときに、基板の倒れ方向を一定にするための規制部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の精密基板収納容器である。
【0017】
請求項3の発明では、基板収納容器の開口端面を上向きに基板Wを支持する際にもリア溝に設けた規制部により基板倒れ方向を一定にすることができるので、精密基板の破損を防止できる
【0018】
また、請求項4の発明は、前記支持リブの周縁部が、中央に直線部を有し、該直線部が両端部と連なっていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の精密基板収納容器である。
【0019】
請求項4の発明では、支持リブの周縁部の中央に直線部を設けることによって、支持リブの梁としての機能を有し、構造的に強度が増し、成型時の中側への収縮が防止できるので、成型精度を高めることができる作用を有する。
【0020】
また、請求項5の発明は、前記容器本体の両外壁部に略L字形状の把持部を設けて、ハンドリング時、収納された精密基板が略水平又は垂直に支持されるようにしたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の精密基板収納容器である。
【0021】
請求項5の発明では、前記容器本体の両外壁部に略L字形状の把持部が設けられており、把持部がL字形であるので、容器本体の底面に平行なL字形状部分を把持することによって、容器本体の基板を水平状態に搬送できるし、また、容器本体の底面に垂直なL字形状部分を把持することによって、精密基板を垂直状態で搬送できる作用を有し、ハンドリングが容易になるととに、把持部の外観形状が他の精密基板収納容器とは異なるので、精密基板収納容器の取り扱い時の開口端面を上向きに載置可能な容器の区別が明確なものとなる作用を有する。
【0022】
さらに、本発明について説明すると、精密基板が、少なくとも電気、電子、若しくは半導体等の製造分野で使用される単数複数(例えば、13枚又は25枚)の液晶セル、石英ガラス、半導体ウェーハ(シリコンウェーハ等)、又はマスク基板等が含まれる。精密基板が半導体ウェーハの場合、大口径(例えば、200mm〜300mm以上)の半導体ウェーハが当然に含まれる。また、容器本体や蓋体は、ポリカーボネート、アクリルニトリル、ポリプチレンテレフタレート、又はポリプロピレン等の樹脂を用いて成形することができる。また、必要に応じて帯電防止処理を施すこともできる。300mmウェーハキャリアとして使用される場合、容器本体の外形寸法は、SEMI規格E47.1−0097、及び修正バージョンにより標準化されている。
【0023】
また、蓋体は、上記したような容器本体の側壁又は正面に容器本体に係止可能な係止部を有していて、容器本体と係止されるものでも良いし、内部にラッチ機構を内蔵して側部から出没可能な係止爪を用いて係止しても良い。本基板収納容器はさらに、蓋体を用いず開口端面を有する容器本体単体として用いるもの(通常オープンカセットやキャリアと呼ばれる基板収納容器)であっても良い。こうした基板収納容器は、半導体製造工程に使用されるキャリア、工程間搬送キャリア(FOUP)、又は出荷用のフロントオープニングシッピングボックス(FOSB)として利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板収納容器の実施形態について図面を参照して説明する。先ず、本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。なお、図1は、本発明の実施形態を示す斜視図、図2は本実施形態の容器本体の開口端面側からの正面図、図3は図2のI−I線部の断面図、図4は本実施形態における支持部材の部分斜視図、図5は本実施形態における支持リブの背面図、図6(a)は図1の蓋体の横方向断面図、図6(b)は図1の容器本体に横方向断面図である。
【0025】
本実施形態は、複数枚の精密基板Wを整列収納する容器本体1と、この容器本体1の開口端面を着脱自在に被覆する蓋体2と、容器本体1の開口端面をシール可能に閉鎖する為に蓋体2に設けられたシール部材16と、蓋体2の容器本体の開口端面と相対する面(内面)に設けられるフロントリテーナ14とを有している。容器本体1の天壁外側部には、OHT(Overhead Hoist Transportation)と呼ばれる自動搬送機によって把持されるロボテックフランジ(以下、フランジと称する)5が設けられている。
【0026】
容器本体1は、軽量性や成形性等に優れるポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエーテルイミド等の合成樹脂を用いて透視可能な透明のフロントオープンボックスに成形されている。この容器本体1は、変形しないよう十分な強度、剛性、及び寸法安定性が確保され、AGV(Auto Guided Vehicle)等の自動搬送装置の正常な作動を保障する。容器本体1の天井の中央部に設けられたロボティックフランジ5が締結具を介して螺着され、このロボティックフランジ5が天井搬送機に把持されることにより、容器本体1が搬送される。
【0027】
また、容器本体1の底面には、3角形状に配置される位置決め具4(図示省略)が設けられている。位置決め具4は、開口部に拡開する逆V字溝を有し、加工装置に設けられる位置決めピンと嵌合して、基板収納容器を加工装置に位置決めする。こうして位置決めされた基板収納容器から加工装置へ基板Wをローディングしたり、アンローディングしたりする。なお、位置決め具4は、耐摩耗性に優れるポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチルテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリエーテルイミド樹脂等を用いて成形され、容器本体1に一体又は別体として取り付けられる。
【0028】
因みに、加工装置とは、位置決めした基板収納容器から基板Wをローディングして、別の工程内容器に移し替えたりするための装置や、基板収納容器の蓋体2を自動的に取り外したり、あるいは蓋体2を取り外した基板収納容器を搭載して、ここから基板Wをローディングして、基板Wに酸化、フォトレジスト塗布、露光、エッチング、洗浄、薄膜形成等の各種処理や加工を施す加工装置に基板をローディングしたり、アンローディングしたりするものを言う。
【0029】
容器本体1は、図1,図2に示したように、精密基板(以下、基板と称する)Wのローディングとアンローディングを行うための開口端面17を有し、一対の側壁、天壁、底壁及び背側壁とで囲まれた筐体として形成される。両側壁の内側には、複数の基板Wを所定の間隔で水平に支持する支持ユニット(以下、支持部材と称する)6が設けられている。支持部材6には、図4〜図6に示したように、基板Wを支持する支持リブ7が、容器本体1の開口端面17を上向きとした場合、最奥部に対して垂直方向に、予め決められた所定の間隔で並設され、支持リブ7は容器本体1の両側壁に相対向するように設けられている。
【0030】
容器本体1の開口端面の周縁部は、外方向に折曲膨出成形されてリム部1aが形成され、このリム部1aの内部段差面がシール接触面を形成している。容器本体1の外側壁には、少なくとも1対の係止部1bが設けられ、蓋体2が開口端面17を覆って蓋体2の係止部材3が係止部1bに掛合される。また、容器本体1の両側壁には、マニュアル運搬用のサイドハンドルが着脱自在にそれぞれ装着される。このハンドル(把持部)は、略L字型に形成され、底面に略平行なグリップ部23と底面に垂直なグリップ部22とが略垂直方向に交わるように、グリップ部が形成されている。こうしたハンドルのグリップ部23を用いれば、基板収納容器を基板Wが水平な状態(容器本体1の開口が横向き)で搬送することができるし、グリップ部22を用いれば、基板Wを垂直状態(容器本体1の開口が上向き)に立てた状態で搬送することができ、どちらの場合であっても安定的に搬送可能となる。
【0031】
蓋体2は、容器本体1と同様の合成樹脂を用いて成形され、蓋体2の相対する1対の外側壁には係止部材3を軸支する溝部が形成されて係止部材3を軸止している。係止部材3は、中央にコの字状の切欠部を有する板状部と板状部の一端に設けられた円筒状の軸部とからなり、軸部が蓋体2の側壁に取り付けられ、コの字状切欠部に囲まれた変形可能部の先端が、容器本体側壁の係止部1bの係止溝に嵌め込まれる事で、容器本体1と蓋体2とが係止される。
【0032】
蓋体2の内面には、図6(a),(b)に示したように、フロントリテーナ14が着脱自在に装着固定されて設けられ、フロントリテーナ14には、収納溝(以下、V字溝と称する)15が、基板収納用の一定間隔に複数設けられている。蓋体2の側壁には枠形のシール部材16が設けられ、シール部材16の突起や溝等を介して着脱自在に容器本体1の開口端面17に覆われる。このシール部材16は、蓋体2の嵌合被覆時、容器本体1のリム部1aのシール面1cに圧接して容器本体1内はシールされる。なお、シール部材16は、ポリオレフィン系やポリエスエル系の各種熱可塑性エラストマ、あるいはフッ素ゴムやシリコンゴム等を用いてガスケットとして成形される。また、好ましくは、ウェーハWを汚染する有機成分の発生が少なく、JISに定められたK6301Aの測定方法による硬度80°以下の成形材料を使用して成形される。
【0033】
支持部材6は、図4,図5に示したように、容器本体1の側壁に一体的に取り付けられる略板状のベース部分に、垂直方向(容器本体1の開口端面を上向きとした場合)に一定間隔でベース部分の表面から略垂直方向に伸びる棚状の複数の支持リブ7が形成されている。支持リブ7は、基板Wを略水平に支持する上面部8と、上面部8の裏面に相当する下面部と、両者を連結する架橋部とから形成され、上面部8は基板Wをローディング、アンローディングする開口端面から奥側にかけての領域に基板を安定的に支持する細長形状に形成されている。容器本体1のフランジ5を上方とした際、基板Wは容器本体1の内側面のそれぞれの支持リブ7によって、略水平に支持される。この支持部材6は、容器本体1を成形する際に、金型の所定の位置にインサートされて一体成形される。
【0034】
支持リブ7は、図4の斜視図を参照して説明すると、上面部8の中間部分に基板Wとの接触を可能な限り防止するための凹部24が形成されており、基板Wと上面部8との接触面積を減らすことができる。基板Wを支持リブ7に水平に載置した際、基板Wは、支持リブ7の開口端面側とリア側に形成される凹部の残部25により支持される。支持リブ7の周縁は、両端が湾曲部21を形成し、中央部に直線部20を設けた形状となっている。
【0035】
支持リブ7をこのような形状とすることにより、樹脂成形後の収縮によって、半径方向に変形しようとする働きに対して、中央の直線部20が変形方向に対して梁の役目をして変形を防止することができる。さらに、支持リブをインサート成形して容器本体に一体化するときに周端が円弧状であると、金型にセットする時や成形時に円周方向にずれてしまう可能性があったが、中央部に直線部20を設けることで、円周方向のずれを防止でき位置決め精度を高めることができる。このように支持部材6は、容器本体1にインサート成形で精度良く取り付けることが可能となった。また、容器本体と支持部材が一体的に成形されているので、洗浄後の乾燥時間も大幅に短縮できる。
【0036】
さらに、支持リブ7の奥側には傾斜面11が形成されている。傾斜面11は、基板Wの位置を規制し、容器本体1の開口端面17を蓋体2で覆った際に、蓋体2内面に設けられたフロントリテーナ14とによって、基板Wを保持する保持溝としての働きを有する。この保持溝の傾斜面11は、支持部材6の壁面に略くの字形状に形成されている。また、支持リブ7の開口端面側の近傍には、基板Wが上方に飛び出るのを防止する突起10が形成されている。さらに、図5に示したように、支持リブ7の下面部の先端部には、基板Wの不規則な倒れ込みを防止する突起9が設けられている。この基板Wの搭載位置を制御する突起9は、支持リブ7の上面部に形成された飛び出る突起10や凹部24とは反対側の面に形成されている。
【0037】
次に、本実施形態の基板収納容器を使った基板の取り扱いについて説明する。先ず、基板収納容器1のフランジ5を上側として、開口端面を正面にして取り扱われる場合、容器本体1に収納される基板Wは、相対する側壁に設けられる支持リブ7によって水平に載置され、基板Wは水平状態でローディング、アンローディングされる。基板Wが水平に収納された状態で蓋体2で容器本体1の開口端面を閉鎖すると、蓋体2内面に取り付けられたフロントリテーナ14のV字溝15が、支持リブ7に載置されたそれぞれの基板Wと対応する位置に形成されているので、基板Wの一端位置を、V字溝15の傾斜面を利用してV字溝15の中心位置に導くと共に、支持リブ7の奥側と接触している基板Wの他端が、保持溝の傾斜面11に乗り上げて中心位置に導かれ、基板Wが支持リブ7から浮いた状態となる。このようにして、基板Wはフロントリテーナ14のV字溝15と支持リブ奥側の傾斜面11とによって保持される。
【0038】
容器本体1から蓋体2が取り外されるときは、フロントリテーナ14が基板Wの一端部から離れることで基板Wは再び支持リブ7の上面部8に接地し、他端部も傾斜面11を滑り降りて、基板Wが支持リブ7の所定の位置に載置される。この状態で、基板取り出しロボットにより、基板Wが取り出され、基板Wに薄膜形成やリソグラフィ等の各種の加工が行われる工程で使われる工程内容器に移し替えられて加工される。このような状態での基板や基板収納容器の取り扱いは、自動機を使って行われることが多い。
【0039】
一方、基板Wの検査工程などでは、検査員が手動により基板Wを取り扱う事が多い。例えば、検査員が基板収納容器の開口端面が上向となるように取り扱った場合、図3に示したように、基板Wが垂直方向に林立した状態になる。このとき基板Wの開口端面側の一端部は、隣接する支持リブ7の間に収納されることになり、基板Wの他端部は支持リブ7の最奥部に設けられた傾斜面11に基板エッジが滑り込み、かつ容器本体1の奥壁部に形成されたリア溝12に収納される。基板Wは、保持溝の傾斜面11とリア溝12との、それぞれの異なった2つの傾斜面が交わる位置まで滑り込んで支持されることになる。このように基板Wが垂直方向に載置された際、本実施形態では、基板Wの開口端面側が比較的フリーな状態となったとしても、支持部6に形成された突起9によって、基板W不規則な倒れ込みを防止できる。
【0040】
一方、支持リブ7に設けられた保持溝の傾斜面11の位置は、図6(b)を参照して説明すると、基板Wの直径Dに対して、基板Wの最奥部下端から1/4以上の高さ位置d1に設けられている。すなわち、傾斜面11を形成する保持溝は、d1>D/4の関係が成り立つ位置に形成されている。基板Wは、傾斜面11で支持すると共に、開口端面側の支持リブ7の下面部には、突起9が設けられており、突起9によって、基板Wの倒れ込みを防いで基板W同士が接触するのを防止して、基板Wの搭載位置を制御している。なお、突起9の高さは、リブ間隔から基板Wのピックアップ量を引いた値よりも小さく形成する必要があり、概ね0.1〜3.0mmの範囲とする。また、突起9を設ける位置(d2)は、基板同士の接触を防止する為にはなるべく開口端面に近い位置に設けることが好ましく、基板直径Dに対して基板Wの最奥部下端から3/4以上の位置に設ける。すなわち、突起9の位置(d2)は、d2>3D/4の関係を満足するようする。
【0041】
次に、図7,図8を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。容器本体1の開口端面17と相対するリア側にリア溝12を支持部材6と同じ間隔で形成し、ここに、基板収納容器の開口端面17を上向きに基板Wを支持するときに、基板Wの倒れ方向を一定にするための規制部13をリア溝12に設けたものである。規制部13は、その詳細を、図7の要部(a)の拡大図である図8に示すと、リア溝12に載置された基板Wの一方の面とほぼ平行に伸びる突部を、リア溝12内の片面に部分的に設けたものである。容器本体1内で、基板Wが林立した状態で載置された場合、リア溝12の規制部13と、支持リブ7の奥側の傾斜面11と、支持リブ7の開口端面側の下面部上部に設けた突起9と共同して、基板Wの倒れ込みを一定の方向に規制して、隣接する基板同士の先端が接近するのを防止して、より安定的に基板Wを支持することができる。
【0042】
さらに、本発明の他の実施形態について、図9,図10を参照して説明する。図9は容器本体の側面外観図であり、図10は図9の縦断面図である。容器本体1の開口端面17と相対する背面の外奥壁部外側に背面突起18,19を異なる高さで設けたものである。背面突起18,19は、容器本体1の開口端面17を上方に向けたときに、容器本体1の背面を支え、かつ、基板Wが支持リブ7間において一定方向に傾斜するように、容器本体1を1°〜20°傾斜させて支持することができる。従って、容器本体1が傾斜するのに従って、基板Wは一定方向に傾斜し、上記実施形態と同様に、基板Wの倒れ込み方向が一定となり、基板Wの取り扱いが容易になる。無論、本実施形態に、上記実施形態の突起を併用してもよい。
【0043】
上述のように、本発明は、基板を基板収納容器に載置して、容器本体の開口端面を天井に向けた際に、基板が不規則に傾斜しないように、或いは一定の方向に傾斜するように、位置制御突起が設けた基板収納容器であって、位置制御突起は、支持部材やリブ溝の突起、或いは収納容器本体の外観部に設けた突起であってもよい。また、容器本体の背面の外側全域を傾斜させて、開口端面を天面に向けたときに基板の一方の片面が下側になって倒れ込むようにしても良い。無論、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】
上記記載のように、本発明によれば、基板収納容器に位置制御突起が設けられているので、容器本体の開口端面を天井に向けたとしても、基板の載置位置が規制されて収納された基板同士が接触して破損したりすることがなく、安定的に取り扱うことができる利点がある。
【0045】
また、本発明によれば、収納容器本体の開口端面を正面と天面の異なる2方向を向くようなハンドリングがなされる場合であっても、収納された基板同士が接触して破損したりすることがなく、ハンドリングが良好な基板収納容器を提供できる利点がある。
【0046】
また、本発明によれば、支持部材が収納容器本体に一体に成形されているので、従来の精密基板収納容器のように、隙間に洗浄液等がしみ込んだりして、乾燥効率を低下させることがなく、短時間に乾燥処理することができるので、洗浄性や作業性の良い基板収納容器を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る精密基板収納容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の精密基板収納容器の開口端面側からの正面図である。
【図3】図2のI−I線部の断面図である。
【図4】本実施形態における支持部材の部分斜視図である。
【図5】本実施形態における支持リブの背面図である。
【図6】(a)は図1の蓋体の横方向の断面図、(b)は図1の容器本体の横方向の断面図である。
【図7】本発明に係る他の実施形態の基板収納容器の断面図である。
【図8】図7の要部(a)拡大図である。
【図9】本発明に係る他の実施形態の基板収納容器の側面図である。
【図10】本発明に係る他の実施形態の基板収納容器の開口端面を上向きとした状態を示す断面図である。
【図11】従来の基板収納容器を示す斜視図である。
【図12】従来の基板収納容器の断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
1a リム部
1b 係止部
1c シール面
2 蓋体
3 係止部材
4 ハンドル(把持部)
5 ロボティックハンドル
6 支持ユニット(支持部材)
7 支持リブ
8 上面部
9 突起
10 飛び出し防止突起
11 保持溝の傾斜面
12 リア溝
13 規制部
14 フロントリテーナ
15 収納溝(V字溝)
16 シール部材
17 開口端面
18,19 背面突起
20 直線部
21 湾曲部
22,23 グリップ部
24 凹部
25 凹部の残部
W 精密基板

Claims (5)

  1. 精密基板を収納する容器本体の開口端面を蓋体で覆う精密基板収納容器において、
    前記容器本体には収納された1又は複数の精密基板を支持する支持部材が設けられ、前記蓋体には前記精密基板を蓋体側から保持するためのV溝を備えるフロントリテーナが設けられ、前記支持部材が前記容器本体の相対する側壁内面に精密基板を支持する支持リブと、該支持リブの表側の奥部壁面に前記精密基板のリア側を保持するくの字状の傾斜面を有する保持溝とで形成され、かつ前記支持リブの裏側の面の該支持リブの先端部には、前記容器本体の開口端面を天側に向けたときに前記精密基板の不規則な倒れ込みを防止する位置制御突起が設けられ、前記保持溝は前記支持部材の最奥に挿入された前記精密基板の最奥部下端から該精密基板の直径の1/4以上開口部側に該精密基板の直径方向に寄った位置に設けられることを特徴とする精密基板収納容器。
  2. 前記位置制御突起は、前記精密基板の最奥部下端から該精密基板の直径方向で該精密基板の直径の3/4以上開口部側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の精密基板収納容器。
  3. 前記容器本体の奥壁部には前記精密基板を収納するリア溝が形成され、該リア溝には精密基板収容容器の開口端面を上向きにしたときに、基板の倒れ方向を一定にするための規制部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の精密基板収納容器。
  4. 前記支持リブの周縁部が、中央に直線部を有し、該直線部が両端部と連なっていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の精密基板収納容器。
  5. 前記容器本体の両外壁部に略L字形状の把持部を設けて、ハンドリング時、収納された精密基板が略水平又は垂直に支持されるようにしたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の精密基板収納容器。
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