JP4175470B2 - Cadシステム、曲面解析装置、曲面再生装置、その方法及びそのプログラム - Google Patents

Cadシステム、曲面解析装置、曲面再生装置、その方法及びそのプログラム Download PDF

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本発明は、実空間上の曲面を、接平面を形成する接線ベクトルによって定義されるパラメータ空間上で扱うCADシステム、曲面解析装置、曲面再生装置、その方法及びそのプログラムに関する。
今日、消費者の要求に応えるべく、企画から設計・生産のプロセスの短縮化が望まれている。設計・生産プロセスを効率化するために、CG(Computer Graphics)やCAD(Computer Aided Design)システムの利用が盛んに行われている。コンピュータ上で自動車や家庭電器製品等の複雑な曲線や曲面形状を持った形状を表現するために、従来、以下の処理方法が存在する。
一つ目はソリッドモデルであって、プリミティブと呼ばれる簡単な形状をコンピュータ内で保持し、その形状同士を組み合わせる操作を繰り返して、複雑な形状を表現する。プリミティブとは、例えば円柱、立方体、直方体、トーラス、球等であって、ソリッドモデルにおいてはこれらのプリミティブの集合演算によって形状表現を行う。したがって、複雑な形状を作成するためには多くのステップを必要とするとともに、厳密な計算が必要となる。
二つ目はサーフェスモデルであって、bezier、b−spline、有理bezier、NURBS(Non−Uniform Rational b−spline)などのアルゴリズムを利用することにより、線や面を切る、つなげるといった操作を行い、この繰り返しにより複雑な自由曲線・曲面を表現する。
しかし、上述のソリッドモデルやサーフェスモデルでは表現上では問題がないモデルであっても、CAMやCAE等の下流アプリケーションで使用する場合に問題が発生することがある。この原因は、作成したCGがサポートするサポート要素と他のCG、CAD及び下流アプリケーションがサポートするサポート要素の違いや形状定義の違い等であり、これらの違いを修正するトランスレータ等のアプリケーションを介してモデルの補正を行う(特許文献3等を参照)。
特開2001−250130号公報 特開平11−65628号公報 特開平10−69506号公報 特開平4−134571号公報 特開平4−117572号公報 特開平1−65628号公報
しかし、上述の補正作業は設計・生産プロセスの短縮化を図る上では、極めて非効率的である。補正が必要となる理由は、個々のケースによって様々であるが、特に生産過程において問題となる点は、従来のCGやCADシステムにおいては、ユークリッド幾何によってすべての曲線・曲面表現を近似していることである。
例えば、鞍型のタブシル面をスイ−プ操作によって生成する場合、鞍の裾部分の長い線と鞍の中心部分の短い線とが存在する。したがってこのスイ−プ操作は生成される曲面の連続性を保つように図形の伸縮を伴う変形となる。
しかし、従来のCGやCADシステムにおいてはこの伸縮を考慮しておらず、内部表現としては円筒型として近似表現している。
このため、実際にこういったユークリッド幾何で近似的に表現されるCGモデル、あるいはCADモデルをCAEに渡すと、ここで生じる誤差が生産上問題となる。
以下、この問題について詳述する。図14は、NURBSで表現されたCAD情報をCAM情報に変換する前後の再生曲面の様子を示す説明図である。
今、NURBSで表現されたCAD情報をそのまま再生した曲面(左図を参照)において、曲面再生上、問題となるような曲面部分は存在しないが、これをCAM情報に変換した後で再生する場合、再生した曲面(右図を参照)において、曲面中央部の非ユークリッド曲面部分にしわが発生している(図14及び図15を参照)。
これは、NURBS補間において、非ユークリッド幾何で表現されている曲面をユークリッド幾何によって近似することによって発生する誤差の影響の現れである。
すなわち、本来収縮のある曲面に対して、適切な補間処理がなされずに曲面変換、データ変換が行われてしまっているために、いわゆる使えないCADデータ、CGデータを生み出す結果となっている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、第1の目的は、CGモデルあるいはCADモデルの利用価値を大幅に高めることができるとともに、設計・生産プロセスを効率化することができるCADシステム、曲面より点列情報、一次基本量、二次基本量を抽出する曲面解析装置、点列情報、一次基本量、二次基本量を用いて曲面を再生する曲面再生装置、その方法及びそのプログラムを提供することにある。
この発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、本発明は、曲面解析装置と、曲面再生装置とから構成されるCADシステムであって、前記曲面解析装置が、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像手段と、前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出手段とを具備し、前記曲面再生装置が、前記曲面解析装置によって算出された前記パラメータ空間上における各点の前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、前記実空間上における前記曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出手段と、前記実空間座標を前記パラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出手段と、前記第1の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出手段と、前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生手段とを具備するCADシステムを提供する。
また、本発明において、前記曲率線算出手段は、ガウス曲率ゼロとなる点を変形の基準として、曲率線方向にガース長さ分だけ前記曲率線を伸縮変形させ、前記実空間上において、前記曲面の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出することを特徴とする。
また、本発明において、前記第1の実空間座標値算出手段は、前記パラメータ空間を所定のパラメータ空間座標分割数で第1方向、第2方向に分割し、この分割交点を前記逆写像目標点として設定することを特徴とする。
また、本発明は、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像手段と、前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出手段とを具備し、前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量を、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生装置に出力する曲面解析装置を提供する。
また、本発明は、上記曲面解析装置によって算出された曲面上の複数の点における前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出手段と、前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出手段と、前記第1の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出手段と、前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生手段とを具備する曲面再生装置を提供する。
また、本発明は、コンピュータが、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像し、前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出し、前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量が、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生方法に用いられる曲面解析方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータが、上記曲面解析方法によって算出された曲面上の複数の点における一次基本量及び二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出工程と、前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出工程と、前記第1の実空間座標値算出工程において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出工程と、前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生工程とを実行する曲面再生方法を提供する。
また、本発明は、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像処理と、前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出処理と、前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出処理と、前記実空間座標を前記パラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出処理と、前記第1の実空間座標値算出処理において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出処理と、前記第2の実空間座標値算出処理おいて算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生処理とをコンピュータに実行させるためのCADプログラムを提供する
また、本発明は、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像処理と、前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出処理と、前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量を、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生装置に出力する処理とをコンピュータに実行させるための曲面解析プログラムを提供する
また、本発明は、上記曲面解析プログラムをコンピュータが実行することにより算出された曲面上の複数の点における一次基本量及び二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出処理と、前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出処理と、前記第1の実空間座標値算出処理において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出処理と、前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生処理とをコンピュータに実行させるための曲面再生プログラムを提供する
本発明は、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像し、前記パラメータ空間上に写像した曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する曲面解析装置と、前記一次基本量及び二次基本量に基づいて、前記実空間上の曲面を表す微分方程式のパラメータを設定し、該微分方程式の数値計算処理により実空間座標値を算出し、曲面データを再生する曲面再生装置とを具備するCADシステムを提供する。
以上説明したように、本発明は、コンピュータが、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面を、曲面の接平面を形成する接線ベクトルによって定義されるパラメータ空間に写像し、接線ベクトルによって定義される一次基本量と、接線ベクトルと曲面の法線ベクトルとによって定義される二次基本量とを算出し、実空間上の曲面の一次基本量及び二次基本量に基づいて、曲面の曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を算出し、パラメータ空間上の逆写像目標点を通過する線とパラメータ空間上に写像された曲率線とのパラメータ空間上での交点の実空間座標を、実空間上の曲率線が通過する実空間座標と、パラメータ空間上での曲率線の始点から交点までの距離と曲率線全長との比とに基づいて算出し、算出した交点の実空間座標に基づいて、所定の図形表現により、算出した交点の実空間座標を通過する実空間上の曲線を算出し、パラメータ空間上における逆写像目標点を通過する線の始点から目標点までの距離に基づいて、算出した曲線上の逆写像目標点の実空間座標値を算出し、算出した実空間座標値に基づいて、実空間上で曲面データを再生するので、CGモデルあるいはCADモデルの利用価値を大幅に高めることができるとともに、設計・生産プロセスを効率化することができる効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず本発明の基本的な考え方について説明する。図1は、本発明のCADシステムにおけるCADデータの流れを示すフローチャートである。
それぞれ異なる曲面記述アルゴリズムによって記述された複数のCADデータであるCAD−A,B,Cは、CAD−A〜Cそれぞれに対応するCAD−A曲面解析プログラム〜CAD−C曲面解析プログラムに入力されて解析され、当該CADシステムが実現するデータプラットホームにおいて、所定の点列データと曲面の特徴線というデータ形式で保持される。
そして、この点列データと曲面の特徴線が、CAD−A〜Cそれぞれに対応するCAD−A曲面生成プログラム〜CAD−C曲面生成プログラムに入力されて、CAD−A〜Cに基づく曲面が生成される。
以下、図面を参照して、本発明のCADシステムの一実施形態について説明する。図2は、本実施形態のCADシステムの構成を示す構成図である。本実施形態のCADシステムは、曲面解析装置と、曲面再生装置とから構成される。
曲面解析装置、曲面再生装置は、実装に応じて、同一システム内に構築される場合、それぞれスタンドアローンコンピュータとして構築されえる場合が考えられるが、本実施形態においては、これを同一システム内に構築する場合の例について説明する。したがって、後述するように曲面解析装置と曲面再生装置との間で共有可能なハードウェアについては、重複する部分を省略して説明する。
曲面解析装置は、実空間上の曲面を、接平面を形成する接線ベクトル(後述する)によって定義されるパラメータ空間上に写像する曲面解析処理を行うコンピュータであって、具体的には、CPU等の中央演算処理装置(図示せず)、ROMやRAM等の記憶メモリ(図示せず)から構成され、バスを介して接続されるとともに、曲面再生装置と共有されるデータベース10、画像表示処理部11、表示部12、出力部13、通信部(図示せず)を備えている。
CPUは、ROMに記憶された曲面解析プログラム1を読み出して、自由曲面解析に関する一連の処理を実行する。RAMは、CPUが一次的にデータを記憶させるための半導体メモリである。
解析プログラム1は、CATなどによる3次元形状物の実測値データ20や他のCADフォーマットデータ21(例えば、ソリッドモデル、bezier、b−spline、有理bezier、NURBS等のサーフェスモデルで表現された図形データ)を読み込んで、点列情報テーブル30、一次基本量テーブル31、二次基本量テーブル32を作成し、データベース10に記憶させる処理をCPUに実行させるプログラムである。
すなわち、CPUが解析プログラム1を読み込んで曲面解析処理部が実現される。曲面解析処理部は、曲面写像処理部と、規格量算出処理部とから構成される。
曲面写像処理部は、他のCADデータなどが採用する所定の図形表現アルゴリズムを用いて生成される実空間上の曲面を、曲面の接平面を形成する接線ベクトルによって定義されるパラメータ空間に写像する処理を行う。
規格量算出処理部は、この接線ベクトルによって定義される一次基本量と、接線ベクトルと曲面の法線ベクトルによって定義される二次基本量を算出する処理を行う。
点列情報テーブル30は、具体的には、所定の図形表現により生成される実空間上の曲面を、曲面の接平面を形成する接線ベクトル及びこの接平面に対する法線ベクトルによって定義される平面、円筒面又は球面のパラメータ空間に写像して得られる点列情報からなるテーブルであって、本実施形態においては、図3に示すように、
Figure 0004175470
のパラメータ形式で表示される曲面上の点列情報(u、v)からなる。
例えば、u=0、1/m、2/m、・・・m−1/m(mは自然数)であり、v=0、1/n、2/n、・・・n−1/n(nは自然数)とすると、図2に示す曲面はm×nのメッシュに分割される。この場合、点列情報(u、v)は、メッシュID1〜IDmnまでのmn個のデータ列となる。
一次基本量テーブル31は、以下の式により導出される一次基本量E,F,Gからなる。上述のuとvに関数関係がある場合、s(u、v)は曲面上の曲線を表し、偏導関数∂s/∂u=Suは、u=一定の曲線の接線ベクトルを表し、偏導関数∂s/∂v=Svは、v=一定の曲線の接線ベクトルを表す。
このとき、基本ベクトルSu、Svは、曲面の接平面を形成する。また、曲面上の2点s(u、v)からs(u+du、v+dv)を結ぶベクトルdsは
Figure 0004175470
で表される。ここでdsの絶対値の二乗は
Figure 0004175470
で表され,曲面の基本ベクトルより、上述の一次基本量が次式で定義される。
Figure 0004175470
上述の一次基本量E,F,Gは、このように各メッシュに一意に定まり、一次基本量テーブル31は、メッシュID1〜IDmnそれぞれに対する値を格納する。
また上記式3及び式4をまとめると、
Figure 0004175470
となる。
二次基本量テーブル32は、以下の式により導出される二次基本量L,M,Nからなる。基本ベクトルSu、Suがなす角をωとすると、これらの内積Fと、基本ベクトルのベクトル積の絶対値Hは、一次基本量を用いて以下のように表される。
Figure 0004175470
Figure 0004175470
この算出値Hを用いて、曲面上の単位法線ベクトルnは以下の式で表される。
Figure 0004175470
また、図4に示すように、曲面上の点Pにおける接線ベクトルの線束はこの接平面内に存在し、単位接線ベクトルtの1つは、以下の式で表される。
Figure 0004175470
図4に示すように、このtとnで定まる平面を法平面という。
この法断面上の点Pにおける曲率κを法曲率といい、tを法断面の弧長sで微分すると、
Figure 0004175470
となる。両辺に法線ベクトルを掛けて、以下に示す二次基本量
Figure 0004175470
を導入すると、
Figure 0004175470
となる。
上述の二次基本量L,M,Nは、このように各メッシュに一意に定まり、二次基本量テーブル32は、メッシュID1〜IDmnそれぞれに対する値を格納する。
なお、式5を式12に代入すると、以下の式が得られる。
Figure 0004175470
以上によって一次基本量及び二次基本量から法曲率が算出される。
曲面再生装置は、曲面解析装置によって写像されたパラメータ空間での座標値から実空間上の座標値へ逆写像処理を行うことで曲面を再生するコンピュータであって、具体的には、曲面解析装置と同様に、CPU等の中央演算処理装置(図示せず)、ROMやRAM等の記憶メモリ(図示せず)から構成され、バスを介して接続されるとともに、曲面解析装置と共有されるデータベース10、画像表示処理部11、表示部12、出力部13、通信部(図示せず)を備えている。
CPUは、ROMに記憶された曲面変換プログラム2、曲面再生プログラム3を読み出して、曲面変換、曲面再生に関する一連の処理を実行する。RAMは、CPUが一次的にデータを記憶させるための半導体メモリである。
曲面変換プログラム2は、点列情報テーブル30、一次基本量テーブル31、二次基本量テーブル32より自由曲面に必要な情報を読み出して、自由曲面データを生成し、他のCADアプリケーションが解釈できる形に変形する処理をコンピュータに実行させるプログラムである.
曲面再生プログラム3は、曲面変換プログラム2と同様に、点列情報テーブル30、一次基本量テーブル31、二次基本量テーブル32より自由曲面再生に必要な情報を読み出して自由曲面データを生成し、画像表示処理部11に出力する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
すなわち、CPUが曲面変換プログラム2、曲面再生プログラム3を読み込んで曲面変換処理部、曲面再生処理部が構成される。
曲面変換処理部及び曲面再生処理部は、曲率線算出処理部、実空間座標値算出処理部と、曲面再生処理部とから構成される。
曲率線算出処理部は、実空間上の曲面の一次基本量及び二次基本量に基づいて、曲面の曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を算出する。
実空間座標値算出処理部は、パラメータ空間上の逆写像目標点(後述する)を通過する線(直線、曲線いずれであってもよいが、既知の関数パラメータで表現される線である)と、パラメータ空間上に写像された曲率線とのパラメータ空間上での交点の実空間座標を、実空間上の曲率線が通過する実空間座標と、パラメータ空間上での曲率線の始点から交点までの距離と曲率線全長との比とに基づいて算出する。
また、実空間座標値算出処理部は、この算出した交点の実空間座標に基づいて、所定の図形表現により、算出した交点の実空間座標を通過する実空間上の曲線を算出し、パラメータ空間上における逆写像目標点を通過する線(上述したように、直線、曲線いずれであってもよいが、既知の関数パラメータで表現される線である)の始点から目標点までの距離に基づいて、算出した曲線上の逆写像目標点の実空間座標値を算出する。
曲面再生処理部は、算出した実空間座標値に基づいて、実空間上で曲面データを再生する。
データベース10は、上述の点列情報テーブル30、一次基本量テーブル31、二次基本量テーブル32を記憶しており、解析プログラム1の出力結果が後述するメッシュIDと関連付けて書き込まれる。
画像表示処理部11は、曲面再生プログラム3及び他のCADアプリケーションからの出力結果の画像表示処理を行う。
表示部12は、画像表示処理部11の出力結果を表示する。
出力部13は、画像表示処理部11の出力結果を通信部や他の記録媒体等に出力する。
通信部は、LANやインターネット等のネットワークを介して他のサーバやクライアントにデータベース1に記憶された点列情報、一次基本量、二次基本量等のデータの送受信を行う。
次に本実施形態のCADシステムの動作について説明する。
図5は、本実施形態のCADシステムによる曲面解析処理、曲面再生処理の過程を示すフローチャートである。
ユーザの操作により、実測値データ20や他のCADフォーマットデータ21の解析命令を受けて、CPUはROMより解析プログラム1を読み出して、自由曲面解析処理を実行する。
まずCPUは、実測値データ20や他のCADフォーマットデータ21が保持する、2次元NURBS面や双三次曲面などの曲面上の複数の点列を抽出する処理を行う(図5のステップS1)。
そして、この点列から他のCADシステムを用いて曲面を生成し、図3に示すように曲面を所定数mnのメッシュに分割した後、各メッシュ部分を基本ベクトルSu、Svで規格化する。なお、本明細書中では、基本ベクトルSu、Svで規格化する前の3次元空間座標系を実空間座標、このとき規格化された2次元空間座標系をパラメータ空間座標と定義し、CPUはそれぞれを対応付けて記憶しておく。
すなわち、規格化時に生成されるパラメータ空間上の点列情報(u、v)は、データベース10の保持する点列情報テーブル30にメッシュID及び実空間上の点列情報とともに関連付けられて書き込まれる。
なお、上述したように、本実施形態においては、2次元空間座標系としてパラメータ空間座標を表現するが、パラメータ空間は、平面若しくは円筒面などの可展面又は球面で形成されることが可能であり、本発明は必ずしも平面上に展開されるパラメータ空間座標を用いる場合に限られるものではない。すなわち、実空間座標からパラメータ空間座標への写像(ガウス写像)は、接平面のみからの写像ではなく、接線ベクトル、法線ベクトル(互いに直交する)を全て同じ方向に写像(若しくは変換)するものであり、球面(若しくは球面の一部)への写像も可能なものである。
次にCPUは、微分幾何解析処理を実行する。すなわち、メッシュの接平面を形成する基本ベクトルSu、Svによって定義される一次基本量E,F,Gを算出する処理を行う。算出される一次基本量E,F,Gは、点列情報と同様に、データベース10の保持する一次基本量テーブル31にメッシュIDとともに関連付けられて書き込まれる。
またCPUは、基本ベクトルSu、Svとメッシュの単位法線ベクトルnによって定義される二次基本量L,M,Nを算出する処理を行う。算出される二次基本量L,M,Nは、一次基本量E,F,Gと同様に、データベース10の保持する二次基本量テーブル32にメッシュIDとともに関連付けられて書き込まれる。
この第一基本量は、パラメータ空間(uv平面)をどのように伸ばしたり縮めたりして曲面を作るかを規定し、曲面を構成するu,v曲線群の長さと曲線同士の角度を定め、第二基本量は、接平面を基準として、曲面の高さを近似している2次式であり、曲面の種々の曲率、即ち、曲面の曲がり具合を定める。
またCPUは、上述のメッシュを表す微分方程式がそれぞれのメッシュの境界において連続であるための条件、言い換えればこの微分方程式が一意な解を持つための条件である積分可能条件を算出する処理を行う。
今、上述の曲面座標(u、v)を(u1、u2)と置き換え、この点をp(u1、u2)とする。u2を固定し、u1を動かしてできる曲線をu1曲線と呼び、u1を固定し、u2を動かしてできる曲線をu2曲線と呼ぶ時、曲面上のp(u1、u2)点を始点とし、u1曲線、u2曲線に沿う接線ベクトルは以下のように計算できる。
Figure 0004175470
そして、e1、e2より単位法線ベクトルnが次のように計算できる。
Figure 0004175470
このようにして、3本のベクトル{e1、e2、n}が曲面上の各点において定義される。
各点において、一次基本量E、F、Gを以下のように定義する。
Figure 0004175470
そして、第1基本テンソル(gij、i,j=1,2)を以下のように定義する。
Figure 0004175470
また、4個の数の組gij、i,j=1,2を次のように定義する。
Figure 0004175470
さらに、各点において二次基本量L、M、Nを以下のように定義する。
Figure 0004175470
そして、さらに第2基本テンソル(hij、i,j=1,2)を以下のように定義する。
Figure 0004175470
今、動標構{e1、e2、n}を曲面座標(u1、u2)で微分すると、次の2式(式21のガウスの式及び式22のワインガルテンの式)で示される曲面の構造方程式を得る。
Figure 0004175470
Figure 0004175470
Figure 0004175470
ただし、式23はクリストッフェルの記号を示す。
この構造方程式21、22の積分可能条件は次の2式(式24のガウスの方程式及び式25のマイナル・コダッツィの方程式)で示される。
Figure 0004175470
Figure 0004175470
Figure 0004175470
ただし、式26はリーマン・クリストッフェルの曲率テンソルを示す。
第1基本テンソル(gij、i,j=1,2)と第2基本テンソル(hij、i,j=1,2)が曲面座標(u1、u2)の関数として与えられ、これらが上述のガウスの方程式及びマイナル・コダッツィの方程式を満たす場合、そのようなgij、hijを持つ曲面の形は一意に決まる(ボネの基本定理を参照)ので、それぞれのメッシュはC2連続となる。
CPUはこれらの演算処理を行い、上述の積分可能条件を算出する。
次にCPUは、曲率線解析処理と、特徴線解析処理及び曲率・ガース長さ変換処理を実行する。まず曲率線解析処理により、一次基本量E,F,G及び二次基本量L,M,Nに基づいて、メッシュにおける主曲率κ1、κ2を算出する。
すなわち、まず上述の曲率κの極値を算出する。図3に示す法平面と曲面との交線である法断面の形状は、その接線方向とともに変化し、それに伴って法曲率も変化する。この形状は法平面を半回転させたところでもとの状態に戻る。
今、γを
Figure 0004175470
とおき、さらにκをγの関数κ(γ)と書き直すと、
Figure 0004175470
となる。このγの2次式よりdκ(γ)/dγ=0において、κ(γ)は極値を取る。そして、この極値条件のもとで、式15を微分し、κとγを(κ〜)と(γ〜)と書き換えると、
Figure 0004175470
を得る。そして、数16に代入すると、
Figure 0004175470
を得る。これらの式より以下の関係式が得られる。
Figure 0004175470
Figure 0004175470
式18を変形すると、
Figure 0004175470
が得られる。κ〜2の係数は、式7より正であり、この根をκ1、κ2とすると、図6に示すように、この値が主曲率となる。
次に主曲率に基づいてガウス曲率または平均曲率を算出する。すなわち、2次方程式の根と係数の関係より、
Figure 0004175470
Figure 0004175470
が表現される。ここで、Km、Kgはそれぞれ平均曲率及びガウス曲率である。Kg=0となるのは、曲面が可展面となる場合であり、曲面上の曲率線は直線になる。本実施形態においては、このガウス曲率が0となる点を後述する変形の基準点とする。
この点以外に変形の基準点として適当な点として、例えば、曲率線、境界線(稜線)、等傾斜直交線、主曲率極値線,傾斜極値線、臍点を選択してもよい。
これらは、曲面の特徴を示す特徴量である主曲率,主方向,ガウス曲率,平均曲率,曲率線のうち、1または2以上の特徴量の変化パターンによって規定される変形の基準点または基準線となる点または線であり、一次基本量及び二次基本量に基づいて算出可能である。
また、主曲率に基づいて、メッシュの主方向を示す曲率線を算出する。すなわち、式19よりκ〜を消去すると、
Figure 0004175470
または、
Figure 0004175470
を得る。これら2式はともに、曲率線の式であり、2次方程式であるので、γ1、γ2は以下の関係がある。
Figure 0004175470
曲面上の点において、γ1、γ2で決まる方向において、曲率は極値を取る。曲面上の接線ベクトルは、(Sudu+Svdv)であり、γ1、γ2に対応する2つの接線ベクトルの内積は、
Figure 0004175470
となり、この{ }内を変換すると、
Figure 0004175470
はゼロとなる。すなわち、主曲率の法断面の2つの接線方向は、直交している事が分かる。この方向は主方向と呼ばれ、この主方向と曲面上の接線が一致する場合、これが曲率線となる。
以上により、メッシュの主方向を示す曲率線の算出処理が行われる。
次に曲率・ガース長さ変換処理を実行する。すなわち、CPUは、一次基本量E,F,G及び二次基本量L,M,Nに基づいてより算出される曲率に基づいてガース長さを算出する。上述の曲率線の算出処理によって算出された曲率線に沿って、曲率(1/r)から曲率半径rを算出し、曲率線のガース長さを算出区間毎に伸縮させる。
以上により、解析処理が行われる(ステップS2)。
したがって、本実施形態の曲面解析装置によれば、図7に示すように、任意の曲面表現アルゴリズムを用いて表現された曲面より点列情報及び一次基本量、二次基本量のみを抽出するので、曲面最盛時の誤差をなくすことができるとともに、転送するデータ効率を大幅に向上させることができる効果が得られる。
次に、CPUは、作成、抽出された点列情報及び一次基本量、二次基本量が収集されたことを受けて、曲面データ転送処理を行う(ステップS3)。
一方、これらの情報が揃わない場合、データベース評価処理を行う。
すなわち、上記算出された主方向、基準位置(点や線等)、変形量に基づいて再生される形状と、点列情報及び一次基本量、二次基本量に基づいて再生される形状を比較し、これらが一致する場合は、曲面データ転送処理を行う。
また、これらが一致しない場合は、近似補完精度向上処理を行う。
すなわち、2階微分可能となるように元の曲面を近似補完し、再度ステップS1から上述の処理を繰り返す。そして、比較評価が一致した段階で、曲面データ転送処理に移行する。
点列情報(実空間座標、パラメータ空間座標)、曲面の特徴情報(一次基本量及び二次基本量)からなる曲面データは、曲面解析装置から曲面再生装置に対して転送される。
曲面再生装置において、曲面データは、図2に示す曲面変換プログラム2、または曲面再生プログラム3に対して入力される(ステップS4)。
CPUは変換命令、再生命令を受けると、曲面変換プログラム2、または曲面再生プログラム3を実行し、一次基本量及び二次基本量から曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出処理を行う。
図8は、一次基本量、二次基本量から実空間上における曲率線の算出から、パラメータ空間上への写像、空間座標変換までの処理の過程を示すフローチャートである。
CPUは、上述した曲率線解析処理と同様に、一次基本量及び二次基本量から主曲率を算出し、これに基づいて、曲率線を算出する。
すなわち、CPUは、まず特徴点または特徴線としてえらんだガウス曲率0となる点を変形の基準として、曲率線方向にガース長さ分だけ曲率線を伸縮変形させ、実空間上において、曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を得る(ステップS5)。
次にCPUは、得られた曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を、上述した接平面を形成する基本ベクトルSu、Svにより、パラメータ空間上に写像する(ステップS6)。図8に示す2次元パラメータ空間座標系は、得られた曲率線及び曲率線が通過する実空間座標を写像した結果を示す。
そして、CPUは、図9に示す当該パラメータ空間上の任意の逆写像目標点について、図10にしめすように実空間上に逆写像する。なお、逆写像目標点については任意に設定が可能であるが、本実施形態においては、逆写像目標点をある程度均一化するために、図11に示すフローチャートのように、当該パラメータ空間を所定のパラメータ空間座標分割数でu方向、v方向に分割し、この分割交点を逆写像目標点として設定する(図11のステップS10)。
具体的には、u方向、v方向のパラメータ空間座標分割数をそれぞれm、n(m、nは実数)とした場合、m×n個の逆写像目標点が設定される。
次にCPUは、設定したパラメータ空間上の逆写像目標点を通過する線を設定する。この逆写像目標点を通過する線は、上述したように、直線、曲線いずれであってもよいが、既知の関数パラメータで表現される線である。本実施形態においては、簡単のためにu=一定(図9のconst_u)の直線である場合について説明する。
次にCPUは、この逆写像目標点を通過する、u=一定の直線と、パラメータ空間上に写像された曲率線とのパラメータ空間上での交点(図9に示す白丸の点)の実空間座標(図10に示す白丸の点)を算出する。
具体的には、CPUは、入力された実空間上の曲率線が通過する実空間座標と、パラメータ空間上での曲率線の始点(v=0と曲率線の交点)から交点(図9に示す白丸の点)までの曲率線に沿った実長距離と曲率線全長との比、つまり、
(始点から交点までの距離)/(曲率線全長)
で示されるパラメータとに基づいて、所定の図形表現アルゴリズム(例えばNURBS等)を用いて交点(図10に示す白丸の点)の実空間座標を算出する(ステップS11)。
次にCPUは、この算出した交点の実空間座標に基づいて、所定の図形表現アルゴリズムを用いて、算出した交点の実空間座標を通過する実空間上の曲線を算出する。そして、CPUは、パラメータ空間上における逆写像目標点を通過するu=一定の直線の始点(u=一定、v=0)から目標点までの距離に基づいて、算出した曲線上の逆写像目標点の実空間座標値を算出する(図5のステップS7,8 図11のステップS12)。
以上処理により、CPUは、パラメータ空間上の逆写像目標点を通過する線とパラメータ空間上に写像された曲率線とのパラメータ空間上での交点の実空間座標を算出する。
そして、CPUは、算出した実空間座標値に基づいて、実空間上で曲面データ(メッシュ)を再生する。
そして、曲面変換プログラム実行時においては、再生したメッシュまたは曲面から曲面上の複数の点列を抽出し、点列を他のCADシステムにおける図形表現アルゴリズムにしたがって変換する。
変換された図形データは、他のCADアプリケーション22によって、再生された後、画像表示処理部11に出力される。画像表示処理部11は、CADアプリケーション22が出力するデータの表示処理を行い、これを表示部12に出力する。表示部12は、表示データの入力を受けて、これを表示する。
また、曲面変換プログラム実行時においては、再生された曲面データは、画像表示処理部11に出力される。画像表示処理部11は、CADアプリケーション22が出力するデータの表示処理を行い、これを表示部12に出力する。表示部12は、表示データの入力を受けて、これを表示する。
すなわち、ガウス曲率0となる点を変形の基準として、曲率線方向にガース長さ分だけ曲率線を伸縮変形させ、メッシュまたは曲面を再生する。そして、再生した図形データを画像表示処理部11に出力し、表示処理後、表示部12において表示される。
以上説明したように、本実施形態のCADシステムによれば、C2連続の連続性を保持して、自由曲面の解析、変換、再生を行うことができる効果が得られる。したがってCADモデルの利用価値を大幅に高めることができるとともに、設計・生産プロセスを効率化することができる効果が得られる。
なお、出願人らは、上記曲面解析、再生アルゴリズムの有効性の検証として、図12に示すような検証試験を行った。本検証試験においては、トーラス面の半径R、輪環面の半径rで定義されるトーラスについて、
トーラス面方向 :0°≦v≦45°
ただし、0°は所定の輪環面とする。
輪環面方向 :135°≦u≦180°
ただし、トーラス面の外径を0°とする。
で定義される曲面部分のみトリムしたトリム面の解析、再生誤差の評価を行った。具体的には、上述したCADシステムによる曲面解析で得られた曲率線の情報から曲面上の点列座標を再生し、この再生結果が示す座標値と、数式から算出される座標値を比較して、誤差を算出した。
図13は、上記v、uを上述したCADシステムにおけるu、vと対応する形で正規化して、曲面解析、再生アルゴリズムを適用した結果(再生した座標値)と、数式から算出される元の座標値と、その偏差を示す図である。
なお、偏差は、
(再生座標−元の座標)/(元の座標最大値−元の座標最小値)
で定義している。
この結果、本発明の曲面解析、再生アルゴリズムを適用した場合、最大偏差は10のマイナス5乗以下となり、PDQ(Product Data Quality)レベルを満たすことができた。
さらに、従来技術の問題点として指摘したNURBS補間の誤差による影響を本発明のパラメータ空間における補間の誤差の影響と比較した様子を図16、図17に示す。図14のレンダリングモデル、図15のメッシュモデルにおいては、データ変換による影響として不測のシワが発生してしまうが、図16、図17においては、データ変換誤差がコンピュータの丸め誤差による影響のみに抑えられるため、同様のシワは発生していない。
したがって、本実施形態のCADシステムによれば、CADモデルの利用価値を大幅に高めることができるとともに、設計・生産プロセスを効率化することができる効果が得られることが検証された。
なお、本実施形態のCADシステムにおいては、CADモデルにおける自由曲面解析、変換、再生に関する一連の処理について説明したが、本発明のCADシステムはこれに限られるものではなく、上述したCGシステムやコンピュータを用いて画像表現を行うシステム及びプログラムにおいて適用可能である。
また、本実施形態のCADシステムにおいては、好適な例として図2に示すように曲面をメッシュに分割した後、基本ベクトルSu、Svで規格化し、点列情報(u、v)を用いたu、vパラメータ表現による自由曲面解析、変換、再生を行ったが、本発明のCADシステムはこれに限られるものではなく、(x、y、z)座標パラメータによる座標値を用いてもよい。
次に、本発明のCADシステムの第2の実施形態について説明する。
本実施形態のCADシステムが第1の実施形態と異なる点は、曲面再生装置における曲面再生アルゴリズムである。すなわち、上記実施形態においては、曲面再生装置は、局面解析装置より入力する一次基本量、二次基本量より曲率線を算出し、点列情報を(u,v)のパラメータ空間に写像した捻れが発生しない状態で点列間の補間処理を実行し、逆写像して曲面を生成した。これはベクトル(テンソル)による幾何学的処理を採用した曲面再生アルゴリズムである。一方、本実施形態では、点列情報、一次基本量、二次基本量を用いて、偏微分方程式(連立方程式、行列式)による一般曲面の直接解を求めることで、曲面を再生する。
一般論として、曲面座標系での偏微分方程式を解く場合、微分係数変数が多く、収束計算が複雑化するため、計算負荷が大きいという問題点がある。したがって、微分係数変数が少なくなるように、適当な座標系を選択する必要がある。本実施形態の再生装置においては、主曲率λ、μ(=κ1、κ2)の主曲率線座標(u,v)を座標系として選択する。
主曲率線において、2つの主方向(最大曲率と最小曲率)は直交することから、式(4)において、一次基本量F=0となる。また、式(13)において、du=cosθ、dv=sinθとおいて、θ=0、π/2を代入すると、
Figure 0004175470
が主曲率となり、ガウス曲率Kの定義から
Figure 0004175470
となる。
Mが0でなければならないから、一次基本量F=二次基本量M=0が成り立つ。即ち、曲面p(u;v)の第一基本形式は
Figure 0004175470
また、第二基本形式は、
Figure 0004175470
と表される。ここで、式(44)にL=λE、N=μGを代入すると、
Figure 0004175470
と表すことができる。
以下,この座標のもとで曲面p を決定するための微分方程式を書き表す。一般に、ガウスの方程式(ガウス曲率を一次基本量で表す方程式)を示すために、まず、測地線の微分方程式を一次基本量E,F,Gを用いると、次のクリストッフェルの記号で定義すると、
Figure 0004175470
これにより、ガウスの公式(pの2階微分)が
Figure 0004175470
(但し、νは曲面の単位法線ベクトル)と表される。また、単位法線ベクトルの微分(ワインガルテンの公式)は、
Figure 0004175470
である。
ここで、F =0、L=λE、M=0、N=μGを代入することにより,
Figure 0004175470
となり、また、単位法線ベクトルの微分(ワインガルテンの公式)は、
Figure 0004175470
となるから、それぞれを式(47)に代入すると、
Figure 0004175470
を得る。これを(曲率座標系での)ガウス・ワインガルテンの公式またはフルネ方程式3とよぶ.
pu,pv,νを3次の列ベクトルと見なし、3次正方行列は、
Figure 0004175470
となるが、これをフレームの方程式で表すと、
Figure 0004175470
となる。特にFは、正則(非特異)行列、つまり、Fの各項は、全て0になることはない。するとフルネ方程式は、フレームの方程式
Figure 0004175470
を満たす。とくに、式(45)の第1式をuで微分したものと、第2式をvで微分したものは、等しくなる。これを整理すると次式のようになる。
Figure 0004175470
以上説明したように、曲率線座標上では、F=0、M=0、及びL=λE、N=μGとなるために、上記の曲面の構造方程式フルネ方程式(ガウス・ワインガルテンの公式)と曲面の構造方程式の積分可能条件であるガウス方程式とコダッチ方程式を一次基本量E、Gと一次基本量E、Gの1、2階微分及び主曲率λ、μで表すことができる。
すなわち、逆に一次基本量E、Gと主曲率λ、μとが曲面再生装置に入力されると、上述したようなパラメータ表現でフルネ方程式を設定し、点列情報のうち、任意の点(u、v)を固定することで、任意の行列を初期値に持つ解がただひとつ存在することが知られていることから、これを利用した数値解法で実空間上座標値を算出する。
したがって、本実施形態のCADシステムによれば、上記実施形態と同様に、C2連続の連続性を保持して、自由曲面の解析、変換、再生を行うことができる効果が得られる。したがってCADモデルの利用価値を大幅に高めることができるとともに、設計・生産プロセスを効率化することができる効果が得られる。
上述のCADシステム、曲面解析装置、曲面再生装置は、内部に、コンピュータシステムを有している。
そして、上述した曲面解析処理、曲面再生処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
すなわち、上述のCADシステム、曲面解析装置、曲面再生装置における、各処理手段、処理部は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されるものである。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
本発明のCADシステムにおけるCADデータの流れを示すフローチャートである。 本実施形態のCADシステムの構成を示す構成図である。 曲面をm×nのメッシュに分割し、基本ベクトルS、Sを定義する様子を示す説明図である。 単位接線ベクトルtと単位法線ベクトルnの張る面を示す説明図である。 本実施形態のCADシステムによる曲面解析処理、曲面再生処理の過程を示すフローチャートである。 曲率変化の様子を示す説明図である。 曲面解析処理の概略を示す説明図である。 曲面再生処理の概略を示す説明図である。 パラメータ空間における曲率線、逆写像目標点、逆写像目標点と曲率線の交点の関係を示す説明図である。 実空間における曲率線、逆写像目標点、逆写像目標点と曲率線の交点の関係を示す説明図である。 逆写像目標点を実空間上に逆写像する処理の流れを示すフローチャートである。 本検証試験の概略を示す説明図である。 本検証試験の試験結果を示す説明図である。 NURBSで表現されたCAD情報をCAM情報に変換する前後の再生曲面のレンダリングモデルを示す説明図である。 NURBSで表現されたCAD情報をCAM情報に変換する前後の再生曲面のメッシュモデルを示す説明図である。 本実施形態のCADシステムによって、NURBSで表現されたCAD情報をCAM情報に変換する前後の再生曲面のレンダリングモデルを示す説明図である。 本実施形態のCADシステムによって、NURBSで表現されたCAD情報をCAM情報に変換する前後の再生曲面のメッシュモデルを示す説明図である。
符号の説明
1…解析プログラム
2…変換プログラム
3…再生プログラム
10…データベース
11…画像表示処理部
12…表示部
13…出力部

Claims (11)

  1. 曲面解析装置と、曲面再生装置とから構成されるCADシステムであって、
    前記曲面解析装置が、
    所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像手段と、
    前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出手段と
    を具備し、
    前記曲面再生装置が、
    前記曲面解析装置によって算出された前記パラメータ空間上における各点の前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、前記実空間上における前記曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出手段と、
    前記実空間座標を前記パラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出手段と、
    前記第1の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出手段と、
    前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生手段と
    を具備することを特徴とするCADシステム。
  2. 前記曲率線算出手段は、ガウス曲率ゼロとなる点を変形の基準として、曲率線方向にガース長さ分だけ前記曲率線を伸縮変形させ、前記実空間上において、前記曲面の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する請求項1に記載のCADシステム。
  3. 前記第1の実空間座標値算出手段は、前記パラメータ空間を所定のパラメータ空間座標分割数で第1方向、第2方向に分割し、この分割交点を前記逆写像目標点として設定する請求項1または請求項2に記載のCADシステム。
  4. 所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像手段と、
    前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出手段と
    を具備し、
    前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量を、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生装置に出力する曲面解析装置。
  5. 請求項4に記載の曲面解析装置によって算出された曲面上の複数の点における前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出手段と、
    前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出手段と、
    前記第1の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出手段と、
    前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生手段と
    を具備することを特徴とする曲面再生装置。
  6. コンピュータが、
    所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像し、
    前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出し、
    前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量が、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生方法に用いられることを特徴とする曲面解析方法。
  7. ンピュータが、
    請求項6に記載の曲面解析方法によって算出された曲面上の複数の点における一次基本量及び二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出工程と、
    前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出工程と、
    前記第1の実空間座標値算出工程において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出工程と、
    前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生工程と
    を実行することを特徴とする曲面再生方法。
  8. 所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像処理と、
    前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出処理と、
    前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出処理と、
    前記実空間座標を前記パラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出処理と、
    前記第1の実空間座標値算出処理において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出処理と、
    前記第2の実空間座標値算出処理おいて算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生処理と
    をコンピュータに実行させるためのCADプログラム。
  9. 所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像する曲面写像処理と、
    前記パラメータ空間上に写像された曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する規格量算出処理と
    前記点毎に求められた前記一次基本量及び前記二次基本量を、これらの情報を用いて前記曲面を再生する曲面再生装置に出力する処理と
    をコンピュータに実行させるための曲面解析プログラム。
  10. 請求項9に記載の曲面解析プログラムをコンピュータが実行することにより算出された曲面上の複数の点における一次基本量及び二次基本量に基づいて、実空間上の曲面上の曲率線及び該曲率線が通過する実空間座標を算出する曲率線算出処理と、
    前記実空間座標をパラメータ空間上に写像するとともに、該パラメータ空間上に逆写像目標点を設定し、該逆写像目標点を通過する線と前記パラメータ空間上に写像された前記曲率線との交点座標を取得し、この交点座標に対応する前記実空間上の交点座標を、前記実空間上の曲率線上の前記実空間座標と、前記パラメータ空間上での曲率線の始点から前記交点座標までの前記曲率線に沿った距離と前記曲率線全長との比とに基づいて算出する第1の実空間座標値算出処理と、
    前記第1の実空間座標値算出処理において算出された前記実空間上の前記交点座標に基づいて、所定の図形表現により、該交点座標を通過する前記実空間上の曲面上の曲線を算出し、前記パラメータ空間上における前記逆写像目標点を通過する線の始点から前記逆写像目標点までの距離に基づいて、前記逆写像目標点に対応する前記実空間上の前記曲線上の座標値を算出する第2の実空間座標値算出処理と、
    前記第2の実空間座標値算出手段によって算出された前記実空間上の座標値を用いて、前記実空間上で曲面データを再生する曲面再生処理と
    をコンピュータに実行させるための曲面再生プログラム。
  11. 所定の図形表現により生成される実空間上の曲面をパラメータ空間に写像し、前記パラメータ空間上に写像した曲面上に複数の点を設定し、前記点毎に該点を通過するパラメータ一定の曲線の接線ベクトル及び前記接線ベクトルから決まる法線ベクトルをそれぞれ求め、前記接線ベクトルによって定義される一次基本量、及び前記接線ベクトルと前記法線ベクトルとによって定義される二次基本量を前記点毎に算出する曲面解析装置と、
    前記一次基本量及び二次基本量に基づいて、前記実空間上の曲面を表す微分方程式のパラメータを設定し、該微分方程式の数値計算処理により実空間座標値を算出し、曲面データを再生する曲面再生装置と
    を具備することを特徴とするCADシステム。
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