JP4173161B2 - 狭隘箇所用掘削排土装置、狭隘箇所の掘削排土工法及び掘削排土システム - Google Patents

狭隘箇所用掘削排土装置、狭隘箇所の掘削排土工法及び掘削排土システム Download PDF

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本発明は、狭隘箇所用の掘削排土装置と、その装置を用いて行う狭隘箇所の掘削排土工法と、掘削排土装置を含む狭隘箇所の掘削排土システムに関する。
掘削専用機のバケット等が入らない狭隘箇所の掘削において従来は、人力によりダブルスコップを使って土砂を掴み取ったり、スコップや棒状部材を使って切り崩した後、バキュームポンプにより吸引するなどして掘削排土を行っていた。しかし、人力による掘削排土は、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂の場合には施工能率が落ちたり、人の手が届かない深さは掘削できなかった。
なお、狭隘箇所の掘削排土用ではないが、石油パイプライン等の鋼管、ヒューム管等を布設する施工途中において、管内に堆積した土砂を掘削排土するための管内掘削装置が特許文献1により知られている。この管内掘削装置は、管内に挿入される混気ジェットポンプの吸引口の近傍に、管内に堆積した土砂を洗掘するウォータージェットを配設してなるもので、具体的には、吸引管の先端部外周に多数の棒状ノズルと移動補助手段を備えている。
特開平11−59898号公報
ところで、狭隘箇所の掘削において、例えば特許文献1の掘削装置を小型化して転用し、その吸引管の先端部外周の移動補助手段を取り外してから使用することを考えた場合、吸引管の先端部外周の棒状ノズルが、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損するおそれがある。
本発明の課題は、狭隘箇所において、混気ジェットポンプとウォータージェットを用いる小型化した装置により、ノズルが破損することなく土砂を効率良く掘削排土することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1、図11に示すように、狭隘箇所で掘削される掘削土を吸引する吸引管が混気ジェットポンプ3の吸引側にホース2を介して接続され、前記吸引管の先端部に内管52が連結され前記内管52が断面長円形状の外管54の中央部に内接され、前記外管54が高圧ジェットポンプ5ホース7を介して接続されるとともに高圧ジェット水を供給されこの外管54の先端部に、狭隘箇所の掘削部に対し高圧ジェット水を噴出する複数のノズル13を設けてなる狭隘箇所用掘削排土装置を特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、混気ジェットポンプ3の吸引側にホース2を介して接続される吸引管11の先端部に外管54が連結され、内管及び外管による二重管部の一体化構造であり、外付け部材がないので、狭隘箇所に応じて掘削排土装置を小型化できる。
従って、狭隘箇所において、二重管部の外管54の先端部に設けた複数のノズル56,57から高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を吸引管11からホース2を介して混気ジェットポンプ3により排出できる。
また、ノズル56,57外管54の先端部に設けられているので、例えば吸引管の先端部外周に設ける棒状ノズルの場合のように、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損する心配はない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、例えば図1に示すように、前記混気ジェットポンプ3の吸引側には、前記高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を供給するホース6が接続されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、混気ジェットポンプ3の吸引側に、高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を供給するホース6を接続することで、混気ジェットポンプ3用の高圧ジェットポンプを別途設ける必要がなく、一台の高圧ジェットポンプ5を掘削用と吸引用に共用できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、例えば図1に示すように、前記高圧ジェットポンプ4から高圧ジェット水の供給を、前記外管54及び前記混気ジェットポンプ3の両方と一方のみの切り替え動作、供給する高圧ジェット水の流量変化及び/または圧力変化の制御を可能とする制御バルブ10を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、制御バルブ10により、一台の高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、二重管部の外管54と地上の混気ジェットポンプ3の両方に供給したり、その一方のみ供給したりと切り替えたり、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなど、状況に応じて高圧ジェット水の供給を各種制御できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、例えば図1、図3、図5に示すように、前記吸引管11の一部に、バックホー、クレーン等の移動機E・Fに連結されるアタッチメント14・15を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、吸引管11の一部に備えるアタッチメント14・15でバックホー、クレーン等の移動機E・Fに連結して、狭隘箇所における掘削排土装置の移動及び掘削排土作業が行える。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、例えば図1、図7に示すように、前記吸引管11は、少なくとも先端部を回転可能とする回転継手26を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、吸引管11の少なくとも先端部を回転継手26により回転させることで、二重管部のノズルから噴出する高圧ジェット水の回転により掘削土を効率良く攪拌できる。
請求項に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、前記複数のノズルが、前記外管の長径方向における前記内管の両側で、前記外管の短径方向に配列されていることを特徴とする
請求項に記載の発明は、請求項6に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、前記複数のノズルのうち前記外管の短径方向の両側に配置されたノズルが、外側に向けた斜めノズルであることを特徴とする。
なお、斜めノズルとしては、固定式ノズルの他、首振りノズル等の可動式ノズルも含まれる。
請求項に記載の発明によれば、斜めノズルによる高圧ジェット水の外側に向けた噴出により、二重管部の周囲の土砂も掘削できる。
請求項に記載の発明は、請求項7に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、前記複数のノズルのうち斜めノズルの間に配置されたノズルが、直噴ノズルであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置であって、前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端が閉塞され、前記複数のノズルがその閉塞された部分に設けられ、前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端の反対側の端部が閉塞され、その閉塞された部分にニップルが設けられ、前記高圧ジェットポンプからのホースが前記ニップルに接続されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1から9のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管11から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出する、狭隘箇所の掘削排土工法を特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、狭隘箇所において、掘削排土装置の二重管部を掘削部に当て、二重管部の外管のノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を二重管部の吸引管11からホース2を介して混気ジェットポンプ3により排出できる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の狭隘箇所の掘削排土工法であって、例えば図3、図5に示すように、前記吸引管11の一部をバックホー、クレーン等の移動機E・Fに保持して、狭隘箇所の掘削排土を連続的に行うことを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、吸引管11の一部をバックホー、クレーン等の移動機E・Fに保持することにより、狭隘箇所における連続的な掘削排土が行える。
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の狭隘箇所の掘削排土工法であって、例えば図1に示すように、作業空間に制限を受ける場所において、少なくとも前記吸引管11を継ぎ足すことで深くまで掘削排土することを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、例えば高さや奥行き等に制限を受ける狭隘箇所において、少なくとも吸引管11を継ぎ足すことにより、吸引管11を上下方向や横方向等に延長して深くまで掘削排土できる。
請求項13に記載の発明は、請求項5に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記吸引管の少なくとも先端部を前記回転継手により回転させながら前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出することを特徴とする狭隘箇所の掘削排土工法である
請求項13に記載の発明によれば、吸引管11の少なくとも先端部を回転継手26によ
り回転させることで、二重管部1のノズル13から噴出する高圧ジェット水の回転により掘削土を効率良く攪拌できる。
請求項14に記載の発明は、請求項10から13の何れか一項に記載の狭隘箇所の掘削排土工法であって、幅200〜500mmの狭隘箇所の掘削部を掘削することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、例えば図1、図3、図5に示すように、請求項1からのいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置と、前記吸引管11の一部を保持するバックホー、クレーン等の移動機E・Fと、前記吸引管11にホース2を介して吸引側が接続される混気ジェットポンプ3と、この混気ジェットポンプ3と前記外管とにホース6・7を各々介して高圧ジェット水をそれぞれ供給する高圧ジェットポンプ5と、前記混気ジェットポンプ3の排出側にホース4を介して接続され、混気ジェットポンプ3から排出された泥水を水と土砂とに分離する水・土砂分離設備8と、から構成される狭隘箇所の掘削排土システムを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、掘削排土装置の吸引管11を一部でバックホー、クレーン等の移動機E・Fに連結して、狭隘箇所における掘削排土装置の移動及び掘削排土作業が行える。
そして、狭隘箇所において、二重管部1を掘削部に当て、二重管部の外管のノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を二重管部の吸引管11からホース2を介して混気ジェットポンプ3により排出できる。
また、混気ジェットポンプ3用の高圧ジェットポンプを別途設ける必要がなく、一台の高圧ジェットポンプ5を掘削用と吸引用に共用できる。
さらに、地上において、混気ジェットポンプ3から排出された泥水を、水・土砂分離設備8により水と土砂とに分離できる。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の狭隘箇所の掘削排土システムであって、例えば図1に示すように、前記水・土砂分離設備8で土砂と分離された水の一部を前記高圧ジェットポンプ5に供給(ホース9参照)し、高圧ジェット水として再利用することを特徴とする。
請求項16に記載の発明によれば、水・土砂分離設備8で土砂と分離された水の一部を高圧ジェットポンプ5に供給することで、高圧ジェット水として再利用できる。
本発明によれば、内管と外管とを二重管部とした一体化構造で外付け部材がないため、掘削排土装置を小型化でき、狭隘箇所において、二重管部の外管に設けた複数のノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を二重管部の内管からホースを介して混気ジェットポンプにより排出できる。しかも、ノズルを外管の先端部に設けたことで、例えば吸引管の先端部外周に設ける棒状ノズルの場合のように、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損する心配もないといった利点が得られる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明を適用した第1実施形態のシステム構成を示す概念図で、図中、A・Bは壁状の構造物など、Cは狭隘箇所、Dは掘削専用機アーム、1は二重管部、2は吸引ホース、3は混気ジェットポンプ、4は排出ホース、5は高圧ジェットポンプ、6は吸引側ジェット高圧ホース、7は攪拌側ジェット高圧ホース、8は水・土砂分離設備、9は送水ホース、10は制御バルブである。
壁状の構造物などA・Bの間の狭隘箇所Cは幅200〜500mm程度のものである。
二重管部1は、鋼管による内管及び外管により構成されており、前記幅200〜500mm程度の狭隘箇所Cにおいて、掘削して排土する狭隘箇所用掘削排土装置に備えられている。図示例において、二重管部1は、内管による吸引管11と外管によるジェット供給管12とからなり、ジェット供給管12の下端部(先端部)にノズル13を備えて、上方部(基部)にアタッチメント14を備えている。アタッチメント14には掘削専用機アームDが連結される。掘削専用機アームDは、例えば移動機であるバックホーE(図3参照)に備えられている。
二重管部1において、吸引管11の上端部(基端部)に吸引ホース2が接続され、この吸引ホース2は、地上の混気ジェットポンプ3の吸引側に接続されている。この混気ジェットポンプ3の排出側に排出ホース4が接続されている。
高圧ジェットポンプ5は、高圧ジェット水を供給するもので地上に置かれており、吸引側ジェット高圧ホース6と攪拌側ジェット高圧ホース7を備えている。吸引側ジェット高圧ホース6は、混気ジェットポンプ3の吸引側に接続され、攪拌側ジェット高圧ホース7は、ジェット供給管12の上端部(基端部)に接続されている。
また、混気ジェットポンプ3からの排出ホース4は、水・土砂分離設備8に導かれている。水・土砂分離設備8は、土砂と分離された水の一部を再利用するための送水ホース9を備えている。この送水ホース9は、高圧ジェットポンプ5に接続されている。
なお、高圧ジェットポンプ5において、吸引側ジェット高圧ホース6及び攪拌側ジェット高圧ホース7は制御バルブ10を介して導出されている。この制御バルブ10において、高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、二重管部1のジェット供給管12と地上の混気ジェットポンプ3の両方に供給したり、その一方のみ供給したりと切り替えたり、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなど、状況に応じて高圧ジェット水の供給を各種制御する。
図2は二重管部1のノズル13部分の横断面を作用とともに示したもので、ノズル13が外側に向いた斜めノズルの場合における高圧ジェット水の噴射方向を示しており、矢印で示すように、二重管部1を回転することで土砂の攪拌効率が高められる。
図3は本発明による狭隘箇所の掘削排土作業の一例で移動機としてバックホーEの使用例を示したもので、図示のように、バックホーEのアームDに、吸引管11の上端部(基端部)のエルボー管21に備えたアタッチメント14を連結して、橋脚Aに沿った地盤Bの狭隘箇所Cを掘削排土する作業を示している。
図示例では、吸引管11の下部(先部)が二重管部1となっており、この二重管部1にジェット供給管12及びノズル13が設けられている。
図4は吸引管11の上部(基部)のエルボー管21に備える一例としてのアタッチメント14を示したもので、図示のように、吸引管11の上部(基部)のエルボー管21上に左右一つのプレートによるアタッチメント14が取り付けられている。
図5は本発明による狭隘箇所の掘削排土作業の一例で移動機としてクレーンFの使用例を示したもので、図示のように、クレーン(トラッククレーン)FのブームGから下ろしたワイヤHに、吸引管11の上部(基部)のエルボー管21に備えたアタッチメント15を吊って、橋脚Aに沿った地盤Bの狭隘箇所Cを掘削排土する作業を示している。
図示例においても、図3と同様、吸引管11の下部(先部)が二重管部1となっており、この二重管部1にジェット供給管12及びノズル13が設けられている。
図6は吸引管11の上部(基部)のエルボー管21に備える一例としてのアタッチメント15を示したもので、図示のように、吸引管11の上部(基部)のエルボー管21には、逆U字形状棒によるアタッチメント15が取り付けられている。
図7は、図1の二重管部1の基部(上部)に使用するエルボー管21の一例構造を示すもので、例えば外径140mm程度のエルボー管21が、長さ320mm程度のホルダー管22の小径部22aに連結して備えられている。
ホルダー管22は外径280mm程度の大径部22bに小径部22aを一体化したもので、大径部22b内に複数(図示例では3個)のボールベアリング23及びシールリング24等を介して外管25が回転自在に組み付けられている。これらホルダー管22、ボールベアリング23及び外管25により回転継手26が構成される。
外管25は外径200mm程度のもので、ホルダー管22の大径部22bから長さ130mm程度突出しており、この外管25内に内管27が挿通されている。内管27は外径130mm程度で内径105mm程度のもので、外管25との間隔保持用のスペーサー28を一体化して備える。この内管27はホルダー管22の小径部22a内にシールリング29を介して結合されている。
そして、ホルダー管22の大径部22bには、内管27の端部近傍に開口するジェット導入口22cが形成されている。このジェット導入口22はホルダー管22の直径方向に対向して一対形成される。
こうして、エルボー管21において、二重管部1の基部(上部)が構成され、その外管25と内管27との間に、ジェット導入口22cから連続するジェット流路17が形成される。
図8は、図1の二重管部1の中間部に使用するストレート管31の一例構造を示すもので、外径200mm程度で長さ930mm程度の外管32の内部に内管33が挿通されている。内管33は外径130mm程度で内径105mm程度のもので、外管32との間隔保持用のスペーサー34を一体化して備える。
また、外管32には継手管35が連結されており、継手管35は外管32から長さ150mm程度突出している。
こうして、ストレート管31による二重管部1の中間部が構成され、その外管32と内管33との間にジェット流路18が形成される。
図9は、図1の二重管部1の先部(下部)に使用するノズルヘッド管41の一例構造を示すもので、外径200mm程度で長さ170mm程度の外管42の内部に内管43が挿通されている。すなわち、外管42の内径125mm程度の吸引口42aに短い内管43が連結されている。
そして、外管42には、内管43を囲む短いジェット流路19が形成されるとともに、このジェット流路19に連続して端面に開口する多数のノズル通路44が形成されている。このノズル通路44にノズル45が装着されており、従って、直噴ノズル45となっている。図示例では、外管42の円周方向に沿って等間隔に15個の直噴ノズル45が設けられている。
こうして、ノズルヘッド管41による二重管部1の先部(下部)が構成される。
以上のエルボー管21、ストレート管31及びノズルヘッド管41を連結して二重管部1が構成される。
すなわち、エルボー管21の内管27をストレート管31の内管33に嵌め込み接合するとともに、エルボー管21の外管25をストレート管31の外管32にネジ込み結合する。また、ノズルヘッド管41の内管43をストレート管31の内管33に嵌め込み接合するとともに、ノズルヘッド管41の外管42をストレート管31の継手管35にネジ込み結合する。なお、ストレート管31は必要に応じて継ぎ足す。
そして、ホルダー管22のジェット導入口22cに攪拌側ジェット高圧ホース7を接続しておく。
以上のような構成の狭隘箇所用掘削排土装置は、図1、図3、図5に示すように、二重管部1または吸引管11の上部(基部)のエルボー管21に備えたアタッチメント14を、バックホーEのアームDに連結したり、エルボー管21に備えたアタッチメント15を、クレーン(トラッククレーン)FのブームGから下ろしたワイヤHに吊ったりして、橋脚Aに沿った地盤B等の幅200mm〜500程度の狭隘箇所Cにおいて、バックホーEまたはクレーン(トラッククレーン)Fによる移動を伴った連続的な掘削排土作業に用いられる。
すなわち、高圧ジェットポンプ5の運転により、制御バルブ10、吸引側ジェット高圧ホース6、攪拌側ジェット高圧ホース7を介して混気ジェットポンプ3と二重管部1とに高圧ジェット水をそれぞれ連続的に供給すると、二重管部1において、狭隘箇所Cの掘削排土が短時間で効率良く行える。
つまり、狭隘箇所Cに立てられた状態の二重管部1のジェット供給管12において、ジェット導入口22cよりジェット流路17・18・19を通って高圧ジェット水が満たされ、ノズル13(直噴ノズル45)から高圧ジェット水が噴出することにより、狭隘箇所Cの礫を含む土砂が攪拌して掘削される。
そして、二重管部1の吸引管11において、混気ジェットポンプ3で発生する真空吸引力が吸引口42aに作用し、礫を含む掘削土が吸引口42aから吸い上げられて吸引ホース2を介して混気ジェットポンプ3に吸引され、排出ホース4を介して水・土砂分離設備8に排出される。
従って、狭隘箇所Cにおいて、安全でクリーンな掘削排土作業が連続的に行える。
しかも、二重管部1を回転継手26により回転させれば、二重管部1のノズル13(直噴ノズル45)から噴出する高圧ジェット水の回転によって、掘削土を効率良く攪拌できるものとなる。
さらに、必要に応じてストレート管31を継ぎ足していくことで、深くまで掘削できるものとなる。
また、地上においては、水・土砂分離設備8によって、混気ジェットポンプ3から排出された泥水が水と土砂とに分離される。
しかも、その分離された水の一部が高圧ジェットポンプ5に図示しないポンプの運転により送水ホース9を介して供給されて、高圧ジェット水として再利用されるものとなっている。
その上、掘削排土装置としては、混気ジェットポンプ3の吸引側に吸引ホース2を介して接続される吸引管11と、高圧ジェットポンプ5に攪拌側ジェット高圧ホース7を介して接続されるジェット供給管12とが、内管及び外管による二重管部1の一体化構造となっていて、外付け部材がないことから、狭隘箇所に応じて合理的に小型化されている。
しかも、ノズル13(直噴ノズル45)はジェット供給管12(ノズルヘッド管41)の先端部に設けられていることから、例えば吸引管の先端部外周に設ける棒状ノズル(特許文献1参照)の場合のように、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損する心配はないといった利点もある。
さらに、混気ジェットポンプ3の吸引側に、高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を供給する吸引側ジェット高圧ホース6を接続していることから、混気ジェットポンプ3用の高圧ジェットポンプを別途設ける必要がなく、一台の高圧ジェットポンプ5を掘削用と吸引用に共用できるといった利点も具備する。
また、制御バルブ10において、一台の高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、二重管部1のジェット供給管12と地上の混気ジェットポンプ3の両方に供給したり、その一方のみ供給したりと切り替えたり、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなど、状況に応じて高圧ジェット水の供給が各種制御される。
すなわち、粘性の低く水を含んだ軟弱な土砂の場合は、一台の高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、制御バルブ10の切替制御により、二重管部1の地上の混気ジェットポンプ3のみに供給することで、高圧ジェット水の噴出を伴わずに、吸引管11のみによる粘性の低く水を含んだ軟弱な土砂の掘削排土が行える。
その他、制御バルブ10の切替制御により、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなどして、状況に応じて適切な高圧ジェット水の供給を各種制御することが可能である。
なお、所定の狭隘箇所掘削作業後、橋脚Aに沿って、例えば鋼矢板等で囲まれた空間において鉄筋コンクリートを巻き付ける等の補強が施工される。
以上の実施形態では、下方への掘削としたが、横方向や斜め方向あるいは上方向の掘削でも良い。さらに、継ぎ足し管については、フレシキブル管やゴムホースでも良い。
また、以上は、橋脚の補強前の掘削について説明したが、本発明の狭隘箇所用掘削排土装置が、杭の補強前や他の用途の掘削にも適用できることは勿論である。
〔第2実施形態〕
図10は本発明を適用した第2実施形態を示すもので、二重管部1の先部(下部)のノズルヘッド管41を示しており、基本的には図9と同様の外管42、吸引口42a、内管43、ジェット流路19が形成されている。
そして、外管42には、ジェット流路19に連続して斜め下向き周面に開口する多数のノズル通路46が形成されている。このノズル通路46にノズル47が装着されており、従って、斜めノズル47となっている。図示例では、外管42の円周方向に沿って等間隔に15個の斜めノズル47が設けられている。
このような斜めノズル47による高圧ジェット水の外側に向けた噴出によって、二重管部1の周囲の土砂も効果的に掘削される。
従って、掘削効率を一段と向上できる。
〔第3実施形態〕
図11は本発明を適用した第3実施形態を示すもので、吸引管11の先部(下部)に設ける二重管部1としてのノズルヘッド管51を示しており、内径100mm程度で長さ400mm程度の内管52の上端部にフランジ継手53を備えるとともに、内管52の下半部に外管54を備えている。
図示例において、外管54は断面長円形状のもので、最大内径220mm程度、最小外径125mm程度、長さ200mm程度を有し、中央部に内管52が内接接合されて、上下端が閉塞されている。この外管54の長径方向に対向する上端に、攪拌側ジェット高圧ホース7が高圧ニップル取付用ネジ55で接続されている。そして、外管54の長径方向に対向する下端には、中央の直噴ノズル56と、その短径方向に沿った両側に位置する外向きの斜めノズル57とが組み付けられている。
以上の二重管部1、すなわち、ノズルヘッド管51は、その内管52をフランジ継手53で吸引管11の先部(下部)に連結して備えられる。具体的には、吸引管11の先部(下部)に、図示しないが、フランジ継手53と対応するフランジ継手を備えておき、そのフランジ継手にフランジ継手53をボルトナット結合することで、ノズルヘッド管51を吸引管11の先部(下部)に連結して備える。
こうして、吸引管11の先部(下部)において、ノズルヘッド管51による二重管部1が構成される。
このように、断面形状が細長い二重管部1で直噴ノズル56及び斜めノズル57を備えた構成のものを用いれば、狭隘箇所Cの掘削排土において、回転による攪拌効率及び排土効率に一段と優れたものとなる。
〔第4実施形態〕
図12は本発明を適用した第4実施形態を示すもので、吸引管11の基部(上部)のエルボー管21には継手管61がネジ込み結合されており、さらに、継手管61には中空回転継手62がネジ込み結合されている。
このように、継手管61及び中空回転継手62を備えるエルボー管21を、吸引管11の上部(基部)に構成しても良い。
なお、以上の実施形態においては、二重管部の内管を吸引管として外管をジェット供給管としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、二重管部の内管をジェット供給管として外管を吸引管としても良い。
また、二重管部の断面形状についても、真円形状や長円形状に限らず、楕円形状、四角形状など任意であり、その他、狭隘箇所の幅寸法、二重管部の寸法、斜めノズルの傾斜角度、各種部材の諸寸法や具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
また、実施形態では、地上での狭隘箇所掘削を説明したが、水中での狭隘箇所掘削も同様に行える。
本発明を適用した第1実施形態のシステム構成を示す概念図である。 図1の二重管部のノズル部分を作用とともに示した横断面図である。 本発明による狭隘箇所の掘削排土作業の一例を示すもので、移動機としてバックホーの使用例を示した概略側面図である。 図3の吸引管に備えるアタッチメントの一例を示したもので、側面図(a)及び正面図(b)である。 本発明による狭隘箇所の掘削排土作業の一例を示すもので、移動機としてクレーン(トラッククレーン)の使用例を示した概略側面図である。 図5の吸引管に備えるアタッチメントの一例を示したもので、側面図(a)及び正面図(b)である。 図1の二重管部の基部を示す一例としての縦断側面図である。 図1の二重管部の中間部を示す一例としての縦断側面図である。 図1の二重管部の先部を示す一例としての縦断側面図(a)及び底面図(b)である。 本発明を適用した第2実施形態を示すもので、二重管部の先部を示した一例としての縦断側面図(a)及び底面図(b)である。 本発明を適用した第3実施形態を示すもので、吸引管の先部を示した一例としての側面図(a)、縦断正面図(b)及び底面図(c)である。 本発明を適用した第4実施形態を示すもので、吸引管の基部を示した一例としての側面図(a)及び正面図(b)と、その継手部分の要部破断図(c)である。
符号の説明
A 壁状の構造物、橋脚など
B 壁状の構造物、地盤など
C 狭隘箇所
D 掘削専用機アーム
E バックホー(移動機;掘削専用機)
F クレーン(移動機)
G ブーム
H ワイヤ
1 二重管部
2 吸引ホース
3 混気ジェットポンプ
4 排出ホース
5 高圧ジェットポンプ
6 吸引側ジェット高圧ホース
7 攪拌側ジェット高圧ホース
8 水・土砂分離設備
9 送水ホース
10 制御バルブ
11 吸引管
12 ジェット供給管
13 ノズル
14 アタッチメント
15 アタッチメント
17 ジェット流路
18 ジェット流路
19 ジェット流路
21 エルボー管
22 ホルダー管
22c ジェット導入口
25 外管
26 回転継手
27 内管
31 ストレート管
32 外管
33 内管
34 スペーサー
35 継手管
41 ノズルヘッド管
42 外管
42a 吸引口
43 内管
44 ノズル通路
45 直噴ノズル
46 ノズル通路
47 斜めノズル
51 ノズルヘッド管
52 内管
53 フランジ継手
54 外管
55 高圧ニップル取付用ネジ
56 直噴ノズル
57 斜めノズル
61 継手管
62 中空回転継手

Claims (16)

  1. 狭隘箇所で掘削される掘削土を吸引する吸引管が混気ジェットポンプの吸引側にホースを介して接続され、
    前記吸引管の先端部に内管が連結され、
    前記内管が断面長円形状の外管の中央部に内接され、
    前記外管が高圧ジェットポンプホースを介して接続されるとともに前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水供給され
    この外管の先端部に、狭隘箇所の掘削部に対し高圧ジェット水を噴出する複数のノズルを設けたことを特徴とする狭隘箇所用掘削排土装置。
  2. 前記混気ジェットポンプの吸引側には、前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水を供給するホースが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
  3. 前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水の供給を、前記外管及び前記混気ジェットポンプの両方と一方のみの切り替え動作、供給する高圧ジェット水の流量変化及び/または圧力変化の制御を可能とする制御バルブを備えることを特徴とする請求項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
  4. 前記吸引管の一部に、バックホー、クレーン等の移動機に連結されるアタッチメントを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
  5. 前記吸引管は、少なくとも先端部を回転可能とする回転継手を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
  6. 前記複数のノズルが、前記外管の長径方向における前記内管の両側で、前記外管の短径方向に配列されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置
  7. 前記複数のノズルのうち前記外管の短径方向の両側に配置されたノズルが、外側に向けた斜めノズルであることを特徴とする請求項6に記載の狭隘箇所用掘削排土装置
  8. 前記複数のノズルのうち斜めノズルの間に配置されたノズルが、直噴ノズルであることを特徴とする請求項7に記載の狭隘箇所用掘削排土装置
  9. 前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端が閉塞され、前記複数のノズルがその閉塞された部分に設けられ、
    前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端の反対側の端部が閉塞され、その閉塞された部分にニップルが設けられ、前記高圧ジェットポンプからのホースが前記ニップルに接続されていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、
    前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出することを特徴とする狭隘箇所の掘削排土工法。
  11. 前記吸引管の一部をバックホー、クレーン等の移動機に保持して、狭隘箇所の掘削排土を連続的に行うことを特徴とする請求項10に記載の狭隘箇所の掘削排土工法。
  12. 作業空間に制限を受ける場所において、少なくとも前記吸引管を継ぎ足すことで深くまで掘削排土することを特徴とする請求項10または11に記載の狭隘箇所の掘削排土工法。
  13. 請求項5に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、
    前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記吸引管の少なくとも先端部を前記回転継手により回転させながら前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出することを特徴とする狭隘箇所の掘削排土工法。
  14. 幅200〜500mmの狭隘箇所の掘削部を掘削することを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載の狭隘箇所の掘削排土工法
  15. 請求項1からのいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置と、
    前記吸引管の一部を保持するバックホー、クレーン等の移動機と、
    前記吸引管にホースを介して吸引側が接続される混気ジェットポンプと、
    この混気ジェットポンプと前記管とにホースを各々介して高圧ジェット水をそれぞれ供給する高圧ジェットポンプと、
    前記混気ジェットポンプの排出側にホースを介して接続され、混気ジェットポンプから排出された泥水を水と土砂とに分離する水・土砂分離設備と、
    から構成されることを特徴とする狭隘箇所の掘削排土システム。
  16. 前記水・土砂分離設備で土砂と分離された水の一部を前記高圧ジェットポンプに供給し、高圧ジェット水として再利用することを特徴とする請求項15に記載の狭隘箇所の掘削排土システム。
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