JP4173161B2 - 狭隘箇所用掘削排土装置、狭隘箇所の掘削排土工法及び掘削排土システム - Google Patents
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Description
従って、狭隘箇所において、二重管部の外管54の先端部に設けた複数のノズル56,57から高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を吸引管11からホース2を介して混気ジェットポンプ3により排出できる。
また、ノズル56,57は外管54の先端部に設けられているので、例えば吸引管の先端部外周に設ける棒状ノズルの場合のように、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損する心配はない。
なお、斜めノズルとしては、固定式ノズルの他、首振りノズル等の可動式ノズルも含まれる。
り回転させることで、二重管部1のノズル13から噴出する高圧ジェット水の回転により掘削土を効率良く攪拌できる。
そして、狭隘箇所において、二重管部1を掘削部に当て、二重管部の外管のノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削しながら、その掘削土を二重管部の吸引管11からホース2を介して混気ジェットポンプ3により排出できる。
また、混気ジェットポンプ3用の高圧ジェットポンプを別途設ける必要がなく、一台の高圧ジェットポンプ5を掘削用と吸引用に共用できる。
さらに、地上において、混気ジェットポンプ3から排出された泥水を、水・土砂分離設備8により水と土砂とに分離できる。
〔第1実施形態〕
図1は本発明を適用した第1実施形態のシステム構成を示す概念図で、図中、A・Bは壁状の構造物など、Cは狭隘箇所、Dは掘削専用機アーム、1は二重管部、2は吸引ホース、3は混気ジェットポンプ、4は排出ホース、5は高圧ジェットポンプ、6は吸引側ジェット高圧ホース、7は攪拌側ジェット高圧ホース、8は水・土砂分離設備、9は送水ホース、10は制御バルブである。
二重管部1は、鋼管による内管及び外管により構成されており、前記幅200〜500mm程度の狭隘箇所Cにおいて、掘削して排土する狭隘箇所用掘削排土装置に備えられている。図示例において、二重管部1は、内管による吸引管11と外管によるジェット供給管12とからなり、ジェット供給管12の下端部(先端部)にノズル13を備えて、上方部(基部)にアタッチメント14を備えている。アタッチメント14には掘削専用機アームDが連結される。掘削専用機アームDは、例えば移動機であるバックホーE(図3参照)に備えられている。
高圧ジェットポンプ5は、高圧ジェット水を供給するもので地上に置かれており、吸引側ジェット高圧ホース6と攪拌側ジェット高圧ホース7を備えている。吸引側ジェット高圧ホース6は、混気ジェットポンプ3の吸引側に接続され、攪拌側ジェット高圧ホース7は、ジェット供給管12の上端部(基端部)に接続されている。
なお、高圧ジェットポンプ5において、吸引側ジェット高圧ホース6及び攪拌側ジェット高圧ホース7は制御バルブ10を介して導出されている。この制御バルブ10において、高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、二重管部1のジェット供給管12と地上の混気ジェットポンプ3の両方に供給したり、その一方のみ供給したりと切り替えたり、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなど、状況に応じて高圧ジェット水の供給を各種制御する。
図示例では、吸引管11の下部(先部)が二重管部1となっており、この二重管部1にジェット供給管12及びノズル13が設けられている。
図示例においても、図3と同様、吸引管11の下部(先部)が二重管部1となっており、この二重管部1にジェット供給管12及びノズル13が設けられている。
ホルダー管22は外径280mm程度の大径部22bに小径部22aを一体化したもので、大径部22b内に複数(図示例では3個)のボールベアリング23及びシールリング24等を介して外管25が回転自在に組み付けられている。これらホルダー管22、ボールベアリング23及び外管25により回転継手26が構成される。
そして、ホルダー管22の大径部22bには、内管27の端部近傍に開口するジェット導入口22cが形成されている。このジェット導入口22cはホルダー管22の直径方向に対向して一対形成される。
こうして、エルボー管21において、二重管部1の基部(上部)が構成され、その外管25と内管27との間に、ジェット導入口22cから連続するジェット流路17が形成される。
また、外管32には継手管35が連結されており、継手管35は外管32から長さ150mm程度突出している。
こうして、ストレート管31による二重管部1の中間部が構成され、その外管32と内管33との間にジェット流路18が形成される。
そして、外管42には、内管43を囲む短いジェット流路19が形成されるとともに、このジェット流路19に連続して端面に開口する多数のノズル通路44が形成されている。このノズル通路44にノズル45が装着されており、従って、直噴ノズル45となっている。図示例では、外管42の円周方向に沿って等間隔に15個の直噴ノズル45が設けられている。
こうして、ノズルヘッド管41による二重管部1の先部(下部)が構成される。
すなわち、エルボー管21の内管27をストレート管31の内管33に嵌め込み接合するとともに、エルボー管21の外管25をストレート管31の外管32にネジ込み結合する。また、ノズルヘッド管41の内管43をストレート管31の内管33に嵌め込み接合するとともに、ノズルヘッド管41の外管42をストレート管31の継手管35にネジ込み結合する。なお、ストレート管31は必要に応じて継ぎ足す。
そして、ホルダー管22のジェット導入口22cに攪拌側ジェット高圧ホース7を接続しておく。
すなわち、高圧ジェットポンプ5の運転により、制御バルブ10、吸引側ジェット高圧ホース6、攪拌側ジェット高圧ホース7を介して混気ジェットポンプ3と二重管部1とに高圧ジェット水をそれぞれ連続的に供給すると、二重管部1において、狭隘箇所Cの掘削排土が短時間で効率良く行える。
そして、二重管部1の吸引管11において、混気ジェットポンプ3で発生する真空吸引力が吸引口42aに作用し、礫を含む掘削土が吸引口42aから吸い上げられて吸引ホース2を介して混気ジェットポンプ3に吸引され、排出ホース4を介して水・土砂分離設備8に排出される。
従って、狭隘箇所Cにおいて、安全でクリーンな掘削排土作業が連続的に行える。
しかも、二重管部1を回転継手26により回転させれば、二重管部1のノズル13(直噴ノズル45)から噴出する高圧ジェット水の回転によって、掘削土を効率良く攪拌できるものとなる。
また、地上においては、水・土砂分離設備8によって、混気ジェットポンプ3から排出された泥水が水と土砂とに分離される。
しかも、その分離された水の一部が高圧ジェットポンプ5に図示しないポンプの運転により送水ホース9を介して供給されて、高圧ジェット水として再利用されるものとなっている。
しかも、ノズル13(直噴ノズル45)はジェット供給管12(ノズルヘッド管41)の先端部に設けられていることから、例えば吸引管の先端部外周に設ける棒状ノズル(特許文献1参照)の場合のように、粘性の高い土砂や礫を含む硬い土砂により破損する心配はないといった利点もある。
さらに、混気ジェットポンプ3の吸引側に、高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を供給する吸引側ジェット高圧ホース6を接続していることから、混気ジェットポンプ3用の高圧ジェットポンプを別途設ける必要がなく、一台の高圧ジェットポンプ5を掘削用と吸引用に共用できるといった利点も具備する。
すなわち、粘性の低く水を含んだ軟弱な土砂の場合は、一台の高圧ジェットポンプ5から高圧ジェット水を、制御バルブ10の切替制御により、二重管部1の地上の混気ジェットポンプ3のみに供給することで、高圧ジェット水の噴出を伴わずに、吸引管11のみによる粘性の低く水を含んだ軟弱な土砂の掘削排土が行える。
その他、制御バルブ10の切替制御により、供給する高圧ジェット水の流量を変化させたり、圧力を変化させたりなどして、状況に応じて適切な高圧ジェット水の供給を各種制御することが可能である。
以上の実施形態では、下方への掘削としたが、横方向や斜め方向あるいは上方向の掘削でも良い。さらに、継ぎ足し管については、フレシキブル管やゴムホースでも良い。
また、以上は、橋脚の補強前の掘削について説明したが、本発明の狭隘箇所用掘削排土装置が、杭の補強前や他の用途の掘削にも適用できることは勿論である。
図10は本発明を適用した第2実施形態を示すもので、二重管部1の先部(下部)のノズルヘッド管41を示しており、基本的には図9と同様の外管42、吸引口42a、内管43、ジェット流路19が形成されている。
そして、外管42には、ジェット流路19に連続して斜め下向き周面に開口する多数のノズル通路46が形成されている。このノズル通路46にノズル47が装着されており、従って、斜めノズル47となっている。図示例では、外管42の円周方向に沿って等間隔に15個の斜めノズル47が設けられている。
従って、掘削効率を一段と向上できる。
図11は本発明を適用した第3実施形態を示すもので、吸引管11の先部(下部)に設ける二重管部1としてのノズルヘッド管51を示しており、内径100mm程度で長さ400mm程度の内管52の上端部にフランジ継手53を備えるとともに、内管52の下半部に外管54を備えている。
図示例において、外管54は断面長円形状のもので、最大内径220mm程度、最小外径125mm程度、長さ200mm程度を有し、中央部に内管52が内接接合されて、上下端が閉塞されている。この外管54の長径方向に対向する上端に、攪拌側ジェット高圧ホース7が高圧ニップル取付用ネジ55で接続されている。そして、外管54の長径方向に対向する下端には、中央の直噴ノズル56と、その短径方向に沿った両側に位置する外向きの斜めノズル57とが組み付けられている。
こうして、吸引管11の先部(下部)において、ノズルヘッド管51による二重管部1が構成される。
このように、断面形状が細長い二重管部1で直噴ノズル56及び斜めノズル57を備えた構成のものを用いれば、狭隘箇所Cの掘削排土において、回転による攪拌効率及び排土効率に一段と優れたものとなる。
図12は本発明を適用した第4実施形態を示すもので、吸引管11の基部(上部)のエルボー管21には継手管61がネジ込み結合されており、さらに、継手管61には中空回転継手62がネジ込み結合されている。
このように、継手管61及び中空回転継手62を備えるエルボー管21を、吸引管11の上部(基部)に構成しても良い。
また、二重管部の断面形状についても、真円形状や長円形状に限らず、楕円形状、四角形状など任意であり、その他、狭隘箇所の幅寸法、二重管部の寸法、斜めノズルの傾斜角度、各種部材の諸寸法や具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
また、実施形態では、地上での狭隘箇所掘削を説明したが、水中での狭隘箇所掘削も同様に行える。
B 壁状の構造物、地盤など
C 狭隘箇所
D 掘削専用機アーム
E バックホー(移動機;掘削専用機)
F クレーン(移動機)
G ブーム
H ワイヤ
1 二重管部
2 吸引ホース
3 混気ジェットポンプ
4 排出ホース
5 高圧ジェットポンプ
6 吸引側ジェット高圧ホース
7 攪拌側ジェット高圧ホース
8 水・土砂分離設備
9 送水ホース
10 制御バルブ
11 吸引管
12 ジェット供給管
13 ノズル
14 アタッチメント
15 アタッチメント
17 ジェット流路
18 ジェット流路
19 ジェット流路
21 エルボー管
22 ホルダー管
22c ジェット導入口
25 外管
26 回転継手
27 内管
31 ストレート管
32 外管
33 内管
34 スペーサー
35 継手管
41 ノズルヘッド管
42 外管
42a 吸引口
43 内管
44 ノズル通路
45 直噴ノズル
46 ノズル通路
47 斜めノズル
51 ノズルヘッド管
52 内管
53 フランジ継手
54 外管
55 高圧ニップル取付用ネジ
56 直噴ノズル
57 斜めノズル
61 継手管
62 中空回転継手
Claims (16)
- 狭隘箇所で掘削される掘削土を吸引する吸引管が混気ジェットポンプの吸引側にホースを介して接続され、
前記吸引管の先端部に内管が連結され、
前記内管が断面長円形状の外管の中央部に内接され、
前記外管が高圧ジェットポンプにホースを介して接続されるとともに前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水を供給され、
この外管の先端部に、狭隘箇所の掘削部に対し高圧ジェット水を噴出する複数のノズルを設けたことを特徴とする狭隘箇所用掘削排土装置。 - 前記混気ジェットポンプの吸引側には、前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水を供給するホースが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記高圧ジェットポンプから高圧ジェット水の供給を、前記外管及び前記混気ジェットポンプの両方と一方のみの切り替え動作、供給する高圧ジェット水の流量変化及び/または圧力変化の制御を可能とする制御バルブを備えることを特徴とする請求項2に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記吸引管の一部に、バックホー、クレーン等の移動機に連結されるアタッチメントを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記吸引管は、少なくとも先端部を回転可能とする回転継手を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記複数のノズルが、前記外管の長径方向における前記内管の両側で、前記外管の短径方向に配列されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記複数のノズルのうち前記外管の短径方向の両側に配置されたノズルが、外側に向けた斜めノズルであることを特徴とする請求項6に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記複数のノズルのうち斜めノズルの間に配置されたノズルが、直噴ノズルであることを特徴とする請求項7に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。
- 前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端が閉塞され、前記複数のノズルがその閉塞された部分に設けられ、
前記外管の長径方向における前記内管の両側で前記外管の先端の反対側の端部が閉塞され、その閉塞された部分にニップルが設けられ、前記高圧ジェットポンプからのホースが前記ニップルに接続されていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、
前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出することを特徴とする狭隘箇所の掘削排土工法。 - 前記吸引管の一部をバックホー、クレーン等の移動機に保持して、狭隘箇所の掘削排土を連続的に行うことを特徴とする請求項10に記載の狭隘箇所の掘削排土工法。
- 作業空間に制限を受ける場所において、少なくとも前記吸引管を継ぎ足すことで深くまで掘削排土することを特徴とする請求項10または11に記載の狭隘箇所の掘削排土工法。
- 請求項5に記載の狭隘箇所用掘削排土装置を用い、
前記内管及び前記外管を狭隘箇所の掘削部に当て、前記吸引管の少なくとも先端部を前記回転継手により回転させながら前記ノズルから高圧ジェット水を噴出して掘削するとともに、その掘削土を前記吸引管から排出することにより、狭隘箇所の掘削土を排出することを特徴とする狭隘箇所の掘削排土工法。 - 幅200〜500mmの狭隘箇所の掘削部を掘削することを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載の狭隘箇所の掘削排土工法。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の狭隘箇所用掘削排土装置と、
前記吸引管の一部を保持するバックホー、クレーン等の移動機と、
前記吸引管にホースを介して吸引側が接続される混気ジェットポンプと、
この混気ジェットポンプと前記外管とにホースを各々介して高圧ジェット水をそれぞれ供給する高圧ジェットポンプと、
前記混気ジェットポンプの排出側にホースを介して接続され、混気ジェットポンプから排出された泥水を水と土砂とに分離する水・土砂分離設備と、
から構成されることを特徴とする狭隘箇所の掘削排土システム。 - 前記水・土砂分離設備で土砂と分離された水の一部を前記高圧ジェットポンプに供給し、高圧ジェット水として再利用することを特徴とする請求項15に記載の狭隘箇所の掘削排土システム。
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