JP4174996B2 - 紫外線硬化型コーティング組成物および成形品 - Google Patents

紫外線硬化型コーティング組成物および成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂に対して優れた付着性を有する紫外線硬化型コーティング組成物、及び該組成物を硬化させたコート層を有するポリオレフィン系樹脂からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性など多くの優れた性質を有するため、シート、フィルム、成形物等として、近年広く採用されている。
【0003】
しかし、これらポリオレフィン系樹脂からなる基材(以下、ポリオレフィン系基材)は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等の極性基材とは異なり、非極性かつ結晶性であるため、塗装や接着が困難であるという欠点を有する。
【0004】
この問題に対して、ポリオレフィン系基材の表面にプラズマ処理やガス炎処理を施し活性化することにより、付着性を改良する方法がある。しかし、この方法では、工程が複雑で、多大な設備費や時間的なロスを伴う。さらに、成形物の形の複雑さや、樹脂中の顔料や添加物の影響により、表面処理効果にバラツキを生ずる等の欠点を有している。
【0005】
又、塩素化ポリオレフィン樹脂をコーティング組成物として用いることにより、ポリオレフィン系基材との親和性を高め、接着性の向上をはかった方法もある。しかし、脱塩酸による安定性の問題や、近年の環境意識の高まりにより、塩素の使用が忌避される傾向がある等の問題を有している。
【0006】
一方、無溶剤系であり環境に対する負荷が小さい、硬化速度が極めて速く製品の生産性が高い、加熱工程を経ないため熱に対して不安定な材料にも適用できる、等の利点がある紫外線硬化型の接着剤が開発されてきており、極性基材に対するものについては多くの技術が知られている。
【0007】
例えば、ポリオレフィン系基材用紫外線硬化型コーティング組成物として、末端に水酸基を含むアクリレートモノマーを用いる方法(特開平5-86220号)や、スチレン系及び/又は(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を用いる方法(特開平10-101751号)等がある。しかし、これらの組成物をもってしても、非極性であるポリオレフィン樹脂に対する接着性が不十分であり、さらなる改善が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリオレフィン系基材に対して良好な付着性を有する紫外線硬化型コーティング組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の変性ポリオレフィン樹脂を紫外線硬化型コーティング組成物中に配合することにより、難付着性材料であるポリオレフィン系基材に対して良好な付着性を有することを見いだし、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体のいずれかの共重合体が、不飽和カルボン酸無水物及び下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を、20重量%以上含む(メタ)アクリル化合物を一括添加してグラフト変性され、変性ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸無水物及び下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を、20重量%以上含む(メタ)アクリル化合物が、0.1〜90重量%含有され、かつ重量平均分子量が15,000〜200,000である変性ポリオレフィン樹脂(A)を0.1〜90重量%含有することを特徴とする紫外線硬化型コーティング組成物。
CH=CRCOOR ・・・(1)
(式(1)中、R=H又はCH、R=C2n+1、n=8〜18の整数)
(2)さらに、光硬化性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する(1)記載の紫外線硬化型コーティング組成物。
(3)(1)又は(2)記載の紫外線硬化型コーティング組成物を硬化させたコート層を有するポリオレフィン系樹脂からなる成形品。に関するものである。以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物に適用されるポリオレフィン系基材とは、熱可塑性樹脂、特に非極性熱可塑性樹脂を基材とする被着体である。非極性樹脂とは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、テルペン樹脂、スチレン樹脂などである。
【0012】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、これらの非極性樹脂を基材とする被着体が、プラズマ、コロナ等による付着性改善のための表面処理がなされていない、難付着性のものであっても使用できることを特徴としている。被着体の形状は、フィルム、シートなどの平面形状のもの、球状、円筒状、箱状などを始め、用途に適した形状のいずれの成形品にも適用可能である。
【0013】
本発明に用いる変性ポリオレフィン樹脂(A)は、光硬化性成分との間で、幅広い相溶性を示す。
【0014】
本発明に用いる変性ポリオレフィン樹脂(A)におけるポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1,4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上20以下、好ましくは2以上6以下のα-オレフィン、あるいはシクロペンテン、シクロヘキセン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の鎖状あるいは環状ポリエン、あるいはスチレン、置換スチレンなどの単独または共重合体である。重合体中のこれらモノマーの割合は、任意に選択できるが、ポリエチレン、ポリプロピレンを被着体とする場合は、エチレン−プロピレン、プロピレン−ブテン、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体が好ましく、特に、これらの樹脂中でのプロピレン単位の存在割合が50モル%以上98モル%以下であることが好ましい。50モル%よりも少ないと、被着体への付着性が劣り、98モル%より多いと柔軟性が不足する。
【0015】
該ポリオレフィン樹脂の分子量には、特に制限はない。しかし、変性ポリオレフィン樹脂(A)の重量平均分子量が15,000〜200,000となる必要がある。該ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が200,000より大きい重合体でも、熱やラジカルの存在下で減成して、分子量を適当な範囲に調整する等の公知の方法で、使用可能になる。これらは、単独でも、複数を併用することもできる。
【0016】
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、アコニット酸、フタル酸、トリメリット酸、ノルボルネンジカルボン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはこれらの誘導体を用いる。誘導体としては、例えば、不飽和カルボン酸の酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステルなどである。これらは、単独でも複数併用することもできる。
【0017】
変性ポリオレフィン樹脂(A)中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト重量は、0.1〜90重量%である。この範囲よりもグラフト重量が少ないと、コーティング組成物中の他成分との相溶性や被着体に対する接着性が低下する。また逆に多すぎると、組成物中のポリオレフィン量が減少すること、未反応物の増加やポリオレフィン骨格とグラフトしないホモポリマーやコポリマーが生成することにより、やはり被着体への付着力が低下するため、好ましくない。好ましくは、1〜85重量%、更に好ましくは、2〜80重量%である。
【0018】
特に、不飽和カルボン酸無水物及び/又は(メタ)アクリル化合物を用いることが、ポリオレフィン基材への付着性やコストの点で好ましい。
【0019】
不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸を用いることができ、好ましくは無水イタコン酸、無水マレイン酸である。これらの、変性ポリオレフィン樹脂(A)中でのグラフト重量は、0.1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。この範囲よりもグラフト重量が少ないとコーティング組成物の被着体に対する接着性が低下する。また、逆に多すぎると未反応物が多く発生するため好ましくない。
【0020】
又、(メタ)アクリル化合物とは、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個含む化合物であり、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは混合して使用することも出来、その混合割合は自由に設定することが出来る。特に、下記一般式で示される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を、20重量%以上含むものが好ましい。この条件を充たすことにより、溶剤溶解性や他樹脂との相溶性が向上する。
【0021】
【化1】
CH=CRCOOR
(式中、R=H又はCH、R=C2n+1、n=8〜18の整数)
【0022】
(メタ)アクリル化合物の変性ポリオレフィン樹脂(A)中のグラフト重量は、0.1〜90重量%が好ましい。この範囲よりもグラフト重量が少ないと変性ポリオレフィン樹脂(A)の溶解性や他樹脂との相溶性、付着力が低下する。また、逆に多すぎると、反応性が高い為に超高分子量体を形成して溶剤溶解性が悪化し、ポリオレフィン骨格にグラフトしないホモポリマーやコポリマーの生成量が増加するため好ましくない。より好ましくは、0.5〜85重量%、更に好ましくは、1〜80重量%である。
【0023】
変性ポリオレフィン樹脂(A)を得る方法は、公知の方法で行うことが可能である。例えば、ポリオレフィン樹脂をトルエン等の溶剤に加熱溶解し、上記化合物を添加する溶液法や、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等を使用して溶融したポリオレフィン樹脂に上記化合物を添加する溶融法等が挙げられる。添加に際しては一括添加する。
又、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト重合する際に、反応助剤としてスチレン、o−、p−、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等を添加することもできる。
【0024】
変性ポリオレフィン樹脂(A)の重量平均分子量は、15,000〜200,000、好ましくは30,000〜120,000である。15,000より小さいと非極性基材への付着力や凝集力が劣り、200,000より大きいと粘度増加により作業性や溶剤への溶解性、他樹脂との相溶性が低下する。
【0025】
尚、重量平均分子量の測定法としては、公知の方法、例えばGPC法、光散乱法等により求めることができるが、本発明における分子量は、GPC法で測定した分子量である。また、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト重量%はアルカリ滴定法により求められるが、誘導体が酸基を持たないエステル等の場合は、FT−IRにより求められる。本発明では、グラフト重量%をアルカリ滴定法が適用可能である場合にはアルカリ滴定法で求め、そうでない場合にはFT−IRにより求める。
【0026】
紫外線硬化性化合物(B)としては、(メタ)アクリル化合物やエポキシ化合物が使用される。
【0027】
(B)として用いる(メタ)アクリル化合物とは、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個含む化合物である。例えば、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー、ポリオールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有モノマーとの反応等で得られるウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応等で得られるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミドと(メタ)アクリル酸化合物との反応等によって得られるアミノ樹脂(メタ)アクリレート、アクリル樹脂と(メタ)アクリル酸化合物との反応等によって得られるアクリル樹脂(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
【0028】
エポキシ化合物としては、分子中にエポキシ基を少なくとも1個含む化合物である。例えば、1,2,3,4−ジエポキシブタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,9,10−ジエポキシデカン等の脂肪族エポキシ化合物、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート及びその誘導体等の脂環式エポキシ化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、等の脂肪族アルコール発底のグリシジルエーテル系エポキシ化合物、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン、といったモノマーが挙げられる。その他、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、等のエポキシル基を有するダイマーが挙げられる。
【0029】
光重合開始剤(C)としては、紫外線硬化性化合物(B)が(メタ)アクリル化合物の場合には、紫外線照射により分解してラジカルを生じ、ラジカル重合の開始反応を引き起こす化合物が好ましい。例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、α−アシロキシムエステル、チオキサントン類、アンスラキノン類及びその誘導体、アシルホスフィンオキシド及びその誘導体、等が挙げられる。また、紫外線硬化性化合物(B)がエポキシ化合物の場合には、紫外線照射によりカチオンを放出し、カチオン重合を開始させる化合物が好ましい。例えば、ヘキサフルオロヒ酸ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等の芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、等が挙げられる。
【0030】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、上記の変性ポリオレフィン樹脂(A)を0.1〜90重量%含有するものである。より好ましくは、さらに紫外線硬化性化合物(B)、光重合開始剤(C)をそれぞれ、5〜99.89重量%、0.01〜15重量%の割合で混合する。より好ましくは、(B)、(C)それぞれ50〜90重量%、1.0〜10重量%である。混合は、室温でも、必要に応じて加熱して行ってもよい。この割合を満たすことで、ポリオレフィン系基材に対する付着性が良好で、さらに溶剤溶解性や他樹脂との相溶性が良好な紫外線硬化型コーティング組成物を得ることができる。
【0031】
本発明組成物は、上記成分の他に、任意成分として必要に応じ、例えば増感剤、レベリング剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、光安定剤、水分吸収剤、顔料、染料、補強剤等を添加して使用できる。これらの添加剤の使用量は、本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じて適宜決められる。
【0032】
また、希釈溶剤としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n-ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の一般的な有機溶剤を使用することができる。
【0033】
本発明の組成物をポリオレフィン系基材に塗布するには、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、ドクターブレード、ロールコート、フローコートなどの公知の方法を用いることができる。塗布量は、用途によって適宜調整できるが、形成される硬化塗膜の膜厚が2〜100μmの範囲が好ましい。
【0034】
本発明の組成物は、基材上に塗布した後、紫外線を照射することで容易に硬化させることができる。例えば、200〜450nmの波長の紫外線を、0.1〜60秒間照射し、30〜5000mJ/cm2のエネルギーを与えることで硬化させることができる。ここで、紫外線の光源としては、水銀アーク灯、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが例示できる。
【0035】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂に対して良好な付着性を示すことを特徴とするが、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の極性基材に対しても同様に付着性を有しており、プラスチック基材のオーバーコート剤、印刷インキ用バインダー、オーバープリントワニス用のバインダー、塗料用バインダーなどのさまざまな分野で利用できる。
【0036】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
尚、重量平均分子量は、GPC法(標準物質:ポリスチレン)で求めた。また、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト重量%は、アルカリ滴定法により求めた。尚、(メタ)アクリル化合物のグラフト重量%は、FT−IRにより求めた。
【0038】
(製造例1)
窒素流入口、冷却管、及び滴下ロートを取りつけたフラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分97.5モル%、エチレン成分2.5モル%、重量平均分子量250,000)100gをトルエン400g中で撹拌しながら110℃に加熱して溶解させた後、ジクミルパーオキサイド1gを滴下し、その後1時間減成処理した。次に無水アコニット酸2g、アクリル酸オクチル4g、過酸化ベンゾイル0.5gをそれぞれ3時間かけて滴下した後1時間保持した。その後室温まで冷却した後、反応物を大量のアセトン中に滴下して精製し、重量平均分子量が68,000、無水アコニット酸のグラフト重量が1.2重量%、アクリル酸オクチルが2.8重量%の変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
【0039】
参考製造例2)L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000)100重量部、無水イタコン酸12重量部、ラウロイルパーオキサイド2重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は190℃(第1バレル〜第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂組成物の重量平均分子量は43,000、無水イタコン酸のグラフト重量は6.5重量%であった。
【0040】
(製造例3)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000)100重量部、無水マレイン酸8重量部、メタクリル酸ラウリル8重量部、ジクミルパーオキサイド1.5重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は180℃(第1バレル〜第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂組成物の重量平均分子量は49,000、無水マレイン酸のグラフト重量は5.2重量%、メタクリル酸ラウリルのグラフト重量は6.2重量%であった。
【0041】
(製造例4)
窒素流入口、冷却管、及び滴下ロートを取りつけたフラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分94モル%、エチレン成分6モル%、重量平均分子量75,000)100gをトルエン400g中で撹拌しながら105℃に加熱して溶解させた後、過酸化ベンゾイル20gを滴下し、105℃で10分間攪拌し、その後、無水イタコン酸14g、メタクリル酸メチル150g、メタクリル酸90g、アクリル酸ブチル70g、メタクリル酸エチルシクロヘキシル90gをそれぞれ2時間かけて滴下した後5時間保持した。その後室温まで冷却した後、反応物をキシレン200gで希釈して大量のアセトン中に滴下し、精製した。得られた樹脂組成物の重量平均分子量は90,000、無水イタコン酸のグラフト重量は2.1重量%であり、組成物中に(メタ)アクリル化合物が約75重量%存在する、変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
【0042】
(実施例1)
製造例1で得た変性ポリオレフィン樹脂を5重量部、表1に示される硬化成分Aを25重量部、希釈溶剤70重量部ビーカーに取り、撹拌溶解して紫外線硬化型コーティング組成物を調製した。得られた紫外線硬化型コーティング組成物について、下記の物性試験(溶液性状試験、フィルム性状試験、密着性試験)を行った。結果を表3に示す。
【0043】
(実施例2〜16)
表2に示す配合組成で、実施例1と同様にして、紫外線硬化型コーティング組成物を調製した。試験結果を表3に示す。
【0044】
(比較例1〜16)
実施例1〜16において、変性ポリオレフィン樹脂を添加せず、硬化成分及び希釈溶剤を混合して紫外線硬化型コーティング組成物を調製した。試験結果(フィルム性状試験及び密着性試験)を表4に示す。
【0045】
【表1】
表1
Figure 0004174996
【0046】
光重合開始剤 1:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
光重合開始剤 2:カヤキュアDETX−S、日本化薬(株)製
ポリエステルアクリレート※3:M−8060、東亜合成(株)製
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂※4:KRM2408、旭電化(株)製
エポキシ樹脂※5:EHPE−3150、ダイセル化学工業(株)製
光重合開始剤※6:SP−150、旭電化(株)製
【0047】
【表2】
表2
Figure 0004174996
【0048】
試験1:溶液性状試験
変性ポリオレフィン樹脂と硬化成分との相溶性を評価するために、得られた紫外線硬化型コーティング組成物の1日経過後の溶液性状を観察した。評価基準を以下に示す。
評価基準
○:クリア
△:やや白濁
×:白濁又は二層分離
【0049】
試験2:フィルム性状試験
得られた紫外線硬化型コーティング組成物をガラス板にフィルム状に塗布し、1日経過後のガラス板塗布面の塗膜の性状を観察した。評価基準を以下に示す。評価基準
○:クリア
△:やや白濁
×:白濁又は二層分離
【0050】
試験3:密着性試験
別途用意したポリプロピレン板に、紫外線硬化型コーティング組成物を、#6のマイヤー・バーにて膜厚が5〜10μmになるように塗布した。40〜60℃で1分間乾燥させた後、光源にメタルハライドランプを用いた紫外線照射装置を用いて、試験体との距離10cmから、エネルギー線量が150mJ/cmとなるように紫外線を照射し、紫外線硬化型コーティング組成物によってコーティングされた試験基材を調製した。試験基材表面に、セロファンテープ剥離試験を行い、コーティング層とポリプロピレン板との密着性を、以下の評価基準に則り評価した。
評価基準
○:コーティング層と基板との間では剥離せず、セロファンテープの粘着層とコーティング層との間で剥離が生じる。
△:コーティング層と基板との間での界面剥離が最大50%程度まで認められる。
×:コーティング層と基板との間での界面剥離が50%以上認められる。
【0051】
【表3】
表3
Figure 0004174996
【0052】
【表4】
表4
Figure 0004174996
組成物の構成(A/B/C):変性ポリオレフィン樹脂(A)/紫外線硬化性化合物(B)/光重合開始剤(C)の各重量%を示す。
【0053】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、変性ポリオレフィン樹脂(A)を配合することにより、非極性樹脂であるポリプロピレン基板との密着性において大幅に向上していることがわかる。同時に、本発明の紫外線硬化型コーティング組成物が、良好な溶液性状をも有していることから、変性ポリオレフィン樹脂(A)が、硬化成分との間で良好な相溶性を示していることが明らかである。

Claims (3)

  1. エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体のいずれかの共重合体が、不飽和カルボン酸無水物及び下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を、20重量%以上含む(メタ)アクリル化合物を一括添加してグラフト変性され、変性ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸無水物及び下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を、20重量%以上含む(メタ)アクリル化合物が、0.1〜90重量%含有され、かつ重量平均分子量が15,000〜200,000である変性ポリオレフィン樹脂(A)を0.1〜90重量%含有することを特徴とする紫外線硬化型コーティング組成物。
    CH=CRCOOR ・・・(1)
    (式(1)中、R=H又はCH、R=C2n+1、n=8〜18の整数)
  2. さらに、光硬化性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する請求項1記載の紫外線硬化型コーティング組成物。
  3. 請求項1又は2記載の紫外線硬化型コーティング組成物を硬化させたコート層を有するポリオレフィン系樹脂からなる成形品。
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