JP4172835B2 - ゴム系感圧接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム系感圧接着剤組成物に関し、さらに詳しく述べると、金属汚染が少なく、したがって半導体装置等の製造において研磨布、研磨パッドなどの研磨材の固定に有利に使用することのできるゴム系感圧接着剤組成物に関する。本発明の感圧接着剤組成物は、したがって、半導体装置の製造過程においてウェーハや集積回路(IC)などの表面をポリシングする際に、使用する研磨材を研磨装置の定盤に固定するのに使用した場合、研磨材の固定に十分な接着力、初期粘着力、剪断応力を提供することができ、また、固定した研磨材の再剥離が容易で、しかも該組成物の使用に原因して被研磨体が金属汚染されることもない。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造において、シリコンウェーハやICなどの表面を研磨材でポリシングする作業が屡々行われている。ここで、研磨材は、例えば軟質あるいは粘弾性に富んだ研磨布、例えば人工皮革、研磨パッドなどであり、研磨装置のステンレス鋼製等の研磨定盤に固定して用いられる。研磨材を定盤に固定するためには、通常、両面テープ、例えばアクリル系粘着剤を基材に塗布した両面テープやゴム系粘着剤を基材に塗布した両面テープが使用されている。研磨材貼付用の両面テープあるいはそれに類する粘着材に要求されている性質は、例えば、様々な被着体に対して適度な粘着性を有し、初期の粘着性に優れ、研磨時の高い剪断力に耐え(時として研磨時に発生する熱の存在において)、研磨材の剥離時に糊残りを生じることなく適当な力で剥離可能であること、などである。また、最近の傾向として、微量の金属等の存在が半導体装置の特性などに大きな影響を及ぼすことを考慮して、使用する研磨材が金属等の汚染を引き起こす可能性のある物質を含まないことが切望されている。しかしながら、従来一般的に用いられている研磨材貼付用の両面テープは、それに課されている多くの要求を十分に満足させるに至っていない。また、その他の粘着剤及びそれを使用した粘着テープも、上記のような研磨材貼付の目的に使用した場合、問題を伴わずに満足に使用することができない。
【0003】
例えば、特開平6−158008号公報は、二重結合を有するゴム系エラストマー、熱反応性フェノール樹脂、そして架橋触媒としての有機金属化合物、例えば金属アルコレート及び(又は)キレート化金属アルコレートを含有することを特徴とする粘着剤組成物、そしてその組成物を支持体の片面もしくは両面に形成してなる粘着テープを開示している。この粘着剤組成物は、特に、常温においてはもちろんのこと、高温下においても優れた粘着力及び凝集力を奏することができるので、それを使用した粘着テープを、例えば、プリント基板のハンダ浸漬時のマスキングテープ用などとして有利に使用することができる。しかし、この粘着テープは、それを研磨材貼付の目的に使用した場合、触媒として使用した有機金属化合物の金属が研磨材を汚染し、製作される半導体装置の特性に対する悪影響を回避することができない。
【0004】
また、特開平7−126590号公報は、粘着力、接着力を低下させることなく凝集力を向上させるために、天然ゴム又はポリイソプレンゴムを主成分とし、これに対して特定の脂肪族石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂を配合したことを特徴とする、ゴム系の感圧性接着剤組成物を開示している。この接着剤組成物は、粘着力、接着力及び凝集力の格段にすぐれたバランス特性を得られるという点で注目に値するというものの、研磨材貼付の目的についてみると、接着特性のさらなる改良が求められる。なお、この接着剤組成物の場合、その調製の際に特に金属化合物を使用する必要がないので、研磨材の汚染が回避できるであろう。
【0005】
さらに、特開平7−278509号公報は、重量平均分子量が100,000〜500,000のゴムと粘着付与樹脂とを混合してなるゴム系ホットメルト粘着剤を基材に塗布し、その粘着剤層に電子線を照射することを特徴とするゴム系粘着テープの製造方法を開示している。この方法を使用すると、溶剤を使用しないので製造工程が簡略化される、架橋剤などを添加していないので、保存性及び塗工性が良好である、などの効果を得ることができる。しかし、この粘着テープも、研磨材貼付の目的についてみると、保持力等の要求粘着特性を十分に満足させるには至っておらず、また、ゴム分子の架橋を電子線照射に依存しているので、電子線照射装置などの導入による製造コストの増加を回避することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記したような従来の技術の問題点を解決して、特に半導体装置の製造において使用する研磨材を研磨装置の定盤に固定するのに使用するためのものであって、研磨材に貼付した直後であっても十分な接着強度が得られ、また、粘着テープの形態で使用した時、テープの剥離時に糊残りなくテープを剥離することができ、かつ、ウェーハやICなどに対する金属汚染の可能性を有しない、改良された感圧接着剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、本発明によると、天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムと、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックを有するブロック共重合体とを含むエラストマー成分ならびに熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤を含むゴム系感圧接着剤組成物であって、
前記エラストマー成分の全量の20〜90重量%が前記天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムでありかつ前記エラストマー成分の全量の80〜10重量%が前記ブロック共重合体であり、そして
前記エラストマー成分100重量部に対して2〜40重量部の量が前記熱反応性フェノール樹脂であること、及び
ポリイソシアネート化合物をさらに含むこと
を特徴とするゴム系感圧接着剤組成物によって達成することができる。
【0008】
本発明による接着剤組成物では、系の構成成分として金属化合物を使用しないで、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックを有するブロック共重合体と天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムとを組み合わせて使用し、この混合物をベースポリマーとし、これにさらに熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤を配合して架橋反応を行わせて接着剤組成物を構成している。このようにして得られる接着剤組成物は、本発明の目的としているシリコンウェーハ、IC等の研磨時の研磨材の固定に必要とされる所定の粘着力ならびに優れた初期接着力、凝集力及び再剥離性を有している。また、この接着剤組成物では、ポリイソシアネート化合物をさらに配合しているので、凝集力を向上させ、よって、特性のバランスに優れた接着剤組成物を提供することができる。
【0009】
さらに、本発明のもう1つの面によれば、本発明のゴム系感圧接着剤組成物を基材の片面あるいは両面に塗工してなることを特徴とする、特にシリコンウェーハ、IC等の研磨時の研磨材の固定に有用な粘着テープも提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明によるゴム系感圧接着剤組成物は、上記したように、天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムと、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックを有するブロック共重合体とを含むエラストマー成分を主たる成分として使用する。ここで、天然ゴム及びポリイソプレンゴムは、それぞれ、ゴム系接着剤組成物において通常用いられているものをそのまま、あるいは必要に応じて変性するなどして、使用することができる。例えば、天然ゴムは、合成あるいは架橋されたものであってもよい。天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムは、優れた凝集力と粘着力の良好なバランスを得ることを目的として、それをムーニー粘度ML1+4 (100℃)で規定した場合20〜120の範囲にあるのが好ましい。また、かかる範囲のムーニー粘度を得るため、天然ゴム及びポリイソプレンゴムは、単独で使用してもよく、あるいは両者を適当な比率で混合して使用してもよい。なお、もしもムーニー粘度が20を下回ると、得られる接着剤組成物の凝集力が小さくなり、また、反対に120を上回ると、粘着力が小さくなる。
【0011】
また、エラストマー成分を構成するために天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムと組み合わせて用いられるブロック共重合体は、上記したように、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックを有するブロック共重合体(以下、「SIS」とも記す)である。SISは、特に、従来の接着剤組成物において多量に使用されてきた粘着付与剤(粘着付与樹脂とも呼ばれている)の量を減らして、少ない粘着付与剤の使用量で高い接着力を得るのに有効である。また、SISは、この技術分野においてゴム系エラストマーとしても知られており、また、商業的に容易に入手可能である。市販のSISは、例えば、シェル化学社製の「クレイトン1107」(商品名)などを包含する。SISにおいて、それを構成する2成分、すなわち、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックの混合比率は、上記したようなその使用目的に悪影響を及ぼさない限りにおいて広く変更することができる。スチレン重合体ブロックの配合量は、通常、SISの全量を基準にして50〜10重量%であり、好ましくは30〜10重量%である。また、イソプレン重合体ブロックの配合量は、通常、SISの全量を基準にして50〜90重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。
【0012】
本発明の接着剤組成物を構成するエラストマー成分において、通常、その全量の20〜90重量%が前記天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムでありかつ80〜10重量%が前記ブロック共重合体、SISである。また、前記天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムは、好ましくは20〜80重量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%であり、一方、SISは、好ましくは80〜20重量%であり、さらに好ましくは70〜30重量%である。ここで、エラストマー成分の全体に占めるSISの割合が10重量%を下回ると、SISの添加効果がなくなり、反対に80重量%を上回ると、再剥離性が低下する。
【0013】
本発明に従うと、得られる接着剤組成物において高い剪断力と保持力を得るとともに耐熱性、絶縁性を強化するため、上記したエラストマー成分に対してさらに熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤を配合する。ここで粘着付与剤として使用することのできる熱反応性フェノール樹脂は、特に限定されないというものの、例えば、p−アルキルフェノール、p−アリルフェノール、p−テルペンフェノールなどのレゾール型フェノール樹脂あるいはその変性物などを包含する。これらの熱反応性フェノール樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは2種類以上の樹脂を混合して使用してもよい。これらの樹脂は商業的に容易に入手可能であり、その一例を示すと、例えば、住友化学工業社製の「タッキロール201」、「タッキロール250−1」、「タッキロール250−11」、「タッキロール5000」など(いずれも商品名)、住友デュレズ社製の「スミライトレジンPR−22193」(商品名)、日本ゼオン社製の「クイントンC−100」(商品名)などがある。
【0014】
上記したような熱反応性フェノール樹脂のエラストマー成分に対する配合量は、所望とする効果を損なわない限りにおいて広く変更することができるというものの、通常、エラストマー成分100重量部に対して2〜40重量部の範囲、好ましくは5〜30重量部の範囲、さらに好ましくは8〜25重量部の範囲である。熱反応性フェノール樹脂の配合量が2重量部を下回ると、凝集力が不足するようになり、反対に40重量部を上回ると、凝集力が高くなりすぎて、粘着力が極端に低下することになる。
【0015】
本発明によるゴム系感圧接着剤組成物では、任意であるけれども、上記したような熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤に追加して、その他の常用の粘着付与剤を配合してもよい。かかる追加の粘着付与剤の使用は、特に、高い粘着力を得、耐熱性を向上させるのに有効である。適当な追加の粘着付与剤の例としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂などを包含する。これらの追加の粘着付与剤も、単独で使用してもよく、あるいは2種類以上の樹脂を混合して使用してもよい。
【0016】
このような追加の粘着付与剤のエラストマー成分に対する配合量は、所望とする効果を損なわない限りにおいて広く変更することができ、しかし、エラストマー成分を構成する天然ゴム及び(又は)SISの種類と配合比、主たる粘着付与剤である熱反応性フェノール樹脂の種類などによって制約を受けるというものの、通常、エラストマー成分100重量部に対して8〜200重量部の範囲、好ましくは20〜100重量部の範囲である。追加の粘着付与剤の配合量が8重量部を下回ると、粘着力が低下し、反対に200重量部を上回ると、凝集力や粘着力が低下する。
【0017】
また、本発明によるゴム系感圧接着剤組成物では、特に凝集力の向上を目的として、上記したようなエラストマー成分、熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤、そして追加の粘着付与剤にさらに追加して、ポリイソシアネート化合物を配合することが必須である。ここで有利に使用することのできるポリイソシアネート化合物の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなど、その他のイソシアネート付加物あるいはこれらのイソシアネート化合物と式R−OH(式中のRは1価の、芳香族、脂環式又は脂肪族の基である)の化合物とを反応させて得られるブロック化合物を包含する。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、あるいは2種類以上の化合物を混合して使用してもよい。
【0018】
上記したようなポリイソシアネート化合物のエラストマー成分に対する配合量は、所望とする効果を損なわない限りにおいて広く変更することができるというものの、通常、エラストマー成分100重量部に対して0.1〜60重量部の範囲、好ましくは0.5〜30重量部の範囲である。ポリイソシアネート化合物の配合量が0.1重量部を下回ると、所期の目的である凝集力の向上を図ることができず、反対に60重量部を上回ると、粘着力や接着力が低下する。
【0019】
さらにまた、本発明によるゴム系感圧接着剤組成物では、この技術分野において一般的に行われているように、必要に応じて常用の添加剤を配合してもよい。適当な添加剤の例としては、例えば、軟化剤、例えばプロセスオイルなどの石油系軟化剤及びトール油などの植物油系軟化剤、充填剤、例えばクレーなど、着色剤、例えば顔料、酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤、界面活性剤、増粘剤、その他を挙げることができる。
【0020】
本発明のゴム系感圧接着剤組成物は、この技術分野に一般的に使用されている技法を使用して調製することができる。一般的には、本発明の接着剤組成物は、以上に説明したような各種の成分を任意の混合順序で混合し、混練することによって調製することができる。適当な混合装置あるいは混練装置、例えばハイスピードミキサー、ニーダー、ホモミキサー、プラネタリーミキサーなどである。さらに具体的に説明すると、例えば、天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムと、SISと、熱反応性フェノール樹脂とを適当な有機溶剤に溶解した後、高温高圧下で架橋反応を行わせ、次いで,得られたエラストマー溶液に、熱反応性フェノール樹脂以外の粘着付与剤及びその他の添加剤を混合し、十分に混合し、混練することによって目的とする接着剤組成物を得ることができる。別法によれば、各種の成分を有機溶剤に溶解してエラストマー溶液を調製することに代えて、水分散体あるいはペーストなどの形態を適用してもよい。
【0021】
本発明のゴム系感圧接着剤組成物は、この技術分野において一般的に実施されているいろいろな形態で使用することができるというものの、好ましくは、粘着テープの形で使用することができる。好ましい粘着テープは、基材と、その片面もしくは両面に塗工された本発明の接着剤組成物とを含むようにして構成される。適当な基材としては、以下に記載するものに限定されるわけではないけれども、粘着テープにおいて常用の基材、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマーフィルム、紙、織布、不織布、金属箔、その他を挙げることができる。また、適当な塗工装置としては、例えば、ナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターなどを挙げることができる。得られる粘着テープにおいて、本発明の接着剤組成物より構成される粘着層の膜厚は、その粘着テープの使途やその他のファクタに応じて広く変更することができるというものの、通常、約10〜100μmである。
【0022】
本発明の感圧接着剤組成物及びそれを使用して調製された粘着テープは、いろいろな分野において接着目的に使用することかできるというものの、好ましい適用分野は半導体装置の製造分野であり、とりわけ、ポリシング工程で用いられる研磨布、研磨パッドなどの固定の分野である。研磨布、研磨パッドなどを本発明の接着剤組成物あるいは粘着テープを使用して研磨装置の定盤などに固定する作業は、一般的に行われている作業に準じて行うことができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明をその実施例について詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
実施例1
天然ゴム(ペールクレープ)をミキシングロールで混練してムーニー粘度ML1+4 (100℃)が60である素練りゴムを調製した。次いで、60重量部の素練りゴム、40重量部のSIS、シェル化学社製の「クレイトン1107」(商品名)、60重量部のテルペン系粘着付与樹脂、ヤスハラケミカル社製の「YsレジンPx1000」(商品名)及び20重量部の重合ロジン系粘着付与樹脂、理化ハーキュレス社製の「ポリペールレジン」(商品名)を400重量部のトルエンに溶解した。上記の成分を均一に溶解させた後、得られた溶液に15重量部の熱反応性フェノール樹脂、日立化成工業社製の「ヒタノール2500」(商品名)を添加し、反応容器内で90分間にわたって架橋反応を行わせた。感圧接着剤組成物の溶液が得られた。
【0024】
次いで、上記の工程で得られた感圧接着剤組成物の溶液を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布し、70℃で5分間にわたって加熱乾燥させた。目的とする感圧性粘着テープが得られた。
実施例2
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、追加の成分としてのポリイソシアネート化合物、日本ポリウレタン社製の「コロネートL」(商品名)を5重量部の量で感圧接着剤組成物に配合した。目的とする感圧性粘着テープが得られた。
実施例3
前記実施例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、天然ゴムを60重量部から80重量部に増量し、また、SISを40重量部から20重量部に減量した。目的とする感圧性粘着テープが得られた。
実施例4
前記実施例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、天然ゴムを60重量部から20重量部に減量し、また、SISを40重量部から80重量部に増量した。目的とする感圧性粘着テープが得られた。
比較例1
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、SISを不使用とした。
【0025】
100重量部の天然ゴム(ペールクレープ)と20重量部の亜鉛華「特3号」をミキシングロールで混練してムーニー粘度ML1+4 (100℃)が60である素練りゴムを調製した。次いで、120重量部の素練りゴム、60重量部のテルペン系粘着付与樹脂、ヤスハラケミカル社製の「YsレジンPx1000」(商品名)及び20重量部の重合ロジン系粘着付与樹脂、理化ハーキュレス社製の「ポリペールレジン」(商品名)を400重量部のトルエンに溶解した。上記の成分を均一に溶解させた後、得られた溶液に15重量部の熱反応性フェノール樹脂、日立化成工業社製の「ヒタノール2500」(商品名)を添加し、反応容器内で75分間にわたって架橋反応を行わせた。感圧接着剤組成物の溶液が得られた。
【0026】
次いで、上記の工程で得られた感圧接着剤組成物の溶液を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布し、70℃で5分間にわたって加熱乾燥させた。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例2
前記比較例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、素練りゴムの調製の際に亜鉛華「特3号」を不使用とした。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例3
前記比較例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、反応時間を75分間から150分間に延長した。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例4
前記比較例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、テルペン系粘着付与樹脂の配合量を60重量部から80重量部に増量した。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例5
前記比較例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、熱反応性フェノール樹脂の配合量を15重量部から20重量部に増量した。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例6
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、天然ゴムを60重量部から90重量部に増量し、また、SISを40重量部から10重量部に減量した。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
比較例7
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、天然ゴムを60重量部から10重量部に減量し、また、SISを40重量部から90重量部に増量した。比較用の感圧性粘着テープが得られた。
粘着テープの特性評価試験
前記実施例1〜4において調製した感圧性粘着テープ及び前記比較例1〜7において調製した比較用の感圧性粘着テープのそれぞれについて、接着力、保持力、粘着力(タック性)及び金属含有量の各項目に関して特性評価試験を実施した。それぞれの試験の手順は、下記の通りである。
接着力の測定:
JIS Z−0237に記載の指針に従って測定を実施した。幅25mmの供試粘着テープをSUS−430のステンレス板に貼付し、温度20℃で引き剥がし角度=180度及び速度=30cm/分で引き剥がした際の接着力(g/25mm幅)を測定した。
保持力の測定:
2枚の供試テープを用意し、それぞれのテープの糊面どうしを9mm×12mmの面積で貼り付けた。40℃の雰囲気中で、一方の供試テープの一端に1kgの荷重をかけ、接着状態が解けてその供試テープが落下するまでの時間(分)を500分まで測定した。
粘着力の測定:
表面が平滑で粘着性を有しない板を水平面に関して24度の角度で配置するとともに、その傾斜した板の表面及びそれに続く水平面に供試テープをその粘着面を上にして固定した。次いで、供試テープの粘着面の上を、130mmの高さ(水平面から粘着面までの高さ)から、直径81.3mm、幅19mmのデルリン(商品名;アセタール樹脂)製のホイールを転がし、水平面上の供試テープの粘着面の上を転がせた。ホイールの接地点、すなわち、傾斜した板が水平面と接する場所から、転がったホイールが停止した位置までの距離(mm)を定規を用いて測定し、粘着力(タック性)の尺度とした。
金属含有量の測定:
それぞれの実施例及び比較例で調製した感圧接着剤組成物中に含まれる金属元素Al、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ni、Pb、Sn、V及びZnの定量分析をICP(Inductivity Coupled Plasma)発光分析法に従って行った。金属元素の含有量に関して、その合計量が100ppm 以下のものを可(OK)とし、100ppm を上回るものを不可(NG)とした。
【0027】
上記した評価試験の結果を下記の第1表に示す。なお、この表には、参考のため、それぞれの実施例及び比較例で調製した感圧接着剤組成物の組成も併記する。
【0028】
【表1】
【0029】
上記第1表に記載の結果から理解されるように、実施例1では、エラストマー成分を金属化合物触媒の不存在下において熱反応性フェノール樹脂で架橋させたにもかかわらず、金属化合物触媒を使用した場合に比較可能な好ましい結果を得ることができた。すなわち、実施例1では、SISを適切な量で配合したことの結果、接着力、保持力及び粘着力のすべてにおいて良好な結果が得られ、また、その際、生産性の大きな低下が引き起こされることもなかった。また、実施例1の接着剤組成物には金属が含まれないので、それから調製される粘着テープを半導体装置のポリシング時に研磨材の固定に用いても、金属汚染の問題が引き起こされることもなかった。
【0030】
また、実施例2では、実施例1で調製した接着剤組成物に対してさらにポリイソシアネート化合物を配合したので、特に保持力を向上させることができ、また、その際、十分に満足し得る接着力及び粘着力を得ることができた。
さらに、実施例3及び4では、各成分を記載の量で配合しかつさらにポリイソシアネート化合物を配合したので、接着力、保持力及び粘着力をバランスのとれた形で得ることができた。
【0031】
実施例1〜4において得られた良好な結果とは対照的に、比較例1では、接着性能の面では特に問題はないというものの、金属夾雑物が存在するので、金属汚染の可能性を払拭することができなかった。また、比較例2〜6では接着力の不足が認められ、さらに、比較例7では、接着力が高すぎることによる再剥離性及び保持力の悪さの問題が発生した。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、金属汚染が少なく、したがって半導体装置等の製造において研磨布、研磨パッドなどの研磨材の固定に有利に使用することのできるゴム系感圧接着剤組成物を提供することができる。本発明の感圧接着剤組成物は、したがって、半導体装置の製造過程においてウェーハや集積回路(IC)などの表面をポリシングする際に、使用する研磨材を研磨装置の定盤に固定するのに使用した場合、研磨材の固定に十分な接着力、初期粘着力、剪断応力を提供することができ、また、固定した研磨材の再剥離が容易で、しかもその使用に原因して研磨材自体が金属汚染されることもない。
Claims (2)
- 天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムと、スチレン重合体ブロック及びイソプレン重合体ブロックを有するブロック共重合体とを含むエラストマー成分と、熱反応性フェノール樹脂からなる粘着付与剤との架橋反応生成物、及び
ポリイソシアネート化合物
を含むゴム系感圧接着剤組成物であって、
前記エラストマー成分の全量の20〜90重量%が前記天然ゴム及び(又は)ポリイソプレンゴムでありかつ前記エラストマー成分の全量の80〜10重量%が前記ブロック共重合体であり、そして
前記エラストマー成分100重量部に対して2〜40重量部の量が前記熱反応性フェノール樹脂であること
を特徴とするゴム系感圧接着剤組成物。 - 前記ポリイソシアネート化合物が、前記エラストマー成分100重量部に対して0.1〜60重量部であることを特徴とする請求項1に記載のゴム系感圧接着剤組成物。
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