JP4174127B2 - 7−アゾリル−1h−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は写真用カプラーとして有用な7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1H−ピラゾロ−トリアゾール類は銀塩カラー写真用カプラーなどとして有用な化合物であり、特に7位にアゾリル基を有するものは、現像処理後の長期保存や曝光によるステインの発生が少ない、現像処理によって生成した写真色像の耐光性を悪化させないなどの優れた特性を示すカプラーである。したがってこのカプラー化合物をカラー写真感光材料に実用化するために、その工業生産用として好適な製造方法の開発が強く望まれていた。
この7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法としては、例えば触媒として炭酸金属塩または重炭酸金属塩等の塩基を用いて行う方法が特開平5−294971号に開示されている。しかしながら、1.副生成物除去のため精製工程が必須である、2.必ずしも収率が高くない、といった点で満足しうるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、簡便な工程でかつ高収率で7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類を得ることができるその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、7−ハロゲノ−1H−ピラゾロ−トリアゾール類とアゾール類より、7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類を合成するという反応を酸化剤及び塩基の存在下で反応を行うことで上記課題が解決できることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記一般式(II)で表される化合物とアゾール類とを酸化剤および塩基の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法、
一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】
(式中、X1およびX2は一方が、=C(R2)−を表し、他方が=N−を表す。R1およびR2は水素原子または置換基を表す。Aは窒素原子とともにアゾール環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。)
一般式(II)
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、X1およびX2は一方が、=C(R2)−を表し、他方が=N−を表す。R1およびR2は水素原子または置換基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)、及び
(2)酸化剤が過酸化水素であることを特徴とする(1)に記載の7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
一般式(II)の化合物について詳細に説明する。
一般式(II)中、X1およびX2は一方が、=C(R2)−を表し、他方が=N−を表す。
R1およびR2は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーススルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、イミド基、アゾ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、スルホ基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基を表し、それぞれ2価の基でビス体を形成してもよい。また、ポリマーの主鎖に連結してポリマーカプラーを形成してもよい。
上記のアルキル基(残基)、シクロアルキル基、アリール基(残基)やヘテロ環基(残基)等は更に置換基(バラスト基など)で置換されていてもよい。ピラゾロアゾール環核の置換基の少なくとも一つはバラスト基を含むのが好ましい。
【0010】
さらに詳しくは、R1およびR2は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜32の、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、1−オクチル、トリデシル)、シクロアルキル基(好ましくは2級もしくは3級のシクロアルキル基またはビシクロアルキル基で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルビシクロオクチル、アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜32のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜32のアリール基で、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1から32の、5から8員環のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−2−イル)、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜32のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3から8のシクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜32のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、2−フリルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜32のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜32のアルコキシカルボイルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ)、シクロアルキルオキシカルボイルオキシ(好ましくは炭素数4〜9のシクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、
【0011】
カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のスルフォモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルカンスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のアルカンスルホニルオキシ基で、例えば、メタンスルホニルオキシ、ヘキサデカンスルホニルオキシ)、アレーンスルホニルオキシ(好ましくは炭素数6〜32のアレーンスルホニルオキシ基で、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜32のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜32のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、シクロアルキルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜32のシクロアルキルオキシカルボニル基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボニル基で、例えば、
【0012】
フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜32のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、テトラデシルアミノ、オクタデシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜32のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32のウレイド基で、例えば、ウレイド、N、N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数10以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜32のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜32のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜32のアルキルチオ基で、例えば、エチルチオ、オクチルチオ)、
【0013】
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜32のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32のアルキルスルフィニル基で、例えばドデカンスルフィニル)、アレーンスルフィニル(好ましくは炭素数6〜32のアレーンスルフィニル基で、例えば、ベンゼンスルフィニル)、アルカンスルホニル基(好ましくは炭素数1〜32のアルカンスルホニル基で、例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アレーンスルホニル基(好ましくは炭素数6〜32のアレーンスルホニル基で、例えば、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよい。
【0014】
R1およびR2で表される基の置換基としては、これらの基に置換可能な基であればよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、イミド基、アゾ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、スルホ基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、スルファモイル基、ホスホニル基を挙げることができる。
Xはハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等を表し、好ましくは臭素原子、塩素原子、最も好ましくは臭素原子である。
【0015】
R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ウレイド基、オキシカルボニルアミノ基またはアミド基である場合が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基である場合がさらに好ましい。R1がアルキル基である場合には、R1はメチル基、エチル基、イソプロピル基およびt−ブチル基などが好ましく、3級アルキル基の場合が最も好ましい。また、R1がシクロアルキル基である場合には、R1は2級もしくは3級シクロアルキル基またはビシクロアルキル基が好ましい。これらの基は前述のようにさらに置換基を有していてもよい。
【0016】
X1が=N−、X2が=C(R2)−であるとき、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基またはシアノ基である場合が好ましく、アルキル基またはアリール基である場合がさらに好ましく、2級もしくは3級のアルキル基またはフェニル基の場合が最も好ましい。これらの基は前述のようにさらに置換基を有していてもよい。
【0017】
X1が=C(R2)−、X2が=N−であるとき、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基またはシアノ基である場合が好ましく、アルキル基またはアリール基である場合がさらに好ましい。R2がアルキル基の場合には、R2はピラゾロアゾール母核に直結する炭素原子に、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基もしくはオキシカルボニルアミノ基などの窒素原子で置換する基またはアルコキシ基もしくはアリールオキシ基などの酸素原子で置換する基を有する1級もしくは2級のアルキル基が特に好ましく、また前述の置換基を有しない2級アルキル基または3級のアルキル基も同様に好ましい。また、R2がアルキル基である場合には、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基を有するアルキル基といった置換アルキル基も好ましい。またR2がアリール基の場合には、R2はフェニル基の場合が好ましく、更に2位および6位に前述のような置換基を有するフェニル基の場合が最も好ましい。
【0018】
一般式(II)で表される化合物のうち、好ましくはR1がアルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。
【0019】
本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物は米国特許第4,500,630号、同4,540,654号、特公平4−79349号、同4−79350号、同4−79351号、ヨーロッパ公開特許第0173256号、同0217353号、同0226849号等の明細書に記載された方法で合成することができる。
本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物は、詳しくは一般式(II−a)または(II−b)で表される。
【0020】
【化5】
【0021】
式中、R1およびR2は一般式(II)におけるR1およびR2と同じ意味である。本発明においては一般式(II−a)で表される化合物が好ましく、R1がアリールオキシ基、R2がアリール基である場合が特に好ましい。
【0022】
本発明においてもう1方の出発原料として用いられるアゾール類としては例えば一般式(III)で表されるものがあげられる。
一般式(III)
【0023】
【化6】
【0024】
式中、Z1、Z2、Z3およびZ4は窒素原子または炭素原子を表し、Z1、Z2、Z3およびZ4のうち少なくとも1つは炭素原子を表す。Z1、Z2、Z3またはZ4が炭素原子である場合には、Z1、Z2、Z3またはZ4は無置換のメチン基でも置換メチン基でもよい。Z1、Z2、Z3またはZ4が置換メチン基の場合に置換基として好ましいものは、R1およびR2の説明で述べたものおよびハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等)である。Z1、Z2、Z3またはZ4のうち隣り合う2つが炭素原子のときこれらは5〜7員環を形成してもよい。本発明においてZ1、Z2、Z3およびZ4は、Z1およびZ2が窒素原子並びにZ3およびZ4が炭素原子である場合が特に好ましい。
一般式(III)で表されるアゾール類はComprehensive Organic Chemistry,Vol.4(Pergamom Pess,1979)およびThe Chemistry of HeterocyclicCompounds(Willey Interscience,1967)等に記載された方法により合成することができる。以下に、一般式(III)で表されるアゾール類の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
本発明の製造方法によって得られる一般式(I)で表される化合物は、例えば一般式(IV)で表される。
【0029】
【化10】
【0030】
式中、X1およびX2は一方が、=C(R2)−を表し、他方が=N−を表す。R1およびR2は一般式(II)におけるR1およびR2と同じ意味である。また、Z1、Z2、Z3およびZ4は一般式(III)におけるZ1、Z2、Z3およびZ4と同じ意味である。以下に、一般式(IV)で表される化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】
本発明において、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表されるアゾール類とのモル比は1:1〜1:100の範囲内であり、好ましくは1:1〜1:10である。
【0041】
本発明に用いられる酸化剤としては特に限定しないが、例えば過酸化水素水、過炭酸ソーダ(Na2CO3・3H2O2)、マンガン類(例えばKMnO4、MnO2)、ハロゲン類(例えばI2、Br2、Cl2)、次亜塩素酸類(例えばNaClO)、次亜臭素酸類(例えばNaBrO)、過塩素酸類(例えばNaClO4)、過ヨウ素酸類(例えばNaIO4)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、1,3−ジクロロ5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ5,5−ジメチルヒダントイン、m−CPBA(m−クロロ過安息香酸)などを用いることができる。
好ましくは水洗により容易に水層に除去できる過酸化水素水、過炭酸ソーダ、ハロゲン類、次亜塩素酸類、次亜臭素酸類である。その中でも特に過酸化水素水が排水中にハロゲンを含有しない点で好ましい。
酸化剤は一般式(II)で表される化合物に対して0.001〜10倍のモル数で用いることができ、その中で好ましくは0.01〜0.1倍の間である。
【0042】
本発明に用いられる塩基としては特に限定しないが、例えば炭酸塩、重炭酸塩、酢酸塩、水酸化物、トリアルキルアミン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)などが挙げられる。その中で炭酸ナトリウムが反応生成率の面で好ましい。
塩基は一般式(II)で表される化合物に対して1〜100倍のモル数で用いることができ、その中で好ましくは1.1〜10倍の範囲である。
【0043】
本発明に用いられる溶媒としては特に限定しないが、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−2−イミダゾリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどが挙げられるが、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−2−イミダゾリドン、N−メチルピロリドンであり、最も好ましくはN,N−ジメチルアセトアミドである。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。本発明において溶媒の使用量は特に限定するものではないが、好ましくは一般式(II)で表される化合物1モルに対して300〜5000mlである。
【0044】
本発明において、反応は通常0〜150℃の間で行われる。その中で好ましくは15〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃の間である。反応時間は特に限定しないが、好ましくは1〜8時間である。
本発明の反応は大気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
反応の後処理、精製は常法に従って行うことができる。例えば、反応の終了した反応混合物をそのまま、または減圧下に溶媒を留去して残留物を水中に加える。このとき必要に応じて酸による中和を行ってもよい。目的物の結晶が析出した場合にはろ取し、そうでない場合には酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒を用いて抽出し、濃縮する。こうして得られた生成物は再結晶またはシリカゲルなどを担体としたカラムクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0045】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
実施例1 例示化合物(IV−1)の合成
【0047】
【化20】
【0048】
窒素雰囲気下、化合物(III−1)29.1g(0.1mol)をN,N−ジメチルアセトアミド中40mlに溶かし、炭酸ナトリウム29.1g(0.22mol)を加えて10分撹拌してから、化合物(II−1)67.2g(0.083mol)、3%過酸化水素5ml(0.0042mol)の順に加え、60℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸ナトリウム水、酢酸水で洗浄した後、濃縮し、アセトニトリル/水から晶析することにより、アゾール環上の結合窒素が異なる異性体の混合物として化合物(IV−1)を74.5g(収率88.0%)を得た。
【0049】
実施例2
酸化剤を表1に示すように変えた以外は実施例1と全く同様にして反応を行い、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって例示化合物(IV−1)の反応生成率を測定した。結果を下記表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1より、実験番号6のように、酸化剤を加えず塩基のみで反応を行うと低い反応生成率しか得られないが、実験番号1〜5のように酸化剤及び塩基の存在下の本発明の反応を行うと、非常に良好な反応生成率で反応が進行することがわかる。
【0052】
実施例3 例示化合物(IV−2)の合成
【0053】
【化21】
【0054】
窒素雰囲気下、化合物(III−2)2.26g(20.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミドに溶かし、炭酸ナトリウム4.2g(40.0mmol)を加えて10分撹拌してから、化合物(II−2)7.4g(15mmol)、3%過酸化水素1.7ml(1.5mmol)の順に加え、70℃で3時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸ナトリウム水、酢酸水で洗浄した後、濃縮し、アセトニトリル/水から晶析することにより、アゾール環上の結合窒素が異なる異性体の混合物として化合物(IV−2)6.3g(収率80.0%)を得た。
【0055】
実施例4 例示化合物(IV−3)の合成
【0056】
【化22】
【0057】
窒素雰囲気下、化合物(III−3)3.57g(30.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミドに溶かし、炭酸ナトリウム4.2g(40.0mmol)を加えて10分撹拌してから、化合物(II−3)7.8g(20mmol)、3%過酸化水素2.3ml(2mmol)の順に加え、70℃で5時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸ナトリウム水、酢酸水で洗浄した後、濃縮し、アセトニトリル/水から晶析することにより、アゾール環上の結合窒素が異なる異性体の混合物として化合物(IV−3)6.4g(収率75.0%)を得た。
【0058】
実施例5 例示化合物(IV−4)の合成
【0059】
【化23】
【0060】
窒素雰囲気下、化合物(III−4)2.79g(30.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミドに溶かし、炭酸ナトリウム4.2g(40.0mmol)を加えて10分撹拌してから、化合物(II−4)10.2g(20mmol)、3%過酸化水素2.3ml(2mmol)の順に加え、60℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸ナトリウム水、酢酸水で洗浄した後、濃縮し、アセトニトリル/水から晶析することにより、アゾール環上の結合窒素が異なる異性体の混合物として化合物(IV−4)8.2g(収率78.0%)を得た。
【0061】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、副生成物を抑制し、極めて高い収率で目的の7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類を得ることができ、精製工程に対する負荷を著しく低減できるという優れた効果を奏する。
Claims (2)
- 酸化剤が過酸化水素であることを特徴とする請求項1に記載の7−アゾリル−1H−ピラゾロ−トリアゾール類の製造方法。
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