JP4174843B2 - マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置 - Google Patents
マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水排水、生活排水、産業廃水などの放流水の高度化や再利用、上
下水道の前処理などのための、ろ過槽底部の各モジュール(1)ごとに形成され
ているコーン状部分(3)の集合体(以下、マルチコーン状部分という)が逆多
角錐の集合体からなるコンクリート製マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置
に関する。以下、砂ろ過装置の語は、単床移床式砂ろ過装置を除き、底部のマル
チコーン状部分が逆多角錐の集合体からなるコンクリート製マルチモジュール型
移床式連続砂ろ過装置を意味する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が対象とする砂ろ過装置は、ろ過操作を実施しつつ同時にろ材である砂を連続的に洗浄することのできる優れた連続式砂ろ過装置であって、水処理に広く使用されている。単床移床式砂ろ過装置の概略を示す図4を参照して移床式砂ろ過装置の作用を簡単に説明すると、筒状の本体41と逆コーン状の底部42とからなる容器にろ材の砂を充填してろ過床43とし、原水を原水供給管44から砂のろ過床の下部に供給して砂の層を通過させ、ろ過したろ過水を上部から集水トラフ45にオーバフローさせるものである。一方、ろ材の砂は、ろ過床43からコーン状部分42へと下降し、最下部のコーン頂点にあたる部分からエアリフト46で吸引され、上昇しながら空気と水とで混合洗浄される。49はエアリフト用の空気の供給口である。さらに、分離器47で逆洗排水と砂とを分離し、砂はサンドウォッシャー48でろ過水と対向流で洗浄され、再びろ過床43へと戻される。もともとは、比較的小水量処理を対象とする単一ろ過槽として用いられていたが、大量の原水を処理するために複数の単位ろ過槽(モジュール)をまとめたマルチモジュール型が開発され、モジュール数が十数個に達するものまでが建設されるようになった。
【0003】
モジュールを構成するろ過床の形状に特別な制限はないが、壁強度の点で有利な多角筒が主流になっている。これにともない、底部コーン状部分の形状も逆多角錐状が多い。マルチモジュール型では複数のモジュールを密接させて並べるので、砂の洗浄機構や底部コーン状部分はそのままにして、各モジュールが相互に直接接する部分の壁を取除いてろ過床を構成するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
砂ろ過装置では砂を均一に循環させてエアリフトに吸引させ、洗浄、再生する
ことがろ過性能を決める重要な鍵であって、そのためには各コーン状部分を精度
よく製作する必要がある。精度がよくないと、砂の流れに偏流が起こり、洗浄さ
れない砂を生じるからである。このほかコーン状部分は、耐摩耗性、耐食性に優
れ、かつ表面がなめらかに形成されていることが大事である。たとえば、ろ過槽
底部への荷重は通常5ないし10ton/m2 であって砂による摩耗が激しいの
で、従来は精度よく施工し、内壁を磨耗から保護するために金属板やFRP板な
どをコンクリート型枠兼被覆材として利用することが多かった。
【0005】
このように砂ろ過槽は、コーン状部分に対する要求事項が多い上相当に大型で
あって、従来から施工上、構成上の問題が多く、いろいろな試みがなされている
。最近では、ろ過槽の外殻を構成するコンクリート槽内にコーン状部分を構成す
るステンレス鋼板やFRP板を固定して型枠とし、コンクリート槽との間の空間
部にコンクリートを打設し養生して、型枠のステンレス鋼板やFRP板をコンク
リート表面の被覆材として利用する方法が注目されている。しかし、コンクリー
トを打設、養生するので現場での施工期間が長期化し、またステンレス鋼板やF
RP板を使用するので初期投資が高くなる欠点があった。本願発明者は、前記の
問題を解決する合理的な施工方法とコーン状部分の構成を研究して本発明を完成
した。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記の研究の結果について図1を参照しつつ説明する。本願発明は、ろ過槽底
部の各モジュール1ごとに形成されているコーン状部分3の集合体(マルチコー
ン状部分)が逆多角錐の集合体からなるコンクリート製マルチモジュール型移床
式連続砂ろ過装置であって、ろ過槽全体の外殻2がコンクリートで、ろ過槽底部
を形成するマルチコーン状部分4がプレキャストコンクリート部材5で構成され
、かつ、マルチコーン状部分の内壁6)にFRPライニングが施されていること
を特徴とする、マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置を提供する。
【0007】
前記の底部マルチコーン状部分は逆8角錐の集合体によって構成する
のが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面を参照しつつ実施形態例をあげて本発明を具体的に説明する。図面はいずれも本発明の実施形態例を示すものであって、図1は本発明にかかる砂ろ過装置の一部切欠き断面図、図2は、マルチコーン状部分の平面図、図3は図2のA−A´断面図である。
【0009】
図示した本発明砂ろ過装置のモジュール1は、いずれもろ過床7が主に8角筒、底のマルチコーン状部分4は主に逆8角錐の集合体であって、プレキャストコンクリート部材5を組み合わせて構成されており、ろ過床7の相互間には仕切りを設けず、各モジュール1を囲む外殻2としてコンクリート壁が設けられている。プレキャストコンクリート部材5の大きさや、部材への分割方法は、施工や運搬などの便宜により適宜に決めることができる。部材を標準化すれば、部材の製造と工事施工の高能率化およびコストダウンをはかることができる。また、モジュール1間やモジュール1と外殻2との間の空隙には支柱8を設けている。大型設備では外殻2にメンテナンスが容易で設備コストの低いコンクリート壁が好ましい。
【0010】
また、マルチコーン状部分4の内壁6表面には、ライニングとしてFRPライ
ニングを施しておく。前記ライニングの厚さにとくに制限はなく、使用する素材
の耐磨耗性や、耐用期間などを勘案して決めればよい。一般的には、1〜5mm
の範囲である。本発明者は、施工が容易で安価なコンクリートの被覆材を検討し
、ステンレス鋼粉含有樹脂塗装、グラスファイバーフレーク含有塗装、FRPラ
イニングなどを選択し、これらの被覆材を摩耗加速試験(約3倍の加速を推定)
して比較した結果、ステンレス鋼粉含有樹脂塗装、グラスファイバーフレーク含
有塗装は、開始後約半年で表面の摩耗による剥離箇所が発生した。一方、FRP
ライニングは、表面摩耗による剥離や水の浸透による膨張などが発生することな
く、約2年の摩耗加速試験では試験開始時と2年後とでは、厚さに有意差がみら
れなかった。この試験結果の一例を図5にグラフを用いて示した。
【0011】
本発明のマルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置の一般的な施工方法例を説明すると、まず外殻2をコンクリートで施工する。外殻2部分の平面形状は一般的に矩形であってその施工方法に特別の制限はない。一方、精密に製造され、組み立てやすいようにろ過槽のマルチコーン状部分4を適当な部材に分割して製作した型枠中に、必要な鉄筋などを配してコンクリートを注入し、プレキャストコンクリート部材5を製造する。支柱8などもプレキャストコンクリート部材として分割製造するとよい。プレキャストコンクリート部材5は設備の整った場所で有利に製造することができる。製造したプレキャストコンクリート部材5は施工中の適当なタイミングに現場に搬入し、外殻2内にマルチコーン状部分4を組み立て、プレキャストコンクリート部材5の間の接続部に無収縮モルタルを充填し、表層部分は止水構造および施工を施しておく。そして、砂洗浄機構9などの必要な部材を取り付け、砂ろ過装置を完成する。外殻2の施工とプレキャストコンクリート部材5の製造とを平行して同時に実施することができるので施工期間が短縮される。
【0012】
内壁へのライニングは、例えば、各種樹脂をバインダーとし、骨材に耐食性に優れたセラミック粉を用いた樹脂モルタルと補強剤(ガラスクロス、ガラスマットなど)を、各種樹脂で上塗りしたものである。ライニング施工は、コンクリート部材5を製造後、工場で行っても、または現場において組立てた後に行ってもよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明の砂ろ過装置は、コンクリート部材をあらかじめ工場などにおいて製作
しておき、現場には据付時に搬入して組み上げるので、従来のようにコンクリー
トの養生期間やコンクリートを打設するための型枠の取付期間を見込む必要がな
く、施工期間を短縮することができる。コーン状部分を適当な大きさの部材に分
割してプレキャストコンクリート部材として製作するので、巨大な装置であって
も高い精度をもって製作できる。また、コンクリート部材を標準化しておけば、
部材の製造、施工の高能率化およびコストダウンをはかることができる。寸法精
度の高いコーン状部分が形成されているので、ろ過床の砂が均一、円滑に、循環
、洗浄され、連続ろ過装置としての機能を十分に発揮させることができる。従っ
て、プレキャストコンクリート部材を利用した砂ろ過装置の内壁に、FRPのラ
イニングを施せば、低コストの、寿命の長い砂ろ過装置を利用することができる
。マルチコーン状部分の内壁に施したFRPライニングは、表面磨耗による剥離
や水の浸透による膨張などが発生せず、従来多く用いられていたステンレス板や
FRP板に遜色のない寿命を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明砂ろ過装置の一実施形態例の一部断面を含む概略図
【図2】 図1の一部断面を含む平面図
【図3】 図2のA−A´断面図
【図4】 単床移床式砂ろ過装置の概略図
【図5】 FRPライニングの摩耗加速試験結果
【符号の説明】
1:単位ろ過槽(モジュール)
2:外殻
3:底部コーン状部分
4:コーン状部分集合体(マルチコーン状部分)
5:プレキャストコンクリート部材
6:マルチコーン状部分内壁(FRPライニング)
7:ろ過床
8:支柱
9:砂洗浄機構
Claims (1)
- ろ過槽底部の各モジュール(1)ごとに形成されているコーン状部分(3)の
集合体(以下、マルチコーン状部分という)が逆多角錐の集合体からなるコンク
リート製マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置であって、ろ過槽全体の外殻
(2)がコンクリートで、ろ過槽底部を形成するマルチコーン状部分(4)がプ
レキャストコンクリート部材(5)で構成され、かつ、マルチコーン状部分の内
壁(6)にFRPライニングが施されていることを特徴とする、マルチモジュー
ル型移床式連続砂ろ過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34839597A JP4174843B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34839597A JP4174843B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11179110A JPH11179110A (ja) | 1999-07-06 |
JP4174843B2 true JP4174843B2 (ja) | 2008-11-05 |
Family
ID=18396739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34839597A Expired - Fee Related JP4174843B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4174843B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013180280A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Takuma Co Ltd | マルチモジュール型移床式連続砂ろ過装置およびその施工方法 |
-
1997
- 1997-12-18 JP JP34839597A patent/JP4174843B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11179110A (ja) | 1999-07-06 |
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