JP4174853B2 - 半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法 - Google Patents

半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持基板上に支持されたセンシング用構造体と支持基板上に固定された固定電極とによって、センシング用構造体に印加される力学量を検出する半導体力学量センサの製造方法、及び支持基板上に形成されているダイヤフラムの裏面内部に減圧された圧力基準室を備えて、ダイヤフラムに作用する圧力を検出するようにした半導体圧力センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
この様な半導体力学量センサを製造する従来技術として、マイクロマシニング技術を適用して加速度センサを製造するものが特開平6−349806号公報に開示されている。この従来技術では、SOI基板を用いて、単結晶シリコンからなる上層に酸化膜まで達する溝を形成して、この溝部分から酸化膜をエッチングすることで構造体を形成するものである。
【0003】
また、半導体圧力センサを製造する従来技術として、特開平7−176770号公報に開示されているものがある。これは、シリコン基板を3層接合させるものであり、その中間層となるシリコン基板をポーラス(多孔質)シリコンとすることでメンブレン構造体を形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−349806号公報においてSOI基板を形成する方法としては、
▲1▼シリコン基板に例えばOなどの異種原子を埋め込み、高温で熱処理して絶縁層(SiO)を形成する。
▲2▼単結晶シリコン同士を絶縁膜を介してボンディングプロセスにより接合する。が開示されている。
【0005】
しかしながら、▲1▼の方法では、異種原子を埋め込むためには高価な専用設備を必要とする。また、埋め込みは現実的にはイオン注入で行うしかないため、埋め込み層は単結晶シリコン基板の表面から1μm以下にしか形成することができない。従って、たわみ舌片の厚みも1μm以下にならざるを得ず、加速度センサのようにセンシング部の重さがある程度必要なものには適用することができない。
【0006】
また、▲2▼の方法では、シリコン基板が2枚必要であり、張り合わせ加工を行うためコストアップしてしまう。加えて、何れの場合も酸化膜で単結晶シリコン梁を支持する構造であり、その酸化膜の寸法制御が困難であるという問題がある。一方、特開平7−176770号公報の技術では、シリコン基板を2回接合する必要があるため、やはりコストアップしてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで且つ寸法制御精度の良好な半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体力学量センサの製造方法によれば、支持基板上の表面に形成されているp形半導体層中において、半導体力学量センサを構成するセンシング用構造体の支持部及び固定電極を形成する部分にn形半導体層を選択的に形成してから支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより多孔質シリコン層を形成し、その多孔質シリコン層の上に形成したレジストに所定のパターニングを施した後堆積によりシリコン層を形成して、堆積により形成されたシリコン層をエッチングしてセンシング用構造体及び固定電極の形状に形成する。そして、多孔質シリコン層を酸化させた層を犠牲層としてエッチングすることにより、センシング用構造体及び固定電極を形成する。
【0009】
p形半導体層は陽極化成により多孔質化(ポーラス化)し易く、逆に、n形半導体層は多孔質化し難い傾向にあり、多孔質化した半導体層は構造的にエッチングされ易くなる。故に、p形半導体層中においてエッチング除去の対象とならないセンシング用構造体の支持部や固定電極を形成する部分には選択的にn形半導体層を形成し、または、n形半導体層中においてエッチング除去の対象となるセンシング用構造体の非支持部などには選択的にn形半導体層を形成して陽極化成を施すことで、半導体力学量センサのセンシング構造体及び固定電極を所期の形状に形成することが可能となる。
【0010】
従って、従来とは異なり、2枚のシリコン基板を張り合わせる必要がない。また、異種原子を埋め込むための特殊で且つ高価な製造設備を必要とすることなく半導体力学量センサを製造することができる。そして、多孔質シリコン層の上にシリコン層を形成することで、センシングを行うためのセンシング用構造体及び固定電極を安定で工業的に使用実績のある単結晶シリコンで構成することができる。加えて、センシング用構造体及び固定電極の厚さ寸法を任意の値に設計することが可能となる。
【0011】
請求項記載の半導体圧力センサの製造方法によれば、支持基板上の表面に形成されているn形半導体層中における圧力基準室を形成する部分に選択的にp形半導体層を形成し、支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより、前記p形半導体層をポーラス化した多孔質シリコン層を形成する。そして、多孔質シリコン層の上にn形シリコン層をエピタキシャル成長により形成してから、当該シリコン層に前記多孔質シリコン層に達する溝を形成し、その溝を介して、多孔質シリコン層を酸化させた層を犠牲層としてエッチングした後溝を減圧下で埋め戻すことで圧力基準室を形成する。従って、従来とは異なり、シリコン基板を2回接合する必要はなく、1枚の支持基板で半導体圧力センサを簡単に製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明を加速度センサに適用した場合の第1実施例について図1乃至図5を参照して説明する。図3は、容量式の半導体加速度センサ(半導体力学量センサ)1の平面図である。図3において、素子形成用薄膜2は、単結晶シリコンよりなる矩形状の支持基板(外形のみ符号3を付して示す)の上面全体に絶縁分離膜(図示せず)を介して形成されたものであり、例えばn形単結晶シリコンよりなる。この素子形成用薄膜2には、分離用のトレンチ加工などを施すことにより、夫々n形単結晶シリコンよりなる以下のような各構造体が形成されている。
【0013】
即ち、梁構造体(センシング用構造体)4は、支持基板3上(実際には絶縁分離膜上)に2か所のアンカー部(支持部)4a,4bを介して支持されており、以て支持基板3との間に所定ギャップを存するように設けられている。尚、上記アンカー部4a,4bは、梁構造体4と一体に構成されている。
【0014】
この梁構造体4は、矩形状のマス部5の両端を、夫々矩形枠状をなす梁部6及び7を介して前記アンカー部4a及び4bに支持した形態となっており、マス部5の両側面からは、例えば2個ずつの可動電極8a及び8bが当該マス部5と直交した方向へ一体的に突出形成されている。尚、これら可動電極8a及び8bは、断面矩形の棒状に形成されている。
【0015】
2個ずつの第1の固定電極9及び10は、支持基板3上に夫々可動電極8a及び8bの一方の側面と所定間隔を存して平行した状態で固定されている。また、同じく2個ずつの第2の固定電極11及び12は、支持基板3上に夫々可動電極8a及び8bの他方の側面と所定間隔を存して平行した状態で固定されている。尚、これらの第1の固定電極9,10及び第2の固定電極12,13は、断面矩形の棒状に形成されている。
【0016】
第1の固定電極9及び10に電気的に接続される第1の配線パターン13は、第1の固定電極9の端部に連結された分岐配線パターン13a及び第1の固定電極10の端部に連結された分岐配線パターン13bと、支持基板3の縁部に配置された矩形状端子部13cとを有する。尚、この端子部13c上には、ボンディングパッド13dが形成されている。
【0017】
第2の固定電極11及び12に電気的に接続される第2の配線パターン14は、第2の固定電極11の端部に連結された分岐配線パターン14a及び第2の固定電極12の端部に連結された分岐配線パターン14bと、支持基板3の縁部に配置された矩形状端子部14cとを有する。尚、この端子部14c上には、ボンディングパッド14dが形成されている。
【0018】
動電極8a及び8bに電気的に接続される第3の配線パターン15は、一端が前記アンカー部4bに一体に連結され、他端側には、支持基板3の縁部に配置された矩形状端子部15bを有する。尚、この端子部15b上には、ボンディングパッド15cが形成されている。
【0019】
この場合、第2の配線パターン14及び第3の配線パターン15は、2箇所で交差している。具体的には、一方の交差箇所を示す図4のように、第3の配線パターン15は、第2の配線パターン14との交差部分を下部配線パターン15dによって繋いだ形状となっており、第2の配線パターン14側には、下部配線パターン15dを跨いだ形状のブリッジ部14eが形成されている。
【0020】
また、第1の配線パターン13は、分岐配線パターン13aにおける第1の固定電極9との連結部分を下部配線パターン13eにより構成すると共に、分岐配線パターン13bにおける第1の固定電極10との連結部分を下部配線パターン13fにより構成している。特に、一方の下部配線パターン13fは、第2の固定電極12と交差するように配置されている。具体的には、図5に示すように、第2の固定電極12側には、下部配線パターン13fを跨いだ形状のブリッジ部12eが形成されている。
【0021】
更に、第2の配線パターン14は、分岐配線パターン14aにおける第2の固定電極11との連結部分を下部配線パターン14fにより構成すると共に、分岐配線パターン14bにおける第2の固定電極12との連結部分を下部配線パターン14gにより構成している。特に、一方の下部配線パターン14fは、第1の固定電極9と交差するように配置されている。この場合、具体的には図示しないが、第1の固定電極9側には、下部配線パターン14fを跨いだ形状のブリッジ部12eが前記第2の固定電極12におけるブリッジ部12e(図5参照)と同様に形成されている。
【0022】
例えば、梁部6及び固定電極9乃至12の幅寸法は、4μ〜10μm程度、可動電極8b,8bと固定電極9乃至12との間隔は、0.5μ〜3μm程度、可動電極8b,8bの長さ寸法は50μ〜500μm程度に設定される。
【0023】
以上のように構成された半導体加速度センサ1においては、梁構造体4に作用する加速度を、可動電極8a及び8b,第1の固定電極9及び10,第2の固定電極11及び12により構成されたトランスデューサによって電気信号に変換できるようになる。具体的には、可動電極8a及び8bと第1の固定電極9及び10との間に第1のコンデンサが形成される。また、可動電極8a及び8bと第2の固定電極11及び12との間に第2のコンデンサが形成される。
【0024】
これら第1及び第2のコンデンサの各静電容量は、梁構造体4に加速度が作用した時に、可動電極8a及び8bと第1の固定電極9及び10並びに第2の固定電極11及び12との各間の距離が変化するのに応じて差動的に変化するものであり、斯様な静電容量の変化を、ボンディングパッド13d,14d及び15cを通じて電気的な信号として取り出すことにより、加速度を検出することができる。
【0025】
図1及び図2は、上記の半導体加速度センサ1の製造工程例を示すものであり、以下これについて説明する。尚、図1及び図2は、半導体加速度センサ1の破線Aで示す部分的な断面構造を模式的に示したものである。
【0026】
先ず、p形のシリコンから成る支持基板(p形半導体層)3を用意し、梁構造体4のアンカー部4a,固定電極10及び12を形成する部分に例えば砒素(As)をイオン注入して、n形層(n形半導体層)16を形成する(図1(a)参照)。次に、支持基板3に対して陽極化成処理を施す。陽極化成は、具体的には図示しないが、フッ酸系溶液を満たした溶液槽中に配置された一対の電極間に、表面側以外の部分をマスクした支持基板3を浸漬させた状態で前記電極間に所定時間通電することにより行う。通電電流密度は、例えば数100mA/cm程度とする。
【0027】
陽極化成を行うことによって、支持基板3の表面部分にあるシリコンがポーラス(多孔質)化してポーラスシリコン層(多孔質シリコン層)3aが形成される(図1(b)参照)。この場合、n形層16は、p形シリコンに比較してポーラス化し難い傾向を有しているため、殆どポーラス化されない状態となっている。次に、ポーラスシリコン層3a及びn形層16の全面に例えば減圧CVD法などによりLT(Low Temperature:低温)SiN膜17を形成してから、フォトレジストRによりパターニングしてアンカー部4a,固定電極10及び12を形成する部分を開口する(図1(c)参照)。
【0028】
それから、エピタキシャル成長装置中においてシリコン層18を10μm程度堆積させる(図(d)参照)。この時、ポーラスシリコン層3a上において成長するシリコン層18は、ポーラスシリコン層3aが単結晶の結晶性を維持しているため単結晶シリコン層18aとして形成され、LTSiN膜17上において成長するシリコン層18は多結晶シリコン層18bとして形成される。
【0029】
次に、垂直エッチングにより主に多結晶シリコン層18b部分を除去して、単結晶シリコン層18a部分をアンカー部4a,固定電極10及び12の形状に形成してから(図2(e)参照)、低温酸化雰囲気中に晒してポーラスシリコン層3aを酸化させ酸化層(SiO)3bを形成する(図2(f)参照)。
【0030】
そして、酸化層3bを犠牲層としてHF蒸気中でエッチングすると、LTSiN膜17でマスクされている部分以外の酸化層3bがエッチングされる。また、ポーラス化されていないn形層16部分は殆どエッチングされない。その結果、梁部6及び可動電極8bの下方に存在した酸化層3bが除去されて、図3乃至図5に示す半導体加速度センサ1が形成される(図2(g)参照)。
【0031】
以上のように本実施例によれば、p形シリコンから成る支持基板3の表面において、梁構造体4のアンカー部4a並びに固定電極10及び12を形成する部分に選択的にn形層16を形成してから、陽極化成を施すことによりポーラスシリコン層3aを形成する。そして、ポーラスシリコン層3a上に対してLTSiN膜17でパターニングしてシリコン層18を形成してから、梁構造体4並びに固定電極10及び12の形状にエッチングを施し、LTSiN膜17をマスクとして、ポーラスシリコン層3aを酸化させた酸化層3bを犠牲層としてエッチングすることで梁構造体4並びに固定電極10及び12を形成するようにした。
【0032】
従って、従来とは異なり、2枚のシリコン基板を張り合わせ加工する必要はない。また、Oなどの異種原子を埋め込むための特殊で且つ高価な製造設備を要することなしに1枚の支持基板3で加速度センサ1を製造することができる。そして、ポーラスシリコン層3aの上にシリコン層18を形成することで、センシングを行うための梁構造体4及び固定電極10及び12を安定で工業的に使用実績のある単結晶シリコン層18aで構成することができる。加えて、梁構造体4及び固定電極10等の厚さ寸法を任意の値に設計することが可能となる。
【0033】
(第2実施例)
図6及び図7は本発明を半導体圧力センサに適用した場合の第2実施例を示すものであり、半導体圧力センサ19の模式的な断面によりその製造工程を示す図である。最終的な完成状態を示す図(h)において、p形シリコンから成る支持基板20内部の表面側近くには、圧力基準室(キャビティ)21が外部と隔絶された状態に形成されており、その内部は略真空と成るようにガスが排気されている。圧力基準室21の容積は、例えば、0.001〜0.1μmm3程度に設定される。
【0034】
圧力基準室21の上面は、ダイヤフラム22として設けられている。このダイヤフラム22は、外部の圧力に応じて変位する程度の厚さ寸法(例えば、2〜10μm)に設定されており、ダイヤフラム22にはピエゾ抵抗効果を有する4つの抵抗体23(図においては2つの図示)が形成されている。支持基板19の全面には、4つの抵抗体(ゲージ)23をブリッジ接続すると共に、外部回路と必要な接続を行うためのアルミニュウム電極パターン24が形成されている。これにより、抵抗体23のブリッジ回路に外部から電圧が印加されると共に、検出出力が外部に導出できるようになっている。
【0035】
そして、圧力センサ19を圧力測定の環境下に晒すと、ダイヤフラム22が外部から受ける圧力で圧力基準室21内の圧力との差により生ずる応力で変位するので、抵抗体23はピエゾ抵抗効果でその抵抗値が変化するようになる。この抵抗値の変化を検出出力として圧力に応じた電圧信号を得ることができるようになっている。
【0036】
以下、圧力センサ19の製造工程を図順に従って説明する。先ず、支持基板20の上に、n形シリコン層(n形半導体層)25をエピタキシャル成長させる(図(a)参照)。次に、後にダイヤフラム22を形成する部分に選択的にボロンをイオン注入してp形層(p形半導体層)26を形成する(図(b)参照)。そして、LTSiN膜27をパターニングしてp形層26以外を保護してから陽極化成を行う(図(c)参照)。すると、p形層26はポーラス化してポーラスシリコン層(多孔質シリコン層)26aとなる。
【0037】
次に、LTSiN膜27を除去してから、支持基板20の全面に再びn形シリコン層28をエピタキシャル成長させて、抵抗体23をフォトリソグラフィにより作成する(図(d)参照)。ここでのn形シリコン層28の厚さ寸法はダイヤフラム22の厚さ寸法となるので、圧力センサ19の使用圧力レンジに応じて決定する。尚、ダイヤフラム22部分以外のn形シリコン層28の厚さ寸法は、周辺部にその他の回路などを形成するような集積化センサを構成する場合には、そのために必要となる厚みをn形シリコン層25と27との厚さ寸法の和によって得るように設定する。
【0038】
次に、n形シリコン層28の一部(抵抗体23の両側)を加工して、下層のポーラスシリコン層26aに達するように溝29を形成してから、酸化雰囲気中においてポーラスシリコン層26aを酸化させ、酸化層(SiO2)26bを形成する(図(e)参照)。
【0039】
それから、酸化層26bを犠牲層として、溝29を介してHF蒸気中においてエッチングを行う。すると、ポーラス化してエッチングレートが高くなっている酸化層26b部分が速く除去されるので、その時点でエッチングを停止させる。その結果、圧力基準室21が形成される(図(f)参照)。
【0040】
次に、溝29を、酸化シリコン30などにより埋め戻す(図(g)参照)。この時点で、圧力基準室21の圧力が決定されるため、埋め戻し工程は減圧下で行うようにする。最後に、前述のアルミニュウム電極パターン24を形成すると共に、その上に保護膜31を形成して完了する(図(f)参照)。
【0041】
以上のように第2実施例によれば、支持基板19上の表面に形成されているn形シリコン層25中に、圧力基準室21を形成する部分にp形層26を選択的に形成し、支持基板19上の表面部分に陽極化成を施すことによりポーラスシリコン層26aを形成する。そして、ポーラスシリコン層26a上にn形シリコン層28を形成してから、当該n形シリコン層28に、ポーラスシリコン層26aに達する溝29を形成し、その溝29を介してポーラスシリコン層26aを酸化させた酸化層26bを犠牲層としてエッチングすることで圧力基準室21を形成するようにした。
【0042】
従って、従来とは異なり、シリコン基板を2回接合するような複雑な加工を行う必要はなく、1枚の支持基板20で半導体圧力センサ19を簡単に製造することができる。
【0043】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である
【0044】
第1実施例のように、p形シリコンから成る支持基板3をベースとして、梁構造体4のアンカー部4aや固定電極10等のようにエッチング後に残留させる構造部分にn形層16を選択的に形成するものに限らず、n形シリコンから成る支持基板をベースとして、梁構造体4の可動電極8a,8bのようにエッチングにより除去する構造部分にp形層を選択的に形成して陽極化成を行うようにしても良い。
【0045】
第1実施例の製造方法については、半導体加速度センサに限らずヨーレートセンサや角速度センサなどの半導体力学量センサに適用しても良い。また、センシング用構造体としてダイヤフラムを備え、そのダイヤフラムを可動電極とした容量式の(第2実施例に示すものとは異なる方式の)半導体圧力センサに適用することもできる。更に、可動電極,固定電極間の接触を検知する接点式センサに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における半導体加速度センサの製造工程を示す模式的断面図(その1)
【図2】半導体加速度センサの製造工程を示す模式的断面図(その2)
【図3】半導体加速度センサの平面図
【図4】半導体加速度センサの要部の斜視図
【図5】半導体加速度センサの図4とは異なる要部の斜視図
【図6】本発明の第2実施例における半導体圧力センサの製造工程を示す模式的断面図(その1)
【図7】半導体圧力センサの製造工程を示す模式的断面図(その2)
【符号の説明】
1は半導体加速度センサ(半導体力学量センサ)、3は支持基板(p形半導体層)、3aはポーラスシリコン層(多孔質シリコン層)、4は梁構造体(センシング用構造体)、4a,4bはアンカー部(支持部)、8a及び8bは可動電極、9乃至12は固定電極、16はn形層(n形半導体層)、19は半導体圧力センサ、20は支持基板、21は圧力基準室、22はダイヤフラム、25はn形シリコン層(n形半導体層)、26はp形層(p形半導体層)、26aはポーラスシリコン層(多孔質シリコン層)、28はn形シリコン層(シリコン層)、29は溝を示す。

Claims (5)

  1. 支持基板上に電気的に絶縁された状態で支持され、力学量の印加に応じて変位する可動電極を一体的に有した半導体材料製のセンシング用構造体と、前記支持基板上に電気的に絶縁された状態で固定され、前記可動電極の変位に応じて当該可動電極との間の距離が変化するように設けられた半導体材料製の固定電極とを備え、前記可動電極及び固定電極間の距離変化に基づいて印加力学量を検出する半導体力学量センサを製造する方法において、
    前記支持基板上の表面に形成されているp形半導体層中における前記センシング用構造体の支持部及び前記固定電極を形成する部分にn形半導体層を選択的に形成する工程と、
    前記支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより多孔質シリコン層を形成する工程と、
    前記多孔質シリコン層の上にレジストを形成し、該レジストに所定のパターニングを施した後、堆積によりシリコン層を形成する工程と、
    前記堆積により形成されたシリコン層をエッチングして前記センシング構造体及び前記固定電極の形状に形成する工程と、
    前記多孔質シリコン層を酸化させ、酸化層を形成する工程と、
    前記酸化層を犠牲層としてエッチングすることにより、前記センシング構造体及び前記固定電極を形成する工程とからなることを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。
  2. 前記堆積により形成されたシリコン層のうち、前記レジスト上に形成されたシリコン層は多結晶シリコン層であり、
    前記多孔質シリコン層上に形成されたシリコン層は単結晶シリコン層であることを特徴とする請求項1記載の半導体力学量センサの製造方法。
  3. 前記多孔質シリコン層を酸化させて絶縁層とする工程は、低温酸化雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体力学量センサの製造方法。
  4. 前記レジストは、LTSiN膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体力学量センサの製造方法。
  5. 支持基板上に形成されているダイヤフラムの裏面内部に減圧された圧力基準室を備え、前記ダイヤフラムに作用する圧力を、その圧力に応じた撓み量に基づいて検出するようにした半導体圧力センサを製造する方法において、
    前記支持基板上の表面に形成されているn形半導体層中における前記圧力基準室を形成する部分にp形半導体層を選択的に形成する工程と、
    前記支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより、前記p形半導体層をポーラス化した多孔質シリコン層を形成する工程と、
    前記多孔質シリコン層の上にn形シリコン層をエピタキシャル成長により形成した後、当該シリコン層に前記多孔質シリコン層に達する溝を形成する工程と、
    前記多孔質シリコン層を酸化させ、酸化層を形成する工程と、
    前記酸化層を犠牲層として前記溝を介してエッチングする工程と、
    前記溝を減圧下で埋め戻すことにより、前記圧力基準室を形成する工程とからなることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
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