JP6090849B2 - 曲率演算装置、曲率線書込装置、曲率演算方法およびプログラム - Google Patents
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Description
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
なお、明細書の記載において、ベクトルないし行列を示す太字表記を省略する。また、「曲線」は、直線ないし線分を含む上位概念を示すものとする。
図1は、本発明の第1の実施形態における曲率演算装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、曲率演算装置100は、曲面データ取得部110と、曲率線取得部120と、曲率演算部130と、演算結果出力部190とを具備する。
但し、曲率演算装置100の適用範囲はぎょう鉄に限らない。例えば曲面形状の評価など、曲率を参照する様々な用途に曲率演算装置100を用いることができる。
曲率線取得部120は、曲面データ取得部110が取得した曲面データの示す曲面の曲率線を取得する。例えば、曲率線取得部120は、曲面データ取得部110が取得した曲面データから、曲率線を構成する点の座標を算出する。但し、曲率線取得部120が曲率線を取得する方法はこれに限らず、他の装置が算出した曲率線を示すデータを取得するようにしてもよい。
曲率演算部130は、曲率線取得部120が取得した曲率線における曲率を算出する。
但し、演算結果出力部190が演算結果を出力する方法は、演算結果を画面表示する方法に限らない。例えば、演算結果出力部190が他の装置に演算結果を送信するなど、画面表示以外の方法で演算結果を出力するようにしてもよい。
まず、曲率線を空間曲線として把握することができる。ここでいう空間曲線とは、3次元空間に含まれる曲線である。空間曲線について、以下の性質が得られる。
弧長(曲線上の道のり)sをパラメータとして曲線(空間曲線)をc(s)=(x(s),y(s),z(s))と表す。
また、曲率(curvature)をκとして、式(1)の関係が成り立つ。
また、捩率(torsion)をτとして、式(2)の関係が成り立つ。
また、曲線c(s)の1階微分c’(s)について式(4)に示す関係が成り立つ。
式(5)を弧長sで微分して式(6)を得られる。
また、式(6)のn’を、上記のフレネセレの公式の第2式(式(2))を用いて置き換えると式(8)を得られる。
一方、曲率線は、曲面において断面の曲率が最大または最小となる方向を連続して辿って得られる曲線なので、曲率線を曲面の上の曲線(Curve On Surface)として把握することも可能である。
まず、uおよびv(0≦u≦1、0≦v≦1)をパラメータとして、点(x,y,z)がuv平面上の矩形領域を動くとき、式(12)のように示される。
また、曲面R(u,v)に含まれる曲線c(s)の単位接ベクトルtと曲線の単位法線ベクトル(Unit Normal Vector)nとの関係は、式(14)のように示される。
また、κnは法曲率(Normal Curvature)を示し、κgは測地線曲率(Geodesic Curvature)を示す。
点Pにおける法曲率κnは式(15)のように示される。
法曲率κnの極値(Extreme Value)は、式(15)においてdκn/dλ=0とすることで得られ、式(16)のように示される。
また、曲線c(s)の3階微分c’’’(s)は式(25)のように示される。
式(29)および式(28)より式(30)を得られる。
式(33)の両辺にRuの内積を作用させて式(35)を得られる。
なお、上記のように、式(39)や式(40)は、式(33)および式(37)に基づいて得られている。そして、式(33)は、曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する2階微分の式(式(5))と、曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して2階微分した式(式(24))とが等しいと置いて得られる。また、式(37)は、弧長をパラメータとして曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式の一例に該当する。
例えば、曲率線取得部120は、曲面の境界に等間隔で初期位置を設定し、各初期位置からルンゲクッタ法などの積分法を用いて、当該初期位置を通る曲率線に含まれる点を示すパラメータuおよびvを順に求めていく。パラメータu、vを特定することで、曲率線取得部120は、曲率線に含まれる点R(u,v)を特定し、得られた点を結んで曲率線を取得する。
曲率線取得部120は、κ1、κ2の各々について曲率線を取得する。κ1により最大曲率線が得られ、κ2により最小曲率線が得られる。
図2は、曲率演算装置100が曲率を算出して出力する処理手順を示すフローチャートである。曲率演算装置100は、曲率の演算を指示するユーザ操作を受けると同図の処理を行う。
図2の処理において、まず、曲面データ取得部110が、曲面データを取得する(ステップS101)。次に、曲率線取得部120は、曲面データ取得部110が取得した曲面データの示す曲面の曲率線を取得する(ステップS102)。また、曲率演算部130は、曲率線取得部120が取得した曲率線における曲率を算出する(ステップS103)。そして、演算結果出力部190は、曲率演算部130が算出した曲率を出力する(ステップS104)。
そして、ぎょう鉄を行う加工者は、最小曲率線に沿って冷間曲げ加工を行い、最大曲率線に沿って線状加熱による曲げ加工を行うことができる。特異点(Singular Point)以外では最小曲率線と最大曲率線とは直交するので、加工者は、最小曲率線に沿って冷間曲げ加工を行うことで、最小曲率線に直交する最大曲率線方向の大きな曲げを冷間曲げ加工にて行うことができる。そして、加工者は、最大曲率線に沿って行う線状加熱による曲げ加工にて、最大曲率線に直交する最小曲率線方向の小さな曲げを行えばよい。
また、加工者は、曲げ加工を行う際、曲率演算装置100が算出した曲率を参照して、曲率に応じた曲げを発生させればよい。
さらには、曲率演算装置100を、曲率演算部130が算出した曲率に基づいて平面部材に曲率線を書き込む曲率線書込部を具備する曲率線書込装置として構成してもよい。この場合、ユーザは、平面部材に曲率線を書き込む必要が無く、この点においてユーザの負担をさらに軽減することができる。
ステップS104の後、図2の処理を終了する。
これにより、曲率演算部130は、曲率線を空間曲線として見た場合の曲率を算出することができる。演算結果出力部190が曲率演算部130の算出した曲率を表示することで、ユーザは、上記のように曲率線を平面に展開することができる。そして、ぎょう鉄を行う加工者は、最小曲率線に沿って冷間曲げ加工を行い、最大曲率線に沿って線状加熱による曲げ加工を行うことができる。
図3は、本発明の第2の実施形態における曲率演算装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、曲率演算装置200は、曲面データ取得部110と、曲率線取得部120と、曲率演算部130と、微分演算部240と、演算結果出力部290とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(110、120、130)を付して説明を省略する。
演算結果出力部290は、演算結果出力部190(図1)と同様、曲率演算部130が算出した曲率を出力する。加えて、演算結果出力部290は、微分演算部240が算出した曲率の微分や、捩率や、捩率の微分を出力する。
演算結果出力部190の場合と同様、演算結果出力部290が、演算結果(曲率や、曲率の微分や、捩率の微分)を画面表示するようにしてもよいし、他の装置に演算結果を送信するなど、画面表示以外の方法で演算結果を出力するようにしてもよい。
式(33)〜式(40)を参照して上述した曲率の場合と同様、式(8)および式(25)より式(41)を得られる。
式(11)および式(27)より式(50)を得られる。
これにより、係数C(バー)m nを式(51)のように定義する。
なお、上記のように、式(58)や式(59)は、式(50)および式(56)に基づいて得られている。そして、式(50)は、曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する微分(m階微分)の式(式(11))と、曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して微分(m階微分)した式(式(27))とが等しいと置いて得られる。また、式(56)は、弧長をパラメータとして曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式の一例に該当する。
微分演算部240は、式(58)または式(59)を解いて、曲率κの微分や、捩率τまたはその微分を算出する。
図4は、曲率演算装置200が曲率を算出して出力する処理手順を示すフローチャートである。曲率演算装置200は、曲率の演算を指示するユーザ操作を受けると同図の処理を行う。
図4のステップS201〜S203は、図2のステップS101〜S103と同様である。
そして、演算結果出力部290は、曲率演算部130が算出した曲率や、微分演算部240が算出した曲率の微分や、捩率や、捩率の微分を出力する(ステップS205)。
その後、図4の処理を終了する。
これにより、微分演算部240は、曲率線の曲率の微分や、捩率や、捩率の微分を算出することができる。演算結果出力部290が微分演算部240の演算結果を表示することで、ユーザは、曲率線上での最大の曲率や、捩れがどこにあるか等を把握して、より適切に曲率線を平面に展開することができる。例えば、ユーザは、κの最大値を把握することで、曲りの一番大きいところに最大曲率線を引くなど、様々に引くことのできる最大曲率線や最小曲率線のうち、いずれの最大曲率線や最小曲率線を引くべきかの選択に用いることができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 曲面データ取得部
120 曲率線取得部
130 曲率演算部
190、290 演算結果出力部
240 微分演算部
Claims (5)
- 曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する2階微分の式と前記曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して2階微分した式とが等しいと置いた式と、弧長をパラメータとして前記曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式とに基づいて、連立方程式を解いて曲率線の曲率を算出する曲率演算部を具備することを特徴とする曲率演算装置。
- 曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する微分の式と前記曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して微分した式とが等しいと置いた式と、弧長をパラメータとして前記曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式とに基づいて、連立方程式を解いて曲率線の曲率の微分、捩率または捩率の微分の少なくともいずれかを算出する微分演算部を具備することを特徴とする請求項1に記載の曲率演算装置。
- 曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する2階微分の式と前記曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して2階微分した式とが等しいと置いた式と、弧長をパラメータとして前記曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式とに基づいて、連立方程式を解いて曲率線の曲率を算出する曲率演算部と、
前記曲率演算部が算出した曲率に基づいて平面部材に曲率線を書き込む曲率線書込部と、
を具備することを特徴とする曲率線書込装置。 - 曲率演算装置の曲率演算方法であって、
曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する2階微分の式と前記曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して2階微分した式とが等しいと置いた式と、弧長をパラメータとして前記曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式とに基づいて、連立方程式を解いて曲率線の曲率を算出する曲率演算ステップを具備することを特徴とする曲率演算方法。 - 曲率演算装置としてのコンピュータに、
曲率線を空間曲線としてみなしたときの弧長に関する2階微分の式と前記曲率線を曲面上の曲線として弧長に関して2階微分した式とが等しいと置いた式と、弧長をパラメータとして前記曲面の曲率線を示す式を弧長で微分して得られる式とに基づいて、連立方程式を解いて曲率線の曲率を算出する曲率演算ステップを実行させるためのプログラム。
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