JP4174906B2 - 記録再生装置及び信号入力方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばAVサーバのような、ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いて信号の記録・再生を行う記録再生手段を有するとともに複数の入力部及び出力部が所定の基準信号に同期してそれぞれに割り当てられたタイムスロット内に記録再生手段との間での信号の転送を行う記録再生装置に関する。また本発明は、こうした記録再生装置への信号の入力方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CATV(ケーブルテレビ)等の普及による情報提供の多チャンネル化に伴い、従来のVTR(ビデオテープレコーダ)とは異なり、1台の映像・音声データ記録再生装置で複数の映像・音声データ(以下「AVデータ」と呼ぶ)を同時に記録したり、再生したり、さらには記録しながら再生したり等の要求が高まりつつある。そして、この要求を満たすためにハードディスク等のランダムアクセス可能な記録媒体を用いて映像・音声を記録再生するビデオサーバ(またはAV(Audio and/or Video)サーバとも呼ばれる)と呼ばれる装置が普及しつつある。
【0003】
一般的に、放送局内におけるAVサーバは、画質や音質に対する要求から、必要とされるデータの転送レートが高い上に長時間のデータを記録するために大容量である必要がある。そこで、AVデータを蓄積するとともに並列処理が可能な複数のハードディスク(以下「HD」と呼ぶ)装置を含むデータ記録再生装置を用いることによりデータの転送レートの高速化と大容量化を図る試みや、さらにパリティデータを記録しておくことにより、万一いずれかのHD装置が故障しても信頼性を確保できるようにする試みがなされている。
【0004】
これにより、放送局が提供しようとしている番組の内容や放送形態により要求されているチャンネル数が異なる場合であっても、複数のAVデータからなる素材データを分散的に記録しておき多チャンネル送出を同時に行ったり、同一の素材データを再生時間をずらして多チャンネルで再生することにより、VOD(ビデオオンデマンド)やNVOD(ニアビデオオンデマンド)等のシステムを構築する等、多様な使用形態に対応することのできるマルチチャンネルAVサーバを実現することができる。
【0005】
このようなAVサーバに用いられるデータ記録再生装置には、1988年Patterson等によって発表された論文(‘A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks(RAID)’, ACM SIGMOND Conference, Chicago, III, Jun.1-3,1988. )に提唱されている複数のHDからなるハードディスクドライブ(以下「HDD」と呼ぶ)をさらに複数台用いて構成されたRAID(Redundant Arra ys of Inexpensive Disks )技術が用いられている。
【0006】
上記論文の中でRAIDは、RAID−1からRAID−5まで5つに分類されている。RAID−1は2つのHDDに同じ内容を書き込む方式である。RAID−3は、入力データを一定の長さに分割して複数のHDDに記録するとともに、各HDDの互いに対応するデータブロックの排他的論理和であるパリティデータを生成して他の1台のHDDに書き込む方式である。さらにRAID−5は、データの分割単位(ブロック)を大きくして、1つの分割データをデータブロックとして1つのHDDに記録するとともに、各HDDの互いに対応するデータブロックの排他的論理和をとった結果(パリティデータ)をパリティブロックとして他のHDDに記録するとともにパリティブロックを他のHDDに分散する方式である。
その他のRAIDについては上記論文を参照されたい。
【0007】
このAVサーバで複数のAVデータの同時記録・再生を行うためには、複数のチャンネルで同時に映像・音声信号(以下「AV信号」と呼ぶ)の入出力を行う必要がある。そこで、AVサーバには、互いに独立して動作する複数の入出力ポートが設けられており、1つの入力ポート,出力ポートがそれぞれ1チャンネル分の入力,出力を行うようになっている。
【0008】
しかし、各入出力ポートが全く同時にデータ記録再生装置との間でAVデータの転送を行うと、AVサーバ内部で各入出力ポートとデータ記録再生装置とを接続しているバスにそれらのAVデータが同時に流れることになるので、処理しきれなくなる。そこで、各入出力ポートに、バスの使用を許可するタイムスロット(=時間間隔)を順番に割り当て、各入出力ポートが、基準ビデオ信号に同期して、それぞれ割り当てられたタイムスロット内でのみバスを介してデータ記録再生装置との間でのAVデータの転送を行うようになっている。したがって、厳密にいえば複数のAVデータが同時に記録・再生されているわけではないが、タイムスロットよりも長い時間間隔でみると、複数のAVデータの同時記録・再生が実現されているといってよい。
【0009】
ところで、例えばVTRでは、記録と再生とが同時に行われることがないので、記録時には装置全体を入力AV信号に同期して動作させ、再生時には装置全体を基準ビデオ信号に同期させて動作させることにより、基準ビデオ信号とは非同期のAV信号を、VTRに直接入力させて記録することが可能である。
しかし、AVサーバでは、複数の入出力ポートが同時に動作して記録・再生が行われるので、基準ビデオ信号とは非同期のAV信号を記録する場合にも、サーバ全体をこのAV信号に同期させて動作させることは許されない。
【0010】
そこで、従来のAVサーバでは、サーバ全体を基準ビデオ信号に同期させて動作させるようにしていた。
図8は、こうした従来のAVサーバの入力ポートの構成及びその動作クロックの一例を示す。
AVサーバの入力ポートに入力されたAV信号から、同期検出回路51により同期信号が分離され、この同期信号からクロック信号INCKが作成される。
そして、このクロック信号INCKを書き込みクロックとして、このAV信号がタイムベースコレクタ52内のメモリ(数ライン分の容量のもの)に書き込まれる。
【0011】
このタイムベースコレクタ52からパッキング回路56までの各回路には、基準ビデオ信号REFに基づいてタイミング発生器60で生成されるクロック信号REFCKが与えられており、これらの回路はこのクロック信号REFCKを動作クロック(すなわち基準ビデオ信号REFに同期して)動作するようになっている。
【0012】
タイムベースコレクタ52内のメモリからは、このクロック信号REFCKを読み出しクロックとしてAV信号が読み出され、これによって入力AV信号の基準ビデオ信号REFへの載せ替えと入力AV信号の数ライン分の位相ずれの吸収とが行われる。
【0013】
タイムベースコレクタ52から読み出されたAV信号は、VITCリーダー53でVITCコードを読み取られ、前置フィルター54で高域成分を除去された後、符号器55により所定の符号化方式(例えばMPEG)で圧縮される。
この圧縮によって得られたAVデータは、パッキング回路56及びこの回路56との間でAVデータを授受するFIFO(先読み先出し)メモリ57により、AVサーバに設けられた複数のRAIDのそれぞれに記録すべきAVデータに割り振られた後、メモリコントローラ58により、バッファメモリ59に一時的に書き込まれる。
【0014】
メモリコントローラ58には、基準ビデオ信号REFに基づいてタイミングジェネレータ60で生成されるタイムスロット信号TSが与えられている。メモリコントローラ58は、このタイムスロット信号TSによりこの入力ポートに割り当てられたタイムスロット内に、1タイムスロット周期内にバッファメモリ59に書き込まれたAVデータ(例えば1タイムスロットが4フレーム分の時間間隔であり入出力ポート数が4の場合には、16フレーム分のAVデータ)をバッファメモリ68から読み出して、RAIDの数分のバス(図示略)を介して各RAID(図示略)に転送される。
【0015】
入力ポート全体を制御するCPU61には、基準ビデオ信号REFに基づいてタイミングジェネレータ60で生成されるフレーム同期信号REFFRAMEが与えられる。CPU61は、このフレーム同期信号REFFRAMEから生成した割り込み信号で、基準ビデオ信号REFに同期した制御を行う。
【0016】
ところで、放送局内においてAVサーバで記録しなければならないAV信号には、基準ビデオ信号と同期したAV信号だけでなく、例えばSNG(Satellite News Gathering=衛星通信ニュース取材方式)を利用して伝送されるAV信号や、イーサネットを利用して伝送されるAV信号や、カメラから出力されるAV信号のような、基準ビデオ信号とは非同期のAV信号も存在している。
【0017】
このような非同期のAV信号を、図8に示したような構成の入力ポートに直接入力させると、タイムベースコレクタ52で基準ビデオ信号REFへの載せ替え及び数ライン分の位相ずれの吸収は行われるものの、基準ビデオ信号との周波数偏差の大きいAV信号の同期結合を行うことはできない。
【0018】
そのため、従来のAVサーバで基準ビデオ信号とは非同期のAV信号を記録する場合には、次のような方法を採らざるを得なかった。
(1)この非同期のAV信号を、一旦VTRに記録した後、VTRから再生してAVサーバの入力ポートに入力させる。
(2)この非同期のAV信号を、フレームシンクロナイザで基準ビデオ信号に同期させてから入力ポートに入力させる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法は、いずれも、VTRやフレームシンクロナイザといったAVサーバ以外の機器を使用しなければならないものであり、AVサーバ単独では記録を行うことができない。したがって、中継現場のカメラから出力されるAV信号をその場でAVサーバに記録するような場合には、多数の機器を中継現場に持ち運ばなければならなくなるので不便であった。
【0020】
また、(1)の方法では、VTRでのAV信号の記録・再生に時間を要するので、SNGやイーサネットを利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号をリアルタイムにAVサーバに記録することができない。
【0021】
また、(2)の方法では、通常のフレームシンクロナイザでは、同期のとれる変動の範囲が内部のメモリーの容量によって制約され、この制約を超える大きさの変動がある場合には、フレーム単位でのコマ落ちが発生してしまう。
【0022】
特に近年は、ニュース編集等において、SNGやイーサネットを利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号をAVサーバに直接入力させて記録することにより、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行いたいという要求が強くなっているが、従来のAVサーバでは、こうした要求を満たすことはできなかった。
【0023】
本発明は、上述の点に鑑み、AVサーバをはじめとする、ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いて信号の記録・再生を行う記録再生手段を有するとともに複数の入力部及び出力部が所定の基準信号に同期してそれぞれに割り当てられたタイムスロット内に記録再生手段との間での信号の転送を行う記録再生装置において、その基準信号とは非同期の入力信号を、その装置の入力部に直接入力させて記録できるようにすることを課題としてなされたものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いてビデオデータの記録及び/または再生を行う記録再生手段と、外部からの入力ビデオ信号に所定の処理を施す処理手段と、この処理手段で処理されたビデオデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、この記憶手段から読み出したビデオデータを記録再生手段に転送する少なくとも1つの入力部と、記録再生手段から転送されたビデオデータを外部に出力する少なくとも1つの出力部とを有し、入力部及び前記出力部は、所定の基準ビデオ信号に同期して、それぞれ割り当てられたタイムスロット内に前記記録再生手段との間での転送を行う記録再生装置において、入力部が、入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号と、基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号とが供給される制御手段を備え、入力フレーム同期信号から生成されたクロック信号を動作クロックとして処理手段の動作及び記憶手段へのビデオデータの書き込みが行われ、基準ビデオ信号に同期して記憶手段からのビデオデータの読み出しが行われ、この制御手段は、基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でカウントをリセットして、リセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、処理手段を入力ビデオ信号に同期して制御するものを提案する。
【0025】
この記録再生装置では、入力部のうち記憶手段よりも前段の処理手段(図8の入力ポートではタイムベースコレクタ52からパッキング回路56までの回路に相当)での動作及び記憶手段(図8の入力ポートではバッファメモリ58に相当)への書き込みは、入力ビデオ信号に同期して行われ、他方、記憶手段から記録再生手段へのビデオデータの転送は、基準ビデオ信号に同期して行われる。換言すれば、入力部内において記録再生手段に転送するビデオデータを一時的に記憶するための記憶手段を、フレームシンクロナイザとして利用している。これにより、基準ビデオ信号とは非同期なビデオ信号を、直接入力部に入力させて記録再生手段に記録することができる。
【0026】
したがって、例えばこの記録再生装置をAVサーバに適用すれば、SNGやイーサネット(登録商標)を利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等を、AVサーバに直接入力させて記録することができるので、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行うことができるようになる。
【0027】
また、入力部では、制御手段が、基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でこのカウントをリセットして、このリセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでこのカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、記憶手段よりも前段の処理手段に対して、入力ビデオ信号に同期した制御を行う。これにより、基準ビデオ信号とは非同期な入力ビデオ信号のレートにかかわらず、記憶手段よりも前段の処理手段に対して、入力ビデオ信号に同期した制御を正常に行うことができる。
【0028】
なお、この記録再生装置において、記憶手段よりも前段の処理手段が、入力ビデオ信号からVITCコードを読み取るVITCリーダーを含んでいる場合には、制御手段が、割り込み処理により、入力ビデオ信号の各フレームの前半フィールドでVITCリーダーにVITCコードを読み取らせるようにすれば、記録再生装置の上位装置からのVITCコードの送付要求に対応することができるようになる。
【0029】
また、この記録再生装置において、入力部に記憶手段を複数設け、制御手段が、これらの記憶手段のうち入力信号を書き込ませる記憶手段を、一定量の信号が書き込まれる毎に切り替え、タイムスロット内に、この一定量の信号を記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させることが好適である。
【0030】
それにより、基準信号とは非同期な入力信号のレートにかかわらず一定量の信号がタイムスロット内に記憶手段から読み出されて記録再生手段に転送されるので、記録再生手段で連続して信号を記録できるようになる。
【0031】
あるいは、制御手段が、記憶手段に書き込まれた信号の量に応じて、タイムスロット内に記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させる信号の量を変化させるようにすることも好適である。
【0032】
それにより、入力信号が基準信号よりも低レートである場合には、それに応じた少ない量の信号をタイムスロット内に記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させ、他方、入力信号が基準信号よりも高レートである場合には、それに応じた多い量の信号をタイムスロット内に記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させることができるので、やはり、基準信号とは非同期な入力信号のレートにかかわらず記録再生手段で連続して信号を記録できるようになる。
【0035】
次に、本出願人は、ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いてビデオデータの記録及び/または再生を行う記録再生手段と、外部からの入力ビデオ信号に所定の処理を施す処理手段と、この処理手段で処理されたビデオデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、この記憶手段から読み出したビデオデータを記録再生手段に転送する少なくとも1つの入力部と、記録再生手段から転送されたビデオデータを外部に出力する少なくとも1つの出力部とを有し、入力部及び前記出力部は、所定の基準ビデオ信号に同期して、それぞれ割り当てられたタイムスロット内に前記記録再生手段との間での転送を行う記録再生装置における信号入力方法において、入力フレーム同期信号から生成されたクロック信号を動作クロックとして入力部の処理手段の動作及び入力部の記憶手段へのビデオデータの書き込みを行うとともに、基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でカウントをリセットして、リセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、処理手段を入力ビデオ信号に同期して制御する第1ステップと、基準ビデオ信号に同期して記憶手段からのビデオデータの読み出しを行う第2ステップとを含んだものを提案する。
【0036】
この信号入力方法では、入力部のうち記憶手段よりも前段の処理手段(図8の入力ポートではタイムベースコレクタ52からパッキング回路56までの回路に相当)での動作及び記憶手段(図8の入力ポートではバッファメモリ58に相当)への書き込みは、入力ビデオ信号に同期して行わせ、他方、記憶手段から記録再生手段へのビデオデータの転送は、基準ビデオ信号に同期して行わせる。換言すれば、入力部内において記録再生手段に転送するビデオデータを一時的に記憶するための記憶手段を、フレームシンクロナイザとして利用している。これにより、基準ビデオ信号とは非同期なビデオ信号を、直接入力部に入力させて記録再生手段に記録することができる。
【0037】
したがって、例えばこの信号入力方法をAVサーバに適用すれば、SNGやイーサネット(登録商標)を利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等を、AVサーバに直接入力させて記録することができるので、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行うことができるようになる。
【0038】
また、入力部では、基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でこのカウントをリセットして、このリセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでこのカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、記憶手段よりも前段の処理手段に対して、入力ビデオ信号に同期した制御を行う。これにより、基準ビデオ信号とは非同期な入力ビデオ信号のレートにかかわらず、記憶手段よりも前段の処理手段に対して、入力ビデオ信号に同期した制御を正常に行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明をAVサーバに適用した例について説明する。
図1は、本発明を適用した1入力ポート3出力ポートのAVサーバの全体構成を示す。
このAVサーバ1には、1つの入力ポート2と、3つの出力ポート3,4,5と、複数のRAIDを設けた記録再生部6と、タイミング管理部7と、ファイルシステム8と、制御器9とが設けられている。
入力ポート2及び出力ポート3,4,5は、それぞれ下りバス10及び上りバス11を介して記録再生部6と接続されている。また、入力ポート2及び出力ポート3,4,5は、それぞれ制御バス12を介して制御器9と接続されている。
【0047】
入力ポート2及び出力ポート3,4,5には、タイミング管理部7からタイムスロット信号TSが送られる。
このタイムスロット信号TSは、下りバス10及び上りバス11の使用を許可するタイムスロット(例えば4フレーム分の時間間隔)を、入力ポート2,出力ポート3,4,5の1つずつに順番に繰り返し割り当てる信号である。
【0048】
各入力ポート2及び出力ポート3,4,5が、それぞれこのタイムスロット信号によって割り当てられたタイムスロット内でのみ下りバス10及び上りバス11を介して記録再生部6との間でのAVデータの転送を行うことにより、タイムスロットよりも長い時間間隔でみると、複数のAVデータの同時記録・再生が実現される。
【0049】
タイミング管理部7は、AVサーバ1の外部から入力端子Rを通して供給される基準ビデオ信号REFに基づいてこのタイムスロット信号TSを生成する。
また、タイミング管理部7は、基準ビデオ信号REFに基づいてフレーム同期信号REFFRAME及びクロック信号REFCKを生成しており、これらの信号も入力ポート2及び出力ポート3,4,5に送られる。
【0050】
外部からこのAVサーバ1に供給されるAV信号は、入力端子D1を通して入力ポート2に入力される。
図2は、この入力ポート2の構成の一例を示す。
入力ポート2に入力されたAV信号から、同期検出回路31により同期信号が分離され、この同期信号からクロック信号INCKが作成される。
【0051】
このクロック信号INCKは、VITCリーダー32からメモリコントローラ37A,37B,37Cまでの各回路に与えられており、VITCリーダー32からパッキング回路35までの回路の動作及びメモリコントローラ37A,37B,37Cによるバッファメモリ38A,38B,38Cへの書き込みは、このクロック信号INCKを動作クロックとして(すなわち入力AV信号に同期して)行われるようになっている。
【0052】
同期検出回路31から出力されたAV信号は、VITCリーダー32でVITCコードを読み取られ、前置フィルター33で高域成分を除去された後、符号器34により所定の符号化方式(例えばMPEG)で圧縮される。
この圧縮によって得られたAVデータは、パッキング回路35及びこの回路35との間でAVデータを授受するFIFO(先読み先出し)メモリ36により、記録再生部6に設けられた複数のRAIDのそれぞれに記録すべきAVデータに割り振られる。
【0053】
入力ポート2には、記録再生部6に転送するAVデータ一時的に記憶するためのバッファメモリとして、3バンクのバッファメモリ38A,38B,38Cが設けられており、パッキング回路35から割り振られて出力されたAVデータは、
メモリコントローラ37A,37B,37Cにより、バッファメモリ38A,38B,38Cに一時的に書き込まれる。
【0054】
メモリコントローラ37A,37B,37Cには、図1のタイミング管理部7から入力ポート2に送られるタイムスロット信号TSも与えられている。
メモリコントローラ37A,37B,37Cは、このタイムスロット信号TSにより入力ポート2に割り当てられたタイムスロット内に、バッファメモリ38A,38B,38CからAVデータを読み出して、図1の下りバス10(このバス10も、RAIDの数分のバスから成っている)を介して記録再生部6の各RAIDに転送する。
なお、このバッファメモリ38A,38B,38CにおけるAVデータの書き込み動作及び読み出し動作については、後に詳述する。
【0055】
制御器39は、入力ポート2全体を制御するものであり、例えばマイクロプロセッサから成っている。
制御器39には、同期検出回路31で入力AV信号から分離されたフレーム同期信号INFRAMEと、図1のタイミング管理部7から入力ポート2に送られるフレーム同期信号REFFRAMEとの両方が与えられる。CPU39は、このフレーム同期信号REFFRAMEから生成した割り込み信号で制御を行う。
この制御器39による入力ポート2の制御についても、後に詳述する。
【0056】
なお、制御器39には、AVサーバ1の上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)から、入力ポート2の動作を指示する制御信号(例えばシリアルインターフェースの標準規格であるRS−422に従った制御信号)が図1の制御端子C1を通して与えられる。
【0057】
また、入力ポート2の動作時には、図1の制御器9により、記録再生部6内の空き領域を示す情報がファイルシステム8から取得される。そして、その空き領域を伝える信号が、制御器9から制御バス12を介して制御器39に送られる。
【0058】
制御器9は、AVサーバ1の全体を制御するものであり、例えばマイクロプロセッサから成っている。
ファイルシステム8は、記録再生部6に現在記録されているAVデータのファイル名と、記録再生部6内でそのファイル名のAVデータが記録されている領域のアドレスとを対応させて管理すると共に、記録再生部6の現在の空き領域のアドレスを管理するものであり、それらの管理情報(ファイルシステム情報)を作成する制御回路(例えばCPU)と、この制御回路で作成されたファイルシステム情報を記憶する記憶回路(例えばRAM)とを含んでいる。
【0059】
ファイルシステム8では、ファイルシステム情報として、ファイルエントリ,レコードエントリ及びフリースペースリストを作成する。
このうち、ファイルエントリは、各ファイルについて1つ作成されるものであり、ファイル名と、そのファイルについての最初のレコードエントリの先頭位置のアドレスへのポインタ情報(すなわち最初のレコードエントリへのリンク情報)とが書き込まれる。
【0060】
レコードエントリは、記録再生部6内のHD上で1つのファイルが記録されている連続領域毎に作成される。1つのファイルは、HD上の空き領域の長さ及び場所の都合でHD上の互いに離れた複数の連続領域に飛び飛びに記録されることが多いので、通常はレコードエントリも複数作成される。
【0061】
最初の連続記録についてのレコードエントリには、その連続領域の先頭位置のアドレス(すなわちHD上のそのファイルの最初の記録位置のアドレス)を示す先頭位置データと、先頭位置からそのファイルどれだけの長さ連続して記録されているかを示すデータと、次のレコードエントリの先頭位置のアドレスへのポインタ情報(すなわち次のレコードエントリへのリンク情報)とが書き込まれる。
【0062】
2番目以降の連続記録についてのレコードエントリにも、その連続領域の先頭位置のアドレスを示す先頭位置データと、先頭位置からそのファイルがどれだけの長さ連続して記録されているかを示すデータと、次のレコードエントリの先頭位置のアドレスへのポインタ情報とが書き込まれる。そして、最後のレコードエントリには、このポインタ情報に代えて、その連続領域でファイルの記録が終了していることを示すデータが書き込まれる。
【0063】
フリースペースリストは、記録再生部6内のHD上のデータが未記録の空き領域を示すためのものであり、個々の空き領域毎に作成される。各フリースペースリストには、空き領域の先頭位置のアドレスを示す先頭位置データと、先頭位置からどれだけの長さのデータを書き込める空き領域が連続して存在しているかを示すデータと、次のフリースペースリストの先頭位置のアドレスへのポインタ情報(すなわち次のフリースペースリストへのリンク情報)とが書き込まれる。
【0064】
入力ポート2の制御器39は、メモリコントローラ によりバッファメモリ から読み出されるAVデータに、制御器9から伝えられた空き領域への書込みを指示するコマンドを付加する。
これにより、この書込み指示のコマンドを付加したAVデータが、入力ポート2に割り当てられたタイムスロット内に、下りバス10を介して記録再生部6に転送される。
【0065】
図3は、記録再生部6の構成例(記録再生部6に設けられた複数のRAIDのそれぞれの構成例)を示す。
RAIDは、映像データ記録用の複数台のHDD21と、音声データ記録用の複数台のHDD22と、これらのHDD21及び22を制御するディスクアレイコントローラ23とを含んでいる。
下りバス10を介して入力ポート2から転送されたAVデータは、ディスクアレイコントローラ23に入力される。
【0066】
この記録再生部6では、映像データに関しては例えばRAID−3が採用されており、ディスクアレイコントローラ23は、AVデータに付加された書込み指示のコマンドに基づき、入力したAVデータのうちの映像データを、一定の長さのブロックに分割して1台を除く全てのHDD21内のそのコマンドの示す空き領域に記録し、かつ、それらのHDD21の互いに対応するデータブロックの排他的論理和であるパリティデータを生成して残りの1台のHDD21内のそのコマンドの示す空き領域に書き込む。
【0067】
他方、この記録再生部6では、音声データに関しては例えばRAID−1が採用されてHDD22が2台設けられており、ディスクアレイコントローラ23は、AVデータに付加された書込み指示のコマンドに基づき、入力したAVデータのうちの音声データを、2台のHDD22内のそのコマンドの示す空き領域にそれぞれ書き込む。
【0068】
そして、再生時には、ディスクアレイコントローラ23は、出力ポート3,4,5後述の読出し指示のコマンドに基づき、各HDD21内のそのコマンドの示す領域から映像データ及びパリティデータを読み出し、それらの映像データを単一化された後パリティデータを用いてエラー訂正することにより映像データを再生する。また、2台のHDD22(1台のHDD22に障害がある場合には残りの1台のHDD22)内のそのコマンドの示す領域から音声データを再生する。そして、再生した映像データと音声データとを多重化し、その多重化したAVデータにステータスデータを付加して、出力ポート3,4,5のうち読出し指示のコマンドを発した出力ポートに上りバス11を介して転送する。
【0069】
入力ポート2から下りバス11を介して記録再生部6に転送されたAVデータは、このバッファメモリ25を経て、ディスクアレイコントローラ22,24により、HDD21,23内の、そのAVデータに付加された書込み指示のコマンドの示す空き領域に記録される。
【0070】
図1に示すように、出力ポート3には、復号器3Aと、バッファメモリ3Bと、制御器3Cとが設けられている。出力ポート4,5も、出力ポート3と同一構成のものであり、それぞれ復号器4A,5Aと、バッファメモリ4B,5Bと、制御器4C,5Cとが設けられている。
【0071】
各出力ポート3,4,5の制御器3C,4C,5Cにも、AVサーバ1の外部の上位装置から、出力ポート3,4,5の動作を指示する制御信号がそれぞれ制御端子C2,C3,C4を通して与えられる。
【0072】
また、各出力ポート3,4,5の動作時には、出力ポート3,4,5から出力させるAVデータのファイル名を指定する制御信号が、AVサーバ1の上位装置から制御端子C5を通して制御器9に与えられる。この制御信号は、各出力ポート3,4,5毎に異なるファイル名を指定する内容のときもあれば、全ての出力ポート3,4,5について同じファイル名を時間をずらして指定する内容のときもある。
【0073】
制御器9では、この制御信号で指定されたファイル名に対応した記録再生部6内の記録領域の情報が、ファイルシステム8から取得される。そして、その記録領域を伝える信号が、制御器9から制御バス12を介して制御器3C,4C,5Cに送られる。
【0074】
制御器3C,4C,5Cは、それぞれ出力ポート3,4,5全体を制御するものであり、例えばマイクロプロセッサから成っている。
制御器3C,4C,5Cは、タイミング管理部7からのタイムスロット信号TSによって出力ポート3,4,5に割り当てられたタイムスロット内に、制御器9から伝えられた記録領域からのAVデータの読出し及び出力ポート3,4,5への転送を指示するコマンドを、それぞれ下りバス11を介して記録再生部6に送る。
【0075】
そして、制御器3C,4C,5Cは、そのコマンドに基づいて記録再生部6で再生されて上りバス12を介して出力ポート3,4,5に転送されたAVデータ(各RAIDのディスクアレイコントローラ23によりHDD21,22から再生されたAVデータ)を、それぞれバッファメモリ3B,4B,5Bに一時的に記憶させる。
【0076】
また、制御器3C,4C,5Cは、それぞれバッファメモリ3B,4B,5Bに記憶させたAVデータを順次読み出していき、この読み出されたAVデータはそれぞれ復号器3A,4A,5Aに送られる。
【0077】
復号器3A,4A,5Aは、それぞれ入力ポート2の符号器34と同じ符号化方式でAVデータを伸長することにより、もとのAV信号を復号するものである。 復号器3A,4A,5Aで復号されたAV信号は、それぞれ出力端子D2,D3,D4を通してAVサーバ1の外部に出力され、例えばネットワークを利用して他の機器に送られる。
【0078】
次に、入力ポート2のバッファメモリ38A,38B,38CにおけるAVデータの書き込み動作及び読み出し動作について説明する。
タイムスロットが4フレームであり入出力ポート数が4であることから、入力ポート2に入力されたAV信号が基準ビデオ信号REFに同期している場合には、入力ポート2に割り当てられたタイムスロット内に、4×4=16フレーム分のAVデータを記録再生部6に転送すれば、記録再生部6でAVデータを連続して記録することができる。
【0079】
しかし、例えばSNGやイーサネットを利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等の、基準ビデオ信号REFとは非同期のAV信号を入力端子D1を通して入力ポート2に入力する場合には、そのAV信号が基準ビデオ信号REFよりも低レートであるときは、1タイムスロット周期内にバッファメモリ38A,38B,38Cに書き込まれるAVデータ量が少なくなり、他方そのAV信号が基準ビデオ信号REFよりも高レートであるときは、1タイムスロット周期内にバッファメモリ38A,38B,38Cに書き込まれるAVデータ量が多くなる。
【0080】
そこで、制御器39は、バッファメモリ38A,38B,38Cに書き込まれているAVデータ量を監視し、図4に示すように、3バンクのバッファメモリ38A,38B,38CのうちAVデータを書き込ませるバッファメモリを、AVデータが一定量(例えば16フレーム分またはそれ以上)書き込まれる毎に切り替える。そして、入力ポート2に割り当てられる各タイムスロットSL1毎に、バッファメモリ38A,38B,38CのうちAVデータを読み出すバッファメモリを切り替えつつ、この一定量のAVデータを読み出させる。
【0081】
このように3バンクのバッファメモリ38A,38B,38Cをリングバッファとして使用して各タイムスロットSL1内に一定量のAVデータを読み出すことにより、基準ビデオ信号REFとは非同期の入力AV信号のレートにかかわらず各タイムスロットSL1内に一定量のAVデータが記録再生部6に転送されるので、記録再生部6でAVデータを連続して記録することができるようになっている。
【0082】
なお、別の例として、入力ポート2に3バンクのバッファメモリ38A,38B,38Cを設ける代わりに、入力ポート2に1つのバッファメモリのみを設け、制御器39に、このバッファメモリに書き込まれているAVデータ量を監視させ、そのAVデータ量に応じて、各タイムスロットSL1内にそのバッファメモリから読み出すAVデータ量を変化させるようにしてもよい。
【0083】
それにより、入力AV信号が基準ビデオ信号REFよりも低レートである場合には、それに応じた少ない量のAVデータをタイムスロットSL1内にそのバッファメモリから読み出して記録再生部6に転送し、他方、入力AV信号が基準ビデオ信号REFよりも高レートである場合には、それに応じた多い量のAVデータをタイムスロットSL1内にこのバッファメモリから読み出して記録再生部6に転送することができるので、やはり、基準ビデオ信号REFとは非同期の入力AV信号のレートにかかわらず記録再生部6で連続してAVデータを記録できるようになる。
【0084】
ただし、システム上の制約から1タイムスロット内に記録再生部6に転送して記録させるAVデータ量を変動させることのできないような種類のAVサーバについては、前述のように3バンクのバッファメモリをリングバッファとして使用することにより、各タイムスロット内に一定量のAVデータを記録再生部6に転送させることが望ましい。
【0085】
次に、制御器39による入力ポート2内の回路の制御について説明する。
制御器39は、タイミング管理部7から与えられる基準ビデオ信号REFのフレーム同期信号REFFRAMEから、1/4フレーム周期の割り込み信号HVINTを生成する。
【0086】
そして、制御器39は、入力AV信号に同期して動作する入力ポート2内の回路に対して、この割り込み信号HVINTでの割り込み処理により、入力AV信号に同期した制御を行う。すなわち、例えば、VITCリーダー32でのVITCコードの読み取りは、AVサーバ1の上位装置からのVITCコードの送付要求に対応するために、入力AV信号の各フレームの前半フィールドで行う必要があるので、VITCリーダー32に対して、割り込み信号HVINTにより、この読み取りを行わせる制御を行う。
【0087】
ところで、基準ビデオ信号REFと入力AV信号とが非同期である場合には、基準ビデオ信号REFのフレーム同期信号REFFRAMEが例えば図5Aに示す通りであるとすると、同期検出回路31から制御器39に与えられる入力AV信号のフレーム同期信号INFRAMEは、例えば図5Bに示すようなものになったり、あるいは図5Cに示すようなものになったりする。
なお、図5AのREFHVSLOTは、フレーム同期信号REFFRAMEに同期して作成された1/4フレームのシーケンス番号であり、図5B,CのINHVSLOTは、フレーム同期信号INFRAMEに同期して作成された1/4フレームのシーケンス番号である。
【0088】
ここで、制御器39が割り込み信号HVINTでINHVSLOTをそのままサンプリングして割り込み処理の処理モードを決定すると、サンプリングされるINHVSLOTの番号が不連続になってしまうので、入力AV信号に同期した制御を正常に行うことができなくなる。
【0089】
すなわち、図5Bの例では、INHVSLOT=1がサンプリングされた後、INHVSLOT=2がサンプリングされることなくINHVSLOT=3がサンプリングされるので、INHVSLOT=2での割り込み処理が1フレーム分飛ばされることになる。
また、図5Cの例では、同じINHVSLOT=3が2度サンプリングされるので、このINHVSLOT=3で同じ割り込み処理が無駄に重複して行われることになる。
【0090】
そこで、制御器39では、割り込み信号HVINTを生成する毎に、入力AV信号の位相を検出することにより、入力AV信号に同期した制御を行うようにしている。
図6は、制御器39によるこの入力AV信号の位相検出の一例を示す機能ブロック図である。
基準ビデオ信号REFのフレーム同期信号REFFRAMEから割り込み信号HVINTを生成するHVINT発生器41で、この割り込み信号HVINTに対して90度位相がずれたクロック信号REFHVを同時に生成される。そして、このクロック信号REFHVを、HVSLOTカウンタ42でカウントする。
【0091】
他方、入力AV信号のフレーム同期信号INFRAMEから、リセットパルス発生器43でリセット信号RSTを生成し、このリセット信号RSTでカウンタ42をリセットする。
また、リセット信号RSTでカウンタ42がリセットされた後最初の割り込み信号HVINTが生成されるまでカウンタ42でのクロック信号REFHVのカウントを禁止するパルスDISABLEを、カウンタDISABLEパルス発生器44からカウンタ42に与える。
【0092】
そして、制御器39は、このカウンタ42の出力信号をHVSLOTとして、図7に示すように、割り込み信号HVINTでこの信号HVSLOTをサンプリングすることにより、割り込み処理の処理モードを決定する。ただし、HVSLOT=3以降については、制御には使用しないものとする。
これにより、図5BやCに示したように割り込み処理が飛ばされたり重複したりすることがなくなり、入力AV信号に同期した制御を正常に行うことができるようになる。
なお、厳密に入力AV信号に同期する必要のない制御については、基準ビデオ信号REFに同期して行うようにしてもよい。
入力ポート2内の回路は、INFRAMEを制御器39からのモード確定用パルスとして使用する。
【0093】
以上のように、このAVサーバ1では、入力ポート2のうちVITCリーダー32からパッキング回路35までの回路の動作及びバッファメモリ38A,38B,38CへのAVデータの書き込みは入力AV信号に同期して行われ、他方、バッファメモリ38A,38B,38Cから記録再生部6へのAVデータの転送は、基準ビデオ信号REFに同期して行われる。
換言すれば、入力ポート2内において記録再生部6に転送するAVデータを一時的に記憶するためのバッファメモリを、フレームシンクロナイザとして利用している。
これにより、基準ビデオ信号REFとは非同期なAV信号を、直接AVサーバ1の入力ポート2に入力させて記録再生部6に記録することができるようになっている。
【0094】
したがって、例えばSNGやイーサネットを利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等を、AVサーバ1に直接入力させて記録することができるので、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行うことができるようになる。
【0095】
また、こうしたAVサーバの入力ポート内において記録再生部に転送するAVデータを一時的に記憶するためのバッファメモリの容量は、一般に通常のフレームシンクロナイザ内のメモリーの容量よりも大きい。したがって、通常のフレームシンクロナイザを用いる場合よりも同期のとれる変動の範囲が広くなるので、コマ落ちの発生を減少させることができる。
【0096】
また、入力ポート2では、制御器39が、入力AV信号の位相を検出することにより、入力AV信号に同期した制御を各回路に対して行うようにしているので、入力AV信号のレートにかかわらずこの制御を正常に行うことができるようになっている。
【0097】
なお、本発明は、図1に示した構成のAVサーバに限らず、適宜の種類のAVサーバに適用してよいことはもちろんである。
例えば、2,3または5以上の入出力ポートを有するAVサーバに本発明を適用してもよい。
また例えば、MPEG以外の符号化方式でAVデータを圧縮・伸長するAVサーバに本発明を適用してもよい。
また例えば、1つのポートが入力ポートとしての機能と出力ポートとしての機能とを併有するAVサーバに本発明を適用してもよい。
また例えば、RAID技術を用いないHDDにAVデータを記録するAVサーバや、HD以外のノンリニアアクセス可能な記録媒体(例えば半導体メモリや光ディスク)にAVデータを記録するAVサーバに本発明を適用してもよい。
また例えば、AVデータを記録・再生する機能に加えてAVデータを編集する機能を備えたAVサーバに本発明を適用してもよい。
【0098】
また、以上の例では本発明をAVサーバに適用しているが、これに限らず、ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いて信号の記録・再生を行う記録再生手段を有するとともに複数の入力部及び出力部が所定の基準信号に同期してそれぞれに割り当てられたタイムスロット内に記録再生手段との間での信号の転送を行う適宜の種類の記録再生装置に本発明を適用してよい。
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る記録再生装置によれば、入力部のうち記憶手段よりも前段の処理手段での動作及び記憶手段への書き込みは、外部からの入力ビデオ信号に同期して行われ、他方、記憶手段からの読み出し及び記録再生手段への転送は、基準ビデオ信号に同期して行われるので、基準ビデオ信号とは非同期なビデオ信号を、直接この記録再生装置の入力部に入力させて記録することができるという効果が得られる。
したがって、例えばこの記録再生装置をAVサーバに適用すれば、SNGやイーサネット(登録商標)を利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等を、AVサーバに直接入力させて記録することができるので、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行うことができるようになる。
また、入力部では、制御手段が、基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でこのカウントをリセットして、このリセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでこのカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、記憶手段よりも前段の処理手段に対して入力ビデオ信号に同期した制御を行うので、基準ビデオ信号とは非同期な入力ビデオ信号のレートにかかわらず、記憶手段よりも前段の処理手段に対して入力ビデオ信号に同期した制御を正常に行うことができるという効果が得られる。
【0100】
なお、請求項2に記載の記録再生装置によれば、記憶手段よりも前段の処理手段が、入力ビデオ信号からVITCコードを読み取るVITCリーダーを含んでいる場合に、記録再生装置の上位装置からのVITCコードの送付要求に対応して、入力ビデオ信号の各フレームの前半フィールドでVITCリーダーにVITCコードを読み取らせることができるという効果も得られる。
【0101】
また、請求項3に記載の記録再生装置によれば、基準信号とは非同期な入力信号のレートにかかわらず、一定量の信号がタイムスロット内に記憶手段から読み出されて記録再生手段に転送されるので、記録再生手段で連続して信号を記録できるという効果も得られる。
【0102】
また、請求項4に記載の記録再生装置によれば、入力信号が基準信号よりも低レートである場合には、それに応じた少ない量の信号をタイムスロット内に記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させ、他方、入力信号が基準信号よりも高レートである場合には、それに応じた多い量の信号をタイムスロット内に記憶手段から読み出して記録再生手段に転送させることができるので、やはり、基準信号とは非同期な入力信号のレートにかかわらず記録再生手段で連続して信号を記録できるという効果も得られる。
【0104】
次に、本発明に係る記録再生装置における信号入力方法によれば、入力部のうち記憶手段よりも前段の処理手段での動作及び記憶手段への書き込みは、外部からの入力信号に同期して行わせ、他方、記憶手段からの読み出し及び記録再生手段への転送は、基準ビデオ信号に同期して行わせるので、基準ビデオ信号とは非同期なビデオ信号を、直接この記録再生装置の入力部に入力させて記録することができるという効果が得られる。
【0105】
したがって、例えばこの記録再生装置をAVサーバに適用すれば、SNGやイーサネットを利用して伝送されるAV信号や中継現場のカメラの出力AV信号等を、AVサーバに直接入力させて記録することができるので、こうしたAV信号の収録中に同時に編集作業を行うことができるようになる。
【0106】
また、入力部では、基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、この割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、この基準クロック信号をカウントするとともに、入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号から生成したリセット信号でこのカウントをリセットして、このリセットの後最初の割り込み信号が生成されるまでこのカウントを禁止し、このカウント信号を割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、記憶手段よりも前段の処理手段に対して入力ビデオ信号に同期した制御を行うので、基準ビデオ信号とは非同期な入力ビデオ信号のレートにかかわらず、記憶手段よりも前段の処理手段に対して入力ビデオ信号に同期した制御を正常に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したAVサーバの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の入力ポートの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の記録再生部の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の入力ポートから記録再生部へのAVデータの転送の様子の一例を示す図である。
【図5】INHVSLOTのサンプリング例を示す図である。
【図6】図2の制御器による入力AV信号の位相検出の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】図6のカウンタの出力信号HVSLOTのサンプリング例を示す図である。
【図8】従来のAVサーバの入力ポートの構成及びその動作クロックを示す図である。
【符号の説明】
1 AVサーバ、 2 入力ポート、 3,4,5 出力ポート、 3A,4A,5A 復号器、 3B,4B,5B,38A,38B,38C バッファメモリ、 3C,4C,5C,9,39 制御器、 6 記録再生部、 7 タイミング管理部、 8 ファイルシステム、 10 下りバス、 11 上りバス、 12 制御バス、 21,22 HDD、 23 ディスクアレイコントローラ、 31 同期検出回路、 32 VITCリーダー、 33 前置フィルタ、 34 符号器、 35 パッキング回路、 36 FIFOメモリ 、37A,37B,37C メモリコントローラ、 41 HVINT発生器、 42 HVSLOTカウンタ、 43 リセットパルス発生器、 44 カウント禁止パルス発生器
Claims (5)
- ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いてビデオデータの記録及び/または再生を行う記録再生手段と、
外部からの入力ビデオ信号に所定の処理を施す処理手段と、前記処理手段で処理されたビデオデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段から読み出したビデオデータを前記記録再生手段に転送する少なくとも1つの入力部と、
前記記録再生手段から転送されたビデオデータを外部に出力する少なくとも1つの出力部と
を有し、前記入力部及び前記出力部は、所定の基準ビデオ信号に同期して、それぞれ割り当てられたタイムスロット内に前記記録再生手段との間での前記転送を行う記録再生装置において、
前記入力部は、
前記入力ビデオ信号から分離された入力フレーム同期信号と、前記基準ビデオ信号に基づく基準フレーム同期信号とが供給される制御手段
を備え、
前記入力フレーム同期信号から生成されたクロック信号を動作クロックとして前記処理手段の動作及び前記記憶手段へのビデオデータの書き込みが行われ、
前記基準ビデオ信号に同期して前記記憶手段からのビデオデータの読み出しが行われ、
前記制御手段は、前記基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、該割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、該基準クロック信号をカウントするとともに、前記入力フレーム同期信号から生成したリセット信号で前記カウントをリセットして、前記リセットの後最初の前記割り込み信号が生成されるまで前記カウントを禁止し、前記カウント信号を前記割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、前記処理手段を前記入力ビデオ信号に同期して制御する
ことを特徴とする記録再生装置。 - 請求項1に記載の記録再生装置において、
前記入力部に前記記憶手段が複数設けられており、
前記制御手段は、前記記憶手段のうち前記入力信号を書き込ませる記憶手段を、一定量の信号が書き込まれる毎に切り替え、前記タイムスロット内に、該一定量の信号を該記憶手段から読み出して前記記録再生手段に転送させる
ことを特徴とする記録再生装置。 - 請求項1に記載の記録再生装置において、
前記制御手段は、前記記憶手段に書き込まれた信号の量に応じて、前記タイムスロット内に該記憶手段から読み出して前記記録再生手段に転送させる信号の量を変化させる
ことを特徴とする記録再生装置。 - 請求項1に記載の記録再生装置において、
前記処理手段は、前記入力ビデオ信号からVITCコードを読み取るVITCリーダーを含んでおり、
前記制御手段は、前記割り込み処理により、前記入力ビデオ信号の各フレームの前半フィールドで前記VITCリーダーにVITCコードを読み取らせる
ことを特徴とする記録再生装置。 - ノンリニアアクセス可能な記録媒体を用いてビデオデータの記録及び/または再生を行う記録再生手段と、
外部からの入力ビデオ信号に所定の処理を施す処理手段と、前記処理手段で処理されたビデオデータを一時的に記憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段から読み出したビデオデータを前記記録再生手段に転送する少なくとも1つの入力部と、
前記記録再生手段から転送されたビデオデータを外部に出力する少なくとも1つの出力部と
を有し、前記入力部及び前記出力部は、所定の基準ビデオ信号に同期して、それぞれ割り当てられたタイムスロット内に前記記録再生手段との間での前記転送を行う記録再生装置 における信号入力方法において、
前記入力フレーム同期信号から生成されたクロック信号を動作クロックとして前記入力部の前記処理手段の動作及び前記入力部の前記記憶手段へのビデオデータの書き込みを行うとともに、前記基準フレーム同期信号から生成した割り込み信号と、該割り込み信号に対して位相がずれた基準クロック信号を同時に生成し、該基準クロック信号をカウンタでカウントするとともに、前記入力フレーム同期信号から生成したリセット信号で前記カウンタをリセットして、前記リセットの後最初の前記割り込み信号が生成されるまで前記カウンタでのカウントを禁止し、前記カウンタの出力信号を前記割り込み信号でサンプリングする割り込み処理により、前記処理手段を前記入力ビデオ信号に同期して制御する第1ステップと、
前記基準ビデオ信号に同期して前記記憶手段からのビデオデータの読み出しを行う第2ステップと
を含むことを特徴とする記録再生装置における信号入力方法。
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