JP4174747B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にDVD−R、CD−R等の波長領域のレーザー光により記録及び再生が可能なヒートモードによる追記型の光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字、図形等の画像や映像あるいは音声等のデータを記録し、再生する手段としてCD−Rがよく知られているが、現在のCD−Rは、例えばペンタメチン系シアニン色素を含有する記録層を有し、波長770〜830nmのレーザー光に対応した記録及び再生が可能な光ディスクが用いられている。
また、最近、このCD−Rに使用のレーザー光より短波長の例えば600〜700nmのレーザー光により高密度記録及び再生が可能なDVD−R(デジタル・ビデオ・ディスク−レコーダブル又はデジタルバーサタイル・ディスク−レコーダブル)等が次の時代を担うメディアとして用いられるようになっている。
これらのCD−RやDVD−R等のヒートモードによる追記型光情報記録媒体には、シアニンなどの有機色素を記録層として記録する光を照射することにより穴を形成する穴形成型光ディスクが用いられており、特にシアニン色素はスピンコート法という生産性の高い方法が適用できること、耐酸化性に優れること、熱伝導性が低いので局所的加熱ができること等の優れた点があり、特に半導体レーザの波長域に高い吸収性、反射性を示すことから注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの光情報記録媒体は強いレーザーパワーで記録し、さらに弱いレーザーパワーで再生するため、レーザーパワーに対するしきい値が明確である必要があるが、有機色素膜は無機薄膜に比べてこれらの明確なしきい値が得られ難く、そのしきい値を確実に越えることができるいわば過大なレーザーパワーを用いて記録や再生を行なうため、有機色素が劣化し易くなる。
また、一般に有機色素は太陽光に対する耐光性が十分とは言えず、その対応策として、一般に半導体レーザ発振波長領域に吸収特性を持つ例えばシアニン色素の主成分に対し、安定化ラジカルを添加したり、シアニン色素カチオンとクエンチャーアニオンの結合体を添加することにより、その色素を退色させる原因となる太陽光により発生する一重項酸素をその酸化作用のより穏やかな三重項酸素に変化させて、CD−RやDVD−Rのシアニン色素含有層の耐光性を改善することが行なわれてきたが、例えば百科事典のようにその内容の記録を長期間保存したい場合には、それでも十分とは言えず、長期間に渡る保存時の光劣化を防止するさらなる改善策が強く望まれている。
従来、このような有機色素の光劣化を防止する化合物として、ジチオール系などの金属錯体、ニトロソ系化合物などの光安定化剤を使用することが提案されており、また、本発明で使用するアミニウム塩化合物とは異なるアミニウム系化合物を使用する提案(特開平6−297855号公報)もされているが、いずれも十分な光劣化防止効果が得られていない。
【0004】
本発明の第1の目的は、しきい値を安全に越える過大なレーザーパワーによる記録、再生においても光劣化を防止できる光情報記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、長期間に渡る保存時の太陽光等の光劣化を防止でき、しかも記録及び再生の性能を損なわない光情報記録媒体を提供することにある。本発明の第3の目的は、本発明に係わる安定化剤以外の安定化ラジカルやクエンチャーその他の光安定化剤を添加しないでもよい光情報記録媒体を提供することにある。
本発明の第4の目的は、CD−RやDVD−Rの従来の製造方法をその大きな変更なしにほぼ適用できる光情報記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特殊なアミニウム系化合物や、ジイモニウム系化合物を有機色素膜に含有させることにより、光安定性の向上した光情報記録媒体を提供できることを見いだし、本発明をするに至った。
したがって、本発明は上記課題を解決するために、(1)、基板上に色素層を含む光干渉層を有する光情報記録媒体において、該色素層がヒートモードによる記録用有機色素を含有し、かつ該光干渉層が下記一般式〔化1〕で表されるアミニウム系化合物を含有する光情報記録媒体であって、上記記録用有機色素がトリメチン系シアニン色素であり、該トリメチン系シアニン色素が下記〔化13〕で示される化合物である光情報記録媒体を提供するものである。
【化1】
(ただし、Rはプロピル基を表す。)
【化13】
なお、『(1)、基板上に色素層を含む光干渉層を有する光情報記録媒体において、該色素層がヒートモードによる記録用有機色素を含有し、かつ該光干渉層が下記一般式〔化1〕で表されるアミニウム系化合物を含有する光情報記録媒体であって、上記記録用有機色素がトリメチン系シアニン色素であり、該トリメチン系シアニン色素が下記一般式〔化4〕で示される化合物である光情報記録媒体。
【化1】
(ただし、Rは水素及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。)
【化4】
〔ただし、Aは下記一般式〔化5〕ないし〔化8〕のいずれかを表わし、
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

A’は下記一般式〔化9〕ないし〔化12〕のいずれかを表わし、
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

AとA’は同種であっても異種であってもよく(ただし、D1 、D2 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アルキルヒドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アルキルスルホニル基、フェニル基、シアノ基、エステル基、スルホン基、アシル基、アリル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、アルキルカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アミノ基、アルキルスルホン基、チオシアノ基、メルカプト基、クロロスルホン基、アルキルアゾメチン基、アルキルアミノスルホン基、ビニル基及びニトロ基の群のなかから選択される置換基を表わし、同種であっても異種であってもよく、p、qは置換基の数であってそれぞれ1又は複数の整数を表わす。)、R、R' は置換又は非置換のアルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボキシル基、アルコキシル基、アルキルヒドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、水酸基、ハロゲン原子、アルキルアルコキシル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルスルホニル基、金属イオン若しくはアルキル基と結合したアルキルカルボキシル基若しくはアルキルスルホニル基、フェニル基、ベンジル基及びアルキルフェニル基の群から選択される置換基を表わし、同種でも異種でもよく、X- はハロゲン原子、PF6 - 、SbF6 - 、H3 PO4 、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ベンゼンカルボン酸、アルキルカルボン酸、トリフルオロメチルカルボン酸、過ヨウ素酸及びSCN- の陰イオンの群のなかから選択される陰イオンを表わし、Bは1を表わす。〕
なお、上記の「下記一般式〔化1〕で表されるアミニウム系化合物」を、「下記一般式〔化1〕で表されるアミニウム系化合物、下記一般式〔化2〕で表されるアミニウム塩化合物及び下記一般式〔化3〕で表されるジイモニウム塩化合物の少なくとも1種」とすることもできる。』とすることもできる。
【化2】
(ただし、Rは水素及びメチル基のいずれかを表し、X- はClO4 - 、BF4 - 、ClO3 - 、PF6 - 及びSbF6 - の群のなかから選択される陰イオンを表す。)
【化3】
(ただし、Rは水素及びメチル基のいずれかを表し、X- はClO4 - 、BF4 - 、ClO3 - 、PF6 - 及びSbF6 - の群のなかから選択される陰イオンを表す。)
【0006】
本発明において、光干渉層は、波長770〜830nmの波長領域のレーザーにより記録及び再生が可能になるように形成することができ、この場合には光干渉層をCD−R用に使用することができるが、光波長600nm〜700nmの波長領域のレーザー光により記録及び再生が可能になるように形成することもでき、この場合にはこの光干渉層をDVD−R用に使用することができる。
本発明において、光干渉層とは、有機色素材料を含有する色素層その他の有機材料あるいは無機材料からなる層から構成され、レーザー照射でピット形成可能な単一層又は複数層の色素層を含む記録層や、この記録層以外に光情報記録媒体の光学的物性を調整する目的で屈折率、膜厚を調整した例えば樹脂材料からなるエンハンス層、さらには基板と色素層、色素層が複数の場合にはその間、色素層の上等に設ける中間層等も含まれ、これらを総称したものである。
【0007】
本発明において、ヒートモードによる記録用有機色素とは、その色素層が上記CD−R、DVD−Rのそれぞれの記録用レーザー光の照射によりピットを形成し、これにより記録を行うことができる有機色素はいずれも含まれ、例えばシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ金属化合物色素等が挙げられる。
これらの内でも、シアニン色素は太陽光に対する耐光性が弱いとされているので、その改善を行う意義は極めて大きいが、そのシアニン色素としては上記一般式〔化4〕で示される化合物が挙げられ、特に、Bが1の場合にはトリメチン系シアニン色素であり、DVD−R用に有効であり、Bが2、3の場合にはペンタメチン系シアニン色素、ヘプタメチン系シアニン色素であり、CD−R用に有効である。
【0008】
本発明においては、上記一般式〔化1〕、〔化2〕のアミニウム系化合物及び上記一般式〔化3〕のジイモニウム塩化合物の少なくとも1種を上記のヒートモードによる記録用有機色素と併用するが、その記録用有機色素層に含有させてもよく、光干渉層を形成するその他の層に含有させてもよい。
上記一般式〔化1〕のアミニウム系化合物を光安定化剤として添加すると、有機色素膜を光安定性に優れたものにすることができるが、その安定化機構は、従来のエネルギー移動、一重項酸素クエンチャーによる効果のほかに、電子移動による効果が考えられる。すなわち、酸化還元電位測定において多くの電子を授受できる方が安定化効果は大きいと考えられるが、Sを上記一般式〔化1〕のアミニウム系化合物の分子とすると、S+2⇔S+1⇔S⇔S-1で示されるように、4つの電子構造をとることが分かっており、この電子授受の多さが従来の安定化剤よりも大きな安定化効果を示すと考えられる。
また、上記一般式〔化2〕のアミニウム塩化合物又は上記一般式〔化3〕のジイモニウム塩化合物を光安定化剤として添加すると、有機色素膜を光安定性に優れたものにすることができるが、その安定化機構は、それぞれの一般式においてRが水素原子(H)又はメチル基(CH3 )であることにより、それ以外のものに比べてエネルギー移動効率が良いと考えられる。すなわち、RをH又はCH3 とすることで、Rをその他の置換基、例えばC3 7 にした場合に比べ、それぞれの安定化剤について膜状態での吸収スペクトルを示した例えば図1(図中、Aは一般式〔化2〕においてR=CH3 、X=ClO4 である場合のアミニウム塩化合物の吸収スペクトル、Bは一般式〔化2〕においてR=C3 7 、X=PF6 である場合のアミニウム塩化合物の吸収スペクトルである。)に見られるように、吸収波長が短波長側にシフトするため、有機色素がレーザー光や太陽光により励起されることにより生成される励起色素のエネルギーを受け取り易くなり、その色素の分解のためのエネルギーを軽減し易いためと考えられる。また、図1から明らかのように、スペクトルが近赤外線領域まで幅広く(ブロード)延びているため、酸素へのエネルギー移動が起こり難く、有機色素を劣化させる原因である一重項酸素を発生し難くするのではないかと考えられる。
また、上記一般式〔化1〕〜〔化3〕のいずれの化合物も、末端にアミノ基などの窒素原子を有することにより、塩基性を持つことができることから、有機色素を含有する記録層にレーザーを照射することによりピットを形成して記録した後の再生のレーザー光や、製品保存中等における避けられない太陽光の照射により生じる分解物を捕捉し易く、分解物による酸素等との反応等を抑える効果があり、ピットの劣化を抑制する効果も期待される。
さらに、上記一般式〔化2〕、〔化3〕のいずれの化合物も、対イオンのX- の種類を変更することで、溶剤に対する溶解性の改善を図ることができ、その成膜をし易くすることができるとともに、波長の吸収性などの色素物性を変化させることができ、光安定化効果を調節し易くすることができる。
【0009】
上記のヒートモードによる記録用有機色素と上記一般式〔化1〕〜〔化3〕の化合物の少なくとも1種との混合比は、前者100重量部に対して後者を0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部がよい。0.1重量部より少ないと、記録用有機色素のレーザー光や太陽光による退色劣化を抑制する効果が明確に現れ難いことがあり、また、50重量部より多いと記録用有機色素の濃度が希釈され、再生パワーが高くなったり、反射率が高くとれなくなったりするので、好ましくない場合がある。
【0010】
本発明の光情報記録媒体を製造するには、上記一般式〔化4〕で示されるシアニン色素等の記録用有機色素を例えば上記一般式〔化1〕〜〔化3〕の化合物の少なくとも1種とともに溶解した色素溶液を調製し、これを透光性の基板に塗布する。このシアニン色素の色素溶液にはクロロホルム、ジクロロエタン、フッ素化アルコール等のフッソ系溶剤、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メタノール、トルエン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン等を用いることができる。この場合のシアニン色素の混合割合は1重量%〜10重量%が好ましい。
また、本発明に用いられる基板には、ガラスや、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等のプラスチックスが例示される。この基板にはトラック溝あるいはピットが形成されていてもよく、また、アドレス信号に必要な信号を有するものでもよい。
また、上記シアニン色素溶液を基板に塗布するにはスピンコート法を用いることが好ましい。この場合乾燥後の塗布層の厚さは従来用いられているものが適用できる。
また、本発明において使用される上記一般式〔化1〕〜〔化3〕の化合物の少なくとも1種の光安定化剤には、自動酸化防止剤、紫外線吸収剤、過酸化物分解剤、スーパーオキシド、クェンチャー等の他の化合物を併用してもよい。
【0011】
上記の光干渉層のほかに反射層を設けてもよく、また、その反射層の上に保護層、さらには基板面(レーザー光の入射側)に保護層を有する場合でもよい。
反射層としては、蒸着、スパッタリング等により形成したAu、Al、Ag、Cu、Pt、これらの各々その他の合金、さらにはこれら以外の微量成分が添加された合金等の金属膜等の高反射率材料膜が挙げられ、保護層としては光情報記録媒体の保護と耐候性の向上等の目的で紫外線硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂の溶液をスピンコート法等により塗布し、硬化させた塗布層が挙げられる。
【0012】
このようにして基板の上に色素層を含む光干渉層、反射層を設け、さらには保護層などが設けられた光ディスクが得られる。その光干渉層を少なくとも有した他の同様な構成あるいは別の構成の光ディスクを貼り合わせたり、あるいは基板そのものを対向させて貼り合わせたりしてもよい。
この貼り合わせのための材料、方法としては、紫外線硬化樹脂、カチオン性硬化樹脂、両面粘着シートや、ホットメルト法、スピンコート法、ディスペンス法(押し出し法)、スクリーン印刷法、ロールコート方式等が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
詳細は以下の実施例により説明するが、本発明の実施の形態としては、以下の実施例を含むその類似の範囲が含まれる。
【0014】
【実施例】
実施例1
上記一般式〔化1〕において、光安定化剤としてRがC3 7 あるアミニウム系化合物と、下記〔化13〕で示されるトリメチン系シアニン色素(日本感光色素研究所製)を重量比で例えば5:95の割合で混合し、これらをテトラフルオロプロパノール3mlに15g/lの濃度になるように溶解し、その色素溶液をスピンコート法により厚さ0.6mm、外径(直径)120mmφのポリカーボネート基板上に塗布し、膜厚50nmの感光色素膜からなる光干渉層を形成した。
【0015】
【化13】
【0016】
次に、その光干渉層の上に基板の44mmφから117mmφの領域の全面にスパッタリング法により膜厚80nmのAu膜を成膜し、反射層を形成した。
また、この反射層の上に紫外線硬化樹脂SD−211(大日本インキ化学工業社製)をスピンコートし、その塗膜に紫外線を照射して硬化させ、膜厚5μmの保護膜を形成した。
さらに、この基板の保護膜及びその保護膜が形成されていない光干渉層の上に紫外線硬化樹脂SD−318(大日本インキ化学工業社製)を滴下した後、上記と同様の他のポリカーボネート基板をその上に置き、その間隙にスピンコート法により樹脂を拡散させた後、再度紫外線を重ねた基板側から照射して硬化させ、当初からの基板の32mmφから120mmφの領域に樹脂からなる厚さ25μmの接着層を形成することにより重ねた基板を貼り合わせ、貼り合わせ型の光ディスクを作製した。
このようにして作製された光ディスクに、レーザー波長=635nmのDDU−1000(パルステック社の記録機)により、線速3.5m/秒で記録した。また、波長650nmのレーザー光により再生したところ、ジッターは高くないことが確認された。
このようにして作製した光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図2(未記録部耐光性)に示す。
なお、未記録部耐光性は、得られた光ディスクをアトラス・エレクトリック社製ウェーザーメータで露光し、その露光時間(光照射時間(hr))に対する光ディスクの上記貼り合わせた基板を介した感光色素膜について上記トリメチン系シアニン色素の最大吸収波長λmax =600nmにおける吸収率を測定し、その露光前の同様な吸収率に対する百分率を求めたものである。また、記録部耐光性は、得られた光ディスクを波長635nmのレーザー光を使用して記録し、この記録した光ディスクをその初期のものと、所定時間光照射させた後のもの(耐光性試験40時間後)とを、線速3.5m/秒の波長650nmレーザー光で再生し、特性を評価した。特性は波長650nmでのジッターについて評価した。
【0017】
比較例1
実施例1において用いた光安定化剤の代わりに、光安定化剤として下記〔化14〕で示されるPA1006(三井東圧社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして光ディスクを作製し、実施例1と同様に光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図2(未記録部耐光性)に示す。
【0018】
【化14】
【0019】
表1、図2から、実施例1と比較例1の光ディスクでは、未記録状態及び記録後での基板を介した感光色素膜の耐光性は、いずれも露光時間が長くなるにつれてその差が大きくなり、実施例のものは比較例に比べて耐光性が顕著に向上していることがわかる。
【0020】
実施例2
実施例1において用いた光安定化剤の代わりに、光安定化剤として上記一般式〔化2〕に属する、RがCH3 で、X- がClO4 - であるアミニウム塩を使用したこと以外は実施例1と同様にして光ディスクを作製し、実施例1と同様に光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図3(未記録部耐光性)に示す。
【0021】
比較例2
実施例2において用いた光安定化剤の代わりに、光安定化剤として上記一般式〔化2〕において、Rの定義に含まれず、同式に属さない、RがC3 7 で、X- がPF6 - であるアミニウム塩を使用したこと以外は実施例1と同様にして光ディスクを作製し、実施例2と同様に光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図3(未記録部耐光性)に示す。
【0022】
表1、図3から、実施例2と比較例2の光ディスクでは、未記録状態及び記録後での基板を介した感光色素膜の耐光性は、いずれも露光時間が長くなるにつれてその差が大きくなり、実施例のものは比較例に比べて耐光性が顕著に向上していることがわかる。
【0023】
実施例3
実施例1において用いた光安定化剤の代わりに、光安定化剤として上記一般式〔化3〕に属する、RがCH3 で、X- がClO4 - であるジイモニウム塩を使用したこと以外は実施例1と同様にして光ディスクを作製し、実施例1と同様に光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図4(未記録部耐光性)に示す。
【0024】
比較例3
実施例3において用いた光安定化剤の代わりに、光安定化剤として上記一般式〔化3〕において、Rの定義に含まれず、同式に属さない、RがC3 7 で、X- がPF6 - であるジイモニウム塩を使用したこと以外は実施例3と同様にして光ディスクを作製し、実施例1と同様に光ディスクの記録部(jitter)と未記録部の耐光性を測定した結果を表1(記録部耐光性)、図4(未記録部耐光性)に示す。
【0025】
表1、図4から、実施例3と比較例3の光ディスクでは、未記録状態及び記録後での基板を介した感光色素膜の耐光性は、いずれも露光時間が長くなるにつれてその差が大きくなり、実施例のものは比較例に比べて耐光性が顕著に向上していることがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
上記実施例1〜3はトリメチンのシアニン色素を用いたが、メチン鎖がさらに長いペンタメチンである以外は同じであるペンタメチン系シアニン色素を用いること以外は同様にして作製したCD−R用光ディスクについも、これらの実施例のそれぞれに対応するほぼ同様の結果が得られることが確認できた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒートモードによる記録用有機色素として上記〔化13〕)で表されるトリメチン系シアニン色素と、上記一般式〔化1〕(Rはプロピル基)の化合物を併用したので、しきい値を越えるレーザーパワーによる記録、再生においても光劣化を防止できるとともに、長期間に渡る保存時の光劣化を防止でき、しかも記録及び再生の性能を損なわず、別の安定化ラジカルやクエンチャーを添加しないでもよく、DVD−Rの従来の製造方法をその大きな変更なしにほぼ適用できる光情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる一般式〔化2〕に属する化合物と、この一般式のRの置換基が異なるこの一般式に属さない化合物の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施例と比較例の光ディスクの未記録部の耐光性の測定結果を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例と比較例の光ディスクの未記録部の耐光性の測定結果を示すグラフである。
【図4】本発明の第3の実施例と比較例の光ディスクの未記録部の耐光性の測定結果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 基板上に色素層を含む光干渉層を有する光情報記録媒体において、該色素層がヒートモードによる記録用有機色素を含有し、かつ該光干渉層が下記一般式〔化1〕で表されるアミニウム系化合物を含有する光情報記録媒体であって、上記記録用有機色素がトリメチン系シアニン色素であり、該トリメチン系シアニン色素が下記〔化13〕で示される化合物である光情報記録媒体。
    (ただし、Rはプロピル基を表す。)
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