JP4173765B2 - 難聴予防装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は難聴予防装置に関し、特に、AVソースの音量を大きくし過ぎて難聴になる危険性を事前に回避するための装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車室内騒音の静粛化や、カーオーディオ装置、テレビジョン放送受信装置、ナビゲーション装置などのAV機器に代表される車載機の普及に伴い、車室内にてAVソース(音楽、テレビ音声、ナビゲーションの案内音声など)を聴取する機会が多くなってきた。
【0003】
このような背景の下でAV機器の開発が進められ、AVソースの音声増幅を行うアンプは、誰もが満足できるレベルまで音量をボリュームアップできるようになっている。日ごろ希有な存在となっているプライベート空間として、車室内は手頃な空間である。そのため、ユーザは普段(例えば、家庭内)より周りの環境を気にすることなく、車室内でAVソースを大きな音量にて聴くことができる。
【0004】
ところで、最近の車載機には、マイクロホンが内蔵あるいは付属されることが多くなっている。例えば、ユーザが発声した音声コマンドを認識して各種の制御を行うための音声認識において、ユーザの発話音声を入力するためにマイクロホンが用いられる。また、ロードノイズなどの騒音を検知して車載機の出力オーディオ音を補正するオーディオ音補正において、騒音を入力するためにマイクロホンが用いられる。
【0005】
後者のオーディオ音補正技術に関しては、マイク入力された騒音をもとに、例えばラウドネス補償処理を行い、出力音のボリュームあるいは周波数特性を自動で制御することにより、ナビゲーション音声あるいはオーディオ音の明瞭度を改善する機能を備えた車載機も開発されている。この種の車載機では、騒音が大きい環境で走行中などには、AVソースの音量が大きくなるように制御される。
【0006】
なお、AVソースの音量制御技術に関しては、停車時に窓やドアを開けた際にオーディオの音量を自動的に下げ、その後、窓やドアを閉めた際に自動的に音量を上げるようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、オーディオの再生中に電話をするときに、オーディオの音量を自動的に下げるようにした装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−322153号公報
【特許文献2】
特開平8−250953号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、アンプの性能向上やプライベート空間の確保が可能なことなどにより、車室内ではAVソースを大きな音量にて聴くことができる。しかしながら、大きい音量で長時間聴き続けると、搭乗者は難聴になる可能性が高くなる。文献によると、個人差はあるが、1日当たりの曝露量が80dBを超える騒音の中で生活をしていると、聴力が劣化する危険性は大きいとされている。
【0009】
騒音の基準(上限値)に関しては、機関によって制定されているものがある。例えば、日本の労働安全衛生規則および騒音障害防止のガイドラインでは、等価騒音レベルLAeqが85dB以下であることを基準としている。これに倣うと、AVソースの等価騒音レベルLAeqが85dB以下となるように、ボリュームを調整すれば良いことになる。
【0010】
ところが、搭乗者はそもそも、どのくらいの騒音の中に曝されているのかについては、感覚的にしか分からない。そのため、搭乗者がボリュームを意識して調節することは困難である。中には、聴力低下に気づかないまま運転している可能性もある。すなわち、車室内にて搭乗者が難聴になるほど影響が強い騒音下に曝されていても、従来はそれを管理(把握および制御)する手段がないという問題があった。
【0011】
なお、ボリュームの設定値に応じて、それに対応する騒音レベルを画面表示するなどして搭乗者に注意を促す方法が考えられる。しかしながら、車室内にはAVソース音の他にロードノイズやエンジン音など様々なノイズがあるため、搭乗者が実際に曝されている騒音のレベルと食い違いが生じてしまう。また、AVソースや車室内の音響特性によって、聴取位置での騒音レベルは異なる。そのため、単にボリュームの設定値に目安を設けることは、有効な対策とは言えない。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、車室内における騒音レベルを適切に把握して制御することにより、搭乗者が難聴になる危険性を回避できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の難聴予防装置では、車載機に内蔵あるいは付属されているマイクロホンから入力された音の音圧に基づいてマイク位置での騒音レベルを測定し、それが所定の閾値を超えている場合に警告を実行するようにしている。また、警告を実行したにもかかわらず、その後も騒音レベルが閾値を超え続けている場合には自動的にボリュームを下げるように制御する。なお、このボリュームの自動制御は、警告の実行後にユーザがボリュームを下げる操作をしたときには行わないようにしても良い。
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、AVソースの音量が大きく設定されて、そのままの音量であると難聴になる危険性が高い場合においても、搭乗者に警告を与えたりボリュームを自動的に下げたりすることができ、搭乗者が難聴になることを予防することが可能となる。このとき、難聴になる危険性があるか否かの判定は、単なるボリュームの設定値に基づいて行われるのではなく、車室内に生じているAVソースの音、ロードノイズ、エンジン音など様々な音声を含み、かつ、車室内の音響特性に応じた実際の騒音レベルの測定値に基づいて行われるので、難聴になる危険性をより客観的かつ正確に判定することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による難聴予防装置およびこれを適用した車載機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の難聴予防装置10は、騒音測定部1、判定部2、警告実行部3、制御部4およびボリューム制御部5を備えて構成されている。また、この難聴予防装置10が適用される車載機100は、電子ボリューム11、ボリューム/イコライザ自動制御部12、出力アンプ13、スピーカ14、マイクロホン15、表示部16、警告音出力部17およびタイマ18を備えて構成されている。
【0017】
電子ボリューム11は、図示しないAV再生機で再生されたAVソースの音を、ボリューム制御部5に設定されたボリューム値に応じた増幅率で増幅して出力する。電子ボリューム11のボリューム値は、ユーザが図示しない操作子を操作することによって、任意の値をボリューム制御部5に設定することが可能である。また、本実施形態では、後述するように、制御部4の制御によってボリューム値がボリューム制御部5に強制的に設定されることもある。
【0018】
ボリューム/イコライザ自動制御部12は、電子ボリューム11より出力されたAVソースの音に対してゲイン補正を行う。このゲイン補正は、例えば、複数に分割された周波数帯域のそれぞれ毎に行う。このボリューム/イコライザ自動制御部12は、AVソースの明瞭度を改善する処理のために設けられているものである。
【0019】
すなわち、ボリューム/イコライザ自動制御部12は、図示しない適応フィルタなどによって生成したマイク位置でのAVソースの模擬音と、マイクロホン15の入力音から当該AVソースの模擬音を引き算することによって生成した誤差音(周囲音など)とに基づいて、AVソースの音に対して加える最適のゲインを算出し、この算出したゲイン値に従ってラウドネス補償処理などを実行する。ここでは、誤差音をAVソースの音に対するノイズとみなして、スピーカ14から出力されるAVソースの音がユーザに明瞭に聞こえるように、当該AVソースの音のゲイン調整を行う。
【0020】
出力アンプ13は、ボリューム/イコライザ自動制御部12から出力されたAVソースの音を所定の倍率で増幅する。スピーカ14は、出力アンプ13で増幅されたAVソースの音を出力する。このスピーカ14から出力されたAVソースの音は、ロードノイズやエンジン音などの周囲音と共に、マイクロホン15から入力される。
【0021】
マイクロホン15は、車載機100にあらかじめ内蔵あるいは付属されているものであり、音声認識処理における発話音声入力用、あるいは、音声の明瞭度改善処理における騒音入力用などのために、車室内の適当な場所(例えば、運転席の近く)に設置されている。
【0022】
騒音測定部1は、マイクロホン15から入力された音の音圧に基づいて、当該マイクロホン15の設置位置における騒音レベルを測定する。ここで、騒音レベルには、主に2つの規格がある。1つは等価騒音レベルLAeqであり、もう1つは騒音曝露量LEXである。等価騒音レベルLAeqは次の式(1)より算出でき、騒音曝露量LEXは次の式(2)より算出できる。すなわち、騒音測定部1は、次の式(1)あるいは式(2)に従って、測定開始時間t1から測定終了時間t2までの騒音レベルを測定する。
【0023】
【数1】
【0024】
判定部2は、騒音測定部1により測定された騒音レベルが、ある閾値を超えているか否かを判定する。この閾値は、機関によって定められている騒音の限度値を基準に設定する。騒音の限度値は、図2に示すように国毎に異なっている。例えば日本では、連続した10分間の等価騒音レベルLAeqで85dBが限度値と定められている。これに対して、例えばフランスやドイツなどでは、連続した8時間の騒音曝露量LEXで85dBが限度値と定められている。
【0025】
なお、ここに示した限度値は、それぞれ10分間、8時間の騒音量を示したものである。10分間であれば車室内で実際に測定可能なので、図2中に示される数値そのものを閾値として用いることが可能である。これに対して、車室内でAVソースを連続して8時間以上聴いていることはそれほど多くないので、8時間の騒音曝露量LEXを実際に測定することは不可能である。そこで、騒音曝露量LEXに関しては、より短い時間の曝露量に換算した値を閾値として用いる。もちろん、等価騒音レベルLAeqに関しても、10分間より短い時間の騒音レベルに換算した値を閾値として用いるようにしても良い。
【0026】
警告実行部3は、判定部2により騒音レベルが閾値を超えていると判定されたときに、そのとき電子ボリューム11に設定されているボリューム値では難聴(聴力低下)になる危険性が高い旨の警告を報知する。この警告報知は、表示部16に所定のメッセージを表示することによって視覚的に訴えるようにしても良いし、警告音出力部17にブザー音などを出力することによって聴覚的に訴えるようにしても良い。もちろん、その両方を行っても良い。
【0027】
ここで、警告実行部3は、騒音レベルが閾値を瞬間的にでも超えたら警告を発するようにしても良いが、騒音レベルが閾値を所定時間以上続けて超えていると判定されたときに警告を発するようにするのが好ましい。騒音レベルが瞬間的に閾値を超えても、その大きな騒音下に長時間曝されることがなければ、難聴になる危険性は比較的低いからである。
【0028】
例えば、騒音測定部1によって騒音レベルを随時測定し、複数回の測定結果が連続して閾値を超えていると判定部2が判定したときに、警告実行部3が警告を実行するようにする。ここで、判定の信頼性を上げるために、騒音測定部1による騒音レベルの測定は、一定の時間間隔を開けて行うのが望ましい。
【0029】
例えば、図3に示すように、1回目の等価騒音レベルLAeqは、AVソース再生機(図示せず)の電源がONとされた時刻から10分間をかけて測定する。2回目の等価騒音レベルLAeqは、1回目の騒音測定開始時刻から一定時間(例えば3分)の経過後に測定を開始し、同じく10分間をかけて測定する。さらに、3回目の等価騒音レベルLAeqは、2回目の騒音測定開始時刻から一定時間(例えば3分)の経過後に測定を開始し、同じく10分間をかけて測定する。4回目以降も同様である。そして、α回(例えば5回)の測定結果が連続して閾値を超えた場合に警告を実行する。
【0030】
判定部2は、警告実行部3により警告が実行された後にも、騒音測定部1により測定された騒音レベルが閾値を超えているか否かを判定し続ける。ボリューム制御部5は、警告の実行後における所定時間の間、判定部2により騒音レベルが閾値を超え続けていると判定されたときに、電子ボリューム11の設定値を下げるように制御する。例えば、警告の報知後に騒音測定部1により測定されたβ回(例えば3回)の騒音レベルが連続して閾値を超えていた場合に、電子ボリューム11の設定値を強制的に下げるように制御する。
【0031】
なお、ボリューム制御部5は、警告実行後における所定時間の間、測定された騒音レベルが閾値を超え続けており、かつ、ユーザによりボリュームを下げる操作が行われていないときに、電子ボリューム11の設定値を下げるようにしても良い。
【0032】
制御部4は、難聴予防装置10の全体を制御する。例えば、タイマ18を用いて、騒音測定部1、判定部2および警告実行部3のそれぞれの処理を行う際の時間管理を行う。すなわち、制御部4は、騒音測定部1に対して、騒音レベルの測定開始および測定終了に関する制御信号を出力する。また、判定部2に対して、判定開始および判定終了に関する制御信号を出力する。また、警告実行部3に対して、警告開始および警告終了に関する制御信号を出力する。
【0033】
この制御部4はまた、ボリューム制御部5に対して、ボリューム調整の有無に関する制御信号を出力する。すなわち、警告の実行後に騒音測定部1により測定されたβ回の騒音レベルが連続して閾値を超えていると判定部2により判定された場合に、電子ボリューム11の設定値を下げるための制御信号をボリューム制御部5に出力する。ボリューム制御部5は、この制御信号を受けて、電子ボリューム11の設定値を下げるように制御する。なお、ボリューム制御部5は、車載機100に内蔵されているものを利用することが可能である。
【0034】
次に、上記のように構成した難聴予防装置10の動作を説明する。図4は、当該難聴予防装置10の動作を示すフローチャートである。図4において、騒音測定部1は、マイクロホン15からの入力音に基づいて、マイク位置での騒音レベルを測定する(ステップS1)。ここでは、図3のように、例えば3分の時間間隔を開けて等価騒音レベルLAeqあるいは騒音曝露量LEXの測定を行う。
【0035】
判定部2は、騒音測定部1により測定された騒音レベルが閾値を超えているか否かを判定する(ステップS2)。騒音レベルが閾値を超えるケースとしては、2通り考えられる。1つは、ユーザ自身が意図的に電子ボリューム11の音量を大きな値に設定したときである。もう1つは、周囲音が大きい環境下などでボリューム/イコライザ自動制御部12によって電子ボリューム11の音量が自動的に大きく設定されたときである。判定部2は、この何れのケースであるかは区別せずに、騒音レベルが閾値を超えたか否かを判定する。
【0036】
ここで、測定された騒音レベルが閾値を超えていなければステップS1に戻り、超えていれば、判定部2は過去α回とも騒音レベルが閾値を超えていたか否かを更に判定する(ステップS3)。過去α回とも騒音レベルが閾値を超えていれば、警告実行部3により警告を実行する(ステップS4)。そうでなければステップS1に戻る。
【0037】
警告処理の実行後に、騒音測定部1は、マイクロホン15からの入力音に基づいて、マイク位置での騒音レベルを測定する(ステップS5)。ここでも、例えば3分の時間間隔を開けて等価騒音レベルLAeqあるいは騒音曝露量LEXの測定を行う。
【0038】
判定部2は、騒音測定部1により測定された騒音レベルが閾値を超えたか否かを判定する(ステップS6)。騒音レベルが閾値を超えていれば、過去β回とも騒音レベルが閾値を超えていたか否かを更に判定する(ステップS7)。ここで、過去β回とも騒音レベルが閾値を超えていると判定されなかった場合は、ステップS5に戻る。
【0039】
一方、過去β回とも騒音レベルが閾値を超えている場合は、判定部2は、ユーザが操作子を操作して電子ボリューム11の設定値を調整したか否かを更に判定する(ステップS8)。ユーザによるボリューム調整が行われていた場合にはステップS1に戻るが、依然としてボリューム調整が行われていない場合は、制御部4がボリューム制御部5を制御して電子ボリューム11の設定値を強制的に調整する(ステップS9)。例えば、ボリューム設定値を1段階下げる。ボリュームの調整後は、ステップS5に戻って同様の処理を繰り返す。
【0040】
また、上記ステップS6において、警告実行後の測定騒音レベルが閾値を越えていないと判定されたときは、判定部2は、過去γ回とも越えていないかを更に判定する(ステップS10)。ここで、過去γ回とも騒音レベルが閾値を超えていない場合にはステップS1に戻り、そうでなければステップS5に戻る。
【0041】
このように、警告の実行後は、ユーザが自主的にボリューム調整を行うか、騒音測定部1により測定される騒音レベルが閾値を下回るまで制御部4によってボリューム調整が行われたときに、ステップS1の処理に戻る。なお、ユーザがボリューム調整を行っても、騒音レベルが依然として閾値を超えているときは、ステップS4で再び警告が行われる。
【0042】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ユーザが知らず知らずに電子ボリューム11の設定値を上げて、そのままの音量であると難聴になる危険性が高い場合においても、搭乗者に警告を与えたりボリュームを自動的に下げたりすることができ、搭乗者が難聴になることを予防することができる。
【0043】
また、本実施形態では、ボリューム/イコライザ自動制御部12によりAVソースのボリュームが自動的に上げられた場合においても、設定された音量であると難聴になる危険性が高い場合には、搭乗者に警告を与えたりボリュームを自動的に下げたりすることができる。これにより、ボリューム/イコライザ自動制御部12によるゲイン補正量を、騒音レベルが閾値を超えない範囲内に確実に制限することができ、搭乗者が難聴になることを予防することができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、車載機100がボリューム/イコライザ自動制御部12を備える例について説明したが、これは必須の構成ではない。
【0045】
また、上記実施形態では、警告実行後にも騒音レベルが閾値を下回らず、ユーザによるボリューム調整も行われないときに、電子ボリューム11の設定値を下げる例について説明したが、ボリューム/イコライザ自動制御部12によるゲイン補正量を下げるようにしても良い。
【0046】
ただ、ボリューム/イコライザ自動制御部12自身が内部処理で自動的に設定したゲイン補正値ではなく、ユーザが操作子を操作して設定した電子ボリューム11の設定値を下げることにより、ユーザに対する警告としてボリュームを下げたということを明確に伝えることができ、ユーザに対して注意を喚起できる点で、電子ボリューム11を制御する方が好ましい。また、電子ボリューム11を制御すれば、ボリューム/イコライザ自動制御部12が備えられていない車載機にも対応することができる。
【0047】
また、騒音測定部1を、等価騒音レベルLAeqと騒音曝露量LEXとの何れの騒音レベルも測定可能なように構成し、車載機100を適用する国に応じて騒音レベルの測定方法を手動あるいは自動で切り替えられるようにしても良い。このようにすることにより、本実施形態の難聴予防装置10をワールドワイドに適用することが可能となる。
【0048】
また、上記実施形態では、本実施形態の難聴予防装置10を車載機100に適用する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、防音設備の整えられた家庭内のAV視聴室内に設置されたAVシステムなどに適用することも可能である。
【0049】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上述したように、マイクロホンから入力された音の音圧に基づいて騒音レベルを測定し、測定値が所定の閾値を超えている場合に警告を実行する。また、警告の実行後も騒音レベルが閾値を超えている場合にはボリュームを強制的に下げるようにした。これにより、実際に測定した騒音レベルに基づいて難聴になる危険性を客観的に把握することができる。また、難聴になる危険性が高いと判断される場合には、搭乗者に警告を与えたりボリュームを自動的に下げたりすることができ、搭乗者が難聴になることを予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による難聴予防装置およびこれを適用した車載機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】各国における作業環境騒音の限度値を示す図である。
【図3】本実施形態による等価騒音レベルの測定例を示す図である。
【図4】本実施形態による難聴予防装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 騒音測定部
2 判定部
3 警告実行部
4 制御部
5 ボリューム制御部
10 難聴予防装置
Claims (3)
- スピーカから出力される出力音のボリュームを制御可能な難聴防止装置であって、
上記スピーカの出力音および周囲音を入力可能なマイクロホンから入力された音の音圧に基づいて上記マイクロホンの設置位置における測定開始時間t 1 から測定終了時間t 2 までの単位測定時間における騒音レベルを次の式(A)に従って、上記測定開始時間t 1 を上記単位測定時間よりも短い一定時間ずつずらして順次測定する騒音測定手段と、
上記騒音測定手段により測定された騒音レベルが、複数回続けてある閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により上記騒音レベルが上記閾値を複数回続けて超えていると判定されたときに警告を実行する警告実行手段とを備えたことを特徴とする難聴予防装置。
- 上記判定手段は、上記警告実行手段により上記警告が実行された後にも、上記騒音測定手段により測定された騒音レベルが上記閾値を超えているか否かを判定し、
上記警告の実行後における所定時間の間、上記判定手段により上記騒音レベルが上記閾値を超え続けていると判定されたときに、上記ボリュームを下げるように制御するボリューム制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の難聴予防装置。 - 上記ボリューム制御手段は、上記警告の実行後における所定時間の間、上記判定手段により上記騒音レベルが上記閾値を超え続けていると判定され、かつ、ユーザにより上記ボリュームを下げる操作が行われていないときに、上記ボリュームを下げるように制御することを特徴とする請求項2に記載の難聴予防装置。
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