JP4173083B2 - 覚醒状態判定装置及び覚醒状態判定方法 - Google Patents
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Description
請求項2記載の発明では、前記覚醒状態判定手段は、車速が所定値以上のときに、覚醒状態が低下したか否かを判定することを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記操作状態判定手段は、制動操作,操舵操作,ウインカー操作及び変速操作のうち、少なくとも制動操作を含む1つ以上の操作のすべてがなされていないときに、車両操作中でないと判定することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記視線方向検出手段は、顔面の画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された画像から、顔面輪郭を抽出する顔面輪郭抽出手段と、前記撮像手段により撮像された画像及び顔面輪郭抽出手段により抽出された顔面輪郭に基づいて、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率を算出する顔面面情報算出手段と、該顔面面情報算出手段により算出された顔面全体に対する額及び両頬の面積比率に基づいて、撮像方向に対する顔面旋回方向を推定する顔面旋回方向推定手段と、前記撮像手段により撮像された画像から、両瞳及び鼻が位置する座標を検出する座標検出手段と、該座標検出手段により検出された両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形の重心を算出する重心算出手段と、前記両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形並びに重心算出手段により算出された重心に基づいて、顔面における視線方向を推定する視線方向推定手段と、前記顔面旋回方向推定手段により推定された顔面旋回方向に基づいて、前記視線方向推定手段により推定された視線方向を撮像方向に対する視線方向となるように補正する視線方向補正手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記顔面特徴設定手段により設定された範囲を、最新画像に基づいて更新学習する顔面特徴学習手段を備えたことを特徴とする。
請求項11記載の発明に係る覚醒状態判定方法では、視線方向検出装置により検出した視線方向が周囲空間を所定規則で分割した複数領域の1つに固定された状態が、視線がある領域の特性及び車速に応じて動的に設定された所定時間連続したときに、覚醒状態が低下したとコンピュータに判定させることを特徴とする。
このとき、覚醒状態が低下したか否かを判定するための所定時間は、視線がある領域の特性及び車速に基づいて動的に設定される。即ち、車両運転者は、メータなどを目視するときに、その領域に長くても1,2秒視線を固定するに過ぎない。また、高速道路を走行しているときのように車速が大であるときには、できるだけ車両前方を目視すべきである。このため、視線がある領域の特性及び車速に基づいて所定時間を動的に設定することで、車両運転という特定状況下での判定精度を一層向上させることができる。
請求項6記載の発明によれば、顔面を撮像した画像及びこれから抽出された顔面輪郭に基づいて、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率が算出される。そして、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率に基づいて、撮像方向に対する顔面旋回方向が推定される。また、顔面を撮像した画像から両瞳及び鼻の座標が検出され、両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形の重心が算出される。その後、逆三角形及びその重心に基づいて顔面における視線方向が推定され、顔面旋回方向に基づいて視線方向が撮像方向に対する視線方向となるように補正される。従って、被写体に直接装着するアイカメラなどを使用しなくとも、顔面を撮像した画像から、顔面構成要素を介して、視線方向を間接的かつ高精度に検出することができる。
請求項8記載の発明によれば、顔面のうち両眼及び鼻が占める範囲内の画像から、両瞳及び鼻が位置する座標が検出されるので、画像処理に要する負荷が低減し、処理能力を向上させることができる。
請求項10記載の発明によれば、両鼻孔の中心を結ぶ線分の中点が鼻座標となるので、鼻が位置する座標を高精度に特定することができる。
図1は、キャブオーバ型のトラックに対し本発明を適用して構築した覚醒状態判定装置の構成を示す。
覚醒状態判定装置は、車両運転者10の視線方向を検出するアイカメラなどの視線方向検出装置20(視線方向検出手段)と、車速Vを検出する車速センサ30と、制動操作中にONとなるブレーキスイッチ40と、操舵角θを検出する操舵角センサ50と、ウインカー操作中にONとなるウインカースイッチ60と、変速操作中にONとなるシフトスイッチ70と、車両運転者10に対して注意を喚起する警報装置80と、コンピュータを内蔵した制御装置90と、を含んで構成される。制御装置90は、視線方向検出装置20,車速センサ30,ブレーキスイッチ40,操舵角センサ50,ウインカースイッチ60及びシフトスイッチ70の各信号に基づいて車両運転者10の覚醒状態を判定すると共に、覚醒状態が低下したときに警報装置80を作動させる。そして、制御装置90では、ROM(Read Only Memory)などのメモリに記憶されたプログラムにより、図2に示すように、領域設定手段90A,時間設定手段90B及び覚醒状態判定手段90Cが夫々実現される。なお、警報装置80としては、ブザー(音),シート振動(感覚)又は香り(匂い)などで注意を喚起する構成が採用可能である。
覚醒状態判定手段90Cでは、視線方向検出装置20により検出された視線方向、並びに、領域設定手段90A及び時間設定手段90Bにより夫々設定された各領域及び判定時間に基づいて、後述する処理により、車両運転者10の覚醒状態を判定する機能が提供される。また、覚醒状態判定手段90Cでは、車両運転者10の覚醒状態が低下したと判定されたときに、車両運転者10に対して注意を喚起すべく、警報装置80を作動させる機能も提供される。なお、警報装置80及び制御装置90の協働による前記機能により、注意喚起手段が実現される。
メインルーチンを示す図4において、ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、車両運転者10が制動操作中であるか否か、即ち、ブレーキスイッチ40からの信号がONであるか否かが判定される。そして、制動操作中であれば処理を終了する一方(Yes)、制動操作中でなければステップ2へと進む(No)。
ステップ3では、車両運転者10がウインカーを操作中であるか否か、即ち、ウインカースイッチ60からの信号がONであるか否かが判定される。そして、ウインカー操作中であれば処理を終了する一方(Yes)、ウインカー操作中でなければステップ4へと進む(No)。
ステップ6では、車両運転者10の視線方向をパラメータとして、その覚醒状態を判定するサブルーチン(図5参照)がコールされる。
以上説明したメインルーチンによれば、視線方向検出及び覚醒状態判定は、車両運転者10が車両操作中でないときのみ実行される。即ち、車両運転者10が、制動操作中,操舵操作中,ウインカー操作中又は変速操作中であるときには、その操作を行うために十分覚醒していると考えられる。このため、車両運転者10がかかる状態のときに、視線方向検出及び覚醒状態判定を行わないことで、制御装置90の処理負荷を低減しつつ、誤判定を効果的に防止することができる。なお、車両操作としては、少なくとも制動操作を含むようにすればよい。
ステップ13では、車両運転者10の視線方向が、設定した領域外にあるか否かが判定される。そして、視線方向が設定領域外にあればステップ14へと進む一方(Yes)、視線方向が設定領域内にあればメインルーチンへと戻る(No)。
ステップ15では、車速V及び視線がある領域(以下「視線領域」という)に基づいて、固視状態であるか否かを判定するための判定時間が設定される。即ち、メータなどを目視する領域(鉛直面のM領域かつ水平面のI領域)は、通常では長くても1,2秒視線が固定されるに過ぎない。また、高速道路を走行しているときのように車速Vが速いときには、単位時間あたりに車両が走行する距離が大であるため、できるだけ車両前方を目視すべきである。このため、視線領域及び車速Vに基づいて判定時間を動的に設定することで、車両運転という特定状況下での判定精度を一層向上させることができる。
ステップ17では、車両運転者10の視線方向が同一領域に長時間固定されたので、覚醒状態が低下したと判定される。
以上説明したサブルーチンによれば、車両運転者10の視線方向が所定領域にあり、かつ、車速Vが所定値V0以上であるとき、車速V及び視線領域に基づいて、固視状態であるか否かを判定するための判定時間が設定される。そして、同一領域内において視線方向が判定時間連続して固定されると、車両運転者10の覚醒状態が低下したと判定し、注意を喚起すべく警報装置80が作動される。このため、車両運転者10の覚醒状態は、従来技術のような眼の瞬きではなく、視線方向の固定状態により判定されることとなり、無意識な固視状態を含む広範な覚醒状態低下を間接的かつ高精度に判定することができる。
顔面面情報算出手段90Eでは、画像及び顔面輪郭に基づいて、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率(以下「顔面面情報」という)が算出される。即ち、図7に示すように、画像を所定間隔のメッシュで分割し、額及び両頬が占める範囲に含まれる矩形要素を計数することで、顔面輪郭により区画される顔面全体に対する額及び両頬が占める面積比率(割合)が算出される。
顔面特徴設定手段90Iでは、画像処理範囲を限定して処理能力を向上させるべく、車両運転者10の顔面のうち両眼及び鼻が占めるであろうと考えられる範囲(以下「顔面特徴」という)が設定される。即ち、車両運転者10の両眼及び鼻は、その身体的特徴である身長,座高などにより異なる高さにある。画像全体から両眼及び鼻を抽出することは可能であるが、制御装置90に対して高い処理能力を要求することとなり、コストなどの面からも現実的でない。そこで、顔面特徴に基づいて画像処理範囲を限定することで、処理負荷の低減を通して処理能力を向上させることができる。
両瞳座標検出手段90Kでは、最新の顔面特徴により限定される画像処理範囲について、画像から両眼領域が抽出される。そして、抽出された両眼領域からさらに両瞳が抽出され、瞳座標としてその中心座標が夫々検出される。なお、車両運転者10がサングラスを着用しているときには、両瞳位置を画像から特定することができないので、サングラスのレンズ中心を瞳座標とすればよい。
重心算出手段90Mでは、図11に示すように、両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形の重心が算出される。
次に、制御装置90で実行される視線方向検出処理について、図13に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップ22では、画像から顔面輪郭が抽出される。
ステップ23では、画像及び顔面輪郭に基づいて顔面面情報が算出される。
ステップ24では、顔面面情報に基づいて撮像方向に対する顔面旋回方向が推定される。
ステップ26では、最新の顔面特徴に基づいて顔面のうち両眼及び鼻が占めるであろうと考えられる画像処理範囲(抽出範囲)が限定される。
ステップ27では、限定された右眼抽出範囲について、画像から右眼領域が抽出される。
ステップ29では、限定された左眼抽出範囲について、画像から左眼領域が抽出される。
ステップ30では、抽出された左眼領域から更に左瞳が抽出され、左瞳座標として、その中心座標が算出される。
ステップ32では、抽出された鼻孔領域から、鼻座標として、左右の鼻孔中心を結ぶ線分の中点座標が算出される。
ステップ33では、両瞳座標及び鼻座標を夫々頂点とする逆三角形が作成される。
ステップ34では、作成された逆三角形の各頂点座標からその重心座標が算出される。
ステップ36では、撮像方向に対する顔面旋回方向に基づいて、顔面における視線方向が補正され、車両前方に対する視線方向が求められる。
かかる視線方向検出処理によれば、顔面を撮像した画像から顔面輪郭が抽出されると共に、画像及び顔面輪郭に基づいて、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率が算出される。ここで、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率は、図8に示すように、撮像方向に対する顔面旋回方向に応じて規則性をもって変化する特性がある。そこで、その規則性を用いることで、顔面撮像方向に対する顔面旋回方向を推定することができる。
20 視線方向検出装置
30 車速センサ
40 ブレーキスイッチ
50 操舵角センサ
60 ウインカースイッチ
70 シフトスイッチ
80 警報装置
90 制御装置
90A 領域設定手段
90B 時間設定手段
90C 覚醒状態判定手段
90D 顔面輪郭抽出手段
90E 顔面面情報算出手段
90F 顔面旋回方向推定手段
90G 撮像方向設定手段
90H 顔面旋回方向補正手段
90I 顔面特徴設定手段
90J 顔面特徴学習手段
90K 両瞳座標検出手段
90L 鼻座標検出手段
90M 重心算出手段
90N 視線方向推定手段
90O 視線方向補正手段
100 撮像装置
Claims (11)
- 視線方向を検出する視線方向検出手段と、
該視線方向検出手段により検出された視線方向が、周囲空間を所定規則で分割した複数領域の1つに所定時間連続して固定されたときに、覚醒状態が低下したと判定する覚醒状態判定手段と、
前記複数領域のうち視線がある領域の特性及び車速に基づいて、前記所定時間を動的に設定する時間設定手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする覚醒状態判定装置。 - 前記覚醒状態判定手段は、車速が所定値以上のときに、覚醒状態が低下したか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の覚醒状態判定装置。
- 車両運転者による車両操作状態を判定する操作状態判定手段を備え、
前記覚醒状態判定手段は、前記操作状態判定手段により車両操作中でないと判定されたときに、覚醒状態が低下したか否かを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の覚醒状態判定装置。 - 前記操作状態判定手段は、制動操作,操舵操作,ウインカー操作及び変速操作のうち、少なくとも制動操作を含む1つ以上の操作のすべてがなされていないときに、車両操作中でないと判定することを特徴とする請求項3記載の覚醒状態判定装置。
- 前記覚醒状態判定手段により覚醒状態が低下したと判定されたときに、注意を喚起する注意喚起手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の覚醒状態判定装置。
- 前記視線方向検出手段は、
顔面の画像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段により撮像された画像から、顔面輪郭を抽出する顔面輪郭抽出手段と、
前記撮像手段により撮像された画像及び顔面輪郭抽出手段により抽出された顔面輪郭に基づいて、顔面全体に対する額及び両頬の面積比率を算出する顔面面情報算出手段と、
該顔面面情報算出手段により算出された顔面全体に対する額及び両頬の面積比率に基づいて、撮像方向に対する顔面旋回方向を推定する顔面旋回方向推定手段と、
前記撮像手段により撮像された画像から、両瞳及び鼻が位置する座標を検出する座標検出手段と、
該座標検出手段により検出された両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形の重心を算出する重心算出手段と、
前記両瞳及び鼻の座標を線分で結んだ逆三角形並びに重心算出手段により算出された重心に基づいて、顔面における視線方向を推定する視線方向推定手段と、
前記顔面旋回方向推定手段により推定された顔面旋回方向に基づいて、前記視線方向推定手段により推定された視線方向を撮像方向に対する視線方向となるように補正する視線方向補正手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の覚醒状態判定装置。 - 基準方向に対する撮像方向のオフセット角度に基づいて、前記顔面旋回方向推定手段により推定された顔面旋回方向を基準方向に対する顔面旋回方向となるように補正する顔面旋回方向補正手段を備え、
前記視線方向補正手段は、前記顔面旋回方向補正手段により補正された顔面旋回方向に基づいて、前記視線方向推定手段により推定された視線方向を基準方向に対する視線方向となるように補正することを特徴とする請求項6記載の覚醒状態判定装置。 - 前記顔面のうち両眼及び鼻が占める範囲を設定する顔面特徴設定手段を備え、
前記座標検出手段は、前記顔面特徴設定手段により設定された範囲内の画像から、両瞳及び鼻が位置する座標を検出することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の覚醒状態判定装置。 - 前記顔面特徴設定手段により設定された範囲を、最新画像に基づいて更新学習する顔面特徴学習手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の覚醒状態判定装置。
- 前記座標検出手段は、両鼻孔の中心を結ぶ線分の中点を鼻座標とすることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載の覚醒状態判定装置。
- 視線方向検出装置により検出した視線方向が周囲空間を所定規則で分割した複数領域の1つに固定された状態が、視線がある領域の特性及び車速に応じて動的に設定された所定時間連続したときに、覚醒状態が低下したとコンピュータに判定させることを特徴とする覚醒状態判定方法。
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