JP4175077B2 - 積層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐折寿命、熱寸法安定性、耐引裂性に優れたフィルムに関するものであり、各種工業材料用途として使用した場合、特に使用耐久性にすぐれたものである。
【0002】
【従来の技術】
さまざまな熱可塑性樹脂のフィルムが工業的に生産され、各々の特性にあった分野で用いられている。たとえば、結晶性熱可塑性樹脂からなるフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが使用されている。また、非晶性熱可塑性樹脂からなるフィルムとしては、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが使用されている。
【0003】
また、近年、他種類の熱可塑性樹脂を用い、ブレンドや積層などのプロセスを用いて、1つの熱可塑性樹脂を使用したフィルムでは達成できない特性を付与する試みがなされている。例えば、結晶性熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレートと結晶性熱可塑性樹脂であるセバシン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを積層することにより、耐引裂性が向上することが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、このフィルムは、カード用途などに使用したり、包装材料などに使用した場合、連続的に使用すると割れたり、破れたりする現象が発生するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−190995号公報 実施例1
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決し、従来の耐引裂性フィルムでは殆ど向上できない耐折性を大幅に向上し、さらに耐引裂性、寸法安定性などの特性を両立させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚み方向に5〜3000層に積層されており、少なくとも1層がその厚みが1〜50μmである結晶性樹脂(A)層であり、且つ、少なくとも1層が非晶性樹脂(B)層であり、耐折回数(a)と厚み(mm)(b)の積(a×b)が2500〜12000である積層フィルムを骨子とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明における積層フィルムにおいては、各層を構成する各々の熱可塑性樹脂は、少なくとも1層が結晶性樹脂であり、且つ、少なくとも1層が非晶性樹脂層であることが必須である。
【0009】
本発明でいう結晶性熱可塑性樹脂(A)とは、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、シンジオタクチックポリスチレンなどで代表されるものである。更に具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどが用いられる。もちろん、これらのポリエステル等の樹脂としては、ホモポリマーであってもコポリマーであっても良く、ポリエステルの場合、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物などのジオール成分、ダイマー酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が用いられる。
【0010】
また、本発明でいう非晶性熱可塑性樹脂(B)とは、例えば、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド、共重合ポリオレフィンなどで代表されるものである。
【0011】
更には、本発明の結晶性熱可塑性樹脂(A)(又は、非晶性熱可塑性樹脂(B))としては、結晶性熱可塑性樹脂(A)(又は、非晶性熱可塑性樹脂(B))として好適であると例示した上記各種ポリマーの混合物であっても良いし、場合によっては、上記各種ポリマーを構成するモノマーを適宜共重合(ランダム、ブロック、グラフト)させたものであっても良い。本発明の結晶性樹脂(A)層(又は、非結晶性樹脂(B)層)は、前記の通りのポリマーを主成分とすることが好適であり、特に限定されるものではないが、好ましくは70(より好ましくは80、更に好ましくは90)重量%以上である。場合によっては本発明の結晶性樹脂(A)層(又は、非結晶性樹脂(B)層)に微量の非結晶性樹脂(B)(又は、結晶性樹脂(A))乃至はそのモノマー成分が含まれていても良いが、その場合は、好ましくは10(より好ましくは6、更に好ましくは4)重量%以下である。
【0012】
なお、本発明の積層フィルムを構成する各結晶性熱可塑性樹脂(A)(又は、非晶性熱可塑性樹脂(B))層は、同一ポリマー種、同一組成である方が製造が容易で好ましいものであるが、積層フィルムの用途や必要とされる性能に応じて、各結晶性熱可塑性樹脂(A)(又は、非晶性熱可塑性樹脂(B))層の少なくとも1層が他の層とはポリマー種や組成が異なっているものであっても良い。
【0013】
本発明の積層フィルムは、厚み方向に5〜3000層に積層されていることが必須であり、より好ましくは8〜2050層、さらに好ましくは10〜1500層、最も好ましくは15〜500層、特に好ましくは20〜99層である。積層数が5未満の場合、本発明の耐折性向上効果が得られず、また、3000層を越えた場合には、積層精度が悪くなるために本発明の効果が得られなくなる。
【0014】
積層されるポリエステル等の樹脂の順序については、特に限定するものではないが結晶性樹脂(A)層と非晶性樹脂(B)層が交互に積層されているのが好ましい。交互に積層されている場合、耐折性、耐引裂性などの本発明の効果が得られやすくなる。なお、A(又はB)層が続いて積層されている場合(例えばA1A2A3(又はB1B2B3)等)、これを1つのA(又はB)層と見なす。要は、各A(又はB)層はなるべく同じ厚さであるか、極端な偏りが無いことが好ましい。もちろん、A層とB層以外の層が間に積層されていても本発明の効果を損なわない範囲であれば構わない。また、各々のA層の厚みは1〜50μmであることが好ましく、5〜25μmであるとより好ましい。各々のB層の厚みは10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。積層厚みを上記範囲とすると、本発明の効果が得られやすくなる。又、本発明の積層フィルム全体の厚さは、好ましくは10〜300(より好ましくは30〜200、更に好ましくは45〜120)mmである。
【0015】
さらに、最表層の積層を除く、A層をAin層とすると、各Ain層の厚みの総和をΣAin、Ain層の総数をnAin、Ain層のうち、最大厚みを有する層の厚みをMaxAinとして、
最大偏厚率σAin=MaxAin*nAin/ΣAin
とすると、σAinが3以下であることが好ましい。より好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下である。また、最表層の積層を除く、Bin層における、Ain層の場合と同様にして導いた最大偏厚率σBinが3以下であることが好ましい。また、より好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下である。最大偏厚率σAinおよびσBinが上記範囲内であれば、本発明の効果が得られやすくなる。
【0016】
また、各A層の厚みの総和と各B層の厚みの総和の比である積層厚み比(A/B)は、2〜20であることが好ましい。積層厚み比がこの範囲内であれば、耐折性が向上しやすくなり、本発明の積層フィルムが得られやすくなる。積層厚み比のより好ましい範囲は3〜15、最も好ましい範囲は8〜12である。
【0017】
さらに、本発明の積層フィルムは、示差走査熱量分析(DSC)により観察される10以上(より好ましくは12〜70、更に好ましくは15〜50)J/gの結晶融解ピークが、1つ以上であることが好ましい。このピークは、結晶性樹脂の指標であり、非晶性樹脂には現れないものである。なお、製造の簡便さを考慮すると単数の結晶性樹脂をを用いることが好ましいので前記ピークは1つであることがより好ましい。ここでいう、結晶融解ピークは、JIS7121によって規定されるものである。一般に、結晶の融解挙動は、DSCにおいては、熱量の吸熱方向に現れるピークであり、ガラス転移温度(Tg)よりも高温側に観察される。
【0018】
また、吸熱ピークが2つ以上観察される場合に於いても、ピークの1つがフィルムの受けた熱履歴によるものである場合、たとえ吸熱ピークが2つ以上観察されても、結晶融解ピークが1つであると判断できる。この判断が困難である場合は、例えば、フィルム製造工程で行われる熱固定温度などを変化させ、その温度変化と対応せず一定であるものを結晶融解ピークと判断する方法を用いても良い。
【0019】
また、該結晶性樹脂(A)層と該非結晶性樹脂(B)層を構成する樹脂の引張弾性率は1400〜10000MPaであることが、寸法安定の観点から好ましい。より好ましくは、2000〜7000MPa、最も好ましくは2500〜5000MPaである。
【0020】
本発明の積層フィルムは、耐折回数(回)(a)と厚み(mm)(b)の積(a×b)が1500以上であると好ましく、上限は特に限定されるものではない。耐折性がこの範囲となると工業材料として用いた場合の使用耐久性が大幅に向上する。ここでいう耐折回数は、MIT耐折試験器によって、加重負荷下で折れ曲げを繰り返し、フィルムが破断するまでの往復曲げ回数のことを指す。一般に、この耐折回数は、同じフィルムであれば厚みに依存し、厚みが薄いほど耐折回数が大きくなる。また、生産性と効果の観点から、耐折回数(回)(a)と厚み(mm)(b)の積(a×b)の好ましい範囲は2000〜15000、より好ましくは2500〜12000、最も好ましくは3000〜11000である。
【0021】
また、本発明の目的を阻害しない範囲内で、このフィルムの表面の片面または両面にハードコート層、粘着層、金属蒸着層、着色層や紫外線吸収層などを任意の組み合わせで設けても構わない。粘着剤は、ガラス飛散防止フィルムをガラス面に固定する際必要となり、熱、溶剤、圧力またはそれらの組み合わせで活性化されるもので良く、例えばアクリレート等がある。また、ハードコート層はガラス飛散防止フィルムの取り付け時や洗浄時の機械的な磨耗からフィルムを保護するのに好適である。
【0022】
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明するが、もちろんこれに限定されるものではない。
【0023】
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂をろ過される。さらに、樹脂は、ダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。
【0024】
多層フィルムを得るための方法としては、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂を、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。
【0025】
特に本発明では、フィードブロックやスタティックミキサー等を用いて多層積層することが好ましい。
【0026】
ダイから吐出された積層構造を有するシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、実質的に未延伸のキャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ、急冷固化させるのが好ましい。
【0027】
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸しても構わない。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。
【0028】
ここで、縦方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜5倍が特に好ましく用いられる。
【0029】
また、横方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては、樹脂の種類により異なるが、通常2〜10倍が好ましく用いられる。
【0030】
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましく、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。この熱処理温度の好ましい範囲は、140〜250℃である。熱処理温度がこの範囲内であれば、耐折性が大幅に向上し、本発明の積層フィルムが得られやすくなる。また、熱処理温度のより好ましい範囲としては、180〜245℃、最も好ましい範囲は200〜240℃である。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)MIT耐折性試験
JIS−P−8115に従って測定する。
【0031】
MIT試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて、MIT耐折回数を測定する。
【0032】
試験片:110mm(長さ)×5mm(幅)
荷重:24.5MPa
(2)引裂伝播抵抗
JIS−K−7128−2に従って測定する。
【0033】
重荷重引裂試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて、引裂伝播抵抗を測定する。サンプルサイズは、幅63mm、長さ75mmの長方形にサンプリングし、幅方向中央部に端から20mmの切り込みを入れ、残り43mmを引き裂いたときの指示値を読みとる。引裂伝播抵抗としては、指示値より求めた引裂力(N)をフィルム厚み(mm)で除した値とする。なお、測定は10本のサンプルを用いて行い、その平均値を採用する。
(3)ヤング率
ASTM−D882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定する。測定は下記の条件とする。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH。
(4)熱収縮率
JIS−C2318に従って、測定する。
試料サイズ:幅10mm、標線間隔200mm
測定条件:温度100℃、処理時間30分、無荷重状態
100℃熱収縮率を次式より求める。
熱収縮率(%)=[(L0 −L)/L0]×100
L0 :加熱処理前の標線間隔
L:加熱処理後の標線間隔
(5)積層数、積層比
フィルムの層構造は、フィルムの断面観察より求める。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜200000倍に拡大観察し、断面写真を撮影し、積層数および各層厚みを測定する。透過型電子顕微鏡で観察しにくい場合、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、算出しても良い。
(6)結晶の融解熱量
結晶の融解熱量は、示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122に従って測定・算出する。
【0034】
装置:セイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”
データ解析”ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg
昇温速度:20℃/分
(7)極限粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出する。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定する。単位は[dl/g]で示す。
【0035】
【実施例】
実施例1
結晶性熱可塑性樹脂(A)として、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。また非晶性熱可塑性樹脂(B)としてポリカーボネートを用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
【0036】
熱可塑性樹脂(A)および(B)は、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂(A)および(B)は、スタティックミキサーに供給し、熱可塑性樹脂(A)が13層、熱可塑性樹脂(B)が12層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。ここで、積層厚み比がA/B=2/1になるよう、吐出量にて調整した。又、熱可塑性樹脂(A)および(B)の層の最大偏厚比は2以下に調整した。この様にして得られた計25層からなる積層対をTダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。
【0037】
この未延伸フィルムを、90℃に加熱した複数のロール群に導き予熱した後、延伸倍率3.0倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃にて3.2倍横延伸した後、210℃で熱処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、0.1mmであった。得られた結果を表1に示す。
実施例2
結晶性熱可塑性樹脂(A)としてポリアミド(6−ナイロン、東レ(株)製CM1010T)を用いること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例3
結晶性熱可塑性樹脂(A)としてポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製PBT樹脂”トレコン”(登録商標)1200S)を用いること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例4
非晶性熱可塑性樹脂(B)としてポリスルホン(帝人アモコエンジニアリングプラスチックス(株)社製”ユーデル”(登録商標)P−1700)を用いること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例5
結晶性熱可塑性樹脂(B)としてポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレン−コ−エチレンテレフタレート)共重合体(イーストマン・ケミカル社製 Easter PETG6763)を用いること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例6
積層数を変更する以外は、実施例5と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例7、比較例5
積層数、厚みを変更すること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
比較例6
積層数を変更すること以外は、実施例5と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
比較例1
積層数を変更すること以外は、実施例5と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。得られたフィルムは、積層数が多すぎるために本発明の効果が得られず、耐折性に劣ったフィルムしか得られなかった。
比較例2
熱可塑性樹脂Aとして固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、1台の押出機を用いて単層で押出を行うこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムは、本発明の積層フィルムに比べ、大幅に耐折性及び耐引裂性ともに劣ったフィルムしか得られなかった。
比較例3
積層数を変更すること以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。得られたフィルムは、積層数が少なすぎるために本発明の効果が得られず、耐折性に劣ったフィルムしか得られなかった。
比較例4
結晶性熱可塑性樹脂(A−1)として、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。また結晶性熱可塑性樹脂(A−2)としてポリアミド(6−ナイロン、東レ(株)製CM1010T)を用いた。これら熱可塑性樹脂(A−1)および(A−2)は、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
【0038】
熱可塑性樹脂(A−1)は、押出機にて280℃の溶融状態とし、熱可塑性樹脂(A−2)は、押出機にて270℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂(A−1)および(A−2)は、スタティックミキサーに供給し、25層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。ここで、積層厚み比がA/B=2/1になるよう、吐出量にて調整した。又、熱可塑性樹脂(A)および(B)の層の最大偏厚比は2以下に調整した。この様にして得られた計25層からなる積層対をTダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。
【0039】
この未延伸フィルムを、90℃に加熱した複数のロール群に導き予熱した後、延伸倍率3.0倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃にて3.2倍横延伸した後、210℃で熱処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、0.1mmであった。得られた結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
(MD:フィルム長手方向、TD:フィルム幅方向)
【0042】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは、耐折性に優れかつ耐引裂性、熱寸法安定性の特性を両立した特性を有しており、カード用途、包装用途などに適している。
Claims (6)
- 厚み方向に5〜3000層に積層されており、少なくとも1層がその厚みが1〜50μmである結晶性樹脂(A)層であり、且つ、少なくとも1層が非晶性樹脂(B)層であり、耐折回数(a)と厚み(mm)(b)の積(a×b)が2500〜12000である積層フィルム。
- 該結晶性樹脂(A)層と該非晶性樹脂(B)層が交互に積層されている請求項1に記載の積層フィルム。
- 示差走査熱量測定(DSC)により観察される、10J/g以上の結晶融解ピークが、1つ以上である請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 該結晶性樹脂(A)層が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、シンジオタクチックポリスチレンから選ばれる1つ以上を主成分とする層である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 該非晶性樹脂(B)層が、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド、共重合ポリオレフィンから選ばれる1つ以上を主成分とする層である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 該結晶性樹脂(A)層と該非結晶性樹脂(B)層を構成する樹脂の引張弾性率が1400MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
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