JP4174920B2 - 転写ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハや基板に半田ボールや半田バンプ等を一括マウントするボールマウント装置において、前もってウエハや基板にフラックスを一括転写する転写ヘッドの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半田ボールマウント装置において、広範囲に渡る微少フラックス転写の新しい方式として、フィルム状部材を用いた転写ヘッド、即ち、フィルム状(板状、シート状)のものの下面に突起を設けたものをテンションをかけて張った転写ヘッドが存在する。しかし、この方式では、図8に示すように転写ヘッドをフラックス供給部16に押し当てるとき、フィルム状部材38の中央部が盛り上がる現象が発生し、転写ヘッドの中央部と周囲とでフラックスの付着量に差が生じてしまうといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、転写ヘッドをフラックス供給部に押し当てるときにも、フィルム状部材の中央部が盛り上がる現象が発生せず、転写ヘッドの中央部と周囲とでフラックスの付着量に差が生じず、フラックスの付着量を均一にできる転写ヘッドを提供することにより、上記問題点を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、下面に転写突起が設けられたフィルム状部材を転写ヘッド下面の枠にテンションをかけて張った転写ヘッドにおいて、無負荷状態ではフィルム状部材を付勢せず、フィルム状部材に上方へ向けた負荷が加わった時にフィルム状部材へ下方へ向けた付勢を与える手段をフィルム状部材上方に設けたことを特徴とする転写ヘッドを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、実施例と共に本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明が利用される半田ボールマウント装置の平面図である。該半田ボールマウント装置は、ウエハ供給部1と、フラックス転写部2と、ボールマウント部3と、ワーク駆動機構4とで構成される。本発明である転写ヘッドはフラックス転写部2に存在する。
【0006】
ウエハ供給部1は、供給用のウエハカセット5と、搬出用のウエハカセット6と、不良用のウエハカセット7との各ウエハカセットと、ウエハの搬送を行うクリーンルーム用スカラー型ロボット9と、ワーク駆動機構4上のウエハ位置決め位置8とでなる。
【0007】
ウエハ位置決め位置8の上方には、図2に示されるように、CCDカメラ31が図面上前後に重なり合うように2台配置されており(図面上は前方の1台のみが表れている)、その下方には、ウエハ上に向いた照明器32が配備されている。CCDカメラ31は、ワーク駆動機構4上のウエハ位置決め位置8上方で、ワーク駆動機構4と平行な方向(X軸方向)にモータ33により移動可能とされている。
【0008】
ワーク駆動機構4には、ウエハステージ30が設けられており、ウエハステージ30を駆動させるX軸(図1中左右方向)とΘ軸(回転方向)の2軸の駆動機構が設けられる。Θ軸の駆動機構は、位置決めを主たる役割として採用された駆動機構であるが、X軸の駆動機構は、ワーク移動の役割と位置決めの役割を有する。
【0009】
ウエハステージ30は、X軸駆動機構により、ウエハ位置決め位置8と、フラックス転写位置11と、ボールマウント位置20の間を移動停止可能とされている。尚、ウエハステージ30には転写ヘッド13とマウントヘッド25を観察するための2台のCCDカメラ23、23′が配備されている。
【0010】
フラックス転写部2は、転写ヘッド13及びその駆動機構と、フラックス供給装置10と、ワーク駆動機構4上のフラックス転写位置11と、転写ヘッド13の移動路に設けられた転写ヘッド13のクリーニング部12とからなる。
【0011】
本発明の特徴は転写ヘッド13にある。転写ヘッド13は、下方に向かってパッドパターンに合致した多数の転写突起40が設けられたフィルム状部材38が転写ヘッド13下面の枠39にテンションをかけて張られたものである。この転写突起40にフラックス供給部16のフラックスを供給し、移動後ワークにフラックスを転写するものである。
【0012】
枠39は、図5及び図6に示されるように方形のものであって、上側にバランスプレート14の配置溝41が、各辺の中央内側に4カ所設けられている。該配置溝41にバランスプレート(おもり)14が、配置されている。このバランスプレート14は、転写ヘッド13をフラックス供給部16に押し当てるときに、図8に示されるごとく、フィルム状部材38の中央部が盛り上がるのをバランスプレート14の重量を利用して防止する。尚、バランスプレート14の代わりにエアーシリンダ式として、エア圧を利用することも可能である。
【0013】
枠39には、図5及び図6に示されるように、外れ止め突起37がバランスプレート14の上方に4カ所に、バランスプレート14が転写ヘッド13内を上下動可能なように設けられている。又、バランスプレート14には、該バランスプレート14を無負荷状態のフィルム状部材38の面より上方に僅かにはなすための高さ調整ねじ36が、バランスプレート14の4カ所に設けられる。
【0014】
高さ調整ねじ36は、バランスプレート14の下限位置の調整を行うものであり、高さ調整ねじ36の下端部のバランスプレート14下面からの突出量によりその高さを調節するものである。これによりバランスプレート14が無負荷状態ではフィルム状部材38を付勢せず、フィルム状部材38に上方へ向けた負荷が加わった時にフィルム状部材38へ下方へ向けた付勢を与えるものとする。バランスプレート14が無負荷状態ではフィルム状部材38に付勢を与えないことにより、フィルム状部材38のテンション寿命を短くするのを防止するものである。
【0015】
転写ヘッド13には、図3に示されるように、フラックス供給装置10とワーク駆動機構4上のフラックス転写位置11とクリーニング部12との間を移動するY軸と、Z軸(昇降軸)の2軸の駆動機構が設けられている。
【0016】
図中34は、転写ヘッド13のZ軸駆動モータであり、図中34′は、Y軸駆動モータである。ここにおけるY軸の駆動機構は、転写ヘッド13とワークの位置決めにおいても利用される。
【0017】
フラックス供給装置10には、平坦なフラックス均し部が設けられ、スキージ15により一定厚さにフラックスを均すことができる。このフラックス均し部中には、転写ヘッド13のフラックス転写領域42に対応するフラックス供給部16が形成される。フラックス供給部16は図示されていないサーボモータにより、所定量昇降可能となっており、フラックスを転写ヘッド13に転写するときに上昇する。
【0018】
ボールマウント部3は、マウントヘッド25及びその駆動機構と、ボール供給装置19と、ワーク駆動機構4上のボールマウント位置20と、その間に配置される余剰ボール除去装置21と、ボール吸着ミス検査装置と、ボール吸着ミス検査装置で余剰ボールが検知されたときにマウントヘッド25下に侵入するボール排出装置24とで構成される。
【0019】
ボール供給装置19はパーツフィーダのような構成をしており、マウントヘッド25に半田ボールを供給するボールトレイ27には、バイブレータが取り付けられている。バイブレータの振動により半田ボールを斜め上方に跳ね上げ、上方からの観察では、半田ボールはボールトレイ27内を廻るように移動する。
【0020】
ボールトレイ27の上方にはボールストッカ(図示されていない)からボールトレイ27内に半田ボールを供給する供給口28が進退自在に配置される。供給口28の先端にはボールトレイ27内のボール残量を検知するセンサ29が取り付けられており、ボール残量不足を検知するとボールストッカより一定量の半田ボールを供給する。供給口28は、半田ボールの吸着時には、マウントヘッド25への干渉を避けるためボールトレイ27外へ待避する構造となっている。
【0021】
余剰ボール除去装置21は、マウントヘッド25に吸着された余剰ボールを除去するための除去ノズルである。
【0022】
マウントヘッド25には、図4に示されるように、ボール供給装置19とワーク駆動機構4上のボールマウント位置20との間を往復するY軸と、Z軸(昇降軸)の2軸の駆動機構が設けられる。図中35はZ軸駆動モータであり、図中35′はY軸駆動モータである。ここにおけるY軸の駆動機構は、マウントヘッド25の移動の役割とともに、マウントヘッド25とワークの位置決めにおいても利用される。
【0023】
ボール吸着ミス検査装置は、4台のラインCCDカメラ22、22′によりミッシングボール、エキストラボール(余剰ボール)等の吸着ミスと、搭載ミスであるリメインボールとを検知する。
【0024】
以下、本実施例における半田ボールマウント装置の作動手順について説明する。まず、供給用のウエハカセット5から1枚ずつロボット9でウエハをウエハ位置決め位置8にあるウエハステージ30上に供給する。ウエハステージ30では、ウエハが供給されると図示されていないブロアモータを通して、ウエハステージ30上面の穴から真空吸引を開始し、ウエハを保持する。
【0025】
保持されたウエハは、ウエハ位置決め位置8の上方に配置された2台のCCDカメラ31によりターゲットマーク又は配線パターンが読みとられ、ウエハステージ30上の位置が認識され、図示されていない制御装置へデータが送られる。ウエハの位置認識が終了したウエハステージ30はフラックス転写位置11へ送られる。このとき、ウエハ位置決め時に記憶したX軸のズレを加味した位置に停止する。
【0026】
次に、フラックス供給装置10では、スキージ15によりフラックス表面を均し、転写ヘッド13が下降し、フィルム状部材38の転写突起40とフラックス供給部16が接触し、フラックス供給部16からフィルム状部材38に上方へ向けた負荷が加わった時、フィルム状部材38は上方へ向かって湾曲しようとする。しかし、このときフィルム状部材38の僅か上方にはバランスプレート14が位置するためフィルム状部材38はバランスプレート14の重量を受け、盛り上がり現象を起こさず、フラックス転写突起40に均一にフラックスを付着させる。フラックス供給終了後、転写ヘッド13の下降を停止し、上昇する。
【0027】
その後、フラックス転写位置11へ移動し、ウエハステージ30に設けられた2台のCCDカメラ23、23′で転写ヘッド13のアライメントマークを認識する。この認識結果に先に認識したウエハの位置データを加味し、転写ヘッド13の1軸(Y軸)とウエハステージ30の2軸(X軸、Θ軸)でウエハと転写ヘッド13の位置が整合するように位置合わせを行う。
【0028】
位置合わせ後、転写ヘッド13を下降させ、転写ヘッド13への負荷が一定値に達した時点で転写終了と判断し、転写ヘッド13を上昇させる。上昇後、転写ヘッド13はフラックス供給装置10へ戻り、ウエハステージ30はボールマウント位置20へ移動する。
【0029】
他方、マウントヘッド25は、ボール供給装置19の上方より下降して指定位置で停止し、マウントヘッド25に図示されていないブロアモータより吸引力を与え、半田ボールをマウントヘッド25下面に吸着させる。マウントヘッド25内圧が所定圧力より低くなった時点で、吸着完了と判断し、マウントヘッド25を上昇させる。その後、余剰ボール除去装置21で余剰ボールを除去して、ボール吸着ミス検査装置へ移動する。
【0030】
ボール吸着ミスがあった場合、ミッシングボールなら再度ボール供給装置19へ移動し、吸着動作を繰り返す。余剰ボールがあった場合には、ボール排出装置24がマウントヘッド25下へ侵入し、ボール排出装置24内へ吸着ボールを全て排出した後、再度ボール供給装置19へ移動し、吸着動作を繰り返す。
【0031】
異常がなかった場合には、ボールマウント位置20へ移動する。ボールマウント位置20では、ウエハステージ30に設けられたCCDカメラ23、23′でマウントヘッド25下面のアライメントマークを認識し、フラックス転写位置同様に位置決めを行う。位置決め後マウントヘッド25は下降し、ボールマウント位置20のウエハ上に半田ボールをマウントして、その後上昇する。
【0032】
半田ボールのマウントが終了したウエハステージ30はウエハ位置決め位置8へ戻るが、事前にボールマウント検査位置へ移動させたCCDカメラ31により、ウエハ上の半田ボールのマウント状況を検査する。
【0033】
この時、CCDカメラ31は停止しており、ウエハステージ30の移動によりCCDカメラ31で全面をスキャニングする形となる。検査の結果、マウントが良好ならば搬出用のウエハカセット6へ、マウントが不良ならば不良用のウエハカセット7へ、ロボット9により挿入する。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、下面に転写突起が設けられたフィルム状部材を転写ヘッド下面の枠にテンションをかけて張った転写ヘッドにおいて、無負荷状態ではフィルム状部材を付勢せず、フィルム状部材に上方へ向けた負荷が加わった時にフィルム状部材へ下方へ向けた付勢を与える手段をフィルム状部材上方に設けたことにより、転写ヘッドをフラックス供給部に押し当てるときにも、フィルム状部材の中央部が盛り上がる現象が発生せず、転写ヘッドの中央部と周囲とでフラックスの付着量に差が生じず、フラックスの付着量を均一にできる転写ヘッドを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】半田ボールマウント装置の平面図
【図2】ウエハ位置決め位置での検査用CCDカメラを示す説明図
【図3】フラックス転写部の側面図
【図4】ボールマウント部の側面図
【図5】転写ヘッドとフラックス供給部とが非接触状態の断面説明図
【図6】バランスプレートの取付位置を示す平面図
【図7】転写ヘッドとフラックス供給部とが接触状態の断面説明図
【図8】フィルム状部材が盛り上がった状態の断面説明図
【符号の説明】
1........ウエハ供給部
2........フラックス転写部
3........ボールマウント部
4........ワーク駆動機構
5、6、7....ウエハカセット
8........ウエハ位置決め位置
9........ロボット
10.......フラックス供給装置
11.......フラックス転写位置
12.......クリーニング部
13.......転写ヘッド
14.......バランスプレート
15.......スキージ
16.......フラックス供給部
19.......ボール供給装置
20.......ボールマウント位置
21.......余剰ボール除去装置
22、22′、23、23′、31...CCDカメラ
24.......ボール排出装置
25.......マウントヘッド
27.......ボールトレイ
28.......供給口
29.......センサ
30.......ウエハステージ
32.......照明器
33、34、34′、35、35′...モータ
36.......高さ調整ねじ
37.......外れ止め突起
38.......フィルム状部材
39.......枠
40.......転写突起
41.......配置溝
42.......フラックス転写領域

Claims (1)

  1. 下面に転写突起が設けられたフィルム状部材を転写ヘッド下面の枠にテンションをかけて張った転写ヘッドにおいて、無負荷状態ではフィルム状部材を付勢せず、フィルム状部材に上方へ向けた負荷が加わった時にフィルム状部材へ下方へ向けた付勢を与える手段をフィルム状部材上方に設けたことを特徴とする転写ヘッド。
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