JP2000004028A - 半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法 - Google Patents

半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法

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JP2000004028A JP16694098A JP16694098A JP2000004028A JP 2000004028 A JP2000004028 A JP 2000004028A JP 16694098 A JP16694098 A JP 16694098A JP 16694098 A JP16694098 A JP 16694098A JP 2000004028 A JP2000004028 A JP 2000004028A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで寸法制御精度の良好な半導体力学
量センサの製造方法及び半導体圧力センサの製造方法を
提供する。 【解決手段】 p形シリコンから成る支持基板3上の表
面において、梁構造体4のアンカー部4a並びに固定電
極10及び12を形成する部分に選択的にn形層16を
形成してから、陽極化成を施すことによりポーラスシリ
コン層3aを形成する。そして、ポーラスシリコン層3
a上に対してLTSiN膜17でパターニングしてシリ
コン層18を形成してから、梁構造体4並びに固定電極
10及び12の形状にエッチングを施し、LTSiN膜
17をマスクとして、ポーラスシリコン層3aを酸化さ
せた酸化層3bを犠牲層としてエッチングすることで梁
構造体4並びに固定電極10及び12を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持基板上に支持
されたセンシング用構造体と支持基板上に固定された固
定電極とによって、センシング用構造体に印加される力
学量を検出する半導体力学量センサの製造方法、及び支
持基板上に形成されているダイヤフラムの裏面内部に減
圧された圧力基準室を備えて、ダイヤフラムに作用する
圧力を検出するようにした半導体圧力センサの製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】この様な半導体力学量センサを製造する従
来技術として、マイクロマシニング技術を適用して加速
度センサを製造するものが特開平6−349806号公
報に開示されている。この従来技術では、SOI基板を
用いて、単結晶シリコンからなる上層に酸化膜まで達す
る溝を形成して、この溝部分から酸化膜をエッチングす
ることで構造体を形成するものである。
【0003】また、半導体圧力センサを製造する従来技
術として、特開平7−176770号公報に開示されて
いるものがある。これは、シリコン基板を3層接合させ
るものであり、その中間層となるシリコン基板をポーラ
ス(多孔質)シリコンとすることでメンブレン構造体を
形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−34980
6号公報においてSOI基板を形成する方法としては、 シリコン基板に例えばOなどの異種原子を埋め込
み、高温で熱処理して絶縁層(SiO)を形成する。 単結晶シリコン同士を絶縁膜を介してボンディングプ
ロセスにより接合する。が開示されている。
【0005】しかしながら、の方法では、異種原子を
埋め込むためには高価な専用設備を必要とする。また、
埋め込みは現実的にはイオン注入で行うしかないため、
埋め込み層は単結晶シリコン基板の表面から1μm以下
にしか形成することができない。従って、たわみ舌片の
厚みも1μm以下にならざるを得ず、加速度センサのよ
うにセンシング部の重さがある程度必要なものには適用
することができない。
【0006】また、の方法では、シリコン基板が2枚
必要であり、張り合わせ加工を行うためコストアップし
てしまう。加えて、何れの場合も酸化膜で単結晶シリコ
ン梁を支持する構造であり、その酸化膜の寸法制御が困
難であるという問題がある。一方、特開平7−1767
70号公報の技術では、シリコン基板を2回接合する必
要があるため、やはりコストアップしてしまうという問
題がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、低コストで且つ寸法制御精度の良好
な半導体力学量センサの製造方法及び半導体圧力センサ
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1または2記載の
半導体力学量センサの製造方法によれば、支持基板上の
表面に形成されているp形またはn形半導体層中におい
て、半導体力学量センサを構成するセンシング用構造体
の支持部及び固定電極を形成する部分にn形半導体層を
選択的に形成し、またはセンシング用構造体の非支持部
を形成する部分にp形半導体層を選択的に形成してから
支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより多孔
質シリコン層を形成し、その多孔質シリコン層の上に所
定のパターニングを施した後シリコン層を形成して、セ
ンシング用構造体及び固定電極の形状にエッチングを施
す。そして、多孔質シリコン層を犠牲層としてエッチン
グすることにより、センシング用構造体及び固定電極を
形成する。
【0009】p形半導体層は陽極化成により多孔質化
(ポーラス化)し易く、逆に、n形半導体層は多孔質化
し難い傾向にあり、多孔質化した半導体層は構造的にエ
ッチングされ易くなる。故に、p形半導体層中において
エッチング除去の対象とならないセンシング用構造体の
支持部や固定電極を形成する部分には選択的にn形半導
体層を形成し、または、n形半導体層中においてエッチ
ング除去の対象となるセンシング用構造体の非支持部な
どには選択的にn形半導体層を形成して陽極化成を施す
ことで、半導体力学量センサのセンシング構造体及び固
定電極を所期の形状に形成することが可能となる。
【0010】従って、従来とは異なり、2枚のシリコン
基板を張り合わせる必要がない。また、異種原子を埋め
込むための特殊で且つ高価な製造設備を必要とすること
なく半導体力学量センサを製造することができる。そし
て、多孔質シリコン層の上にシリコン層を形成すること
で、センシングを行うためのセンシング用構造体及び固
定電極を安定で工業的に使用実績のある単結晶シリコン
で構成することができる。加えて、センシング用構造体
及び固定電極の厚さ寸法を任意の値に設計することが可
能となる。
【0011】請求項3記載の半導体圧力センサの製造方
法によれば、支持基板上の表面に形成されているn形半
導体層中における圧力基準室を形成する部分に選択的に
p形半導体層を形成し、支持基板上の表面部分に陽極化
成を施すことにより多孔質シリコン層を形成する。そし
て、多孔質シリコン層の上にシリコン層を形成してか
ら、当該シリコン層に前記多孔質シリコン層に達する溝
を形成し、その溝を介して多孔質シリコン層を犠牲層と
してエッチングすることで圧力基準室を形成する。従っ
て、従来とは異なり、シリコン基板を2回接合する必要
はなく、1枚の支持基板で半導体圧力センサを簡単に製
造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施例)以下、本発明を加
速度センサに適用した場合の第1実施例について図1乃
至図5を参照して説明する。図3は、容量式の半導体加
速度センサ(半導体力学量センサ)1の平面図である。
図3において、素子形成用薄膜2は、単結晶シリコンよ
りなる矩形状の支持基板(外形のみ符号3を付して示
す)の上面全体に絶縁分離膜(図示せず)を介して形成
されたものであり、例えばn形単結晶シリコンよりな
る。この素子形成用薄膜2には、分離用のトレンチ加工
などを施すことにより、夫々n形単結晶シリコンよりな
る以下のような各構造体が形成されている。
【0013】即ち、梁構造体(センシング用構造体)4
は、支持基板3上(実際には絶縁分離膜上)に2か所の
アンカー部(支持部)4a,4bを介して支持されてお
り、以て支持基板3との間に所定ギャップを存するよう
に設けられている。尚、上記アンカー部4a,4bは、
梁構造体4と一体に構成されている。
【0014】この梁構造体4は、矩形状のマス部5の両
端を、夫々矩形枠状をなす梁部6及び7を介して前記ア
ンカー部4a及び4bに支持した形態となっており、マ
ス部5の両側面からは、例えば2個ずつの可動電極8a
及び8bが当該マス部5と直交した方向へ一体的に突出
形成されている。尚、これら可動電極8a及び8bは、
断面矩形の棒状に形成されている。
【0015】2個ずつの第1の固定電極9及び10は、
支持基板3上に夫々可動電極8a及び8bの一方の側面
と所定間隔を存して平行した状態で固定されている。ま
た、同じく2個ずつの第2の固定電極11及び12は、
支持基板3上に夫々可動電極8a及び8bの他方の側面
と所定間隔を存して平行した状態で固定されている。
尚、これらの第1の固定電極9,10及び第2の固定電
極12,13は、断面矩形の棒状に形成されている。
【0016】第1の固定電極9及び10に電気的に接続
される第1の配線パターン13は、第1の固定電極9の
端部に連結された分岐配線パターン13a及び第1の固
定電極10の端部に連結された分岐配線パターン13b
と、支持基板3の縁部に配置された矩形状端子部13c
とを有する。尚、この端子部13c上には、ボンディン
グパッド13dが形成されている。
【0017】第2の固定電極11及び12に電気的に接
続される第2の配線パターン14は、第2の固定電極1
1の端部に連結された分岐配線パターン14a及び第2
の固定電極12の端部に連結された分岐配線パターン1
4bと、支持基板3の縁部に配置された矩形状端子部1
4cとを有する。尚、この端子部14c上には、ボンデ
ィングパッド14dが形成されている。
【0018】可動固定電極8a及び8bに電気的に接続
される第3の配線パターン15は、一端が前記アンカー
部4bに一体に連結され、他端側には、支持基板3の縁
部に配置された矩形状端子部15bを有する。尚、この
端子部15b上には、ボンディングパッド15cが形成
されている。
【0019】この場合、第2の配線パターン14及び第
3の配線パターン15は、2箇所で交差している。具体
的には、一方の交差箇所を示す図4のように、第3の配
線パターン15は、第2の配線パターン14との交差部
分を下部配線パターン15dによって繋いだ形状となっ
ており、第2の配線パターン14側には、下部配線パタ
ーン15dを跨いだ形状のブリッジ部14eが形成され
ている。
【0020】また、第1の配線パターン13は、分岐配
線パターン13aにおける第1の固定電極9との連結部
分を下部配線パターン13eにより構成すると共に、分
岐配線パターン13bにおける第1の固定電極10との
連結部分を下部配線パターン13fにより構成してい
る。特に、一方の下部配線パターン13fは、第2の固
定電極12と交差するように配置されている。具体的に
は、図5に示すように、第2の固定電極12側には、下
部配線パターン13fを跨いだ形状のブリッジ部12e
が形成されている。
【0021】更に、第2の配線パターン14は、分岐配
線パターン14aにおける第2の固定電極11との連結
部分を下部配線パターン14fにより構成すると共に、
分岐配線パターン14bにおける第2の固定電極12と
の連結部分を下部配線パターン14gにより構成してい
る。特に、一方の下部配線パターン14fは、第1の固
定電極9と交差するように配置されている。この場合、
具体的には図示しないが、第1の固定電極9側には、下
部配線パターン14fを跨いだ形状のブリッジ部12e
が前記第2の固定電極12におけるブリッジ部12e
(図5参照)と同様に形成されている。
【0022】例えば、梁部6及び固定電極9乃至12の
幅寸法は、4μ〜10μm程度、可動電極8b,8bと
固定電極9乃至12との間隔は、0.5μ〜3μm程
度、可動電極8b,8bの長さ寸法は50μ〜500μ
m程度に設定される。
【0023】以上のように構成された半導体加速度セン
サ1においては、梁構造体4に作用する加速度を、可動
電極8a及び8b,第1の固定電極9及び10,第2の
固定電極11及び12により構成されたトランスデュー
サによって電気信号に変換できるようになる。具体的に
は、可動電極8a及び8bと第1の固定電極9及び10
との間に第1のコンデンサが形成される。また、可動電
極8a及び8bと第2の固定電極11及び12との間に
第2のコンデンサが形成される。
【0024】これら第1及び第2のコンデンサの各静電
容量は、梁構造体4に加速度が作用した時に、可動電極
8a及び8bと第1の固定電極9及び10並びに第2の
固定電極11及び12との各間の距離が変化するのに応
じて差動的に変化するものであり、斯様な静電容量の変
化を、ボンディングパッド13d,14d及び15cを
通じて電気的な信号として取り出すことにより、加速度
を検出することができる。
【0025】図1及び図2は、上記の半導体加速度セン
サ1の製造工程例を示すものであり、以下これについて
説明する。尚、図1及び図2は、半導体加速度センサ1
の破線Aで示す部分的な断面構造を模式的に示したもの
である。
【0026】先ず、p形のシリコンから成る支持基板
(p形半導体層)3を用意し、梁構造体4のアンカー部
4a,固定電極10及び12を形成する部分に例えば砒
素(As)をイオン注入して、n形層(n形半導体層)
16を形成する(図1(a)参照)。次に、支持基板3
に対して陽極化成処理を施す。陽極化成は、具体的には
図示しないが、フッ酸系溶液を満たした溶液槽中に配置
された一対の電極間に、表面側以外の部分をマスクした
支持基板3を浸漬させた状態で前記電極間に所定時間通
電することにより行う。通電電流密度は、例えば数10
0mA/cm程度とする。
【0027】陽極化成を行うことによって、支持基板3
の表面部分にあるシリコンがポーラス(多孔質)化して
ポーラスシリコン層(多孔質シリコン層)3aが形成さ
れる(図1(b)参照)。この場合、n形層16は、p
形シリコンに比較してポーラス化し難い傾向を有してい
るため、殆どポーラス化されない状態となっている。次
に、ポーラスシリコン層3a及びn形層16の全面に例
えば減圧CVD法などによりLT(Low Temperature:低
温)SiN膜17を形成してから、フォトレジストRに
よりパターニングしてアンカー部4a,固定電極10及
び12を形成する部分を開口する(図1(c)参照)。
【0028】それから、エピタキシャル成長装置中にお
いてシリコン層18を10μm程度堆積させる(図2
(d)参照)。この時、ポーラスシリコン層3a上にお
いて成長するシリコン層18は、ポーラスシリコン層3
aが単結晶の結晶性を維持しているため単結晶シリコン
層18aとして形成され、LTSiN膜17上において
成長するシリコン層18は多結晶シリコン層18bとし
て形成される。
【0029】次に、垂直エッチングにより主に多結晶シ
リコン層18b部分を除去して、単結晶シリコン層18
a部分をアンカー部4a,固定電極10及び12の形状
に形成してから(図2(e)参照)、低温酸化雰囲気中
に晒してポーラスシリコン層3aを酸化させ酸化層(S
iO)3bを形成する(図2(f)参照)。
【0030】そして、酸化層3bを犠牲層としてHF蒸
気中でエッチングすると、LTSiN膜17でマスクさ
れている部分以外の酸化層3bがエッチングされる。ま
た、ポーラス化されていないn形層16部分は殆どエッ
チングされない。その結果、梁部6及び可動電極8bの
下方に存在した酸化層3bが除去されて、図3乃至図5
に示す半導体加速度センサ1が形成される(図2(g)
参照)。
【0031】以上のように本実施例によれば、p形シリ
コンから成る支持基板3の表面において、梁構造体4の
アンカー部4a並びに固定電極10及び12を形成する
部分に選択的にn形層16を形成してから、陽極化成を
施すことによりポーラスシリコン層3aを形成する。そ
して、ポーラスシリコン層3a上に対してLTSiN膜
17でパターニングしてシリコン層18を形成してか
ら、梁構造体4並びに固定電極10及び12の形状にエ
ッチングを施し、LTSiN膜17をマスクとして、ポ
ーラスシリコン層3aを酸化させた酸化層3bを犠牲層
としてエッチングすることで梁構造体4並びに固定電極
10及び12を形成するようにした。
【0032】従って、従来とは異なり、2枚のシリコン
基板を張り合わせ加工する必要はない。また、Oなど
の異種原子を埋め込むための特殊で且つ高価な製造設備
を要することなしに1枚の支持基板3で加速度センサ1
を製造することができる。そして、ポーラスシリコン層
3aの上にシリコン層18を形成することで、センシン
グを行うための梁構造体4及び固定電極10及び12を
安定で工業的に使用実績のある単結晶シリコン層18a
で構成することができる。加えて、梁構造体4及び固定
電極10等の厚さ寸法を任意の値に設計することが可能
となる。
【0033】(第2実施例)図6及び図7は本発明を半
導体圧力センサに適用した場合の第2実施例を示すもの
であり、半導体圧力センサ19の模式的な断面によりそ
の製造工程を示す図である。最終的な完成状態を示す図
6(h)において、p形シリコンから成る支持基板20
内部の表面側近くには、圧力基準室(キャビティ)21
が外部と隔絶された状態に形成されており、その内部は
略真空と成るようにガスが排気されている。圧力基準室
21の容積は、例えば、0.001〜0.1μmm
度に設定される。
【0034】圧力基準室21の上面は、ダイヤフラム2
2として設けられている。このダイヤフラム22は、外
部の圧力に応じて変位する程度の厚さ寸法(例えば、2
〜10μm)に設定されており、ダイヤフラム22には
ピエゾ抵抗効果を有する4つの抵抗体23(図5におい
ては2つの図示)が形成されている。支持基板19の全
面には、4つの抵抗体(ゲージ)23をブリッジ接続す
ると共に、外部回路と必要な接続を行うためのアルミニ
ュウム電極パターン24が形成されている。これによ
り、抵抗体23のブリッジ回路に外部から電圧が印加さ
れると共に、検出出力が外部に導出できるようになって
いる。
【0035】そして、圧力センサ19を圧力測定の環境
下に晒すと、ダイヤフラム22が外部から受ける圧力で
圧力基準室21内の圧力との差により生ずる応力で変位
するので、抵抗体23はピエゾ抵抗効果でその抵抗値が
変化するようになる。この抵抗値の変化を検出出力とし
て圧力に応じた電圧信号を得ることができるようになっ
ている。
【0036】以下、圧力センサ19の製造工程を図順に
従って説明する。先ず、支持基板20の上に、n形シリ
コン層(n形半導体層)25をエピタキシャル成長させ
る(図5(a)参照)。次に、後にダイヤフラム22を
形成する部分に選択的にボロンをイオン注入してp形層
(p形半導体層)26を形成する(図5(b)参照)。
そして、LTSiN膜27をパターニングしてp形層2
6以外を保護してから陽極化成を行う(図5(c)参
照)。すると、p形層26はポーラス化してポーラスシ
リコン層(多孔質シリコン層)26aとなる。
【0037】次に、LTSiN膜27を除去してから、
支持基板20の全面に再びn形シリコン層28をエピタ
キシャル成長させて、抵抗体23をフォトリソグラフィ
により作成する(図5(d)参照)。ここでのn形シリ
コン層28の厚さ寸法はダイヤフラム22の厚さ寸法と
なるので、圧力センサ19の使用圧力レンジに応じて決
定する。尚、ダイヤフラム22部分以外のn形シリコン
層28の厚さ寸法は、周辺部にその他の回路などを形成
するような集積化センサを構成する場合には、そのため
に必要となる厚みをn形シリコン層25と27との厚さ
寸法の和によって得るように設定する。
【0038】次に、n形シリコン層28の一部(抵抗体
23の両側)を加工して、下層のポーラスシリコン層2
6aに達するように溝29を形成してから、酸化雰囲気
中においてポーラスシリコン層26aを酸化させ、酸化
層(SiO)26bを形成する(図6(e)参照)。
【0039】それから、酸化層26bを犠牲層として、
溝29を介してHF蒸気中においてエッチングを行う。
すると、ポーラス化してエッチングレートが高くなって
いる酸化層26b部分が速く除去されるので、その時点
でエッチングを停止させる。その結果、圧力基準室21
が形成される(図6(f)参照)。
【0040】次に、溝29を、酸化シリコン30などに
より埋め戻す(図6(g)参照)。この時点で、圧力基
準室21の圧力が決定されるため、埋め戻し工程は減圧
下で行うようにする。最後に、前述のアルミニュウム電
極パターン24を形成すると共に、その上に保護膜31
を形成して完了する(図6(f)参照)。
【0041】以上のように第2実施例によれば、支持基
板19上の表面に形成されているn形シリコン層25中
に、圧力基準室21を形成する部分にp形層26を選択
的に形成し、支持基板19上の表面部分に陽極化成を施
すことによりポーラスシリコン層26aを形成する。そ
して、ポーラスシリコン層26a上にn形シリコン層2
8を形成してから、当該n形シリコン層28に、ポーラ
スシリコン層26aに達する溝29を形成し、その溝2
9を介してポーラスシリコン層26aを酸化させた酸化
層26bを犠牲層としてエッチングすることで圧力基準
室21を形成するようにした。
【0042】従って、従来とは異なり、シリコン基板を
2回接合するような複雑な加工を行う必要はなく、1枚
の支持基板20で半導体圧力センサ19を簡単に製造す
ることができる。
【0043】本発明は上記し且つ図面に記載した実施例
にのみ限定されるものではなく、次のような変形または
拡張が可能である。ポーラスシリコン層3aまたは26
aは、必ずしも酸化させて酸化層3bまたは26bを形
成してからエッチングの犠牲層とする必要はない。ポー
ラス化されたことのみでエッチングレートが高くなって
いるので、ポーラスシリコン層3aまたは26aをその
まま犠牲層として用いても良い。
【0044】第1実施例のように、p形シリコンから成
る支持基板3をベースとして、梁構造体4のアンカー部
4aや固定電極10等のようにエッチング後に残留させ
る構造部分にn形層16を選択的に形成するものに限ら
ず、n形シリコンから成る支持基板をベースとして、梁
構造体4の可動電極8a,8bのようにエッチングによ
り除去する構造部分にp形層を選択的に形成して陽極化
成を行うようにしても良い。
【0045】第1実施例の製造方法については、半導体
加速度センサに限らずヨーレートセンサや角速度センサ
などの半導体力学量センサに適用しても良い。また、セ
ンシング用構造体としてダイヤフラムを備え、そのダイ
ヤフラムを可動電極とした容量式の(第2実施例に示す
ものとは異なる方式の)半導体圧力センサに適用するこ
ともできる。更に、可動電極,固定電極間の接触を検知
する接点式センサに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における半導体加速度セン
サの製造工程を示す模式的断面図(その1)
【図2】半導体加速度センサの製造工程を示す模式的断
面図(その2)
【図3】半導体加速度センサの平面図
【図4】半導体加速度センサの要部の斜視図
【図5】半導体加速度センサの図4とは異なる要部の斜
視図
【図6】本発明の第2実施例における半導体圧力センサ
の製造工程を示す模式的断面図(その1)
【図7】半導体圧力センサの製造工程を示す模式的断面
図(その2)
【符号の説明】
1は半導体加速度センサ(半導体力学量センサ)、3は
支持基板(p形半導体層)、3aはポーラスシリコン層
(多孔質シリコン層)、4は梁構造体(センシング用構
造体)、4a,4bはアンカー部(支持部)、8a及び
8bは可動電極、9乃至12は固定電極、16はn形層
(n形半導体層)、19は半導体圧力センサ、20は支
持基板、21は圧力基準室、22はダイヤフラム、25
はn形シリコン層(n形半導体層)、26はp形層(p
形半導体層)、26aはポーラスシリコン層(多孔質シ
リコン層)、28はn形シリコン層(シリコン層)、2
9は溝を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板上に電気的に絶縁された状態で
    支持され、力学量の印加に応じて変位する可動電極を一
    体的に有した半導体材料製のセンシング用構造体と、前
    記支持基板上に電気的に絶縁された状態で固定され、前
    記可動電極の変位に応じて当該可動電極との間の距離が
    変化するように設けられた半導体材料製の固定電極とを
    備え、前記可動電極及び固定電極間の距離変化に基づい
    て印加力学量を検出する半導体力学量センサを製造する
    方法において、 前記支持基板上の表面に形成されているp形半導体層中
    における前記センシング用構造体の支持部及び前記固定
    電極を形成する部分にn形半導体層を選択的に形成する
    工程と、 前記支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより
    多孔質シリコン層を形成する工程と、 前記多孔質シリコン層の上に所定のパターニングを施し
    た後シリコン層を形成して前記センシング構造体及び前
    記固定電極の形状にエッチングを施す工程と、 前記多孔質シリコン層を犠牲層としてエッチングするこ
    とにより、前記センシング構造体び前記固定電極を形成
    する工程とからなることを特徴とする半導体力学量セン
    サの製造方法。
  2. 【請求項2】 支持基板上に電気的に絶縁された状態で
    支持され、力学量の印加に応じて変位する可動電極を一
    体的に有した半導体材料製のセンシング用構造体と、前
    記支持基板上に電気的に絶縁された状態で固定され、前
    記可動電極の変位に応じて当該可動電極との間の距離が
    変化するように設けられた半導体材料製の固定電極とを
    備え、前記可動電極及び固定電極間の距離変化に基づい
    て印加力学量を検出する半導体力学量センサを製造する
    方法において、 前記支持基板上の表面に形成されているn形半導体層中
    における前記センシング用構造体の非支持部を形成する
    部分にp形半導体層を選択的に形成する工程と、 前記支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより
    多孔質シリコン層を形成する工程と、 前記多孔質シリコン層の上に所定のパターニングを施し
    た後シリコン層を形成して、前記センシング用構造体及
    び前記固定電極の形状にエッチングを施す工程と、 前記多孔質シリコン層を犠牲層としてエッチングするこ
    とにより、前記センシング用構造体及び前記固定電極を
    形成する工程とからなることを特徴とする半導体力学量
    センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 支持基板上に形成されているダイヤフラ
    ムの裏面内部に減圧された圧力基準室を備え、前記ダイ
    ヤフラムに作用する圧力を、その圧力に応じた撓み量に
    基づいて検出するようにした半導体圧力センサを製造す
    る方法において、 前記支持基板上の表面に形成されているn形半導体層中
    における前記圧力基準室を形成する部分にp形半導体層
    を選択的に形成する工程と、 前記支持基板上の表面部分に陽極化成を施すことにより
    多孔質シリコン層を形成する工程と、 前記多孔質シリコン層の上にシリコン層を形成した後、
    当該シリコン層に前記多孔質シリコン層に達する溝を形
    成する工程と、 前記多孔質シリコン層を犠牲層として前記溝を介してエ
    ッチングすることにより、前記圧力基準室を形成する工
    程とからなることを特徴とする半導体圧力センサの製造
    方法。
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